「グッド・バイ」「ぼく」

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毎月、何かしらの舞台に立っている平林さん。今年の3月に出演された「グッド・バイ」が記憶に新しいです。とても面白かったです。あの嘘・誤魔化しまみれの宴会のシーンとか、凄かったですね。
平林 
ありがとうございます。嵐のように過ぎ去っていきましたね。まず山崎君の粘り強さが非常に強いというか。
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本当に強烈でした。岡田あがささんが凄かったし、全ての女優が凄かったですね。
平林 
演出の山崎くんとは、きたまりさんとAI・HALLで作った「ぼく」で出会ったんですよ。「ぼく」は他にも色々な出会いがあって面白かったです。
メイシアタープロデュース公演 SHOW劇場 vol.8「グッド・バイ」
公演時期:2011/6/10~12。会場:吹田市文化会館 メイシアター 小ホール。
“Taka a chance project026”  KIKIKIKIKIKI『ぼく』
公演時期:2014/12/31~12/31。会場:AI・HALL(伊丹市立演劇ホール)。

タグ: 優しい嘘 その人に出会ってしまった 今年のわたし


感想を言ってもらえると嬉しいんです

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平林さんは役者として、ミュージシャンとして舞台に立っていると思うんですが、目の前のお客さんにどう思ってもらうのが理想ですか?
平林 
それは凄く難しい質問で・・・でも、色々思ってもらうのが理想ですね。その上で、持って頂いた感想を仰って下さると嬉しいです。今、感想を言うのがなかなか難しい時代なんじゃないかと思うんです。言いたい事を言うためには手続きを踏まないといけないみたいな。twitterとかネットでも同じく。手放しでなんでも発信出来ない。10年前と全然違う環境だと思います。
__ 
そうした状況の中にあっても、感想を言ってもらうと嬉しいんですね。
平林 
もちろん舞台上でリアルタイムにお客さんの反応って分かりますけど、具体的に何を考えたのか言ってもらうのって凄く嬉しいです。
__ 
表現する側にとって、「具体的にどう思ったか」って、ネガティブでもポジティブでも超嬉しいですよね。オリジナルテンポのエジンバラ演劇祭の時の映像がYoutubeに上がっててですね。そこで海外のお客さんが「彼らはクレイジーだ!」とか「子供の頃を思い出したよ」ってインタビューに答えてて。あれを見ると、関係ない筈の私まで何故か嬉しくなりますね。

タグ: 直接感想を聞きたい ウェブ上の感想


あの一瞬が遠くて

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この間、ニットキャップシアターの「月が見ていた話」に出演された時に改めて思ったんですが、役者としての平林さんはものすごく受け止めやすい存在感がありますよね。共感しやすいというか、なんというか。素直に受け止められる気がするんです。
平林 
素直でいようとは思ってますね。嘘をついてたら分かっちゃうんですよ。演じる上で、その人物を分かってないと台詞って言えないというか。まあ覚えてしまえば言えるんですけど、でも、そこを何とか、分かりたいなというのがあります。
__ 
役者の、自分の演技に対する理解度という事でしょうか。最近、それって観客に与える印象にかなり影響するんじゃないかなと思っていまして・・・。
平林 
ええ。でも、役者が分からないまま言う台詞もあっていいと思いますけどね。そういう負荷がないと面白くない場合はあると思います。結局、素の状態が一番面白いんだと思うんですよ。素の状態にするために、色々演出するんじゃないかと思うんです。
__ 
素の状態である事。リアルに役者を感じるようになるという事ですね。では、平林さんが考える「魅力的な俳優」とは。
平林 
やっぱり、その場でやっているように思わせる人、ですね。ああ、今この場でその気持ちになってるんだ、って。その場で悲しい気持ちになっている役者がいて、それがお客さんに伝わって・・・生の舞台の最大の魅力ってそこだと思いますよ。
__ 
そこに毎回行き着けられたらすごいですよね。
平林 
ねえ。
__ 
何か方法があるんですかね? いや私もそういう風になった舞台は何回か立ち会った事があって、手の込んでる作品にお客さんが夢中になった時に、まあ会場が一体になっている感覚があって。傑作ってそれの事なんじゃないかと思っているんですが。
平林 
でも、手順や手数だけじゃない何かもあるんですよ。俳優に限って言ったら、例えば人生経験とか、深みだったり。
__ 
そうそう、そういう、トレーニング出来ない部分ってありますよね。それから、何だろう・・・お客さん側の努力もいるのかなと思います。役者がいくら、生の状態になっていても、見る態度にまで持っていけないといけないし、ちょっとつまらなくてもカンタンに諦めてはいけないし。結局、演者側にも客席側にも、手軽な方法はないみたいですね。
平林 
そうですね。疲れますけどね。だからこそ、「やれた!」「見た!」という気持ちになるんだと思います。
ニットキャップシアター 第34回公演『月がみていた話』
公演時期:2014/5/10~11。会場:八尾プリズム小ホール。

タグ: 演技の理解、その可能性 傑作の定義


わかりにくい演劇?

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ただ、どうしてもお客さんにわかりにくい演技や演奏をする場合もあると思いますが・・・。
平林 
ええ、ありますね。
__ 
そういう時、舞台上でどう思われているんですか?
平林 
もちろん、分かりにくいよりは理解してもらった方がいいので、フォローが必要だとは思います。投げっぱなしになってしまうのはきっと良くないので。
__ 
sundayはきっちり回収する部分と投げっぱなしの部分が趣味良く並べられていていいですよね。平林さんがこれまでに一番投げっぱなしにしたのは?
平林 
きたまりさんの作品「ぼく」ですね。上演中、ミラーボールにゴンッてぶつかったんですよ(笑う)。
__ 
あっ、その回私見てました。心配でした。
平林 
あれはびっくりしましたね。こんな事があるんやと。病院で見てもらったら無傷でしたけど。

タグ: 訳の分からないボールの話 きたまり


質問 田中 次郎さんから 平林 之英さんへ

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前回インタビューさせていただいた、京都の演劇ユニット・枠縁の田中さんから質問を頂いてきております。「占いを信じますか?」
平林 
あまり好きじゃない、ですね。信じてしまいそうで。TVでやってたら見るくらいかな。

サーカス

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さて、平林さんが所属されているsundayの主宰、ウォーリー木下さんについて。もちろん「友達」の演出でもありますが、平林さん個人にとってはどんな方ですか?
平林 
怖い人ですね。
__ 
怖い!?どういう部分が。
平林 
S的な部分がありますね。いやそんなに怖くないんですけどね(笑う)。
__ 
東京での仕事も増えてますよね。今後、どうなっていくんでしょう。
平林 
あれじゃないですか、サーカスを始めたらいいんじゃないかと言ってます。木下サーカス。
__ 
まさに木下サーカスですね。
平林 
まあ、特殊な事はしているけれども、間口の広いところに行こうとしていて。それがどんどん広がっていったらいいんじゃないかと思いますね。

タグ: ウォーリー木下


毎日続ける・生意気のこと

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今後、どんな感じで攻めていかれますか?
平林 
自分にとって大事な事を毎日続ける事ですね。なるべくサボらずに。例えば楽器の演奏とかね。
__ 
若い人達へ一言、お願い出来ますでしょうか。
平林 
生意気である事が大事だと思います。
__ 
・・・生意気。周囲を恐れない・萎縮しないということ、ですかね。
平林 
ですね。
__ 
世界一団は生意気だったんですか?
平林 
生意気でしたよ。失礼な感じだったんじゃないですか。
__ 
なるほど。最近、失礼な若手はあまり見ない気はしますね。いや、いるのかな。

タグ: 続ける事が大事


ナナホシテントウムシのピン

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今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントがございます。
平林 
ありがとうございます。
__ 
どうぞ。
平林 
(開ける)可愛い。
__ 
テントウムシのピンです。よく見るとテントウムシだ、みたいな。

タグ: プレゼント(装飾系)


第9回アトリエ劇研舞台芸術祭参加作品「舟歌は遠く離れて」

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今日は枠縁の田中さんにお話を伺います。どうぞ、よろしくお願いいたします。最近、田中さんはどんな感じでしょうか。
田中 
最近は、アトリエ劇研プロデュースの「舟歌は遠く離れて」の稽古ですね。サワガレを止めてから、5本目ぐらいの役者参加です。僕は初演は見ていないんですけど、かなり違うものになるらしくて。元々無かった役の人もいたり。
__ 
田中さんはどんな役所なんですか?
田中 
自分は、舟に乗り込んでくる避難民の兄妹の兄役です。これだけベテランの先輩達と一緒にやるのが初めてで、実は戸惑っています。何をしたらいいのか分からない・・・台詞を覚えるとか、脚本通りにやるとかにあんまり意味がない。この役はこういうことができる、こういう展開に持っていくこともできる、それも面白いがこっちのほうが面白い、というのを役者一人一人が考えて提出しないといけない。そういうのがプロなんだな、と。
__ 
自信は。
田中 
全くないです。城崎で公開稽古した時、普通に震えてました。一昨日帰ってきたんですけど、稽古場を借りて一人でウダウダやってました。これはやばい、と思ってます。
枠縁
田中次郎が描く物語を上演する劇団。2014年4月旗揚げ。劇団名の由来は劇団が作品を形作る枠であり、現実と物語をつなぐ縁でありたいと願う思いの表れである。(公式サイトより)
第9回アトリエ劇研舞台芸術祭参加作品「舟歌は遠く離れて」
公演時期:2014/6/26~7/1。会場:アトリエ劇研。

タグ: 上の人らと仕事 最近どう? プロの仕事


枠縁1作目「タウン」

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田中さんが枠縁で4月に上演された「タウン」。面白かったです。ご自身ではどんな手応えがありましたか?
田中 
西一風で書いた作品を元に書き直すという作り方をしてたんですけど、元々突き抜けていた部分をこじんまりさせてしまって、という事を元を知っていた人に言われてしまったんです。
__ 
というと。
田中 
元の「タウン」はもっとワケ分からなくて、最後に彗星が落ちてきて滅亡しちゃうんです。そもそも、大人計画の「ふくすけ」をやりたくて色々パクって書いた作品だったから、それが恥ずかしかったのでまとめる形で書き直したんです。そうしたら突き抜けているのを知っている人には物足りなかったみたいで。サワガレでやっていく中でこじんまりまとめる癖がついたんじゃないかと凄く言われて。これはもう、次は突き抜け過ぎて失敗する勢いでやろうと思います。もちろん、「タウン」を通してやりたい素材もたくさん見つかったんですけど。
__ 
個人的には、あの作品に出てくる人物は全員突き抜けてました。彼らは自ら失敗する方向に行っていて、破滅願望に突き動かされているように思えました。そのあたりいかがでしょうか?
田中 
どうでしょうね。でも、破滅したいわけじゃないのに破滅していく姿は可愛いと思うんですよ。サワガレで最後にやった「袋の自己紹介」という作品の中に「例えばここに袋があるとすると、」「いや、ないじゃん」「いや、あるとすれば、あるじゃん」「ないんだから、ないじゃん」って喧嘩になって、最後は「バカじゃないの」って言って終わるシーンがあったんです。それが稽古しても会話として上手くいかなくて、結局ギャグっぽくしちゃったけど、書いている時は楽しくて。「私はこう思う」「俺はああ思う」とぶつけ合うだけっていう身勝手さが、そりゃ破綻、破滅するよなって感じで楽しいんですよ。
__ 
結局、押しの強い方に流されていったりしてね。
田中 
何も話は進展していないのに、展開としては転がっていく。それだけで芝居が一本作れたら嬉しいですね。
__ 
破滅に向かう人々と、そのディスコミュニケーションを描きたいのは、どんな理由があるのでしょうか。
田中 
単純に自分がコミュニケーション下手だから、というのがあると思います。コミュニケーションを上手く取り続けている芝居を見ても、退屈になってしまう自分がいたりするし。あと、純粋に間違っている人って可愛いんですよ。実はこの間、夜に街を歩いていたら自分独自のルールを暴力的に押し付けてくる人に出くわして。その人は「因果」だと言って怒りだして、延々怒鳴ったりしてるんですけど、よくよく話を聞くと面白かったんですよ、この人の中では筋が通ってるんだろうけど、やっぱり勝手だなーって。警察呼びましたけど。
枠縁1作目「タウン」
公演時期:2014/4/12~14。会場:人間座スタジオ。

タグ: 凶暴な役者 書いてみたいと思った ユニークな作品あります 退団したら・・・ その題材を通して描きたい とんでもない失敗をしてしまった 暴力


質問 福谷 圭祐さんから 田中 次郎さんへ

__ 
前回インタビューさせて頂いた、匿名劇壇の福谷さんから質問です。「結婚するならどんな人がいいですか?」
田中 
そうですね、自分とは全然違う人がいいですね。自分の中からは出てこない考え方が出てくる人。でもまあ、結婚するんだから、それが一生続くというのは大変ですけど。
__ 
なるほど、面白い人がいい、という事ですよね。
田中 
そうですね。

タグ: 結婚について


はっきりと「何か」で楽しませる

__ 
田中さんは、枠縁でどんな事がしたいですか?
田中 
自分が好きな芝居がやりたいですね。サワガレは、割と最初の頃からだったと思うんですけど、メンバー間でのやりたい事の合わせ方がわからなくて、それがピークに達して、無くなった形でもあります。だから、やりたい事だけやれる形にはしないといけないなと。
__ 
やりたいこととは?
田中 
今はまだ、ディスコミュニケーションの芝居とか小さい言葉でしか言えないですけど・・・。自分が見ていて楽しいと思えるものにしたいですね。
__ 
自分が集中出来る環境を創れればいいですね。
田中 
自分の好みを追求したいんですが、その好みもメジャーじゃないかもしれないし。もしかしたら京都のお芝居がそんなに好きじゃないのかもしれない。
__ 
お客さんに、自分の作品を見てどう思ってもらいたいというのはありますか?
田中 
やっぱり凄く楽しんでほしいというのはあります。見て、色んな事を考えるというのは当たりまえなんですけど・・・例えば、全体的にぼんやりとした作品を見て、お客さんが「この芝居を見て、私にはこういう思い出があるからこういう風に感じた」と言われるより、明確な作品を見てもらって「この作品はこういうもので、私はこう思った」と、そういう作品の受け渡しが出来たらいいなと思ってます。
__ 
何か、考えこんでもらいたいというよりも、はっきりと「何か」で楽しがらせたい。
田中 
京都の演劇って、考える余地がもの凄く広いものが主流だと思うんですが、自分はちょっとそれが苦手で。もうちょい、これはこれだよ、と言いたいし、言って欲しいんです。

タグ: ちゃんと楽しませる どう思ってもらいたいか? 単純に、楽しませたい


「庭売り」

田中 
次は「庭売り」という作品にします。
__ 
どんな作品になりそうですか?
田中 
あらすじ的には、ある夫婦が住むことになった家に素晴らしい庭があって、その庭に様々な人が惹かれていく。みんなは庭のことについて話し行動してるはずなのに、それが過剰だったり突飛だったりして観てる側には庭というものが何なのか分からなくなっていく。だけど庭について皆が話し行動する度に庭の存在が濃くなって、やがて脅威にもなっていくというか。まだまだボンヤリしてます。
__ 
とても楽しみです。突き抜けた作品になりそうですね。
田中 
突き抜けます。

出発点と、今いる場所

__ 
田中さんは、お芝居を始めたのはどんな経緯が。
田中 
高校からです。2年から脚本を書いて演出もして。大学に進んで、高校時代の演劇部の先輩が入った西一風に自分も入って。そこで出会った何人かとサワガレを立ち上げました。
__ 
サワガレで田中さんが書かれた「EATER」、面白かったです。
田中 
ありがとうございます。あれもやっぱり破滅の話でしたね。丁度そのころ、吉村萬壱という小説家の作品が好きで、ほとんど破滅のお話です。その人の観点が面白い。人間はそもそも殺し合いを続ける特殊で危険な生物で、自分が宇宙人として地球に移住するなら、絶対そんな生き物全員殺しとこうと思うだろうと言っていて。それで、人間を生き物と考えたら、みたいな考えで書き始めたような記憶があります。
__ 
田中さんは、ご自分の作品でどんな事を追求したいですか?
田中 
演劇を好きになったのは大人計画がきっかけで、高校の頃、「キレイ」というミュージカル作品をiPodにいれて聞きながら通学してたくらい。大人計画の作品は悲惨なんですけど笑えるんですよね。僕も、悲惨だけど「あー、楽しかった」と思ってくれるような作品を作りたいです。
__ 
大人計画を好きになったのは?
田中 
実家に沢山演劇のDVDがあったんですけど、やっぱり大人計画が一番笑えるし悲しいしで、満足感が大きかったからだと思います。大人計画以外にもメジャーどころの「あー満足した」という気持ちになれるのが多かったですね。小劇場のDVDもあったけど、観た後、何かちょっと残る。それを反芻して楽しむみたいな。それも嫌いじゃないんですけど、「お腹いっぱい」と思えるような方が好きです。
サワガレVOl.4『EATER』
公演時期:2012/4/27~30。会場:アトリエ劇研。

逃げ水を追う人々

__ 
舞台上の登場人物が不幸になる様、もしくは愚かしい行動を見て、なぜ観客は面白いと思うんだろう?
田中 
大人計画のドキュメンタリーで、宮藤官九郎が「松尾さんの芝居って、悪い人は出てこない、弱い人間とかダメな人間は出てくるけど、悪いことを考えてる人は出てこない、なのに、話はどんどん悪い方向に行ってしまう」と言ってて。それはかなり昔に見たんですけど、残ってる言葉です。自分も、悪人はそんなに可愛くないなあと。もし悪人を描くなら全員悪人にしないといけないかもしれない。
__ 
「可愛い」? ひどい目にあう・道を踏み外す人を見てそう思うのはどのような感性であるのか。
田中 
うーん・・・(照れ笑い)ちょっとずれるかもしれないですけど、今、先輩方の話を稽古後とかに聞いていると、すごく面白いんです。すると、やらしいんですけど、自分の中で脚本のネタというか残すものを探してしまうんです。けど、その思いがいろんな話を何度も聞くにつれて、段々と薄れていったんです。それはもちろん先輩の話がつまらないという事ではなく、その先輩たちがひどい目にあったり失敗したりしたらそこで学んで、次の為に対策を立てて生きていく、強い人たちだったからだと思うんです。自分は、そういう事が出来ない、ちょっと話したらすぐ解決するような問題をどんどんこじらせる、そんなマヌケな人が描きたいんだと思うんです。強い人達を描くなら、もっとリアルな芝居にしないといけないだろうし。
__ 
常識的に考えて、お話って行き着く先の答えが分かるものじゃないですか。でも愚かな彼らは迷走し続けていって、自覚なしに奇妙な方向にたどり着いてしまう。でも、僕ら自身も彼らと似たようなもので、どこか重ね合わせているんだろうなと思うところがあります。
田中 
そうですね、全く共感出来なかったら「なんだこいつらは」になるだけでしょうね。

タグ: ドキュメンタリー 奇妙さへの礼賛 反復の生むもの


前田さんのこと

__ 
田中さんにとって、魅力のある俳優とは?
田中 
結構、好き嫌いが激しいですね。男性はぱっと顔で判断するんですけど、女性は誰が好きなのか自分でもわからない。単純に異性ということでかもしれないけど。例えば前田愛美さんが、僕は学生劇団が一緒で人としても好きで、EATERにも出てもらったんです。その時は前田さんに「役」をやってもらったんですが、その後、前田さんがC.T.Tで自分の作品を上演されたとき、役とかじゃなく、前田さん本人でしかない感じが強くて、それがすごく面白かったんです。だから、当時の自分の前田さんに対しての魅力の感じ方はベストではなかったのかなと。ずっと一緒にやってる飯坂さんの芝居も、「これは分かる」って思う手応えが、あるときはあるし、本人が全然わからないということも多いし・・・うーん、難しいです。あ、前田さんの作品は本当に面白いですよ。前田さん本人で。
__ 
ええ、凄く反応が大きかったらしいですね。賛否両論含めて。

タグ: 前田愛美さん


「おなかいっぱい」への道

__ 
今後、どんな感じで攻めていかれますか?
田中 
多分、時間を掛けて作らないといけないんだろうなと思います。「タウン」の書き直しなんかも、半年ぐらい時間を掛けたのに結局本番に間に合わなくて。計画をちゃんと立てて、って当たり前ですけど。それと、今もアトリエ劇研プロデュースという外部の団体さんに参加させてもらっていて。
__ 
ええ。
田中 
やっぱり得るものは多いです。傷つくことの方が多いですけど(笑う)。ゆっくりで間に合う年でもなくなってきてはいるんですが、焦ったら元も子もないので。ちゃんと作ろうと思います。
__ 
お客さんをお腹いっぱいにするためにね。
田中 
はい。次の「庭売り」でおなかいっぱいにさせます。

PLAYBOY 創刊号 限定復刻版

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今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントがございます。
田中 
ありがとうございます。
__ 
どうぞ。
田中 
(開ける)PLAYBOYの限定復刻版?
__ 
第一号です。
田中 
最近、マリリンモンローにハマってたんですよ。映画を大量に見てて。すげー。

タグ: プレゼント(書籍系)


匿名劇壇第五回本公演「二時間に及ぶ交渉の末」

__ 
今日はどうぞ、よろしくお願いします。最近、福谷さんはどんな感じでしょうか。
福谷 
いまはとりあえず公演真っ只中で、それが終わっても最近はもう色々やる事があって。充実しています。
__ 
演劇を抜いたらどんな感じですか?
福谷 
それ以外はもうバイトしかしてませんね。コンビニとカラオケと。これから一人暮らしを始めるにあたって、コンビニの方を辞めました。
__ 
なるほど。匿名劇壇「2時間に及ぶ交渉の末」、大変面白かったです。本公演は初めて拝見したんですが、伺っていた通りメタフィクションでしたね。メタフィクションである自分自身達にも言及するぐらいメタの構造で、それが表現する内容自体とも一体になっていて。ご自身としては、手応えはいかがでしょうか?
福谷 
そうですね、メタフィクションとなるとどうしても小難しくなっちゃうんですよ。それが今回、初めてうまくエンターテイメントに持っていけたと思うんですよ。
__ 
福谷さんはメタフィクションを使ってエンターテインしたいんですか?
福谷 
そうですね。これまで作ってきたものは演劇に対してのリテラシーが必要だったんですけど、今回初めて、演劇が初めての人でも楽しめるものになったんじゃないかなと思います。
__ 
そうそう、そういう感想がtwitterにありましたね。誰でも純粋に楽しめるものになってました。
福谷 
そこは苦労してきたところで、玄人好みじゃない、内輪ネタでもない、違うものになれたかなと思います。
__ 
話題になった前回公演「ポリアモリー・ラブ・アンド・コメディ」もメタフィクションでしたね。ドキュメンタリー映画の作家役が舞台上に出てきたり。あれは感情とかLOVEに食い込んでいました。今回はもっとエンターテイメントに徹したという感じですね。
福谷 
gateで上演した「奇跡と暴力と沈黙」なんかは、やっぱり演劇を見慣れている人が、俳優の頑張ってる感を面白がる込みの作品だったんですけど、今回はそんなの必要ない感じでしたね。
匿名劇壇
2011年5月、近畿大学の学生らで結成。旗揚げ公演「HYBRID ITEM」を上演。その後、大阪を中心に9名で活動中。メタフィクションを得意とする。作風はコメディでもコントでもなく、ジョーク。いつでも「なんちゃって」と言える低体温演劇を作る劇団である。2013年、space×drama2013にて優秀劇団に選出。(公式サイトより)
匿名劇壇第五回本公演「二時間に及ぶ交渉の末」
公演時期:2014/5/29~6/2。会場:シアトリカル應典院。

タグ: ドキュメンタリー 「初めて芝居を見たお客さん」 ウェブ上の感想 内輪ウケの・・・ メタフィクション 新しいエンターテイメント


(僕は気付いてる)

__ 
今回の公演のパンフの文章、面白かったです。
福谷 
読むの、大変でしたでしょう(笑う)。
__ 
いえいえ。読んで思ったんですが、自分達の作る芝居が誤解されて受け止められることに慎重になりつつあるような、そんな姿勢を感じましたが。
福谷 
それはどんどん警戒するようになりましたね。やっぱりメタフィクションみたいな事をやっていると、事実そうであると思われる事がやっぱり多くなってきて。それはそうではないんだと表明しておく必要があるなと。
__ 
劇団主宰と舞台女優の恋愛関係、ね。あってもなくても良いとは思いますけどね。
福谷 
そういうスタンスでいてもらうのが良いとは思うんですけど、事実そうであると捉えられるのが望ましくないんです。それは女優にとって、ですが。
__ 
ですよね。誰と恋愛していてもその人自身の価値に関係はないですからね。

タグ: ラブストーリー