劇団飛び道具「七刑人」

__ 
飛び道具にとって大きな存在と言える作品はありますか。
大内 
「七刑人」は大変な経験でした。僕は何も出来なかったんですけど、劇団にとっては大きな財産になったんじゃないかと思います。
__ 
私も「七刑人」、凄く面白く拝見しました。大変な作品でしたね。罪人達が恐怖に肉体を蝕まれて、その後処刑地に移動するために牢から出される時の一瞬の開放感が表現され、そして処刑台に向かう時にもう一度それぞれが生のよすがを求め、一緒に歩く人を求めて・・・とても芸術的でした。それと、牢から出る時に誰かが伸びをしたんですけど、その伸びに一瞬、日常を感じたんですよ。
大内 
誰やろう。
__ 
山口さんだったかもしれません。とても絵画的で、美しい場面が散らばっていて、重厚でした。どのシーンでも私は納得して観ていました。
大内 
あの作品、ほぼ原作通りでした。実は最初、僕は結構軽い気持ちで始めてしまったんですよ。結果、ものすごい苦労を掛けてしまったんです。
__ 
というと。
大内 
原作の深さですね。そこに自分なりのアレンジを加えて作品を作ろうとしたんですけど、そんなに甘い作品ではなかったんです。これはまずいと気付いたのに、そのまま大分時間を費やしてしまって。二週間ぐらいまえにミーティングしたんです。「ちょっともう、出来上がらんでもいいから価値のあることをしようや」という話になりました。僕が言った訳じゃないですけど(笑う)。
__ 
出来なくてもいいから、価値のあること。
大内 
原作に立ち帰って、エピソードをチョイスしなおして再構成しました。牢屋のシーンをどう表現すべきか、知恵を出しあって。本当に僕はなにも出来なかったんですけど。初日が終わって「何とか、形になって良かった」と言い合った記憶があります。

タグ: 追い詰められた時期


未定だけど予定

__ 
今後、どんな本が書きたいなどはありますでしょうか。
大内 
次に書こうと思っている本があります。書きたい設定は沢山あります。その時々でピンとくる設定があったり、生まれるアイデアも死んでしまうアイデアもあるんです。公演が決まったら出せるアイデアを提供しています。
__ 
今後、どんな感じで攻めていかれますか?
大内 
ええと、未定です。最古参の旗揚げメンバーでずっとやってきて、伊沢さんはアメリカ、山口さんはロシアに留学と、メンバーが減っていっているので。他のメンバーにもそれぞれの行く道があるので、まずは腹の探りあいですね(笑う)。僕は続けたいと思っています。飛び道具が続けられないのであれば何か考えないといけないですね。でも、解散するという事はないです。山口さんは1年半で帰ってくるそうだし。
__ 
その時があるんですね。とても楽しみにしております。

タグ: アイデアが死ぬ 留学して表現を学ぶ


質問 土肥 嬌也さんから 大内 卓さんへ

Q & A
__ 
前回インタビューさせて頂きました、劇団ZTONの土肥さんから質問です。「今年度から、立命館大学が全面禁煙になってしまいました。どう思われますか。」
大内 
僕は元々タバコは吸わないので・・・最近、どこでも禁煙じゃないですか。職場でも、狭い部屋に10人くらい入ってタバコを吸わされてたり。そこまでしなくても、とおもいますね。虐げすぎちゃうかとは、ちょっと思います。

質問 渡辺ひろこさんから 大内 卓さんへ

Q & A
__ 
前々々々回インタビューさせて頂きました、渡辺ひろこさんから質問です。「普段は何をしているんですか?」
大内 
働いて、子育てですね。普通に生活しています。図書館が隣にあるので、本読んだりしてますかね。

タグ: アーティストの生活


変えてみても同じ

__ 
大内さんがお芝居を始めた経緯を教えて頂けますでしょうか。
大内 
大学の演劇サークルに入ったのがキッカケです。特に、芝居をやろうなんて思ってなかったんですけど、4月くらいにクラスの友達と一緒に説明会に行って。そこからですね。
__ 
脚本を書き始めたのは。
大内 
4回生くらいです。それまで役者で出たり、舞台セットを作ったりしてるなかで、ふと本を書いてみたいと思ったんです。それからずっと書いてますね。一念発起したとかは全然ないです。
__ 
ご自身の脚本の書き方が変わったといえるポイントはありますか?
大内 
意図的に変えようとした事は何度かあります。傍から見たらウェルメイドと呼ばれる作品を作っているんですね。でも、そうじゃないものに憧れた事はありますよ。でもやってみたら、いつもと同じなんですよ。

タグ: ウェルメイドという価値観


「凄い奴」じゃなくて「近い人物」

__ 
ところで私、飛び道具の芝居を見ている時、凄く落ち着けるんです。「アイス暇もない」からかな。飛び道具の演劇はすごく「調和」しているように思うんです。色んなレベルで調和している。役者も空間も組合わさっていて余剰がなく、心地良い説得力があって抵抗なく舞台の表現を受け入れているというか。
大内 
その感覚は、とても嬉しいです。
__ 
ありがとうございます。
大内 
そういう風に感じられるのは、もしかしたら俳優さんの力による所が大きいかもしれませんけど。それと、僕の書き方なんですが、「近い人物」を描こうと思っています。「凄い奴」じゃなくて。
__ 
「近い人物」を描きたい。
大内 
これは俳優さんには物足りないかもしれないですけど。普通の人が紡ぎだすドラマを描こうと、最近はよく思います。
__ 
我々の世代の若者たちがアジアのどこかでボランティアに行ったり、我々に近い感覚を持つ人々が飛行機の残骸に住んでいたり。
大内 
そうですね。
__ 
だから、彼らが持つ素直な感覚を強く感じる、のかもしれないですね。何故そうした人物達を書こうと思われるのでしょうか。
大内 
自分のイメージを伝える為には、そうした人物像を通したいと思うからです。他のものが書けないと思った事もありますしね。台本の上では「こんなこと普通は言わないな」みたいなセリフも書くんですけど、その彼もやっぱりどこか我々に近しい。良くも悪くも脚本を書いてそのままお任せしているので、「もうちょっと考えを聞かせてくれ」と言われる事もあるんですが。
劇団飛び道具・アイス暇もない
公演時期:2004/3/3~7。会場:アトリエ劇研。

タグ: わたしの得意分野 SeizeTheDay 調和の価値


「この作品のテーマは何ですか?」

__ 
「四人のショショ」で凄いなと思ったのが、藤原さん演じる老人が、自分がしてきた仕事を義理の息子に語るシーン。その告白はまるでモノローグ自身が語られたがっているように思えるぐらい、どこか切迫していました。人生や仕事観をひっくるめた人一人そのものをみた瞬間でした。この作品は、ご自身にとってはどのような存在ですか?
大内 
がっかりさせるかもしれないんですが、実は設定ありき、です。今回の場合は自分の人生を終えようとしているおじいさんと、これから生を得ようとする赤ちゃんがいて、赤ちゃんを出産する娘がいて。最初からこのテーマを持とう、というのは少ないですね。でも、ピンとくる設定というのが自分の持つテーマなんだろうと思っているんです。だから、「この作品のテーマは何ですか?」と言われても、ちょっと語られないですね。
__ 
そうなんですね。そうした設定が浮かぶキッカケはどのような。
大内 
正直に言うと、3月の終わりに公演があると決まっていたので既に本は用意していたんですよ。でも1月の終わりに子供の出産があって、病院で一人で待つ時間があった時にばばっと思いついたんです。こっちの方が良いと。稽古が始まった時に、全然違う作品を持っていったんです。
__ 
凄いですね。
大内 
迷惑な話だと思います(笑う)。タイトルは同じ「四人のショショ」でした。
__ 
もう一つの「四人のショショ」があるんですね!
大内 
3分の2くらい書いてほったらかしになってますね。最初に飛び道具メンバーに読んでもらったけど「なんやら・・・あんまり面白くない」と言われました。これ、どうしたら面白くなるんだろうと言われたくらいです(笑う)。

タグ: 子供についてのイシュー


劇団飛び道具「四人のショショ」

__ 
劇団飛び道具の前回公演「四人のショショ」、大変面白かったです。
大内 
ありがとうございます。
__ 
前々回の「七刑人」とは大分かけ離れた作品でしたね。出産に関する物語でした。以前の「ヤスとヤスたちの時代」、「ロキシにささぐ」と共通した、父権に関する意識があったように思います。いかがでしょうか。
大内 
何というか、実は父子というところにこだわりがある訳じゃないんですよ。生きている実感を得るという事が僕のテーマというかこだわりになっていて。正直、家族の物語でなくてもいいんです。
__ 
そうなんですね。
大内 
一番最初、芝居を始めた頃は面白くて脚本を書いていました。でもずっと続けて重ねてくると「何で芝居やっているんやろうな」と自問するようになるんです。・・・実感を得たいと思うんですよ。僕も日常で家族との生活を生きていますが、その、生きている実感が僕にはないんだと思ってるんです。そういうのを確かめたくて芝居してるのかな、と。お客さんはもちろん、俳優からもらう反応を通して。
__ 
大内さんにとって、生きている実感を得るというのは大事な事ですか?
大内 
他の人の事は分からないので比べられないんですが、それがないという事は大事なものを欠落しているのかもしれない。薄情者と言われるかもしれないんですが。
__ 
実は私もそうなんですよ、と言っても大内さんと比べたら多いか少ないか分からないですけど。その実感は得られましたか?
大内 
分からないです。昔と比べたらあるのかもしれないし、今は子供が可愛いといいうのもあるし。でも、他人よりは少ない気がします。大概の会話をしていて醒めている気がします。
__ 
醒めている自分は疚しいですか?私は疚しいです。
大内 
疚しいかどうかは分からないんですが(笑う)あった方がいいんじゃないかって思いますね。
劇団飛び道具・四人のショショ
公演時期:2013/3/21~24。会場:スペース・イサン。
劇団飛び道具・七刑人
公演時期:2012/5/24~27。会場:アトリエ劇研。
劇団飛び道具・ヤスとヤスたちの時代
公演時期:2008/7/11~13。会場:アトリエ劇研。
劇団飛び道具・ロキシにささぐ
公演時期:2011/7/28~31。会場:アトリエ劇研。

タグ: 生きている実感


子供が歩いていく

大内 
実は子供が2013年1月の終わりに生まれまして、ありていに言うと、子育てに追われています。おもに大変なのは奥さんなんですが。
__ 
お子さんは可愛いですか?
大内 
可愛いですね。それに、見ていて面白いです。人って最初はこんな感じなのか、って。生まれてからしばらくは、人間らしさって一切ないんですよ。感情とかもないですし。自分の子供だけど未知の生き物のように思えて、というところからちょっとずつ、表情もついてきて、欲求に従って要求するようになったりとか、徐々に笑うようになったり。人間らしさを獲得してきているんですね。
__ 
なるほど。つまり、人間らしさを学習している・・・?
大内 
それは最初から備わっているんじゃなくて、獲得していくものなんですよね、きっと。
劇団飛び道具
京都を拠点に活動する劇団。

タグ: 子供についてのイシュー


劇団ZTON vol.9「天狼ノ星」

__ 
今日はどうぞ、よろしくお願いします。土肥さんは最近、どんな感じでしょうか。
土肥 
よろしくお願いします!最近はZTONの「天狼ノ星」の稽古ですね!
__ 
大変ですね。2作品あるんですよね。二つとも、別の作品。
土肥 
続けて見ると二つともリンクしてるんですけど、違うものを2本。覚える量も2本ですね。それに今回は、いつもとちょっと違うやり方で演技を作っているんです。
__ 
というと。
土肥 
最近ZTONでは「エンタメストライクシリーズ」がメインだったので、なんて言うか、行間にある情緒的な部分を省いて、見せ方をより追求していたんです。でも今回は久しぶりのvol.シリーズ作品という事で、もう少し人を見せようやないか、という事で演技の見直しをしているんです。「ああー、自分サボってたな」という所に気付く事が多いですね。
__ 
なるほど。
土肥 
例えば僕とかめっちゃいい加減で、他人の台詞の時はぼーっと突っ立ってたり(笑う)。そうじゃなく、ちゃんと聞こうやと。
__ 
すばらしい。
劇団ZTON
2006年11月立命館大学在学中の河瀬仁誌を中心に結成。和を主軸としたエンターテイメント性の高い作品を展開し、殺陣・ダンスなどのエネルギッシュな身体表現、歴史と現代を折衷させる斬新な発想と構成により独自の世界観を劇場に作りあげ、新たなスタイルの「活劇」を提供している。(公式サイトより)
劇団ZTON「天狼ノ星」
公演時期:2013/5/9~12。会場:京都府立文化芸術会館 。

タグ: 劇団の方向転換 反省Lv.1 劇団ZTON、参る


スゲー人たち

__ 
土肥さんが演劇を始めた経緯を教えてください。
土肥 
僕、大学が立命館なんですよ。学部の友達と誘い合って、たまたま月光斜の公演を見たんです。河瀬さんの作品だったんですけど、面白くって。当時既に軽音に入ってたんですけど、上手くいってなくて、このまま何も出来ずに終わるのは嫌で、演劇だったら役者じゃなくてもスタッフとか色んな部署があるし、一回ドーンとやって楽しもうかなと。それで月光斜に入りました。
__ 
最初から役者ではなかったんですね。
土肥 
入団して1回目の公演が為房さんが作・演出の芝居だったんです。役者の数がギリギリで、「オーディションだけでも受けてみない?」って言ってくださって、結局役者をやらせてもらえて。後は流れでハマってしまいまして。その秋にZTONを河瀬さんや為房さん達で立ち上げはって、翌年そこに参加させてもらいました。それからずっと付いてきているという感じです。
__ 
始めた頃に見た衝撃作は。
土肥 
今は京都にいないんですけど、元西一風の高田さんの作品ですね。4回生の時、ハムレットの作品に出させてもらったんですけど。スゲー人だなと思っています。でもやっぱり、最初に観た河瀬さんの「SAKURA」という作品が今の自分の起源だと思ってます。それから、月光斜つながりで京都ロマンポップの作品に出させて頂いて、向坂さんも、面白い人だなと。

タグ: 分岐点 入団の経緯 旗揚げ


横顔

土肥 
僕が思うZTONは、演劇している人がたくさんいる中でも真面目というか普通な人が多いんですよね。その分、舞台で弾けるのかもしれません。
__ 
真面目な人が多い。
土肥 
演劇人って、芝居してなかったらもっと変なことしてる人が多いんじゃないかと個人的には思っていて。でも、ZTONの人はそうでもなく、芝居してなくても人は殺さなさそう(笑う)。団員同士は特別仲がいい訳でもなく、プライベートはあんま知らないです。男子はカードゲームが好きなんでたまに集まりますけど。今は遊戯王カードにハマってます。
__ 
そういう彼らが舞台で生き死にしているのがZTONですね。

タグ: お互いのプライベート知らん


その日までは生きてる

__ 
私がZTONで初めて拝見したのは「沙羅双樹のハムレット」でした。政治闘争がテーマで、エンタメなのにハッピーエンドじゃなかったんですよね。悪役に負けて終わったんですよね。
土肥 
最後をお客さんに委ねた作品は多いですね。でも、バッドエンドの時でも救いは少し残すみたいな。
__ 
そう、自己解決でまとめようとしていない。二人ぐらいしか生き残らなくて、それぞれの旅路に着くみたいな。あるいは革命が為されてしまって都が転覆してしまって、みたいな。収まらない予感を感じさせてくれるというか。大団円もありますけどね。土肥さんは、ZTONの芝居を見たお客さんにどう思ってもらいたいですか?
土肥 
最近、周りでは思考を促す芝居は多いんですよね。気付きをもたらそうとしている。それは僕は素敵だと思うんですけど、僕がやりたいのはちょっと違うんです。お客さんの明日につながるような活力を与えられる日にしたいですね。本番のある日を。好きなバンドのライブがある日までは頑張ろう、みたいな。それの邪魔になるような事は、あまりしたくなくて。
__ 
邪魔になることとは。
土肥 
「何やったんやろうな」とか、モヤモヤする事は残したくないですね。来てよかったなと思えるものにしたいです。
沙羅双樹のハムレット
劇団ZTON vol.3「沙羅双樹のハムレット」公演時期:2008.3.6~9、会場:東山青少年活動センター 創造活動室。

タグ: バッドエンド 大団円 ハッピーエンドについての考え方 どう思ってもらいたいか?


質問 松田裕一郎さんから 土肥 嬌也さんへ

__ 
前回インタビューさせて頂いた松田裕一郎さんから質問です。「どこかおいしいラーメン屋さんを教えて下さい」。
土肥 
西大路円町近くの將陽です。そこが美味しくて僕はよくいきます。
__ 
それは、どういう所が違うのですか?
土肥 
唐揚げセットをよく頼むんですが、ラーメン・唐揚げ・ご飯のセットで、唐揚げにマヨネーズが付いてくるのが嬉しいです。ラーメンは透き通った茶色という感じです。ラーメン食ってるという実感が得られます。

タグ: ラーメンの話


当たったら死ぬよね

__ 
ZTONの稽古はどんな感じで進んでいくんですか?
土肥 
最初に段取りを付けてから細かい所を付けていきます。今回は本当にセリフを覚えるだけじゃなくて、それぞれの種族のディテールを詰めて考えてこないといけないんですよね。例えるなら、河瀬さんの言葉を借りると、ガンダムの一年戦争です。「ストーリーが一本あって、舞台はホワイトベースの内部が主なんだけど、しかしその外にも色々な部隊があって、敵の勢力にも色々な人物やドラマの存在を感じる事が出来るだろう。今回は戦記として、世界が感じられるような作り方をしてこい」と。それは今回の特長ですね。
__ 
それが肝なんですね。
土肥 
そうですね。その世界の空気を立ち上げるために、それぞれの部族の生き方を持っていないと構成出来ないので。今までと何よりも違うのは、借景がないんですよ。日本史という背景があれば大体イメージ出来るので。
__ 
完全なオリジナルの世界観なんですね。
土肥 
江戸時代なら米食ってるのかとか想像出来るんですけどね。
__ 
今回は、そうした世界観を作る所から始まるんですね。
__ 
意気込みを聞かせてください。
土肥 
いや~、僕はもういっぱいっぱいで。でも主役なんですよね、天の章、地の章ともに。頑張ります。
__ 
殺陣もね。
土肥 
今回は殺陣のアプローチも今までとちょっと異なるんですよ。言ったら「当たったら死ぬ」ものを作ろうとしています。
__ 
おお!というと。
土肥 
今までは「カッコイイ!早い!やっつけた!決まった!!」ものを作ろうとやってましたけど、当然、刃物が当たったら切れるんですよ。そこを大切に見せようと思ってます。今回は刀の殺陣だけじゃなくて、短刀とか斧とか弓矢とか、バリエーションのある殺陣を作っています。種族ごとに狩りの方法が違うので。そして、それを振るう人たちの思いを大切に描きたいですね。これは、戦国無双じゃないよと。ゲームみたいな殺陣の爽快感というのは、今作ろうとしている「天狼ノ星」ではきっと浮きます。
__ 
なるほど。大改革ですね。
土肥 
河瀬さんが突き詰めて考えてきたものが、ようやく仕上がりつつあるという感じですね。
__ 
スピード感があって美しい殺陣。当たったら死ぬという当然の事をやろうとしているのが気になりますね。
土肥 
そうなんです。「はい、ここから殺陣ですよ」みたいな事にはしたくないですね。芝居で殺陣を見るとき、技術そのものには実は感動はないんだと思うんです。ドラマがあって、剣を持たないといけない理由が分かって、相手を殺すのでも制圧するのでも、全ての行動にそれなりの理由が体感出来るのが殺陣をやる意味だと思うんです。話に対して浮いている殺陣ショーにはしたくないですね。それはみんなが思っていると思います。
__ 
演劇でやっている意味がないからですね。
土肥 
そうですね。殺陣だけ出来てもしょうがないですからね。実際の剣術じゃないし。
__ 
芝居が始まった瞬間のドラマに共感出来た時、目の前で行われている演技に臨場感が生まれて、ようやく予測から離れる。そこからが面白いと思える。というモデルですね、きっと。
土肥 
そうですね。早い、カッコイイだけになってしまうと、きっと物語を見せている意味が無くなってしまう。物語の空気に触れていってほしいです。とか言っていらんギャグとか言っちゃうんですけどね。この間遊戯王カードのネタ言っちゃったり。そういう矛盾も含めて。
__ 
プリキュアネタとかね。
土肥 
あ、狗神エイトの時ですね!懐かしい!寝坊して「今何時?プリキュアは!?」とかね。「あの役あんなナリでプリキュア見るねんな」って思ってもらえたら嬉しいです。
__ 
あのネタ、自分で作ったんですか!?
土肥 
はい、河瀬さんは呆れながらも流してくれるんですよ。ダメなときもたくさんありますけど。
狗神エイト
公演時期:2009/8/27~30。会場:ART COMPLEX 1928。

タグ: ガンダム 殺す プリキュア 段取リスト 殺陣の話題 世界観の作り込み


体に来るような演技

__ 
いつか、どんな演技が出来るようになりたいですか?
土肥 
究極の質問ですね。うーん、何か、技術の事になってしまうかもしれないですけど。広いホールがあって、僕にサスが入っていて。僕がボソっと喋ったセリフで、感覚がお客さん全員に伝わるような。そんな演技がしてみたいです。
__ 
感覚とは。
土肥 
フェイクの感覚と、真の感覚があると思うんですよ。フェイクの方は、お客さんが理解の上で(ああ、こういう事なんやろうな)という、想像の上での感覚。そういう、頭で考えて咀嚼するのではなく、体に来るような演技が出来るといいなあと。
__ 
肌で感覚するもの。
土肥 
ぞわって来る瞬間があるんですよ。どんな芝居でも関係なく。小さいホールで感じる事もあれば、大劇場の芝居で感じない時もある。見ている自分のテンションが高まって、ある瞬間にボーンと来る時。技術の有無に関係なく、演技がそのまま届く役者って素敵だなと思います。体験から考えた事なので漠然としてますけど。
__ 
それは天才のやる事ですね。見ている者の想像のスピードよりも早く、感覚を伝える事が出来る。
土肥 
いやホントそうだと思います。そういう役者は素敵ですね。

タグ: 俳優のブレイクスルー いつか、こんな演技が出来たら 事件性のある俳優


武器

__ 
今後、どんな感じで攻めていかれますか?
土肥 
今後!どんな感じで。今まで通り、のらりくらりと。でも、ZTONの武器にはなりたいなと思います。
__ 
いつか出てみたい舞台はありますか。
土肥 
劇団エリザベスのk.r.Arryさんとはいつかやってみたいです。素敵なんですよ。実は知り合いです。どんな風に作っているのか興味はありますね。

タグ: いつか、あの人と 今後の攻め方


北欧製の中皿

__ 
今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントを持って参りました。
土肥 
僕もね、お礼にプレゼントを持って来ました。
__ 
ええ!ありがとうございます。
土肥 
はい、このサイト、見てるんで。どうぞ。僕もいいですか。
__ 
はい、どうぞ。お先に。
土肥 
あ、えーっ、これいいんですか?
__ 
あ、私の方こそ。こんなの貰ってもいいんですか?
土肥 
はい、ヤクト・ドーガです。このお皿、いいんですか?
__ 
私ガンダム全く見ないんですけど、嬉しいです!ありがとうございます。
土肥 
あ、しくったなあ。このお皿、嬉しいです。欲しかったんですよ。こんなん貰っていいんですか。
__ 
まあ、パーティーする時にでもお使いください。
土肥 
めっちゃ使います。

タグ: プレゼント(食器系)


dracom Gala公演「たんじょうかい」

__ 
今日はどうぞ、よろしくお願いします。
松田 
宜しくお願いします。
__ 
松田さんは最近はいかがでしょうか。
松田 
最近はですね、dracomの「たんじょうかい」の稽古が始まっていますね。後、このインタビューサイトに載るという事で、過去のインタビューを読んでいました。
__ 
ありがとうございます。
松田 
あれ凄いですね。もう何年ですか。
__ 
現時点(2013年)で10年です。
松田 
顔ぶれを見ていると、今もやっている人もいれば辞めた人もいて。「この人は載るだろうな」という人もいれば、意外な人もいらっしゃいますよね。春野恵子さんとか。改めて読み直してみると、関西演劇界の一時代の貴重な資料になるのではないかと思いましたよ。
dracom
1992年、dracomの前身となる劇団ドラマティック・カンパニーが、大阪芸術大学の学生を中心に旗揚げ。基本的には年に1回の本公演(=「祭典」)と、同集団内の別ユニットによる小公演を不定期に行う。年に一回行われる本公演では、テキスト・演技・照明・音響・美術など、舞台芸術が持っているさまざまな要素をバランスよく融合させて、濃密な空間を表出する。多くの観客に「実験的」と言われているが、我々としては我々が生きている世界の中にすでに存在し、浮遊する可能性を見落とさずに拾い上げるという作業を続けているだけである。世界中のあらゆる民族がお祭りの中で行う伝統的なパフォーマンスは、日常の衣食住の営みへの感謝や治療としてのお清め、さらには彼らの死生観を表現していることが多い。我々の表現は後に伝統として残すことは考えていないが、現在の我々がおかれている世界観をあらゆる角度からとらえ、それをユーモラスに表現しているという意味で、これを「祭典」と銘打っている。(公式サイトより)
dracom Gala公演「たんじょうかい」
公演時期:2013/5/17~19。会場:心斎橋 ウイングフィールド。

vol.293 松田 裕一郎

フリー・その他。

2013/春
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松田

未知の世界で最初に出会う

__ 
松田さんがお芝居を始めたのは、どのような経緯があったんでしょうか。
松田 
私は30歳の頃、一度転職をしているんですよ。前職場と今の職場の間に少し間があるのですが、その間に「滋賀県演劇アカデミー」というWSに参加したんですね。今から考えるとものすごく安い料金でした。しかも講師は青年団の志賀廣太郎さんで、丁寧に教えて頂きまして。それが最初ですわ。子供のとき、学校で「嫌いな先生の教科が嫌いになる」っていうことってあるじゃないですか。それぐらい未知の世界で最初に出会う指導者って大きいんですよね。志賀廣太郎さんという良い人に出会えてラッキーだったなと思います。
__ 
ああ、社会人になってから演劇を始めるって結構珍しいかもしれませんね。
松田 
演劇人って、学生時代に演劇を始めて30歳を過ぎたあたりで辞めいく人が多いでしょう。結婚とかで生活がかかってきて続けられなくなって・・・本当に惜しい事に。私の場合は逆で、30歳から始めて、その時点で既に仕事をしていた訳ですから、今も仕事をしつつ芝居を続けてます。
__ 
確かに、その意味では松田さんは逆ですね。

タグ: 分岐点 その人に出会ってしまった 就職と演劇の二択 静かな演劇と「出会う」


vol.293 松田 裕一郎

フリー・その他。

2013/春
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松田