今度は下ネタじゃ済まされない

__ 
チラシに書かれているあらすじからは、抑圧に苦しんでいる人間のお話なのかなと。乾さんはどんな役柄なんですか?
乾  
そうですね、どこまで言っていいか分からないんですけど。現実と非現実が描かれるんですね。非現実に逃避する人の逃げ先、逃避させる側です。たのしい感じ。
__ 
楽しい乾さん。見たいですね。意気込みを教えて下さい。
乾  
坂本さんはおもしろいぞ!っていうのを、出来るだけそのまま伝えられればと思います。純粋に、知って欲しいと思っています。
__ 
これの次が、超オゲレツ芝居だったらみんなどう思うのかな。
乾  
どうでしょうね、でもきっとオゲレツな芝居をやりたいっていう訳ではなくて。奥にある様々なものが渦巻いている中で、下ネタっていう表現が一番分かりやすい形で現れているだけなんじゃないかと思います。
__ 
おお。下ネタはただの添え物だと。お好み焼きでいうソースくらいのものだと。
乾  
カツオブシぐらいかもしれません。
__ 
マジすか。
乾  
それを彩るのがたまたま下ネタって、坂本さんも言ってたんですけど。今回は坂本さんの頭の中をちょっと至近距離で見れる感じかもしれないです。
__ 
なるほど。我々は下ネタに引き寄せられていたに過ぎないと。ですが確かに、アンディさんの事は作品から伝わって来ていましたよ。「俺ライドオン天使」からは終末観、「おしゃれな炎上」からは肉体と魂の関係。私にとって、がっかりアバターの下ネタはある種の切実さの表象なんです。
乾  
やっぱり、取っかかりになりやすいらしいですね。・・・違うかな合ってるかな(笑う)。

タグ: 炎上、がっかりアバター 下ネタを考える


いていいんかな

__ 
演劇を始めた経緯を教えてください。
乾  
私の入っていた小学校では、六年生になると卒業公演をするんですよ。ライオンキングをする事になって、私は子供心に悪役をやりたいと思っていまして。ずっと。オーディションで、スカーという役をさせてもらいました。
__ 
いかがでしたか。
乾  
終わった後、あまり遊んだ事のない子や親御さんから、「良かったよ」と言ってもらえて。それで調子に乗って、演劇を始めました。必要とされているのが嬉しいのかもしれません。
__ 
必要とされたい?
乾  
役があると、「いていいんだ」って自然に思うんです。稽古場なんて、それだけで楽しいですね。本番が終わった後に、お客さんから声掛けてもらったりするとすごく嬉しい。
__ 
最近、私は闇金ウシジマくんが好きで。そこに出てくる登場人物の半数以上が、「誰かに必要とされたい」って思ってるんですよ。依存を止められない癖に、寂しい自分は客観視して、批評までしてしまう。
乾  
だから人気があるんでしょうね。必要とされたいってきっとみんなあると思うんです。稽古場というか劇団って、いる事を許されている気がするので。でも「いていいんかな」って思っちゃうんですけど。
__ 
私の中では、がっかりアバターにおける乾さんの存在はもう必要不可欠ですけどね。
乾  
えーっ。いつ捨てられるかと思ってますよ。
__ 
いやいや。少年役がはまりまくる感じ、がっかりアバター独自のかぼそい変態性に最高にハマっていると思いますよ。
乾  
劇団とか、入るつもりは無かったんですよ。それまでにもお芝居に出させてもらった事はあるんですけど、がっかりアバターは稽古も含めてあまりにも楽しくて。これ、もう出られないのが、めっちゃ嫌だと思って。「入っていいですか」と言って入れてもらいました。
__ 
がっかりアバターに出会った経緯は?
乾  
中学3年の時に、文化祭で坂本さんの舞台を見たんですよ。この人は凄いと純粋に思って。今でも雲の上の存在なんですよ。衝撃を受けて同じ学校に入ったんです。
__ 
なるほど。
乾  
その時にやってたのが、舞台の上に男の子が寝かされて「死体や」って言って。アンディさんが体育館用の掃除機でその男の子の乳首を延々と吸うっていう。学校の文化祭なので、当然父兄が来て見ていて。もの凄い空気でした。
__ 
どのくらいの作品でしたか?
乾  
覚えていませんがもの凄く長い時間だった気がします。緊張感がありました。アンディさん、輝いてました。衝撃でしたね。

タグ: 文化祭前夜 その人に出会ってしまった 衝撃を受けた作品 調子のってた ポジショニング不安 ライオンの話題


(ずっとこんな楽しい事をやっていけたら・・・いいな)

__ 
いつか、どんな演技が出来るようになりたいですか?
乾  
何でしょうね。作品の魅力をきちんと伝えられるようになりたいです。その上で、お芝居が楽しいという思いをずっと持てていたらいいなあ。だんだん、段取りになっていくというのを聞くんです。それはすごく悲しいなぁと思って。ずっと好きでありたい。甘いかなあ。
__ 
確か、がっかりアバターってバンドもやってると聞いたんですけど。
乾  
音楽はやってないです(笑う)でも、坂本さんが「がっかりアバターはロックバンドです」って言ってはりました。だから劇団って付いてないんですって。
__ 
いや、そうあるべきです。でも、もちろん難しい事です。「勢い」って、実はある種の犠牲の上に成り立つんじゃないか。例えば絵画もロックバンドも、人生の選択肢を捨てた力がそのまま勢いになる場合もある。もちろん、犠牲と勢いのバランスを取るやり方も存在するんですけどね。
乾  
厳しいですね。
__ 
捧げる奴にしかロックの女神は微笑まない。賭けられる内に賭けるべきだし、そういう人を応援したいです。
乾  
本当に、ずっとこれをやっていけたら最高なんですけどね(笑う)。

タグ: ちゃんと楽しませる いつか、こんな演技が出来たら ロックな生き方


質問 大石 達起さんから 乾 寿々香さんへ

__ 
前回インタビューさせていただいた、IN SITUの大石さんから質問です。「どんな本を読まれますか?」
乾  
絵本が好きです。最近、「おくりものはナンニモナイ」という作品が大好きで衝動買いしてしまいました。猫と犬が出てくるんですけど、あの子の事が好きだから贈り物を買いに行こう、でもあの子の家には何でも揃ってる、って。
__ 
ありますよね。
乾  
でっかい箱を用意して持っていくんです。はいプレゼント、ってパカッと開けたら何も入っていない。何にもないじゃんって言われて、「そう。贈り物はなんにもなあい」って。二人でいる時間が一番大切な贈り物なんです、と。最後に星空が広がって。言葉で言っちゃうと薄くなる気がするけど・・・

11年後の乾さん(31)へ。見てる?↓この記事、思い出した?こんな事言ってたんだよ11年前の乾さん。若い・・・というか、思い出してくれてありがとうね。11年、意外と短かったでしょ。さて、「頭を下げれば大丈夫」はもうしばらく続きます。いま演劇続けてたらでいいから、今度インタビューさせて下さい!

__ 
今後、どんな感じで攻めていかれますか?
乾  
坂本さんに付いていければと思います。必要とされる限り頑張っていきたい。奢る事なく。
__ 
なるほど。
乾  
劇団員のみんなが本当に面白いんで。負けたくないという感じじゃなくて、もの凄い可能性を持ってるから。
__ 
アバターズがね。
乾  
その中に自分がいるのがおこがましいんですけど頑張ります。最近、20歳になってしまって。恐ろしくて。10年後の乾とか全然想像出来ない。ハタチになんて、ならないと思ってました。なるんや、とビックリしてます。
__ 
私個人は、年を食っても変わらない気がしますけどね。しかし、31歳になった時の衝撃は凄かったです。
乾  
あ、その1年が大きいんですね。
__ 
今から11年後、私の言葉の意味が分かってもらえると思います。
乾  
年取るのなんて怖くないって言えるぐらい頑張ります。

タグ: 俳優同士の闘争心 X年後のあなた


HIRAMEKI.の革ブレスレット

__ 
今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントを持って参りました。どうぞ。
乾  
ありがとうございます。開けてもいいですか?(開ける)あ、可愛い!自分で作ったりするんですよ、ブレスレット。付けます。色がすごいいいですよね。
__ 
良かったです。
乾  
あと、いつもプレゼントしてはるなあと思って。あの、私も持ってきました。
__ 
おお。
乾  
コアラのマーチ、食べて下さい。
__ 
ありがとうございます。もちろん食べます。

タグ: プレゼント(装飾系) プレゼント(リング・ネックレス・ブレスレット系)


gateユース IN SITU 「結婚しようよ」

__ 
今日はどうぞ、よろしくお願い致します。gateユースでのIN SITUの上演、「結婚しようよ」とても面白かったです。お疲れさまでした。最近はいかがでしたか?
大石 
ありがとうございます。3月の末まで、京都造形大学主催の演じるシニア企画の演出助手をしてまして。年明けから忙しかったんですが、ようやく落ち着けそうです。
__ 
ありがとうございます。さて、IN SITUの「結婚しようよ」大変面白かったです。元々ドタバタ劇である原作、チェーホフの「結婚申込」を、本当に下らないドタバタの笑いに仕上げた感じですね。肥後橋さんの芝居が好きなんですけど、彼の演技と顔芸がもの凄く良かったです。
大石 
ありがとうございます。
__ 
IN SITUは前回公演も近代の海外戯曲を上演されていますね。その、翻訳劇につきまとう、口語ではない故のまわりくどさや、掛け合いのリズムが崩れる、あれが気になるかと思いきや、今回はそうでもなかったですね。
大石 
前回の「ロング・クリスマス・ディナー」はあまりにも戯曲に寄り添いすぎてしまおうと、まじめにやりすぎて堅くなってしまった、という部分があったと思います。この表現にはどんな意味があるのか、細かく作り込みをしよう、とか。一方で僕はくだけた表現も好きで、京大のNFとかではすごく下らないものをやっていて。今回は自由なやり方に振り切って海外戯曲をやりたかったんです。
IN SITU
ラテン語で「あるべき場所」という意味で、イン・サイチュと読む。大石達起が、劇団ケッペキ卒団後に自らの新たな表現の場として立ち上げる。主に近代の海外戯曲を上演し、そこに描かれた普遍的な人間の生活、人と人との繋がりを現代に復活させる事で演劇の、あるいは自分自身の「あるべき場所」を追求する。(こりっちより)
パイロット版シアターシリーズ「gateユース」
公演時期:2014/4/17~20。会場:KAIKA。
IN SITU「ロング・クリスマス・ディナー」
公演時期:2013/12/13~15。会場:京都市東山青少年活動センター。

タグ: 翻訳劇の口語問題


まわりくどい冒険

__ 
今回、チェーホフ原作「結婚申込」を選んだのは?
大石 
何をやろうか考えている時に、オニールの短編を読んでみたんですが、その、強度が強すぎてどうしようもないなと。それを25分で上演するのはとても難しいし、しかし崩すことも出来ないなと。チェーホフの作品はいい意味で軽いし、くだらなさというところもあって。短編の中で、コンパクトで短い点に惹かれたんです。話がまとまって崩されてを繰り返す構成で、僕のやりたい作り方が出来そうだと。
__ 
実際やってみて、いかがでしたか。本日の上演を経て。
大石 
僕は面白いと思ってたんですけど、実際はどうか分からなくて。でもフタを開けてみると温かく迎えて頂けました。
__ 
出演されている方々の表情に、お客さんが乗っていけてる感じがありましたね。
大石 
そうですね。始まる前に音響でインターナショナルが鳴って、照明が付いたら肥後橋さんが腕立て伏せをしてる。そこでいかに古典戯曲とされる作品への緊張感をほぐせるか。割と狙い通り出来たんじゃないかなと思います。
__ 
なぜ身構えるのかと言うと、単に海外の言葉遣いだけじゃなく、常識や間合いの取り方を受け入れるのに抵抗があるだけでしょうね。逆に、日本の常識内の対人的な間合いやリズムで書かれたら、物語の舞台が海外のどこであろうと平気ですから。
大石 
前回公演の「ロング・クリスマス・ディナー」の時にそれを感じましたね。アメリカの近現代戯曲なんですが、向こうの人たちがばさっと言い切るような台詞を僕ら日本人は感情を組み立ててお互いの反応を見ながらさぐり合って会話するんですよね。今回はまわりくどさを逆手に取って面白さにする、みたいなのも狙っていました。結果はどうだったのかは、また別の話ですが。

タグ: 日本人の美意識 舞台が始まる直前の緊張感 翻訳劇の口語問題


だったら僕は演劇の事を知らなさすぎる

__ 
IN SITUを旗揚げした経緯を教えてください。
大石 
高校から演劇をしていまして。大学でも劇団ケッペキで4年間やってたんですけど、将来の事を考えた時に、やっぱり演劇続けて行きたいなとなりまして。だったら僕は演劇の事を知らなさすぎると。そこで海外の戯曲を読み始めたんです。
__ 
なるほど。
大石 
ここ百年ぐらいの戯曲が凄く好きで。それこそ、ワイルダーが出てきたあたりからです。家族という概念が強く出てきた段階のが凄くいいなあと。今の時代に書かれているのは、個人に重きが置かれてるんですね。
__ 
共同体から、個人に興味が移ったという事ですかね。
大石 
そして、個人の絶望と再生が描かれるようになるんです。携帯やインターネットがない、コミュニケーションが容易に取れない時代。人と人との距離感に対する絶望とか、枯渇したものへの思いや願いがあるんです。対面しないと伝わらない。(離れた相手にどうするかと言うと手紙を書くんですけど、今は絶対ない距離感や時間の差も興味深いですね。)今なら解決出来ないものがあって、どうしても人と向き合わないといけないんですよね。
__ 
近代戯曲を積極的に取り上げているのは、その時代のコミュニケーションの不自由さと、家族に興味があるから、ですね。

タグ: 不自由さ


__ 
そうした作品をお客さんに見てもらって、どう感じてもらいたいですか?
大石 
いかにお客さんに、身構えずストレートに戯曲を楽しんで頂けるか、というところです。お客さんの反応によると、期待以上に深く受け止めてくれる事もあれば、予想も付かない受け止め方をされる事もあって。でも、一緒にこの物語を楽しんでもらえればと思うんですよね。僕がいつも役者に言っているのは、第四の壁を境に舞台側に物語の水が溜まっていって、ある瞬間を境に客席側にそれが溢れて言って欲しいんですね。お客さんに物語を体感してほしい。「ロング・クリスマス・ディナー」は時代がハイペースで流れるんですけど、USJのバックトゥザフューチャーライドのように、客席が時代の激流を下る乗り物のようになってほしかったんですね。
__ 
なるほど。昨日、ミジンコターボの解散公演を見たんですよ。
大石 
はい。
__ 
大阪の芝居の最たるものだと言ってもいいんだと思うんですよ。彼らは兵庫ですけど。大石さんの仰る、水が流れ出してくるというのが最初の10分で実現していたような気がするんです。それはもちろん彼らの作品が良かったというのが前提なんですけど、もしかしたら客席が大阪の観客で、既に水を共有しているんじゃないかと思うんですね。
大石 
なるほど。僕らも、今回は一緒に盛り上がれたんじゃないかと思うんです。次も頑張りたいですね。

タグ: 第四の壁 単純に、楽しませたい


質問 伊藤 泰三さんから 大石 達起さんへ

__ 
前回インタビューさせて頂いた伊藤泰三さんから質問を頂いてきております。「人生最大の後悔は何ですか?」
大石 
難しいですね。凄く小さい後悔はたくさんしているんですけど。うーん。強いて言うなら、演劇にかまけて大学の勉強が遅れた事ですかね。

そこにしかない自由さ

__ 
IN SITUでやってきた事を伺ってきましたが、では、IN SITUでしか出来ない事が伺えたらと思います。いかがでしょうか。
大石 
一つは自由度の高さなのかな。芝居に対する切り込みの角度というか。僕は作家ではないので、そういう自由さはあると思います。
__ 
大石さんにとって、魅力的な俳優とは。
大石 
自分の良さを分かっている人は見ていて気持ちいいですね。それから、言葉に対して誠実な人。おざなりに台詞を言ってしまうのではなく、テクストを理解して構成立ててくる。そういう人の台詞は濁り無くすっと入ってくる気がします。あと、がむしゃらな人。矛盾してるかもしれませんけど、演劇に命を掛けて、自分の生活に影響が出るくらい、役と自分が同化していく人には憧れますね。僕は絶対、そういう事が出来ないので。

タグ: 役をつかむ 「異なる角度から」 わたしとわたしの矛盾


美しい1ミリのために

__ 
いつか、どんな作品を作りたいですか?
大石 
いつも思っていて、でも中々出来ないのですが・・・小手先の面白さや見た目の派手さじゃなくて、人間関係の心の機微で、重厚な時間を作れたらいいなと思いますね。物語を見せるのに、派手な機構は必要じゃなくて。人間の会話の中で話される事や、裏の心の動きの変化で、描けたらいいなと思うんです。
__ 
少しの変化を鮮やかに描く。
大石 
暗い作品、何も起こらない作品をやりたいという事ではないんです。派手な作品は好きなんです。その一方で、小さくて微妙な変化が生きてくるような、そんな演技の積み重ねがある芝居が出来たらいいなあと。小さな変化が大きな事件になるような。凄くこう、芝居の転換を作る時に分かりやすく作ってしまいがちなんですけど、その描写ひとつでお客さんがはっとするような、それに耐えうる時間作り、芝居作りがしたいんですね。
__ 
きっと、そこに持っていく為にはお客さんの集中力を高め続ける必要があると思うんですよ。個人的な経験として、見入っていたと感じる作品に出会うと、自分の思想も影響されるような感覚がある。そういう重力を持つ作品が生まれればいいですね。

タグ: 事件性のある俳優 美しい1ミリ


IN SITU、暑い夏へ

__ 
今後、どんな感じで攻めていかれますか?
大石 
8月の『gateリターンズ』に参加することになりました。今回のgateユースとは逆に、派手な事はしないで純粋に人間関係を見せる作品を作ってみたいと考えています。この2回のgateを経て、10月ごろの本公演でベーシックな会話劇に戻りたいと思っています。インプットにつきましても、gateリターンズまで少し時間があるので、本や映画をみたいと思っています。
__ 
とても楽しみにしております。頑張って下さい。

小型折りたたみナイフ

__ 
今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントがございます。
大石 
すみません。ありがとうございます。開けてもいいですか?
__ 
もちろんです。大したものではないので、あまり期待はせずに・・・
大石 
あ、凄い。これは。
__ 
ナイフですね。
大石 
ありがとうございます。こんなオシャレなものを持っていないので。

タグ: プレゼント(凶器・防犯系)


これから

__ 
今後、どんな感じで攻めていかれますか?
伊藤 
「なんか京都に、伊藤さんという役者がいる」という噂が立てばいいなあと。
__ 
どんな役者?
伊藤 
よく言われるのは、「舞台に出てきたらずっと視線を持っていかれる」。
__ 
目を引く役者、ですね。
伊藤 
単純に体がでかいだけなんですけど(笑う)。

タグ: 目を引く役者とは


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2014/春
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伊藤

ヤシの実

__ 
今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントがございます。どうぞ。
伊藤 
何ですかこれは。
__ 
見ての通りですが、ヤシの実です。電動ドリルで2箇所くらいに穴を空けると注ぎやすいのではないかと。
伊藤 
え・・・普段、この形で買ってるんですか?
__ 
いえ、ヤシの実ジュース自体は好きなんですが、この形で買うことはありませんよ。まあ、インテリアにでも。
伊藤 
(苦笑い)

タグ: プレゼント(凶器・防犯系)


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伊藤

全ては二人のために?

伊藤 
一人芝居、初めてなんですよ。最初はメチャクチャ戸惑いました。今まで僕は、相手のリアクションで演技していたんだなと。相手役に応じてセリフを返しているだけの演技は、自分には楽だったんですね。一人芝居だと相手の演技を自分の中で作って、その上で自分の演技をしないと行けないので。最初の内はだいぶ戸惑いました。
__ 
もの凄く難しいですね。そして、とても面白そうですね。
伊藤 
舞台上にはもう僕一人しか居ないんですよ。大きめのクッションを一つおいて、それだけなんです。気恥ずかしいし、照れがなくなるまで一週間くらい掛かりました。
__ 
最初の1分は少なくとも、一挙手一投足がお客さんに受け止められるでしょうね。そういう時の観客って面白いもので、工夫して作ってきた所があったら、絶対認識するんですよ。もちろんラッキーパンチはあるけれども。
伊藤 
僕が演技していて、ふっと出てくる面白さや、僕の事をよく知っている延命さんが考えて作ったネタがあるんです。さっきまで通しをしていたんですが、・・・大丈夫かなあ(笑う)。頑張ります。頑張ってます。一人芝居なので、お客さんを集めるのが大変なんですよ。これで西部講堂がガラガラだったら・・・。
__ 
ガラガラでもいいじゃないですか。私、たまたま客席が自分一人だけ、みたいなそんなシチュエーションに憧れていて。ガラスの仮面の「忘れられた荒野」の1ステの時みたいな。
伊藤 
それ、やってる方は大分キツイですね(笑う)それが一人芝居だったらもう・・・お客さん一人に役者一人。
__ 
最高のコミュニケーションじゃないですか。その二人の為だけに、舞台・照明・音響・演出が用意されているんですよ。
伊藤 
それでお客さんが寝ちゃったらキツイですね。

タグ: 恥ずかしいコト 工夫する俳優 北島マヤ


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2014/春
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伊藤

交錯する視線が生み出す

__ 
今回、残念ながら伊藤さんのお芝居は最後。終わった後にもっと残念に思うんだろうなあと思います。さて、豆企画ですね。延命聡子さんが演出という事ですが、これまでにも出演はされていますよね。
伊藤 
そうですね、3回ほど。座組も見知った人たちばかりで、ホントに気楽に稽古出来ています。人間関係で悩む事が一切ないですね。
__ 
あの時代のケッペキメンバーですよね。素晴らしい。寮食とかでやっている人たちの気を使わなくて良さ、これが存分に味わえますよね。敷居が低いというか。
伊藤 
テキトーっていう感じですけどね(笑う)悪く言うと。
__ 
楽しみですね。「2001人芝居」。
伊藤 
演出の延命さんが、もう知り合って10年ぐらい経つんですけど、僕の良いところも悪いところも分かってくださっていて。どうすれば人に受け容れられるかという演出もしてくれます。
__ 
伊藤さんの長所、それがどう受け止められるべきか。それを発見して更新し続ける努力がきっと必要ですね。では、見に来たお客さんにどう感じてもらいたいですか?
伊藤 
最低限、出演者一人で芝居が出来るんだと。そういう事を証明したいんです。今回セットも小道具も少なくして、役者一人だけでこれだけ演劇を成立させられるんだ、と。
__ 
頑張って下さい。成立していない瞬間はきっとあると思うんです。その期間はつまり、観客席と舞台の関係がブレた状態だと思う。その時、伊藤さん個人の味がテキストの下から這い出して、観客の価値観に掛けられる筈なんですよ。一人芝居ならなおさらそういうシーンが大事なんだと思う。大丈夫だと思いますよ。
伊藤 
大丈夫ですかね。
__ 
あとは体調次第じゃないですかね。

タグ: この座組は凄い 観客のクオリア 鍵山千尋さん 観客との関係性 観客席との対立論


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伊藤

僕の折れた音

__ 
伊藤さんの、役者としてのターニングポイントを教えて下さい。
伊藤 
昔、AI・HALLでの芝居に役者として参加した時に大失敗した事です。クライマックスのいいシーンで女の人の名前を呼ぶんですけど、その時思いっきり噛んじゃって。何言ってるか分かんなくなっちゃったんですよ。終演後に色んな人に怒られました。なんでそんな事になったかというと、やっぱり度胸が無かったからなんですね。
__ 
それはへこみますね。大切な時に、落ち着いて実行出来るかという事でしょうね。
伊藤 
はい。だから、プロとしては絶対無理やなこれ、と思ったんですね、こんなんでへこたれてしまうし。
__ 
いい意味でのターニングポイントはありますか?
伊藤 
高校から演劇部だったんですけど、大会に出て、自分の演技で拍手が起こったんですよ。一応、この場では認められているんだって思って。大学入ってからも続けようと思いました。
__ 
それも、これが最後なんですよね。
伊藤 
多少噛んだぐらいじゃ何でもないような勢いで行きます。

タグ: 拍手についてのイシュー とんでもない失敗をしてしまった ターニング・ポイント


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伊藤