ツメを研ぐ悪魔

__ 
最終的に、上演が終わった時に、観客がどう思っていれば理想ですか?
危口 
今年9月に行った公演の当日パンフレットに、「お客さんに笑顔で『金返せ』と言われたら嬉しい」と書いたんです。会心の笑顔でそんな事を言われるんだったら、いい試みだったんだろうなと。期待していたものとは全然違うけれども、劇場に来た事自体に対して良かったと思ってもらえれば。もちろん、真顔で『金返せ』と言われたら非常にマズいですけど。

タグ: B級の美学 わたしの得意分野 ネガティブ志向 現動力


村を出る

__ 
お客さんを驚かせたい、という意図があるんじゃないかという印象がありました。むしろ、そういう悪意があるのかと。
危口 
うーん。必ずしも驚かせるのが目的じゃないですけどね。でも、前提を崩したいという志向はあります。演劇に関わっている人達が持っている前提ってそんなに強固なのかなと素朴に疑問に思うんです。
__ 
悪意ではなく、疑問がある。
危口 
えーと、これから偽悪的な発言をします。「演劇人口を増やしたい」であるとか「何でこの作品の良さがわからないんだ」とか、そういう発言を多く見ますけど、この世の人々全てが自分と同じ価値観を持ったら、そんな社会は面白いのかと。少なくとも僕はそういう世界には住みたくないですね。そういう人達全員で村作って住んでたら?3000人ぐらいで、みたいな。僕としては、みんなそれぞれの立場で踊ったり仕事したりしてるんだし、個別に自分が立っている足場を、それが生まれ成長してきた歴史も含めて確認していけばいいんじゃないかと思います。
__ 
危口さんは?
危口 
子供演劇という足場が与えられればそこで踊るし、踊りつつも、その足場がどんな構造になっているのか分析するのが好きです。

タグ: 「多様性と受容」への批判


「注文の夥しい料理店」

__ 
危口さんが演劇を始めた経緯を教えてください。また、悪魔のしるしを結成したきっかけは。
危口 
これはもう、完全な事故ですね。(詳しくはこちら
__ 
それにしても、ただただ驚き続けるであろうと思うんですよ、「注文の夥しい料理店」は。
危口 
いやあ、料理の内容や出し方はこだわったんですけど、演技面とか脚本はあまり稽古する時間がなくてぐだぐだだったんです。形式の面白さと料理でなんとか持ったという。
__ 
いやあ、そこはもう・・・出演者の肉がだんだんと減っていく舞台なんて、食い入るように見ると思います。
危口 
悪趣味と言われるかもしれませんね。
__ 
そうした思いつきやアイデアが、仰るように図式化と複数化から導き出されるというのが信じられなくて。悪意がきっとあると信じたくなっているんです。
危口 
あの作品については最初のきっかけとなった一撃がありますね。映画の「ホステル」です。雑誌か何かであらすじを読んだ時に、直感的に、図式としては宮沢賢治の「注文の多い料理店」と同じ作りだなと考えたんです。「搬入プロジェクト」よりも、むしろこのような舞台作品を作る時の方が、建築的な考え方を活かせているように思います。
完全な事故
interview#023 危口統之

タグ: 悪意・悪趣味


質問 小沢 道成さんから 危口 統之さんへ

__ 
前回インタビューさせて頂いた、虚構の劇団の俳優、小沢道成さんから質問を頂いてきております。「1.何故、悪魔のしるしという劇団名にしたんですか?」
危口 
僕が大好きなブラックサバスのある曲の邦題が「悪魔のしるし」で。響きがいいなと思って付けました。(詳しくはこちら
__ 
ありがとうございます。「2.働いている自分と演劇を作っている自分はどのように関係していますか?」
危口 
そこなんですよね。工事現場で働いていると、同僚がすごくいい動きで仕事しているのを発見し、そこから演目を思いついたりする。要するに、わざわざ公民館を予約して稽古しないといけないというのは思い込みにすぎないと。仕事=稽古みたいにしちゃえば、わざわざ稽古らしい稽古をしなくてもいいんじゃねえかと。なまけものの発想ですね。普段やっている事がそのまま作品になるような逆算をしようと。枠組みは後から作る。演劇ってこういうものでしょうという枠組みが最初から強固にありすぎるからバイトを切り上げて稽古をしなくてはいけなくなるのであって、じゃあ、再設計すればいいんじゃないかと。
__ 
それが搬入プロジェクトですね。確かに、全員で一つのものを一緒に運んだらものすごく面白いですよ。
危口 
搬入経路の途中に障害物となる看板が立ってたりして、これさえなければって全員で悩んだり。
__ 
面白そう!運ぶのってやっぱり仕事なんですよね。
危口 
バイトを作品(稽古)にするという仕組み。この考え方を捩子ぴじんさんが引き継いで、コンビニのアルバイトを主題に「モチベーション代行」という作品を作ってくれたときはとても嬉しかったです。

タグ: 「変身願望」 わたしの得意分野 社会人俳優についての考察


夕焼け

__ 
今後、どんな感じで攻めていかれますか?
危口 
今は、先程も話題に出た「注文の夥しい料理店」を12月に横浜で再演するので、その準備と、来年作る作品の準備を並行して進めています。父親と二人芝居をしようと考えています。
__ 
おお。何故お父様と。
危口 
うちの父親は画家をやっていて、抽象画を描くんですけど、かといって、ポロックなどの、戦後アメリカの抽象表現主義などには全然興味がないしそれほど勉強もしてないんです。絵画の歴史を、ある程度のところ、セザンヌ、マティス、クレー辺りでストップさせているんですよ、あえて。絵とはこういうものだと定義して、自分なりに活動してるんです。
__ 
アップデートをしていない。
危口 
一方僕は何やら、新しい世代というところにカテゴライズされているみたいで。果たして自分は、新しさや驚きを提供し続けるタイプなのか。それとも、これだと決めたらそれを追求し続けるタイプなのか。ある程度スタイルを固定化して、バリエーションを作り続けるのか。親父とそういう話をしてみたいです。

タグ: 関係性が作品に結実する 今後の攻め方 家族という題材


TRUE UTILITY クリップテレペン

__ 
今日はお話を伺えたお礼に、プレゼントがあります。
危口 
ありがとうございます。それはそれは。開けてみてもよろしいでしょうか?
__ 
もちろんです。
危口 
ペンですか?携帯型極小ボールペン。
__ 
はい。どこかに付けて頂ければ。

タグ: プレゼント(文具系) プレゼント(ツール系)


僕のむこうの風景

__ 
今日はどうぞ、よろしくお願いします。虚構の劇団「エゴ・サーチ」大阪公演、大変面白かったです。本当に面白くて。一番凄いと思ったのは、最後の修羅場のシーンからラストにかけての展開でした。情報量が凄くて、掛け合いの流れがまるで全員で一つの表現をしているかのような、物語演劇なのに、レビュー公演のようなあの一体感。そして清々しい、爽やかなラスト。
小沢 
ありがとうございます。関西での劇団公演はこれで2回目だったのですが、こんなにも喜んでくれる方が多くてびっくりしました。そうですね、清々しく終わったと思って下さったのは、もしかしたら一つには沖縄の離島でラストを迎えるというのが大きいんじゃないかと思うんです。誰もが一度は憧れを持つ場所だと思うんですよね、「南の島」。
__ 
確かに、作品の最初のシーンも島でしたね。
小沢 
この作品の稽古が始まる前の8月後半くらいに、物語の舞台のモデルになっている鳩間島に行ったんです。
__ 
沖縄の離島ですね。
小沢 
そこは本当に、1時間程度あれば徒歩でも一周出来てしまうくらいの小さな島で。風や光や、何か言葉にしてしまうとちっぽけに感じてしまいますけど、その通り大自然の中の島だったんですよ。
__ 
小沢さんは、その島を象徴するような役柄を演じられましたね。
小沢 
そうですね。初演と同じく、その島に住む沖縄の妖精・キジムナーという役柄です(笑)あの島にはじめて行って、改めてもの凄くプレッシャーを感じました。もう圧倒されて。この大きな風景の中、僕はただ一つの点だった。それを前に僕には何が出来るんだろうとか思った時に、役者として出来る大きな楽しみであり、大切な役割について気付いたんです。
__ 
役を演じる以外の?
小沢 
自分がここで受けたエネルギーを、舞台上から生で「伝える」ことです。すごくシンプルで当たり前のことかもしれないですが、それは実は一番大切なことなんじゃないか、って。島で実際に生きている人たちからもらった、生きる力。風景が持っている力。あの島で体験した空気の味や、波の揺れを思い出すと、イメージがぱーっと開いていくんですよね。僕にはそれが見えているし、それを感じているだけで、その僕を見てくれているお客さんはそこから想像をしてくれる。きっとこれは、僕が見ているものに真実味があれば、届くはずだと。ということは、そうか、伝えるというよりは「忘れない」ことなのかもしれないですね。感動を受けた風景を忘れないこと。出会った人たちとの感触を忘れないこと。それを舞台上で想う。そうすればきっと伝わるはずだと。それが、役者としての最大の楽しみだし、それをやらなくてはいけないのかもしれない、と。
虚構の劇団
劇団。詳細はリンクを参照のこと。
虚構の劇団「エゴ・サーチ」
公演時期:2013/10/5~20(東京)、2013/10/24~27(大阪)。会場:あうるすぽっと(東京)、HEP HALL(大阪)。

タグ: 役者の積み上げ 演技の理解、その可能性 キャスティングについて 情報量の多い作品づくり 俳優を通して何かを見る


すこしずつすこしずつ好きになっていく

__ 
小沢さんが演劇を始められた経緯を教えて下さい。
小沢 
僕の姉は画家なんですが、姉の友達の関係である舞台のチラシデザインをしていたんですね。僕はそれまで、映画に興味があってワークショップだったりオーディションを受けていたんです。でも中々上手くいかなくて。そこに姉が「こういうのがあるよ」と教えてくれたのが「阪神タイガーウッズ」という名前の、いまはもう無き京都の劇団のワークショップだったんです。そこの主宰である方に興味を持ってもらえて。エチュードをやったりしたんですが、今までそういう事をしたことが無かったので新鮮だったんですよね。皆で何かでっち上げたり、お話にしたり。自分以外の人物になるという事がこんなに楽しいのかと。
__ 
なるほど。
小沢 
当時はガラスの仮面の北島マヤみたいな天才になりたかったですね。あんなに深く、そしてたくさんの他人の人生を生きる事が出来たらと。当時、自分の事が嫌いでコンプレックスをずっと抱いていたんです。少しでも現実逃避出来たらという気持ちもありました。自分とは違う人間になりたかった。それでもコンプレックスや嫌いな部分は拭いきれなくて、だから今でも基本的には、なぜ役者をやっているか、と聞かれたら、小沢道成という人間を魅力的にしていきたい、と答えると思います。
__ 
ご自身を魅力的にしていく?
小沢 
一年に4~5本舞台で役をやらせてもらっているんですが、色んな役の人生を味わえるんですね。舞台が一本終わると、確かに自分が何か変わっているんです。強くなったり弱くなったり、嘘をつくのが上手くなってたり下手になってたり。人とコミュニケーションを取るのが昔から下手だったんですが、役者を続けていて、少しは好きになっているんですよ。という事は小沢道成という人間が少しは魅力的になっていて、いろんな要素を吸収している。もしかしたら、悪いものを吸収しまくるかもしれないですが、それはそれで楽しみです(笑)最終的にはお爺ちゃんになった時に、いい人生だったと思いながら死んでいけたらいいかなと。
__ 
初めてお会いするタイプの方です。
小沢 
そうなんですか。
__ 
役者の生き方としては珍しいような、いや、それこそが最高の理由のような。
小沢 
「人を楽しませたい」という気持ちが前提にあるんですが、突き詰めていくとそういう理由になっていきますね。

タグ: 目を引く役者とは 役をつかむ 僕を消費してくれ 北島マヤ とにかく出演していこう 自分で考えてきたもの、の価値 新人の不安


一秒ごとに発見するぐらい

__ 
これは自分を変えた、という作品はありますか?
小沢 
沢山ありすぎて、どれを言えばいいかな。大きく自分を変えたのは、劇団に入ってからかな。京都で芝居をやっている時はどこにも所属をせずにフリーでやっていたんです。東京にでてきてから今の劇団と出会ったのですが、フリーの時とは違って、何年も一緒にお芝居をつくる仲間がいて、環境があって、もちろん今回みたいに再演をやる時もあるんです。その「再演」というのをやった時に、特に思うことなんですが、初演と比べて周りの仲間も僕も明らかに「変化」しているんです。そりゃ3年も経てば少しは成長するだろと思うのですが、そういう気付ける場所というのは今までありませんでした。今回の「エゴ・サーチ」をやっていてもそうなんですが、全てが新鮮で、あれだけ稽古も本番もやったのに発見することが面白いぐらいにでてきて。そういう気付ける環境が出来たことは、もの凄く大きな変化ですね。自分を変えれる場所、というか。

タグ: 再演の持つ可能性について


カーテンコール

__ 
舞台に立っていて、どんな瞬間が好きですか?
小沢 
カーテンコールの時です。
__ 
なるほど! 昨日拝見した「エゴサーチ」のカーテンコールは、全員、何だか潔い感じがしましたが。
小沢 
本当ですか。でも、そんな感じになったのは最近だと思います。それも覚悟が付いたからじゃないかな。2時間の舞台を確実に面白いものにする。そういう意思を皆で確認するところから始まるんです。舞台が終わった時に、お客さんと一緒になって作り上げた結果がカーテンコールなので。感謝を込めたあの瞬間ですね。
__ 
私は初めて虚構の劇団という集団を拝見したのですが、大変強い集団力を感じました。ラストの流れるようなシーン展開は、全ての演技が整理されていて、全員で一つのセリフを喋っているぐらいの、キレイで見事な演劇だったんですよ。
小沢 
嬉しいです。
__ 
お客さんが、笑っているんだけど同時にすすり泣いているような人もいて。
小沢 
鴻上さんの作品の特長だと思うんですよ。人を救えるくらい大事な言葉をエネルギーを、鴻上さんの作品は持っていると思います。

タグ: 泣く観客 エネルギーを持つ戯曲 鴻上尚史


飛ぶ

__ 
いつか、こういう演技が出来るようになりたい、というのはありますか。
小沢 
実は未来の目標が具体的にはないんです。というよりは、今目の前にある舞台に対して、確実に面白いものを届けるんだ、という責任と覚悟を背負っていけるように努力したいと思います。
__ 
今後、一緒に作品を作ってみたい方はいますか?
小沢 
たくさんいます!野田秀樹さんも好きだし、三谷幸喜さんも、ケラリーノ・サンドロヴィッチさんも本谷有希子さんも好きだし。色んな方とまだ出会っていないので。たくさん出会っていきたいです。

タグ: 今の作品に集中する 本谷有希子 野田地図


質問 北尾 亘さんから 小沢 道成さんへ

__ 
前回インタビューさせて頂きました方から質問を頂いてきております。東京の、Baobabというダンスユニットを主宰されている北尾亘さんからです。「ここ一年で一番恐怖を感じたのはどんな出来事ですか?」
小沢 
今年1月に僕が立ち上げたEPOCH MAN〈エポックマン〉という僕が作・演出をやる企画をやったのですが、初めてゼロの状態から演劇をつくったんです。企画を構想して、台本を書いて、劇場をとって、稽古場とって、スタッフさんも役者の方達も声をかけて、宣伝をして、演出をして、とにかく演劇の仕組みを知りたくて始めたのですが、主宰という立場なだけで、この公演を絶対に成功させなきゃいけないプレッシャーが半端なくて(笑)結局はひとりでは出来ないことが多くて、たくさんの仲間に助けてもらったりもしていたのですが、パソコンのデスクトップ画面にやることのファイルを次々に置いていたので、その膨大なファイルの量を見た時には、さすがに怖かったです(笑)。

タグ: 膨大な仕事量に押しつぶされそう


EPOCH MAN〈エポックマン〉

__ 
EPOCH MAN〈エポックマン〉。どんな作品を作られるのでしょうか。
小沢 
まだ一回しか公演をやっていないのですが、前回のは70分から80分の作品で、女性4人の芝居と、男女の二人芝居の二つの短編をくっつけた作品でした。僕自身が好きなのは、人の醜い部分だったりするんですね。女性の嫉妬心や執着心などのドロドロした部分。それが笑いになってしまいながら、心が痛くなるような。リアリティは大切につくるのですが、ひとりの役者がコロコロと役を変えたりと、基本的には生の演劇ならではのものは目指しています。自分自身が、何だかんだエンターテイメントが好きなので。
__ 
面白そうですね。拝見したいです。
小沢 
ただの、リアルな生活を見せるようなお芝居はあまり好きじゃないんですね。視覚的にも楽しみたいし、音楽も大切にしています。ただ、まだはっきりとは、こういう作風です、こういう色です、というのは見つけていないのでこれから探していこうといろいろ挑戦していきます。
__ 
彫刻で言うと、石の中から人物を取り出せていない感じ。
小沢 
まさにそうですね。その状態を楽しんではいるんですけど。映像も好きだし、落語も絵本も歌とかにも興味があるんですよね、最近。もしかしたら、毎回観にくる度に全く違う雰囲気の演劇になってるかもしれません(笑)とにかく今は、来年2月の公演に向けて次回作を書いています。
EPOCH MAN
虚構の劇団に所属する小沢道成が2013年より始める演劇プロジェクト。俳優として活動をしながら、劇団の自主企画公演で発表した数本の作品が好評を得る。人(特に女性の心の中をえぐり出すような作風と、繊細かつ粘り気がありながらスピード感ある演出が特徴のひとつ。問題を抱えた人物が前進しようとした時に生まれる障害や苦悩を丁寧に描きつつも、演劇ならではの手法で会場を笑いに誘う。(公式サイトより)

タグ: 努力を重ねる わたしの得意分野 書いてみたいと思った 見えないぐらい濃い交流 嫉妬心 印象に残るシーンを作りたい 舞台にいる瞬間 新しいエンターテイメント 作家としての課題 正体不明のエネルギー 作家の手つき


トリコ・A「つきのないよる」の思い出

__ 
トリコ・A「つきのないよる」も出演されてましたね。
小沢 
ありがとうございます。あの作品はまた全然役柄が違いましたね。
__ 
そうでしたね。悪女役の丹下さんを手球にとる小沢道成という、珍しいシーンだったなあ。
小沢 
丹下ちゃん面白かったですよね。凄い好きです。山口さんの作品には、京都にいた事出演させてもらった事があって。だから今回も。それに、京都で一度共演させて頂きたかった方もいて。びっくりしました。
__ 
小熊ヒデジさんもいましたしね。
小沢 
いやー、凄かったですよ。本当に尊敬すべき先輩ですから。小熊さんはね、目が凄いんですよ。

タグ: 引き出し合う 舞台にいる瞬間


ぶつかっていこう

__ 
今後、どんな感じで攻めていかれますか?
小沢 
ええと、攻めていこうと思います(笑う)。守りに入るタイプだったんですよ。安全な所に入りがちだったんですが、それでは次の所にいけないので。真っ向にぶつかっていかないと、何も動かないし始まらないので。攻めて行きたいなあ。

タグ: わたしの得意分野 今後の攻め方


変わったシューズ

__ 
今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントを持って参りました。
小沢 
え、そんな。ありがとうございます。お気遣い頂いて。
__ 
いえいえ。今回のプレゼントのテーマは「不思議な出会い」です。どうぞ。
小沢 
何だろう。あ、この形は。(開ける)ちょっと、靴じゃないですか。
__ 
ただ、サイズがどうかと思うんですが。
小沢 
多分、ぴったりだと思います。
__ 
稽古場などで履いて頂ければと。

タグ: プレゼント(履物系)


26歳の北尾亘が探しているもの

__ 
今日はどうぞ、宜しくお願いします。北尾さんは、最近はどんな感じでしょうか。
北尾 
こちらこそ、よろしくお願いします。僕はいま26歳なんですけど、今年に入ってから色々とお仕事を頂いておりまして、ずっとばたばたとしています。26歳としては、そろそろ将来のことを考えて動いていかないといけないなと思っているところです。一日のなかで、考える時間が多いですね。ネガティブな思考になりがちなので、後ろ向きになってしまわないように気を付けたいです。
__ 
私も基本的にはネガティブなので、お気持ちは分かります。いつか、ここから抜け出せるでしょうか。
北尾 
それを信じて行きたいですね。今年の残りがどうなるかで決まるように思うんです。あと少し、駆け抜けたいです。
Baobab
主宰:北尾亘が全作品の振付/構成/演出 所属メンバー:目澤芙裕子・米田沙織と共に企画/運営を行う。作品毎にダンサーや役者の垣根を越えた人材を募り、経験の有無や得意不得意に関わらず集まった人をみな踊らせてしまう大胆なダンスの扱い方が特徴。コミカルでいてリズミカルな独特の躍動感を持つ振付と、それぞれの関係性にまで手を伸ばす演出を織り交ぜ、[時に喋り歌い 沢山笑ってたまに泣く] 強いパフォーマンス性を武器に身体の先に人間を描く。出演者それぞれの本音として溢れ出る身体・言語を舞台上に充満させ、その熱が客席まで侵食していくような表現を目標としている。 KYOTO EXPERIMENT (京都国際舞台芸術祭)/ ダンス・インパクト吉祥寺/PLAY PARK~日本短編舞台フェス~/こまばアゴラ劇場 サマーフェスティバル 汎-PAN- 等様々なフェスティバルにも積極的に参加し、活動の幅を広げている。またパフォーマンスと観客のボーダレスな関係を求め、作品創作だけでなくパフォーマンスイベントの企画やクラブイベントへの出演なども行う。●トヨタコレオグラフィーアワード2012「オーディエンス賞」受賞●コンドルズ振付コンペディション2010(CCC) アホウドリ賞(準グランプリ)受賞・KYOTO EXPERIMENT(京都国際舞台芸術祭) フリンジ企画 3年連続参加(公式サイトより)

タグ: どんな手段でもいいから続ける ボーダレス・横断 追い詰められた時期 最近どう? ネガティブ志向 夜の共犯者 本音の価値


Baobab二都市往復ツアー2013「家庭的 1.2.3」

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Baobab「家庭的 1.2.3」大変面白く拝見しました。KYOTO EXPERIMENT公式プログラムでしたね。完全に個人の感想ではありますが、2012年の「~飛来・着陸・オードブル~」の時にも感じたんですが、恋をさせるのがうまいですよね。
北尾 
ありがとうございます。恋。それは、舞台上の誰かに、ですか?
__ 
特定の誰かにという訳じゃないですけど、おそらく私より10歳ぐらい離れた彼らが、ただ元気に踊っているだけじゃなくて。彼らが軽やかに踊っているのを見ていると、中学生の時にクラスの女子に抱いていたような、「届かなさ」をかき立てられたんですよ。変な切り口で申し訳ないんですが。
北尾 
いえ。僕は恋愛要素というのを考えたことはないんです。好みもラブストーリーではないんですが、でも、作品をご覧になっていただいてそう思われたということは、僕の目指しているダンスに触れていただいたからなのかな、と。
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というと。
北尾 
出演者一人一人の個性や意識や人格をあぶりだしたいなと常々考えているんです。ある種、人間味というんでしょうか。身体だけ、技術だけでいうのであれば、もっと上手い人がやればいい。そういうダンスを作るのではなく、人のにおいとからだをフューチャーしたダンスが作れればと考えています。
__ 
その人の人格の魅力を引き出すんですね。分かります。彼らが望んでそこにいるような、そんな気がするんですね。みなさんもちろん上手なんですけど、頑張っているようには見えない・苦労を感じさせない、そんな感触。
北尾 
単にフォーメーションのため、作品の頭数としてダンサーを扱いたくないんです。人間味こそが面白いと思っているんです。
Baobab 二都市往復ツアー2013「家庭的 1.2.3」
公演時期:2013/9/14~16(東京)、2013/10/19~20(京都)。会場:d-倉庫(東京)、元・立誠小学校 講堂(京都)。
Baobab二都市~フェスティバルツアー2012~飛来・着陸・オードブル~
公演時期:2013/9/26~27(東京)、2013/10/19~21(京都)。会場:こまばアゴラ劇場(東京)、元・立誠小学校 講堂(京都)。

タグ: 人を引き出す振付


仮定的家庭∋家庭的仮定

北尾 
そういう意味で言うと、今回の題材が「家庭」でしたので、それぞれの人間味をより引き出せた部分もあったと思います。それと、裏のテーマとして「仮定」があったんです。たとえば、お母さん役として踊ってもらった人には母性であるとか内面であるとか、そこまで掘り下げないようにしてもらいました。ダンスの良さが損なわれかねないと考えたからです。だから、仮のお母さん。そういうキャラクタライズをしていました。
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だから、振りの良さが生きて、観客が家族について考える余地が生まれたのかもしれませんね。
北尾 
そういう余白のある作品が作れたとしたら嬉しいです。舞台上で、「お母さん」とか「お父さん」と呼びかけ合う。それだけで想像に奥行きが生まれるといいなあと思っていました。

タグ: 言葉そのものを手がかりに 母性性


踊る影たち

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構成として、最初はアップテンポなダンスがあって、そこからだんだんと静かなシーンが増えてきて、ソロダンスのシークエンスになっていって、という流れでしたね。「家庭」というテーマを与えられた作品だったからか、家庭内孤立を強くイメージしました。家庭内だけどだんだんと離れていく。しかし、赤ちゃんの誕生で後半にはまとまっていく。
北尾 
大まかにいうと、その前中後編の構成が「1.2.3」のイメージなんです。前半ではキャラクタライズがあり、集団性を描いて、HIPHOPのシーンで情報量と運動性の強いダンスを見ていただき、そこからソロのダンスに移行していく。孤立している人が見えてくる。この流れをイメージして作り始めました。
__ 
そう、集団で集まっているところから、だんだんと一人離れていく。
北尾 
一年に一度、大阪の実家に親戚一同で集うのが僕にとっての団らんなんです。この作品のタイトルを考えていた時期、祖父が亡くなって家を取り壊したんです。集まれる場所が無くなったということに喪失感を感じました。あの家が僕ら親戚をつなぎ止めていた場所だったんです。それを抽象的に表現したかったんですね。
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私個人の親戚たちも実は結構ドライな人々なんです。なのに、作品を通してある寂しさが生まれましたよ。
北尾 
当初は家族が離散する、みたいなイメージで作っていましたが、それではさすがに寂しすぎるなと思いまして。3ステップ目では全員集うという構成になりました。ですが最後には、赤ちゃんの代わりとして扱っていたシャツを「シャツなんですけどね!」と暴きました。彼らが家族みたいな事をしていたと、全て嘘だと、1ステップ目のキャラクタライズも含めてメタフィクションだったとバラして。そこから、全員がもつれあいながら同じ振りを踊るラスト。現代社会において家庭から出た人々の混迷を見せられればいいなと思っていました。動かされているのか、もつれているのか分からない、家庭の外に出た人々ですね。
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それは、都市部にいる大体の若者がそれに当てはまる筈です。だから、あれは僕らそのもののダンスだったんじゃないかなと思います。

タグ: 人生の節目 メタフィクション その題材を通して描きたい 第四の壁 外傷・内傷