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「Danke」の猫のインソール
- __
- 今日はお話を伺えたお礼に、プレゼントがございます。どうぞ。
- 九鬼
- ありがとうございます。開けてもいいですか?
- __
- どうぞ。
- 九鬼
- (開ける)インソールだ。
- __
- ハサミで切ってもらって、サイズを調整出来るもののようです。赤色と猫が嫌いじゃなければ。
- 九鬼
- 二つとも好きなんで、でも踏みつけにすると思うと辛いですね。
- __
- 見えない部分のお洒落という事で。
- 九鬼
- ありがとうございます。
西原さん、迷う
- __
- 今日はどうぞ、宜しくお願いします。
- 西原
- わぁ、よろしくお願いします。
- __
- 西原さんは最近、いかがでしょうか?
- 西原
- 最近、迷っています。
- __
- どういう事で悩んでいるんですか?
- 西原
- この先の自分の行く末で迷っています。どうなのかな、迷ってないのかな?でも、続ける事が大事なんですよね。先輩たちを見ていたら、やっぱり続けるのが楽しいんだと思うんですけど。
- __
- なるほど。
- 西原
- 格好良く、やりたい事をやってるんや、と言えなってきたんですね。ビビってきてるんですかね。周りの友達は結婚して子供を産んだり、家庭を持ったりしているのに。「きよみちゃんはいつまで変わらんなあ」と言われるのが昔はすごく誇らしげやったんですけど。
伸び伸びとやらせてもらってます
- __
- 西原さんを最後に拝見したのが満月動物園「ツキシカナイ」※※で、その前がATLAS「キリンの8割、わたしの2割」※※で、その前が一人芝居フェス※の「私の未来」※でした。どれもとても面白かったです。
- 西原
- ありがとうございます。
- __
- 西原さんは歌手でもあるんですよね。「私の未来」では、ラストの歌がマジで凄かったです。さて、西原さんが歌ったり演じ始めたのはいつからなのでしょうか?
- 西原
- 歌い始めたのは高校生で、演じ始めたのは23歳ぐらいです。当時スナックで働いてたんですけど、そこに来ていたお客さんの奥さんが劇団をやっている人で。私がバンドをやっていると言ったら、「表現をしている人として、一度はお芝居も観てみたら」と勧められて。観に行ったら凄く楽しくて。そこから繋がっていって、「出てやー」って言われるままに色んな所に出演していたんですが、そういえば自分から「出たい」と思ってオーディションを受けたり事はなかったですね。
- __
- つまり西原さんはモテまくっているという事なんですね。
- 西原
- いえ知り合いの劇団ばっかりなんです、それも良くなかったんちゃうんかなあと思ったりしています。「あの劇団に絶対出たいねん!!」ってがむしゃらに頑張ったりした事がないのが今の悩みに繋がってるのかも。
- __
- なるほど。「私の未来」を見た時に間違いないなと思った事があって。西原さんが凄く伸び伸びとやってたと思うんです。すごく。それは、西原さんが人前に立つ事を誰よりも許されている人だからなんだろうなと。自然な流れに従ったからこそ、今の西原さんがあるのでは。
- 西原
- 嬉しいです。でも、戒田さんの作品はいつでも伸び伸びとやらせてもらってますね。ATLASさんの時も、アサダさんが、私が伸び伸び出来るように書いて下さってて。
- ※満月動物園
- おもな登場人物たちはいつもフツーの人たち。でも、ほんの少しメルヘンな世界におかれる。キュートな死神にとりつかれたり、 トイレに流されてしまったり、アタマからカサのはえてる人と仲良くなったり、ユメとネムリの境目をウロウロしたり。クスリと笑えるシチュエーションで日常をほんの少しメルヘンにずらして、ほんの少し優しく見つめると、ハードな現実も直視できます。(公式サイトより抜粋)
- ※満月動物園 第弐拾夜 『ツキシカナイ』
- 公演時期:2013/1/18~20。会場:シアトリカル應典院。
- ※ATLAS
- 「愛は色々。」男女の愛、家族の愛、世界は愛に満ちている。その中でも、ATLASは「マイノリティーな愛」を描いた作品を主に扱う団体として2005年に立ち上げられました。(公式サイトより)
- ※最強の一人芝居フェスティバル INDEPENDENT:12
- 公演時期:2011/11/24~27。会場:in→dependent theatre 2nd。
- ※西原希蓉美×戒田竜治(満月動物園)「わたしの未来」
- 出演:西原希蓉美×演出・脚本:戒田竜治(満月動物園)。
×
- __
- 西原さんが舞台に立っていて、嬉しいのはどんな時ですか?
- 西原
- なんか空気が繋がった時ですね。舞台と客席の。客席に沢山の人がいて、一方通行じゃなくて、うわぁぁんってなった時。見えないんですけど「現れてる」と感じた時、です。
- __
- 分かると思います。でも、そうなれている回はまれですよね。
- 西原
- 演じている側が勝手に思っている場合もあるという事ですね。
- __
- いや、空気が繋がっていると感じた場合はどちらの側も分かっていると思いますよ。
- 西原
- うーん・・・
- __
- 色んなジャンルの舞台がありますが、一律して確率は低いんじゃないかなと思います。前衛演劇の舞台でも空気が繋がる事はあるし、分かりやすいエンタメ芝居でも会場の空気が繋がる事は多くないと思います。
- 西原
- なるほど。
- __
- 今までで、西原さんが「繋がった」と思った最たる時は?
- 西原
- 「私の未来」の時、私が舞台上でハルくんの事を思っている時、お客さん達が想像しているハルくんを感じたんです。いくつもいくつも、ぽぽぽぽって、お客さんの側から感じて。私がそう思っているだけなんですけど、無限なんだなあって。私の想像力が受け取った人の想像力も喚起して、表現って無限なんだなあって。
- __
- 想像力はそれぞれ無限ですよね。それが掛け合わさせる瞬間、その広がりを感じたという事ですね。
- 西原
- その時に、とても嬉しいんです。
- __
- 一人芝居「私の未来」。最後の歌が本当に狂おしいというか、情念がこもっているんですよね。そこに到る背景が演劇で示されているから、尚更聞き惚れました。
- 西原
- 歌うのっていつも難しくって。歌うのにはマイクが必要なんですけど、マイクってめっちゃ現実じゃないですか。戒田さんの脚本で、マイクが持てるシチュエーションになったから持てたんです。歌いたいだけになったら嫌やから・・・演出として言われたのは、「涙を湛えた笑顔で、プロ意識を持った一人の歌手という役として、一生懸命歌えばそういう風には見えないから大丈夫」って。
質問 森口 直美さんから 西原 希蓉美さんへ
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- __
- 前回インタビューさせて頂いた、パプリカン・ポップの森口直美さんから。「若さを保つ秘訣はなんですか?」
- 西原
- うわーっ。若さを保ててない・・・。私、40歳だと思われてたんですよ。秘訣。若い格好する事。あと、タメ口で喋れないんですけど、それが若く見せる秘訣かも。メールでもめっちゃ敬語。
- __
- 私もそうです。「飲み物は何が好きですか?」
- 西原
- 私昼間はカフェで働いていて、珈琲が好きだったんですけど、今は水が好きです。あ、今飲んでるからホットカルピスです。
質問 黒川 猛さんから 西原 希蓉美さんへ
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- __
- THE GO AND MO'sの黒川さんからも質問です。「ジャズの魅力を教えて下さい」。ジャズシンガーだとご紹介したので、この質問になりました。
- 西原
- ジャズの魅力。楽譜がない事ですね。流れは決まってるけど、アドリブなんですよ。私はまだまだ詳しくないので、私が語ると怒られそうなんですけど。曲のワンコーラスを各パートで回していくんですよ。それがアドリブ色んな事をやって、凄いなあと。面白いなあと。落語にも似ていて、同じ演目(曲)があって、演奏する人それぞれで曲が全く違うものになるんです。
- __
- 歌っている時に感じる事はありますか?
- 西原
- 英語なんですけど、音楽と歌詞が混じりやすくて。私はまだ下手くそですけど、メロディと発音がキレイにハマるのが凄いんです。言葉は分からへんけど、発音から想像出来て。面白いなあと思います。
好きな人
- __
- お芝居を始めた頃に、衝撃を受けた面白い作品は何ですか?
- 西原
- 23、4歳くらいは全然劇団知らなかったんですが、特攻舞台Baku-団※さんの「半端ロッケン27ロール」を初めて観て、「ここ出たい!」って思いました。27歳くらいの時に見たんです。ロックだったんですよね、みんな格好良くて。その後にサリngROCKさんの「愛情マニア」※を見ました。おっもしろいと思いました。
- __
- 特攻舞台Baku-団、今のステージタイガーですね。私も好きです。
- 西原
- 他にもいっぱいあるなあ。初めて芝居を見たのは、来週本番がある劇団暇だけどステキさんです。お芝居ってこんなに面白いんだって思いました。
- __
- 今後、一緒にやってみたい人はいますか?
- 西原
- 個人的に好きな人は米山真里さんです。目で追ってしまうんですよね。一度baghdad cafe'で共演した事はあるんですが絡みはなかったので。
- __
- 出てみたい劇団はありますか。
- 西原
- この間、劇団鹿殺しを観て。絶対無理やと思うけど、出てみたいです。チョビさんみたいに歌いたいです。カッコいいんです。悔しくなっちゃいました。同じ歌い手として。
- ※特攻舞台Baku-団改めステージタイガー
- 超体育会系演劇。俳優達の鍛え上げられた圧倒的な筋肉。それに最大限の負荷をかける事により、人間の奥深くに眠る野生のエネルギーを創出する。そんな超体育会系演劇を目指すステージタイガーは、関西を代表する強く、切なく、そして狂おしい劇団です。15名を越える劇団員で、自主公演だけに収まらず、ライブハウスから廃校まで、年10本以上のイベントにも出演中。今日もあなたの元へステージタイガー。もう、君にムキキュン。(公式サイトより)
- ※突劇金魚・第六回公演 『愛情マニア』
- 公演時期:2007/7/10~11。会場:シアトリカル應典院。
「ジャァーッッン」
- __
- いつか、どんな歌が歌ってみたいですか?
- 西原
- まだ全然遠いんですけど・・・。私の曲は、他の人が作ってくれたメロディに私が歌詞をのせて作っているんです。shunshun'sの時は私もハナ歌を作ってセッションから作っていましたが、いつかは、私も作曲をして作りたいです。
- __
- つまり、西原さんそのものが聞けるという訳ですね。
- 西原
- そうですね、自分から出てきた、そのものを聞いた事はないので、自分でも楽しみなんですけど。
- __
- 西原さんの歌は、恋心を掻き立てられますよね。悔しさにも似た情念というか。
- 西原
- それはいい事なんですか?
- __
- もちろん。
- 西原
- 嬉しいです。歌っている時は無心なんです。お芝居の時も無心じゃないといけないんですが、一方で冷静な面もあって。キャッチボールだから。歌もキャッチボールなんですけど、もっと無心です。私の歌って、「ジャァーッッン」って息継ぎの無い感じで。お芝居は息継ぎがあるんですけど。
- __
- ジャーンとはなんの音ですか?
- 西原
- 水道かな。
- __
- 何を出しているんですか?
- 西原
- 何だろう。魂?
- __
- お客さんの想像を満たすような?
- 西原
- そうですね。
- __
- 感覚として、ジャーっと捉えられるくらい具体的に感じるという事ですね。それは昔からそうでしたか?
- 西原
- 全然。ライブハウスでバイトしてる時にめっちゃ好きなバンドさんが来ていて、「この人蛇口をひねりっ放しみたいな歌い方してるカッコいいーっ」と、人のを見てて感じたから、今はそこに近づけているのかな。歌っているその時は冷静な状態じゃないんです。
歌う
- __
- これは私はとても人の悪いことを言うかもしれないですけど。
- 西原
- はい。
- __
- 今、西原さんは迷っているという事ですが、だから今西原さんは旬なんじゃないかなと思うんです。
- 西原
- どういう・・・?
- __
- 迷っているという西原さんの微妙な状態が、歌に新しい側面を与えて、それが彩りになるんじゃないかなと思うんですよ。だって、お客さんはその人の音声を聞きにくる訳じゃなくて、もちろんその人の人生を聞きに来る訳でもなくて、今目の前にいる人の全てを感じにくるんですから。
- 西原
- 今に納得していない、変わろうとしているわたし。
- __
- その生き様を見に来ているんじゃないですかね。足りていない人だから、情念を表現する資格があるんじゃないかなあと。
- 西原
- 満足している人のを見てもしょうがないですからね。いい事言ってくださって。明日からの色々な事が楽しみになりました。
歌う
- __
- 今後、どんな感じで攻めていかれますか?
- 西原
- そこも迷っているんですが、迷う事が魅力になるんだったら、迷いながら攻めていこうと思います。迷いを魅力に変えて。
便箋ノート
- __
- 今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントを持って参りました。
- 西原
- えー、うれしい。そんなのがあるんですね。
- __
- 開けてみて下さい。
- 西原
- あ、オシャレ。めっちゃ使えそう。え、いいんですか?
- __
- 便箋ノートです。
- 西原
- 一枚ずつ使えるんですね。
咲かないバラ
- __
- あ、作品についてもっと話したくて。
- 森口
- そうですね、全然喋っていませんでしたね。話しましょう。
- __
- 「薔薇にポケット」で凄く工夫されていて驚いたのが、後ろの布地に小道具というか、アップリケをマジックテープで貼り付けて書き割にして、それが絵本のようになるという発想がとても可愛らしいですよね。花で出来たアーチとか、お祭りの風景とか。あれを考えたのは。
- 森口
- 私です。舞台装置をどうしようと思っていたんですが、ページをめくるようなイメージでした。それらを貼り替えるというのなら出来そうだし、絵を描くのも好きなので。背景が変わったら面白いなと思ったんです。何もないところに重ねていくとか、減っていくのが面白いなと。
- __
- あの美術、凄く効いていました。
- 森口
- ありがとうございます。
- __
- 絵本という世界観を一瞬で説明してくれるし、その中で行われる演技もとても絵本調なのに嫌らしくなく決まっていて。感心したのが、場面転換の時、俳優の一人が前に出てきて次の場面の説明をボードでするんですが、その時に後ろを気にする演技をしますよね。それが凄く良かったんです。
- 森口
- あれはみんなでやってもらったんですが、イメージとしてはニワシティの住人や妖精というものでした。
- __
- いや、何か言葉で言うとありきたりかもしれないんですけど、それを実際に目にすると何故かものすごくびっくりしたんです。だって、あまりにも当然というか、あんなにハマっているメタ演技はないんですよ。そこに演出の手つきの良さを凄く感じたんです。
- 森口
- そういうのがパプリカンポップでやりたい事なのかなと。もちろん大人向けの作品なんですが、子供が観ても大丈夫、というのを結構意識しています。あの役割も、私がこういう事をやりたいと言っただけで、解釈してくれたんですよね。
- __
- 「薔薇にポケット」じつはちょっと、悔しかったです。
- 森口
- 悔しい?
- __
- 正直、最初の10分間ぐらい、子供向けの何かだろうと思ってたんですよ。その後の予定があって、ちょっと焦った気分で見ていました。なのに、それが凄く調和されて作られているものだと分かって。
- 森口
- ありがとうございました。
- __
- 結局、赦しの話だったと思うんですよ。咲かないバラが秘めているものが、彼女の思いそのもので。裏切りにあっても許すというのがすごくいい展開ですよね。
- 森口
- はい。それもテーマの一つでした。
観た後に楽しかったと思える
- __
- いつか、どんな芝居が作れたらいいですか?
- 森口
- 元々私が作りたい芝居は、観た後に楽しかったと思える作品です。でも、今後はもう少し軸が変わっていっても良いのかなと。色んな可能性を探っていきたいです。元の軸には捕らわれずに。その上で、みんなが楽しんでもらえるものがいいなと。
- __
- 森口さんは今後、どんな感じで攻めていかれますか?
- 森口
- マイペースにやっていこうと思います。マイペースに、一回一回を大事に攻めていこうと思います。
懐
- __
- 俳優として、いつかどんな演技が出来たらいいと思いますか?
- 森口
- 難しいですね。明確には言えないんですが、誰にでも目標にしている人があるじゃないですか。あの人のような演技が出来るようになればいいなあと思います。
- __
- というと。
- 森口
- 当時入っていた養成所の先生なんですけど、芝居をしようか迷っていた22歳の頃にわざわざ時間をとって相談していただいたんです。仕事、将来、色々と。その方は新劇で活躍されている方なんですけど、「とりあえず自分がやりたいんだったら、30歳ぐらいまではやってみたら」と言ってくれたんですね。その人は凄く、優しい芝居をされる方で。その人みたいな芝居がいつか出来たらいいなと思いますね。
- __
- 優しい芝居。
- 森口
- 柔軟で、優しい芝居。私の勝手なイメージなんですけど、懐が深いというか。観ていても話を聞いても面白くて。
- __
- 柔軟で落ち着いている人は、自分の根本があるんでしょうね、きっと。
- 森口
- そういう人柄でありたいです。
- __
- 「薔薇にポケット」では、それを感じました。
- 森口
- そういう方向性に行っていればいいですね。
質問 黒川 猛さんから 森口 直美さんへ
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- __
- 前回インタビューさせて頂いた、THE GO AND MO'S の黒川猛さんから質問を頂いてきております。「ザ・クロマニヨンズをどう思いますか?」
- 森口
- ああー、甲本ヒロトさんが同じ岡山出身ですね。フェスで聞いた事があります。
- __
- あ、フェスに行ったりするんですね。
- 森口
- でも、そこで聞いた事がある程度です。盛り上がりたい時にはいいかなと。
妄想とネガティブ
- __
- 石原正一ショーで森口さんがやってたギャグが凄く面白かったんですよ。森口さんみたいな上品なイメージの美人が赤塚不二男みたいなタッチの笑いをやると何だかもの凄く映えますよね。
- 森口
- ありがとうございます。ああ恥ずかしいですね。
- __
- 俳優としての森口さんに伺いたいんですが、どんなタイプの役者だとご自身では思われますか?
- 森口
- うーん。妄想します。台詞を覚えながら、色々考えます。どういう風にしたら面白いのかはもちろん、この人はどう思っているんだろうとか、周りに・観客にどう思われるんだろう、とか。そういう事を妄想して、最後は繋げていきます。結構ぶっ飛んだところまで考えすぎて、行き過ぎたこともあります。
- __
- 今まで、一番上手くいった役は。
- 森口
- 上手く行ったとかは全然思わなくて。いつも、ダメだなあと思っちゃうんですよ。周りから「良かった」と言われてようやく安心するんですけど、基本ネガティブなんですよ。
- __
- ネガティブ?
- 森口
- というか、根暗?ポジティブなんですけど考え方が根暗なんです。困りますよねこんな事言われると。前々回のパプリカンポップはそういう話で、周りを拒絶したひとりぼっちの女の子が一人暮らししている所に、色々な人が来て、というお話だったんですよ。そういう、私の根暗性が出ている話でした。
そこじゃないと見れない演技
- __
- 森口さんが演劇を始めた経緯を教えてください。
- 森口
- 親が割と芝居を観るのが好きで、劇場に一緒に連れてってもらったりしていたんです。最初は自分がやるとは思ってなかったんですけど、次第に舞台をやってみたいなと思えてきて。舞台に立ちたくなって、大学の時に養成学校に入っていました。ファントマさんのワークショップを受けたのが小劇場に入った最初ですね。その後、末満さんのHYT(ハーフイヤーシアター)に参加して、今に至ります。
- __
- その頃観た、衝撃を受けた作品はありますか?
- 森口
- 衝撃かどうかは分からないんですけど、ファントマさんの「ジョリー・ロジャー」という作品ですね。あ、こんなに楽しいものがあるんだと思いました。私の演技の根底にあるのは養成所で勉強した新劇系の考え方で、真逆なんです。そんなギャップがあったんですが、それでいいんだ、と。もちろん、どっちも好きなんですけど。
- __
- なるほど。
- 森口
- 関西じゃないと見れない演技だと思うんですよ。だから、大阪に来て初めて見たその文化の演技にびっくりして。もちろん、とても楽しかったです。
パプリカン・ポップ3.0「薔薇にポケット」※
- __
- パプリカン・ポップ、面白かったです。実は以前から、森口さんにはインタビューさせていただきたかったんですけど、「薔薇にポケット」を拝見して、是非と思いまして。
- 森口
- ありがとうございます。
- __
- 見ていて、何だかすごく調和しているなと思ったんですよ。俳優達の演技、戯曲、美術、全てが物語演劇に集約して調和していっているというか。しかも、それを見る時に、舞台上のペースに合わせて解釈したり大目に見たりとかの必要が全くなくて。見やすいうえに飽きなかったんですよ。舞台の上の全てがバランスが良い時に、それを調和、と呼ぶべきなのかなと。
- 森口
- みんなの力のお陰ですね。私のやりたいことを汲んでもらって、どういう風にしたら調和するか、というのは多分、考えてくれていたと思います。
- __
- 全員の力でまとまっていた。
- 森口
- はい。
- __
- だから、建設的な方向で舞台の空間と時間が成立していったんでしょうね。見ていて凄く楽しかったです。
- 森口
- 私、作品を見たあと「あー楽しかった、わー」っていうのが好きなんです。いろんな思いを抱かせる作品がこの世にあると思うんですけど、例えばボロ泣きさせたりとか笑えたとか。そういうのも好きなんですけど、自分が本当に好きなのは「楽しかった」と思えるものなんです。
- __
- 観た後の気分を目標にしているんですね。
- 森口
- 最初からそういうスタンスでやってきています。今回もそんな気分で帰ってもらっていたら嬉しいですね。
- ※パプリカン・ポップ3.0「薔薇にポケット」
- 公演時期:2013/2/22~24。会場:in→dependent theatre 1st。
春先の暑い昼 2
- __
- 森口さんは最近、いかがでしょうか。
- 森口
- この間パプリカン・ポップの本番が終わって。次は石原正一ショー※さんに客演させてもらうんですけど、その準備期間です。
- __
- 「筋肉少女」※ですね。
- 森口
- 4年前※の作品の再演ですね。前回は私、ウォーズマンの娘役でした。
- __
- それを見ていました、というか、私は舞台での森口さんを以前からよく拝見していまして。ピースピット※とか。でもその石原正一ショーの森口さんは特別印象的だったんですよ。あんなポーズで空中を一瞬飛んだじゃないですか。一瞬とはいえ、あんなポーズで。
- 森口
- ありがとうございます。このお茶、おいしいですね。飲みやすい。苦くもないし。
- ※石原正一
- 演劇人。石原正一ショー主宰。1989年、演劇活動開始。1995年、"石原正一ショー"旗揚げ。脚本演出を担当、漫画を基にサブカル風ドタバタ演劇を呈示。関西演劇界の年末恒例行事として尽力する。自称”80年代小劇場演劇の継承者”。外部出演も多数。肉声肉体を酷使し漫画の世界を自身で表現する"漫画朗読"の元祖。"振付"もできるし、”イシハラバヤシ”で歌も唄う。(公式BLOG『石原正一ショールーム』より)
- ※ピースピット
- 劇団「惑星ピスタチオ」(2000年解散)に所属していた役者・末満健一により、2002年に旗揚げされた。特定のメンバーを持たず、公演毎に役者を募る「プロデュース」形式にて、年1~2本のペースで公演を行う。作品的な特徴としては、作りこまれた世界観、遊び心に満ちた演出ギミック、娯楽性を前面に押し出しつつ深い哲学性に支えられたストーリーなどが挙げられる。作風は多岐にわたるが、「街」などの外界と区切られた括りの中で物語が進行されたり、終末世界が舞台となることが多い。また作中に必ず「猫」が登場することも特徴のひとつとして挙げられる。(wikipediaより)
- ※第27回石原正一ショー「筋肉少女」
- 公演時期:2013/5/1~3(東京)、2013/7/5~8(大阪)。会場:こまばアゴラ劇場(東京)、in→dependent theatre 1st(大阪)。
- ※石原正一演劇生活20周年記念 第20回石原正一ショー「筋肉少女」
- 公演時期:2009/9/14~30。会場:in→dependent theatre 1st。
春先の暑い昼 1
- __
- 今日はパプリカン・ポップの森口直美さんにお話を伺えます。どうぞ、よろしくお願いします。
- 森口
- よろしくお願いします。暑いですね。
- __
- 何でこんなに暑いんでしょうね。
- 森口
- 春一番が吹いたからじゃないですか。
- __
- いえ、まだ夏が終わってないからかも。
- 森口
- ああ、そうなんですか。
- __
- 私の中ではですが。7年前の夏から、まだ色々な事が続いている気がしています。
- 森口
- 長いですね。いつ終わるんですか?
- __
- 分からないです。
- ※パプリカン・ポップ
- 大阪を拠点に活動している演劇ユニット。代表:森口直美。
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