劇団ガバメンツ本公演「LAUGH DRAFT」

__ 
今日はどうぞ、宜しくお願いします。劇団ガバメンツの脚本・演出家、早川康介さんにお話を伺います。早川さんは最近、どんな感じでしょうか。
早川 
ちょうど、次回公演の脚本が書き終わりました。今はその稽古中です。
__ 
11月6日から始まる、劇団ガバメンツの「LAUGH DRAFT」ですね。脱稿、おめでとうございます。
早川 
ありがとうございます。締め切りに間に合うのはプロの仕事として、遅れる事はないようにしています。なるべく。なるべくです。
劇団ガバメンツ
「コメディしかできません、でもいろんなコメディができます」シュチュエーションコメディばかりがコメディじゃないラブコメディ、サスペンスコメディ、スクリューボールコメディ、トラジコメディにコメディコメディ。喜劇はこんなにあったのか。喜劇を愛する全ての人と、そうでもない全ての人へ。1年に1回しか演劇を見ない人の為に、さまざまなスタイルの喜劇に挑戦している。(こりっちより)
劇団ガバメンツ本公演「LAUGH DRAFT」
公演時期:2014/11/6~10。会場:in→dependent theatre 1st。

タグ: プロの仕事


LAUGH DRAFT、どんなお話?

__ 
次回公演「LAUGH DRAFT」。兵役モノだそうですね。あらすじに主な内容が書いてあって、5人の男性が5枚のパンツを履き変えていく物語だとありましたが。
早川 
それがですね、脚本が完成した今、あらすじのパンツが全然出てこなくなってしまっていて。
__ 
あ、そうなんですか。
早川 
ある国の兵役を調べたところ、一人の兵士につき5枚のパンツが最初に支給されるそうなんです。それを2年間使い回していくそうなんですね。これは面白いなと思って使おうと思ってたんですが、執筆中にどこかへ飛んで行ってしまいました。
__ 
そうですか。
早川 
どんなお話かと言うと、兵役というのは禁欲生活なので、エロい記事のある雑誌も見ちゃ駄目だよと。エロ本なんてもってのほかだと。でもそうじゃない雑誌は見ても良いらしいんです(検閲はされますけど)。通販雑誌も大丈夫なんですけど、通販雑誌ってよく下着とかそういうのがあるじゃないですか。それを見つけた男たちが「これは凄いぞ」となって、その中で、「これは無いだろう」というおばちゃんモデルに恋していくという話です。
__ 
素晴らしい!私、めっちゃそういう話が好きです。ニッセンの下着コーナーに欲情する禁欲劇・・・最高ですね。
早川 
そうですよね、海外のモデルの女性の下着の写真とか。
__ 
後半のページには、かなり過激な商品の紹介もありますもんね。
早川 
禁欲生活でそういうのを見たらそりゃ興奮するよな、と。そうした導入から始まるお話です。
__ 
とてもロマンチックです。「ショーシャンクの空に」の兵役版みたいですね。タイトルの「LAUGH DRAFT」、これはどういう意味があるんでしょうか。
早川 
DRAFTはそのまま兵役という意味があるんですよ。LAUGH DRAFTは荒い下書き、笑う方のLAUGHを掛けて。兵役まっただ中の下書きのような男たちを描きたいですね。
__ 
意気込みを教えてください。
早川 
やっぱり、最新作が最高傑作だと誰かが言っているように、そうじゃなきゃ意味がないと思うんですよ。脚本の手応えと、稽古の調子から、多分今回がこれまでの公演で一番面白いと思います。ちょっと今までとタイプが違うお話ではあるんですが、これまでガバメンツを見た事がない方も、足が遠のいていた方も、見て下さったらうれしいです。今回日替わりゲストもお呼びしているんですが、全てのゲスト用に違う台本を書き下ろしたので、1ステージたりとも同じステージはないので、そこも見どころです。

タグ: ロマンについて 下着の色 最新作が最高傑作 タイトルの秘密


劇団青年座創立60周年記念公演 第2弾Act3D ~役者企画 夏の咲宴~『UNIQUE NESS』

__ 
青年座60周年 Act3Dで、早川さんが脚本演出した「UNIQUE NESS」を拝見しました。大変面白かったです。出演された高橋幸子さんへインタビューもさせて頂きましたが、個人的にもとても大きい体験でした。その中で一つお気に入りのネタがありまして。主人公の遺産を狙う叔母さんが、幸運のお守りであるウサギの足を持ってくる代わりに、足をもいだウサギ本体をお土産に持ってくるのがありましたね。集中治療室に運ばれる。
早川 
瀕死のウサギですね。
__ 
それが何故か、もの凄く笑えてしまって。「瀕死のウサギ」が何故ギャグとして笑えてしまうのか不思議でした。
早川 
ですよね。あのウサギも青年座のみなさんはしっかり仕事して頂いて。ウサギの写真を何枚か持ってこられて、「どの種類がいいですか?」って聞いて下さるんですよ。
__ 
それは凄い!
早川 
ホントにそうなんですよ。作って頂いた瀕死のウサギは我が家で大切にしています。他にも、劇中で食べるビスケットも何種類かの実物から選ばせてもらって。役者のみなさんはもちろん、スタッフの皆さんもプロとして素晴らしい仕事をして下さいました。プロの仕事を目の当たりにしました。
__ 
早川さんご自身にとって、振り返ってどんな体験でしたか。
早川 
芝居を始めてから今日までで、一番センセーショナルな出来事だったと思います。凄いなと思った事も、違和感もあって。ポジティブな事もネガティブな事のどちらも大きかったんです。打ち上げで、「申し訳ないですけど僕は今回の経験が凄く大きかったから、次に書くものが一番面白いと思います」と言ったんです。それぐらいの。「LAUGH DRAFT」の脚本を書いていても、この台詞はどういう意味?って青年座の人たちに聞かれて答えられるかどうか、自問しながら書いているんです。
__ 
青年座の役者さんたちは、綿密に脚本を研究して役に望むそうですね。高橋幸子さんはそういう中で勉強して来られて、ガバメンツの稽古の時に「ノリで作る」というやり方に出会って驚いた、との事でしたが。
早川 
もちろん緻密に組み立てるのも大事なんですけど、笑いを作る時には、理論をぐっと押してでも・・・という部分があるんですね。ちなみにそれは僕が言った訳ではなく、稽古場で誰かが言っていた事なんです。彼女にとっては印象が深かったんだと思います。

タグ: プロの仕事


まさに異文化交流

__ 
UNIQUE NESS」では、まさに異文化でしたね。戸惑った事等はありますか。
早川 
初日の読み合わせで文化の違いを感じて帰りたくなった事かな。緊張していたというのもありますけど。
__ 
というと。
早川 
オールキャスト・オールスタッフで、社長さんを始め制作の方もいらして。突然大阪から連れて来られた僕が一人。とりあえず読んでみましょうと読み合わせが始まって、コメディなので「ここは笑えるだろうな」と思っていた箇所で誰も笑わなかったんですよ。普段の読み合わせだと笑ったりしてくれるんですけど、それがほぼ無いお通夜みたいな。ショックでしたね。
__ 
ああ・・・
早川 
どっちかというと自分を恨んでましたね。僕はなんという本を書いてしまったんだろうと。後ろの席で舞台監督の方だけが一人クスクス笑って下さったので「この人の為に頑張ろう」と思いました。後で伺ったらみなさん緊張していた部分もあったみたいです。初めての世界観で、本当に異文化交流でしたね。「この作品の舞台はイギリスですので、僕はみなさんの事をイギリス人だと思うようにします。みなさんも僕の事をイギリス人だと思って下さい。そうすればお互いイギリス人として繋がって、いつか分かり合えると思います」ってツカミのつもりで言ったら、それすらウケなかったんですよ。
__ 
ええー!
早川 
これをずっと前日の新幹線の中で考えてたのに、冒頭で言ったら笑ってくれるかなと思ってたのに。
__ 
稽古はいかがでしたか。
早川 
台詞の解釈についての質問や疑問をきっちりとみなさんが持っていて、僕は割と、脚本を理詰めで書いているつもりだったんですけど、これはつもりだったな、と反省しました。笑いの間などコメディの技術的なことに関しても皆さん勘が良くて、「そういう事ね、よし分かった」って掴むともの凄く早いんです。

タグ: 反省Lv.1 新劇と「出会う」


早川さんの初期衝動

__ 
早川さんがお芝居を始めた経緯を教えてください。
早川 
元々何か文章を書く事が好きで、読書感想文が得意なこまっしゃくれたガキだったんです。中学の時、文化祭のクラスの出し物でみんな演劇をするんですけど、大体ああいう時って女子が全然おもしろくない劇をし始めるんです。それが耐えられなくて。中三で台本を書いたのが初めての脚本です。そこから高校まで書いてました。文化祭で毎年劇をやってたんですが、それがまさか仕事になるとは思わなかったです。大学は大阪芸大に入りました。父親のすすめで。
__ 
お父さんに薦められてですか。
早川 
僕のやりたい事を察したのかもしれませんね。ちょっと不思議な人なんですよ。僕が、折り合いを付けるつもりで適当な大学の願書を取り寄せたら「お前は本当にそれでいいのか」と怒られて。「お前はこういうのが好きなんじゃないか」と、芸大の資料を持ってきて。まさか普通、親は普通、芸大は薦めないと思うんですけど。
__ 
そうですね。普通は。
早川 
芸大に入っても、実は脚本を書いていた訳じゃなくて。僕はコピーライターとかそっちのがやりたいなと思ったんですね。企画とか。夢みたいな夢じゃなくて、可能な夢にシフトしたんです。それでも、大学の最後、卒業制作でやっぱり一本芝居をやろうと。学内で役者を目指している仲間も出来たし・・・そうしたらこれが面白かったんですよ。楽しかったし。その時東京の広告代理店の内定を貰ってたんですけど、蹴って。もしかしたら本当は今頃フェラーリぐらい乗ってたかもしれないと自分では思っています。そういう経緯から、放送作家になりました。
__ 
素晴らしい。早川さんの初期衝動について伺いたいんですが、女子が全然おもしろくない劇をやってたのが我慢できなかったと。それを見てしまって火がついた?
早川 
反感食らいそうですけどね。実は中一でルイ何世だかの王様の役をやってたんです。でもあまりにも台本が面白くないから、相手役の男子と相談して、勝手にちょこっとだけ自分達の台詞を作って、勝手に衣装も自作して、勝手なシーンを作ってやったんですよ。それがウケたんです。今思えば、役者としては最低ですね。
__ 
(笑う)
早川 
ほら見ろと。女子はちょっとおかんむりでしたが、僕は大満足でしたね。
__ 
それは、本番突然始めたんですか?予告なしに当日?
早川 
はい。当日。その来年の中二の時も、女子が企画した演劇でまたルイ何世とかの役が振られました。その時は衣装の子がいて全員分作ってたんですが僕は自分から拒否して。ロビンフッドの映画でのショーンコネリーが着ていた衣装を参考に、ちゃんとしたものを作りました。一人だけ衣装のクオリティが違うという。なんかそういう、ヤなガキだったんですよ。
__ 
早川さんの笑いって、もしかして、誰かを驚かせたいという気持ちがあるのかもしれませんね。

タグ: 文化祭前夜 初期衝動 書いてみたいと思った SeizeTheDay


悲惨さについて

早川 
それはあるかも。ちなみに僕はウディ・アレンが好きなんですけど、シニカルだとか、ペーソスだとか。ここ数年は僕もちょっとそっちに傾倒している部分があります。ああいう芝居って、演劇にはあんまりないかなと。
__ 
そうかもしれませんね。そういえば。
早川 
辛い事と笑いって表裏の関係にあると思うんです。その、針の穴を通すようなとこをやりたいなと思っています。
__ 
ある程度悲惨さがないと、笑いはせり上がってこない気はしますよね。
早川 
そうなんですよ、でもそのさじ加減は本当に難しくて。自分は悲惨の方に寄ってしまう癖があって、そこが課題なのかなと。
__ 
針を通した傑作。笑うというのは、確かに人間が持つ最高の感情かもしれない。
早川 
うーん、僕はその、笑いが崇高なものだという言葉はあまり言いたくないですけどね。例えば「笑い」と「お笑い」は違うとか言うじゃないですか。僕は笑いもお笑いも同じじゃないかと思うんです。「お」が付いたらお下劣とか言うけど、どっちも同じじゃないかなあ。
__ 
早川さんは、お客さんに笑って貰う事で、どんな気持ちになってもらいたいですか?
早川 
とにかく笑ってもらう事が一番大事ですね。面白いと思って、笑ってもらえたら。それで人生を変えてほしいとかは思わないですし、影響を与えるつもりはないですね・・・その瞬間笑ってもらえれば、それでいいのかもしれません。

タグ: さじ加減 悲哀が笑いを支える?


質問 せんのさくらさんから 早川 康介さんへ

__ 
前回インタビューさせていただいた、せんのさくらさんからの質問です。「SMについてどう思いますか?」彼女は隷属的な人間関係に何がしかの興味があるらしく、究極的には自分を管理してくれるマネージャーのような存在が欲しいらしくて。
早川 
SかMのどっちだみたいなネタ話ってされるじゃないですか。人ってどっちかに分けられないんじゃないかなと。みんなSMなんじゃないかと。SSM、MSSとか、色んな割合があるんじゃないかなと。
__ 
そうかもしれませんね。
早川 
質問の答えとしては、「行ってみたいです」。行った事がないので。飼い慣らされたいし、飼い慣らしてみたい。

僕を虜にした世界

__ 
今、何かお考えになっている創作のネタとか、引っかかっているネタとかはありますか?
早川 
そうですね。「創作のネタ」としては、僕は料理が好きなんですよ。本書きになる前は料理人になろうと思ってたんですよ。料理の鉄人という番組あるじゃないですか。僕、あれが大っ好きで。
__ 
私も好きです。小説持ってました。
早川 
ありますよね!僕も持ってました。小山薫堂さんの書かれた本でしたよね。ほかにも関連書籍は全部持ってます。食材を言ってもらえれば誰と誰の対決かとか、どんな料理だったかとか全部言えるぐらい好きなんですよ。
__ 
それは凄い。
早川 
それぐらいめっちゃ好きやったんです。金曜日の放送をビデオに撮って、一週間毎日見てました。今でも最終回のスペシャルを見てます。本当に好きなんですよ。
__ 
今でもですか!
早川 
中二くらいに自分でフランス語の勉強をして、5000円くらいの料理の専門書を買ってきて。自分も料理人になりたかったんですね。一回、そういうお話を書きたいと思っています。三ツ星とか、星に翻弄された男みたいな。それはちょっとやりたいですよ。
__ 
面白いですよね、料理の鉄人。
早川 
あの設定とか演出が好きなんですよね。鹿賀丈史という富豪が道楽でやっている設定とか。あの世界観がたまらなく好きでしたね。自分でオリジナルの鉄人を作って遊んでました。サウンドトラックをバックドラフトから録音してきて、それをバックに自分で書いた台詞を読んで。ラジオドラマみたいに作りましたね。
__ 
それは相当好きですね。
早川 
学校を早退して、陳建一さんのディナーショーに行ったりしてました。今これを言うとみんなに引かれます。
__ 
いや、私は良く分かるつもりです。あの番組はバブル崩壊後の夢であり、あれを見て腹の空かない人間はいませんよ。
早川 
そうですよね、あんな番組は無いと思うんですよ。確実にTV史に残る番組で。
__ 
あの演出は凄かったですよね。道場六三郎が紹介される時のVで、連勝している頃は途中で滝の流れる映像がカットインしますよね。あれが凄くかっこいいですよね。
早川 
鉄人が出てくる時、せり上がってくるのがいいんですよ。こないだまでやってたアイアンシェフは、立っている状態からパネルが下がっていくんです。これはね、同じようで全然違うんですよ。やっぱりせり上がらないと。もの凄く不安だったんですが、やっぱりすぐ終わってしまった。僕に任せてくれれば絶対人気番組にしたのに。ガッカリでした。

タグ: クッキングの話題 ラジオドラマ 世界観の作り込み


笑い

__ 
コメディを始める若者に一言、お願いしても宜しいでしょうか。
早川 
僕もそんな歳になったんだなあ・・・。とにかく、応援しています。新しい笑いが見たいです。言葉が難しいですけど、「そんな事でそんなに笑う?」って人が多くなっているような気がして。若い人を十把ひとからげにするつもりはないんですけど。そこへの切なさは若干感じているんですね。我々作り手がどんな笑いを提供するかによって、受け手の笑いが若干違ってくると思っていて。そこのレベルは上げていってもらいたいなと思いますね。
__ 
高度な笑いでも丁寧に描けば、だれでも分かってくれる筈ですよね。私も期待しています
早川 
笑うのは分かるけど、そんなにずっと笑うんだ。みたいな。瞬発力のある笑いに傾きすぎじゃないかなと。もちろんそういう笑いを否定する訳じゃなくて。色んな笑いが見たいんですね。

タグ: 笑いの衰退 丁寧な空気づくり


LAUGH DRAFTのヒミツ

早川 
僕、最近役者の出ずっぱりに興味があって。役者は体力的にきついらしいんですけど、独特の空気と緊張感があって。
__ 
UNIQUE NESS」の時もそうでしたね。
早川 
あそこにいると嘘付けないんですよ。喋ってないのにかなりしんどいらしい。実は「LAUGH DRAFT」も出ずっぱりで、しかも生演奏があるんですよ。全員である方法で音を出すんですが、これが簡単なように見えて難しくて。「UNIQUE NESS」でギターを弾いていただいた福島さんに指導をしていただいています。いま、猛練習中です。

タグ: 上演中出ずっぱり型演出 それを揺らしてはいけない 生演奏のある作品


僕が料理の鉄人のドラマの企画があったら絶対に面白いものを書く自信がある

__ 
今後、どんな感じで攻めていかれますか?
早川 
大阪はもちろん、東京での活動も広げて行きたいと思います。ここ数年、東京で公演等の活動が続いているので、この調子で。舞台以外にも、映像など他分野での活動もしていきたいですね。
__ 
早川さんの作品が色んなメディアで拝見出来るのを待っています。
早川 
そうですね、どこかで料理の鉄人のドラマの企画があったら絶対に面白いものを書く自信があるんです。誰か言ってくれないかあ。
__ 
ああ、それは見たいですね。
早川 
やっぱりね、得意なジャンルがあると声を掛けられやすいみたいなんですよ。PEOPLE PURPLEの宇田さんが消防所関連のドラマを得意としているように。僕の得意なジャンルは、料理・グルメ関連です。
__ 
素晴らしい。
早川 
あと、朝ドラの脚本がやりたいですね。朝ドラの脚本を2回やるというのが夢なんですよ。

タグ: わたしの得意分野 今後の攻め方


Lebel THEO ヘアワックス

__ 
今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントがございます。どうぞ。
早川 
ありがとうございます。(開ける)これは。
__ 
整髪料ですね。
早川 
すごい。僕今日、髪切ったんですよ。切り過ぎてお坊さんみたいになっちゃったんですけど。
__ 
香りがいいんですよ、それ。ちょっと緑茶成分も配合ですね。男性専用で、髪に優しいワックスです。
早川 
いいじゃないですか。セットし放題。しかも「G」の文字がガバメンツらしい。

タグ: プレゼント(化粧品系)


もっとやってもいい?

__ 
今日はどうぞ、よろしくお願いします。せんのさんは最近、どんな感じで生きているんですか?
せん 
よろしくお願いします。これまで私は生きていて、やりたい事を手探りでやっていたんです。手当たり次第、次々と始めて。それが途中でやり方が分からなくなって止めてしまったりが多かったんです。
__ 
なるほど。
せん 
それが今のようなアート活動に参加させてもらう事によって、スムーズに進んでいくようになって。一つ一つが深くなったり、活動が広くなっていったりする事が多くなりました。その感覚がすごく嬉しいです。
__ 
広がっていく、のですね。
せん 
もっとやってもいいよ、みたいに許してもらえるのが嬉しいですね。飛び込んで良かったと思っています。
アートプロジェクト集団「鞦韆舘」
北加賀屋(大阪市住之江区)に点在する空家や廃工場、空地などをアーテイストやクリエイターの拠点して再活用する試み「北加賀屋クリエイティブ・ビレッジ(KCV)構想」のもと、KCVインフォメーションセンター「ク・ビレ邸」を拠点にアートやポップカルチャーに特化したイベントを企画・運営する集団。

タグ: 最近どう?


ク・ビレ邸”で「青蛾の夜會」

__ 
わたしがせんのさんに初めてお会いしたのは、「青蛾の夜會」でした。毎月、ここク・ビレ邸で開催されるダンス・演劇・演奏等々のLIVEで、アバンギャルドな顔ぶれが印象的です。ク・ビレ邸の雰囲気もあってか、とても成熟したイベントというイメージがあるんです。
せん 
ク・ビレ邸は築40~50年の長屋をリフォームした空間なんですよね。ここ、北加賀屋は50年代から70年代あたりまで、造船業が盛んで栄えていたんです。でも時代が流れて、段々と廃れて行って。ご老人が多く、空家も多くなる。景気も悪くなってしまって、だから誰も使っていない建物が増えていったんです。
__ 
そうですね。
せん 
町を再生するのだったら、普通は古いものを壊して新しいものを作るのかもしれません。でも、それでいいのか。もっと面白い有効活用はないのか。そこで、北加賀屋の土地をもっている千島土地という不動産会社が、アートのチカラで町を再生しようというプロジェクト「北加賀屋クリエイティブ・ビレッジ(KCV)構想」を立ち上げたんです。空家や廃工場なんかをリノベーションして、アーティストの活動拠点に変えて行く、たとえばギャラリーとかアートスペース、カフェやアトリエなどです。その中でク・ビレ邸は、LIVEバーという形を取りながらも、KCV構想の中でのインフォメーションセンターを担う場所でも実はあって。
__ 
なるほど。
せん 
色んな事をしている人がそこらにいるので、ここに来れば誰が何をしているのかが分かる、という場所なんですね。まあ、このあたりに住んでいる人たちはみんな、千島土地から土地を借りてますので、貸し手と借り手の関係にありますから、そういい関係とは言えませんよね。極端に言えば、「アートなんかに金を使うんだったら、土地代を安くしろ」みたいな感じ。そういった声に対して、ク・ビレ邸では、「若いアーティストが北加賀屋で作品を創ったり、発表したりすることで、町が生まれ変わるかもしれませんよ。一緒にやりませんか」って話したりしてるんです。だから近所の方々とアーティストとの架け橋と言うべき場所になっています。もちろん、ここでって、表現活動も行うので直接の交流もありますし。
__ 
ここでのイベントに何回か来た事がありますが、観客の年齢層が高いのって、もしかして近所の方が。
せん 
はい、近所のおじいちゃんも見えていますね。もちろん出演者のファンもいますけども。この間のイベントで大衆演劇の役者さん、青山郁彦さんが参加されたんですけど、やっぱりウケてましたね。大衆演劇が大好きみたいで。
ク・ビレ邸
「ク・ビレ邸」は、北加賀屋クリエイティブ・ビレッジ構想のインフォメーション・センターとして、2010年10月、アートプロジェクト集団「鞦韆舘」のプロデュースのもとオープン。北加賀屋エリア(大阪市住之江区)の空き家や廃工場をセルフ・リノベーションするアーティストやクリエイターが増える中、同構想の詳細を紹介し、最新情報を発信していく拠点として注目を集めています。(公式サイトより)
「青蛾の夜會」
第一回の公演時期:2014/1。会場:ク・ビレ邸。

タグ: 観客への思い 「おじさん」について イベントの立ち上げ 町とアートと私の企画 土地の力 観客との関係性


ク・ビレに出会う

__ 
そして今。せんのさんはク・ビレ邸のブッキングマネージャーをされているんですよね。その経緯を教えてください。
せん 
三名刺繍(劇団レトルト内閣)さんと出会ったのがキッカケですね。私はその頃、バカなイベントばっかりしていて。ハゲヅラ被ったりとか。それをご覧頂いた三名さんが気に入って下さって、交流する内に「おもしろい場所があるよ」と連れて来て下さって。
__ 
なるほど。
せん 
その時やりたかったイベントに、ここが合ってて。良いなと思ってやらせてもらって。実は三名さん、ここを運営されている佐藤香聲さんの劇団に所属されていた時期があったそうで。それから香聲さんにイベントの受付手伝いをお願いされるようになって、出入りし始めたら、いつの間にかブッキングマネージャーになってたんです。
__ 
なるほど、いつの間にか。
せん 
イベントをやるのも好きだし、バーテンダーをやっていたので受付も好きなんです。色々とやらせてもらえるのが嬉しいですね。それから、誰かと誰かを繋げるのが結構好きなんです。ここをキッカケに誰かと誰かが一緒に何かを作るのを目の当たりにすると充実感がありますね。
__ 
つまり、ミナミの帝王ですね。
せん 
(笑う)今は、佐藤香聲さんが代表を務めるアートプロジェクト集団「鞦韆舘(しゅうせんかん)」に所属しています。

タグ: 人脈を繋げる 生きている実感 ターニング・ポイント


起きている町、眠っている港

せん 
ここは実は完全に自由な空間という訳じゃなくて、ハコも小さいし住宅地だからそんなに大きな音も出せないし、あんまりいかがわしいパフォーマンスも近所の目があるのでNG。その中でいかに遊ぶかというのが念頭にあると思いますね
__ 
いかに遊ぶか。
せん 
制限の上でいかに真剣に遊べるか、ですね。青蛾の夜會はそういう、アーティストが何かに挑戦しているのを見る機会でもあるんです。
__ 
緊張感がありますね。私にとってはここク・ビレ邸は結構離れた場所に位置していて、なんだか「千と千尋の神隠し」の隠れ里のようなイメージがあります。知らない町を訪れた時、偶然出くわした祭りのような。そういう中で初めて出会うアーティストの勝負を見られるのは貴重な体験だなと。
せん 
はい。今まで触れてこなかったジャンルに出会ったお客さんが楽しんでくれているのを見ると嬉しいですね。さっきも言いましたが、この辺はすごく元気なご老人が多いんですよね。
__ 
若々しい人が多いという事でしょうか。
せん 
というよりは・・・何か、今の時代の若い人って無気力なところがあると思っていて(それは時代のせいもあるんだと思うんですけど)。比べるのは違うかもしれないけど、今の時代の北加賀屋の老齢の方って凄い丈夫やし、止まれない人種なんじゃないかと思うんです。動いてないと死んでしまうような。元々日本人が持っている労働者としてのDNAを感じます。都会の日本人にはない良さを感じるんです。
__ 
港町の、海を眺め続ける事で培われたロマンの感覚があるのかもしれませんね。
せん 
そうですね。私、そんなに日本万歳って訳じゃないんですけど日本人の感覚とか日本人像が好きで。静かな中に情熱があって、下半身がずっしりしている感じ。それが凄く素敵だなと思います。
__ 
私の父方が農家をしているんですよ。
せん 
あ、いいですね。
__ 
農家は静かにしているものなので、そういう落ち着きは少し分かります。
せん 
まあ関西の方なので口が達者な方は多いですけどね(笑う)。

タグ: ロマンについて 日本人の美意識 それを揺らしてはいけない 続ける事が大事 町とアートと私の企画 単純に、楽しませたい 演劇は勝ち負け?


子供の頃から・・・

__ 
せんのさんはどちらのお生まれなんですか?
せん 
私、愛知県出身なんです。岐阜が近い地域の、何もない住宅地なんですけど。
__ 
子供の頃は、どんな子供でしたか。
せん 
自分でもよう分からんのですけど、インドア派でありながらも休み時間の間はごっつう落書きばっかりしてました。根暗な子みたいに。でも外で男の子に混じって遊んでたし。快活なインドア派かな?でも遊ぶ時は無茶苦茶遊ぶので怪我も多くて、親にも心配されました。
__ 
ああ、それで絵も上手なんですね。興味の向くところには躊躇なく行くみたいな?
せん 
ええ、今はこれやと思ったらそればっかり。かと思えば冷静になるんですけど。
__ 
ポールダンスをやり始めたのは?
せん 
名古屋で高校卒業後に働きに出てたんですけど、その時にポールダンス教室をたまたま見つけまして。その時にハマってしまいまして。何だこれは、面白いと。その時の先生が大阪に戻られる事になって、私もしばらく大阪に行ってレッスンを受けてたんです。そしたら先生から「それぐらいなら大阪に来たら」と。それで引っ越す事になったんです。大阪に来るからには何かしたい。ポールダンス以外にも個展をしたいなと。玉造に引っ越して、無料でやらせてもらえるギャラリーバーをたまたま見つけて、お話させて頂いたら夢が叶いまして。それと、月一でライブをされているそうで、私の絵が絵本形式になっている事もあって、紙芝居をさせてもらって。知り合いの女優さんである、渋谷めぐみさんに協力してもらって。
__ 
紙芝居をやりつつ、イベントの企画をし始めていたんですね。

タグ: 子供についてのイシュー 厳しいレッスン 引っ越し


目に見えぬもののために

__ 
せんのさんは作品作りの時、例えば何からインスパイアを受けるんでしょうか。
せん 
私の場合は目に見えないものを大事にしたいという気持ちがありまして。現代の人は何というか、目に見えるものだけに執着にしているような気がして。それは良くないなあと。普遍的にあるけれど目に見えないもの。それに気づくのが生まれてきた意味なんじゃないかと思っているんです。
__ 
なるほど。
せん 
それを説教のようにするのではなく、形にして、感じ取ってもらうべきなんじゃないかなと思っています。個人で活動していた時から、そういう事を思っていました。今でも勉強しているんですけど。
__ 
目に見えないもの。
せん 
そうしたエネルギーですね。そう言う意味では香聲さんのやっている音楽も、目に見えない力を形にするような事をやっているので、近いのかなと思っています。
__ 
見えないものを、感じ取った事はありますか。
せん 
あります。宙に浮きそうな感覚を覚えた事があったり。それから、縁の力を感じますね。私、一人だけで生きている訳じゃないんだなと。ご先祖さんがいて、その人たちが縁を作ってくれる。蔑ろには出来ないなと思いますね。
__ 
なるほど。
せん 
私、年に一回伊勢神宮に行くんです。お伊勢さんの奥のカーテンがふうーっと開く事があるんです。それによく遭遇するんです。
__ 
風とかではなく。
せん 
そうです。ふーっと。おかえりって言ってくれているんやなと思います。
__ 
せんのさんが持っている縁も含めて言ってくれているのかもしれませんね。
せん 
はい。目に見えない力や、縁・・・いくら本を読んだりしても分からないものは分からないと思うんです。アートって、ビビッとくる感覚が結局大事だと思うんです。そういうキッカケをいっぱい作るのが私の役目なのかなと思います。

タグ: 目に見えぬもののために


いつかはもっと大きな事が出来るように

__ 
今後、どんな表現をやりたいですか。
せん 
いま稽古しているのが台詞のある演劇なんです。演劇初めてなのに、何をやらせてくれとんねんという感じで。でも、紙芝居のイベントと同じように演劇も総合芸術なんだなと気づいたんです。
__ 
というと。
せん 
私の絵、台詞、それから女優さん、音楽、みたいに。演劇にはそれらが含まれているんですよね。それから、凝り固まった演劇のイメージが壊れましたね。演劇も色々あるんですよね。香聲さんの作られているような音楽劇があれば、人間関係を丁寧に描く方もいる。ミュージカルだったら歌もあるし、照明や衣装や小道具や舞台美術もある。
__ 
演劇は総合的な芸術であると良く言われますよね。
せん 
そう思うと、私がやりたい総合芸術やなあと気づいたんですよ。私はそれまでコンパクトな総合芸術をやってたんですね。
__ 
そして、演劇は何でもあり、ですね。
せん 
いつかはもっと大きな事が出来るように、勉強させてもらっていると思うので。自分を奮い立たせています。

タグ: 総合芸術としての演劇 会場を使いこなす


質問 高間 響さんから せんのさくらさんへ

__ 
前回インタビューさせていただいた、笑の内閣の高間さんから質問を頂いてきております。「ダメ男をどう思いますか?」
せん 
「ダメ男」の定義にもよるんですけど、私が「ダメやな」と思うとそれはもう受け付けないですね。でも逆に、残念なダメ男の良い面を見つけてしまうと「全然ありやな」と思ってしまう、そんな事があります。その逆ももちろんあるんですけど。
__ 
次の質問です。「ダメ男好きな女をどう思いますか?」
せん 
どうやろう、二人の関係が上手く行ってたら良いですけど。儲けてるのかなあとかは思いますね。ヒモを囲ってしまう女の人も、ヒモに依存しているというのはあるんですよね。どっちがダメなんだろうな、というのは思います。