枚方市にて

__ 
大熊さん率いる壱劇屋は由緒ある磯島高校演劇部のOBを中心に旗揚げされたんですよね。
大熊 
そうですね、いまはもう磯島高校は統廃合でなくなってしまったんですけど。僕らの代の演劇部が全国大会の切符を手にして、でも大会の規約で後輩に切符と台本を引き継いで卒業して。可哀想ですよね。
__ 
あとはお任せ的な。
大熊 
僕らの代は結構、パワーあったんですよ。その時からのメンバーは3人です。さらに、その時代に高校演劇をやっていた人達が中心メンバーですね。前回公演のチラシを作ってくれたのもその時の繋がりだし。
__ 
とても羨ましいですね。私も高校演劇だったので、その当たりの感覚が好きです。

タグ: 高校演劇 私たちの世代


「突撃!八百八町!!」の思い出

__ 
「突撃!八百八町!!」でとても楽しかったシーンがあります。3章仕立ての最後くらいで全員が「バンブー!!」って主人公の掛け声が感染るシーン。竹村さん演じるタケミツナリタは巻き込まれ型の主人公ですが、話が進むにつれてだんだんと異能力者という事が判明し、逆に周囲を巻き込んでいくという壮大な逆転を体現したシーンと言えるでしょうね。
大熊 
ありがとうございます。とは言え、僕はあれ何にも言ってないんですけどね。気がついたら勝手にあいつらが「せーの、バンブー!」ってやってて。あ楽しそうやな・・・と。
__ 
そうなんですね。いい作品でした。
大熊 
ちょっと怖かったんですよね、最近の作風とかけ離れていたので、ウチを好きでいてくれるお客さんに受け容れられるかどうか。不思議な感覚を大事にした演劇をずっとやっていたし、くだけた感覚のは久しぶりでしたし。娯楽に徹したB級を全力でやらせてもらいましたが、結構楽しんでもらえたみたいでした。
__ 
あれだけふざけられるとは思ってなかったです。とても面白かったです!どうやって作ったのか気になるぐらい。
大熊 
僕が一応、作演出なんですけど、結構みんなで話すんですよ。お話も皆で書いたりしてるんです。稽古の進め方についても全員主導で、僕が最終決定するんですけど、竹村が中心にストーリーも考えてますね。「今回こんな感じのがしたいんだけどどうしたらいいかな」から始まって。僕は最初「主人公の名前はバンブー万太郎にしたい」と提言したんですが、それは嫌やと言われて「タケミツナリタ」にしたり、実は公演タイトルも・・・。
__ 
つまり、壱劇屋の作品はメンバー全員が作って同意したアイデアと意見で出来ている。
大熊 
まあ、大きいですね。
__ 
息が合っていると感じるのは、全員から出てきたものを面白くしようと動いているからかなと、ふと思いました。手作り風味と言えるのでしょうか。
大熊 
そういう事かもしれませんね。

タグ: B級の美学 手作りのあたたかみ おふざけ


分かりやすい面白さと芸術的な面白さの中間

__ 
今日はどうぞ、宜しくお願い致します。大熊さんは最近、どんな感じでしょうか。
大熊 
焦っていますね。来年でアラサーなんで、生活的な事が気になる年齢になってしまいました。周りの演劇人たちは一体どうやって生活してるんだろうと。
__ 
頑張って下さいとしか言いようが無いんですが、もっと多くの人々が大熊さんに注目したらいいですよね。
大熊 
ありがとうございます。ここ最近、演劇の感想が以前と違うんですよね。昔は何を見ても面白かったんですが、今は自分の作品に結びつけて、純粋に楽しめなくなっているんです。面白いと思っても心の奥底では・・・。
__ 
一人の人でも、色んな感想を持つものですからね。
大熊 
そうですね。Web上に面白くないという感想を書く人もいる。反面、つまらないと思った作品の面白い点をキャッチ出来ている自分もいる訳で。そういう芝居を見た後に自分のとこを省みると、ウチはエンタメだからなあ、楽しませられなかったら終わりやからなあ、楽しめなかったらごめんなさいだなあって思うんです。今年の2月はとくにはっちゃけた作品を作ったり、そうかと思えばコンテンポラリーのパフォーマンス作品もやるし、ウチもやっぱり色々方向性が違う作品を作ってるんですよね。
__ 
「突撃!八百八町!!」は完全にエンタメ系でしたね。
大熊 
そうですね、とにかく、カッコよかったり面白かったりを感じてもらえなかったら終わりやなあと思って作ってます。中間を狙いたいんですよ、こんな言い方をすると怒る人がいるかもしれないんですけど。
__ 
大丈夫だと思います。
大熊 
エンタメ系とアート系の中間、分かりやすい面白さと芸術的な面白さの中間で、いい感じでバランスを取れているような、受け口の広い作品。そういう意味での大衆性がある作品を目指しています。
壱劇屋
2005年、磯島高校の演劇部全国出場メンバーで結成。2008年より大阪と京都の狭間、枚方を拠点に本格的な活動を開始。主な稽古場は淀川河川敷公園で、気候や時間帯をとわず練習する。マイムパフォーマンスを芝居に混ぜ込み、個性的な役者陣による笑いを誘う演技にド派手な照明と大音量の音響と合わせ、独自のパフォーマンス型の演劇を行う。イベントではパントマイムやコントをしたり、FMラジオにてラジオドラマ番組を製作するなど、幅広く活動している。(公式サイトより)
劇団壱劇屋第19回公演「突撃!八百八町!!~人斬りピエロ軍団vsタケミツナリタ~」
公演時期:2013/2/23~24。会場:中津芸術文化村ピエロハーバー。

タグ: アラサーになってしまった ウェブ上の感想 感想がトシと共に変化していく 分かりやすい面白さと芸術的な面白さの中間 パントマイムの話題 アンケートについての話題 自分は何で演劇を


「全力て!」

有北 
何故我々は、そういう風に、人間の良い部分を描く事が出来ないのか・・・
__ 
前回公演「大阪BABYLON」の時も、主人公は最後まで徹底して人間の屑であり続けましたね。ちょっとは前向きになったぐらいで、実は何の成長もせず、他に女はいくらでもいるという事に気付いたぐらいでした。
有北 
そうですね。
__ 
「青春再来我愛你」でもそうでしたが、行動原理があからさまに私利私欲で欲得ずくの登場人物達が繰り広げる、正視に耐えない醜い競り合いがかのうとおっさんコメディの魅力だと思います。
有北 
ははは。
__ 
本当に価値の無い人間、というのが名言されて、でも、それは誰しも持っている人間の側面で。何故彼らが、脱力系コメディという枠の中で描かれるとあんなにも魅力的なのか。
有北 
脱力していないのかもしれないですけどね。メールとかで知り合いに「全力で頑張ります!見に来て下さい」って書いて送ったら、「全力て!」って返ってきて、ホンマや全然脱力してへんと。全力出してると。どちらにするべきなのか本気で迷いましたね。全力で頑張らない方がいいのか、脱力しなければいいのか。
__ 
なるほど。一つ思ったんですが、脱力=リラックスとは、精神・肉体ともに抑圧を受けていない状態だと思うんです。その状態でやらかし続ける住人達はまさに性悪説的だと思うんです。
かのうとおっさんvol.17『大阪BABYLON』
公演時期:2012/8/24~25。会場:in→dependent theatre 1st。
かのうとおっさんvol.16「青春再来我愛你(セイシュン サイライ ウォーアイニー)」
公演時期:2012/8/24~25。会場:in→dependent theatre 1st。

タグ: 演劇人同士の繋がり 「かのうとおっさん」という特異点 成長拒否


人の欲とか打算、面白いですよね

__ 
さて、なぜかのうとおっさんではそのような人々を描くのでしょうか。たとえば移り気で打算的で目先の利益に弱い人々を。
有北 
人は本質的に嫌なところを持っていて、でもそこだけを強調したい訳ではないんです。本気の部分、素の部分が好きなんですよ我々は。
__ 
なるほど。
有北 
僕の周りにいい人が沢山いたら、今頃そういう芝居を作っていたのかもしれません。
__ 
そうではなかった?
有北 
(笑う)そうですね、いやいるんだけど、剥いていくと悪い部分があるんです。僕は、人の欲とか打算とかが大好きなんですよ。
__ 
人間の皮を剥いていく事に興味がある。それは、いつ頃からでしたか。
有北 
それはもしかしたら、高校ぐらいですかね。周りにロクでもない奴がいて、彼らとは今でも仲が良くて季節の変わり目には集まって飲んだり遊んだりしています。あいつらも大概アカンですね。そこに原体験があるのかもしれません。
__ 
人間には色々な面というか、悪い・しょうもない人格をその内に抱えていて、それも人間だといいう事を友人関係を通して自然に学んでいくのも一つの教育なのかな、と思っています。学校では教科としては教えられてはいないけれども、集団生活を通して自然と身に付いて行くのが理想でしょうね。
有北 
そういう訳で僕はナイーブなんですが、何故いま人を傷つけてえぐるような事をしているのか、自分では分かりません。ただ、凄く楽しいんですよ僕は。
__ 
楽しみたいんですか?
有北 
例えば稽古場で、僕らはとても笑うんですよ。ひどい事を演技してもらうととても楽しいんです。我々が楽しくなければ意味がないと考えていて、それを追求した結果、酷い人々ばかりが出てくる作品になりますね。
__ 
遠坂さんが年下の女の子に「バーカバーカ」とか言ったり。
有北 
唾吐いたりしてましたね。
__ 
それに、最後の最後に佐々木ヤス子さんが低級妖怪を演じる、不要なシーンもありました。
有北 
あれは彼女が八木進さんの代役をしていた時の演技をそのままを再現してもらっただけなんです(笑う)一応設定はあって、30cmくらいの大きさでお墓のお供えモチを食べる。あと、水も飲んでくれと。
__ 
「悪魔くん」のピクシーみたいな。
有北 
そんなイメージでしたね。
__ 
しかも、不要なシーンでしたしね。

タグ: 人脈・コネクションの大切さ 優しい嘘 「かのうとおっさん」という特異点 関係性が作品に結実する ロックな生き方


質問 黒岩三佳さんから 有北 雅彦さんへ

__ 
東京で女優をしている黒岩三佳さんから質問を頂いてきております。「嫌いな人のタイプはなんですか?」
有北 
なんだろうな、普通に言うと、気持ちを分かってくれない人は嫌ですね。僕が人の気持ちを分かってしまうので。だから、機械とか苦手なんです。ケイタイが急にフリーズすると物凄く怒ってしまうんです。
__ 
なるほど。
有北 
話が通じる人は好きですね。話の通じない人は・・・

タグ: 役者はノイズを産み出す機械?


ハッピーエンドは不要

__ 
お芝居を始めたキッカケを教えて下さい。
有北 
高校の頃、友達に誘われて入りました。その友だちは演劇部に好きな子がいるから入ったんですけど、一人で入るのは下心が見え見えなので僕を誘ったみたいです。そいつすぐ辞めました。
__ 
かのうとおっさんの公演について。脚本を書いているのはどなたなのでしょうか。
有北 
僕と嘉納さんの二人です。そうした書き方は変わってるなとよく言われます。
__ 
かのうとおっさんに出てくる、目先の事に振り回されるダメな人物像をどう呼べばいいのかでしょうか。
有北 
そうですね、自分に正直な人間と言えるのでは。良くも悪くも隠さず、行動に移してしまう。
__ 
そうした人々が繰り広げるモラルハザードを何故描きたいのでしょうか。
有北 
(笑う)やっぱり、僕らが楽しみたいからでしょうね。最近気付いたのですが、昔は嘉納さんの方がひどい人間だと思っていたんですが本当は僕の方が酷いんじゃないかって。もしかしたら、酷くなっているのかもしれない。嘉納さんは、あれでもまだハッピーエンドにしようとしているんです。
__ 
そうでしょうか。
有北 
あはは。
__ 
嘉納さんをgate#extraで拝見した時に、小悪党なんだなあと思ったんですよね。
有北 
それ、最近も言われたと思います。大阪BABYLONで、嘉納さんがインサイダー取引で大儲けしたシーンの彼女の顔が「小物すぎる」と言われてました。

タグ: 登場人物が好きになれない ハッピーエンドについての考え方 自分は何で演劇を


剥いでも剥いでも

__ 
これまで、かのうとおっさんを変えた作品はありますか。
有北 
「青春再来~」は大きい影響がありましたね。
__ 
あの作品も、どうしようもない穀潰しばっかりでしたね。
有北 
そういう人々を主に描くのがとても楽しかったんです。それを再認識しました。「セクシー先生」という作品でもそう思ったんですが、僕が演じた男子中学生役はロクでもない事ばかり考える奴なんですけどちゃんと全部バチがあたるんです。罰が当たるべきだと思っているんでしょうね。
__ 
それが、かのうとおっさん学におけるモラル?
有北 
そうですね、悪い主人公は、最後には救われるべきじゃないんです。打算でしか動いていなかった女は輪廻の末に下級妖怪に生まれ変わったりするし。現実は、そんなものだと思うんですよ。棚ボタ的に恵まれている人はいますけど、悪い事をした人にはそれなりの罰が当たるんです。物語は描きようでなんとでも前向きになるんですが。
__ 
禊ぎ、ですね。露悪的な彼らは天罰を受ける、が、結局クズのまま生き続ける。人間を性悪説的に捉えながらも根底では愛しているのではないかと「青春再来~」を見た時に思いました。
有北 
人間への愛はありますよ。ああ、この人ホンマはこういう人なんやなと思った時に喜びを感じやすいです。表面的な嘘とか取り繕いはすぐ分かってしまうんです。何かね、僕は非常にナイーブなので。そこをね、剥いで行きたいです。
__ 
いま剥ぎたいのは?
有北 
最近は女性に関して興味がありますね。巷にある物語では女性を理想化して描かれる事が多いですが、ちょっとやっぱり、そういうのは違うなと。女性は年代に関わらず、かなり打算で行動していると思うんです。僕もフェミニンだとよく言われるので、分かるつもりです。

タグ: 「異なる角度から」 ユニークな作品あります


あて書きの究極

__ 
今後、どんな感じで攻めていかれますか?
有北 
公演するにあたって、沢山の色々な方々をゲストに招いていますが、もっと色々な人たちと関わって行きたいなと思います。基本僕ら、あて書きなんですよ。この人がこんな事をやったら絶対面白いというのが分かるんです。逆に、観に行ったお芝居で無理を感じる事は多いですね。
__ 
キャスティングですね。
有北 
円広志さんとか、ロザンさんとか、意外な人に出てほしいですね。

タグ: キャスティングについて 今後の攻め方 意外にも・・・


天才バカボンのポストカード

__ 
今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントがございます。どうぞ。
有北 
ありがとうございます。(開ける)あはは。
__ 
ポストカードです。
有北 
へー。ほんまや。ありがとうございます。使うのはもったいないですね。これは上等な。

タグ: プレゼント(インテリア系)


人間を演じる、うまいやりかた

__ 
今日はどうぞ、宜しくお願い致します。大阪発のコントユニット、かのうとおっさんの有北さんにお話を伺います。有北さんは、最近はいかがでしょうか?
有北 
よろしくお願いします。最近は、稽古稽古の毎日を送っています。スイス銀行さんの「暮らしとゾンビ」と、劇団赤鬼の岡本拓朗さんプロデュースの「ロッキュー」ですね。
__ 
お忙しい中、本当にありがとうございます!意気込みを教えて頂けますでしょうか。
有北 
いつもいわゆる脱力系コメディをやらせてもらっているんですけど、二つともがっちりとしたお芝居なので、これは頑張らないといけないと思っています。
__ 
なるほど、脱力系コメディされている方としては。
有北 
人の気持ちを表現するのは非常に難しいです(笑う)中でも、いい人を表現するのが難しいですね。かのうとおっさんの作品には良くない人間が非常に沢山出てきて、むしろ褒められる事のない人間しか出てこないと言ってもいいんですよね。そういう役だったらとても得意なんですが。「ロッキュー!」では、口うるさい人なんですけど根っこの部分ではいい人ですね。「スイス銀行」ではまるでダメな人なので、わりといつも通りやっています。
__ 
そういえば、かのうとおっさん作品には分かりやすいクズ人間ばかり出て来ますね。
有北 
自分たちでやる時は、徹底してダメな人間像を描くんです。客演すると、「やっぱり人間って、どんな人でも良い部分はあるんだな」と気付かされますね。
__ 
うまくやれるといいですね。
有北 
(笑う)
かのうとおっさん
'99年、嘉納みなこと有北雅彦により結成。独特の台詞回し、印象に残るビジュアル、笑いをベースに人の生き様を鋭く描く作風は小学生から60代まで広く支持される。'12年「関西ふたり芝居セレクション」優勝。(公式BLOGより)
スイス銀行第六回公演「暮らしとゾンビ」
公演時期:2013/6/7~10。会場:in→dependent theatre 1st。
劇団赤鬼岡本拓朗プロデュース公演第二弾「ロッキュー!」
公演時期:2013/6/29~30。会場:神戸電子専門学校ソニックホール。

タグ: 脱力系のナゾ ガラスの仮面 おふざけ 私の劇団について 自然体


ロボット演劇版「銀河鉄道の夜」

__ 
ユーコさんがいま出演中の、ナレッジシアターのこけら落とし公演・ロボット演劇版「銀河鉄道の夜」、大変面白かったです。
山本 
ありがとうございます。どっちを見ました?
__ 
私はBチームを拝見しました。ご自身としては、どんな体験でしたか?
山本 
青年団としてはこれまで何度もロボット演劇はやってきていて。私はロボットに対しては偏見を持っていて、全く関わってこなかったんですよ。
__ 
ええ。
山本 
出演が人間だけの「銀河鉄道の夜」(青年団)には出演していたし、大阪で公演してみたかったので、参加させてもらいました。大変な事は沢山ありましたが、勉強になりましたね。
__ 
私が拝見した時はものすごくスムーズだったんですけど、芝居が止まる事もあるそうですね。
山本 
うん。止まる。もちろん、スタッフさん達がその度に同じ故障をしないように対策を重ねていくんですけど、にしても毎回、色んなところで止まる。それは建物の通信状態とか、お客さんの持ってるWi-fiとか、限定のしようがなくて。予想しようがないんですよ。さらに、ロボットが台詞を言うタイミングは全部決まっていて、つまりこちらの演技を待ってくれる訳じゃないです。そういう意味で、ロボットがこちらの動きを制限してくるんです。
__ 
全ての演技と台詞の出力が予めプログラミングされているのであれば、電波の干渉って受けないんじゃないかと思うんですが。
山本 
受けるんですよ。本当に。一時間のお芝居全てをプログラミングしちゃうと、かならずズレが出てくるので、いくつかのシーンのかたまりで分けてプログラミングしてあるんですけど、それでも。例えばロボビーがいるシーン、一連の台詞と動きはコンマ何秒までを稽古で決めて、役者はそれに合わせて演技を稽古して。そうやって決めた芝居を、本番に入ったらロボビーの方から崩してくる訳。
__ 
それはきついですね。
山本 
そうきついの。キツいと思ったらただのイヤな演劇になっちゃうから。何するか分からん役者が一人舞台上にいると思ってやると、逆に楽しい。「あ、そのセリフ言わへんのねじゃあうちらでフォローするわ」という判断が瞬間瞬間であって。
ナレッジシアター
大阪・梅田グランフロント大阪ビル内の劇場。
大阪大学ロボット演劇プロジェクトx吉本興業 世界初演!ロボット演劇版 銀河鉄道の夜
公演時期:2013/5/2~12。会場:ナレッジシアター。

タグ: 膨大な仕事量に押しつぶされそう 役者のその場の判断 ストップモーション 舞台転換が大変な舞台


無印良品・ホームフレグランスセット

__ 
今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントを持って来ました。
山本 
ありがとうございます(開ける)おおぉーお!
__ 
新居にどうぞ。
山本 
匂いモノが好きなので。ありがたく使います。

タグ: プレゼント(お香系)


ロボビー、再起動!

__ 
私が見た回は何の破綻も無かったけどなあ。
山本 
いや、結構な回数止まってるよ。どこかしらはあった筈。一回止まっちゃったら、一回再起動を掛けるのよね。
__ 
ええ!
山本 
上手の幕にオペレーターさんがいるんだけど、そこから再起動を遠隔で指示するとガクンってロボビーが首を倒して白目になんねん。
__ 
ええ!
山本 
で、1分くらいすると次のプログラムにいくんだけど、その1分のフリーズを役者がつなぐねん。その間のロボビーの死んでる顔を見て欲しかった。本当に怖いから。確実に機械音がするから。いやあ、まだまだ色んな事があるやろうね。でも格段に性能が上がったらしいで。海外で公演した時に舞台から落ちたり、関節が故障したり、異音を発したり。出てこないとか喋らないとかは可愛いもので。
__ 
出てこないとかあるんですか。
山本 
今回も一度、ラストシーンで下手の幕にハケず、ずっとそのままだったとかありましたね。
__ 
そういう裏話とかでもう、ひとつのエンターテイメントだなあ。今回の作品に参加して、何を学ばれましたか?
山本 
結局のところ、ライブやなあ、と。ロボットのプログラムを完璧に組んでも、止まった時は生きている役者がどうにかしないといけない訳やから。それを逆に認識しなおした。何回も止められたけど、その分、役者の力を。
__ 
今回の作品、純粋な意味では平田オリザ作品だったじゃないですか。分かりやすいセリフなのはもちろん、物凄く深くまで想像が入っていってくれるような。
山本 
うん。

タグ: ポカーンとなった観客


こんな面白さもある、そんな面白さもある

__ 
これまで数多くの舞台に立っているユーコさんですが、これを機に変わったと実感した作品はありますか?
山本 
東京に行く前なんですけど、石原正一ショーですね。
__ 
なるほど。ドカコと野球狂の詩子。
山本 
演出方法というよりも、共演した兄さん姉さんの楽しそうっぷり。それまで私は頭でしか演劇をやってなかったから。武士道でやってたから。そういう価値観だけじゃない、まず自分が楽しくないとお客さんも楽しくないやん、みたいな事を、言われるのではなく実際に目にしてん。凄く考え方が変わったんです。少なくとも心持ちは変わって。で、東京に行ってからはコントやっててん。
__ 
コント。
山本 
「ラ・サプリメント・ビバ」という。言うたらお笑いの人やねんけど。その人がお芝居よりのコントをやりたいという出演者募集のチラシを見て、同時にリリパット・アーミーの舞台にも出演が決まったから、両方同じ時期にやって、その後に平田オリザ・松田正隆の「天の煙」にも出て。違う種類の作品にどんどん出会えて、こんな面白さもある、そんな面白さもある、って。
石原正一
演劇人。石原正一ショー主宰。1989年、演劇活動開始。1995年、"石原正一ショー"旗揚げ。脚本演出を担当、漫画を基にサブカル風ドタバタ演劇を呈示。関西演劇界の年末恒例行事として尽力する。自称”80年代小劇場演劇の継承者”。外部出演も多数。肉声肉体を酷使し漫画の世界を自身で表現する"漫画朗読"の元祖。"振付"もできるし、”イシハラバヤシ”で歌も唄う。(公式BLOG『石原正一ショールーム』より)

タグ: 石原正一ショー その人に出会ってしまった 退団したら・・・ 分かりやすい面白さと芸術的な面白さの中間 垣根の無い世界へ 平田オリザ


地続きになりたい

__ 
いつか、どんな演技が出来るようになったらいいとおもいますか?
山本 
市原悦子さん。
__ 
おおっ。
山本 
正確に言うと、映画「青春の殺人者」で水谷豊の母親役をやった市原悦子さん。が、父親を殺した息子を庇おうとしたり、一転して殺そうとしたり。その時の、気が触れたんじゃないか、この人演技しているけどちょっと違ったら完全にキマっちゃうな、みたいな。日常とお芝居が地続きになっているような。
__ 
地続き・・・。
山本 
今怒ってますよみたいな演技ではもちろんなくて、見てる側が「あ、あっち側なのね」と思うようなお芝居でもなくて。普通の日常と繋ぎ目がないようにしたい。
__ 
分かったような気がします。変身済みのキャラクターがいて演技をキメているんじゃなくて、同じ肉体を持つ人間をリアルに見てとれて、彼の芯の向こう側に何かがガーって広がってる感じ。
山本 
うん。市原悦子さん、ある舞台でどんどん狂っていくシーンがあって、その稽古から本番までずっと見ていた人に聞いたんだけどね。毎回、本番中に「あ、今日こそは完全に狂ってもうた」って思っちゃったんだって。
__ 
それは凄い。
山本 
初めて見るお客さんはともかく、毎日見ている人でもそう思うって、凄いなと。いつか、端っこからでもいいから拝見したいです。

タグ: 目を引く役者とは 出来ない!難しい!演技 いつか、こんな演技が出来たら 事件性のある俳優 地続き 印象に残るシーンを作りたい


質問 古藤 望さんから 山本 裕子さんへ

__ 
前回インタビューさせて頂いた古藤望さんから質問です。「オシャレのコツを教えて下さい」。
山本 
服を選んでいる時に、「わ、これや」と思うかどうかちゃうかな。

タグ: オシャレをしよう


質問 清水 智子さんから 山本 裕子さんへ

__ 
清水智子さんからも質問を頂いてきております。「サンタクロースがもしいるとしたら何が欲しいですか?」
山本 
あ、清水さん。うーん、大きい仕事かな。製作期間が2年とかあるような。
__ 
2年間!
山本 
その間、ずっとそれだけじゃないけど。その間、ずっと一つの事を考えるって凄くね?もちろん今そんなお金かかる企画やるの難しいから、サンタクロースにしか無理じゃなくね?

あはは、そーなの

__ 
今後、出てみたい劇団や作品は?
山本 
真面目に言うと、松田正隆さんの作品。あと、石原正一ショー。もう一回、バスタオルを巻かせてほしい。そして、ラックシステムにいつか出させて欲しいです。
__ 
今後、どんな感じで攻めていかれますか?
山本 
そうですね・・・。もっと露出しようとしています。TV・映画・CFと、どんどん入れていきます。
__ 
頑張って下さい。成功を祈っています。
山本 
あざーす。
__ 
私はその、ユーコさんが東京に行ってから活躍している事を6年くらい知らなくて。
山本 
生きてました。
__ 
ピタットハウスのCMかな。TVで見てビックリしましたよ。
山本 
あはは、そーなの。
__ 
これからも活躍してくれるととても嬉しいです。

タグ: 今後の攻め方


雨の日に

__ 
本当に久しぶりですね、ユーコさん。最近、ユーコさんはどんな感じでしょうか。
山本 
なんすかね。年開けてから、舞台の稽古と本番が続いて。結婚したんですけど、そっちの家に帰れてないですね。
__ 
連絡はしてるんですか?
山本 
してるけど、ねー。そんなに別に話す訳でもないし、オットは農業やってるんですけど、それを手伝ってもないし、嫁としての焦りがありますね。ぐらいですかね。
__ 
重たい話題ですね。
山本 
そーなの。今日気圧が低いから、まあ体調悪いんですわ。
__ 
インタビューする日としては最悪のコンディションなんですね。せっかくの、メルセデスベンツスペシャルカフェなのに。
山本 
『ベンツ』ですからね。でもいっぱい人入ってくるね。みんな車買わんでしょ。
__ 
少なくとも我々は買う気では来てないですからね・・・。
青年団
青年団は平田オリザを中心に1982年に結成された劇団です。私たちは、平田オリザが提唱した「現代口語演劇理論」を通じて、新しい演劇様式を追求してきました。このまったく新しい演劇様式は、90年代以降のわが国の演劇シーンに少なからぬ影響をあたえ、演劇界以外からも強い関心を集めてきました。(以下略、公式サイトより)

タグ: 結婚したら・・・