ハシ×ワタシ

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今日はよろしくお願いします。
名越 
お願いします。
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名越さんは最近はいかがでしょうか。
名越 
11月にtabula=rasa 1と、12月にBRDGのハシ×ワタシ 2と公演が続いていたのですが、それが終わってほっと一息ついてるところですね。
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私はハシ×ワタシしか見れなかったんですが、面白かったです。演劇なのかダンスなのか、どちらでも構わない感じでしたね。橋というモチーフに対して、純粋にアプローチしていく作品でした。
名越 
最初はダンスと演劇の中間くらいという印象があったんです。みんなで作って構成してという感じでしたね。例えば、稽古が始まる前に実際に橋に行って見えたものをレポートして録音するというのがあったんですよね。初めての体験でした。
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そうそう。その録音は舞台上で役者が聞きながら再体験するという表現になっていましたね。面白かったです。
名越 
聞きながらその時見た風景が見えているように、という指示に苦労していました。「目の前にある」ってことに出来なくて、どっしりしなかったですね。
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名越さんはそうした、物語ではない公演に関わるのは珍しいのでは。
名越 
そうですね、特に脚本がまったくないというのが初めてで。例えば自分の故郷の橋を紹介する時に、どうすれば魅力的に聞こえるか、ひとつひとつの言葉選びから考えるのが大変でしたね。役でもないし感情もあまりないし、物語もないから、あくまでも「名越未央」というわたし自身で勝負しなくちゃいけないと強く感じる作品で、難しかったです。が、勉強になりました。
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名越さんは最後に、橋の崩落事件の朗読がありましたね。
名越 
あれは実際にあった話なんですよ。あの場面では、ちょっと笑っちゃうような変なことをいっぱい言ってましたけど、全部本当に本に書いてあることを読んでいただけなんです。
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終末的なイメージがありましたね。
1tabula=rasa
京都を拠点に活動する演劇のカンパニー。2009年に高田ひとしを主宰に設立。活動は、いくつかの連続的なシリーズを並行的に上演するスタイルを取る。(公式サイトより)
2BRDG企画公演「ハシ×ワタシ」
公演時期:2011/12/2~4。会場:ロクソドンタブラック。

ああ、今日は何しよう

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2つの作品を振り返って、いかがでしたか。
名越 
実はtabula=rasaでも、自由にやっていいよ的な演出で、だから本番の前はすごく緊張していたんですよ。ああ、今日は何しようって。今までの作品はやることは全部決まっていて、ちゃんとしようと思って舞台に出るんですけど。
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つまり、袖幕から出て表現する事について自覚的になる経験だったと。
名越 
ハシ×ワタシで大事にしていたのが、他の役者や音響や一部照明も基本は即興だったので、それら全てと関係をとりあって、ということでした。「これやろう」と思っていても、相手がやってくる事にもリアクション出来るように相手への回路を開いておくんですよ。
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最後のあのメモで出来た橋も、伝える事自体を提示された感じですよね。伝達がテーマの作品だったと思います。

タグ: 自覚的になりたい

質問 上原 日呂さんから 名越 未央さんへ

Q & A
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前回インタビューさせていただいた月曜劇団の上原さんから質問です。「1.コンプレックスとの付き合い方を教えて下さい」。
名越 
コンプレックスを隠さないことだと思います。ハシ×ワタシでも言ったんですが、自分自身の事があまり好きではなくて、悩んでいたことがあったんですね。それをある時人に話してみたら「そんな事で悩んでたんだー面白いねー」って言われて、それですごく楽になったので。
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自分で欠点だと思っていた事を話すと。
名越 
誰かに客観的に見られる事は大事だなと思います。
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「2.人と一緒にいるとき、右側と左側、どちらが落ち着きますか?」
名越 
私は左側にいたいです。
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なるほど。私は右です。男女で右左というのがあるみたいですね。

タグ: 自分の演技を客観的に見る

シャイ

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お芝居を始められたのはどういうキッカケがあったのでしょうか。
名越 
昔からそういう気持ちはあったんですね。単純にテレビに出たいと思ってたのかな。高校の頃は演劇部が3人しかいなかったので、ダンス部に入りました。
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あ、そうらしいですね。ストリートダンスとか。
名越 
当時は踊れたんですが、いまはすっかり(笑う)もう一度習いたいです。大学時代は西一風に入ったんですよ。びっくりしたのは、私、演出の人が演技を全部付けてくれるんだと思っていたんですが違ったんですよね。「とりあえずやってみて」って。
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演技を自分で作るとは普通思わないですからね。演出という存在が最初から作ってくれると思っているかもしれませんね。
名越 
シャイな人間だったので自分から提示することが全然できなくて、周りからも「この子にはムリだ」って思われていたみたいです。
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それから悪い芝居に出るようになるまで・・・
名越 
そうなんです。最初は自分がやることに自信が持てなくて「これでいいんですか?」って思っていたんですが、山崎さんが「こないだの良かったよ」って言って下さって。それで誘ったりして頂いて。
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「キョム!」 3にも出演されていましたね。
名越 
あの母親役は自分とはかけ離れていて、難しかったんですが、好きでした。あの役がどう生きてきたのか想像するのが面白かったです。
3悪い芝居vol.11「キョム!」
公演時期:2010/12/18~26(大阪)2011/1/14~16(東京)。会場:精華小劇場(大阪)駅前劇場(東京)。

タグ: 出来ない!難しい!演技

公演に関わる意味

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今後、どんな役をやってみたいですか?
名越 
やった事のない役がいいですね。昔は男の子の役とかもやっていたんですが、去年くらいから風俗嬢とかも振られてきています。お婆ちゃんの役とかもやったことないですし、どんどん幅を広げていきたいなと思います。
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名越さんは、来た役に対して、どんなアプローチをしていくのでしょうか。
名越 
私は中身から作っていく事が多いんですよ。私がもしその立場だったらどうする、みたいに、私をベースにして視点を近づけていく。私がやる意味がないと嫌だなと思っているので。
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なるほど。
名越 
そちらの方が楽しいなと思っているんですね。
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大学の頃と比べて、俳優としてどのような事が変わりましたか?
名越 
自分が公演に関わる意味を大事に考えるようになってから、自分をベースに考えていくという作り方をするようになったと思います。
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なるほど。
名越 
今度はこれをやってみようって、挑戦するようになりました。

求められていたい

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では、これから、芝居はご自身にとってどのような存在になってほしいと思いますか?
名越 
私は芝居をしたいと思っているんですけど、それと同じくらい、芝居の方から私がそう思っている事を求められていたいです。
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え?
名越 
大丈夫ですか?
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ええと、求められていたい?ちょっと違うな。
名越 
お客さんに、というのももちろんあるんですけど。
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演劇そのものから、名越さんが続けていきたいという気持ちを持つことを受け入れてほしいと、そういう事でしょうか。
名越 
はい。
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受け入れられた上で、名越さんはどう答えますか?
名越 
がむしゃらにやっていくしかないですね。その時々では最高にやっているつもりなんですけど、常にもっと出来たんじゃないかって思うんです。次はもっと、って。いつも思います。

羊のキーホルダー

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今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントがございます。
名越 
ありがとうございます。かわいい。
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革製の羊のキーホルダーです。お出かけの時に。
名越 
早速付けてみます。
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バッグと合うかな。
名越 
あ、可愛い!

タグ: プレゼント(可愛らしい系)

(インタビュー終了)