ク・ビレ邸”で「青蛾の夜會」

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わたしがせんのさんに初めてお会いしたのは、「青蛾の夜會」でした。毎月、ここク・ビレ邸で開催されるダンス・演劇・演奏等々のLIVEで、アバンギャルドな顔ぶれが印象的です。ク・ビレ邸の雰囲気もあってか、とても成熟したイベントというイメージがあるんです。
せん 
ク・ビレ邸は築40~50年の長屋をリフォームした空間なんですよね。ここ、北加賀屋は50年代から70年代あたりまで、造船業が盛んで栄えていたんです。でも時代が流れて、段々と廃れて行って。ご老人が多く、空家も多くなる。景気も悪くなってしまって、だから誰も使っていない建物が増えていったんです。
__ 
そうですね。
せん 
町を再生するのだったら、普通は古いものを壊して新しいものを作るのかもしれません。でも、それでいいのか。もっと面白い有効活用はないのか。そこで、北加賀屋の土地をもっている千島土地という不動産会社が、アートのチカラで町を再生しようというプロジェクト「北加賀屋クリエイティブ・ビレッジ(KCV)構想」を立ち上げたんです。空家や廃工場なんかをリノベーションして、アーティストの活動拠点に変えて行く、たとえばギャラリーとかアートスペース、カフェやアトリエなどです。その中でク・ビレ邸は、LIVEバーという形を取りながらも、KCV構想の中でのインフォメーションセンターを担う場所でも実はあって。
__ 
なるほど。
せん 
色んな事をしている人がそこらにいるので、ここに来れば誰が何をしているのかが分かる、という場所なんですね。まあ、このあたりに住んでいる人たちはみんな、千島土地から土地を借りてますので、貸し手と借り手の関係にありますから、そういい関係とは言えませんよね。極端に言えば、「アートなんかに金を使うんだったら、土地代を安くしろ」みたいな感じ。そういった声に対して、ク・ビレ邸では、「若いアーティストが北加賀屋で作品を創ったり、発表したりすることで、町が生まれ変わるかもしれませんよ。一緒にやりませんか」って話したりしてるんです。だから近所の方々とアーティストとの架け橋と言うべき場所になっています。もちろん、ここでって、表現活動も行うので直接の交流もありますし。
__ 
ここでのイベントに何回か来た事がありますが、観客の年齢層が高いのって、もしかして近所の方が。
せん 
はい、近所のおじいちゃんも見えていますね。もちろん出演者のファンもいますけども。この間のイベントで大衆演劇の役者さん、青山郁彦さんが参加されたんですけど、やっぱりウケてましたね。大衆演劇が大好きみたいで。
ク・ビレ邸
「ク・ビレ邸」は、北加賀屋クリエイティブ・ビレッジ構想のインフォメーション・センターとして、2010年10月、アートプロジェクト集団「鞦韆舘」のプロデュースのもとオープン。北加賀屋エリア(大阪市住之江区)の空き家や廃工場をセルフ・リノベーションするアーティストやクリエイターが増える中、同構想の詳細を紹介し、最新情報を発信していく拠点として注目を集めています。(公式サイトより)
「青蛾の夜會」
第一回の公演時期:2014/1。会場:ク・ビレ邸。

タグ: 観客への思い 「おじさん」について イベントの立ち上げ 町とアートと私の企画 土地の力 観客との関係性


ク・ビレに出会う

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そして今。せんのさんはク・ビレ邸のブッキングマネージャーをされているんですよね。その経緯を教えてください。
せん 
三名刺繍(劇団レトルト内閣)さんと出会ったのがキッカケですね。私はその頃、バカなイベントばっかりしていて。ハゲヅラ被ったりとか。それをご覧頂いた三名さんが気に入って下さって、交流する内に「おもしろい場所があるよ」と連れて来て下さって。
__ 
なるほど。
せん 
その時やりたかったイベントに、ここが合ってて。良いなと思ってやらせてもらって。実は三名さん、ここを運営されている佐藤香聲さんの劇団に所属されていた時期があったそうで。それから香聲さんにイベントの受付手伝いをお願いされるようになって、出入りし始めたら、いつの間にかブッキングマネージャーになってたんです。
__ 
なるほど、いつの間にか。
せん 
イベントをやるのも好きだし、バーテンダーをやっていたので受付も好きなんです。色々とやらせてもらえるのが嬉しいですね。それから、誰かと誰かを繋げるのが結構好きなんです。ここをキッカケに誰かと誰かが一緒に何かを作るのを目の当たりにすると充実感がありますね。
__ 
つまり、ミナミの帝王ですね。
せん 
(笑う)今は、佐藤香聲さんが代表を務めるアートプロジェクト集団「鞦韆舘(しゅうせんかん)」に所属しています。

タグ: 人脈を繋げる 生きている実感 ターニング・ポイント


起きている町、眠っている港

せん 
ここは実は完全に自由な空間という訳じゃなくて、ハコも小さいし住宅地だからそんなに大きな音も出せないし、あんまりいかがわしいパフォーマンスも近所の目があるのでNG。その中でいかに遊ぶかというのが念頭にあると思いますね
__ 
いかに遊ぶか。
せん 
制限の上でいかに真剣に遊べるか、ですね。青蛾の夜會はそういう、アーティストが何かに挑戦しているのを見る機会でもあるんです。
__ 
緊張感がありますね。私にとってはここク・ビレ邸は結構離れた場所に位置していて、なんだか「千と千尋の神隠し」の隠れ里のようなイメージがあります。知らない町を訪れた時、偶然出くわした祭りのような。そういう中で初めて出会うアーティストの勝負を見られるのは貴重な体験だなと。
せん 
はい。今まで触れてこなかったジャンルに出会ったお客さんが楽しんでくれているのを見ると嬉しいですね。さっきも言いましたが、この辺はすごく元気なご老人が多いんですよね。
__ 
若々しい人が多いという事でしょうか。
せん 
というよりは・・・何か、今の時代の若い人って無気力なところがあると思っていて(それは時代のせいもあるんだと思うんですけど)。比べるのは違うかもしれないけど、今の時代の北加賀屋の老齢の方って凄い丈夫やし、止まれない人種なんじゃないかと思うんです。動いてないと死んでしまうような。元々日本人が持っている労働者としてのDNAを感じます。都会の日本人にはない良さを感じるんです。
__ 
港町の、海を眺め続ける事で培われたロマンの感覚があるのかもしれませんね。
せん 
そうですね。私、そんなに日本万歳って訳じゃないんですけど日本人の感覚とか日本人像が好きで。静かな中に情熱があって、下半身がずっしりしている感じ。それが凄く素敵だなと思います。
__ 
私の父方が農家をしているんですよ。
せん 
あ、いいですね。
__ 
農家は静かにしているものなので、そういう落ち着きは少し分かります。
せん 
まあ関西の方なので口が達者な方は多いですけどね(笑う)。

タグ: ロマンについて 日本人の美意識 それを揺らしてはいけない 続ける事が大事 町とアートと私の企画 単純に、楽しませたい 演劇は勝ち負け?


子供の頃から・・・

__ 
せんのさんはどちらのお生まれなんですか?
せん 
私、愛知県出身なんです。岐阜が近い地域の、何もない住宅地なんですけど。
__ 
子供の頃は、どんな子供でしたか。
せん 
自分でもよう分からんのですけど、インドア派でありながらも休み時間の間はごっつう落書きばっかりしてました。根暗な子みたいに。でも外で男の子に混じって遊んでたし。快活なインドア派かな?でも遊ぶ時は無茶苦茶遊ぶので怪我も多くて、親にも心配されました。
__ 
ああ、それで絵も上手なんですね。興味の向くところには躊躇なく行くみたいな?
せん 
ええ、今はこれやと思ったらそればっかり。かと思えば冷静になるんですけど。
__ 
ポールダンスをやり始めたのは?
せん 
名古屋で高校卒業後に働きに出てたんですけど、その時にポールダンス教室をたまたま見つけまして。その時にハマってしまいまして。何だこれは、面白いと。その時の先生が大阪に戻られる事になって、私もしばらく大阪に行ってレッスンを受けてたんです。そしたら先生から「それぐらいなら大阪に来たら」と。それで引っ越す事になったんです。大阪に来るからには何かしたい。ポールダンス以外にも個展をしたいなと。玉造に引っ越して、無料でやらせてもらえるギャラリーバーをたまたま見つけて、お話させて頂いたら夢が叶いまして。それと、月一でライブをされているそうで、私の絵が絵本形式になっている事もあって、紙芝居をさせてもらって。知り合いの女優さんである、渋谷めぐみさんに協力してもらって。
__ 
紙芝居をやりつつ、イベントの企画をし始めていたんですね。

タグ: 子供についてのイシュー 厳しいレッスン 引っ越し


目に見えぬもののために

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せんのさんは作品作りの時、例えば何からインスパイアを受けるんでしょうか。
せん 
私の場合は目に見えないものを大事にしたいという気持ちがありまして。現代の人は何というか、目に見えるものだけに執着にしているような気がして。それは良くないなあと。普遍的にあるけれど目に見えないもの。それに気づくのが生まれてきた意味なんじゃないかと思っているんです。
__ 
なるほど。
せん 
それを説教のようにするのではなく、形にして、感じ取ってもらうべきなんじゃないかなと思っています。個人で活動していた時から、そういう事を思っていました。今でも勉強しているんですけど。
__ 
目に見えないもの。
せん 
そうしたエネルギーですね。そう言う意味では香聲さんのやっている音楽も、目に見えない力を形にするような事をやっているので、近いのかなと思っています。
__ 
見えないものを、感じ取った事はありますか。
せん 
あります。宙に浮きそうな感覚を覚えた事があったり。それから、縁の力を感じますね。私、一人だけで生きている訳じゃないんだなと。ご先祖さんがいて、その人たちが縁を作ってくれる。蔑ろには出来ないなと思いますね。
__ 
なるほど。
せん 
私、年に一回伊勢神宮に行くんです。お伊勢さんの奥のカーテンがふうーっと開く事があるんです。それによく遭遇するんです。
__ 
風とかではなく。
せん 
そうです。ふーっと。おかえりって言ってくれているんやなと思います。
__ 
せんのさんが持っている縁も含めて言ってくれているのかもしれませんね。
せん 
はい。目に見えない力や、縁・・・いくら本を読んだりしても分からないものは分からないと思うんです。アートって、ビビッとくる感覚が結局大事だと思うんです。そういうキッカケをいっぱい作るのが私の役目なのかなと思います。

タグ: 目に見えぬもののために


いつかはもっと大きな事が出来るように

__ 
今後、どんな表現をやりたいですか。
せん 
いま稽古しているのが台詞のある演劇なんです。演劇初めてなのに、何をやらせてくれとんねんという感じで。でも、紙芝居のイベントと同じように演劇も総合芸術なんだなと気づいたんです。
__ 
というと。
せん 
私の絵、台詞、それから女優さん、音楽、みたいに。演劇にはそれらが含まれているんですよね。それから、凝り固まった演劇のイメージが壊れましたね。演劇も色々あるんですよね。香聲さんの作られているような音楽劇があれば、人間関係を丁寧に描く方もいる。ミュージカルだったら歌もあるし、照明や衣装や小道具や舞台美術もある。
__ 
演劇は総合的な芸術であると良く言われますよね。
せん 
そう思うと、私がやりたい総合芸術やなあと気づいたんですよ。私はそれまでコンパクトな総合芸術をやってたんですね。
__ 
そして、演劇は何でもあり、ですね。
せん 
いつかはもっと大きな事が出来るように、勉強させてもらっていると思うので。自分を奮い立たせています。

タグ: 総合芸術としての演劇 会場を使いこなす


質問 高間 響さんから せんのさくらさんへ

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前回インタビューさせていただいた、笑の内閣の高間さんから質問を頂いてきております。「ダメ男をどう思いますか?」
せん 
「ダメ男」の定義にもよるんですけど、私が「ダメやな」と思うとそれはもう受け付けないですね。でも逆に、残念なダメ男の良い面を見つけてしまうと「全然ありやな」と思ってしまう、そんな事があります。その逆ももちろんあるんですけど。
__ 
次の質問です。「ダメ男好きな女をどう思いますか?」
せん 
どうやろう、二人の関係が上手く行ってたら良いですけど。儲けてるのかなあとかは思いますね。ヒモを囲ってしまう女の人も、ヒモに依存しているというのはあるんですよね。どっちがダメなんだろうな、というのは思います。

海の外へ

__ 
いつか、こんな事が出来るようになりたい、とかはありますか?
せん 
単純に、海外から声が掛かるようなアーティストになりたいです。
__ 
なるほどね。
せん 
それから、今もやっていますがこれからもやっていきたい事があります。私、実はここで料理も出すんですよ。料理するの、好きなんです。料理も一つの、ちょっとした作品だと思うので、それがお客さんの口の中に入るのが嬉しいというのがあって。なるべく本番では何か、料理を出したいとは思いますね。あとは、その場の空気も大事だと思うので、同じ空間の空気を共有する時間を大事にしたいですね。

タグ: クッキングの話題 海外に


私も止まれない人間

__ 
今後、どんな感じで攻めていかれますか?
せん 
今勉強中で、色んな事が出来るようになりつつあるので。今後も継続して学び続けたいと思います。総合して、創作者側として一つの作品を作りたいと思いますね。例えば、いま染め物をやっているんですよ。
__ 
それはまた全然別な領域に行きますね。
せん 
沖縄の民族的な染め物の原色が好きなんです。紅型(びんがた)染めというのを勉強していて、ちょっとずつ衣装とまではいかないですけど、人間がキャンバスになるような、それをきた人が町に出ていって、一人歩きするアートとして、勝手にアートが町を歩いていくみたいな。
__ 
それは面白そうですね。やりたい事がどんどん出てくるって素晴らしいですね。
せん 
八方美人で・・・私も止まれない人間なのか。思い立ったら吉日みたいな。でもプツッと切れてしまう面もあるんですけどね。
__ 
なるほど。止まると死んでしまうみたいな。
せん 
だから一人だと危なっかしい、みたいな。
__ 
今後も、安心する事なく磨いていってください。
せん 
いつ死んでもいいようにしたいという念が自分の中ではあります。年を経る毎にまとまった表現も持っているとは思うんですが、その時までは学び続けていきたいですね。

タグ: 多方向に興味あり 今後の攻め方


夜空のブローチ

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今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントがございます。
せん 
えっ。何という・・・。
__ 
つまらないものですが、どうぞ。
せん 
可愛い包み(開ける)あ、可愛い何これ。ピンですか。
__ 
はい。
せん 
銅版画なんだ。懐かしいー!小学校の頃授業でやった事があって、やりたいなと思ってたんですよ。プレス機が必要なんですよね、これ。
__ 
防水加工はしてあるそうですが、水気には気をつけて下さい。
せん 
やったー、嬉しい。可愛いです。

タグ: プレゼント(リング・ネックレス・ブレスレット系)


KYOTO EXPERIMENT 2014 フリンジ企画 オープンエントリー作品 第19次笑の内閣 福島第一原発舞台化計画-黎明編-『超天晴!福島旅行』

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本日は笑の内閣上皇、高間響さんにお話を伺います。どうぞ、よろしくお願いします。最近、上皇はどんな感じでしょうか。
高間 
最近は快調に演劇活動を続けています。先日は京都舞台芸術協会の理事様にもなりましてね。あとは結婚ですかね。この間、ハワイいきましたね。
__ 
ありがとうございます。8年ぐらい前に取材した時と比べたら隔世の感がありますね。
高間 
あの時はですね、テキトーに答えすぎたなと。その時はプロレスしてたんですが、その頃とは全然違う事をやってますよね。
__ 
いやあ、言論に場を移してプロレスをしているじゃないですか。
高間 
まあ、時事ネタの方が伸びてますね。意外と。僕、このまま文化人になろうと思っているんですよ。
笑の内閣
笑の内閣の特徴としてプロレス芝居というものをしています。プロレス芝居とは、その名の通り、芝居中にプロレスを挟んだ芝居です。「芝居っぽいプロレス」をするプロレス団体はあっても、プロレスをする劇団は無い点に着目し、ぜひ京都演劇界内でのプロレス芝居というジャンルを確立したパイオニアになりたいと、06年8月に西部講堂で行われた第4次笑の内閣「白いマットのジャングルに、今日も嵐が吹き荒れる(仮)」を上演しました。会場に実際にリングを組んで、大阪学院大学プロレス研究会さんに指導をしていただいたプロレスを披露し、観客からレスラーに声援拍手が沸き起こり大反響を呼びました。(公式サイトより)
KYOTO EXPERIMENT 2014 フリンジ企画 オープンエントリー作品 第19次笑の内閣 福島第一原発舞台化計画-黎明編-『超天晴!福島旅行』
公演時期:2014/10/16~21(京都)、2014/12/4~7(東京)。会場:アトリエ劇研(京都)、こまばアゴラ劇場(東京)。

タグ: 結婚について 結婚したら・・・ 笑の内閣・プロレス芝居


「ダークツーリズム」

__ 
さて、笑の内閣の次回公演は、「福島第一原発舞台化計画-黎明編-『超天晴!福島旅行』」ですね。どんな作品になりそうでしょうか。
高間 
今まで内閣は「危ない事ばかりしている」と言われてきましたが全然危なくないんですよ。こんな安全な、例えばアニメマンガ規制とか、風営法とか、民族差別は良くないですとか。でもそんなの全然危なくない。少なくとも、演劇を見る人間から嫌われる意見ではないので。でも今回の「福島に観光に行きましょう」というのは不謹慎だ。という声はあります。
__ 
ですね。
高間 
だから今までのお客さんを手放すかもしれないんです。そういう意味では危険ですね。
__ 
確かに。
高間 
今まで、風営法とかネトウヨ問題は、「よくぞ芝居にしてくれた」と言ってくれた人が多かったんですよ。支持者がいたし、僕も彼らの力になりたいという気持ちはありました。売名したい気持ちももちろんありましたし、何より笑えるネタだったからです。でも、今回の作品の為に福島に取材に行った時はね、そういう風に、笑いという手段での表現が理解されなかったんですよ。当たり前ですけど、これまでもバカにしたりとか揶揄したりとかはしなかったです。でも、とにかく通用しなかったというのは、それは本当に悔しかったですね。
__ 
今回ばかりはそうですね。では、笑の内閣が今回、福島を取り上げる意義ってどこにあるんでしょうか。
高間 
福島の観光について、僕らが何かの糸口を掴めたらなと思っているんです。今回の作品は、東浩紀さんが提唱されている「福島第一原発観光地化計画」にインスパイアを受けたんです。凄く、僕の考えを肯定してくれたなと。震災後、実はこれまで興味本位で福島に行ってたんですけど、それで良いんや、と。僕個人としては福島は楽しい所なんですよ、あそこは観光地になっていい。それをダークツーリズムという言い方で広めてしまえば良いと。
__ 
「ダークツーリズム」ってつまり、怖いもの満たさという事?
高間 
要するに、死や悲しみのある場所に行く観光を肯定するという事ですね。災害遺跡、戦争遺跡に行く。言うたら原爆ドームもひめゆりの塔もそういう事になるのかなと。
__ 
そうですね、そういえばそうか。
高間 
要は、地元の人と軋轢を起こさないかどうかという事もあります。でも西成ツアーも行ってうまくいってますしね、大丈夫でしょう。そして、この芝居は「原発の是非を云々という芝居」じゃないです。それはもう、色んな諸先輩が既にやってくれているので、もう必要ないだろう。

タグ: 超天晴!福島旅行


いわきに着いて

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上皇は、この作品にをご覧になったお客さんにどう思ってもらいたいですか?
高間 
笑ってもらいたいというのはもちろんですけど、福島に観光に行ってもらいたいですね。僕の原発についての考えなんかよりも。まあ大きいのは、今回参加の10数人、僕が企画しなければ、まず福島には行ってなかったでしょうから。実際に見てきたという体験は大きいんです。
__ 
そうですね。
高間 
あの丸山交通公園が、現地で面白い事を言わなくなって泣いてたんですよ。「高間さんここ無理っすわ」って。いわきに着くまではバスの中ではしゃぎまくってたんですけど、富岡に入ると押し黙ってしまってうるってなってましたね。
__ 
あらすじによると、今回の作品の舞台は滋賀県の高校の修学旅行の行き先を決める政治劇だそうですね。遠く離れた滋賀県から、どんな人達がどんな思いで福島を見るのでしょうか。芝居の結末も気になりますが、そうした意識の問題についても興味が出てきますよね。

タグ: 泣く観客 どう思ってもらいたいか? めっちゃ泣いた・号泣した 政治とパーティー 反応し合う


笑の内閣VSネトウヨ

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さて、「ツレがウヨになりまして。」の韓国公演を画策されているそうですね。大変興味があります。やったら絶対面白いと思うんですよ。
高間 
いやー、実現出来たらハクが付くと思いますわ。劇団としてというのもありますけど、ネトウヨというのが日本でも笑われているよという事を示せるんですわ。だって、向こうでだってネトウヨなんて一部のバカで、大半の冷静な人たちは日本に対しては是々非々でやってるんですよ日本人と同じように。そういう話をですね、日本と韓国で真面目にやっている人たちは沢山いるんですけど、僕らのようにギャグでそれを示せる存在があってもいいと思うんですね。
__ 
それが実現すれば、日韓関係については大いに革新的な事件になると思うんですよ。ネット右翼・・・個人的な認識ですが、正直、日本のネトウヨは全然気合が入っていない腑抜けだと思っている。あれは日本という勝ち馬に乗りたいだけの野次馬に過ぎないと思う。昆虫だと言い切ってもいいかもしれない。そういう彼らを笑ってあげる事は、彼らにとって救いに繋がるんじゃないか。それが出来たら・・・。ネトウヨにひとこと、言いたいことはありますか?
高間 
一言では済まないですね。ま、ツレウヨを見て欲しいです。あれだけtwitterで、チョンだなんだと言ってきて結局一人も観に来てないんですよ。いや来てるのかもしれないですけど、観たという事を表明してほしいですね。そうじゃないと意味がない。要するに、そんなに熱心じゃないんでしょうね。
__ 
上皇とネトウヨとの戦いは、始まってもいない。
高間 
ネット上で散々、「高間は在日だ、反日だ」と煽られましたけど、僕は日本人です。でも両親は日教組です。それはネットを使えば5分で出てくる事実なんですけど、「高間響は在日だから反日なんだ」だという明らかなウソと、「高間響の両親は日教組だから反日なんだ」という本当の事(いや反日なのは本当じゃないけど日教組の息子ってのは本当ですからね)、どちらが説得力があるかは一目瞭然なのに、その手間を掛けられない人たちなんだと思うと全然怖くないです。一人、熱心に調べた人がいてその人はちょっと根性あるなとは思いました。
__ 
それ以外は怖くないと。
高間 
怖くないというより、面白くないですね。靖国参拝批判の時の「オバマは在日」は面白かったですけどね。あのね、表現規制派の人とかは頑張ってますもん。アグネス・チャンとか、僕から見れば方向性は間違っているんですけど、もの凄く頑張ってます。表現規制するために。反対派より努力してるんです。
__ 
内閣は努力しないネトウヨが嫌い?
高間 
いや僕は努力嫌いなんで・・・。面白くない人が嫌いですね。
第18次笑の内閣「ツレがウヨになりまして」
公演時期:2013/12/19~22(東京)、2014/2/14~16(北海道)、2014/2/28~3/4(京都)。会場:こまばアゴラ劇場(東京)、シアターZOO(北海道)、アートコミュニティースペースKAIKA(京都)。

タグ: 北海道出身 ヘイトスピーチ 世界がズル剥け


無努力主義

高間 
努力の話が出たので。僕はね、無努力主義というのを提唱してるんです。僕が何の為に演劇をやっているかというと、人類は究極的には努力を必要としなくなるというのが目標だと思うんです。努力が好きな人が多いですけど、努力をしなければ生きていけないというのは人間が未熟だからだと思うんですよね。だらだら生きていけないというのはおかしいし、そうじゃない今に満足して頑張っているというのは進化を否定していると思うんです。
__ 
なるほど。
高間 
努力ナシに夢が叶うようにしないといけないんですよ。人類は今までも楽になるように努力をし続けてきましたけれども、それを完全に無くす為の技術開発が必要なんです。まあそんな努力、僕は大変だからしませんけれども残念ながら。

楠 海緒さんから 上皇へのご質問

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前回インタビューさせて頂いた、楠海緒さんからご質問を頂いてきております。畏れ多くも、この場をお借りして申し上げさせて頂きます。「今までで一番嬉しかった事は何ですか?」
高間 
たくさんあるな。やっぱり、良い公演をした時は嬉しいですね。
__ 
その中での一番は?
高間 
結婚式プロレスですかね。結婚したのと、良い公演だったというのがダブルですからね。もうノロケやな。
__ 
あともう一つ。「あなたが、意外だと人に言われるのはどんな事ですか?」
高間 
「意外といい人」ですね。偽悪者ぶってますから。根はいい人だ、って。まあ根以外はどうか分かりませんが。

役への執着

__ 
笑の内閣の一番のネックは芝居の質だと思うんですよ。それはお客さんによるかもしれないですけど、色んな作品を見てきたような人には物足りない。だから説得力が削がれるんじゃないかといつも思っている。
高間 
それはですね、重々自覚しているんです。問題はいくつかあって、まず僕の演技が下手であるという事。それは僕が出演しなければ解決するんです。もう一つは、僕は芝居が下手でも気にならない演出家なんですよ。
__ 
そうなんですね。
高間 
まるで気にならない訳でもないんですけど。上手い役者には声掛けなくなっちゃったんですよね。演出としての欲が浅いんでしょうか。
__ 
今回は上手な人が何人もいるじゃないですか。少なくとも私は、自分の演技を責任持って作って来てくれればそれで何も文句ないです。
高間 
そうしてくれる役者がしてくれればいいんですよ。僕よりも役に執着してくれればそれでいいです。今回出てないですけど田中浩之とか小林真弓とかは書いた僕より執着してるんです。そういう人については信用しています。やっぱり脚本家としての比重が強すぎるんですよね。ラジオドラマでやったら実は充分かもしれない。

タグ: ラジオドラマ 役者に求めるもの


笑の内閣が今面白いと思っていること

__ 
笑の内閣。次は何を取り扱いたいと思いますか?
高間 
いっぱいあります。名誉男性とかは面白そうですね。
__ 
名誉男性?
高間 
言うたら今回安倍内閣に入閣した女性議員ですね。あの人達は社会進出している女性としてもてはやされながらも、一般的な男性よりも女性差別的です。
__ 
そういう意味での名誉男性?
高間 
そうですね、心にチンコが生えているから、発言がね笑っちゃうんですよ。キチガイだなと。例えば夫婦別姓反対論ってホントに愚かだと思っていて。でも、選択的夫婦別姓であるべきなんですよ。他人に口を出されたくない、夫婦の間で苗字を決めたいという人の心を踏みにじっているからですよ。
__ 
そうですね。
高間 
よその家庭の問題に口を出すべきじゃないし、もし仮によその家庭が崩壊したとして、何かお前に損する事があるのかと。関わるな、と思いますね。年賀状の宛名がわからんとか、どうでもいいことのためにね。夫婦同姓強制制なら反対しますが。
__ 
それが名誉男性のネタ、なんですね。
高間 
そういう名誉男性的な発言って面白いなと思いますね。それと、江戸しぐさは面白いですね。腰浮かせとか。電車の無い時代にそんなマナーが生まれるかっ、とかね。時泥棒という、電話のないはずの時代に生まれたアポイントメントのマナーとか。でもそんな出所不明の「江戸しぐさ」が、歴史的事実として教科書に載って行くんですよ。
__ 
それは面白いな。
高間 
それから、牟田口廉也。インパール作戦で失態を犯して、その後も自分は悪くないと弁明し続けたり切腹しようとして誰にも止められなかったり葬式で自分は悪くないというビラを撒いてもらったりした人なんですけど。
__ 
ああ、撤退時に冷ややかな視線を浴びた人ね。
高間 
日本軍の無能さは面白いですね。そういう人間でも出世出来たという日本軍のシステムがお笑いなんだと思うんですよね。これからの左翼は「戦争は悲惨だ」とか言っても通用しないですよ。太平洋戦争は米軍の戦力が巨大だったから負けた訳ですけど、同じ軍力でも負けたでしょうねこんな組織じゃ。同じ戦力でも将軍で負けます!

タグ: わたしの得意分野


もう、無難に行きたい

高間 
あとは、またプロレスはしたいですね。みんな年食っちゃったからなあ。僕が、プロレス団体のメイクになった方が面白いぐらいになってますし、笑の内閣にとってプロレスというのはお荷物になってる状態で。
__ 
でも、結婚式プロレスは去年だったじゃないですか。
高間 
その前に2年ブランクがありましたからね。でも、すっ太郎みたいな場外でプロレスを挑んでくる若手とそういう事をやりたいという気持ちはありますね。
__ 
挑戦してきてくれる若手、ね。
高間 
やっぱりね、噛み付いてきてくれるというのは嬉しいですよね。
__ 
最後の質問です。内閣は今後、どんな感じで世の中にケンカを仕掛けていきたいですか?
高間 
安全に行きたいですね。もう、無難に生きていきたい。
__ 
えっ・・・!?
高間 
いやあ、だって、僕就職出来なかったから芝居してる訳ですから。妻ともしっかり話しましたけど、芝居辞めて就職しようにも高間響で画像検索したら上祐史浩さんや鈴木邦男さんと一緒に写ってる写真が出てくるんじゃ面接受かんないですからね、続けてた方がまだ可能性あるだろうと。
__ 
うーん。
高間 
やばい事をtwitterに排泄的に書いたり、やばい本心を煙に巻きながらも書いたり、でも全部バランスを取って書いているんですよ。どれが自分の本心か分からなくなってきましたから。このインタビューだってどこまで本心か。

タグ: 生き方と世の中の為に動く


音嫌い・5号

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今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントを持ってまいりました。今回は本当に大した事無いものです。ただ、上皇に謹呈する意味のある物です。
高間 
ありがとうございます(開ける)。
__ 
それはですね、簡単に言うと大きな音がなるスプレーです。防犯グッズですね。
高間 
前回も似たようなものだったような気が。
__ 
あれはホイッスルですね。今回は緊急避難用です。いきなり誰かに襲われた時に使ってください。
高間 
大きいな。どうやって持ち歩くかですよね。
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・・・奥様に持っていただくとかはいかがでしょうか。
高間 
それはいいですね。奥さんにプレゼントしよう。

タグ: プレゼント(凶器・防犯系)