質問 坂根 隆介さんから ヰトウホノカさんへ

Q & A
___ 
前回インタビューさせて頂いた坂根さんから質問を頂いてきております。「3年後、あなたはどうなっていると思いますか?」
ヰトウ 
3年後。23歳かあ。普通に働いているかもしれない。でも、演技や体を動かす表現はしていたいですね。ドキぼでの活動は続いていると思います。いてほしい。
___ 
私も続けてほしいです。
ヰトウ 
ありがとうございます。

タグ: X年後のあなた


わがまま、欲張り

___ 
ヰトウさんにとって、表現って何ですか?
ヰトウ 
私にとってはなんですが、「わがまま」だと思います。演出家のその時の手法によると思うんですけど、わがままを押し通して自分の表現をして、評価を頂くものだと思っています。
___ 
では逆に、もしヰトウさんが演出家として演劇を作るとしたら、どんな作品になると思いますか?
ヰトウ 
私は欲張りで色んな事に興味を持ってしまうので、演劇らしい演劇じゃないかもしれない。舞台でやられるのって、演劇かダンスじゃないですか。それ以外のジャンルの表現、例えば絵画とかを舞台にぎゅっと凝縮したらどんな形になるんだろう。ある種実験的な、カオスな事になるんじゃないかと思います。

タグ: カオス・混沌


羞恥心

___ 
俳優として、いつか、どんな演技が出来るようになりたいですか?
ヰトウ 
稽古場で本間さんに「お前にはまだ恥がある」と言われてて。いつか、そんな恥をとっぱらって、ウェゥァーみたいな演技が出来るようになりたいですね。
___ 
恥。
ヰトウ 
それに自覚があるから、自分でも直していきたいです。
___ 
それはきっと、羞恥心が演技にノイズを与えているという事だと思うんです。自分の演技への理解度を上げる事こそが重要かもしれませんね。
ヰトウ 
そうかもしれないですね。ありがとうございます。
___ 
今後、どんな感じで攻めていかれますか?
ヰトウ 
芸能人って、歌って踊れて演技が出来る人ってたくさんいらっしゃるじゃないですか。私は歌えないのですが、身体表現という事なら演技もダンスも出来る(ポップなダンスはした事がなくて、コンテンポラリーダンスなんですけど)、そんな役者になりたいです。

タグ: ダンスに興味あり いつか、こんな演技が出来たら 今後の攻め方


おにぎりランチボックス

___ 
今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントを持って参りました。
ヰトウ 
えっ。ありがとうございます。(開ける)かわいいー。おおー。稽古場に持ってきます。

タグ: プレゼント(食器系)


舞台と私

__ 
今後、坂根さんはどういう風に演劇と関わっていきたいですか?
坂根 
まだ考えている段階で、難しいんですけど。役者としては、色んな公演を見て吸収して、沢山の作品に出られるようにしたいです。そこでの経験を自分の劇団に持ち帰って。色んな事が出来る役者になりたいですね。ちょっとでも多くの人に見てもらう環境作りも必要ですね。
__ 
素晴らしい。
坂根 
映像スタッフとしても、自分の技術を充実させたいです。舞台の表現とは違う表現ですよね。舞台記録映像のスタッフとして参加させてもらったり、舞台用の効果映像にも手を出そうとしています。この4年、色んな事をやってきたんですが、これからは役者と映像に絞って活動していきたいです。

タグ: 色んなものを吸収 映像の現場 外部活動を持ち帰る


ターニング・ポイント

__ 
坂根さんが演劇を始めたのは、どういう経緯があるのでしょうか?
坂根 
中学の頃に特撮を見たんです。僕らと同じ年代の子役が、今見たら下手な演技なんですけど、泥まみれになりながら芝居しているんですよ。僕はその当時、剣道ぐらいしかしていなくて。自分は何もしていない、何かしたいなと思いまして。
__ 
なるほど。
坂根 
自分の演技を見た人にとって、それがターニングポイントになるような、そんな表現がいつか出来たらなと。それが、僕が演劇に関わっている根本ですね。
__ 
そんなに変えられたんですね。坂根さんは。
坂根 
いや、見返したらやっぱり技術的には上手じゃないんですよ。でも、そこで必死に立っているという事が分かるんです。平凡に夢もなく生きて、普通に生活出来たらと思ってた中学生だったんですけど、泥まみれで山の中でロケしてる姿をみたら、何でこの人達はこんな事をしているんだろうと考えだして。俺はなんで剣道しかしてないんだろうと。高校2年から、俳優養成所に通いだしました。

タグ: ターニング・ポイント


ドキドキぼーいずの恋煩い#03「だらしない獣」

__ 
今日はどうぞ、よろしくお願いします。最近、坂根さんはどんな感じでしょうか。
坂根 
最近は、自分たちの劇団、ドキドキぼーいずの本番の稽古ですね。あと、外部での映像の仕事があります。ちょこちょこ撮らせてもらっています。
__ 
次回公演、「だらしない獣」ですね。
坂根 
今回は今までとは少しテイストが違うんです。これまでの作品は僕らの年代から出てきたものが元だったんですが、今回は民話や、昔の民衆の生活を元に台本を書いてみようという事になりまして。
__ 
どんな題材でしょうか。
坂根 
俗習や差別問題から始まって、それが現代ではどうなっていて、人間が結局どういう存在なのかを考えていたんですが、稽古を重ねる毎に表現の仕方が変わっていって。今はそれを作っている段階ですね。僕の役柄はまあ、欲深い愚かな人間の代表です。今までずっと、小劇場で芝居していたんですが、京都府立文芸の大きい舞台でどういう表現が出来るのか、僕らにとっても大きな挑戦ですので。
__ 
楽しみです。
坂根 
僕らも再旗揚げして、もっと沢山の客層の方に共感してもらいたいなあと思いまして。それで京都演劇フェスティバルに応募させてもらいました。
__ 
色んな層のお客さんに会いたい?
坂根 
はい。ドキドキぼーいずの良さは、やっぱり若さなんですよね。それこそ20代前半の。若いからこそ、実は多面的に物事が見れるんじゃないかと思うんです。旗揚げをしたばかりなので、柔軟に様々な方法を試せますし。
ドキドキぼーいず
2013年、代表である本間広大の学生卒業を機に再旗揚げ。京都を拠点に活動する若手演劇チーム。虚構性の強い演劇を目指し、『リアル過ぎる嘘っぱち』の創作に挑んでいる。生み出されていく衝撃を、時に優しく、時に激しく、作品として観客に提示することで、人間の本質を描き出す。いつまでも青臭い、カワイイ奴らでいたい。(公式サイトより)
ドキドキぼーいずの恋煩い#03「だらしない獣」
公演時期:2014/2/15。会場:京都府立文化芸術会館。

タグ: ユニークな作品あります 若さの価値


行かなくちゃ、行かなくちゃ

__ 
坂根さんが考える、ドキドキぼーいずの良さとは。
坂根 
ここ最近は、ネガティブな感情や意見を表現する事もあるんです。見て頂いたお客さんに、何か考える材料をあげられる。そんな劇団である事ですね。
__ 
なるほど。去年の7月の「夢の愛」を拝見しました。大変面白かったです。
坂根 
ありがとうございます。
__ 
主人公の女の子の、訳の分からないけれどもどこかに飛び出していきたいという勢いと、それが流れるように時間を浪費する結果となった、という絶望的な未来が、希望がない感じで良かったですね。
坂根 
言ってしまえば、大学を卒業して1年後の公演で。みんな、将来への不安がある状態だったのでああした作品になりました。稽古も大変でしたけど、僕らのリアルが出た作品だったと思います。
__ 
ドキドキぼーいずで、坂根さんはどういう働きをすれば理想的ですか?
坂根 
演出の本間が、役者達から出てくるものを元にして作るというスタイルなんですよ。だから、自分の身体や表現で、「これ、面白いな」と思ってもらえるものをどんどん増やしたいなと。まだまだ自分の世界は狭いので、色んなものを取り入れたいです。
ドキドキぼーいずの再旗揚げ♯01 『夢の愛』
公演時期:2013/7/24~28。会場:KAIKA。

タグ: 家出についてのイシュー


質問 西分 綾香さんから 坂根 隆介さんへ

Q & A
__ 
前回インタビューさせて頂いた、壱劇屋の西分さんから質問です。「お芝居を続けていく上で、芯に置いておかないといけないものは何ですか?」
坂根 
伝えるという意識。何を持って何を伝えるのか。表現って、伝えたい事を言葉で説明するチャンスは無いですし、直観的に伝わるものはないと思うんです。自分達の伝えたい事にずっと向き合って考え続けていかないと、どれがベストチョイスなのか探し続けていかないといけないんですよ。そういう姿勢であるべき、のかなと僕は思います。

大学は、ヒントを得る場所にすぎない

__ 
どれが正解か分からない。何故かそうですよね。同じ作品でも本番なんて全て違う。
坂根 
全く違いますよね。劇場全体の空気感や、温度や、俳優の体調みたいな些細な事から全然変わってくるんですよね。舞台ってナマ物ですよね。だって、小さい事の全てが全体を構成していて、どれが一つ欠けても作品にはならない。
__ 
そのうえ、それが完成品とはいえないし、まして良いものとは限らない。時間を巻き戻しても同じものにはならない。
坂根 
理想には近づけるかもしれませんけどね。でも何回やってもちょっとのずれはあるんだと思います。
__ 
そういう不確実なメディア、なんですよね。それを、造形大では学ばれた?
坂根 
僕は、大学はヒントをくれる場所だと考えているんですよ。舞台芸術はこのようなものだよ、昔はこういうものだったんだよ、という知識を教わって、じゃあ僕らはこうしてみよう、こういう仮説を立ててみよう、というのが大学でやるべき本当の事なんですよ。だって、そういう仕事なんだから。学校はそこには責任を持ってくれない。先生も見に来てくれるけれど、それも先生の好みだったりするし。それを鵜呑みにするべきじゃなくて、僕らが考える材料を貰っているんです。
__ 
自分達の価値観の根拠を明確にしていく事で、自分達の考える「よいやり方」が研鑽されていくんですね。それはもしかしたら、本番の舞台上でも磨かれていく。

タグ: 空気感を大切にした


攻める

__ 
いつか、どんな演技が出来るようになりたいですか?
坂根 
身長があるので、存在感のある芝居だったりとか。筋力がないので、メリハリのある芝居が出来るようになりたいですね。個人的に、佐々木蔵之介さんみたいな芝居がいつか出来たら、と思います。
__ 
今後、どんな感じで攻めていかれますか?
坂根 
拠点が京都なので、京都での公演は今後もしていくんですが。京都から出て芝居をやっていきたいなと思います。活動の幅をどんどん広げていきたいと思います。個人的にも、劇団としても。

タグ: どんな手段でもいいから続ける いつか、こんな演技が出来たら 今後の攻め方


木皿

__ 
今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントがございます。どうぞ。
坂根 
ありがとうございます。(開ける)あ、かわいい。是非使わせて頂きます。すごく嬉しいです。
__ 
深さがちょうどいいと思うんですよ、そのお皿。個人的に欲しいです。
坂根 
いま、家にお皿が少なくて、食器を買わなくちゃと思ってたんですよ。

タグ: プレゼント(食器系)


「Lumiere Dungeon」からの脱出

__ 
今日はどうぞ、よろしくお願いします。最近、西分さんはどんな感じでしょうか。
西分 
この間壱劇屋が終わって。もうすぐなんですけど、2月の短冊ストライプさんの公演に出させて頂くので、その稽古ですね。その裏で竹村さんも本番なんですよ。今日から行ってきます。
__ 
もうじきですよね。
西分 
そうですね、これから追いつかないといけないので。
__ 
「Lumiere Dungeon」もお疲れ様でした。
西分 
ありがとうございます。インタビューの特集もありがとうございました。普段、こんな話はしないので。みんなどんな事考えているのかしれました。
__ 
良かったです。
西分 
だいぶ興味深かったです。みんな嬉しそうでした。
壱劇屋
2005年、磯島高校の演劇部全国出場メンバーで結成。2008年より大阪と京都の狭間、枚方を拠点に本格的な活動を開始。主な稽古場は淀川河川敷公園で、気候や時間帯をとわず練習する。マイムパフォーマンスを芝居に混ぜ込み、個性的な役者陣による笑いを誘う演技にド派手な照明と大音量の音響と合わせ、独自のパフォーマンス型の演劇を行う。イベントではパントマイムやコントをしたり、FMラジオにてラジオドラマ番組を製作するなど、幅広く活動している。(公式サイトより)
劇団壱劇屋 第22回公演『Lumiere Dungeon』
公演時期:2014/1/22~24。会場:門真市民文化会館 ルミエールホール 大ホール。
短冊ストライプROCK「無責任ランナー」
公演時期:2014/2/7~8。会場:in-dependent theater 1st。

もう一度、ダンジョン探検

__ 
実は「Lumiere Dungeon」、最初の方を見逃してしまいまして。劇場を回るツアー形式だったそうですが、どんな感じだったんでしょうか。
西分 
第一部は、お客さんに二手に分かれてもらって劇場を探検するんです。ダンジョンを探検する姉妹(私と小刀)と、警備員(山本・河原の二人組)のグループに別れて。「あなた達もダンジョンに行くの?そんな装備じゃ心配だから私たちが一緒に着いていってあげるわ」みたいな。警備員チームは新人研修という形で。お客さんに協力してもらって警備員達から隠れたり、追っかけたり。
__ 
めちゃくちゃ面白そうですね。
西分 
でもめっちゃ緊張したんですよ。打ち合わせしてる時はユニバみたいやとか言ってたんですけど、いざやるとものすごい緊張して、案内役の4人とも、これからまだ本番があると思うとぐったりしてました。楽しかったですけどね。お客さんとあんなに喋った事ないし。喋った分めっちゃ緊張しましたけど。多分、DVDには入ります。
__ 
良かった!楽しみです。お客さんも協力的だったんですね。
西分 
ホンマにそうでしたね。誰も全然乗って来なかったらどうしようと思ってましたけど、第一部も楽しんでもらえて、第三部の最初の移動も、想定してたよりめっちゃ早く動いてもらえて。時間が余っちゃいましたね。
__ 
そうそう。余った尺を、山本さんと竹村さんのフリートークが繋ぎましたね。
西分 
そうなんですよ。想定外の余り方で。ホンマにありがとうございました。
__ 
ツアー演劇、いいですよね。
西分 
結構、ウチは客席に絡む事もあるので。ある意味その究極的な形でしたね。再演はもう出来ないと思うんですけど、いつか別のダンジョンに行きたいですね。
__ 
素晴らしい。
西分 
今回は劇場さんの全面協力だったんですけど、普通だったら絶対怒られるような事めっちゃやってるんですよ。でも、優しく「いいですよ」と言って頂いて。何でもやらせてもらった感じです。
__ 
一番際どいプランは何でしたか?
西分 
客席の上を手すりを踏んで移動するシーンですね。あれは一応、全部養生テープを貼ってるんです。でも直前になって、「これはあかんちゃうの?」という事に気付き。でもどうしても、絵的にやりたかったので。許可は頂いたんですが・・・。本番も、小屋の方の視線にハラハラしてました。暖かく見守っていただいて。

タグ: ツアー演劇の可能性


壱劇屋の作り方

__ 
今回の反省点を教えてください。
西分 
ホールが大きくて、最初に客席を見たときにすごい沢山やりたい事が出てきて。舞台上もセリと緞帳を使っていいと言って頂けて。その大きいものと戦う準備期間が、もっとあったらなと思いますね。結構、削ったネタもあるんですよ。その中でも、大ホールじゃないと出来ないネタもあって。
__ 
というと。
西分 
全員で、色んな乗り物でレースするというのがあるんです。自転車、キックボード、ローラーブレード、一輪車、缶ポックリや三輪車とかで。もう、上演時間の関係で削らざるを得ませんでしたね。
__ 
なるほど。
西分 
そういうのも含めて、もうちょっと推考する時間もあったらなと。大きければ大きいほどやりたい事も制限も増えるので。
__ 
稽古期間がなくなりつつあり、しかも台本が上がってない、なのに削るネタがあったというのは驚きですね。
西分 
ウチの作り方でしょうね。とにかくパフォーマンスを先に作るんですよ。本がたとえ進んでなくてもとりあえずストックをいっぱい作って、大熊さんの本にはめていくという感じなんです。
__ 
なるほど。
西分 
だから消えるネタもあるんです。順番が逆なんですけど。文章が先じゃなく、動きが先にあって、それを大熊さんが横目で見ながら台本を書くんですね。ただ、客演さんにはそれは不安だったでしょうね。その点はめっちゃ申し訳なかったです。
__ 
一度、時間を掛けて作品を作る壱劇屋を見てみたいですね。
西分 
それはホンマそう思いますね。そういう意味では、次の6月公演は。期間があるし、HEPやし、みんな気合い入ってると思うんですね。変な言い方、小劇場すごろくの一個目の階段なので。予定を2ヶ月あけて、じっくりと全員で向き合って作る作品になりそうです。

タグ: 反省Lv.4 会場を使いこなす


決める

__ 
西分さんが演劇を始めたのはどんな経緯があるのでしょうか。
西分 
高校2年に、演劇部に誘われてお手伝いしたのが最初です。実はそこに四方さんもいて。四方さんは学校の有名人で、プレゼンテーション大会でクラスの代表として出てたんですが、明らかに四方さんだけ空気が違ったんですよ。お芝居をテーマにしたプレゼンで、良く言えば異色の、悪く言えば浮いてるぐらいの。変わった子おるなと思ってたら、演劇部の友達が人手がいないから手伝ってと言われたので。
__ 
なるほど。
西分 
でも、高校演劇の2年間で演劇は辞めようと思ってたんですよ。もう一度始めようと思ったのはピースピットのHYTですね。
__ 
節目があるんですね。
西分 
節目ごとに、何回も辞めようとは思ってるんですけどね。就職の途中でもう無理だと思った時もあったし。でも、壱劇屋に入って、今はもう続けようと決めましたね。
__ 
壱劇屋に入ったのはどんな経緯が。
西分 
HYTのメンバーに竹村さん安達さんがいて、仲良くしてもらって。第7回公演に見に行って、面白くて。それで一緒にやらへんとなって。第9回公演からずっと出て、でも劇団員じゃないというポジションでしたね。普通に就職するつもりやったんで、自分はいつかやろうと思ってたんです。「新しい生活の提案」という作品の時に、同じような立場だった坪坂さんと話したんです。私たちは、このまま就職して壱劇屋に関わらなくなった時に、後悔するんじゃないかと。この人達は面白いし、上に行く人達だと思っているんです。どうなるとしても見届けられないというのは嫌だなあと。端っこでもいいから見ていたいと。坪坂さんとそういう話をして、腹を決めたんです。3年半ぐらい迷ってたんですね。最終的には見届けられる人になりたいなと。
劇団 壱劇屋 第16回公演『新しい生活の提案』
公演時期:2012/2/10~12。会場:LOXODONTABLACK。

タグ: 高校演劇 迷っています ピースピット もう、辞めたい


意気込まない力

__ 
西分さんが舞台で好きな瞬間はどんな時ですか?
西分 
やってる間はアドレナリンが出まくってるからか、一瞬で終わっていく感じですね。無心になってます。でも、始まる前と終わる前が好きですね。
__ 
というと。
西分 
袖中からお客さんの声が聞こえる、いよいよ始まる瞬間。みんなの集中がガッと高まる、血がひいていく感じ。と、終わって聞こえる拍手もそうだし。一気に温度が変わるように思うんですね。
__ 
つまり、舞台に立つのが好きなんですね。
西分 
好きですね。でも私、始まる前はものすごい緊張するんですよ。一人でオエオエ言ってます。でもやるしかない状況になって、それがちょっとでも認めて貰える事が嬉しいですね。
__ 
なるほど。壱劇屋の本番が始まる前の、出演者の方々の心境を想像したんですが、ちょっと独特なものがありますよね。普通は稽古場で飽きるほど同じ演技やパフォーマンスを研鑽して、それをようやく上演するのに、壱劇屋は、舞台上でやることの手はずが整っているだけの抜き身の状態で行くんですね。それは良い効果が出てると思うんですけど。
西分 
ヨソやったら、一人一人集中する時間があると思うんですよね。ウチは、何も不安がないというぐらい練習している訳ではないからか、本番前も割と全員で喋っているんですよ。変にピリッと感が生まれにくいですね。始まる前とは思えないテンションでヘラヘラしてますね。集中してる人もいますけど。もうすぐ始まってから出番の間にご飯食べる人もいますね。
__ 
素晴らしい。
西分 
絶対失敗したらあかんぞとか、稽古通りにやらなアカンとかいう意気込みはあんまりないですね。なるようになるし、ならなかったら何とかせなあかんし。家族より一緒にいるので、変な意味で全員対等なので。
__ 
そういう雰囲気は動画日記からも伝わりますね。
西分 
あれは大丈夫なのかと思いながらやってます(笑う)ホンマに酷い回も、そこそこおもろい回もあるんですよね。でも、人となりを知って貰えたらと思いますね。すごい量なので。

タグ: アドレナリン 拍手についてのイシュー 舞台が始まる直前の緊張感


世界一緊張感のない劇団

__ 
壱劇屋で犯した最悪の失敗を教えてください。
西分 
「BlackSpace」という公演で、お芝居の中で焼きそばのUFOを作って食べながらやるパフォーマンスがあるんですよね。私、UFOを作った直後にひっくり返しちゃって。一瞬で舞台上にUFOが散らかって、わーってなってたらみんながすぐ寄ってきて、全部容器に放り込んでさーっといなくなる。息止まりましたね。その後袖で大熊さんにお前何やっとんねんって怒られて、「うわすみません」ってヘラヘラって謝って。その一連が数秒の間にあって、舞台は生物だなと思いましたね。
__ 
なるほど。
西分 
ウチの悪いところでもあるんですけど、誰かがミスしてもあんまり怒らないんですよね。笑い話にしちゃうんです。だから「ダメ出し」というのはなくて、「反省会」なんですね。車座になって、「はい何かあった人」って言って。事故に繋がるものは注意しるんですけど、誰かが段取りを間違えたぐらいだったらネタにしてますね。誰々さんが小道具出すの忘れててあれは困りますわ、みたいな。全員が全員のダメを出して、割と対等に言い合うんで。そのあたりはいい影響はあるかもしれませんね。お芝居って、絶対どこかで失敗するんですよ。100点では終わらんなあと。そういう、どうしても起きてしまうミスを「あいつやりやがった」ってピリピリして注意するんじゃなくて、面白い事が起きてるぐらいに思ってた方が、後々余裕が出来るんです。そっちの方が、多分いいなと。ウチは段取りが多いし、でも、だからこそミスは後々取り返せるし。
__ 
そうした空気感は大切ですね。
西分 
これが悪い方向にはならないようにしないといけませんね。ミスした人はちゃんと反省して、でも周りは許せるような。

タグ: ヘラヘラ笑う俳優 失敗を許容する社会


プライド

__ 
西分さんにとって、優れた俳優とは。
西分 
最近考えているのは、プライドがある人。それは悪い意味じゃなくて、客観性とか、向上心とかを含んだものですね。自分がいま舞台に立っている事、お芝居全体における自分の存在を客観的に捉え、プライドを持って役割を果たせる人。惰性でも自己顕示欲でも言いなりでやっている人でもなく、自分のプライドでやっている人。そういう人が優れているんだと思います。それは難しいと思うんですけど。たとえば、ウチは段取りが多いんですが、それでもなお自分の役柄と向き合ってプロデュースしないと行けないんですよ。キッカケも段取りも多いし、目先のテクニカルな部分に気を取られがちなんですけど、でもお客さんは統率の取れた動きを見に来ている訳じゃなく、作品を見に来ているので。その段取りをこなすのは当然とした上で、どれだけ自分という人間をパーツとして作品の中に存在させるか。今回なんかは特に、そういう事を思いました。
__ 
プライド、ね。個人の自尊心だけじゃなくて。
西分 
自尊心だけだと、下手したら壊しちゃうと思うんですね。やらなくていいことを屋ってしまう、みたいな。そうじゃなくて、自己プロデュース。自分を分かった上でコントロール出来る人ですね。そういう意識を高く持って、責任を負えるようになりたいです。その為には鍛錬がいるので、次回までの準備期間の課題ですね。

タグ: 自分の演技を客観的に見る


変わっていく

__ 
これは自分を変えた、最大の経験を教えてください。
西分 
3年間ぐらい仕事をやりながら壱劇屋を続けていましたが、この年末に仕事を辞めた事です。両立している人もいて、私もそこを目指したかったんですが、どっちにも迷惑を掛けていて。自分の今まで歩いてきた人生とは違うし、仕事を辞めて大丈夫なのかと悩んだんですが、一回辞めてしまったら、何でしょう、視点がやっと定まったというか。落ち着いてやれる環境になったんですね。精神的な負担が消えるだけでこんなに違うんですね。どの選択肢を選んでも後悔は必ずあるんですけど、将来的に後悔を上回る実績を持てたらと、今は前向きです。ここまでしたからには、変わらないと行けないので。果たしていけるように何とかしたいです。
__ 
良くなるように西分さんも壱劇屋も変わっていくんだと思います。
西分 
そうですね。良い部分は残した上で変わっていきたいと思います。

タグ: 社会人俳優についての考察