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市川 
これは最近の問題じゃないですけど、「客が生きる」という事を考えています。上演時間が6時間の作品を以前作った事があります。それは、お客さんに何をしてもらっても良いんですね。
__ 
というと。
市川 
劇場にお客さんが来る訳じゃないですか。そこに携帯を切れとか喋るなとか、横暴じゃないですけど、何か死ねと言っているような気がする。だから、生きるという事を考えたいなと思ったんですよね。俳優に与えられる二択が、観客にもあるんじゃないかなという気がします。喋るか、黙るか。一番いいのは、客席でも何かが作られ、舞台が客によって作られていくという事態が生まれれば、自由さに行きつけるんじゃないかという気がします。

タグ: 観客との関係性 会場を使いこなす


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演劇を始めた経緯を教えて下さい。
市川 
アルベール・カミュが好きで、カミュになりたかったんですね。どうすればいいかというと、カミュがしていた事をすればいいと。どうやらカミュは演劇をやっていたらしい、と。大学入学と同時に、演劇を始めました。西一風に入りました。その時は演出という役割があるとは知らなかったですね。佐々木君や築地さん、先輩に高田ひとしさんがいました。
__ 
いつか、どんな演劇を作りたいですか?
市川 
「ルーペ/側面的思考」という6時間ぐらいの作品を、出町柳のカフェギャラリーで上演したんです。俳優6人でシフトを組んでやっていたんですが、ほとんどお客さんが来なくて。僕はそこでコーヒーを飲みながらずっといて、すごい時間だなと思っていました。
__ 
素晴らしい。
市川 
地下でやっていたんですが、もう皆が普通の生活を送っている地上と全く無関係の、何か異様な時間が流れていたんです。あれはあれで、一つのやりたかった事だろうと思っています。何からも隔絶しているけれど何故かあるもの。それを、ちゃんと客が来る状態でやりたいですね。
__ 
隔絶したものをお客さんに見せて、どう感じてもらいたいですか?
市川 
何もしなくて良かったんだ、かな?いや、何かしなくちゃ行けない必要な事、それは何もなくて偶然ここにいるだけなんだなと。ただそれだけの事だと考えてもらいたいのかなあ。でも、あまり、どう感じてもらいたいとかはあまり無いですね。同調も求めないし啓蒙もしないし。でも、空間として美しいものを欲望されたら、いいなあと。
デ・3「ルーペ/側面的思考法の発見」
公演時期:2012/6/8~13。会場:Gallery near。

タグ: 観客への思い ファンタジー オーガナイザーの企み


質問 阪本 見花さんから 市川 タロさんへ

Q & A
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前回インタビューさせて頂いた、浮遊許可証の阪本見花さんから質問を頂いてきております。
__ 
「過去・未来問わず、何歳の自分と会って話してみたいですか?」
市川 
18歳、大学入学時代ですね。演劇はやんない方がいいんじゃないかと。入学当初は在学中に小説の賞を取ろうという気でいたんですが、賞の時期がすべて公演と被っていて、7年間もチャンスを逃してしまったので。忠告しにいきたいですね。ほどほどにした方がいいと。

○○○○

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市川さんにとって魅力のある俳優は。
市川 
良く見える俳優はいいんじゃないかなと思いますね。人間って基本的には消えているものだと思っていて。でも、たまに変な人がいて。今想像してるのは前田愛美さんなんですけど。こんなに、存在感が異様に立っている人がいるんだと。それは凄いなって思いますね。怖い。

タグ: 前田愛美さん


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生まれて初めて「面白い」と思った経験を覚えていますか?
市川 
小学校1年の頃、交通事故に遭ったんですよ。面白い話かはわかんないですけど、近所の友達と蛇苺を摘みにいって、何個集めたか数えようとしたら道路に出てしまって、パッと見たら赤い車が走ってきて、弾き飛ばされたんです。手の中で蛇苺が潰れてしまって、地面に倒れながらそれが何個だったのかずっと気にしているんですよ。今でも引っかかっていて。運転手が出てきて「大丈夫か」と言ってきて、小学生が轢かれて真っ赤になっているのにそんな事が言える運転手が今思えば凄いなあとも思うけど。
__ 
その疑問が今でも引っかかっているんですね。それはきっと、蛇苺が潰れた事と強く関係していて。分析する訳じゃないですけど、潰れた苺に、ひかれてしまった自分を投影していて、「何個だったか」という質問を反芻する思考は手の中でぐちゃぐちゃになった蛇苺の光景をなぞっていて、それは生きている自分の生を裏側から確かめる行為なのかもしれませんね。
市川 
数えるのは苦手なんですけど、なぜか気になるんですよね。そういえば大学4回生の頃の作品で、沈黙劇なんですけど、女がずっと指の数を数えるシーンがあるんです。ト書きだけやたら豪華な作品で、指の数を数えたらいつか数が変わるんじゃないかという描写でした。

タグ: 赤色


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今後、どんな感じで攻めていかれますか?
市川 
まずは、劇研での公演を作ります。とにかく作品を作ろうと思います。

タグ: とにかく作品を作ろう


動物型のマグネット

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今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントを持って参りました。
市川 
ありがとうございます。(開ける)これは。
__ 
動物のマグネットですね。
市川 
結構リアルですね。ダチョウいいっすね。渋いフォルムしてますよね、やっぱり。


舞台映像という仕事[1]

__ 
今日はどうぞ、よろしくお願い致します。舞台映像家の武信さんにお話を伺います。武信さんは最近、どんな感じでしょうか。
武信 
よろしくお願いします。最近までバタバタしていたんですが、先日、ようやく今年最後の撮影が終わりました。後は編集だけです。AMGという、声優タレント学科の授業公演でした。
__ 
お疲れ様でした。初歩的な質問なんですが、舞台を撮影する場合、全てのステージを撮るのですか?
武信 
大体は2回まわしが多いです。一回だけだとトラブルがあった時のために差し替え素材として別のステージを撮影することはありますね。僕らの撮影の練習も兼ねて。
__ 
まあ、回による出来というのもありますしね。
武信 
ありますね(笑う)たまに、編集で別の回のシーンを使うこともあります。まあまあ、しょうがないところですね。
SP水曜劇場
SP...STAGE PEOPLE。毎週水曜日午後8時より、演劇人珠玉のパフォーマンスの数々を大阪・中崎町の天劇キネマトロンからUSTREAMにて 配信中。(公式サイトより)

今、手が届く距離にかの人がいる事

__ 
舞台映像を編集するのは、きっととても楽しいんじゃないかと思うんです。演劇作品を映像という形式に移し替えるという、それはそれは難しい作業。きっと、文脈を押さえながらでないと出来ないですよね。きっと、かなり文学的な素養が必要なんじゃないかなと思っているんですが。
武信 
うーん、そうだと思います。僕が客として見た時の、物語の受け止め方を出来るだけ再現していこうと思っています。あんまり客観的にやりすぎると、機械的に映っているだけのものになってしまうんです。淡々と映されているだけじゃなくて、責任を持って誰かの手で再構築したものじゃないと、舞台の持つ「生の良さ」が落ちたものでしかないので。つまり、僕の方に引き寄せたものにはなっちゃいますね。
__ 
演劇をメディア化すると、それは「生の良さ」が落ちたもの、である。確かに、芝居を観客席で見るのと画面で見るのとでは全然違いますからね。それは、ずっと引きの画面で客席後方から撮影した映像と実際に客席後方にいる場合でも、やはり違うと考えています。
武信 
そうです。
__ 
客席にいるのであれば、視覚と注意力と空間把握を総動員すればクローズアップ出来ますからね。照明が照らされている舞台上ならなおのこと。映像だと視界のサイズが同じでも出来ない。そして、単純な映像としての見え方以上に、透過光か反射光かで脳の認識モードが違う、という仮説があるそうで。
武信 
ああ、ありますよね。透過光と反射光の話。透過光だと受動的にみて、反射光だと批判的に見るという。
__ 
そうそう!そうなんですよ。透過光はパターン認識モード、反射光は詳細分析モードと言われているらしいですね。前者は具象像から図形的認識を展開して、後者は抽象的な意味合いへの分析を行う、とか。
武信 
実は、触覚というのもあると思うんです。表現方法としての映画と演劇の違うというものがあって、映画はやはり視覚オンリーなんですよね。もちろん聴覚もありますけど、視覚が一番重要。生の演劇だと、以外と視覚というのは使っていなくて、どちらかと言うと触覚に近いんです。そこにいる存在を楽しんでいる感じというか。感覚が違うんですよね。映像だとまず触覚はないので。面白い映画って、音を消しても何が起こったか分かる。演劇は目をつぶっても、何かが起こっている雰囲気が感じられる。
__ 
そういえば、そんな感覚はありますね。
武信 
そういう現象が何故起こるのかは分からないですけどね。そこが、触覚と視覚の違いでしょうね。映像化によって消えてしまう触覚の代わりに、何を与えられるかというのが、舞台映像としてのテーマです。

タグ: 舞台撮影について 今、手が届く距離にかの人がいる事


舞台映像という仕事[2]

__ 
舞台は、目を瞑っていても分かる場合がある。それはきっと、こうして顔を合わせて話している時と共通している部分があるのではないでしょうか。映像では、共時的なコミュニケーションは行っていない、はず。遅延的でならありうるでしょうが、ナマでは断じて無い。
武信 
そうなんですよ、何かのコミュニケーションをしているはずなんですよ。映像化の段階で、まあそこは諦めて(笑う)。映像ならではの良さをアピールしていこうと思います。

SP水曜劇場、その思い

__ 
SP水曜劇場の立ち上げの経緯を教えて頂けますでしょうか。
武信 
Ustreamが普及し始めて、演劇だとまず竹崎博人くんが劇場の生中継をやり始めたんです。でも僕はどちらかというと生放送よりは編集したものの放送がやりたかったんですよ。しばらくして、自分達で撮った自主映画の上映会をやった時に、スクリーンに流れている映像を同時にUstにも配信したんですよ。それが結構面白くて。もしかしたらこれ、「日曜洋画劇場」のように見えてるんじゃないかと。こんな番組フォーマットもあるんじゃないかと思ったんです。
__ 
なぜ、そういう番組が必要だと思われたのでしょうか。
武信 
生で見れない状況というのは、どうしても演劇にはあって。それは映画も同じなんです。僕が映画を好きになったのって、TVで映画を見て、こんなに面白いものがあるのかと思ったのが最初ですから。だから、演劇でも同じ事が出来るんちゃうかと。面白い作品はたくさんある訳ですから。
__ 
たしかに、20年ぐらい前なら、何でもテレビから興味を持つのが最初でしたしね。
武信 
東京とか大阪にいるとあんまり意識出来ないんですけど、演劇ってそんなに色々なところで見れないんですよ。でも、興味がある人にそれを見せられるような状況を作りたい。個人ベースで出来るのであれば、そうしたいんです。

タグ: Ustreamの話題


触れる機会、その希少さ

__ 
放映する作品のセレクションは、どのようにされているのでしょうか。
武信 
基準とか選定とかは特にしていません。単純に、公演が近くなってきたカンパニーさんから連絡を頂いて、という感じです。「ウチはあまり公演を打たないので、宣伝にしたいんですが」と。最初の頃は、僕が撮影した舞台で、僕が好きなものを放送してたんですけど、最近は依頼が多いですね。基本的には本公演の宣伝ですね。
__ 
何か素敵な基準があるのかなと思っていました。
武信 
やっぱり、作品の面白さを決めるのはお客さんなんですよ。だからランキングを付けたりとかは絶対しないようにしていますね。
__ 
SP水曜劇場をご覧になった方に、どう思ってもらうのが理想ですか?
武信 
世の中にはこんなに面白い演劇がたくさんあるんだ、こんなに面白いのがあるなら自分で探して見に行ってみよう、と思ってもらえたらそれが理想です。楽しい事はいっぱいあるよ、と伝えたい。
__ 
面白いものはいっぱいある。そうですね。
武信 
田舎に住んでいると、演劇に触れる機会なんて単純に少ないんですよ。思っている以上に個人の格差はあるんです。東京大阪に住んでいると「演劇なんて普通にあるでしょ」って思ってしまうけれど・・・
__ 
むしろ少ないくらいだと思っているぐらいですね。
武信 
実は、全く触れる機会のない地域がほとんどなんです。都会に住んでいても仕事や子育てで劇場に行けない事もある。みんなの状況はバラバラなんですけど、観たいと思っている人全員に機会があるのなら、そっちの方が楽しいんですね。オタクの発想ですけど、自分の好きなものが身の回りにいっぱいあると嬉しいんですよ。聖地のように祭り上げておくか、みんなで共有するかだったら、僕はみんなでワイワイした方が面白いし、そうしたいなと。

タグ: 演劇のない地に演劇を現出 生き方と世の中の為に動く


舞台映像という仕事[3]

__ 
では逆に、映像にしないと伝わらない演劇の魅力って何かありますか?
武信 
まず、物語を解析的に見せるという事でしょうか。「こういう脚本で、この登場人物がこういう出方をしますから、こういう風に思って下さいよ」というような。物語を見せる上での誘導が、映像ならしやすいと思います。
__ 
それってもしかして、メディア化した演劇全てに共通するかもしれませんね。漫画化とか、小説化とか。
武信 
そうですね。とりあえず映像なら、アップにする・引きにする事で、何を強調するかが簡単なんですよね。まあ、それしか出来ないといえば出来ないんですけど。見せたくないものは引くし、見せたいものはアップにする。作家さんが見せたかった物語の運びに寄り添えるんですね。
__ 
ちょっとまとめさせてください。映像に編集すると、クローズアップによって強調が行える。文脈の表現が端的に行える。それが映像の強みだ。という訳で、映像化された演劇では、物語がその比重を占め得ると言える。
武信 
舞台だと、脚本上に書かれたものが疑似的にではあるけれどもそこで起こっているのを楽しむ感じなんですね。わざとらしいかどうかは別にして。これを映像にすると、それは記録なんです。過去に起こった事の記録。記録は物語と結びつきやすいのです。
__ 
過去の記憶を観るという体験。「どういう事が起こったのか?」という過去方向への認識、つまり反芻・総括をする情報処理が発生する。過去のものだから解釈出来るし、価値観を適用出来るし、物語そのものを相手に出来る。確かに、映像だからこそですね。

質問 延命 聡子さんから 武信 貴行さんへ

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前回インタビューさせて頂いた方から、質問を頂いてきております。延命聡子さんからです。「何歳で結婚して、何人子供が欲しいですか?また、それは何%達成しましたか?」
武信 
結婚していて、子供はいます。29歳ちょうどの時に結婚して、子供は一人います。100%達成してますね。

タグ: 結婚について 結婚したら・・・


舞台映像という仕事[4]

__ 
舞台を撮影するときに、何に気を付けていますか?
武信 
一番気を付けているのは、僕だけの視点にならないようにしています。物語を出来るだけ理解して、そこから離れないようにしようと注意しています。僕の視点は絶対入っちゃうから、でも、物語を分かりやすくするための視点を常に持つようにしています。
__ 
ありがとうございます。具体的な撮り方で言えばいかがですか?
武信 
例えば、役者さんが移動する時にカメラを強引に移動したりしない事ですね。歩くのに合わせること。「カメラが先に動くな、役者が動くからカメラも動くのだ」、という事ですね。微妙なラインの話ですけど。
__ 
あ、何か分かる気がします。ありがとうございます。いつか、こういう作品の映像を撮りたい、というのはありますか?
武信 
具体的なものはないんですけど、色々な舞台の映像を撮影させていただいているので、基本的には網羅してしまっているというか。でも、これまでのやり方が通用しないような、とんでもないものがやってみたいと言えばやってみたいです。

タグ: 観客のクオリア


機会そのものを作るための、いくつかの行動

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今後、どんな感じで攻めて行かれますか?
武信 
SP水曜劇場に関して言えば、あれは継続してなんぼのものだと思っているので、今後10年は続けます。番組を観て、面白いと思ってもらって、劇場に来てもらう為のものですので。まだ3年目、あと7年は続けます。舞台の撮影に関しては、そうですね。ある中堅以上の人たちの、そこそこ物販が見込める場合でないと頼まれない。撮影側も、機材にお金を掛けたい。バジェットの同じぐらいの人たちが段々と固まっていく現象がある。すると若手なんかは機会に恵まれないんです。若い劇団さん達のいい舞台をやっぱり放映したいんですよ。まあ、2000円の若手の舞台って、なかなか行きにくいですから。
__ 
たしかに、それはそうですね。他に予定を入れたかったりしますよね。
武信 
そこをUstだったら解決出来るんですよね。ひたすらクオリティを追求したいというのも分かりますけど。それから、自主制作映画を撮りたいです。映像の人が演劇に興味を持ってもらえるような、その逆に、演劇の人が映像に興味を持ってもらえるような。

タグ: 映画の話題 演劇の入り口を作る 映像の現場 若さの価値 若者支援


新撰 女子算術教科書

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今日はですね、お話を伺えたお礼に、プレゼントがございます。
武信 
ありがとうございます!(開ける)うわあ、何だこれ。
__ 
大正時代の女子生徒向けの算数の教科書のようですね。
武信 
ありがとうございます!古書大好きなので。大切に扱います。
__ 
娘さんもいらっしゃるとの事ですので、ご一緒に楽しんでいただけたら。

タグ: プレゼント(書籍系)


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今日はどうぞ、よろしくお願い致します。坂本さんは最近、どんな感じでしょうか。
坂本 
年末という事もあってバタバタしています。今回、年賀状DMを送ろうという事になったんですよ。お客様に手書きのメッセージを書いています。
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大変ですね。演劇を抜いたらどんな感じですか?
坂本 
実は今年、結婚したんです。なので、式でご祝儀を下さった方や、お世話になった方に年賀状を(笑う)。
浮遊許可証
2003 年活動開始。作演出家・坂本見花によるプロデュースユニット。高い物語性と〈少女的〉というべき独自の空気感を武器に、一貫して良質なファンタジー作品を発表しつづけている。近年は外部提供作品も増えつつあり、坂本見花は2013年よりリコモーションに所属。作家として活動の幅を広げている。

タグ: 結婚について 人脈・コネクションの大切さ


「Sherry,Go home ~フランケンシュタインと赤い靴~」

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前回公演「Sherry,Go home ~フランケンシュタインと赤い靴~」。大変面白かったです。美術品のような印象の作品でした。オーバルシアターの白い部屋に、宇宙の広がりがキュっとまとまった不思議な作品でしたね。その中で、Sun!!さんの存在感が似合っていて、途中から強い違和感を持ち始めて、それをサカイヒロトさんが客席と我々を繋いでいるというか。強い構造を持ち、なんか設定が不確かな少女が出てくるという、矛盾に支えられた作品でしたね。
坂本 
ありがとうございます。嬉しい感想です。サカイヒロトさんが仲立ちというのはまさにその通りで、最近のご自身のWI'REの作品でもサカイさんご自身がお客さんへ語りかける事があるんです。実は、サカイさんには最初はキャストではなく共同演出と美術をお願いしていたんですが、キャスティングが難航して。困っていたところへ「僕がセリフを喋ることもできますよ」と。で、試しに喋ってもらったらバッチリで。
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なるほど。
坂本 
酸素が足りない宇宙船に密航するというのは日常生活では起こりえないシチュエーションなので、いかにリアリティをもたせるかについては話をしましたね。さらに、「Sherry,Go home」では、色々なメタファーを盛り込みました。チェリーパイ、赤ちゃんの声、ラジオ、この宇宙船は何を意味しているのか。
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隠喩が散りばめられている。
坂本 
それらを最終的にひとつの絵としてお客さんに渡す。そうでなければお客さんが混乱するので。最後には、宇宙飛行士がチェリーパイの入っているカゴに耳を当て、ラジオを聴いているかのように宇宙のどこかにある少女の声を聴こうとする、という演技プランが出てきました。流石、でしたね。私が楽しんでましたね(笑う)。
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いいシーンでしたね。
坂本 
サカイさんは演者としてSun!!ちゃんと向き合って感じた事を今度は美術家として作品にフィードバックして作っていかれたんです。サカイさんの中で循環するものが、劇空間として立ち上がっていく過程はとても面白かったです。
「Sherry,Go home ~フランケンシュタインと赤い靴~」
公演時期:2013/9/7~9。会場:オーバルギャラリー。

タグ: キャスティングについて 赤色 宇宙の話 外部活動を持ち帰る


次の瞬間には笑い合っている関係

坂本 
今回は音楽家の方にも入って頂いたんです。ノイズ系の音楽を製作されている、石上和也さんという方です。劇中に登場する重要な音として「遠い星から聞こえてくる赤ちゃんの声」がありましたが、それは宇宙船に乗っている二人にはどうにも出来ないものです。物語を決定づけてしまう要因が、手の届かないところにある。その距離感。本来なら喜ばしい出来事であるはずの「赤ちゃんの生存」によってシェリーは死ななければならない、その残酷さも音に託しました。
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確かに、複雑な感情でしたね。
坂本 
ここは、最後まで完成形が見えなかった。音楽の石上さん曰く、私とSun!!ちゃんとサカイさんの間にはいつ喧嘩するのか分からない緊張感があったそうです。でも、次の瞬間にはすぐ笑い合っている、そんな雰囲気だったみたいです。

タグ: 残酷な演劇 それを揺らしてはいけない