精神性

__ 
いつか、どんな演劇を作りたいですか?
矢野 
これはある現代美術作家の受け売りなんですけど、「子供が見て喜んで、且つ同時に批評家が唸ってしまう。」そんな作品。もっと欲をいえば、海外に上演に行ったときに、字幕なしでも分かるような、そんな面白い作品を作りたいですね。それはノンバーバルな、身体表現をやるという訳じゃなくて、発語された言葉と、発語という行為をせざるを得ない人間の身体と、人間の身体そのものや関係性の変化、あるいはそれら全部の相互作用でもって、観客の想像力をあらん限り喚起する。そんな作品を作りたいです。
__ 
それはきっと、お客さんとの間に濃いコミュニケーションを生むのでしょうね。私が昨日見た作品もそうでした。まあ、一見退屈なので眠っているお客さんが大半でしたが。
矢野 
パッケージ化された商品を受け取ることに慣れすぎてしまっているお客さんは、どうしてもより強い刺激を求めてしまうと思うんです。お出汁をちゃんと取った日本料理と、お吸い物のもとの違い。どっちもどっちで、それはあってもいいんですけど、日本人はもともと持ってたと思うんですよ、野趣そのままの素材の味を、奥の方まで理解しようとする心を。つまり、楽しませてもらうのではなく、自分から楽しみに行くという精神性を。

タグ: クッキングの話題 日本人の美意識 子供が見て喜んで、且つ同時に批評家が唸ってしまう 観客との関係性


とにかくいろんな所に行って

__ 
これから演劇を始めようと思っている人に何か一言。
矢野 
始めたらいいと思います。始めてみたら分かると思います。始めたら始まるんです(笑う)。
__ 
今後、どんな感じで攻めていかれますか?
矢野 
カンパニーの代表とか演出家とか、自分のキャリアという話でいったら、ちょっと難しくてよく分からない、というのが正直なところなんですが、とにかくいろんな所に行って、いろんな価値観の人に出会いたいです。ただ、それがいつまでも身銭を切って、という遣り方だと正直しんどし続けていけないと思うので、そういうのが出来る環境をどう獲得していくか。つまり、遣りたいことを続けていくために、遣りたいことをやりながら同時にどのようにして自分(たち)の仕事をプロデュースしていくか・・・それはまたクリエイションとは別の力量が問われるので、もっといろいろ貪欲に試して行きたいと思っています。

タグ: 境界を越える・会いに行く


香彩堂のお香

__ 
今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントを持って参りました。
矢野 
ありがとうございます。拝見して良いですか?
__ 
もちろんです。
矢野 
いい香りがする。(開ける)お香、好きなんですよ。
__ 
香彩堂のお香です。素朴で奥行きのあるものを選びました。

タグ: プレゼント(お香系)


質問 沢 大洋さんから 山西 竜也さんへ

__ 
前回インタビューさせていただきました、沢大洋さんから質問を頂いてきております。
山西 
あ、沢さん。
__ 
山西さんは、京都学生演劇祭の第一回で受賞されていますからお知り合いですよね。「ご自身がそのジャンルを選んだのは何故ですか?」
山西 
舞台に立つみたいなジャンルを選んだのは、目立ちたがり屋だったからじゃないですかね。他のことより人前に出て何かやることの方が出来るかなと思って。その、消去法で。これが出来ないからこれをやろう、的な。(笑う)
__ 
なるほど。では、いつかどんな演技がしてみたいですか?
山西 
面白い演技ができるようになりたいです。その上で自分が出来る事はちゃんと出来るようになって。
__ 
期待されている事がまず出来て、舞台上でお客さんがそれを理解出来る。まずはそこ?
山西 
僕の武器なのかなと思う部分は生かして、やることはちゃんとやって。楽しんでもらえる人になれたら嬉しいです。
__ 
お客さんが理解出来してついてきた上で、さらにそこから予想を少しずつ越えていったら、きっと凄いですね。

タグ: いつか、こんな演技が出来たら 単純に、楽しませたい


だから、地道に攻めます(笑う)

__ 
今後、どんな感じで攻めていかれますか?
山西 
とりあえず体を鍛えて、走って、そうですね、だから、地道に攻めます。(笑う)あ、あと、時々でもコントはやっていきたいかなあ。好きなので。

クルージングアドベンチャーの日々

__ 
これまでの舞台で、印象深かったものはありますか?
山西 
たくさんあります。どの舞台もまだまだ最近のことなので。でも、直近と言うのも大きいですけど、印象の深さならクルージングアドベンチャーですかね。衣装に着替えて自転車で移動している時とか、自分は本当に何をやっているんだろうなと。そういうことが記憶に残ってます(笑う)。

「駄目な感じ」

__ 
さて、少し前にはなりますが・・・月面クロワッサンの短編「同情セックス」がですね、大変面白かったです。それにふさわしい役者がその役柄を演じているというのがよかったのかもしれない。
山西 
ありがとうございます。企画公演で二人芝居をやることになって、だったらセックスのお芝居がしたいなあと思って。
__ 
登場人物の男二人のうち、もう一人は片方を置き去りにする結果になりましたね。
山西 
余命の短い童貞の人が二人いて、ギリギリでできた方ができなかった方に「ごめん」って言う、というのがやりたくて。あんまり救いは無いけど、なんか笑えるみたいな。
__ 
ある種の惨めさ、ネガティブなものを題材にした笑いが得意なんでしょうか。
山西 
得意かどうかは分からないですけど、好きです。「駄目な感じ」が好きなんです。笑ったら駄目な感じだけど、でもどうしても面白い時ってあると思うんです。駄目な感じを、笑える感じとしてやるっていうのはすごく好きなので。
月面クロワッサン 番外公演「月面クロワッサンのおもしろ演劇集」
公演時期:2014年2月、3月。会場:人間座スタジオ他。

タグ: 成長拒否


次の土地の子供鉅人

__ 
苦労したシーンはありますか。
山西 
全体的な話になっちゃうんですけど、環境の変化がすごくて。暑かったり寒かったり、雨が降りそうだったり色んな部分が。緊張感が無くなってしまわないようにと思ってました。
__ 
緊張感という点なら、シーンごとの差はすごいですよね。役を演じる演技と、ツアー演劇のコンダクターの演技。
山西 
僕は劇団員になって初めての公演だったので、単純に演技する上で勉強になった部分が大きくて。でも、またそれとは違う、アドリブのツアーをしているときの演技は別の意味で面白くて。
__ 
子供鉅人の役者って、ふつうは出来ないような、特殊な経験をしているんだなあと思うんですよ。劇場はもちろん、町家で芝居をするし、ツアー演劇もテント演劇もコントも音楽もイベントもする。演技のスタイルも回によって大幅に違う(それはもちろん、舞台に合わせているという部分は強いけれども)。
山西 
そうですね。大事にしている部分は毎回同じで、お客さんを楽しませるというところに尽きていると思います。退屈な時間がないようにというか。
__ 
クルージング・アドベンチャー3。私は一瞬たりとも退屈しませんでしたね。たとえ船着き場が渋滞していても。お客さんを退屈させない為に次々と新しい展開をし続けているということがあるのかな。その彼らが東京に行く。これまで、大阪という土地と強い結びつきを持っていた彼らが東京に行く。それも新しい展開の始まりでしょうね。
山西 
すごく楽しみです。僕は入って間もないけれど、すぐに東京に引っ越しで。そこから時間をあけずに劇場での公演で。
__ 
激流に次ぐ激流ですね。環境が変わっても、子供鉅人と言う船をメンバーが強く心に持っている以上大丈夫だと思うんですよ。
山西 
ありがとうございます。

タグ: 『東京』 出立前夜 ちゃんと楽しませる 子供鉅人の街頭演劇アドベンチャー 引っ越し 土地の力 半野外劇 ツアー演劇の可能性


何もかもうまくいきますように

__ 
東京で何がしたいですか?
山西 
当たり前のことなんですけど、ちゃんと役者としてやっていけるようになりたいです。まだまだフワフワしてる部分が大きいと思うので。
__ 
では東京で、どんな事が起こったらいいと思いますか?
山西 
運を呼び込めたらいいなあ。具体的に何の運だ、と言われたら分からないですけど。そういうものが来る事はあって、その流れが来た時に乗っかれる自分を作っておきたいですね。
__ 
そうですね、鍛えておく事ですね。
山西 
単純に言っちゃえば、何もかもうまく行けばいいと思ってるだけかもしれないですけど(笑う)

飴玉エレナ、月面クロワッサン、子供鉅人

__ 
山西さんが演劇を始めた経緯を教えてください。
山西 
大学で喜劇研究会というサークルに入りまして。そこから始まって、コンビでお笑いの舞台に立つようになったんですけど、相方が辞めてしまって、ピンでコントをするようになって。そしたら徐々に、演じることと言うか舞台に立つことだけを集中してやってみたいと思うようになりまして。その頃、「知り合いに演劇をやってみたら?」と言われたんです。
__ 
なるほど。
山西 
その時は演劇の知り合いは全くいなかったので、一人でもできる!ということで最初は一人芝居から入りました。
__ 
それが飴玉エレナ、ですね。それから月面クロワッサン、子供鉅人と短い時間に渡り歩いてますね。
山西 
そうですね、よく言われます(笑う)

タグ: 今の作品に集中する 入団の経緯 相方


うちわ(唐草模様)

__ 
今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントを持って参りました。どうぞ。
山西 
ありがとうございます。大きいですねえ。
__ 
大したものじゃないですけどね。
山西 
(開ける)あ、かわいい。
__ 
結構、扇ぎやすいですよそれ。扇風機あったら意味ないんですけど、風情を楽しんでもらえたら。

タグ: プレゼント(インテリア系) プレゼント(ツール系)


妄想にくるまれた大川

__ 
3週間にわたる公演期間の中で、ご自身にとって最大のハプニングを教えてください。
山西 
すごく個人的なことだったら。長時間の公演なので、途中にトイレ休憩が一回あったんですけど、僕はその案内する役をしてたんです。で、駅のトイレにお客さんを連れて行ってたんですけど、そこの掃除のおばちゃんとほぼ毎日会うので妙に仲良くなったんです。で、ある日の公演中に、そのおばちゃんがいつもの清掃服じゃなくて、私服で駅を歩いてて、いつも通り声をかけたら「いや今日はプライベートやから」って言われて。
__ 
清掃のおばちゃんがそれを言う衝撃は凄いですね。
山西 
まさかそんな感じだと思わなくてびっくりしました。(笑う)
__ 
では、最大のアクシデントは何でしたか。
山西 
不確定な要素が多かったので、本当にいろいろあった気がします。すぐ思い出すのはやっぱり船着き場の渋滞ですかね。屋形船が何艘かお客さんを降ろしていて、僕らの船が停泊できない、不思議な無の時間が流れて。
__ 
でも、そういう時間での役者のアドリブが素晴らしかったです。アクシデントでもハプニングでも、そこを笑いに変えてしまう力がありますよね。
山西 
リハをするまでは、もう少しセリフが決まってたシーンがあったんですよ。でも実際に船の上に乗って移動してやってみたら、ボスが「台本じゃなくて、リアルに見たもの聞いたもので会話した方が面白いんじゃないか」と。ほんとにそうだったと思います。
__ 
ちなみに、私が参加した回で面白かったのは乗船中の小中さんかな。カヌーを漕いでいる人達を川で追い越した時、船に付いている拡声器で「邪魔をしてすまない、今大阪を救っている途中なんだ」って言った事です。あれは本当に頭がおかしかった。「妄想」がキーワードの作品という事もあって、白昼夢感が凄かったです。

タグ: アドリブについて 妄想


東京へ

__ 
今日はどうぞ、よろしくお願いします。
山西 
よろしくお願いします。
__ 
最近、山西さんはどんな感じでしょうか。
山西 
元気にやってます。いろいろ終わってひとつの区切りを迎えて。
__ 
東京への引っ越しもありますしね。その直前ですね。
山西 
はい。向こうでの生活が始まる実感はまだあんまりないんですけど。
子供鉅人
2005年、代表の益山貴司、寛司兄弟を中心に結成。「子供鉅人」とは、「子供のようで鉅人、鉅人のようで子供」の略。音楽劇や会話劇など、いくつかの方法論を駆使し、世界に埋没している「物語」を発掘するフリースタイル演劇集団。路地奥のふる長屋を根城にし、演劇のダイナミズムに添いながら夢や恐怖をモチーフに、奔放に広がる幻視的イメージを舞台空間へ自由自在に紡ぎ上げる。また、いわゆる演劇畑に根を生やしている劇団とは異なり、劇場のみならずカフェ、ギャラリー、ライブハウスなどで上演、共演したりとボーダーレスな活動を通して、無節操に演劇の可能性を喰い散らかしている。(公式サイトより)

タグ: 出立前夜 最近どう? 引っ越し


クルージング・アドベンチャー3 オオサカリバーフォーエバー編

__ 
さて、子供鉅人の「クルージング・アドベンチャー3」。大変な公演でしたね。子供鉅人のツアー型演劇、今回で2回目。出演されて、いかがでしたか。
山西 
僕は4月から子供鉅人に参加して、初めてがアドベンチャー演劇だったので。すごく刺激が強くて。
__ 
役者にとっても観客にとってもものすごい冒険でしたよね。私は昼の回も夜の回も拝見したんですが、どちらにも違う魅力がありましたね。
山西 
どちらの回が良かったですか?
__ 
私は昼の方が好きですね。
山西 
そうなんですか!どういう部分が。
__ 
もちろんどちらにもそれぞれの良さがあるんですけど、昼はその、お祭り感が凄かったです。川を下っている時、岸に面したBARのお客さんがこっちを見ていて、手を振ったりリアクションを取ってくれたりするその現場感が凄い。夜は夜で、演劇的な良さがあるんですよね。大阪城は出るし、風景が動いている感じがね。
クルージング・アドベンチャー3 オオサカリバーフォーエバー編
公演時期:2014/6/13~30。会場:大阪府大川(旧淀川)周辺。

タグ: ユニークな作品あります 子供鉅人 子供鉅人の街頭演劇アドベンチャー ツアー演劇の可能性


__ 
今日はどうぞ、よろしくお願いします。沢さんは最近、どんな感じでしょうか。
沢  
最近はだいぶ、俳優よりもプロデューサー業の割合が多くなっていますね。あとは、勤め先の花を育てたりしています。
__ 
おお、花を。
沢  
でも、切られて持って行かれる事があるんですよ。
__ 
ああ、それは、ひどい・・・。私も過去、自転車のサドルを盗まれた事があって。犯人を恨んだりしたんですけど、これはもう何の解決にもなりませんな。
沢  
そうですね、悲しみは癒えないですね。まあでも、あまり考えないようにはしようと思っています。
京都学生演劇祭
京都。ここにはたくさんの学生劇団が存在します。京都学生演劇祭は、この?学生劇団″を対象に「今、最もおもしろい舞台を作る劇団はどこか」そのシンプルな問いに答えを出す、お芝居の祭典です。(公式サイトより)

京都学生演劇祭2014

__ 
さて、京都学生演劇祭について。沢さんが第一回から立ち上げ・企画・プロデューサーをされていますね。今年八月には、四回目となる京都学生演劇祭2014を開催されるという事で。まずは、現在の所感を頂けますでしょうか。
沢  
そうですね。四年目にして、やっと目指すべきところが見えてきたかなと。プロデューサーとして、京都以外にも活動の幅を広げようと全国の学生演劇に携わる方々と交流を行っておりまして。来年にはついに、学生演劇祭の全国バージョンを企画しようと考えています。第一回は2016年の三月あたり。
__ 
素晴らしい。事業になりつつあるんですね。
沢  
その1年前の2015年3月に、準備として、第0回を開催しようと考えています。全国の学生演劇のメンバーと、どういう企画にするのか話し合おうと画策しています。具体的には、各地によって上演スタイルが違うので、例えばどんな上演形態にするのか・賞の設定をするのか・参加資格にするのか、とかを話し合おうと思っていますね。
京都学生演劇祭2014
4回目を迎える京都学生演劇祭。総勢15の学生劇団が、元・立誠小学校に集結。上映時間45分のリレー形式で公演を行います。参加団体の頂点となる「京都学生演劇祭賞」は観客投票で決定され、選出された劇団には10万円の賞金が贈られます。ジャンルを問わず繰り広げられる学生の熱演。夏の京都をさらに熱くします! 公演時期:2014/8/30~9/5。会場:元・立誠小学校。
全国学生演劇祭(仮称)
地方文化の発展、青少年期の主体性の獲得、そして全国的な学生演劇のネットワーク構築を目的とする、全国規模の学生演劇祭。2015年3月に「第0回全国学生演劇祭」を実施し、各地域毎の推薦団体の上演と討論会によって、2016年から開始する全国学生演劇祭(仮称)をどのようなものにするかを決定していく。(公式サイトより)

タグ: 京都の学生演劇 学生劇団と私


この先に何があるんだろう

__ 
そろそろ大ごとになりつつある、学生演劇祭。まずは、第一回開催のきっかけを教えて頂いて宜しいでしょうか。
沢  
まず、僕が演劇を始めたのは大学からだったんですよ。小学校の頃から、将来は俳優になるぞと決めてしまっていて、とにかくやりたくて。卒業して、就活もせずに演劇していました。でも役者として京都でやっていくのは先が見えない。周りを見渡しても、俳優として生計を立てている人はほぼ皆無で。この先に何があるんだろう、となりまして。
__ 
ええ。
沢  
やっぱり東京に行くしかないのか。でも、当時所属していた京都ロマンポップは、京都を文化の中心にしようというスタンスがあったので。僕もそういうスタンスが好きではあったんです。もちろん、演劇は東京の方が面白いものがたくさんあるんです。それでも、京都でしか出来ない何かがあるんだと思いまして。何か、ここで出来ないか。そう思った時に、京都は学生の街だ、と。さらに、京都ならではの「型にはまらない表現」の作品や俳優は、学生劇団の中からこそ生まれるんじゃないかと。歴史を見ても、演劇分野に限らず多くの才能が生まれている訳ですし。
__ 
そうですね。
沢  
あとは、京都ロマンポップの作品で、各学生劇団から出演者を一人ずつ紹介してもらうという企画がありまして。そういう個人の交流が下地にあったんだと思います。
京都ロマンポップ
「物語は幸せへの通り道」京都ロマンポップは、2005年京都を拠点として旗揚げしました。作品は、よりふじゆきによる脚本:本公演と、向坂達矢による脚本:さかあがりハリケーンの二本を支柱としています。現在は、向坂達矢による脚本:さかあがりハリケーンを主に発表しています。本公演の舞台設定は、古代ローマ、中世ドイツ、昭和初期日本、そして現代と多岐にわたっていますが、一貫して描かれているのは普遍的な人間の悲しさや苦悩であり、そこから私たちの「生」を見つめなおす作品です。哲学的な言葉を駆使しながらも、役者の熱や身体性を重視する、ストレートプレイ。(以下略)(公式サイトより)

タグ: 大学卒業後に・・・


これは発熱する祭

__ 
さっき仰った事が気になっています。「京都ならではの型にはまらない表現」。型に囚われないという事は、考え方に余裕があるという事だと思うんですよ。そこには、無知や不知が生む余裕もあるのですが、それはきっと歓迎すべき可能性でしょうね。創作においては、これはなおさら。学生時代をモラトリアムだと捉えた時、責任がない、自由に出来る、そんな環境に置かれている彼らは、優れた創作が出来る潜在能力を全員持っていると考えられると思うんですね。
沢  
ええ。
__ 
さらに、初期衝動というものがある。
沢  
そういう環境での創作がですね、次のステップにつながっていければいいですね。
__ 
それが一気に集合する京都学生演劇祭。祭という体裁を取っている事が大事ではないかと思っているんですが、いかがでしょうか?
沢  
そんなにお祭というものを意識して付けた訳ではないんですが、第二回ぐらいから「これは祭なんだな」と意識するようになりました。祝祭感を大事にしていきたいなと。
__ 
なるほど。今回のプログラムの組み方が、まさに祭らしいなと思いまして。一日に何団体もが、二つの会場を同時並行のショーケース形式で入り交じると。つまり同じ時間に、同じ建物内の別々の部屋で。それぞれの上演が終わった後、元・立誠小学校内にいる全員が同時代性を感じる事でしょう。その感慨こそが、次代の様々な文化状況を生む土壌となると思います。
沢  
そうですね。ちょうど上演が終わった後の猛っている時ですから。その辺の絡みはすごく、熱いでしょうね。

タグ: 演劇祭


未知の価値を探しにきてください

__ 
これまでの学生演劇祭の開催の中で、印象に残った出来事を教えて下さい。
沢  
ホントに、色んな人に叱られながらもやってきた演劇祭だなあという印象が強いですね。それまで役者しかやってきてないので、企画書の書き方がなってないと劇団員に叱られ、実行委員会を作ったもののどう動かしていいか分からず学生に叱られ。足りない部分を色んな人に補ってもらいながら続けているなあと。
__ 
それでも、今でも続いているという事は進歩しているという事だと思います。
沢  
そうですね、ちょっとずつでも規模を拡大しているので、自分のキャパを強引に広げているような。それから、印象的な事と言えば・・・第一回の演劇祭に丸山交通公園が、京都産業大学の劇団ACTから参加してきてくれたんです。普段の集客は少なく、彼らの知名度もそこまでなかったんではないかと思うのですが、彼と劇団ACTの才能を、京都の中心で沢山のお客さんに見てもらえた事は大きいと思います。200人以上のお客さんに、彼がすごくウケて話題になって。彼らの、演劇を続ける理由にもなれたのではないかと。それはもちろん、劇団テフノロGも、僕の出身の劇団月光斜TeamBKCもそうだし。
__ 
地理的な条件で出会えなかった劇団とお客さんを結びつけたという功績ですね。
沢  
はい、学生演劇祭の価値としては少しばかりはあったのかと。今年も未知の劇団が多いので、そこを楽しみにして頂ければと思います。
__ 
楽しみです。参加した学生達の存在感がありますね。
沢  
学生演劇祭は賞レースなんですが、観客賞と審査員賞の二つの評価軸があるんです。その観客賞で一年目は最下位だった劇団があったんですけど、劇団の中の一人がその打ち上げで「情けないっす」と深く沈んだ表情で言っていて。それが二年目は大躍進して、観客賞は三位・審査員から団体賞をもらったんです。演劇の勉強はしてないけれど、でもだからこそ大きく成長するというのもあるんですよ。そういう部分のドラマもあるのかなと。

タグ: 自分は何で演劇を


「ここでしか聞けない先輩の本音。」

__ 
さて、祭についてもう少し。お祭という体裁が学生達にどんな影響を与えているのでしょうか。
沢  
今回は時期が変わってしまって、申し訳ないんですけど・・・。色んな同世代と出会えて競い合える。そういう場として、認知されつつあるとは思います。
__ 
そうですね、何日かではありますが、交流しあわないではいられない場ですね。
沢  
でも、その交流もそのままにしていては何もならないですから。最近頑張っているのは、学生演劇祭の前にオープンステージという括りで番外企画をいくつもやっているんですね。
__ 
番外企画。
沢  
今回は5月末に合同稽古をして、学生自身にWSをしてもらうと。学生がその内容を考えるんですね。その次はMONOの土田英生さんや照明家の葛西健一さんをお呼びしたWSですね。大きい公演の舞台裏ツアーをしてもらうという企画もありました。KUNIOの「HAMLET」です。アフタートーク付きで。これは参加人数が限られているんですが、大きな刺激になったようです。上のステップが覗ける、いい機会になったんじゃないかと思います。
__ 
なるほど。
沢  
それから、先輩たちの本音が聞けるトーク企画も開催します。まあ、演劇を続けるって大変で。社会人として演劇を続けている方、バリバリ舞台で作品を作り続けている方をお呼びして、「ここでしか聞けない先輩の本音。」という。学生自身が、これからどういう道があるんだろうと考えて貰えるような企画を考えています。

タグ: 本音の価値 自分は何で演劇を