ヤシの実

__ 
今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントがございます。どうぞ。
伊藤 
何ですかこれは。
__ 
見ての通りですが、ヤシの実です。電動ドリルで2箇所くらいに穴を空けると注ぎやすいのではないかと。
伊藤 
え・・・普段、この形で買ってるんですか?
__ 
いえ、ヤシの実ジュース自体は好きなんですが、この形で買うことはありませんよ。まあ、インテリアにでも。
伊藤 
(苦笑い)

タグ: プレゼント(凶器・防犯系)


vol.353 伊藤 泰三

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2014/春
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伊藤

全ては二人のために?

伊藤 
一人芝居、初めてなんですよ。最初はメチャクチャ戸惑いました。今まで僕は、相手のリアクションで演技していたんだなと。相手役に応じてセリフを返しているだけの演技は、自分には楽だったんですね。一人芝居だと相手の演技を自分の中で作って、その上で自分の演技をしないと行けないので。最初の内はだいぶ戸惑いました。
__ 
もの凄く難しいですね。そして、とても面白そうですね。
伊藤 
舞台上にはもう僕一人しか居ないんですよ。大きめのクッションを一つおいて、それだけなんです。気恥ずかしいし、照れがなくなるまで一週間くらい掛かりました。
__ 
最初の1分は少なくとも、一挙手一投足がお客さんに受け止められるでしょうね。そういう時の観客って面白いもので、工夫して作ってきた所があったら、絶対認識するんですよ。もちろんラッキーパンチはあるけれども。
伊藤 
僕が演技していて、ふっと出てくる面白さや、僕の事をよく知っている延命さんが考えて作ったネタがあるんです。さっきまで通しをしていたんですが、・・・大丈夫かなあ(笑う)。頑張ります。頑張ってます。一人芝居なので、お客さんを集めるのが大変なんですよ。これで西部講堂がガラガラだったら・・・。
__ 
ガラガラでもいいじゃないですか。私、たまたま客席が自分一人だけ、みたいなそんなシチュエーションに憧れていて。ガラスの仮面の「忘れられた荒野」の1ステの時みたいな。
伊藤 
それ、やってる方は大分キツイですね(笑う)それが一人芝居だったらもう・・・お客さん一人に役者一人。
__ 
最高のコミュニケーションじゃないですか。その二人の為だけに、舞台・照明・音響・演出が用意されているんですよ。
伊藤 
それでお客さんが寝ちゃったらキツイですね。

タグ: 恥ずかしいコト 工夫する俳優 北島マヤ


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伊藤

交錯する視線が生み出す

__ 
今回、残念ながら伊藤さんのお芝居は最後。終わった後にもっと残念に思うんだろうなあと思います。さて、豆企画ですね。延命聡子さんが演出という事ですが、これまでにも出演はされていますよね。
伊藤 
そうですね、3回ほど。座組も見知った人たちばかりで、ホントに気楽に稽古出来ています。人間関係で悩む事が一切ないですね。
__ 
あの時代のケッペキメンバーですよね。素晴らしい。寮食とかでやっている人たちの気を使わなくて良さ、これが存分に味わえますよね。敷居が低いというか。
伊藤 
テキトーっていう感じですけどね(笑う)悪く言うと。
__ 
楽しみですね。「2001人芝居」。
伊藤 
演出の延命さんが、もう知り合って10年ぐらい経つんですけど、僕の良いところも悪いところも分かってくださっていて。どうすれば人に受け容れられるかという演出もしてくれます。
__ 
伊藤さんの長所、それがどう受け止められるべきか。それを発見して更新し続ける努力がきっと必要ですね。では、見に来たお客さんにどう感じてもらいたいですか?
伊藤 
最低限、出演者一人で芝居が出来るんだと。そういう事を証明したいんです。今回セットも小道具も少なくして、役者一人だけでこれだけ演劇を成立させられるんだ、と。
__ 
頑張って下さい。成立していない瞬間はきっとあると思うんです。その期間はつまり、観客席と舞台の関係がブレた状態だと思う。その時、伊藤さん個人の味がテキストの下から這い出して、観客の価値観に掛けられる筈なんですよ。一人芝居ならなおさらそういうシーンが大事なんだと思う。大丈夫だと思いますよ。
伊藤 
大丈夫ですかね。
__ 
あとは体調次第じゃないですかね。

タグ: この座組は凄い 観客のクオリア 鍵山千尋さん 観客との関係性 観客席との対立論


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伊藤

僕の折れた音

__ 
伊藤さんの、役者としてのターニングポイントを教えて下さい。
伊藤 
昔、AI・HALLでの芝居に役者として参加した時に大失敗した事です。クライマックスのいいシーンで女の人の名前を呼ぶんですけど、その時思いっきり噛んじゃって。何言ってるか分かんなくなっちゃったんですよ。終演後に色んな人に怒られました。なんでそんな事になったかというと、やっぱり度胸が無かったからなんですね。
__ 
それはへこみますね。大切な時に、落ち着いて実行出来るかという事でしょうね。
伊藤 
はい。だから、プロとしては絶対無理やなこれ、と思ったんですね、こんなんでへこたれてしまうし。
__ 
いい意味でのターニングポイントはありますか?
伊藤 
高校から演劇部だったんですけど、大会に出て、自分の演技で拍手が起こったんですよ。一応、この場では認められているんだって思って。大学入ってからも続けようと思いました。
__ 
それも、これが最後なんですよね。
伊藤 
多少噛んだぐらいじゃ何でもないような勢いで行きます。

タグ: 拍手についてのイシュー とんでもない失敗をしてしまった ターニング・ポイント


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伊藤

西部講堂に集結!2001人の僕

__ 
豆企画、とても楽しみです。2001人芝居という事なんですが、これは2001人の伊藤さんがお出になるという事でしょうか?
伊藤 
いやこれは野田秀樹さんが初演されたときに2001年だったからだと思うんです。いま、どうやって意味付けしようと思っています。一応、一人芝居です。
__ 
どんな作品でしょうか。
伊藤 
スクリーンに、色んな僕が出てくるんです。それを僕が舞台でずっと真似しているんですね。スクリーンに出ているのは全部僕で、僕が、僕を真似しているんです。一つの画面に僕が沢山出てくる場面もあるので、僕をこれ以上見たくない人には苦痛かもしれません。
__ 
素晴らしい。伊藤さんでトリップしそうですね。映像の中で、伊藤さんはどんな事をしているんですか?
伊藤 
僕自身へのインタビューに始まり、歌ったり踊ったり走ったり。原作からはセリフも変えていないんです。
__ 
意気込みを教えて下さい。
伊藤 
大学に入った時にやったある芝居の評判が凄く良くて。未だに「あれは良かったね」と言われるんですよ。10年ぐらい経ったのに。という事は、逆にそれ以外はあんまり・・・という事なんだと思うんですよね。あれを超える評判になるような、そんな作品にしたいと思うんです。

タグ: 野田地図


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伊藤

質問 ファックジャパンさんから 伊藤 泰三さんへ

__ 
前回インタビューさせて頂きました、ファックジャパンさんからの質問を頂いてきております。「初めてされた恋の告白、場所はどこでしたか?」
伊藤 
小学校4年、授業中だったと思います。そういう、手紙を渡されて。
__ 
ありがとうございます。では、告白した場所は?
伊藤 
僕のですか。大学でしたね、ええと・・・寺町のレストラン。いいんでしょうか、こんなので。

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伊藤

豆企画第6回公演「2001人芝居」

__ 
今日はどうぞ、よろしくお願い致します。伊藤さんは最近、どんな感じでしょうか。
伊藤 
最近はこう、夢も希望もないですね。もうそろそろ三十なのに未だにフラフラしているので。
__ 
夢も希望も自分の手で掴みとるものなんじゃないですか?
伊藤 
(苦笑い)そうなんですけどね、頭で分かっててもやる気がなくて。
__ 
今回の豆企画第6回公演「2001人芝居」。伊藤さんの人生に負担を掛けているんじゃないですか?
伊藤 
いえいえ、いい意味での負担だと思うんですけどね。こんなにがっつり、芝居に関わるのは最後だと思うので。
__ 
最後の戦いなんですね。どんな気分ですか?
伊藤 
どんな気分。このお芝居が終わってから考えるんでしょうね。きっと。その後にもっとやりたいと思うのか、もう辞めたいと思うのか。
豆企画
豆企画とは高校演劇部顧問の鍵山千尋が演劇部のOBとかつての所属劇団の友人を集めて企画した団体です(公式サイトより)
豆企画第6回公演「2001人芝居」
公演時期:2014/5/9~11。会場:京都大学西部講堂。

タグ: 一人芝居


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伊藤

ファックジャパン独り舞台『愛はないと ぼくは思う』

__ 
今日はどうぞ、よろしくお願いします。
FJ 
よろしくお願いします。
__ 
最近、ファックさんはどんな感じでしょうか。
FJ 
僕ですか、僕は夢も希望もない感じですね。
__ 
夢と希望はファックさんの人生には必要でしょうか。
FJ 
必要ですね!欲しい。欲しいです。
__ 
夢も希望もある人生があったかもしれない?
FJ 
酷な事を聞きますね。
劇団衛星
「小劇場での演劇でしか絶対に表現できない舞台表現」を極めるべく、1995年6月設立。「演劇人=アルバイト生活」の常識を破った、フリンジ業界における非常に珍しい専業演劇人集団である。京都を拠点に、既存のホールのみならず、寺社仏閣・教会・廃工場等「劇場ではない場所」で公演を数多く行い、茶道劇「珠光の庵」や裁判劇「大陪審」などの代表作を全国で上演。また、演劇のポテンシャルを利用したワークショップなど「演劇のないところに演劇を送り込む」活動を、幅広く展開中。(公式サイトより)
ファックジャパン独り舞台『愛はないと ぼくは思う』
公演時期:2014/4/4~6。会場:KAIKA。

タグ: 愛はないとぼくは思う


静けさ

__ 
「愛はないと僕は思う」。次回公演のタイトルですが。4月4日からですね。とても楽しみです。
FJ 
ありがとうございます。
__ 
私はこの作品の前進となる「お母さんとファック」という作品をgate#9で拝見しました。会場は、同じKAIKAですね。あの作品は、一人語りそのものを高度に洗練したらどうなるかという文学的な実証であったかもしれないと考えています。
FJ 
洗練。
__ 
語る時のファックさんの身体がとても純粋だったと思うんです。ご自身の半生を素直に語っているからなのかもしれませんが、同時に虚構でもあるという前提が役者と観客の間に明らかに対流を生んでいるんです。それは一人芝居という形式の性質ではありますが、ファックジャパンという嘘モノなのか真実なのか分からない存在の語る、夢と性欲と静けさが一緒くたになった世界がとても美しかったんですよ。
FJ 
なんかその、「お母さんとファック」は、分をわきまえたいというか。そんなに効果的に、お話に乗りたくないというか。
__ 
ええ。
FJ 
自分は一体、何をしている時が一番興奮しているか、それは雑談している時なんですよ。思い出話を公の場でするための演劇だったと思います。面白い面白くないは優先順位は下げて。20分の思い出話をしてみた、という。
__ 
それにしてはとても幻想的でした。一つ、印象に残った手法があって。京都でのデートのシーンで、一人称がファックさんなのかお母さんなのかお母さんの相手の男性だったのか、ないまぜになっているシーンがありましたね。
FJ 
実際にその、母がデートした場所に行ったんですよ。それを思い出した順に書いていっていたら、そうなったというのはあります。
__ 
ファックさんの記憶や主体がスライドしていって、観客の思惟も同時にスライドしていって。集中して聞いていればいるほど、垣間見える景色が清冽に視界に飛び込んでくる。ただ単に美しいと思ったんです。

タグ: インクの一滴 性欲 愛はないとぼくは思う 一人芝居 タイトルの秘密 作家の手つき


筆を握る

__ 
さて、脚本がごまのはえさんですね。
FJ 
ありがたい事です。
__ 
「愛はないと僕は思う」。とてもいいタイトルですね。
FJ 
最初は「思い出とファック」にしようと思ってたんです。照れ隠しの意味が、そこにはあったかもしれません。後日、ごまさんとサリngさんと打ち合わせを兼ねた飲みの席でタイトルの相談をしていたら、「そういうのじゃ無い方がいいんじゃないか」と。色々考えたんですけどいいのが思い付かなくて。
__ 
なるほど。
FJ 
去年のKAIKAでやった、gateの感想を語るイベントがあったんですよ。「ほぼ二畳大学」。丸山交通公園さんの友達図鑑の感想を紙に書くのがあって、その中の感想に「愛があった」というのがあって、僕はそうは思えなかったので「愛はないとぼくは思う」と感想を書いたら、その文字面のウケが良かったのを思い出して・・・というのを思い出して、それにしました。何だか僕、引用ばっかりなんですよ。
__ 
いえいえ、ご自身の引き出しですから。ファックさんはやっぱり文章力が素晴らしいですよね。昔ファックさんが衛星のご自分のコーナーに書いたコラムがもの凄く面白いですよね。「アメリカ」が好きです。
FJ 
何ですか?それ。
__ 
えっ。主人公が習字の道具を持って、アメリカらしい町にまで来てしまう話ですよ。
FJ 
覚えてませんね・・・信じられない思いで聞いています。
__ 
「男色」も良かったです。二人のブサイクがディープキスしながらおまんじゅうを食べる話。
FJ 
あ、それは覚えてます。褒められた記憶があります。
岩戸山ほぼ2畳大学
京都 岩戸山町にあるほぼ2畳スペースにあるキャンパスです。毎月第2月曜日19時?オープンキャンパス開催(公式サイトより)

青が繋がっていく

FJ 
言ってみれば、青い話なんですよ。「お母さんとファック」は。それをごまさんが果実にした、そんな感じです。
__ 
お客さんに、どう感じてもらいたいですか?
FJ 
何というか、思い出話を盛っているような気がして、少し警戒してはいるんですよね。普通にやりたいんです。とか言って当日はノリノリで感傷的なお芝居しているかもしれないけど。とにかく、思い出話をするという事で閉じた世界じゃないですか。それをもうちょっと公にするために、色んな人物を通して僕の話になるんじゃないかと思います。僕の話をごまさんがグレードアップして(いっぱい嘘も入って)、サリngROCKさんの絵にも引っ張られて、一日演出家のドラマベラーターの方にもお話を聞いて。それを僕が思い出して喋ると。
__ 
深みが出るでしょうね。
FJ 
出たらいいですよね。
__ 
そうして積み重ねた全ての関係性が出るんじゃないでしょうか、きっと。色んな人の仕事や意見が入っているものだと思います。
FJ 
大体、5~60分程度のお芝居になります。横山ショーキーさんに生演奏をお願いしていて、僕は出演者なんですけど音響や照明の操作も同時にやります。自分だけいいカッコしたいんちゃうかという気分になってきますけど、でも、面白いと思います。僕の青さの全てを・・・全てじゃないかな、一部を詰め込んだ話になっていると思います。
__ 
楽しみです。

タグ: 生演奏のある作品 関係性が作品に結実する 俳優を通して何かを見る


質問 西尾 佳織さんから ファックジャパンさんへ

__ 
前回インタビューさせて頂きました方から質問を頂いてきております。鳥公園の西尾佳織さんからです。ファックさんの芸名に驚かれたそうで。「日本に対してどう思っているんですか?」
FJ 
日本に対してどう思っているか・・・うーん、ちょっと壮大過ぎて。

質問 蓮行さんから ファックジャパンさんへ

__ 
蓮行さんからも質問を頂いてきております。「少しは社会を良き方向に変えていこうという気概はないのか」。
FJ 
えっ。なんですって。
__ 
「少しは社会を」・・・
FJ 
ありますよ!あります・・・あります・・・。

どこへ向かったら?

__ 
先日の劇団衛星の珠光の庵。とても面白かったです。これは僭越ながら、ファックさんの芝居が大変上達していたなと感じまして。型が洗練された演技の先の、何だか丸みを帯びているような、そんな佳境に来ていたと思います。
FJ 
ありがとうございます。
__ 
そこで伺いたいんですが、ファックさんは今後、どこに向かいますか?
FJ 
どこに向かったらいいんですかね?自分がもう下手くそ過ぎて見てられないんですよね。
__ 
私は全然そう思わないですけど。
FJ 
いや、もう使い物にならないと思っているんです。他人の気持ちはもちろん、役柄の心情とか想像出来ないし。今回の一人芝居も、自分の事ならセリフにして表現出来ると思ったからだし。
__ 
なるほど。
FJ 
怒ったりとかの感情を、何か、ただの体(てい)だと思ってたんですよ。でもコントロール出来る人はいるんですよね。他の役者のセリフに対して、身体が反応して感情表現する、そういう技術を周りがやっているのを見て・・・いい仕事をするなあと思うんです。ホンマ自分、出来ひんなあと。どこへ向かったらいいのやら、という気持ちです。
珠光の庵 京都公演「珠光の庵~真の巻~」
公演時期:2014/3/15~16。会場:乾窓禅院。

タグ: 演技の型の重要性 瞬きの数をコントロールする俳優 一人芝居


コントロールできひん

__ 
前回のインタビューから5、6年経ちましたね。その間の、ご自身で考える大きな経験は。
FJ 
マレビトの会の「王女A」の通し稽古をしたんです。僕はその時、段取り上必要なセリフを忘れてしまって。何やったかなあと思って、プロンプが入って、で次の動きに移れたんです。その時ですね。
__ 
というと。
FJ 
「何やったかなあ」って悩んだんですけど、それは頭だけで、首から下は次の段階に行こうと準備していたんです。
__ 
身体が勝手に準備していたと。
FJ 
そうですね。直後、そのズレにちょっと、自分でも付いていけなかったんです。それぐらいビックリした経験でした。その時以降、俯瞰で見るという言葉の意味が分かりましたね。ホンマに俯瞰で見るんだなと。ズレを大きくしたり小さくしたり、他にも沢山の回路が見えてきて、やってて凄く興奮しましたね。こういう事をみんなやっているんだ、って思いました。
__ 
なるほど。
FJ 
これまで演出家の人たちが言っていた事はホンマなんやと思いましたね。セリフを言う時に、そういう体(てい)じゃなくて、「そうなる」んや、って。台本で指定されている順序でセリフ言えるやんと思ってたんですが。そういうコントロールが出来るようになるのって難しいですよね。でも、そうなるように近づけていきたいです。
__ 
でも、役者としての仕事を完全にコントロール出来るようでありたいと。
FJ 
どういうアクセスでもいいんですけどね。

タグ: 俳優のブレイクスルー


気恥ずかしさについて

__ 
今後、どんな感じで攻めていかれますか?
FJ 
どうしていこうかなあ。どうしていったらいいですかね?
__ 
ファックさんのらしさを保ちつつ、お客さんに、ファックさんの心の奥が伝わるような、お客さんが自然に感じられるような共感を呼べるような、そんなファックジャパンがいいんじゃないですかね?いや、一人芝居は確実にそうなると思うんですけど。
FJ 
そうなるかなあ・・・いや、なる!あ、そうだ。ラップの会というのをやってるんですよ。田中遊さん男肉団長と壱劇屋の大熊さんと。流行せたいです。関西小劇場で落語が流行してますけど、その内みんなラッパーネームを持つように。
__ 
そこに居合わせてみたいですね。
FJ 
みんな恥ずかしがるんですけど、実際恥ずかしいんですけど、でも楽しいですよ。

タグ: 恥ずかしいコト


MOLESKINEのノートブック

__ 
今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントがあります。
FJ 
ありがとうございます。前回は何かの小物入れでしたよね。
__ 
今回は違います。どうぞ。
FJ 
(開ける)あ、ノートや。
__ 
MOLESKINEのノートブックです。
FJ 
使わせて頂きます。

タグ: プレゼント(ツール系)


鳥公園「緑子の部屋」

__ 
今回は鳥公園の作家・演出家である西尾佳織さんにお話を伺います。さきほど「緑子の部屋」の大阪公演の夜の回が終わったばかりですね。とても面白かったです。
西尾 
ありがとうございます。
__ 
タイトルからは想像が出来なかったんですが、人間同士の「対話」をめぐる作品でしたね。言ってしまえば、人種を始めとする様々な差異から発する差別心が生活の中でどのように顔を出すのか、が大きいテーマだったんじゃないかと思います。持論ですが、今後日本は30年程度を掛けてだんだんと多民族社会になっていくんじゃないかと思っています。すると意識すらしていなかった差別心に突如出会う事になり、非常に戸惑う事になるのではないか。もちろん対話は色々なレベルで行われていく筈ですが。さて、「緑子の部屋」。演劇として非常に面白かったです。配役の切り替え方、空間の使い方がとかユニークで、語数の少ない詩が読まれた時の広がりのような印象を受けました。私が気になったのはラストシーン。「対話」が一方的にシャットダウンされてしまうという描写がありましたね。
西尾 
一方的、そうか、はい。
__ 
何というか、絶望を感じたんです。同棲している彼女と彼の会話。説明の難しい悩みを武井翔子さん演じる彼女は抱えていた。浅井浩介さん演じる彼は見るからに疲れていて、結論も出ないまま途中で対話を打ちきってしまった。こういう場面を見るにつけ、まずは対話する相手を受け入れる姿勢を持つべき、とは思うんです。でも、相手を許容しあう対話が全てを解決するかというと、それはどうなんだろう・・・?そこは個人的に悩んでいるんですが。
西尾 
ありがとうございます。嬉しいです。そうなんですよね、差別の心があるというのは、ダメだと言われても無くならないと思うんですよね。誰でも、何かに対して偏見とか差別心を持っているんだよなあ、って。無菌状態なんてありえないんだと思うんです。
__ 
確かにそうですね。
西尾 
一体、自分はどういう色眼鏡を掛けているのか?いや、自分の目自体にそういうものが備わっているのかもしれない。そういう事込みで考えていかないといけない。難しいですよね、話すって。
__ 
色眼鏡というより、私の眼球にそれが入っている。
西尾 
じゃあ目をえぐり出せるかというと、それが良いとは全く言えない。
__ 
と言って我々は被差別者にはなれないから、彼らの気持ちを想像も代弁も出来ない。そんな絶望がありますね。
西尾 
実は「我々」の中でも差別をし合っているんじゃないかと。種類は違うけれども、さらに差別し合っているのかもしれない。
__ 
というと?同じカテゴリー内の差別?
西尾 
今、次に演出をする作品の関係でセクシュアルマイノリティの問題を日々考えているんですけど、LGBTの中でもゲイの人たちの発言が強かったり、トランスの人同士でも、性別適合手術をしている人が手術までは望まない人に「そんなのは本当に苦しんでない」と言ったりすることがあると聞いて。でも、きっとそうだろうなと思うんです。関係ない立場の人はもっと無関心で、素朴に「それは大変だろうねぇ」ぐらいに処理することしか出来ないことが多いと思うから。
__ 
なるほど。
西尾 
「当事者」としての切実さがあるからこそ、同じカテゴリーに入れられている人同士の間で、差異にたいする意識がより強く働いてしまうこともあるんだろうかと、思った事があります。
鳥公園
2007年7月結成。作・演出の西尾佳織と俳優・デザインの森すみれによる演劇ユニット。「正しさ」から外れながらも確かに存在するものたちに、少しトボケた角度から、柔らかな光を当てようと試みている。モノの質感をそのままに手渡す言葉と美術、「存在してしまっていること」にどこまでも付き合おうとする演出が特徴。11年10月、「おねしょ沼の終わらない温かさについて」でフェスティバル/トーキョー11公募プログラム参加。12年2月、大阪市立芸術創造館主催・芸創CONNECT vol.5にて「すがれる」が優秀賞受賞。12年7月、広島市立美術館主催・ゲンビどこでも企画公募にて、「待つこと、こらえること」が粟田大輔賞受賞。同年9月、同作品が3331EXPO「おどりのば」スカラシップ受賞。鳥取、北九州、広島、大阪など、東京以外の様々な土地での滞在制作も積極的に行っている。(公式サイトより)
鳥公園「緑子の部屋」
公演時期:2014/3/21~23(大阪)、2014/3/26~31(東京)。会場:芸術創造館(大阪)、3331 Arts Chiyoda B104(東京)。

タグ: カテゴライズされる俳優 「異なる角度から」 ヘイトスピーチ ユニークな作品あります 鳥公園という場所


存在を許し合える場所

__ 
西尾さんがお芝居を始めたのはどんな経緯があったのでしょうか。
西尾 
中学校で演劇部に入ったんですけど、小学校から学芸会とか好きでしたね。中学校で鴻上尚史さんの「デジャ・ヴュ」をやっていて。意味は分からないけどカッコイイと思ったんですね。
__ 
鳥公園を立ち上げたのはどんな思いがあるのでしょうか。
西尾 
まず、なぜ「鳥公園」という名前にしたのかというと・・・私、二人で話をするのが好きなんですよ。3人以上だと難しいなあと。なんか、聞いていよう、と思っちゃうんですね。どうやったら3人以上の人数で、個のままで自由にいられるだろうと思ったら、それは公園かなあと思いまして。
__ 
ご自身にとって、公園という場所で対人関係の可能性がより開けそうだと思ったんですね?
西尾 
そうですね、公園には話している人もいれば散歩したりお昼寝している人もいるので。でも、みんなお互いが視野に入っている。だから場としてまとまりながらも自由な空間なんじゃないかと思うんです。
__ 
鳥は・・・?
西尾 
鳥はただ単に好きだからです(笑う)

タグ: 鴻上尚史 夜の共犯者 劇団=場所論 学芸会


公園を、必要としてくれる人?

__ 
鳥公園」。いい名前ですよね。シンプルだけどユニークで、どことなく異郷っぽくて、でも懐かしくて。作品が独特の手触りだから、なおさらそういう風に感じるのかもしれません。「緑子の部屋」も、何だかとても、らしい作品だったんじゃないかと思います。配役が良かったですね。鳥公園の舞台にはどんな人に立ってもらいたいですか?
西尾 
なんか、自分の足で立っているというのがまず大事で。「私を輝かせて欲しい」とか、「あなたの作品世界で生きたい」みたいな事を言われるとちょっと無理だな、と。それと同じく、普段から面白い人は、多分舞台に立つ事は必要じゃないんじゃないかと思うんです。この人、舞台じゃないと切実にダメなんだな、と思わせるような、私が何もしなくてもこの人はやるんだろう、でも私の作品を必要としてくれる人、が私にとっては大事です。上手かどうかは別にして。
__ 
西尾さんの作品が必要だと思えるような、そんな人。
西尾 
そうですね、私がやりたい事に付き合ってもらえる状態だと、逆に私はやれないんですね。私の作品を必要としている、自分から表現をしたい人が鳥公園という場を作ってくれる。私も、鳥公園という場の為に、費やすんです。
__ 
鳥公園を、参加している人たちも求めるんですね。
西尾 
私や参加しているメンバーが、気になっているものを持ち寄って鑑賞したり感想を言い合って、それが作品内容に残ったりするんです。今回の場合は日本画鑑賞とか、映画もそうだし、例えば「昨日見た悪夢」の話なんかも。そういうのが苦手な方はちょっと難しいかもしれませんね。

タグ: キャスティングについて