基本的に僕、笑っていたいんです

__ 
今まで、これはよく作れたな、という笑いはありますか?
黒川 
何かな。オーソドックスなもので良かったのは妖怪シリーズとかかな。
__ 
妖怪に延々とツッコミ続ける奴ですよね。あれは初めて見たベトナムでした。
黒川 
僕はツッコミ体質なので。あと、演劇ドラフト会議とか、もぐらパンチとか、いっぱいあって絞りきれないですね。今回の新作「狂言病」は、かなり手応えを感じています。
__ 
笑いの前衛として、若手に何か一言頂けますか?
黒川 
いやー・・・うーん。若手に?
__ 
いえいえ、すごく偉そうな言い方なんですが、笑いだけを追求している表現者としてモデルケースだと思うんですよ。
黒川 
いえいえ。僕が言えるのは、「面白いものを作ってください」だけですよ。先輩とか若手とか関係なしに。こういう事をしなさいとかは無いですね、笑いを作る人々の円に入って、とにかく面白いものを作ってもらって、笑いたいです。基本的に僕、笑っていたいんですよ。

タグ: とにかく作品を作ろう 後輩たちへ


ブタの貯金箱

__ 
今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントがあります。
黒川 
ありがとうございます。開けても。
__ 
もちろんです。
黒川 
(開ける)あー、いいじゃないですか。母親が大好きなんですよ、ブタ。

タグ: プレゼント(容器系)


KIKIKIKIKIKI「戯舞」

__ 
今日はどうぞ、宜しくお願い致します。御厨さんは、最近はいかがでしょうか?
御厨 
最近はKIKIKIKIKIKIのダンス作品「戯舞」の稽古ですね。2月の15・16日に横浜のTPAMで上演します。
__ 
そう、御厨さんは役者だけではなく、ダンスもされるんですよね。稽古はどんな感じでしょうか。
御厨 
大分形が見えてきたかなという感じです。2週間程で詰めなければならないので結構大変でした。元々、AI・HALLで作った多人数出演の作品を再構成した作品なんですが、キャストが僕以外30代の男性となりまして。僕だけ20代なので違和感がある立ち位置なのかなと。
__ 
物語的な要素がある?
御厨 
現代の民俗芸能を新しく作るという試みなんですけど、言葉を使ったリズム隊みたいなものがありますね。4人が持ってきたものを寄せ合わせながら見せるという作品で、舞を見せる・神を呼ぶという儀式が主なモチーフの作品になりそうです。
夕暮れ社弱男ユニット
2005年結成。当初はライブハウス、砂浜など劇場外での活動を主としていたが、2008年より活動の場を劇場へと移す。従来の客席・舞台という構造の認識を、骨太な戯曲により再構築することを試みている。過去には、客席を破壊/再生した「現代アングラー」(2008年/次代を担う新進舞台芸術アーティスト発掘事業「CONNECT vol.2」優秀賞受賞)や、劇場の真ん中に客席を設置し、その周りをグルグルまわりながら物語を紡ぐ「教育」(2010年/大阪市立芸術創造館セレクション選出)などがある。(公式サイトより)
KIKIKIKIKIKI
2003年に京都造形芸術大学在学中であった代表きたまりを中心に「KIKIKIKIKIKI」を設立し活動開始。観客とグローバルな舞台芸術の共有を視野に入れ、今後は【身体が持つ力こそが、生で舞台を見る喜びになる】と云うマニフェストを提示し、舞台芸術の活動を行っていく。(公式サイトより抜粋)
国際舞台芸術ミーティング in 横浜 ショーイングプログラム KIKIKIKIKIKI戯舞
公演時期:2013/2/15~16。会場:KAAT神奈川芸術劇場。

ぼくの軸

__ 
私が御厨さんのダンスを見たのは、伊藤キムさんと京都造形大学の「go-on~からだの森をゆく~」でした。
御厨 
ダンス作品に出始めたのは去年からですね。その「go-on~からだの森をゆく~」が初めてです。ダンス経験はようやく一年です。
__ 
弱男の公演でも思ったんですが、御厨さんは身体一つだけで深い印象を刻むような印象があるんですよ。例えば弱男のコント公演「夕暮れ社 登場」の時にも、あの一人芝居のキレがまだ残っています。方向性のしっかりした動きですね。身体を動かす為の、何かポリシーがあるんですか?
御厨 
そうですね。まず、何故ダンスを始めたのかというと・・・。弱男に入って初めての作品で、ミックンロールという作品があったんですよ。その時に、イジメられっ子として頭にバスケットボールを被らされて殴られたり蹴られたりを、一人だけの演技で表現するというシーンがあったんです。公演が終わって作・演出の村上さんと話していたら、身体がきく、動かせるのでダンスをやってみたらいいんじゃないかと言ってもらえて。僕も興味があったんですね。僕も役者として見た時にあまり言葉が達者ではないので、それ以外での身体の表現を強く意識してやらないと、他の役者さんと並んだ時に難しいかなと。身体として見せる時の立ち姿ってなんなんだろうなという疑問を持ってダンスを始めたというのがあります。
__ 
御厨さんにとって、見せられる体とは何を意味していますか。
御厨 
僕はどこにでもいる普通の身体をしていて、それだけで見せられるものじゃない。
__ 
いえいえ。
御厨 
いや、そうなんですよ。でも、その肉体が舞台上に立った時に、すっと、お腹に力を入れて、軸を保っているだけで全然見え方が違ってくるんですよ。弱男の舞台でも四方八方から見られる時があるんですが、その時のために見られる身体にしておかないといけないんですよ。油断なく。それには、身体の軸を作る事が必要なんです。腹筋に本気で力を込めていると、その軸が意識出来ます。
伊藤キムダンスプロジェクト「go-on ~からだの森をゆく~」
公演時期:2012/5/12~13。会場:京都造形芸術大学 人間館・京都芸術劇場春秋座舞台上。

タグ: 肉体、重心


危険さ

__ 
ダンスの舞台に立って、どのような事を思われるようになりましたか。
御厨 
何というか、キレというものがもっと欲しいんですよ。「コイツは何をしてくるんだろう」と思った瞬間、ガンと、キレのある事が出来れば。爆発力というか瞬発力を得る為には、やっぱりその瞬間まで溜める事が必要なんですね。そこが僕には足りないんじゃないかと思っています。
__ 
緩急という事ですか?
御厨 
そうですね。コントロールする事も大事なんですが、一方で危険性も出せたらいいなと思っています。
__ 
危険性?
御厨 
はい。単調にならないように、自分で緩急を意識出来るようになったら、もう少し役者としても深みが出てくるのかなと。

スポンジのように

__ 
演劇を始めたきっかけは何でしょうか。
御厨 
最近ずっと弱男の美術をやってくれている小西くんと、実は以前から友達だったんですが、彼がベビー・ピーの「ごった煮」の美術をやるという事で誘われたんですよ。そこでベビー・ピーの芝居を見て、何だこれはと。プロの演劇を見た事はあるんですけど、こんなに面白いものがあるんだとビックリしたんです。それを見た時に、自分も演劇をやってみたいと思いました。ベビー・ピーの根本さんに相談して、稽古の見学をさせてもらって。初舞台は劇団ケッペキさんのプロデュース公演だったんですが、その後、「はたたがみ」にも出演させて頂いて。
__ 
今、舞台を続けているのはどのような理由があるのでしょうか。
御厨 
大学は造形大なんですけど、入学して3年は展覧会の制作などのスタッフワークを中心にやっていました。演劇を見てから、自分でも舞台に立っていいんだという思いとか、照明に当たった時の喜びがあって。それが毎回の舞台に立つ度に噛み締められるんですね。自分を見に来てくれている人もいて。あとは、演劇という表現ツールしかなかったというのもありますね。何か絵を描ける訳でもない自分でも、体一つあれば出来る表現なんです。
__ 
これからも演劇を続けて行きたいと思いますか?
御厨 
そこが難しいところで、これからやっていくべきなのは本当にお芝居だけなのかというのがあります。ダンサーほど踊れないし、役者と呼べるほど技術力も器用さもない。自分は何なんだろうと毎回自分でも思うんです。その時に、「パフォーマー」という位置があるんだとしたら、そういう事なのかなと。ある人に「御厨君はパフォーマーだよね」と言われたのが最初なんですけど。
__ 
パフォーマーとは何かを定義していくのが今後の課題でしょうか。
御厨 
そうですね。今は、演劇もダンス作品も参加しているに過ぎないんですが、やっていく内に技術を培っていければ、役者・俳優としての形があるのかもなと。中途半端な僕でも、貪欲に吸収していくのが大事なのかなと思っています。
ベビー・ピー
作家・演出家・俳優の根本コースケを中心とした演劇ユニット。 2002年、当時根本が所属していたニットキャップシアターの劇団内ユニットとして結成。 翌々年に独立。以降、公演ごとに役者・スタッフを集めるスタイルで、京都を拠点に活動している。(公式サイトより)
ごった煮
京大の吉田寮でベビー・ピーが開催したイベント。
ベビー・ピー「はたたがみ」
公演時期:2010/7/16~20。会場:京都大学西部講堂。

タグ: 色んなものを吸収


質問 宗岡 ルリさんから 御厨 亮さんへ

__ 
前回インタビューさせて頂きました、宗岡ルリさんから質問です。「2月14日、今までに3回しか会った事がない自転車屋さんのお兄さんにチョコレートを渡しに行こうと思います。男性としては、これ、どうでしょうか?」
御厨 
あははははは(笑う)・・・でも、向こうの人の印象にもよりますよね。3回くらいしか会った事がない人にバレンタインのチョコを渡すというのは結果的には不意打ちなので。でも、段階を飛ばすというのも、一つの楽しいプロセスだと言えるかもしれませんね。僕だったらすごく嬉しいです。

『がーっ』

__ 
「弱男ユニットがDAWとわっしょいしょい!」の時、能の演技をしていたと思うんですが・・・
御厨 
実は、あれは全く学んだ事がなくて。小学生の時に和泉元彌さんの狂言を見たぐらいなんです。稽古で村上さんに「何か最近、出来るネタはある?」って無茶ぶりされるので。それをやってみたんですが、意外とウケがよくて。何故あれが出来たかと言うと、子供の頃の記憶が刷り込まれていたからというのと、やはり腰の落とし方ですね。
__ 
腰の落とし方?
御厨 
いわゆる中腰でぐっと落として、すり足でばっと歩いて行くという動作が頭に染み付いているから見せられていたんだと思います。その頃KIKIKIKIKIKIの稽古が功を奏していて、それはやっぱり流れになっていたんですね。きっと。
__ 
腰を落とすスタイルでの表現をする資格。
御厨 
そうですね。でも、能のコピーをもっとしっかりやるべきだったのか、それともあのままで良かったのかという結論は出ていなくて。能なのか、能のものまねなのか、の境目で成り立っているのがあのシーンだったと思うんです。能ではない事をやり過ぎると、別のものになってしまうので。
__ 
先月の「夕凪アナキズム」も面白かったです。恋愛の話でしたね。彼も彼女も、自分の考えが表向き異なっている事を非常に面白い演出方法で、若干強引に表現されていました。だって、今リアルタイムに考えている事を、背中にコロスが付いて全て代弁する訳ですから。しかも、何人も連なっていくし。
御厨 
稽古場では、あれは本当は沈黙劇で、ものすごく繊細なお芝居だなと。コロスたちの言葉は妄言なんです。それが表に出た時、いかに思っている事とやっている事が違うかが見えて、でもそれがイコールになったりする瞬間も、いつか待ち受けている。それを恋愛劇に持っていくというのは、これは面白いなと思っていました。
__ 
お気に入りのシーンはありますか?
御厨 
小林欣也さん演じる痛風の入院患者が、結局告白が出来ずに悶々としいて、「世界の終わり」が流れて叫んで。そこから他の全ての恋愛模様がどんどん加速して、カップル達が結ばれたり別れたりヨリを戻したり・・・と入り乱れる。その時のぎゅっと思いが振り絞られるような、そんな大声を叫びたいような気分。それがあのシーンだったと思うんです。僕はあの欣也さんの演技をすごくやりたかったです。単純に気持ちいいだろうなと。
__ 
なるほど。
御厨 
カップル達の全ての物語をかき消すばかりに、欣也さんが音ではなく声を『がーっ』と叫ぶんですよ。何か、かっこいいなと思ってしまいます。弱男の良さだなあと、個人的には思います。

タグ: 繊細な俳優 恋愛至上主義


僕が何を出せるのかを

__ 
今後、どんな感じで攻めていかれますか?
御厨 
さっきの自分の課題としてお話したように、去年一年はダンスをメインにとらえてやってきたんですね。今年は、繊細な事が要求される口語演劇をやっていきたいなと思っています。もちろん、ダンスもやっていけたら、自分にもっとプラスされるものがあるのかなと思っています。役者として技術力を必要とされる現場に関わっていきたいですね。
__ 
繊細な表現。先ほど仰った溜めであるとか、ニュアンスであるとか、ピッチであるとか、色々な捉え方をもって考えられているようですが。ダンスとはまた違った領域?
御厨 
いえ、体をどれだけ制御出来るかというダンスの考え方は、やっぱり役者としての技術力に掛かっていくと思うんです。繊細な演技をするときに、自分の身体に緩急をつけて表現出来るかどうか。
__ 
学んでいくスタンスはありますか。
御厨 
TPAMに出るKIKIKIKIKIKIの作品に、地点にいらした俳優の方がいて。ダンスをするのもやっぱりものすごく上手なんですよ。僕はまだまだ演劇にせよダンスにせよキャリアが短いので、現場で稽古を見て方法を学んで行ければ。そこで、僕が何を出せるのかを明確にしていければと思います。その先に、パフォーマーとしての可能性が見えてくるんじゃないかと。

タグ: 繊細な俳優 今年のわたし 今後の攻め方


竹のわらじサンダル

__ 
今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントがございます。
御厨 
やった、ありがとうございます。嬉しいです。
__ 
大したものじゃないですよ。
御厨 
いやいやいや。(開ける)うわっ。めちゃめちゃ嬉しい。僕、最近サンダルを探していたので。滅茶苦茶嬉しいです。
__ 
良かったです。まだまだ冬なのですが、暑くなったら。
御厨 
そうですね。パカパカいわせながら履きます。

タグ: プレゼント(装飾系)


単純作業

__ 
今日はどうぞ、よろしくお願いします。最近、宗岡さんはどんな感じでしょうか。
宗岡 
最近は結構、部屋にひきこもって編み物をしたり、ミシンを使ったりと一人で作業する事が多いです。劇団しようよに出演した時に、共演したピンク地底人2号さんに棒針編みを教えてもらって。北九州公演の時とか、ずっと二人で編んでたりしてたんですよ。
__ 
どんなものを編みますか?
宗岡 
帽子とか、シュシュとか、ルームシューズとか、バッグも編みました。
__ 
集中出来る単純作業という事かな。編み物をしているとき、何を考えていますか?
宗岡 
あまり何も考えず、集中してる事が多いですけど、これバイト先の人に行ったら引かれたんですけど、針を差したり抜いたりをずっと続けているとだんだんちょっといやらしい気持ちになってくるんですよ(笑う)本当に頭おかしいと言われて、言わないようにしてるんですけど。
__ 
針と布の交差が何度も反復して、それが一つの形を生むという意味では同じでしょうね。
宗岡 
あ、ホントだ。ホントだホントだ。
劇団しようよ
2011年4月、作家・演出家・俳優の大原渉平と、音楽家の吉見拓哉により旗揚げ。以降、大原の作・演出作品を上演する団体として活動。世の中に散らばる様々な事象を、あえて偏った目線からすくい上げ、ひとつに織り上げることで、社会と個人の”ねじれ”そのものを取り扱う作風が特徴。既存のモチーフが新たな物語に〈変形〉する戯曲や、想像力を喚起して時空間を超える演出で、現代/現在に有効な舞台作品を追求する。2012年「えだみつ演劇フェスティバル2012」(北九州)、2014年「王子小劇場新春ニューカマーフェス2014」(東京)に参加するなど、他地域での作品発表にも積極的に取り組む。野外パフォーマンスやイベント出演も多数。2015年「第6回せんがわ劇場演劇コンクール」(東京)にてオーディエンス賞受賞。同年よりアトリエ劇研(京都)創造サポートカンパニー。(公式サイトより)

タグ: 反復の生むもの


vol.284 宗岡 ルリ

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2013/春
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宗岡

宗岡ルリ一人芝居「撲滅ならず今日」

__ 
さて、宗岡さんの一人芝居「宗岡ルリ一人芝居「撲滅ならず今日」」。このチラシのグラビアについては後で伺っていくとして、原案が3つの漫画作品ですが、これは朗読劇という形なのでしょうか。
宗岡 
いえ、完全にお芝居で。物語がメインになる訳じゃないんですけど。
__ 
あ、そうなんですね。あまり想像が付かなかったです。
宗岡 
元々一人芝居に興味があって。自分が脚本を書くんだったら絶対この3作品が入ってくるほど、自分の元になっていると思うんですね。影響を受けて作品を書くぐらいだったら、原案として。
__ 
チラシに書いてある文章からは、「あなたと交じり合う」瞬間をずっと求めている自分がいるという印象を受けます。そういう宗岡さんを描きたいという事ですか?
宗岡 
主題は、演じるという事だと思っています。だったら「演劇と私」って文章でも書いてろよって感じかもしれませんけど(笑う)。この3つの本の主人公も何かになろうとしているんですね。例えばこの「pink」(岡崎京子)の主人公は、昼はOLをして夜はホテトル嬢をしていて。それは自分から望んでやっているんですが、そういうカラっとした感じが好きなんです。それからこの「バナナブレッドのプディング」これは中学生の頃から好きで。
__ 
どんなお話なのでしょうか。
宗岡 
大人になれない女の子の話で、両親から精神病院に入れられそうになって、お友達の力を借りて偽装結婚するんですね。「世間に後ろめたい思いをしているゲイの男性が好き」だとか言って、彼のカーテンになるという。でもその友達の策略で、男性は別にゲイではなくて。
__ 
要するに、わちゃわちゃする話なんですね。
宗岡 
そうです(笑う)でも、憧れなんですよ。この主人公の女の子みたいになりたいと思って今まで生きてきた部分があります。大島弓子さんの作品はどれも可愛くて、言葉遣いとかが本当にキレイで。
宗岡ルリ一人芝居「撲滅ならず今日」
公演時期:2013/3/1~10。会場:『わたしの部屋』。

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2013/春
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宗岡

わたしの舞台暦

__ 
宗岡さんが演劇を始めたのは大学から?
宗岡 
西一風からです。高校の頃は演劇部が無くて、美術部と科学部と数学研究会に入ってたんですけど、演劇にはずっと興味があって。大学に入って、新入生歓迎の立て看板が素敵で、ビアズリーのサロメの絵をパロディにしたものだったんですよ。サロメや三島由紀夫の作品みたいなものがやりたかったので、あ、ここだと思ったんです。
__ 
西一風の何年かはいかがでしたか?
宗岡 
本当に楽しかったです。2回生の春に辞めちゃったんですけど、その時3回生だった市川さんの作品が凄く好きで。
__ 
それから悪い芝居やサワガレやZTONや努力クラブに出演されましたね。参加していて思い出深い作品は。
宗岡 
やっぱり悪い芝居さんの「キョム!」だったかもしれません。唯一、最後まで不貞腐れずにやった作品で、いやいつも真面目なんですけど。元々、京都に来て初めてみた芝居が「嘘ツキ、号泣。」だったし、山崎さんは西一風の先輩なので。有難かったです。
劇団西一風
劇団西一風は立命館大学を拠点に活動を行う演劇サークルです。1985年、越あゆみ氏を筆頭に創立されて以来、「内的爆発」、「身体的速度」、「独創性」をモットーに、京都で独自の表現方法を模索し続けてきました。オリジナルの脚本を使用した様々な表現活動は、大きな反動を呼ぶこともあります。劇団名の由来は『関西を吹き抜ける一陣の風』。本公演は年に三回、春季・夏季・秋季に行われ、その他有志によるプロデュース公演などの活動も精力的に行っています。(公式サイトより)
市川タロ
「デ」。2011年、市川タロの個人ユニットとして活動開始。場所と記憶を俳優の身体を通しながら見つめ直すことを模索する。過去の活動に2011年10月『ルーペ/私のための小さな・・・・・・』。(公式サイトより)
悪い芝居
2004年12月24日、旗揚げ。メンバー11名。京都を拠点に、東京・大阪と活動の幅を広げつつある若手劇団。ぼんやりとした鬱憤から始まる発想を、刺激的に勢いよく噴出し、それでいてポップに仕立て上げる中毒性の高い作品を発表している。誤解されやすい団体名の由来は、『悪いけど、芝居させてください。の略』と、とても謙遜している。(公式サイトより)
サワガレ
「オルタナティブスタンダード」な作品に“非日常の中に片足を突っ込んだ曖昧な感情”を紛れ込ませ、京都の片隅から宇宙に向けて発信している集団。客観的に世の中をとらえたシニカルな作風でありつつも「フィクション性」「エンターテイメント性」を意識しながら独自の世界観を描き出す。スローガンは「謙虚に且つ虎視眈々と。」2012は原点に立ち返り、ちゃんとサワガレますので、どうぞお騒ぎください。(公式サイトより)
劇団ZTON
2006年11月立命館大学在学中の河瀬仁誌を中心に結成。和を主軸としたエンターテイメント性の高い作品を展開し、殺陣・ダンスなどのエネルギッシュな身体表現、歴史と現代を折衷させる斬新な発想と構成により独自の世界観を劇場に作りあげ、新たなスタイルの「活劇」を提供している。(公式サイトより)
努力クラブ
元劇団紫の合田団地と元劇団西一風の佐々木峻一を中心に結成。上の人たちに加えて、斉藤千尋という女の人が制作担当として加入したので、今現在、構成メンバーは3人。今後、増えていったり減っていったりするかどうかはわからない。未来のことは全くわからない。未来のことをわかったようなふりするのは格好悪いとも思うしつまらないとも思う。だから、僕らは未来のことをわかったようなふりをするのはしない。できるだけしない。できるだけしないように努力している。未来のことをわかったふりをしている人がいたら、「それは格好悪いしつまらないことなのですよ」と言ってあげるように努力している。(公式サイトより)
悪い芝居vol.11「キョム!」
公演時期:2010/12/18~26(大阪)2011/1/14~16(東京)。会場:精華小劇場(大阪)駅前劇場(東京)。
悪い芝居vol.11「キョム!」
公演時期:2009/4/16~20(京都)、2009/5/5~6(東京)。会場:ART COMPLEX 1928(京都)、サンモールスタジオ(東京)。

タグ: 学校の新入生歓迎 悪い芝居「キョム!」 「悪い芝居」の存在


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宗岡

抵抗

__ 
今回の一人芝居で演劇を辞めるという事ですが、もし伺えるのであれば理由を教えて下さい。
宗岡 
言うとアレなんですが・・・あまり興味が無くなってしまったんです。稽古がしんどくて、でも本番が楽しいからまた続けようと思えるんですけど、最近は本番も面白く思えなくて。むしろ、家で作業したり本を読んだりとかの方が楽しくなって。
__ 
なるほど。
宗岡 
絵画や写真の人ともっと関わりたいと思っていて、私が元々好きだったジャンルの方々と交流をしたいので、一旦お芝居を離れようと思っています。
__ 
幸運を祈っています。もしお芝居で身につけたスキルがあるんだとしたら、それが役に立つと思いますか?
宗岡 
元々人と関わるのが得意ではないんですけど、演劇を通して、色々な人と関わりを持てるように自分からアプローチを掛けることに抵抗がなくなったと思います。

タグ: 知識を付けよう


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宗岡

質問 川北 唯さんから 宗岡 ルリさんへ

__ 
前回インタビューさせて頂きました、オセロット企画の川北唯さんから質問です。チラシのグラビアの話になったんですが、「色気を出すにはどうすればいいですか?」
宗岡 
可愛らしい質問ですね(笑う)私だってあんまり、なんですけど意識するときはします。tabura=rasaという劇団に出演したとき、その時は舞台上に下着で出てたんですが、「色気がある事をさせたら輝くんだな宗岡さんは」って高田さんに言われました。色気を出すのって恥ずかしいんですけど、恥ずかしがらずに出して行ったら自信が付くと思うんですよ。
__ 
恥ずかしがらないで、一歩踏み出してみようと。
宗岡 
何だか悪い事を薦めているみたいですけど(笑う)。

タグ: 色気なるものの謎


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宗岡

近づけない2mm

__ 
このチラシの文章が気になりますね。「どうやっても近づけない2mmは、切なさの距離。海と空、月と地球、舞台と客席の距離」。
宗岡 
それを読まれるの、何だか写真を見られるより恥ずかしいです。
__ 
他人へのアプローチが苦手な宗岡さん。このチラシを作ったとき、近づけない2mmに対して強く意識していたと思うんですが、その距離に対してどう思っているのでしょうか?
宗岡 
大事な事だと思うんです。その2mmって、手を繋いだ時、微妙に組織が交じり合うという話を聞いた事があって。
__ 
マジですか。
宗岡 
ホンマかどうか分からないんですけど、それが離れる時の切なさやロマンチックが好きで。これは嶽本野ばらという人がエッセイで書いてたんですけど、「月と地球は惹かれ合ってるから、海で波が寄せたり引いたりする。それは切なさを目にする事だ」と書いてて。そういう儚い関係に惹かれます。
__ 
地球も月もそれぞれ重力を持っているから、引力と斥力が引きあっている。それを秘めた宗岡さんが見れるという訳ですね。
宗岡 
でも、ちょっと嫌な気持ちになるかもしれません。お客さんを嫌な気持ちにしたいというのもあるんです。想像通りのものが出てくるより、リアルにもっと近づきたくて。演劇の虚構性が嫌いで、でも全て制御されていないのも嫌なんです。いかに私が制御しながら、セーブしながら、お客さんをハッとさせる瞬間を作っていけるかを考えています。
__ 
宗岡さんが主導権を握っておきたいという事?
宗岡 
そういう指揮者みたいな事ではないですけど、観客として見た時に予想しないハプニングが起こってわたわたする役者を見た時は意地悪な気持ちになるんです。そうじゃなくて、あえてやっているというぐらいの。このチラシだって、私の性格の悪さとか、人との関わりの苦手さとかがないと成立しないと思うんですね。ハプニングがあってもあえてやっているという構造がかっこいいと思うんですね。岡村靖幸さんみたいな、笑えるぐらい・痛いぐらいのパフォーマンスに、かっこ良さを感じるんです。
__ 
それに憧れを持っている。

タグ: 泡のように消えない記憶


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宗岡

憧れ

__ 
宗岡ルリ一人芝居「撲滅ならず今日」。このタイトルの意味を教えて下さい。
宗岡 
いつも死のう死のうと思っているんですけど、死なないし死ねないじゃないですか。四十ぐらいには死ぬと思うんですけど、けど結局は九十まで生きてるんじゃないかなと。私の祖父がまさにその通りで、四十の時に子供を集めて「俺はもう死ぬからお前たち頑張れ」って言ってたのに93まで生きて(笑う)。いつも終わりたい終わりたいと思うのに、毎朝起きて友達と会って可愛いものを買ったり美味しいものを食べたりして、その繰り返しへの悔しさと、絶望じゃないですけど、そういう思いをタイトルに込めています。
__ 
その思いはいつからありましたか?
宗岡 
「何かになりたい」という憧れが強くて。この漫画の主人公たちみたいに。でも、なれないじゃないですか。その悔しさがあって。両親共に教職員で公務員で、朝起きて働いて、「何だかんだでいい家庭よね~」という中で育たせて頂いたんですけど(笑う)それに対する嫌な気持ちや、大分の田舎にいた時はずっと空を眺めていて焦燥感があって、それは今でも続いているんですね。中二病かもしれないけど。
__ 
焦燥感が今でも続いている。私は宗岡さんより11歳上なんですけど、確かにその頃は私も持っていたものかもしれない。宗岡さんのそれは、10年後、私みたいに消えてしまうんだろうか?
宗岡 
それが消えてしまうのも素敵な事かもしれません。この「バナナブレッドのプディング」の主人公のお姉ちゃんが妊娠しているんですけど、お姉ちゃんが夢で赤ちゃんに「お腹の中でさえこんなに孤独だのに、外の世界に出てきたらもっと孤独に決まってる。生まれてきたくない」って言うんです。でもお姉ちゃんが「まあ生まれてきてご覧なさいよ、最高に素晴らしい事が待っている」って。それは焦燥感を忘れた人の言葉で、大人になるという事だと思うんです。この作品はその素晴らしさも教えてくれたんですけど、私はいまはそうなれないと思う。

タグ: 子供についてのイシュー 外の世界と繋がる 孤独と演劇 泡のように消えない記憶 家出についてのイシュー X年後のあなた


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宗岡

「よく21歳まで生きられたね」「生きているとは思わなかった」

__ 
今後、どんな感じで攻めていかれますか?
宗岡 
ハチミツ屋さんで働く事が決まったんです。それから、去年一ヶ月ぐらい東京にふらっと行っていたんですが、その時みたいにギャラリーを回ったり芝居を見たりしたいですね。
__ 
演劇は続けるつもりはない?
宗岡 
この一人芝居がめっちゃ評判よかったり、または全然ダメダメだったらまたするかもしれないです。
__ 
そこそこだったらやらない?
宗岡 
そうですね。
__ 
一人一人の守備範囲って違いますからね。「そこそこ」ではない、強い作品はそれだけ人の強い反応を起こすんでしょうね。プラスにもマイナスにも。
宗岡 
結構、事件を起こしたいみたいな事をいつも思っていて。twitterとかUstとかめっちゃ考えてやってるんですよ。普通だったら面白くないじゃないですか。この作品も部屋で上演するんですが、ドアを開けて女の子の一人暮らしの部屋に入るというのがドキドキする事だと思うんです。演劇のドキドキ感って、上演する場所から始まるんじゃないかと思っていて。
__ 
当たり前の事をやりたくない、一つの特別な事を作りたいという気持ちなのかな。
宗岡 
だから、「ホントに嫌だった」とか「気持ち悪かった」という感想も、私があえてやっている事なので。田舎にいた時から、ちょっと変であろうと思っていたんですね。色が人より白いであるとか、運動が全然ダメとか。そういう欠点を持っている事を自分のアイデンティティとして自覚しようと思っていて。ちょっと変である事は田舎では広まりやすくて、私はいつも教室から出ずに本ばかり読んでいるポジションに、意識してついていました。それでも、何が自分なのか分からないというのはあります。
__ 
宗岡さんは立派ですね。
宗岡 
いやいやびっくりします。ありがとうございます。
__ 
私、21の時はそんな事一切考えてませんでしたからね。自分の方向性をちゃんと認識して、舵取りしようとしていて、立派だなと。宗岡さん、31になったらどう考えてますかね?
宗岡 
いやー、死んでるんじゃないですかね。「よく21歳まで生きられたね」って地元の幼馴染に言われたんですよ。「生きているとは思わなかった」って。
__ 
その人はきっと宗岡さんに憧れを持っていて、自分の存在が宗岡さんにとって何であるのか確かめたい衝動に駆られた、青春真っ只中のセリフですね。私も言った事があるから分かるんですが。
宗岡 
ですね。真っ只中。

タグ: 死と性と ウェブ上の感想 事件性のある俳優 今後の攻め方


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宗岡

チョコレートのようなセッケン

__ 
今日はお話を伺えたお礼に、プレゼントを持って参りました。
宗岡 
ありがとうございます。私、モノが好きなので。開けていいですか?
__ 
はい。
宗岡 
(開ける)あ、可愛いー。何かチョコみたいですね。いい香り。一つ一つ違うんですか?
__ 
そうですね。オリーブ油で作られたものらしいです。
宗岡 
じゃあ顔とかにも使えるんですね。磨き上げないと、ですね。


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宗岡

「IN HER TWENTIES 2013」

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今日はどうぞ、よろしくお願いします。最近、榊さんはどんな感じでしょうか。
榊  
TOKYO PLAYERS COLLECTIONの本番中ですね!「IN HER TWENTIES 2013」です。
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チラシ、可愛いですよね。
榊  
ありがとうございます。これ、2年前の作品の再演なんですよ。関西の皆様に観てもらえるのが嬉しいです。
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今日、拝見します。楽しみです。どんな作品なのでしょうか。
榊  
二十代の女優10人で、一人の女の子の20歳から29歳までの10年間を描くんです。女性としては共感するところもあるんですけど、脚本を書いているのが男性の上野さんなんですよね。なんか、キレイだなと思ってしまうところはあるんです。
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なるほど。
榊  
でも、20代に起こった色々な事に共感します。男性の方にも、意外と共感は呼ぶみたいで。
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一人の女性を10人で演じる。10人一役という事でしょうか。
榊  
そうなんです。しかも全員違う女優なので、本当に全部ばらばらのキャラクターなんですよ。
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全然違うんですか?凄いですね。
榊  
私、初演の時は20歳をやらせてもらって。今年は22歳役なんですよ。
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あ、引き継いでいくんですね。そういう部分の変化があると。演じていて楽しそうですね。
IN HER TWENTIES 2013
公演時期:2013/1/31~3(大阪)、2013/2/7~11(東京)。会場:大阪市芸術創造館(大阪)、王子小劇場(東京)。
TOKYO PLAYERS COLLECTION
劇団競泳水着主宰、上野友之の個人ユニット。略して「トープレ」。その都度、お気に入りのPLAYER達に声をかけては、好きな時に各地に出没します。2011年6月に上演された「IN HER TWENTIES」では、「一人の20代女性が過ごす20歳から29歳までの十年間を、20代の女優十人で描き出す」というテーマの元、ワークショップ形式から作品を立ち上げ、話題を呼ぶ。 (公式サイトより)

タグ: 再演の持つ可能性について 実験と作品の価値


vol.283 榊 菜津美

フリー・その他。

2013/春
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榊