「グッド・バイ」

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さて、メイシアタープロデュース SHOW劇場VOL.8「グッド・バイ」。とても面白かったです。
永津 
ありがとうございます。
__ 
永津さんは女性編集者の役でしたね。主人公の作家と不倫関係にありながら、その作家の奥さんとも対話するという微妙な関係が見事でした。あの舞台、もうほぼ全ての役が好きになれなかったです。それは何故かというと、クライマックスになるまで人物の本音が全然分からなくて。特に永津さん演じる「太田静子」がそうでしたね。最終的には作家の子を妊娠するという事で自分のエゴを守るみたいな。
永津 
あの作品については、多分そうなると思います。出来ているかどうかは分からないんですけど。普段隠している見せたくないエゴ、隠している事すら忘れている部分を見せるという稽古をしていたので・・・
__ 
それは凄い稽古ですね。
永津 
辛かったです(笑う)だから好きになれないと言われるのは成功だったかもしれませんね。
__ 
いや、結構な人数が好きになれなかったですね。でも段違いに嫌だったのはあの変な飲み会のシーンですね。全員が全員、嘘でごまかしてきたのに耐え切れない状況のはずなのに、そこへきてさらにごまかそうとしている。それも暗黙の了解で。
永津 
あそこは凄く評判がいいですね(笑う)。
メイシアタープロデュース SHOW劇場VOL.8「グッド・バイ」
公演時期:2014/3/6~9。会場:吹田市文化会館 メイシアター 小ホール。

タグ: 登場人物が好きになれない 本音の価値


バ/ラ/ン/ス

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永津さんにとって、いい演技とは何ですか?
永津 
何やろなあ・・・毎年コロコロ変わるんですけど、最近思うのは、「舞台の上で生きる」ってよく言いますよね。それが出来るのがいい俳優なんだなと。それが一つの目指す所です。その役でいながら、どれだけ素の状態になれるか。それがきっと大事で、稽古場でそれがすぐ出来てしまう人もいるんですよね。すっと、役の身体に入れるのがいい演技者だと思います。
__ 
具体的にはどんな方が?
永津 
そうですね、劇団赤鬼の橋爪末萌里ちゃんが自然体で、それでいてしっかりと周囲も見ていたりするんですよ。
__ 
ご自身が「舞台の上で生きる」にはどんな事が必要なのでしょうか。
永津 
もうちょっと、楽でいる事が大事なのかなと「グッド・バイ」の時に思いました。集中しようとして緊張感が強くなりすぎたり、周囲に敏感になろうとしていたら失敗したり成功したり。その塩梅・バランスを自分で早く見つけたいですね。
劇団赤鬼
1995年に旗揚げ。クチコミを中心に動員を爆発的に伸ばしたことで関西演劇界に一気にその名を知らしめた。 結成後わずか3年目で当初250人の動員を3000人まで伸ばした実績を持ち、2002年冬ツアーではついに8000人を突破。(公式サイトより)

タグ: 俳優の「素」を生かす 役をつかむ 舞台にいる瞬間 自然体


質問 Q本 かよさんから 永津 真奈さんへ

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前回インタビューさせて頂いた、Q本かよさんから質問を頂いてきております。同じ「IN HER THIRTIES」に出演されますよね。質問は「恋人を選ぶ時、重視しているポイントは何ですか?」ちなみにQ本さんは直感を大事にしているそうです。
永津 
何を聞いてんねん(笑う)何やろう。私もフィーリングは大事にしています。でも、直感だけじゃどうにもならないので。難しいんですけど、タイミングが合う人かな。連絡を取って欲しいときとか、バイオリズムとか。

Aripe!

__ 
いつか、どんな演技が出来るようになりたいですか?
永津 
そうですね。私ちょっと声が弱くて。「グッド・バイ」での岡田あがさちゃんみたいにがんがん叫ぶような演技が、例えば一ヶ月のロングランの公演でも出来るようになりたいです。
__ 
今後、一緒に作品を作りたい人や劇団はありますか?
永津 
ナイロン100℃さんが好きなので、いつか出演させて頂ければ嬉しいです。それと、20代の方たちの若い劇団ですね。この間石原正一ショーで共演した渡辺綾子さんのイッパイアンテナ、とか。
__ 
そんな中での永津さん。いつか見たいですね。
永津 
それと、年内か、来年上半期にはAripeのツアーが出来たら良いな
__ 
そう、永津さんはAripeのリーダーなんですよね。実は拝見した事は無いんですが。見たかったです、去年の「人の気も知らないで」。どんな作品なんでしょうか。
永津 
女性三人の会話から始まり、色々と予測できない障害が発生して。お互いを庇いながらも無理が生じてきて・・・横山拓也さんの脚本演出で、ちょっと社会派な感じなんですよね。
__ 
そうなんですね!あの可愛いチラシからは想像出来ない。
永津 
そうですよね(笑う)。
__ 
機会があったら是非参ります。
永津 
Aripeは女性による女性だけの演劇ユニットという事で旗揚げしたんです。当時としては珍しく、カフェやギャラリーなどの劇場にこだわらない場所での公演が出来ないか、という試みをしてきています。時期は分からないんですが、意外なかたちでお目にかけられるかも。
__ 
今から楽しみです。
演劇人、石原正一を参照。
イッパイアンテナ
同志社大学の学生劇団「同志社小劇場」のOBを中心として、2007年11月に旗揚げされた演劇団体。 主な演目はコメディとコント。 劇場を気持ちよく走り抜けるライブ空間にすべく日夜活動している。(公式サイトより)

タグ: ユニークな作品あります 声が出せるように 意外にも・・・


Next!

__ 
今後、どんな感じで攻めていかれますか?女優としても人間としても。
永津 
小劇場に出だしたのは比較的最近の事で、いまは辞めようとか全然思っていなくて。もうちょっと上を目指すように続けたいと思います。
__ 
上を狙うという事ですね。
永津 
そうですね。この歳になると同じ年代の方々が離れていってしまう事も多くなるので、私はもうちょっと若ぶろうかなと思っています。
__ 
永津さんのそういう姿に、勇気付けられると思います。

バルサミコ酢

__ 
今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントを持ってまいりました。
永津 
わあ、何でしょう。ありがとうございます。
__ 
大したものではないのですが。
永津 
(開ける)あ、オシャレ。
__ 
ワインビネガーです。塩気とコクが強いものです。ドレッシングに良いと思います。
永津 
サラダとかに?楽しみです。ありがとうございます。

タグ: プレゼント(食品・飲料系)


TOKYO PLAYERS COLLECTION「IN HER THIRTIES」

__ 
今日はどうぞ、よろしくお願いします。Q本さんは、最近はどんな感じでしょうか。
Q本 
最近は、ほぼ毎日TOKYO PLAYERS COLLECTIONの稽古です。ダブルキャストで、昼に稽古するチームと夜とに分かれているんですが、私は昼チームです。
__ 
どんな稽古をされているんでしょうか。
Q本 
レトルト内閣の稽古に比べたら、和やかですね。上野さんは、私達の普段のお喋りとかからキャラクターを読み取って台本に活かして下さるので、「人狼」で盛り上がったり、とにかく雑談の多い現場ですね。30代女性を描くために、けっこう真面目に「雑談」しています。
__ 
可能性は感じますか?
Q本 
可能性は感じますね。楽しいです。
__ 
いわゆる、カタカナで言いますね。
Q本 
「ガールズトーク」。
__ 
はっきり言って、私は「ガールズトーク」に未来と可能性を感じた事はほとんどありません。
Q本 
可能性は感じないですか(笑う)。でも、上野さんは好きみたいです。ちゃんと聞いてくれるんですよね。
__ 
なるほど。30代女性のガールズトーク・・・可能性を感じます。
Q本 
20代の頃は、善悪とかの価値観がまわりに左右されるというか、一般論に沿わせながら意見を言うみたいなところがあって、お互いを探り合いながら同調する感じがあったかなと思うけど、30代ともなると、みんなそれぞれに自分の価値観がしっかりあって、だから、ポンと出てくる言葉が妙に深かったり、説得力があります。エキセントリックな意見も出てきて、楽しい稽古場です。私は30代でも前半組なので、勉強になる事ばかりですね。
劇団レトルト内閣
劇団レトルト内閣の舞台はエンターテインメントでありながら「振り切った暴走アート」とも評される。無駄のないストーリー構成に、 エレガンスロックと呼ばれる劇中歌、 B級レビューと銘打つショーシーンが作品を彩る。豊かなセリフ表現や、多彩なキャラクター、唐突なナンセンスギャグ、めまぐるしいほどにスピーディーな展開も近年の作品の特徴。華やかなのにダーク、B級なのに耽美という独自路線を開拓し続ける。(公式サイトより)
TOKYO PLAYERS COLLECTION「IN HER THIRTIES」
公演時期:2014/3/27~31。会場:in→dependent theatre 2nd。

タグ: キャスティングについて インタビュー取材による作品づくり


浮き足だっていられない

__ 
TOKYO PLAYERS COLLECTION「IN HER THIRTIES」どんな作品になるでしょうか。
Q本 
女の30代って、結構、人間として分岐の時代だと思うんですよ。最大の分岐は子供を産むかどうか。うかうかと浮き足だってもいられないんですよね。地に足を付けて、一つ一つ決めていかないといけない年代だと思うんです。どちらの道に行っても、力強く自己肯定出来るようでありたい。紆余曲折がありながらも40代を迎える。この作品は一人の女性の30歳から40歳の姿を、一年につき一人の女性が演じるんです。芝居の最後、10年後の彼女の姿を見たとき、私も頑張ろうと思ってもらいたいです。
__ 
なるほど。
Q本 
あとは、今の時代、社会における女性の立ち位置ってすごく複雑で、「女って大変だな」と今回の作品に関わって改めて思ったので、そういうことをちょっと投げかけたいっていうのはあるかもしれないですね。
__ 
女には女の大変さがある、と。

タグ: 分岐点


わたしと劇団レトルト内閣

__ 
Q本さんが演劇を始めたのはどんな経緯があったのでしょうか。
Q本 
去年のレトルト内閣の「倦怠アバンチュール」のオーディションに突然応募したのが最初です。そこまでの経緯を説明すると、ゲキシネってありますよね。
__ 
ありますね。
Q本 
母が宝塚が好きで、当時はトップスターが天海祐希さんだったんです。天海さんが出演された「薔薇とサムライ」のゲキシネを見たらすっごい面白くて。「そうだ、私って昔ガラスの仮面が好きで演劇部に入りたかったじゃないか」と思い出して。もしかして大阪なら演劇もあるんじゃないか、都会だし、と思って「大阪 小劇場」で検索したらレトルト内閣が結構上に来てて。
__ 
そうですよね、強力なSEO対策してますよね。
Q本 
そうなんですよ。めっちゃしてるんですよ。検索の上位にありますよね。「ここなら大丈夫かも」、って思って。
__ 
警戒心があった?
Q本 
演劇は観たことないけれど、一歩間違えたら変なところに引っかかってしまうんじゃないか。なるべく大丈夫そうだなというところを選ぼうと。その時はちょうど、「猿とドレス」をやってて。ABCホールはキレイそうだし、安心して見に行ったらもの凄く面白くて。演劇に対するイメージが変わりました。
__ 
とりわけカッコいい作品でしたね、「猿とドレス」。
Q本 
その次の「金色夜叉オルタナティブ」も観て、それも面白くて。しばらく後に劇団のtwitterで出演者オーディションを知って、「倦怠アヴァンチュール」に出演した後、「劇団に入りたいです」とお願いしたら入れてもらえました。
__ 
大阪でも屈指の、丁寧で細かくこだわる作品を作りますよね。責任意識を感じるんですよね。それが悪い方向に働く場合もあるけど、独特の緊張感がある。
Q本 
社会人だからかな?ビジネスライクなところがあるかもしれないなってちょっと思います。いい意味で。
レトルト内閣第20回公演「倦怠アヴァンチュール」
公演時期:2013/2/1~3。会場:HEP HALL。
劇団レトルト内閣18回 10周年記念公演第二弾「猿とドレス」
公演時期:2011/9/16~18。会場:ABCホール。
劇団レトルト内閣19回公演「金色夜叉オルタナティブ」
公演時期:2012/6/15~17。会場:HEP HALL。

タグ: それを揺らしてはいけない レトルト内閣のウワサ


「あいつは元々、将来を嘱望された選手だったんだ」

Q本 
私、体育会系だったんですよ。石川県の能登半島生まれなんですけど、そこはソフトテニスが盛んで。小学校3年生から始めて、中学では全国大会で優勝したんです。
__ 
ええっ!
Q本 
インターハイは3位でした。国体も3位、ジュニアオリンピックも3位。・・・3位ばっかりで言ってて情けないですけど(笑う)一応大学までずっとやってたんです。
__ 
ええ。
Q本 
文化的なものに縁が持てないまま30まで来てしまい、突然演劇を始めました。
__ 
そんな、将来を嘱望されたテニス選手が。得意な技術はなんでしたか。
Q本 
言っても軟式なので、硬式とは違って試合時間も短いし、身体能力よりも駆け引きで勝てちゃったりしたんですよ、当時は。今はちょっと違うんですけど。私は、その、「駆け引き」がわりと得意だった気がしますね。
__ 
相手の性格を観て、構成するという事ですね。
Q本 
そうですね、この子はパッと見気が強いけど、大事な場面では攻めてこられないだろうな、とか。配球の中で性格を見つつ、ゲーム序盤では大人しくしておいて、競ってきたら攻めようみたいな感じで作戦を立てるのが好きでした。
__ 
そういう人とお話するのはさすがに初めてですね。
Q本 
演劇とは関係ないことを、調子に乗って喋ってしまいました、スイマセン(笑う)

タグ: 調子のってた マイブーム


質問 大崎 けんじさんから Q本 かよさんへ

__ 
前回インタビューさせて頂いた、イッパイアンテナの大崎さんからです。
Q本 
あっ、私、イッパイアンテナ好きですよ。「オール」しか見てないんですけど。
__ 
あれは面白かったですよね。
Q本 
面白かったですね。それと、役者さんが子供鉅人に出てるじゃないですか。
__ 
そう、街頭劇の・・・
Q本 
「コノハナアドベンチャー2」
__ 
あれはイッパイアンテナの役者が数多く出てましたね。その、イッパイアンテナの大崎さんからの質問です。自分にとってベストな朝ご飯は何ですか?
Q本 
コストコの「ディナーロール」っていうコーンが入ってるパンがあるんですけど、それをどっさり冷凍しておいて、2個ずつチンして食べます。それと、牛乳で溶かした青汁。
__ 
なるほど。ちなみに大崎さんのベストな朝食はガチガチの和食らしいです。ご飯に味噌汁、卵、鮭、ノリ・・・。
Q本 
ああ、誰かが作ってくれるならそれが一番いいですね。

タグ: 朝食についての話題


デ・フォ・ル・メ

__ 
Q本さんにとって、素敵な演技ってなんですか?
Q本 
テクニックのある人に憧れます。私、憧れの役者は福田恵ですって言ってるんですけど。
__ 
なるほど。
Q本 
演出のオーダーに、ぽんと答えられる。そういう引き出しの多さが凄いんですよね。「芝居上手いな」っていう感じが好きみたいです。
__ 
ご自身がそうなるためには何が必要だと思いますか?
Q本 
基本的な事ですけど、発声ですね。声が小さいと絶望的だなと思っていて。それと・・・人間関係を記号化して理解して、それにリアリティを付加して、アウトプットする力・・・?観察力かなあ。あとは、デフォルメのバランス感覚。
__ 
デフォルメのバランス感覚・・・
Q本 
レトルト内閣に入って、そのまんまリアルにするんじゃなくて、お客さんに伝えないといけないんだってことを教わって、それってどこかを強調するってことかなと思うんですけど。その時の、バランス感覚。強調しすぎるとダサいししらけるけど、ちゃんと伝えないといけない。
__ 
そこはトレーニングするのが難しい技術ですね。そこに自分から行けたら凄いですよね。
Q本 
カッコいいなと思いますよね。
__ 
思い通りの演技じゃなくて、色んなところの兼ね合いを考えていないと行けないんでしょうね。
Q本 
あとは、お客さんの空気を感じながら舞台に立っている人はカッコいいですよね。そう思ったのは、「ゴシップ」で共演させていただいたデス電所の丸山さん。みたいになりたいです。ナチュラルな・・・
__ 
ナチュラルな人気者みたいに?
Q本 
でも、おこがましいんで・・・(笑う)。

タグ: 観客との関係性


3つの十年

__ 
いつか、どんな演技が出来るようになりたいですか?
Q本 
ナチュラルな人気者に(笑う)。でも、やっぱり、基礎を押さえたいというのはあります。テニスをやってた時に、「センスはあるのに、基礎技術がなくて頭打ちだな」という選手を何人も見てきたので。感覚だけに頼らず、まず、体を作るところからですね。いまはそれが課題です。
__ 
いやいや国体三位になった人が体作りからとは・・・
Q本 
いやいや10年掛かって、筋肉を落としちゃいました。華奢なほうがモテるかと思って(笑う)。
__ 
軟式テニスでインターハイにまで行った、洗練された鍛えられし筋肉が落ちてしまうものなのですか。
Q本 
落ちますね。年を取ると。大学4年から何もやってないので。
__ 
残念と言っていいですね。
Q本 
筋肉って大事だなと今は思いますね。
__ 
今は、駆け引きの能力だけが残っていると。
Q本 
どうでしょうか。試す場がないので。
__ 
寝る前にイメトレとかはしないんですか?毎晩、コートのラインだけの空間で対戦相手と・・・
Q本 
しないですね(笑う)。

タグ: 『モテ』 いつか、こんな演技が出来たら


東に

__ 
今後、どんな感じで攻めていかれますか?
Q本 
私、6月に東京に引っ越すんですよ。レトルト内閣は辞めたくないので、公演期間だけは大阪に戻ってこようかなという感じなんですけど。でも、東京に行くんだし、せっかくだから向こうの舞台にも出てみたいんですよね。オーディションを受けていきたいですね。
__ 
たとえば、どんな劇団に出演したいなどはありますか?
Q本 
FUKAIPRODUCE羽衣さん。一度見に行って、とても面白かったので。
__ 
なるほど。面白いですよね。

タグ: どんな手段でもいいから続ける 引っ越し


レモンとネーブルのドライフルーツ

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今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントがございます。
Q本 
あら。知ってますよ。プレゼントが貰えるよって。
__ 
しかし言うほど大したものではないので、あまり期待はされずに。どうぞ。
Q本 
(開ける)あ、めっちゃおいしそうじゃないですか。
__ 
レモンとネーブルのドライフルーツです。

タグ: プレゼント(食品・飲料系)


イッパイアンテナ16th session「オール」/夜の共犯者

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イッパイアンテナ「オール」が終わりましたね。大変面白かったです。今回はシチュエーションコメディではなかったですね。ある町の夜を舞台に、徹夜する6人の若者の旅立ちが描かれる。常々思っていたんですが、イッパイアンテナの作品は「自分探しが終わる旅」なんじゃないかと思っていて。例えば落語家が、虚勢を捨てて裸にコートだけの格好でニューヨークに行ったり、友人の父親を殺した若者が、罪を認めて許されたり。
大崎 
そうですか。
__ 
夜を抜け出して解放された彼らが、明日以降もきっと生きていてくれるんだろうというような希望があるんですよね。大崎さん個人としてはどんな公演でしたか。
大崎 
まず、劇団員だけで公演をしようと考えて。最初は野球部の話にしようと思ってたんですよ。野球部のメンバーが夜にファミレスで、抜けたメンバーの話をするという話。そういう話を、3チームの二人組でやろうと。そこから、自分の好きな題材を詰め込もうという事も加わって。まあ具体的に並べると落語・歴史・ゲーム、それぞれの二人組に取り組ませたら、ああいうカタチになりました。
__ 
何故、夜なのでしょうか。
大崎 
夜中を通して起きてるのって面白いじゃないですか。あの感覚を何とか舞台に立ち上げたいなと。
__ 
なるほど。徹夜は確かにテンションが上がりますからね。ところで、大崎さんが今までにした徹夜の中でもっともテンションが上がったのは?
大崎 
覚えてないですね(笑う)でも、初めて徹夜したのは覚えてます。高校2年の時に友達と一緒に焼津の海で朝まで騒いでました。何で朝までやってたんだろう?海に行こうぜという話になって、焚き火して、気付いたら朝になってて。その時に撮った写真は、今回の芝居にこっそり使いました。
__ 
徹夜の何が好きですか?
大崎 
何か色んな事が許せそうな気がするんです。心が開くというか。夜特有の自由さってあると思うんですよ。昼は何でもが明るみに出されてしまうから、装備が必要になる。いろいろ覆い隠してくれる夜にいると、自分も夜の共犯者のような気分になってくる。ハイになっているその高ぶりも、眠りに誘われるローさも舞台に上げたいなあと。
__ 
眠さがだんだんと元気に変わるみたいな。そして、何だか気持ち悪い。
大崎 
寝たら全部ゼロになって再スタートですね。
__ 
夜の空気感を舞台上にあげて、どう感じてもらいたいですか?
大崎 
オールしている人たちを面白がってもらえればそれに越したことはないですね。楽しい事は夜にこそ詰まっているんじゃないかと、僕らなりに仮説を立てて作りました。
__ 
楽しかったですよ。後半、朝になるにつれてどんどんテンションが変になっていく彼ら。塾講師・浪人生ペアは最後、ハイになって訳わからん事してましたよね。偶然拾った大金を交番に届ける勇気がなくて、道を急ぐマイケルジャクソンの隠し子にレスラーのふりをして渡そうとしたり。みんな徹夜してたから、一時的に常識が通用しなかったんでしょうね。
大崎 
人間、追いつめられたら何でも出来るっていう可笑しさは好きです。
イッパイアンテナ16th session「オール」
公演時期:2014/2/20~24。会場:芸術創造館。

タグ: 徹夜


二つの意味で透明なモノローグ

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異彩を放っていたシーンがありましたね。渡辺さんの、最後に落語という形のモノローグ。そこだけが具体的にはシチュエーションという訳じゃなかったなと。
大崎 
クールキャッツ高杉が演じた落語家も、劇中、ラジオで落語を口演するんですよ。そのシーンは舞台上で演じられるんですが、だんだんとモノローグへと変わっていく。ラジオはラジオで演じられているんですが二重になっているんですね。そんな彼と一晩一緒にいたインタビュアーの女の子にも、その演じ方が移ってしまう。マイケルジャクソンの隠し子で、本当はキャビンアテンダントの彼女は、普段本音はあまり口に出していなくて。それが落語っていうカタチで、飛行機の客席に向かって自分の事を喋ってしまう。その客席から見ていた一人が近づいてくる。彼は初恋の女の人をようやく見付けたんですね。彼女は彼女で、ようやく自分の事をずっと見てくれていた人に会えたって感じで。
__ 
なるほど。
大崎 
発見してもらう事で面白い物に出会えた。ちゃんと物事を見てる人間はちゃんと他の物からも見てもらえると思います。

タグ: 落語 本音の価値


質問 鄒 樹菁さんから 大崎 けんじさんへ

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前回インタビューさせていただいた、ツォウさんからです。
大崎 
おお!知り合いです。
__ 
ジャンケンのグー・チョキ・パー。どれが一番好きですか?
大崎 
グーです。勝った時、一番気持ちいいじゃないですか。

ポジション

__ 
今回、クールキャッツ高杉さんは最終的に裸にコート一枚という格好になりますね。
大崎 
あれは劇中でプレイされていた「ポポロクロイス物語」の主人公の格好なんですよ。緑コートに金髪。
__ 
あ、そういえば。
大崎 
山本・村松演じる幼なじみは、劇中ずっと部屋の中でゲームしているんですけど、最終的に他の登場人物全員がポポロクロイスのキャラと同じ服装になります。それは本人たちも自覚していなくて、お客さんしか分からない。そういうおいしいポジションをお客さんに味わってほしいと思ってます。例えば「男はつらいよ」では、渥美清の本当に辛い顔は妹の桜しか知らないのに、見てる人は知る立場にいる。寅さんは、東京じゃ絶対見せないような格好良い表情で旅をしていて、彼が関わった誰かが彼の行動の余波で涙を流したりすることもある。すべてを見られるポジションを観客に提供するのが大事なんだろうと思っています。それと同時にまあ、いろいろと好きに想像してもらって。

退屈な時代の歩き方

__ 
いつか、どんな演劇を作りたいですか?
大崎 
お客さんが劇場出たあともしばらく退屈しないような、、、普段の生活が面白くなってしまうぐらい。一年くらい前に、「暇と退屈の倫理学」という、國分功一郎さんという哲学者の方が書いた本を読んでそれがすごく面白かったんですけど。人はいかにして退屈とつきあっていくのかを考えてみるという。
__ 
暇を有意義に過ごす方法という事でしょうか?
大崎 
その本には解決策は書いてないんです。それぞれ全てのケースが個別で特殊な問題だから、答えなんて出しようがない。でも、退屈ってのはなかなか恐ろしいものだという仮説があって。僕の芝居に出てくる人々は基本的に退屈しているんですよね。その退屈からどう抜け出していいか分からない。退屈な生活が普通の状態だと思いこんで生きている人たち。でももっと楽しく生きられるような状況が作れるんじゃないか。自分の力だけじゃなく、他人の力も借りたりして。見方をちょっと変えるだけで人生を楽しく生きられるかもしれない。楽しく退屈さと付き合う方法があるはずだ。そこに対しては、まだまだ掘り下げたいと思ってます。ヨーロッパ企画さんも、そういうところを見ているんじゃないかなって、作品見ると思ったりします。
__ 
なるほど。
大崎 
パッと見騒いでいるだけのように見えて、その先の希望を見据えているんじゃないか。その上で舞台上でシュールな事が起きても「なんかいいな」ってなっちゃいますね。
__ 
大崎さんにとっては、人生を楽しく生きる事がテーマなんですか。
大崎 
そうですね。それが、逞しく生きていく事なんじゃないかと思います。もののけ姫で、「曇りなき眼で見据えて生きよ」って台詞があるんですけど、なんか心に留まってますね。なかなか自由に生きてくってのは難しくて。ものを見るときにバイアスが掛かったり、思考がどうしても自分を慰める方向に向かったり。それを振り切って楽しくね。
__ 
自分は捉われていると自覚する。
大崎 
なるべく忘れないようにしたいですねえ。ちゃんと物事を見ようってのは、大人にだなという事でもあるし、子供だなという事でもあるんです。それは、「オール」で書きながらも考えてました。
__ 
実存的な、リアルな生き方。それは確かに逞しい生き方ですね。ただ、人によってはマッチョな考え方だととられるかもしれない。
大崎 
いやあ、楽しく生きていくってのはどこかしらマッチョなんじゃないかなあ。言い方変えれば、楽しく生きることとか、自分の好きなことにたいしてマッチョな人はほんとにイキイキしてると思うし、僕はそういう人を素敵だと思う。子供って遊ぶことに対してマッチョだと思いますし。ただ、こだわりというか好き嫌いというか、善悪というか、意志をはっきりすると損することもあるのが世間ですから。こだわりを持ったまま楽しい方向にするっと抜けれるのが逆にストイックでいいんじゃないですか。マッチョマッチョ言ってますね。マッチョってなんでしたっけ?
ヨーロッパ企画
98年、同志社大学演劇サークル「同志社小劇場」内において上田、諏訪、永野によりユニット結成。00年、独立。「劇団」の枠にとらわれない活動方針で、京都を拠点に全国でフットワーク軽く活動中。(公式サイトより)

タグ: 知識を付けよう 下らなさへの礼賛 正体不明のエネルギー