【LOVE】

__ 
石田さんが主宰するリンクスという演劇イベント。私はこれまで4回ほど拝見しました。大変盛り上がるイベントで、今年2月の「NonStop to TOKYO」が最新のイベントですね。
石田 
ありがとうございます。いまはイベントは出来ていないのですが、今までに関わった人たち・新しく出会った人たちの劇団の稽古場にお邪魔して、その様子をtwitterとかSNS、ブログ「日々幸進(http://ameblo.jp/mkca/)」で伝えています。
__ 
いいですね。
石田 
僕が載せた情報を見て劇場にいらしたという方もいるんですけど、僕の活動をみてあまりいい気がしない方もやっぱりおられると思うんです。この活動、賛否両論だと思うんですけど、どう思われますか?
__ 
そういう人は石田さん個人が嫌いなんじゃないですかね?
石田 
ああ~あはは。僕の事が嫌いなら嫌いでいいんです。でも、僕はそういう人とちゃんと話したいと思ってるんですよね。
__ 
いや、きっと誠実な活動であるとか、ひたむきさが届けば、認め合えるとは思うんですよ。きっと。私もそうだったので。
石田 
そう言って頂けると嬉しいです。僕の動きの原点は【LOVE】なんです。大好きである事。何を言われようが、僕は好きな人の為に動けるんですよね。人の道に外れなければ、何をやってもいいかなと。もちろん、批判される事はあるんですけどね。
__ 
リンクスという個性的な演劇イベント、確かに拒否感を持つ人はいますよね。私も当初そうでした。
石田 
あは~(笑う)。
__ 
そして同時に、「こういう人が好きだなあ」という感情も強かったんですけどね。その感情が最も強かったのが、最後のリンクスのテーマソングの合唱。演劇のショーケースなら、一つ一つの世界観を大事にしたいという気持ちと、イベントなんだから盛り上がって嬉しい、という二つの感情が温度差を持ちながら同居していたというか。
石田 
なるほど。
__ 
個人的には、ショーケースとして構成が非常によく出来ていたイベントとしては、スイス銀行のイベント「スイス金鉱」が凄く良いなと思った事があります。3つ程度の団体の作品がランダムに出てきたりして、途切れないんですよ。リンクスでは、上演の幕間の暗転が、ちょっと流れが切れていたんですよ。芝居の内容はとても良かったんですが。
石田 
見せ方の問題という事ですね。
__ 
そう、まさにそうです。
演劇ソリッドアトラクションLINX’S「NonStop to TOKYO」
公演時期:2013/02/14~18。会場:世界館。
演劇ユニット スイス銀行
嶋田典子・久野麻子・枡野幸宏による演劇ユニット。「お客様の信用と信頼を大切に」上質な会話劇を年1~2回公演する心構え。時折イベントとしてCafe Liveなども展開する(予定)(公式サイトより)

タグ: ユニークな作品あります 賛否両論


演劇イベント、リンクス。

__ 
今日はどうぞ、よろしくお願い致します。石田さんは最近はどうでしょうか?
石田 
そうですね、最近仕事がめっきり忙しくなって。イベント関係の事があまり出来なくなって。
__ 
演劇イベント、リンクス。やっていた時はもっと忙しかったでしょうね。
石田 
同時に、もちろん仕事していまして。どちらも詰め込みでやっていました。
__ 
演劇と仕事、どちらが大事ですか?
石田 
演劇です。
演劇ソリッドアトラクションLINX'S
45歳サラリーマンの僕が観劇の中で出逢ってきた、キラキラした劇団たちを学生、社会人、子供も大人も演劇を見る人も、普段足が遠い方も共に体感しようという劇団たちをずらり並べた演劇イベント。2009年から大阪にて5回上演。2012年には東京公演を敢行。1967年生まれのサラリーマンが巻き起こす演劇ソリッド・アトラクション!それが、LINX'S !!!!(こりっちより)

タグ: 演劇人が社会において果たすべき役割 糊口


四角い傷跡


(撮影:末山孝如)
__ 
末山さんは小売店の店長でもあると同時に、写真家であり劇作家・演出家でもあるんですよね。お店としては大丈夫なんですか?
末山 
ありがたいことに、意外と大丈夫です。写真は大体、休みの日とかに撮っています。仕事に差し支えない範囲でやっています。忙しいと、中々稽古場には行けないんですが。
__ 
写真はいつから撮り始めたのでしょうか。
末山 
学生劇団時代にチラシを作ったりしていて。何かを作るのっていいなあと思って。それから、結婚式場の撮影を担当する部署に就いたんです。ただ、一眼も触った事がない状態だったうえに激務で、すぐ辞めてしまって。でも、何だか悔しいというか情けない気がして。その延長で、写真を趣味で撮り始めました。
__ 
なるほど。
末山 
今は、演劇のチラシ写真の撮影とデザインも手がけています。資料を持って来ました。
__ 
ありがとうございます!(受け取る)あ、何色何番のプラスチック・ガールや、宗岡さんのチラシがありますね。
末山 
出ましたね。
__ 
宗岡さんのこのチラシ、撮影の時のUstream見ました。年末に。面白かったです。末山さんは、人物を撮る時にどういう事に気を配っていますか?
末山 
まずは明かりと、なるべく作りすぎない感じの表情が撮れたらいいなと思います。ポーズは細かく指定するんですけど。
__ 
細かい指定・・・例えばこの十中連合の「濡れると、乾く」は。
末山 
水浸しの世界で、身を寄せてこじんまりと生きていこうという雰囲気が出たらいいなあと。人物を撮る時は、この人のこの表情はあんまり見いひんやろう、とか、実はこの角度いいよね、みたいな。意外な感じが見えてそれがいい表情だと、いいなあと思っています。
__ 
意外な面。
末山 
ピンク地底人2号さんとか、四方香菜さんとか。
__ 
あ、分かると思います。全然知らない人に見えますよね。寂しそうな表情が見事でした。写真を見た人に、どう思ってもらいたいですか?
末山 
場合によりますけど、女の子の写真を撮る時は「意外と可愛いやん」と思ってもらいたいですね。
何色何番
京都の片隅にてお芝居の活動をしています。(主に京都市内の北側にて)たかつかな と 村井春也。(むらいはるな)の二人で構成されています。よく「女の子らしい芝居だ」と評されるのですが、二人とも女の子なのでそりゃあそうだろうなと思います。等身大の生活(外世界)と自分(内世界)を、基本的に地味に、時々派手に創り上げます。毎公演ごとに色(テーマ)を決めて企画を練り、御馴染さんやその色に合った方を招いて、ユニット形式で公演を打っています。年に2回程の公演を心がけています。(公式サイトより)
十中連合
2009年大谷大学演劇部劇団蒲団座を母体に旗揚げ。京都を中心に現在5名で活動中。渡邉のSF(少し不思議)な脚本を元に、悲しいことも楽しいことも全て「茶番劇」に作り変えてしまう。(公式サイトより)

タグ: 「異なる角度から」 何色何番 舞台撮影について Ustreamの話題 意外にも・・・


切り離す

__ 
末山さんの脚本。「ビリビリ直子ちゃん」、とても面白かったです。ある高校の文化祭を舞台に、原発問題と表現の自由を描く野心作。書く時に、どのような事を考えましたか?
末山 
あの時、社会的な気分だったんですよ。原発に関して、あんなにいっぱい反対する人がいて、でも預かり知らぬ所で物事が決まっていって。そんなのでいいのか。黙っていていいのか?という疑問があって。しかし、とはいえ、僕が反対運動に参加する訳じゃなし。
__ 
ええ。
末山 
大飯原発再稼働の時、会社の研修で東京に行っていて。滞在していたホテルの部屋で、デモのUstream中継を見たんです。僕は原発を信じていないし、あっさりと再稼働するのはおかしいと思っていまして。でも、反対派の人たちの騒ぎもどうかと思うんですよ。太鼓で音を鳴らしたり、神輿を担いだり。この人の中には、消費税増税反対派の人々もいるに違いないと。
__ 
そうでしょうね。
末山 
身の回りの事を切り分けずに、色んな問題をいっしょくたにしてるんじゃないか。もっと、細かく切り分けて考えた方がいいと思うんですよ。それとこれとは話が違う。僕の中には、そういう考え方が根づいていたんです。
KAIKA劇団 会華*開可「ビリビリ直子ちゃん」
公演時期:2012/11/23~25。会場:KAIKA。

タグ: 文化祭前夜 超天晴!福島旅行 ユニークな作品あります


正しく生きる

__ 
末山さんがいま演劇を続けているのはどういう理由があるのでしょうか。
末山 
何でしょうね・・・。漠然とした話なんですが、正しく生きたいという気持ちがあって。その正しく生きるという事が自分にとって何なのか?と言われると困るんですが。正しく生きる事を考え続ける為に演劇が必要だと思っています。
__ 
逆に、演劇というフレームでどのような事が見つかりましたか?
末山 
大事な話は面と向かってしないといけない、という事ですかね。それと、自分の身の回りは一つ一つ切り分けて考えないとおかしな事になるよな。という事。演劇を作る上で作品を突き詰めて考えるというのは切り分けるという事と凄く繋がってくると思います。
__ 
脚本を書きたいという動機はどこから始まっていますか?
末山 
前は個人的な恨みつらみの捌け口として書いていたんです。でも、その内に、世の中これじゃいけないだろうと思い始めてきて。人の心の持ちようから、もっと世の中が良くならないものかと。たくさんの人に見られる訳じゃないし、街頭演説する訳でもないんですが、手が届くちょっとの人に、思いが伝わって行ければと思います。

タグ: 外の世界と繋がる 生き方と世の中の為に動く 捌け口として書いていた


劇場へ

__ 
演劇を始めた経緯を教えて頂けますでしょうか。
末山 
高校の時に演劇部に入ったのがきっかけです。何か部活に入ろうと思って、でも運動神経がないので運動部じゃないし、めぼしい文化部もないし。何をしたらいいのかと迷っていたら、小学校の頃の学芸会が楽しかったので、それを思い出して。それと、模型を作るのが趣味だったんですが、小道具を作ってみたら面白いんじゃないかなと思って。高校を卒業後、京都府立大学でも演劇部に入りました。
__ 
演劇実験場下鴨劇場ですね。「メガネ大使La・Gun」という作品がありましてですね、それが最高に面白かったんですよ。
末山 
ああ、伝説の。中野貴雄さんの作品ですね。僕ら後輩の間でも「La・Gunの頃が下劇のピークだったよね」と言われているぐらいです。僕らの代からまたちょっと方向性が変わっているみたいです。しょうもないアホな事を、たらたらやる、みたいなのを僕らの代が初めたんですよ。
__ 
下劇、またゆっくり時間を取って見に行きたいですね。ところで、大学の演劇部時代で見た衝撃作を教えてください。
末山 
電視游戲科学舘の惑星組曲と、ショウダウンの「僕らの二日間戦争(改)」でした。京都に来るまで小劇場を見たことがなくって本当に凄かったです。役者さんもすごいし、美術もすごいし。
__ 
懐かしいですね!
末山 
僕が大学に入った時なので、2004年ですね。あと、実は高校の頃に青年団が地元に上演しにきていて。「冒険王」という。子供向けの演劇とか以外で演劇を見たのはあれが初めてです。

タグ: アートコンプレックス1928 ファンタジー 書いてみたいと思った 迷っています メガネ大使La・Gun 伝説的な公演 学芸会


質問 片岡 百萬両さんから 末山 孝如さんへ

__ 
前回インタビューさせていただいたミジンコターボの片岡百萬両さんから質問です。ご存知でしょうか?
末山 
観に行った事はないんですが、毎回チラシがカッコイイと思っています。
__ 
「死ぬまでに見ておきたいものはありますか?場所でも何でも結構です。」
末山 
親の死に目と、妹の花嫁衣裳ですかね。

タグ: 衣裳・ウェディングドレス


十年

__ 
今後、どんな感じで攻めていかれますか?
末山 
地道に脚本を書くのと、写真を続けます。向こう10年くらいは、京都でこういう事をやっていきたいですね。仕事との両立を頑張りながら、もうちょっと演劇と写真を頑張りたいなと思います。

タグ: どんな手段でもいいから続ける 今後の攻め方


鮭とば

__ 
今日はお話を伺えたお礼にプレゼントを持って参りました。どうぞ。
末山 
ありがとうございます。ドキドキですね。(開ける)うわわっ。鮭とばじゃないですか。北海道の帯広出身なので、懐かしいです。

タグ: 北海道出身 プレゼント(食品・飲料系)


店長一年目

__ 
今日はどうぞ、よろしくお願いします。末山さんは最近、どんな感じでしょうか。
末山 
次は、岩戸山のコックピットKAIKA劇団 会華*開可として出ます。
__ 
どんなお話になるでしょうか。
末山 
いやあもう、宇宙です。
__ 
お仕事も忙しいでしょうに。
末山 
(笑う)店長一年目なので、大変ですね。雇われ店長なので。
KAIKA劇団 会華*開可
[KAIKA劇団 会華*開可]京都市下京区・KAIKAに所属する劇団。「楽しいことをしているときの人は輝いていてステキ」という思いから、「楽しい」「やってみたい」「おもしろそう」とメンバーで共有できるものを模索しながら、作品を創ることをモットーとしている。2011年から始動した地域劇団。『楽しさのクオリティ』の向上を目指して活動中。(公式BLOGより)
岩戸山のコックピット
公演時期:2013/10/7~27。会場:KAIKA。

タグ: 宇宙の話


一人芝居の脚本執筆中!!

__ 
今日はどうぞ、よろしくお願い致します。片岡さんは最近、どんな感じでしょうか?
片岡 
最近はおかげ様で忙しくさせて頂いていますね。いまはウチの劇団員の真壁愛がindependentの一人芝居フェスに出るんですが、今その台本を書いています。
__ 
どのような作品になるのでしょうか。
片岡 
前回は恋愛の話だったし、今回はせっかくの一人芝居なので、少し変わった事をやってもらいたいなと思って。女性役ではないものを書こうとしています。
__ 
人間以外ですか?
片岡 
人間ではあります。やっぱり、振り幅の多い役をやった方が貴重な経験になるなと思っていまして。僕も他の所に出させて頂いて、そういう恩恵も感じているんです。ウチの劇団員には色んな役をやらせて、引き出しを広げてもらえたらと。
__ 
作品が上演されるのは一人芝居トライアル二次審査、ですね。
片岡 
審査会という事で、14組中6組なのでどうしても周りを意識してしまうんですけどね。でも見せるのはお客さんだし、一人芝居やねんからその関係性を崩さないようにしてほしいですね。そうした意識を内に秘めて望んで欲しいです。
__ 
そういう意味では、落語に似ていますよね。
片岡 
そうですね。一人芝居の作り方って、一人で喋っててもおかしくないシチュエーションを設けるか・独り言をただただ吐露させる説得力を成立させるために人物設定を練り上げるか、なんじゃないかと。脚本家としての腕の見せ所ですね。裁判での証言とか、留守電に言葉を吹き込み続けるとか。僕が一人芝居フェスに出た時は浮遊許可証の坂本見花さんに脚本をお願いしたんですが、坂本さん「これ、終わっても拍手一つも貰えないかもしれませんよ」って。最高じゃないですかそれ、って。
__ 
脚本と役者の掛け合いの究極が一人芝居なのかもしれませんね。どんなものになるのか、楽しみです。
ミジンコターボ
大阪芸術大学文芸学科卒業の竜崎だいちの書き下ろしたオリジナル戯曲作を、関西で数多くの外部出演をこなす片岡百萬両が演出するというスタイルで、現在もマイペースに活動中の集団、それがミジンコターボです。最終目標は月面公演。(公式サイトより)
INDEPENDENT:13 トライアル
審査:2013/7/9~10。会場:in→dependent theatre 1st。

タグ: 役者の積み上げ 目を引く役者とは 拍手についてのイシュー 引き出し合う 浮遊許可証 一人芝居 落語 実験と作品の価値


應典院舞台芸術祭space×drama2013 特別招致公演 ミジンコターボショートショートvol.11「ゼクシーナンシーモーニングララバイ」

__ 
前回の公演「ゼクシーナンシーモーニングララバイ」。大変面白かったです。当初私は楽しいお芝居を期待して劇場に行ったのですが、実際に受けた印象はそれとはかけ離れた、個人の心情に触れる作品でした。話の筋は、人生に迷って生きる優柔不断な男・シンイチの後をヒロイン・ナンシーが付いて行くというもので、男女同権主義者としては心にクるものがあったんですが、やはり一人の男として、彼の人生は果たして幸せだったんだろうかと。ハッピーな結婚の話だったんですが、そう考えると哀しい感情を掻き立てられるような・・・人生で仕事を見つけられなかった彼は、死後、天国で最高に幸せな結婚式を迎える訳ですが、それは彼の人生にとっては本当の幸せなんだろうか?この話、片岡さんはどのようにして生み出されたのでしょうか。
片岡 
まず、すんごい遠い題材でやりたいと思っていて。僕自身が結婚願望がそんなにないんですよ。じゃあいっそのこと、結婚をモチーフにしたお芝居にしようと。さらに、言い訳ばっかり口ばっかの守るものもない、何の目的もなく生きている男の話を書きたいと思ったんですね。言い訳する奴の話が書きたかったんです。
__ 
なるほど。
片岡 
そして去年、公演直前に入院した話。
__ 
本公演「シニガミと蝋燭」の時、ですね。
片岡 
誕生日の前日にやっちゃって病院に搬送されたんです。ところで入院すると、名前や番号や誕生日が書かれたバンドが手首に巻かれるんですよ。次の日が誕生日だったから一日限りのバンドだったんです。なんや、年齢変わるんかいな、と。稽古場もバタバタしていた状況だったので、僕の状況が誰にも伝わっておらず、期せずして誰も近くにいない、祝ってもらえない誕生日がやってきて、逆に気持ち良かったんです。一人や、と。病室はカレンダーはあったんですが時計が無くて、時間も分からないみたいな残酷さを感じて。人に迷惑は掛けているけど開き直るしかない境地になってました。だって、もう申し訳ないという言葉を重ねてもしょうがなくて。病室から稽古場に連絡を取って、役者さん達に頑張ってもらったんです。そういう、ちょっと死を感じるような事があったんです。人が周りにいっぱいおるけど孤独感がある。そういう感覚は女性には分かってもらえないんじゃないかと思ったんですね。それをやりたい、というのが原動力かなあ。
__ 
そのリストバンドの存在が印象的ですね。誕生日が書いてあるものを手首にはめられるのはちょっとショッキングかもしれません。いや、填めてみないと分からない感慨でしょうけど。
片岡 
そうなんですよ。それにもうその歳ちゃうがなと。もう歳食ったんかいと。去年から入院していたような気になってしまって・・・。劇団員が千羽鶴折って持ってきてくれて、千足りてなかったんですけど。なるべく早く退院したくて、リハビリ以外の時間も頑張ったんですよ。夜中に病院脱出しようとしてみたりして、めっちゃ怒られました。力づくで病院の玄関をこじあけようとしたりして(笑う)。
__ 
「ゼクシー」の主人公のシンちゃんも、言ってみれば寂しい人生だったんじゃないかと思うんです。あの特殊能力も活かせないまま。
片岡 
そうですね。
__ 
私にとっては虚しくて泣ける話でした。
片岡 
男性全てがそうだとは限らないんですが、知人の結婚式にいくと、やっぱり新郎さんではなく新婦さんにフォーカスが当たるんですよね。でも満足気なんですよ。目立ってないけど。目立つ事が良い訳ではないけど。女性がやりたい事をやっているのを見て満足しているというのが、男にはあるんじゃないか。ちょっとロマンチックですが、それを見ているだけでプライスレスというか。シンイチの人生に関して言えば、それが一番のご褒美だったんじゃないかと思うんです。自分が演じてきて、それを感じましたね。
ミジンコターボ-10『シニガミと蝋燭』
公演時期:2012/7/27~29。会場:ABCホール。

タグ: 役者の認識(クオリア) 残酷な演劇 死と性と 産みの苦しみ ユニークな作品あります 感想がトシと共に変化していく 迷っています 孤独と演劇 男性性とは何か 大・大・理不尽


質問 藤本 隆志さんから 片岡 百萬両さんへ

__ 
前回インタビューさせていただいた、てんこもり堂の藤本さんから質問です。「靴を選ぶ時の基準は何ですか?」
片岡 
靴ですか?それは・・・すごく面白い質問ですね。
__ 
藤本さん、以前に片岡さんを舞台でご覧になったときにお洒落な方だと思われたそうでして。
片岡 
恥ずかしい。僕はですね、足の長さに対しての甲の高さが高くて。普通に足のサイズに合わせて選ぶと痛くなってしまうんですよ。だから、1.5cmほど長いのを選びます。でも先端が空白になってしまうのが悩みです。あ、柄がうるさいのを選びますね。今もうるさいのを履いています。

タグ: 恥ずかしいコト


旗揚げ前夜

__ 
片岡さんがお芝居を始められた経緯を教えて頂けないでしょうか。
片岡 
高校の演劇部ですね。ものすごく仲の良かった子が部長で、人数が足りへんと。最初は全然本気じゃなかったのに、どこでスイッチが入ったのか。
__ 
なるほど。
片岡 
いっこ下に竜崎がいてたんですけど「こんなふざけた奴が入ってくるなんて。私やめます!」って辞めたんですよ。部長が泣いて「皆仲良くやってくれへんかな」と。したら戻ってきてくれて。卒業するとき引退したんですけど、OBだけで劇団を旗揚げしたんです。1年したら竜崎たちも合流して。惑星ピスタチオの「破壊ランナー」に衝撃を受けて、LOVE THE WORLDに入って。それくらいまでOBの劇団でやってましたね。
__ 
ありがとうございます。ミジンコターボを旗揚げした経緯を教えて頂けますでしょうか。
片岡 
LOVE THE WORLDが解散するとき、僕は放り出された気分になったんです。打ち上げの席で、この2・3年ずっと同じ釜の飯を食った仲ばかりでした。「まだやり足らへん人、一緒にやらへんか」って募ったらぱっぱっぱって手を上げてくれて。嬉しかったですね。で、面白いんちゃうんかって竜崎も連れてきて。劇団名を決める時に、僕以外は「ミジンコターボ」がいいと。僕は百萬両一座がいいと言ったんですけど多数決で負けて。いま、多数決で勝った人は誰も残ってないんですけど。由来は気に入っています。

タグ: 分岐点 俳優同士の闘争心 衝撃を受けた作品 名称の由来 私たちの世代 旗揚げ


燃えるビセイブツ

__ 
由来とは。
片岡 
僕らは、その頃も今でも無名だし、宇宙から見れば微生物みたいなもんで。でも、そんなのでも集まって頑張ったら、お客さんと充実した空間を作れるんじゃないか。
__ 
加速して、ですね。
片岡 
ターボエンジンを積んでね。
__ 
ミジンコターボの魅力は、やっぱりお客さんにムリをさせずにあの熱気の渦に巻き込んでいける丁寧さだと思っていますが、いかがでしょうか。
片岡 
自分ではあまり意識はしていないんですけど、エンターテイナーやなと人には良く言われます。お芝居に触れた事の無い人が初めて見るのがミジンコターボなら、その人は演劇に興味を持つだろうとよく言われて。嬉しいのは、「見て元気になれました」という感想です。こっちが元気を貰えますやん、次も頑張れます。
__ 
片岡さんは、お客さんに元気になってもらいたいんですね。

タグ: お客さんに元気になってもらいたい 演劇の入り口を作る 名称の由来 丁寧な空気づくり


片岡さんが面白がれる

__ 
片岡さんのショートコント公演と、竜崎さんの本公演。ミジンコターボの作品はこの二形態がありますね。それが奥の深さを感じさせているように思います。
片岡 
本公演とコント公演ではやり方が全然違うんですよ。台本も縦書きと横書きで違うし。何より本公演の方はテキストの量が比較にならないほど多くて、役者がセリフを全部言えるようになるまでは「セリフ返せ返せ、感情なんて後からついてくんねん」言うて。
__ 
コント公演の稽古では。
片岡 
やっぱり僕が書いて演出している分、外したくないポイントはあって。でもそこ以外は○○○にしてあって、日替わりのセリフという訳じゃないんですがあえて役者に委ねている部分なんですよ。
__ 
聞いたことがあります。片岡さんが面白がれるのがポイントなんですよね。
片岡 
あんまり良くないんですけどね。
__ 
何だかミジンコターボの稽古はしんどいけれど物凄く充実してるんだろうなあ、と思うんです。
片岡 
実は稽古以外の時間の過ごし方にも興味があって。ある役者さんが、自分の芝居にどうしても納得いかないと。帰り道が一緒な役者を誘って公園で稽古したというのを後で聞いたり。悩んどんなあと。そういうのって、いいなあと思いますね。

タグ: 情報量の多い作品づくり 稽古場の使い方・大阪・エンタメ系


どうしたら面白い登場になると思う?

__ 
ミジンコターボが本公演・コント公演共に非常に優れているのは、ダンスやネタだけじゃなくて、出ハケもその一つなんじゃないかなと思うんですよ。そのタイミング、そして方法が本当によく考えられていて、完璧に実行されるのがいつも見事だなあと思うんです。
片岡 
そうですね、注文は凄くしますね。気が付いたらいつの間にかおってほしくて。台本には詳しく書かれていない事もあります。場合によっては、どうしたら面白い登場になると思う?って考えてもらう事もありますよ。
__ 
出ハケは身体での演技の前後段階で役者が表現するチャンスなんですが、だからセリフよりもずっと早くに観客に届くものだと思うんです。だからそれを役者に求めるのは独立性を求めているんですね。
片岡 
若い役者さんって、セリフをしゃべる事だけに集中してしまいがちなんじゃないかと思うんです。セリフがない時こそ頑張ってくれと思いますね。

タグ: 出ハケについて


生き延びる

__ 
今後、描いていきたい作品は。
片岡 
自分の展望としては、全編にわたって山場がない作品を作りたいです。
__ 
というと。
片岡 
ゼクシーは最後の結婚式が超山場でした。そういうシーンが無くても超面白い。そんな作品が作りたいです。印象的なシーンが無くても勝負できる。構成に頼らない作品を作れればと思います。最後にビッグパンチを用意するのもいいけど、それで前半緩んでるんじゃないかと思われないように。痺れさせないまま駆け抜ける作品を作ってみたいですね。
__ 
ミジンコターボ、今後はどんな感じで攻めていかれますか?
片岡 
今話しているのは、「持ち運びが出来る作品を作ろう」という事です。関西を中心というのは変わらず、他の地に持っていけるような。劇場の大きさや状態に関わらず、ブレのない作品ですね。音響・照明などのテクニカルをはじめ、空間を相談しながら作っていくんです。
__ 
持ち運び出来る。それが、ミジンコターボらしさをもっと純粋に高めてくれればいいですね。もちろん、らしさを損なわずに。
片岡 
ウチの人間は大体みんな一人芝居をやっているので、それをパックにして持って行こうぜとも言ってるんです。それだけで3時間ありますね。僕、竜崎、Sun!!、川端、江本と。一人芝居好きなんかと。
__ 
素晴らしい。では、片岡さん個人としてはいかがでしょうか。
片岡 
俳優としてはやっぱり、面白いと形容され続けたいなと思います。エンジョイというか、愉快やなあ。尼崎に生まれて、大道芸人の気質が残っているのか。面白いと思われたいというのがずっと残っていますね。
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なるほど。
片岡 
僕、舞台上で絶命することが多いんですよ。生き延びるような役を演じてみたいですね。死ぬって未知の、経験していない事じゃないですか。経験している事の中で反映出来る芝居がしたいです。

タグ: 今後の攻め方 作家としての課題 演劇は勝ち負け?


エンドマーク、スタートライン

__ 
・・・「ゼクシー」の話に戻りますが、正直、ミジンコターボの作品として、最も人間性を感じたんです。ネガティブな事をポジティブに変換したミジンコターボの作品作りはとても好きでしたが、同時に、この人達は眩しすぎて直視出来ない、とも思っていました。でも、例えば病室で感じた孤独感をそのまま作品に持ち込んで、それが誰かの琴線に触れるような作品が拝見出来るとは思っていなかったんですよ。意外だと思うと同時に、何だか嬉しかったです。
片岡 
そうした感想を頂けるのは嬉しいです。僕にとっては新天地だったので。
__ 
面白かった上に、泣けたという感想もあったみたいですね。
片岡 
最後のシーン。プロのバイオリニストの方がシンちゃんの亡き父親役で出演して下さいまして。そのシーンのリハーサルで僕は演出なので前から見させてもらったんです。主人公なのに。でも僕抜きでも成立していて、押し寄せてくるエネルギー量がね、バイオリンが良かったという感想だけだったらどうしようと思いました。
__ 
なるほど。
片岡 
これ裏話なんですけど、隙間の時間に、僕と音響王子とそのバイオリニストの方だけで音響のレベルチェックをしていたんです。アイデアとして、「本当はお父さん、めっちゃ下手なバイオリニストだったという設定はどうか」と。実際に音を外してみて貰ったら、やったらめっちゃ盛り上がりました。
__ 
それはちょっと泣けますね。そんな事をやったんですか。
片岡 
人間としてはそれが普通かも。上手だったら出来すぎやろう。下手くそやったんやお父さん!でも、それやったら意味あらへんがな、と。
__ 
天国にまで行ったのに。それは逆に出来すぎですね。
片岡 
これは泣けるけど、そういう人は少ないやろうなという話になりまして。結局、丁寧に弾いて見ただけました。

タグ: エネルギーを持つ戯曲 天才スタッフのひらめき 生演奏のある作品 楽器の話題・バイオリン


絵本 ごんぎつね(新美南吉/作 いもとようこ/絵)

__ 
本日はお話を伺えたお礼に、プレゼントを持って参りました。どうぞ。
片岡 
ありがとうございます(開ける)おっ。ごんぎつね。ありがとうございます。キツネ、好きなんで。いいんですか。
__ 
ちょっと荷物になるかもしれませんが。

タグ: プレゼント(書籍系)