「やりたいこと」の追及

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今日は、宜しくお願い致します。
河瀬 
宜しくお願い致します。
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最近はいかがでしょうか。
河瀬 
そうですね、次の11月公演の脚本を書いています。
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劇団ZTONさんは、かなりハイペースに公演をされている印象がありますが。
河瀬 
そうですね、今年で4本目ですので、ちょっと限界です。けど、12月にはプロデュース公演も予定しています。
__ 
12月もやるんですか。どのような感じの公演になりますか?
河瀬 
プロデュースということで、ZTONでは出来なかった好きな事をしようと思っています。演劇になるかすら怪しいという。「こんな芝居、50円でたくさんだ」っていうコントみたいなのを大量に出す予定ですね。
__ 
ZTONでは出来ないというのは。
河瀬 
どうしてもですね、お客さんのニーズに答えようとしている以上、表現できないことが出てくるんですよ。ドタバタコメディや、会話劇みたいなことがしてみたいなぁと。だから、個々人の名前で「やりたいこと」を追及してみようかなと思います。

動員も花道も

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さて、前回公演の「月黄泉ノ唄noteについて伺えればと思うのですが。初めてのアトコン進出でしたけれども、お客さんが沢山入ってましたね。
河瀬 
ちょっとびっくりしましたね。実は、情報宣伝を担当している関係上、今回の動員数は予想してたんですよ。
__ 
当てずっぽうですけど、400人弱でしょうか。
河瀬 
そうですね。作・演出もやっていて、花道を作って欲しいと言ったら、舞台監督に400人分も客席は作れないと言われまして。動員も花道も諦めきれなかったんですが、結局400人も来ないだろうと花道を作ってもらいました。自信が無かったんですね。
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さて、作品の方ですが、私は非常に面白く拝見しました。いわゆる時代モノのエンタメ演劇作品って結構多いと思うんですが、実はちょっと苦手なんですよ。それはもちろん完成度が低いだけなんですが、いかにもというセリフの応酬で、人間同士の会話が成立していないという作品が多くて。
河瀬 
分かります。正直、時代モノの衣裳を着て、固定されたキャラ概念での演技って見ていて面白くないんですよね。それは僕も大嫌いで。そういうのに風穴を開けるべくZTONを作ったというのもありますし。
__ 
あ、そうなんですか。
河瀬 
こういう芝居をやっていると、よくその系統に括られるんですよ。それがもう嫌で嫌で。
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分かります。でもZTONさんは会話がきちんと出来ていて見やすいと思います。もちろん作品としてはエンタメなんですけど、役者の演技が全く硬直していないというか。
河瀬 
良かった、分かって頂けて。ただ、お客さんは何も考えずに見れる芝居を望んでいたりもする方も多いと思うんですよね。そこまで芝居を見ない人は、会話というよりは、ボゴーンボゴーンっていうのを求める人が多いんですよ。そういうお客さんには「月黄泉ノ唄」はウケましたね。アンケートなんか見ても。
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なるほど。
note月黄泉ノ唄
劇団ZTON vol.5「月黄泉ノ唄」公演時期:2008.8.29~31、会場:アートコンプレックス1928。ART COMPLEX 提携公演

タグ: 衣裳・時代物

手段としての殺陣

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さて、前述の会話が出来ていない芝居をですね、「仮エンタメ系」と呼ぶことにしましょう。ZTONさんはそれ系と違わせる為にどのような事をしているのでしょうか。
河瀬 
実は、日本刀と殺陣が大好きなんですよね。いつか振るってみたいなあと。でも、殺陣を見せられて楽しいか?というと、僕は楽しくないんですよ。なので、究極的には殺陣は入れたくないんです。話の要所に入れることはありますが。なので、言い方は悪いですがオナニーにならない殺陣の作り方を研究していますね。
__ 
それはどのような。
河瀬 
「ここでこうきたらこう返す」みたいなセオリーには頼らずに、必要なだけの殺陣を作っています。言ったら、目的ではなく、手段としての殺陣なんですよ。ダンスもそうですし。でもそれらを目的としてしまったら、仮エンタメ系となってしまうと思うんです。
__ 
なるほど。では、殺陣などの部分以外の、作品そのものの製作としては。
河瀬 
一番描きたいのは、人間の内面です。一般的に演劇というのは、それを普通の会話劇を通して描いていると思うんですけど、それも見ていて面白くないんですよ。確かに芝居が進むにつれて、キャラクターの心に微妙な変化は表れてくるんですけど、そういった会話劇を見せられても・・・。三谷幸喜の劣化版だと思っちゃうんですよ。例えば初めて演劇を見る人が「どんなんだろう」と思ってちょっと観に行って、そういうものを見せられたとしても絶対に面白くないと思うんです。そこを劇的に、意図的に見せなくてはと思うんです。ダンスや殺陣は、そのための手段として入れていますね。
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例えば、前回の「月黄泉ノ唄」では、主人公の死に別れた筈の妹が鬼として再び現れて、彼女の生への執念と向き合わなければならなかったと。そこで彼の、新しい時代を開きたいという理想とのジレンマが発生していました。結局、妹とはもう一度死に別れなければならなかった訳ですが、実は主人公は芝居が始まった頃よりずっと強くなっていたという、成長を描く物語でもありました。さて、そういった物語を、観客にどのように受け止めて貰いたいのでしょうか。
河瀬 
偉そうなんですけど、「この国はおかしい」と。僕自身は、作品に出てきた蜜さん演じる安陪清明noteと同じく、世界の矛盾・理不尽を破壊したいなと考えています。この国を疑問に思って貰いたいんですよ。ちょっと政治的かも知れませんけど。
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なるほど。だから、単に激しいだけの仮エンタメとは違うんですね。そういえば、今年の3月の「沙羅双樹のハムレットnoteという作品もそういった面がありました。
note蜜さん演じる安陪晴明
陰陽師・安陪晴明を怪演とも言える熱演。
note沙羅双樹のハムレット
劇団ZTON vol.3「沙羅双樹のハムレット」公演時期:2008.3.6~9、会場:東山青少年活動センター 創造活動室。

タグ: 「初めて芝居を見たお客さん」 表現=「自己満足、オナニー」? 手段を選ばない演劇人 俳優を通して何かを見る 大・大・理不尽

「世界はハッピーエンドで終わるんだ」

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沙羅双樹のハムレット」。この作品も大変面白かったです。一番驚いたのが、何の希望もない、まさしくバッドエンドで終わったという事なんですよね。大筋としては、主人公が死んだ父親にとり憑かれ、その狂気が為政者に利用されるというものでした。主人公が正気に戻る訳でもなく、かつての仲間たちを黒幕の思惑どおりに斬り捨て、自らも死に、悪役がほくそ笑んで終わりという。思いきった作品だなあと。蜜さんにインタビューさせて頂いたときもバッドエンドが多いと伺いましたが、バッドエンドが好きなんですか?
河瀬 
はい。実は、僕は元々漫画家になりたかったんですよ。中学からジャンプに投稿していたんです。その時はハッピーエンドが好きというか、当然だと思っていて、ある時、ある漫画に出会ったんですよね。主人公とヒロインの女の子が出てきて、いい感じになるのかな?と思ったらキャラがボコボコ死ぬという。
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タイトルは。
河瀬 
EDEN」です。ちゃんと、綿密なストーリーがあるんですよ。主人公はどんどん薬に溺れて行くんですが。あれを中学の時に読んでしまったのが運の尽きで。ジャンプの漫画を読んで育ち、「世界はハッピーエンドで終わるんだ」と思っていたのが、「これはいかん」と。のうのうと過ごしていては、と。そこからバッドエンドの方向に進んでいったんですね。
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最後に世界の厳しさを叩きつけて終わる、みたいな。
河瀬 
そのニュアンスは大いにありますね。でも、バッドエンドの方が未来があると思うんですよ。辛いけど、どうしようもないけど、だからこそどうするかという問いかけなんですよね。そこに気付かないのが一番良くないと。
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なるほど。特に「沙羅双樹のハムレット」は、一片の希望もなかったですね。
河瀬 
原作も僕ではなかったですし。いい意味で投げて書けたと思います。「月黄泉ノ唄」みたいに、無理矢理、希望が残るように書く事もあるんですけどね。

タグ: ジャンプ!についてのイシュー バッドエンド ハッピーエンドについての考え方

追及

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さて、そんな劇団ZTONの旗揚げの経緯を伺えますでしょうか。
河瀬 
僕は月光斜に所属していたんですけど、参加した作品に納得してなかったんです。それで、自分で企画したらそういうストレスはなくなるかなと思って。僕が3回生の時に、月光斜の新歓公演で演出をやったんですけど、手応えを感じたんですよね。「これ行けんじゃねえか?」と思って。飲み会の席でたまたま一緒だったメンバーで「じゃあやろっか」と。
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一番最初の公演は、いかがでしたか?
河瀬 
「じゃあやろっか」と言ってから4カ月後に、学園祭の企画でやりましたね。その頃既に仮エンタメ大嫌いだったので、そういう要素が全面的に入った作品でした。エンタメ糞喰らえ、みたいなネタの塊でしたね。今年の11月に再演するんですけどね。
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タイトルは。
河瀬 
ISUKA」です。神武天皇の時代のお話です。
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エンタメ糞くらえで時代モノというのが矛盾していて魅力的ですよね。ちなみに、現代を舞台にしたお話は作られないのでしょうか?
河瀬 
書きたいんですけどね。書くとなると、リアリティをどこまで追及出来るか?という話になるんですよ。書きたい話はあるんですけどね。ウイグル自治区の難民問題をエンタメに載せてみたいと思っています。
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素晴らしい。
河瀬 
これについては気が狂う位の量の勉強をしないといけないと思うので、今、リアリティを追及すると自信がないんですよ。例えば、現代を舞台にしたエンタメでは拳銃が良く出てきますね。あれほど、現代の日本人にリアリティのないものはないと思うんです。僕の祖父は明治生まれで3回戦争に行ったんですけど、隣で匍匐前進していた同僚が撃たれて死んだとか、そういう話を聞いたんです。そこまでリアリティは要らないなと。もしそういう話をするのであれば、社会問題をもっと勉強させてほしいという。

タグ: 自信がない 飲み会結成 劇団ZTON、参る

質問 四葉さん から 河瀬 仁誌さん へ

Q & A
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さて、今日は前回インタビューさせて頂きました四葉さんから質問を頂いてきました。1.月光斜の後輩に一言。
河瀬 
後輩ですか。
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現在、10月の卒業公演の準備中だそうですが。note
河瀬 
まあ、楽しんでやったらいいんじゃないですかねと。アグレッシブに挑戦してほしいですね。僕もそうして、「いけるやん」と思ったから旗揚げした訳ですし。挑戦する場ですから。
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2.好きな女性のタイプは。
河瀬 
ええと・・・。年上の女性ですね。冷たくされると燃えますね。

note劇団月光斜 2008年10月の卒業公演
さくたま!~異説!伊達娘恋緋鹿子。公演時期:2008.10.23~25、会場:立命館大学 学生会館小ホール、作・演出:四葉 さん。

今後

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さて、今後、どんなふうに攻めていかれますか。
河瀬 
それは勿論、芝居で食っていくようになりたいですね。芝居に関わる仕事をしながら劇団を大きくしたいです。最終的には劇団が大きくなればいいですね。それだけで食べられるようになったら文句はないなと。
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大変でしょうけれど、頑張って下さい。作家としては、今後描いていきたい世界は。
河瀬 
11月は、先ほどの通り初演の作品の再演です。その次は、3月に大きな公演をやりたいなあと思っています。シェイクスピアをやりたいなと。
__ 
それは、本当にシェイクスピアをやるんですか?
河瀬 
いえ、いじります。時代的には応仁の乱で。
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舞台は日本なんですね。
河瀬 
はい。日本人が外人の名前で呼び合うのに寒気を覚えるんですよ。
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骨組にすると。
河瀬 
本当に骨組程度ですね。

タグ: どんな手段でもいいから続ける シェイクスピア 今後の攻め方

無印良品の醤油さしと醤油用スパイスミックス

kawase_present
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今日はですね、河瀬さんにお話を伺えたお礼にプレゼントがあります。
河瀬 
ありがとうございます。
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どうぞ。
河瀬 
でかいですね。(開ける)お、これは。おしゃれですね。
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無印良品の醤油さしですね。
河瀬 
うち、醤油がないんですよ。
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えっ!
河瀬 
いや、大人数で暮らしているもんで、早く無くなるんです。
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あと、にんにく醤油用・かつお昆布醤油用スパイスミックスです。
河瀬 
・・・これの賞味期限、僕の誕生日と一緒ですね。
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えっ!
河瀬 
これ。
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ああ・・・小さい奇跡ですね。

タグ: プレゼント(食器系)

(インタビュー終了)