やみいちと夜を過ごす

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そろそろ、録っていこうかと思うんですが。最近ですね。やみいちをですね、ずっと見逃し続けていて。
藤原
まあ頑張って見るほどのものじゃないから。
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いえいえ。
藤原
京都から離れちゃうとしんどいよね。それは自分らでも良く分かってるんだけどね。大阪の人はこの時間にやられても困るだろうなと。ブンピカに泊まってもOKとはいえ。ブンピカに泊まる事が面白く思える人もいるだろうけど、抵抗がある人もいるだろうし。note
noteやみいち行動
面白い事や面白くない事をや面白いかどうかよく分からない事などを行う即興的演劇的行為集団。(公演チラシより)。年二回、京都大学文学部学生控室(通称ブンピカ)にて公演を行っている。脚本はなく、役どころの最低限の約束事によって成立する。無料。
note小さなもうひとつの場所
「別役実戯曲を『正しく』上演するためにつくられた」ユニット。藤原康弘広田ゆうみなどによって結成。
noteブンピカに泊まってもOK
やみいち行動は金、土は24時開演であるので、終演は26時とかになる。チャリで京大に来れる人以外は帰りの足がなくなるわけである。そこで、帰りの足のないお客はブンピカで始発まで寝たりうだうだしたりしてもよい、という事になっている、という事象が前提としてある。(藤)

京都大学文学部学生控室

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もう何年くらいでしたっけ。やみいちは。8年くらいでしたか。
藤原
いや、8年じゃないね。10・・・13年か14年くらいやってるんじゃないかな。note
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大昔ですね。
藤原
何年か前に、十周年の公演をやったから。でも中断期間も含めて、途中中断期間もあって、それも含めてだから。note
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初めてみたやみいちが、何だかよく分からないシェフの絵のやつで。note
藤原
シェフの友。
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それです。本当に新鮮でしたね。料理したり、役者のテンパってる姿だったり。ずっと高校演劇しか観てこなかったんですけど、そこで初めて小劇場演劇に触れたんですよ。私個人の演劇観は、今でもその影響を強く受けています。本当に、やみいちはずっと続いていってほしいなと思います。
藤原
まあ、かなり現実的な問題としてブンピカの存続は実は微妙だからね。
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マジですか。
藤原
ブンピカが無くなったら一つの大きな節目というか、どうしようという事になるわな。
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考えられないですね。
藤原
確定ではないんだけど、大学の長期的な計画ではなくなる事になってる。私の知っている範囲の計画ではグリーンベルトになる予定なのよ。
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グリーンベルトと言えば、立て看板関係を思い出します。石垣CAFEとかありましたね。note考えさせられます。
note13年か14年くらいやってる
92年8月「ムツゴロウといっしょ」が初行動である。当時は「裏劇団やみいち」と名乗っていた。初回開演時には客席には観客が一人しかいなかったのも今となってはいい思い出である。(藤)
note3年のブランク
第3回行動から第4回行動まで、3年のブランクがある。メンバーが就職したりして芝居から離れていた事などが原因。(藤)
note第6回行動「シェフの友」
第6回行動「シェフの友」の事である。チラシのイラストはシェフチェンコ選手。現チェルシーFC所属。もちろん「シェフの友」だからシェフチェンコなのである。(藤)
note大学の長期的な計画
国立大学の行政法人化に伴い、各大学は国からお金が取れるうちに資産価値を増やしておこうと施設整備に力を注いだという経緯がある。その結果、京都大学でもかなり性急な整備が行われた。また、その過程で立て看板の乱立する百万遍の石垣を一掃してこぎれいな大学にしようという意図も見られた、などなど。(藤)
note石垣CAFE
石垣CAFE・・・京都大学の石垣周辺整備計画に同大学の一部学生が反発、「長年親しまれてきた石垣の風景と、立て看板を自由に出せる大学を守りたい」という理由で京都大学の百万遍に面する石垣の上に小屋を設営、CAFE及び寮を出店?した。詳しくはリンク先を参照の事。

タグ: 俳優のブランク

アマチュアリズム

藤原
まあ、やみいちのあまり前面に出てないバックグラウンドとして、アマチュアリズムのひとつの在り方を示す、というのがあって。note
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コンセプトですか。
藤原
芝居に関わっている人たちの雰囲気として、就職とかせずに芝居のために全ての時間を捧げてプロを目指すという取り組み方が出来ないんであれば大学を出て芝居を継続して行く価値はない、みたいな半ば脅迫的な観念が支配していた時期というのがあったような気がして。アマチュアとして続けて行ける道を探るなんてのはお遊びだからロクな芝居を作れないだろう、そんな活動には価値はない、そんな続け方ならやめてしまえ、みたいな。note
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はい。
藤原
そうじゃなくて、生活しながら、仕事しながら芝居をやっていけるっていう、かつ楽しめるものを作るというのが、というのが一つのコンセプトとしてあったんだけど。
noteアマチュアリズム
アマチュアリズムについての考察は桶総帥による以下の記事を参照の事。(藤)
「総帥の投げキッス、その他の思い」内 アマチュアリズムについて少しばかり
http://web.kyoto-inet.or.jp/people/masakage/sousuishitsu/ama.html
note
また、その頃そういう続け方をしている人たちの芝居は実際ひどかったのでもある。(藤)

タグ: コンセプチュアルな作品

料理

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料理を出すというのがやみいち行動のなかで大きなパートとなっていると思うんですけど。
藤原
まあ最近はそうでもないよ。
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このところは併設バー、みたいなのがありますね。
藤原
L喫茶ね。まあ、ネタとして面白い料理も思いついてないから、それも大きいんだけどね。
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そうだったんですね。
藤原
舞台上で魚を捌いて寿司を出すというのは一度やりたいと常々言っているんだけどね。
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面白いですねそれは。
藤原
今ある食べ物ネタとしてはそれぐらいだよね。
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アトリエ劇研の演劇祭でもやってましたよね。
藤原
ああ、カレーをね。
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そういや、ブンピカのみならず、他の劇場で公演をしたりはしないんですか?
藤原
いや、招かれたら行くけどねというスタンスで。一度アートコンプレックスでもやったりはしてるんだよ。アートコンプレックスで劇団紹介みたいな企画があって。
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2003年くらいの。ありましたね。
藤原
あれでやみいちも誘われて。何か映像とかないですかねと。映像なんか無い、じゃあ稽古するかと。
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はい。
藤原
「エデンの干菓子」の前半だけやった。ひどい話やな、お客さん何のことだかさっぱりわからない。でもあそこでしかやってないネタもあって。流しそうめんしたんだな。
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あそこでですか!
藤原
結局あれは、7Mの水路を作って中二階からシャーっと。
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考えてみれば、そういうノリって実はなかなか成立しにくいと思うんですよね。やはり、京都的な風土みたいなのが根底にあるんだと思うんですが。
藤原
あるやろね。
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もちろん努力をされているからだと思うんですが、言ってしまえば妙なノリの作品が質をちゃんと評価され、さらに続いているというのが。
藤原
まあ確かにちょっと他じゃ成立しないかもしれないね。
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無料ですしね。
藤原
まあね。
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やっぱり、粋なというか、やりきってるのを見るたびに、いいなと。
藤原
さすがにこないだの電車やみいちはちょっとお金を貰ったけどね。叡電を借り切って公演会場にした。
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あ、何かありましたね。
藤原
さすがに借り切るのにお金が掛かったから。

左京区

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Lmagazineが、左京区特集というのをやっていて。杉山準さんとかごまのはえさんとかの声が紹介されていて。
藤原
私も載っていたけどな。
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あれ、気付かなかったです。
藤原
山下残の前に載ってた。
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すみません、今度探しておきます。
藤原
いや探すほどの事言ってないから(笑う)。
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今、大阪府の豊中市に住んでいるんですが、近くのセブンイレブンでそれを見つけて。びっくりしたんですよ。
藤原
確かに左京区って特殊だよね。それを左京区ってくくりで企画する編集者も凄いけど、それを特集にしたLmagazineも別の意味で。確かに左京区は面白いし他の所の人も来て見たらいいと思うけど雑誌の特集にしていいんかなという不安だな(笑う)。
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まあオシャレですよね。
藤原
これをオシャレという決意の方がオシャレというね。
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左京区か・・・。確かに、偶然とは言え妙な所で過ごしたなと思いますね。例えば、物凄く怪しい店があって。そのお店は、怪しさを出そうと思って出してる、というのとはちょっと違って。簡単に言うと、ヤバいんですよ。
藤原
おお。
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「アリスの落ちた穴の底」っていう。
藤原
MICKね。
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行かれた事はありますか。
藤原
一回だけ・・・いや二回ある。結構でかいよね。あの店。面積的に。
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ええ。店の演出とマスターの混乱と気取りの無さが印象的でした。
藤原
ゴキブリとかいたしな。
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テレビも付いていて、変な絵も飾ってあるし。その中で天井のネオンがやたらキレイなんですよ。
藤原
うん。
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不思議だ。あそこで一人でコーヒー飲んでたんですけど、隣の3人の客の話がアカデミックで死ぬかと思いました。
藤原
使う人もそこがMICKである事に頓着してないよね。フツーのサークルの連中が騒いでたり。
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マスターのお爺ちゃんが寝てたり、店員の女の子が物凄く可愛かったり。不思議な店です。ああいうお店に、左京区ぽさを感じるんですよ。

気質

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先日、金田明子さんnoteという、大阪で活動されている編集者の方とお話をさせていただいたんですよ。京都の方とも交流が非常にある方なのですが、その時にお聞きしたのが、大阪と京都の小劇場の違いと言う事で。
藤原
凄い違うよね。
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ええ、チラシを見て、どちらがどちらか、というのが伏せられてても分かりますからね。これもその時に申し上げた事ではあるのですが。
藤原
まあ大体分かるよね。
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何だか、京都の演劇人も大阪の演劇人も、何だかそういう価値観みたいのを共有してるんじゃないかと。もしかしたら私が京都にずっといたからなのかもしれないのですが、作品を見ていてやっぱり感覚が合わない所があるんですね。ですので一旦リセットしなければならないとは思うんですけどね。
藤原
うん。
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大阪の方は、お客さんへのサービス意識がとても強いんですよね。
藤原
そういう気質があるんじゃないかな。受けてナンボみたいな。対して、京都の人は何かそこにもう一つ織り込むような、受けるにしても5秒、10秒後に面白さが分かるような感じを好むとか、そういう意識はあるよね。
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ひねくれてる。それから、地理的に色々な劇団が隣接しているから、同時代的なサロンが狭い地域に局所化しているのが大きな違いかなとは思いますが。
藤原
うん。
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そういう中で、ねじりをいれたい、という人が多くなるというのは面白い事だと思います。
note金田明子氏
演劇・お笑いを中心とした編集、取材・執筆、公演企画、宣伝コーディネートなどで活動中。

タグ: 演劇人同士の繋がり 京都と大阪・大阪と京都

パラパラ漫画

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今日はお話を聞かせていただいたお礼に、プレゼントがございます。どうぞ(渡す)。
藤原
何?おいしいもの?
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いや、食べれはしないと思うんですが。
藤原
(開ける)メモ?
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いや、ちょっとめくっていただいて。
藤原
ここまできても何だかわかんないぞ。(めくる)あ、へえ。
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パラパラマンガですね。
藤原
あ、おもしれえ。すげえ。え、ちょっと待って。途中で・・・これは面白いわ。パラパラマンガね。いいね。やみいちではやったことないな。
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この、なんともいえない軽さがいいですよね。
藤原
パラパラマンガを作ろう。

(インタビュー終了)