質問 畑中 華香さんから 是常 祐美さんへ

__ 
悪い芝居の畑中さんからも質問を頂いてきております。「大阪を拠点に演劇をやっていて、良いと思った事はありますか?」
是常 
そうですね・・・。大阪と関係あるかはわからないですけど、まずはかのうとおっさんに出られた事。あとは、お客さんとコミュニケーションを取ろうと思えた事ですかね。
__ 
というと。
是常 
色んなところに出演させていただいたり自分のところでの演出を通じて分かったんですが、客席の奥まで演技が届くかどうかが凄く大事で。いい芝居をしても、舞台の縁のところまでで止まっていたらお客さんはボーっと見ているだけなんですよね。舞台上ではすごく成立しているのに、客席の奥まで届いていない。
__ 
後ろの壁まで。
是常 
どんだけいい芝居をしても、届かなければ意味がない。範囲がここまでだったら意味がないと。笑いについても、ここまで届いていないといけないんですね。
__ 
基本的だけど、それってすごく重要な事のような気がしますね。客席を含んだ芝居の成立。
是常 
舞台で成立しているのは当たり前ですけど、客席に届かないと意味がない。見れない訳じゃないですけど、魅力は半分なんだと思います。私のイメージでは、笑いだったら「こっち来いよ☆」みたいな感じで、会話劇だと「いいよ・・・?」みたいな感じ。
__ 
いつか、どんな演技が出来るようになりたいですか?
是常 
こまち日和でもそうだと思うんですけど、今まで共感性で作ってきたと思うんです。この役はこういう気持ちだろうから、その枠に自分をはめる、みたいな。でも、そんな作り方だけではいかんな、と。これは自分の人生が関わってくると思うんですが、自分自身のことが分かっていなければアカンな、自分の輪郭が分かっていなければ、これ以上のところには行けないんかなと。
__ 
なるほど。
是常 
もっと自分自身が自由であるためには、自分の足で立っていなくてはならないんですよ。私が何者で、何が好きだったりするのか。を明確にしていないと。役者としては何でも出来るようでありたいんですが。そう、自由な人に憧れています。今回の作品で言うと千田さんにそういうのを強く感じます。いい意味で自分勝手にいられているんですよ、共演者の存在とか、台詞とかに寄っかからずに、自分でまずは立っていようという感じがして。すごくいいなあ、って。私も、台詞がない、役の形がないと何も出来ませんというところからは、ちょっといい加減に出たいなと。それは嘉納さんを見てもそう思います。
__ 
これまでのスタイルから卒業したいと。
是常 
もちろん、役の型も保ちつつ、両立出来たらいいなあって思います。でも、舞台上で自由な人でいるためには、初見のお客様に「なんだかこの人、いいなあ」って思われるようでなければ成り立たないと思うので、すごく難しいなと思います。でも、できるようになりたいですね。

タグ: 演技を客席の奥まで届ける 見えないぐらい濃い交流


コレはモテ期・・・?

__ 
今後、どんな感じでせめて行かれますか。
是常 
今年11月まではいくつかお話を頂いているので。まずはそれを頑張ろうと思っています。今年は凄くたくさんお話を頂いて。凄く嬉しいんです。
__ 
それはモテ期ですね。
是常 
そうなのかな。人生でこんな時期がくるなんてびっくりしてます。反面、じっくりと演技を作ってみたいというのもありますね。一ヶ月以内に何とかする、みたいなのがずっと続いているんで。それも刺激的で楽しいんですけど。
__ 
なるほど。
是常 
今後は、もっとキャパの広い舞台にも立ってみたい。自分の芝居がどこまで届くか挑戦してみたいですね。一つ一つ積み重ねていけたらと思います。
__ 
頑張って下さい。
是常 
ありがとうございます。まだまだガツガツ芝居していきたいです。

タグ: 今年のわたし 今後の攻め方


アガベシロップ

__ 
今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントを持って参りました。つまらないものですが。
是常 
ありがとうございます(開ける)。おお、すごい。
__ 
それはですね、アガベというサボテンのシロップですね。上品な甘さらしいですよ。
是常 
炭酸とかで割ったらおいしそうですね。
__ 
かき氷のシロップにしたらおいしいそうですよ。
是常 
めっちゃ高級になりそうですね。

タグ: プレゼント(食品・飲料系)


悪い芝居vol.16『スーパーふぃクション』

__ 
この度は取材をさせていただいて、誠にありがとうございます。悪い芝居の畑中さんにお話を伺えます。今日はどうぞ、よろしくお願い致します。
畑中 
こちらこそ、よろしくお願いします。
__ 
畑中さんは最近、どんな感じでしょうか。
畑中 
「スーパーふぃクション」の稽古が7月の終わり頃に始まりまして。8月12日に全員揃って、今はガッツリ稽古をしています。
__ 
楽しみです!どんな作品になりそうでしょうか。
畑中 
今回のテーマとして、「倫理VS本能」というのを掲げています。
__ 
それは・・・本能が勝ちそうですね。
畑中 
どうでしょうか。でも、お話自体はすごく分かりやすいんですよ。単純に言うとONE PIECEみたいな。
__ 
意外な感じがします。
畑中 
チラシにも書いてあるのですが、理解されない男「冠虚(カンムリウツロ)」と誤解しかされない女「朝焼澱美(アサヤケヨドミ)」のお話です。すごく単純なストーリーなんです。でも、やってる側としては全然どうなっているのか分からないんですね。登場人物の誰にも感情移入出来ないんですよ。
__ 
おお・・・
畑中 
意味わかんない、でも見ちゃう、そんな作品になりそうです。それから、実は楽器を演奏して歌も歌います。悪い芝居はライブ活動もしているのですが、今までの音楽活動と演劇作品を凝縮したような作品になると思います。
__ 
畑中さんはトランペットを吹かれますよね。
畑中 
私はちょろっとだけですけど。今回出演されるSun!!さんもキーボードを弾かはるんですよ。この前スタジオで弾いてはって、これだけ弾ければ楽しいんだろうなってぐらい上手なんです。
__ 
芸達者ですね、Sun!!さんは。
畑中 
ダンスも歌も凄いし教えられるし、マルチな人って感じですね。
悪い芝居
2004年12月24日、路上パフォーマンスで旗揚げ。京都を拠点にしながら、東京・大阪などでも活動する劇団。メンバーは12名。ぼんやりとした鬱憤から始まる発想を刺激的に勢いよく噴出し、劇世界と現実世界の距離を自在に操作する作風が特徴。「現在でしか、自分たちでしか、この場所でしか表現できないこと」を芯にすえ、中毒性の高い作品を発表し続けている。2009年より、パワープッシュカンパニーとして京都の劇場ARTCOMPLEX1928から2011年まで3年間の支援を受ける。そのパワープッシュカンパニーとしての最初の作品「嘘ツキ、号泣」が第17回OMS戯曲賞佳作を受賞。各メンバーの外部活動や、2011年は、劇団事務所である築80年の京町屋で1ヶ月半26ステージの家屋公演「団欒シューハーリー」を敢行するなど、劇場以外でのパフォーマンスも精力的に行っている。誤解されやすい団体名の由来は、『悪いけど、芝居させてください。の略』と、とても謙遜している。(公式サイトより)
悪い芝居vol.16『スーパーふぃクション』
公演時期:2014/9/11~16(大阪公演)、2014/10/21~26(東京公演)。会場:HEP HALL(大阪公演)、赤坂 RED THEATER(東京公演)。

タグ: 登場人物が好きになれない 次の公演 意外にも・・・ 悪いけど、芝居させてください


不条理が服を着て歩いている

__ 
「登場人物の誰にも共感出来ない!」っていいですね。人間は、目の前に何かあればそれが人だろうと動物だろうと物体だろうと感情移入出来る能力を持っていると思うんですけど、それは重力とか質量保存とか精神とかの絶対の法則やシステムに根ざして生きている以上、好むと好まざるに関わらずずっと動いている筈で。それが通用しないジョーカー的な存在が出て来ると、時として開放感を覚えるんだと思うんです。多分、笑ったりする。泣いたりもする。
畑中 
ふんふん。
__ 
そんなキャラクターだらけの作品というのはかなり調子が狂いそうで、愉快そうですね。
畑中 
そうですね。共感の話で言うなら、例えば目の前の人がコップの水を飲むのを見て、(ああ喉が乾いているんだな)と自然に分かるという事だと思うんですけど。でも次の行動が、(えっなんでそうしたの!?)という感じです。自分の感覚に変換出来ない、でも、だからこそ見ていられるのかな。
__ 
なるほど。コップの水にホットコーヒーを混ぜ始めたら困りますよね。そんな不条理さがある?
畑中 
でもその人物にしてみればちゃんと理由があるんです。全くの不条理でやってる訳ではない。役に感情移入出来ないけれど、お客さんもその場に参加しているような感覚になるみたいです。見ている人の話によると。それは冒頭の演出のせいもあってか。
__ 
悪い芝居の冒頭のシーン!毎回驚きますよね。今回も楽しみです。
畑中 
これは本当にお楽しみなんです。舞台を見た瞬間、これは何かあるぞと思ってもらえるんじゃないかと思うんです。

タグ: 泣く観客 例えばこのコップ


倫理VS本能

__ 
圧倒的虚業。非日常を社会にぶち込む所業、という言葉がチラシにありました。本来、劇場は舞台と客席の二つの集団で構成されています。舞台側が(稽古によって共有された)歴史をもって、可能性を客席側に投げかける構造がある。その時客席側は未読の領域をワクワクしながら切り拓いて進んでいる訳ですが、・・・そのオープニング、そんなに驚きというなら、いきなり奇想天外で、でも説得力のある風景が出てきそうですね。
畑中 
おお、そうなのかな。でも、テーマとして掲げられている「倫理VS本能」。イタズラ心ってありますよね。この静かな喫茶店でいきなり大声で歌い出したらどうなるのかな、とか。何か、目の前の人の頭をぶっ叩いたらどうなるかなとか、学校や会社に向かうのとは反対の電車に乗ってしまったら、とか。それが本能だと思うんですけど、そこを倫理で押さえて社会になじんでいる。でも、彼らは本能に従っている集団なんですね。虚業をぶちこもうと、本能に従って面白い事をしたい、それだけしかない、という感じなんです。まずは、どんな人達が出てくるか楽しみにしていただけたら。

タグ: 演技それ自体への懐疑 非日常の演出 キチガイ ロックな生き方 社会、その大きなからくり 悪いけど、芝居させてください


進野さんの稽古場マンガ

__ 
ちなみに。進野さんの稽古場マンガが面白いですよね。似顔絵としても似てるし。山崎さんとか。
畑中 
新メンバーの渡邊りょうさんも出てますね。あの決め顔、よくするんですよ。劇団猫のしゃもりも出てます。
__ 
そう、毎回1P目の1コマ目に出てますよね。
畑中 
進ちゃんは毎日稽古場にいてくれて、稽古風景のラフスケッチをしたり色や絵を使う小道具を作ってくれたりしています。プロフィールの役職にも「絵描き」とありますしね。
__ 
次が楽しみですね。今後も続けていってほしいです。

タグ: 稽古場ブログ企画


質問 高田 会計さんから 畑中 華香さんへ

__ 
前回インタビューさせていただいた、京都ロマンポップの高田会計さんから質問です。「人生の修羅場を教えてください」
畑中 
そうですね・・・私、大学6年半行ってるんです。5年目が決まった瞬間、大変悲しかったんですが、親戚一同が「まあまあ、そんなの世の中にゴマンといるよ」と言ってくれて。しかし6年目が決まった時の正月、誰も何も言ってくれなくなってしまったんですよね。言っても23歳なんて全然何でも出来る年なのに、「もうダメだ」と思っちゃって。でも何か面白い事をしたいと。その流れで悪い芝居に入ったんです。
__ 
ああ。
畑中 
劇団に入団が決まった時も、ものすごい喜びとともにもの凄い絶望もあって。今ではそれはいい事だったなと思っています。
__ 
なるほど。
畑中 
何て言うんですかね。どう転ぶか分からない道に行った方が面白いと思ったんですよね。ずっと笑っていられるような道を選ぶより。だから、人生の修羅場は劇団に入団が決まった時、ですね(笑う)。

タグ: 追い詰められた時期


悪い芝居と出会う

__ 
悪い芝居に入団した経緯を教えてください。
畑中 
そもそも、6回生の時に大学の演劇愛好会に入ったんです。ある時、立命館の西一風を見に行ったんですね。それがめっちゃくちゃ面白くって。
__ 
どんな作品でしたか。
畑中 
田中次郎さんが作演された、「向こうで誰かが死んでいる話」。これが無料!?って驚いてました。後日、BOXに悪い芝居の「らぶドロッドロ人間」のチラシが落ちてて。一般の劇団、芝居だけやっている人たちのって見たことないな、じゃあ見にいこうと。当時は悪い芝居、学生2000円だったのかな。めっちゃ高いと感じたんですけど、西一風のOBの人が作ったらしいと聞いて。それは行こうとなって、今に至ります。入団を決めたのは「キョム!」ですね。ちなみに、音楽作ってる太郎くんもそうらしいです。

タグ: 自分を変えた、あの舞台 入団の経緯


リード

__ 
さて、もう一度「スーパーふぃクション」に話を戻して。畑中さんは今回、どんな役柄でしょうか。
畑中 
いい焦らし役になれたらなと思います。シーンの合間合間を上手く繋いで、次の波に繋いでいく、そんな事が出来たらなと思います。
__ 
素晴らしい。今回の作品において、稽古場で何が出来たら成功に繋がると思いますか?
畑中 
昨日も稽古場で話された事なんですけど、ずっとテンション高く進んで行くんですよね。だからお客さんも役者側も、一度作品から気を飛ばしてしまうと戻りにくいんじゃないかと。お客さんをちゃんと離さないでおく仕掛けや、集中力が大切なのかなと思います。
__ 
大変そうですね。
畑中 
でも今のところ、稽古場ではあっと言う間に時間が過ぎて行くんです。積み上げていけている稽古場だとは思っていて。でも、そこから一段高く、ワクワクさせ続ける。そんな事が出来たらと思います。
__ 
ワクワクさせ続ける為には何が必要でしょうか。
畑中 
役者がワクワクし続ける事はもちろん、お客さんが見たいものを、見たいスピードで見せ続ける事かもしれません。それが出来れば、テンポが早すぎても要所要所でお客さんをつかみ続けられると思うんですよね。私は全然出来てないですけど。役者がちゃんと風景を見続ける事。
__ 
お客さん側に共感する、みたいな事かな。
畑中 
ショーみたいな感じになるんじゃないかと思ってます。期待を込めて、ですけど。

タグ: 役者の認識(クオリア) 役者全員の集中が一致 続ける事が大事


やってやろうやってやろう

__ 
最近の、演技を作る上での気づきを教えてください。
畑中 
ずっと言われ続けてきた事でもあるんですけど・・・舞台の上では、何も考えない方がいいな、と思っています。もちろん、稽古ではそういう細かい事を作り続けるんですけど、それを本番でやると、役として生きられず、閉じてしまう。何も反応出来なくなるんですね。だから、こうしようああしようというのは稽古場で済ませておくべきだ、って。
__ 
素晴らしい。意識的になるべきところは意識的になる?
畑中 
やれてる人は無意識にやれてるんだと思います。引き出されるように台詞を言えるように、芝居は常にリアクション、と山崎さんからずっと言われていて。自分発信の台詞や行動であっても、相手の状態をどれだけ汲み取れるかどうか。それって、「やってやろうやってやろう」という態勢じゃ絶対出来ない事なんですね。
__ 
正直者の会の田中遊さんが昔言ってたんですけど、相手に呼びかける台詞、例えばAが「おーい」というのが台本にあったとして。呼びかけられたBはそれに振り向くという台本なんですけど、もしBが「呼ばれていない」と感じたら振り向かなくていいし、たとえBが振り向いたとしても、「Bの意識がこちらに向いていない」と感じたらもう一度呼びかけても良い、と。そういうのって、役者の責任で作るべき領域ですよね。実は観客としてはそこをもの凄く重要視している気がするんですよ。
畑中 
山崎さんもそのような事を言っていて。台本というのはあくまで記録にしか過ぎないから、台詞に「あははは」って笑う一行があったとしても、もし笑い続けたいんだったらずっと笑い続けていてもいいんだ。エチュードで出来た事が台本になると出来なくなる、ってすごく良くある事なんですよね。
__ 
そうですね。
畑中 
だから、もうリアクションリアクションと思っていて。課題ですね。
__ 
その上で伺いたいのですが、畑中さんが考える魅力的な俳優とは。
畑中 
さっきの話の回答とかぶっちゃうと思うんですけど。「見たいもの」を出した時に、そう来てほしかった!というのと、そう来るとは思わなかった!が両方出来る人が魅力的だと思います。村上誠基さんは大好きな俳優さんの一人なのですが、相手ありきのリアクションの芝居をずっとしてて。当たり前の事をしているんですよね。具体的な何かにずっと対峙しているように見える。そういう人は強いな、と思います。
__ 
お客さんが期待していながら、でもびっくりするもの。新しい価値観を見せられて、さらに納得してしまうもの。

タグ: 引き出し合う 会話劇研究


「どうしてほしい?」

__ 
本番で好きな瞬間はどんな時ですか。
畑中 
楽になれた時。知らん内にやれていた時ですね。カナヅチ女の時、砂場のシーンがあったんですが、ふわふわした抽象的な空間から砂の上に行くシーンがあるんですけど、本当にそう思えた瞬間があったんです。あ、いま地面が砂になった、って。気持ち良かったですね。それは常にやれてないといけないんですけど、きっと。
__ 
そうですね。
畑中 
それと、お客さんがなってほしい状態になった時。息を飲んで欲しい場面でそうなった、と実感したときに「よっしゃ!わーい」ってなります。
__ 
それが分かる。変化が感じ取れる?
畑中 
はい、でも後付けでそう感じているだけかもしれない。ですが、無意識に楽に演技が出来ている回ほどお客さんの呼吸が分かるような・・・お客さんがどうしてほしいのかが分かるような。その精度がもっと上げられたらいいなと思います。
__ 
集中出来たとき、ですね。
畑中 
そうですね。俳優の立場から言うと、見せたいものって役者の内部にあるというよりは外にあるんだろうなって思っています。観客が見たいものを、役者が発するんじゃなくて、役者も見る、んじゃないかなと思っていて。イメージを共有するためには外側のものをお互いが見る、みたいな・・・言語にすると哲学的で宗教的なんですけど(笑う)
__ 
ワクワクしながら、ね。役者がずっと一つの方向に向かっていったら、観客席全体が一つの目になって、実はその目を持つのがいま現在の時代の社会その人で、舞台がどんどん客席と離れながらも劇場ごと別の世界に飛んでいってみたいな状況になったら凄いですよね。
畑中 
どこの劇団のどこの役者さんでも、ずっと、安定したものを提供しようと目指していると思うんですよ。でも、残念ながら偶然にしか起こらないものもあって。たまたま良かった、みたいな。それを意識的に出来たらいいなと思います。
悪い芝居vol.13『カナヅチ女、夜泳ぐ』
公演時期:2012/06/13~20(大阪)、2012/07/10~16(東京)。会場:in→dependent theatre 2nd(大阪)、王子小劇場(東京)。

タグ: 役者の認識(クオリア) 今の作品に集中する 外の世界と繋がる 王子小劇場


そういう場所に身を置けたら

__ 
いつか、こんな演技が出来るようになりたい、というのはありますか。
畑中 
常に楽にやりたい、と思っています。いまだに「やろうやろう」になっているので。
__ 
今後、どんな感じで攻めていかれますか。
畑中 
そうですね。まずはもっと芝居がうまくなって(笑う)、客演なんかもガンガンしたいな。東京に行きたいというのはありますね。数が多いから分散されているというのはありますけど、この間行った「マボロシ兄妹」はある種理想的な環境で、毎日誰かの役者さんが、おおっそうくるかみたいな新しい事を稽古場でされるんですよ。意識が高い人が絶対数的には多いので、そういう現場に身を置きたいとは思っています。
__ 
マボロシ兄妹!その話をしてませんでしたね。見たかったです。
畑中 
プロデュース公演でしたけど、良くまとまった作品だったと思います。青山円形劇場の閉館前にやれて良かったと思います。私は演出助手だったんですが、役者さんがずっと古典の解釈みたいに台本について意見交換していて。完全に外から稽古場をみていると、自分が役者として言われ続けている事が、一体どういう事なのか分かることがあります。
__ 
その場所にいたかったですね。あのチラシ凄かったですよね。
畑中 
そう、スタッフさん全員が役者みたいだって山崎さんが言っていて。本当にそんな感じでしたね。

タグ: 『東京』 いつか、こんな演技が出来たら 今後の攻め方


絵本「うきわねこ」

__ 
今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントを持って参りました。
畑中 
わあ。ありがとうございます!(開ける)わぁーあ可愛い。「うきわねこ」。絵本好きなんですよ。絵本をもらいがちで。
__ 
あ、そうなんですか。猫が好きそうな気がしたので。
畑中 
いやあ好きなんですよ。野良猫を見かけたら追いかけたりしています。
__ 
猫は、ゆっくりまばたきをしてあげるのが愛情表現だそうですよ。


タグ: 愛情表現 プレゼント(書籍系)


「おしゃべり」を思う

__ 
今日はどうぞ、宜しくお願い致します。最近、高田さんはどんな感じでしょうか。
高田 
僕は最近、ある学校に行きはじめまして。それが今年で一番の変化でした。言語聴覚士という、医療系の資格を取る専門学校なんですけど。
__ 
ええと、コミュニケーションに関する障害のリハビリをする資格でしょうか?
高田 
そうですね。いいんですか?こんな、お芝居と関係のない・・・
__ 
いえ、もちろんです。ざっくりとで結構ですので、その学校に入られたキッカケを教えて頂けないでしょうか。
高田 
これまでずっと病院でバイトしていてですね。で長年続けていると責任が重くなってきて。これはお芝居続けていられへんなという感じになってきて。でも、お世話になっている理学療法士の先生方に、こういう資格があるから、いっそ取ってみたら?と薦めて頂きまして。
__ 
その専門に、興味はあるのですね。
高田 
勉強を進めていく内に、お芝居のワークショップと被るところがあると気付いていて。親近感を感じています。
__ 
会話が困難な状態の人の回復を手助けする技術。そういう分野の勉強をされているのですね。
高田 
色んな病気とかでコミュニケーションに障害を持つと、普段「何となく伝わるやろう」ぐらいに考えていた意思疎通がほとんど出来なくなる訳ですからね。
__ 
人間が関わり合う上で共通した前提としてある手段。それが崩れてしまう。
高田 
原因としては生まれつきの障害という場合もあるし、後天性の場合もあるし。先天性の場合、口がうまい事動かないとか、口に奇形があるとかがあって。口唇裂、口蓋裂とかあるんですけど。また後天的な場合は脳出血などで障害が残って、聞こえているのに理解出来なかったり、しゃべろうと思うのに喋れない、そんな場合なんかもありますね。
__ 
何故、そこに興味を持ったのでしょうか。
高田 
そうですね・・・いまやっていていいな、と思うのは人と喋れるという事、ですね。黙りこくっているというのが性格的に得意じゃなくて。おしゃべりが好きなんですよ、一見大人しそうだと言われるんですけど(笑う)。結局、楽しく喋れている時間を持てるというのが一番重要なんじゃないかなと感じますね。
__ 
ダベるのは幸せですもんね。
京都ロマンポップ
「物語は幸せへの通り道」京都ロマンポップは、2005年京都を拠点として旗揚げしました。作品は、よりふじゆきによる脚本:本公演と、向坂達矢による脚本:さかあがりハリケーンの二本を支柱としています。現在は、向坂達矢による脚本:さかあがりハリケーンを主に発表しています。本公演の舞台設定は、古代ローマ、中世ドイツ、昭和初期日本、そして現代と多岐にわたっていますが、一貫して描かれているのは普遍的な人間の悲しさや苦悩であり、そこから私たちの「生」を見つめなおす作品です。哲学的な言葉を駆使しながらも、役者の熱や身体性を重視する、ストレートプレイ。「ロマンポップ」の名前の通り、エンターテイメント的な要素も取り入れながら物語を紡ぎます。さかあがりハリケーンは、短編作品集です。その作品群は「コント」ではなく「グランギニョール」ただ笑える作品ではなく、どこか屈折した退廃的な空気が作品に漂います。歌やダンス、身体表現を最大限に取り入れていますが、対峙するは「現代の演劇手法」です。(公式サイトより)

タグ: 一人では何も出来ない 最近どう? 有機的に関わりあう 資格を取ろう 自分は何で演劇を


質問 西村 朋恵さんから 高田 会計さんへ

__ 
前回インタビューさせていただいた、こまち日和の西村朋恵さんから質問です。雰囲気のある方です。ちなみに西村さんは旅行が好きで、海外に行かれた時に片言の外国語が通じた時がとても嬉しいんだそうです。新しい出会いっていいですよね。「女性の髪型で好きなのはどんなのですか?」
高田 
女性の好きな髪型。どうでしょうね。ロングが好きですね。あとは、ヘルメットみたいな髪型の女の子が最近可愛いと思うんですけどね。
__ 
最近、まさにそういう子の写真を撮りましたよ。写真を見たら、「あコイツや」と言うと思います。(乾さんの写真を見せる)
高田 
ああ、こういう人です。このサブカルってる感じ。コイツやなあ。この人はどういう人なんですか?
__ 
がっかりアバターの乾さんですね。
高田 
こういう感じの人が最近、ウザい所もあるけどいい奴やなあ、と思ってしまうんですよね。

タグ: 乾寿々香


舞台美術のためのワークショップ公演

__ 
さて、舞台美術ワークショップ公演、京都ロマンポップ「夏の扉」。面白かったです。いかがでしたか。
高田 
今回、実は本番期間が学校のテスト期間と危うく重なっていて。直前でようやく参加出来る事になったんです。WS自体はとてもやって良かったです。でも、もっと舞台を生かしきる、そんなやり方がもっと出来たんじゃないかなとは思います。一緒に出て頂いたゲスト劇団さんはもちろん素晴らしかったんですけど。ウチの作品的には、鍾乳洞というセットはしっくり来ていたとは思いますが。
__ 
作品に関してはもちろんです。玉一さん演じる、異常を来したお母さんの精神と、お兄さんにしか分からない地獄を端的に現していたと思います。
高田 
鍾乳洞という、物質が煮詰まる空間と、家族の関係が煮詰まっている部分がうまい事しっくり行ったんじゃないかなと思います。舞台の良さも、作品の良さも、さらに引き出す事が出来たらさらに凄いと思いますね。
第1回 舞台美術のためのワークショップ公演
公演時期:2014/8/15~17。会場:東山区総合庁舎2階 東山区青少年活動センター。

タグ: 会場を使いこなす


何でもいい、のかもしれない

__ 
高田さんが、かなり前にアートコンプレックス1928でされた演技が頭にこびりついて離れないんですよ。ふんどし一丁で白塗りで、女性の上に乗って腰を振って最後は顔射する演技。あれは素晴らしかったです。
高田 
確かに、人前で裸に近い格好になるのはなかなかいいものでしたね。ああ、僕は何でもいいんだ、何もないんだ。情けなくも清々しいと思ったんです。
__ 
というと。
高田 
似非悟りなんですけど、何でもいいんだなあって・・・今まで自分は格好付けてたんだなあ、って思いますね。そのとき、ふわっと心が軽くなったと思います。最初はちょっと恥ずかしいなと思ってた部分はあるんですね、まんぐり返しのポーズになって、肛門の間際まで見せてしまうとすがすがしい気持ちにはなりましたね。お客さんも何故わざわざお金を払ってそんな汚いものを見なければならないのか、後で申し訳なく思いましたね。でもアンケートでは何故か評判は良くって。お芝居の空間はやっぱりちょっと違うんですかね。
__ 
承認されたという事ですね。
高田 
一言で言うとそうですね。承認欲求がありますね、僕は。たぶん。

タグ: 俳優の承認欲求 アートコンプレックス1928 恥ずかしいコト アンケートについての話題


向こう岸の影たちへ

__ 
非常に奇妙な空気感を持つ高田さん。俳優として、高田さんの事を色々伺おうとしても、ちょっと難しいなと思っているんです。この人の何が独特かなんて見て頂いた方が早いんだろうし・・・
高田 
いやあ、作り方が雑だからそんな言われ方に繋がっているのかもしれないと思っていて。不器用に不器用を重ねているから、そんな評価になってしまうのかなと。
__ 
いえ!?
高田 
違いますか?違ったらそれは嬉しいですけど。
__ 
いえいえ、上手ですって。独特な雰囲気なのに、「あ、これはこんな人だ」とすぐ理解しやすいって凄い事だと思います。「どくの沼地」で演じられた、泥団子を作る道しか無かった職人の姿が素晴らしかったです。
高田 
真面目な話していいですか。
__ 
もちろんです。
高田 
上手な演技をして上手く伝えたいみたいな欲求が全くないんです。
__ 
ほう。
高田 
上手な人を見ているとめっちゃ凄くて、僕はこれは一生出来ないだろうなと思うんですよね。でも、自分がこれをしたいかと思うとそうでもないんですよ。
__ 
上手な演技に憧れない?
高田 
ある一定以上の上手な人の、押し付けがましさとか全然出してこない演技で、それをやったら絶対感動するような芝居をみてさえ「何という押し付けがましさや」と思って見てしまうんです。自分の性格が悪いからなのか、ムカつくなあ・・・と思うんですよ。ナチュラルなテクニックの、上手に見えてしまう人って、何か押し付けがましいと思ってしまうんです。凄く、色んなものを疑ってしまうんで。乗せられたくない、みたいな。上手な人に対して。悪い風に言うと、自分が相手を乗せたくないみたいなところもあるのかなあ、と。心のどこかで思ってしまうんですね。悲しいですね。
__ 
それは、支配されたくない、という思いがあるんじゃないでしょうか。
高田 
一言で言うと。
__ 
ええ。観客席の中にいてさえそう思うのでしょうか。
高田 
思いっきり同意しますね。僕はあまり芝居を見に行かないんですけど、めっちゃ笑っていても受け入れていないんですよ。どこかで僻んでいたり。
__ 
まあ私も差別心ありますけどね。
高田 
駄目でしょう(笑う)。

タグ: 器用さ・不器用さ 演技それ自体への懐疑 奇妙さへの礼賛


揺らぎと演技

__ 
今後、高田さんはどんな感じで攻めていかれますか。
高田 
とりあえず、あまりカチッとした演技はしていきたくないなと思っています。こんな事を言うと向坂に叱られるかもしれないですけど。格好いい言葉で言うと、揺らぎみたいなものを持ち続けたいなと思っています。
__ 
素晴らしい。

タグ: 揺らぎ、余白