なにかが動いてる

__ 
危口さんは、いま、どんな創作に興味がありますか。
危口 
元々、主体的に自分の興味に基づいて創作するというタイプじゃないんですよ。昔はそういうこともあったけど、最近は、お話を頂いてお受けする事が増えてきて。その場合、自分で扱いたい主題があろうがなかろうが、上演環境が先にあるので、理由とか意義は後付けで捏造することになります。自分の興味が最初のモチベーションにはならない。
__ 
危口さんには、モチベーションはいらない?
危口 
人によってモチベーションって言葉の意味も違うと思います。僕自身にも何かしら動機と呼べるものはあるとは思うんですが、ことさらそれを明示しなくても、形にすれば何らかの痕跡は残ると思うので。結局、形にするかしないかという話ですよね。
__ 
確かにそうですね。痕跡。
危口 
動機がはっきりしてない人でも、形に出来てしまう。そういう場合は、もっと大きなからくりが働いているんだろうなあとは思いますね。強いて言うなら、そのからくりに興味があります。任意の作家にやらせたいという誰かがいて、大きな力が働いて、制度が整えられたり、施設が建てられたり、フェスが運営されたり。この世に演劇があってほしいと欲望し、作動しているからくりがあるんでしょうね、きっと。

タグ: 社会、その大きなからくり


「TACT/FEST2013」での悪魔のしるし

__ 
悪魔のしるしの作品を、ロクソドンタの「TACT/FEST2013」で拝見しました。それは子供をテーマにしたもので、もちろんお子さんがたくさん来ていて。なのに、悪魔のしるしの作品だけ、会場の子供が何人も泣き出すような作品でした。子供番組のお姉さんが出てきて、みんなと一緒にトトロを呼ぶ。「トトローっ」て呼んだら菓子袋の寄せ集めにくるまれた怪物や、真っ赤な妖怪が出てくるという。
危口 
ええ。
__ 
今考えると狼少年の逸話を借りた啓蒙作品だったのかもしれないし、期待したものが出てくるとは限らないという、社会の厳しさを教えるものだったのかもしれない。とても面白かったです。どのような意図があったんでしょうか?
危口 
そうですね、あれは最初にイベントの企画担当の方からお話を頂いて、とても面白そうだ、でも何をしよう?と考えたんです。どうしても我々は、やるのは大人、観るのは子供、そんな二項対立で考えてしまいがちですが、もう少し細かく、自分の子供時代も振り返りつつ考えてみれば、3歳・5歳・7歳・9歳と、成長するに従って興味の対象ってどんどん変わっていきますよね。だから、結論として、全年齢の子供を単一の理由で面白がらせる作品は不可能だと。本当は大人だって、年齢層や生活習慣が違ったら面白いと思うポイントは違うんですから。でも、最終的に作る作品は一つでしかない。だったら、それぞれの年齢層の子が面白がる理由を個別に用意した方がいいんだろうなと。例えばちょっと物心がついた小学校3年くらいだったら、呼んでも呼んでもトトロが出てこないズッコケ感は楽しめるだろうなとか、幼稚園ぐらいの子だったら、おねえさんが出てきてコールアンドレスポンスするだけで面白いだろうなとか。
__ 
お子さんを不気味がらせるという演出意図だと思っていたんですが。
危口 
怖がらせる危険性はあると思ってましたけど、まあそれはしょうがないと。狙っている訳じゃなかったです。役者が悪ノリしていた部分はありましたけどね。真っ赤な着ぐるみを着た、どぎついメイクの化け物が出てきて、泣き出す子もいるけど、一方で笑う子もいるんですよ。かといって、どちらかを選ぶことはできない。否定的な反応が出ることは、ある程度は覚悟してましたけどね。という訳で、最初に考えるのは複数化です。「子供向け」という条件だったら、「子供」を複数に分類しつつ、何歳以上、或いは以下の子はこのネタ通じないだろうな、ごめんなさい、と判断しながら、各年齢層へ届くであろう要素を個別に設計していく。児童向け作品に限らず、他の作品を考えるにしても同様です。
__ 
大人もびっくりしてましたよ。悪魔のしるしにものすごい興味をそそられました。
TACT/FEST2013
大阪 国際児童青少年アートフェスティバル2013。公演時期:2013/7/29~8/11。会場:大阪府阿倍野区各会場。

タグ: 必殺メイク術 子供についてのイシュー どう思ってもらいたいか? イベントの立ち上げ 印象に残るシーンを作りたい 言葉以前のものを手がかりに 児童演劇の難しさ あの公演の衣裳はこだわった 会場を使いこなす


図る

__ 
悪魔のしるしという集団について、こういう言われ方をして事があるんじゃないかと思うんですが、どこか建築的ですよね。
危口 
ちょいちょい話には出ますね。
__ 
例えば全員で一つの複雑な構造物を運ぶ作品「搬入プロジェクト」はまさに建築をモチーフにしているし、「注文の夥しい料理店」はまさに作品のコンセプトそのものがとても構造的だなと感じたんです。登場人物の人肉が出てきて、それを食べる作品というのは、これはもう驚きを覚える仕組みだと。
危口 
そうですね。お客さんを強制的に舞台空間に強制的に組み入れてしまう。
__ 
それは、どのような考え方で作るのでしょうか?
危口 
まあ、学生時代に建築をずっと勉強していて、その考え方が今でも生きているというのはあります。まず、ダイアグラムが大事であると。一旦図式化して、関係性を考えながら作る。
__ 
図式化する。
危口 
お客さんが演劇を鑑賞する際に、お金を払って劇場に来て、椅子に座って見るだろうと。そういう図式を前提としつつ、そこをちょっといじる事で、他の作品と比べにくくするという事なのかなと。同じ土俵で勝負したら勝てないという卑屈な自覚があるので。身体も強い、脚本も強い人たちには勝てないから、そうじゃないやり方をする我々が、スキマ産業的にいられればいいかなと思ってます。というのがこれまででした。最近はまたちょっと違ってきたかもしれませんが。
「搬入プロジェクト」
通常、演劇において舞台上の演者の動きは脚本と演出、すなわち言葉によって導かれる。しかし、ひとを動かすのは何も言葉だけではない。たとえば、ものすごくデカくて複雑なカタチの物体を運び入れねばならないとしたら――その物体の重量や形状こそが、このパフォーマンスの“脚本”と言えるのではないか。(公式サイトより)
「注文の夥しい料理店」
宮沢賢治の名作「注文の多い料理店」を元にした悪質剽窃舞台劇。原作では一命を取り留める猟師たちだが、本作では腕を切り落とされ目玉をえぐられ最後にははらわたを食い荒らされる。観客席をS席とA席に分け、倍近く価格は高いうえ正装を強いられたS席の客は特等席に座り、 話題のフードアーティスト諏訪綾子(food creation)による、場面展開に添った食事を食べながら観劇できるという仕掛け。逆にA席側から観ると、晩餐に興じる観客もまた舞台世界の住人のように感じられる。なお、本作のテーマとなる絵は画家である危口の父親が描きおろした。(公式サイトより)

タグ: クッキングの話題 コンセプチュアルな作品 ユニークな作品あります


ツメを研ぐ悪魔

__ 
最終的に、上演が終わった時に、観客がどう思っていれば理想ですか?
危口 
今年9月に行った公演の当日パンフレットに、「お客さんに笑顔で『金返せ』と言われたら嬉しい」と書いたんです。会心の笑顔でそんな事を言われるんだったら、いい試みだったんだろうなと。期待していたものとは全然違うけれども、劇場に来た事自体に対して良かったと思ってもらえれば。もちろん、真顔で『金返せ』と言われたら非常にマズいですけど。

タグ: B級の美学 わたしの得意分野 ネガティブ志向 現動力


村を出る

__ 
お客さんを驚かせたい、という意図があるんじゃないかという印象がありました。むしろ、そういう悪意があるのかと。
危口 
うーん。必ずしも驚かせるのが目的じゃないですけどね。でも、前提を崩したいという志向はあります。演劇に関わっている人達が持っている前提ってそんなに強固なのかなと素朴に疑問に思うんです。
__ 
悪意ではなく、疑問がある。
危口 
えーと、これから偽悪的な発言をします。「演劇人口を増やしたい」であるとか「何でこの作品の良さがわからないんだ」とか、そういう発言を多く見ますけど、この世の人々全てが自分と同じ価値観を持ったら、そんな社会は面白いのかと。少なくとも僕はそういう世界には住みたくないですね。そういう人達全員で村作って住んでたら?3000人ぐらいで、みたいな。僕としては、みんなそれぞれの立場で踊ったり仕事したりしてるんだし、個別に自分が立っている足場を、それが生まれ成長してきた歴史も含めて確認していけばいいんじゃないかと思います。
__ 
危口さんは?
危口 
子供演劇という足場が与えられればそこで踊るし、踊りつつも、その足場がどんな構造になっているのか分析するのが好きです。

タグ: 「多様性と受容」への批判


「注文の夥しい料理店」

__ 
危口さんが演劇を始めた経緯を教えてください。また、悪魔のしるしを結成したきっかけは。
危口 
これはもう、完全な事故ですね。(詳しくはこちら
__ 
それにしても、ただただ驚き続けるであろうと思うんですよ、「注文の夥しい料理店」は。
危口 
いやあ、料理の内容や出し方はこだわったんですけど、演技面とか脚本はあまり稽古する時間がなくてぐだぐだだったんです。形式の面白さと料理でなんとか持ったという。
__ 
いやあ、そこはもう・・・出演者の肉がだんだんと減っていく舞台なんて、食い入るように見ると思います。
危口 
悪趣味と言われるかもしれませんね。
__ 
そうした思いつきやアイデアが、仰るように図式化と複数化から導き出されるというのが信じられなくて。悪意がきっとあると信じたくなっているんです。
危口 
あの作品については最初のきっかけとなった一撃がありますね。映画の「ホステル」です。雑誌か何かであらすじを読んだ時に、直感的に、図式としては宮沢賢治の「注文の多い料理店」と同じ作りだなと考えたんです。「搬入プロジェクト」よりも、むしろこのような舞台作品を作る時の方が、建築的な考え方を活かせているように思います。
完全な事故
interview#023 危口統之

タグ: 悪意・悪趣味


質問 小沢 道成さんから 危口 統之さんへ

__ 
前回インタビューさせて頂いた、虚構の劇団の俳優、小沢道成さんから質問を頂いてきております。「1.何故、悪魔のしるしという劇団名にしたんですか?」
危口 
僕が大好きなブラックサバスのある曲の邦題が「悪魔のしるし」で。響きがいいなと思って付けました。(詳しくはこちら
__ 
ありがとうございます。「2.働いている自分と演劇を作っている自分はどのように関係していますか?」
危口 
そこなんですよね。工事現場で働いていると、同僚がすごくいい動きで仕事しているのを発見し、そこから演目を思いついたりする。要するに、わざわざ公民館を予約して稽古しないといけないというのは思い込みにすぎないと。仕事=稽古みたいにしちゃえば、わざわざ稽古らしい稽古をしなくてもいいんじゃねえかと。なまけものの発想ですね。普段やっている事がそのまま作品になるような逆算をしようと。枠組みは後から作る。演劇ってこういうものでしょうという枠組みが最初から強固にありすぎるからバイトを切り上げて稽古をしなくてはいけなくなるのであって、じゃあ、再設計すればいいんじゃないかと。
__ 
それが搬入プロジェクトですね。確かに、全員で一つのものを一緒に運んだらものすごく面白いですよ。
危口 
搬入経路の途中に障害物となる看板が立ってたりして、これさえなければって全員で悩んだり。
__ 
面白そう!運ぶのってやっぱり仕事なんですよね。
危口 
バイトを作品(稽古)にするという仕組み。この考え方を捩子ぴじんさんが引き継いで、コンビニのアルバイトを主題に「モチベーション代行」という作品を作ってくれたときはとても嬉しかったです。

タグ: 「変身願望」 わたしの得意分野 社会人俳優についての考察


夕焼け

__ 
今後、どんな感じで攻めていかれますか?
危口 
今は、先程も話題に出た「注文の夥しい料理店」を12月に横浜で再演するので、その準備と、来年作る作品の準備を並行して進めています。父親と二人芝居をしようと考えています。
__ 
おお。何故お父様と。
危口 
うちの父親は画家をやっていて、抽象画を描くんですけど、かといって、ポロックなどの、戦後アメリカの抽象表現主義などには全然興味がないしそれほど勉強もしてないんです。絵画の歴史を、ある程度のところ、セザンヌ、マティス、クレー辺りでストップさせているんですよ、あえて。絵とはこういうものだと定義して、自分なりに活動してるんです。
__ 
アップデートをしていない。
危口 
一方僕は何やら、新しい世代というところにカテゴライズされているみたいで。果たして自分は、新しさや驚きを提供し続けるタイプなのか。それとも、これだと決めたらそれを追求し続けるタイプなのか。ある程度スタイルを固定化して、バリエーションを作り続けるのか。親父とそういう話をしてみたいです。

タグ: 関係性が作品に結実する 今後の攻め方 家族という題材


TRUE UTILITY クリップテレペン

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今日はお話を伺えたお礼に、プレゼントがあります。
危口 
ありがとうございます。それはそれは。開けてみてもよろしいでしょうか?
__ 
もちろんです。
危口 
ペンですか?携帯型極小ボールペン。
__ 
はい。どこかに付けて頂ければ。

タグ: プレゼント(文具系) プレゼント(ツール系)


僕のむこうの風景

__ 
今日はどうぞ、よろしくお願いします。虚構の劇団「エゴ・サーチ」大阪公演、大変面白かったです。本当に面白くて。一番凄いと思ったのは、最後の修羅場のシーンからラストにかけての展開でした。情報量が凄くて、掛け合いの流れがまるで全員で一つの表現をしているかのような、物語演劇なのに、レビュー公演のようなあの一体感。そして清々しい、爽やかなラスト。
小沢 
ありがとうございます。関西での劇団公演はこれで2回目だったのですが、こんなにも喜んでくれる方が多くてびっくりしました。そうですね、清々しく終わったと思って下さったのは、もしかしたら一つには沖縄の離島でラストを迎えるというのが大きいんじゃないかと思うんです。誰もが一度は憧れを持つ場所だと思うんですよね、「南の島」。
__ 
確かに、作品の最初のシーンも島でしたね。
小沢 
この作品の稽古が始まる前の8月後半くらいに、物語の舞台のモデルになっている鳩間島に行ったんです。
__ 
沖縄の離島ですね。
小沢 
そこは本当に、1時間程度あれば徒歩でも一周出来てしまうくらいの小さな島で。風や光や、何か言葉にしてしまうとちっぽけに感じてしまいますけど、その通り大自然の中の島だったんですよ。
__ 
小沢さんは、その島を象徴するような役柄を演じられましたね。
小沢 
そうですね。初演と同じく、その島に住む沖縄の妖精・キジムナーという役柄です(笑)あの島にはじめて行って、改めてもの凄くプレッシャーを感じました。もう圧倒されて。この大きな風景の中、僕はただ一つの点だった。それを前に僕には何が出来るんだろうとか思った時に、役者として出来る大きな楽しみであり、大切な役割について気付いたんです。
__ 
役を演じる以外の?
小沢 
自分がここで受けたエネルギーを、舞台上から生で「伝える」ことです。すごくシンプルで当たり前のことかもしれないですが、それは実は一番大切なことなんじゃないか、って。島で実際に生きている人たちからもらった、生きる力。風景が持っている力。あの島で体験した空気の味や、波の揺れを思い出すと、イメージがぱーっと開いていくんですよね。僕にはそれが見えているし、それを感じているだけで、その僕を見てくれているお客さんはそこから想像をしてくれる。きっとこれは、僕が見ているものに真実味があれば、届くはずだと。ということは、そうか、伝えるというよりは「忘れない」ことなのかもしれないですね。感動を受けた風景を忘れないこと。出会った人たちとの感触を忘れないこと。それを舞台上で想う。そうすればきっと伝わるはずだと。それが、役者としての最大の楽しみだし、それをやらなくてはいけないのかもしれない、と。
虚構の劇団
劇団。詳細はリンクを参照のこと。
虚構の劇団「エゴ・サーチ」
公演時期:2013/10/5~20(東京)、2013/10/24~27(大阪)。会場:あうるすぽっと(東京)、HEP HALL(大阪)。

タグ: 役者の積み上げ 演技の理解、その可能性 キャスティングについて 情報量の多い作品づくり 俳優を通して何かを見る


すこしずつすこしずつ好きになっていく

__ 
小沢さんが演劇を始められた経緯を教えて下さい。
小沢 
僕の姉は画家なんですが、姉の友達の関係である舞台のチラシデザインをしていたんですね。僕はそれまで、映画に興味があってワークショップだったりオーディションを受けていたんです。でも中々上手くいかなくて。そこに姉が「こういうのがあるよ」と教えてくれたのが「阪神タイガーウッズ」という名前の、いまはもう無き京都の劇団のワークショップだったんです。そこの主宰である方に興味を持ってもらえて。エチュードをやったりしたんですが、今までそういう事をしたことが無かったので新鮮だったんですよね。皆で何かでっち上げたり、お話にしたり。自分以外の人物になるという事がこんなに楽しいのかと。
__ 
なるほど。
小沢 
当時はガラスの仮面の北島マヤみたいな天才になりたかったですね。あんなに深く、そしてたくさんの他人の人生を生きる事が出来たらと。当時、自分の事が嫌いでコンプレックスをずっと抱いていたんです。少しでも現実逃避出来たらという気持ちもありました。自分とは違う人間になりたかった。それでもコンプレックスや嫌いな部分は拭いきれなくて、だから今でも基本的には、なぜ役者をやっているか、と聞かれたら、小沢道成という人間を魅力的にしていきたい、と答えると思います。
__ 
ご自身を魅力的にしていく?
小沢 
一年に4~5本舞台で役をやらせてもらっているんですが、色んな役の人生を味わえるんですね。舞台が一本終わると、確かに自分が何か変わっているんです。強くなったり弱くなったり、嘘をつくのが上手くなってたり下手になってたり。人とコミュニケーションを取るのが昔から下手だったんですが、役者を続けていて、少しは好きになっているんですよ。という事は小沢道成という人間が少しは魅力的になっていて、いろんな要素を吸収している。もしかしたら、悪いものを吸収しまくるかもしれないですが、それはそれで楽しみです(笑)最終的にはお爺ちゃんになった時に、いい人生だったと思いながら死んでいけたらいいかなと。
__ 
初めてお会いするタイプの方です。
小沢 
そうなんですか。
__ 
役者の生き方としては珍しいような、いや、それこそが最高の理由のような。
小沢 
「人を楽しませたい」という気持ちが前提にあるんですが、突き詰めていくとそういう理由になっていきますね。

タグ: 目を引く役者とは 役をつかむ 僕を消費してくれ 北島マヤ とにかく出演していこう 自分で考えてきたもの、の価値 新人の不安


一秒ごとに発見するぐらい

__ 
これは自分を変えた、という作品はありますか?
小沢 
沢山ありすぎて、どれを言えばいいかな。大きく自分を変えたのは、劇団に入ってからかな。京都で芝居をやっている時はどこにも所属をせずにフリーでやっていたんです。東京にでてきてから今の劇団と出会ったのですが、フリーの時とは違って、何年も一緒にお芝居をつくる仲間がいて、環境があって、もちろん今回みたいに再演をやる時もあるんです。その「再演」というのをやった時に、特に思うことなんですが、初演と比べて周りの仲間も僕も明らかに「変化」しているんです。そりゃ3年も経てば少しは成長するだろと思うのですが、そういう気付ける場所というのは今までありませんでした。今回の「エゴ・サーチ」をやっていてもそうなんですが、全てが新鮮で、あれだけ稽古も本番もやったのに発見することが面白いぐらいにでてきて。そういう気付ける環境が出来たことは、もの凄く大きな変化ですね。自分を変えれる場所、というか。

タグ: 再演の持つ可能性について


カーテンコール

__ 
舞台に立っていて、どんな瞬間が好きですか?
小沢 
カーテンコールの時です。
__ 
なるほど! 昨日拝見した「エゴサーチ」のカーテンコールは、全員、何だか潔い感じがしましたが。
小沢 
本当ですか。でも、そんな感じになったのは最近だと思います。それも覚悟が付いたからじゃないかな。2時間の舞台を確実に面白いものにする。そういう意思を皆で確認するところから始まるんです。舞台が終わった時に、お客さんと一緒になって作り上げた結果がカーテンコールなので。感謝を込めたあの瞬間ですね。
__ 
私は初めて虚構の劇団という集団を拝見したのですが、大変強い集団力を感じました。ラストの流れるようなシーン展開は、全ての演技が整理されていて、全員で一つのセリフを喋っているぐらいの、キレイで見事な演劇だったんですよ。
小沢 
嬉しいです。
__ 
お客さんが、笑っているんだけど同時にすすり泣いているような人もいて。
小沢 
鴻上さんの作品の特長だと思うんですよ。人を救えるくらい大事な言葉をエネルギーを、鴻上さんの作品は持っていると思います。

タグ: 泣く観客 エネルギーを持つ戯曲 鴻上尚史


飛ぶ

__ 
いつか、こういう演技が出来るようになりたい、というのはありますか。
小沢 
実は未来の目標が具体的にはないんです。というよりは、今目の前にある舞台に対して、確実に面白いものを届けるんだ、という責任と覚悟を背負っていけるように努力したいと思います。
__ 
今後、一緒に作品を作ってみたい方はいますか?
小沢 
たくさんいます!野田秀樹さんも好きだし、三谷幸喜さんも、ケラリーノ・サンドロヴィッチさんも本谷有希子さんも好きだし。色んな方とまだ出会っていないので。たくさん出会っていきたいです。

タグ: 今の作品に集中する 本谷有希子 野田地図


質問 北尾 亘さんから 小沢 道成さんへ

__ 
前回インタビューさせて頂きました方から質問を頂いてきております。東京の、Baobabというダンスユニットを主宰されている北尾亘さんからです。「ここ一年で一番恐怖を感じたのはどんな出来事ですか?」
小沢 
今年1月に僕が立ち上げたEPOCH MAN〈エポックマン〉という僕が作・演出をやる企画をやったのですが、初めてゼロの状態から演劇をつくったんです。企画を構想して、台本を書いて、劇場をとって、稽古場とって、スタッフさんも役者の方達も声をかけて、宣伝をして、演出をして、とにかく演劇の仕組みを知りたくて始めたのですが、主宰という立場なだけで、この公演を絶対に成功させなきゃいけないプレッシャーが半端なくて(笑)結局はひとりでは出来ないことが多くて、たくさんの仲間に助けてもらったりもしていたのですが、パソコンのデスクトップ画面にやることのファイルを次々に置いていたので、その膨大なファイルの量を見た時には、さすがに怖かったです(笑)。

タグ: 膨大な仕事量に押しつぶされそう


EPOCH MAN〈エポックマン〉

__ 
EPOCH MAN〈エポックマン〉。どんな作品を作られるのでしょうか。
小沢 
まだ一回しか公演をやっていないのですが、前回のは70分から80分の作品で、女性4人の芝居と、男女の二人芝居の二つの短編をくっつけた作品でした。僕自身が好きなのは、人の醜い部分だったりするんですね。女性の嫉妬心や執着心などのドロドロした部分。それが笑いになってしまいながら、心が痛くなるような。リアリティは大切につくるのですが、ひとりの役者がコロコロと役を変えたりと、基本的には生の演劇ならではのものは目指しています。自分自身が、何だかんだエンターテイメントが好きなので。
__ 
面白そうですね。拝見したいです。
小沢 
ただの、リアルな生活を見せるようなお芝居はあまり好きじゃないんですね。視覚的にも楽しみたいし、音楽も大切にしています。ただ、まだはっきりとは、こういう作風です、こういう色です、というのは見つけていないのでこれから探していこうといろいろ挑戦していきます。
__ 
彫刻で言うと、石の中から人物を取り出せていない感じ。
小沢 
まさにそうですね。その状態を楽しんではいるんですけど。映像も好きだし、落語も絵本も歌とかにも興味があるんですよね、最近。もしかしたら、毎回観にくる度に全く違う雰囲気の演劇になってるかもしれません(笑)とにかく今は、来年2月の公演に向けて次回作を書いています。
EPOCH MAN
虚構の劇団に所属する小沢道成が2013年より始める演劇プロジェクト。俳優として活動をしながら、劇団の自主企画公演で発表した数本の作品が好評を得る。人(特に女性の心の中をえぐり出すような作風と、繊細かつ粘り気がありながらスピード感ある演出が特徴のひとつ。問題を抱えた人物が前進しようとした時に生まれる障害や苦悩を丁寧に描きつつも、演劇ならではの手法で会場を笑いに誘う。(公式サイトより)

タグ: 努力を重ねる わたしの得意分野 書いてみたいと思った 見えないぐらい濃い交流 嫉妬心 印象に残るシーンを作りたい 舞台にいる瞬間 新しいエンターテイメント 作家としての課題 正体不明のエネルギー 作家の手つき


トリコ・A「つきのないよる」の思い出

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トリコ・A「つきのないよる」も出演されてましたね。
小沢 
ありがとうございます。あの作品はまた全然役柄が違いましたね。
__ 
そうでしたね。悪女役の丹下さんを手球にとる小沢道成という、珍しいシーンだったなあ。
小沢 
丹下ちゃん面白かったですよね。凄い好きです。山口さんの作品には、京都にいた事出演させてもらった事があって。だから今回も。それに、京都で一度共演させて頂きたかった方もいて。びっくりしました。
__ 
小熊ヒデジさんもいましたしね。
小沢 
いやー、凄かったですよ。本当に尊敬すべき先輩ですから。小熊さんはね、目が凄いんですよ。

タグ: 引き出し合う 舞台にいる瞬間


ぶつかっていこう

__ 
今後、どんな感じで攻めていかれますか?
小沢 
ええと、攻めていこうと思います(笑う)。守りに入るタイプだったんですよ。安全な所に入りがちだったんですが、それでは次の所にいけないので。真っ向にぶつかっていかないと、何も動かないし始まらないので。攻めて行きたいなあ。

タグ: わたしの得意分野 今後の攻め方


変わったシューズ

__ 
今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントを持って参りました。
小沢 
え、そんな。ありがとうございます。お気遣い頂いて。
__ 
いえいえ。今回のプレゼントのテーマは「不思議な出会い」です。どうぞ。
小沢 
何だろう。あ、この形は。(開ける)ちょっと、靴じゃないですか。
__ 
ただ、サイズがどうかと思うんですが。
小沢 
多分、ぴったりだと思います。
__ 
稽古場などで履いて頂ければと。

タグ: プレゼント(履物系)


26歳の北尾亘が探しているもの

__ 
今日はどうぞ、宜しくお願いします。北尾さんは、最近はどんな感じでしょうか。
北尾 
こちらこそ、よろしくお願いします。僕はいま26歳なんですけど、今年に入ってから色々とお仕事を頂いておりまして、ずっとばたばたとしています。26歳としては、そろそろ将来のことを考えて動いていかないといけないなと思っているところです。一日のなかで、考える時間が多いですね。ネガティブな思考になりがちなので、後ろ向きになってしまわないように気を付けたいです。
__ 
私も基本的にはネガティブなので、お気持ちは分かります。いつか、ここから抜け出せるでしょうか。
北尾 
それを信じて行きたいですね。今年の残りがどうなるかで決まるように思うんです。あと少し、駆け抜けたいです。
Baobab
主宰:北尾亘が全作品の振付/構成/演出 所属メンバー:目澤芙裕子・米田沙織と共に企画/運営を行う。作品毎にダンサーや役者の垣根を越えた人材を募り、経験の有無や得意不得意に関わらず集まった人をみな踊らせてしまう大胆なダンスの扱い方が特徴。コミカルでいてリズミカルな独特の躍動感を持つ振付と、それぞれの関係性にまで手を伸ばす演出を織り交ぜ、[時に喋り歌い 沢山笑ってたまに泣く] 強いパフォーマンス性を武器に身体の先に人間を描く。出演者それぞれの本音として溢れ出る身体・言語を舞台上に充満させ、その熱が客席まで侵食していくような表現を目標としている。 KYOTO EXPERIMENT (京都国際舞台芸術祭)/ ダンス・インパクト吉祥寺/PLAY PARK~日本短編舞台フェス~/こまばアゴラ劇場 サマーフェスティバル 汎-PAN- 等様々なフェスティバルにも積極的に参加し、活動の幅を広げている。またパフォーマンスと観客のボーダレスな関係を求め、作品創作だけでなくパフォーマンスイベントの企画やクラブイベントへの出演なども行う。●トヨタコレオグラフィーアワード2012「オーディエンス賞」受賞●コンドルズ振付コンペディション2010(CCC) アホウドリ賞(準グランプリ)受賞・KYOTO EXPERIMENT(京都国際舞台芸術祭) フリンジ企画 3年連続参加(公式サイトより)

タグ: どんな手段でもいいから続ける ボーダレス・横断 追い詰められた時期 最近どう? ネガティブ志向 夜の共犯者 本音の価値