インスピレーションズ

__ 
サーカストレイン」をひきずっていて申し訳ないんですが、あの作品は言葉での説明がなく、でも絵本はあって、お客さんが自由に想像していくという余地のあるものだったと思います。最近、面白さとは、想像が広がった時の快感じゃないかと思うんです。
木下 
はい。そんなに違わないと思います。もちろん、いくつもの面白さの一つだとは思います。
__ 
種類の一つ。
木下 
特に演劇においては、演者の熱を含めて、勝手に想像が広がっていくものが好きなんですね。お客さんが寝る芝居も、あながち悪くないと思っていて。あれ、アルファ波が出てるんですよきっと。気持ちよくなっていい夢が見れるんなら、それも面白いに入れていてもいいんじゃないかなと思うんですよね。ただ、面白くない芝居は寝れないですよね。
__ 
ウォーリーさんが思う、ご自身が大切にしたい、自分にしか生み出せない面白さとは。
木下 
僕はなんだかんだ言って戯曲を書くところから始めたのでこう考えるのですが、物語が一つある事で自由になることは多いと思うんです。シンプルなギリシャ神話でも、日本書紀の伝説でも、物語の原型というかアーキタイプを使って作品を作れる事は、僕の能力だと思っています。それは何故重要かと言うと、夢と一緒で逆になんでもありになっていくというか。
__ 
原理的な、物語のアーキテクトという事なのかなと。これは個人的な妄想なんですが、2001年宇宙の旅で出てきた「モノリス」ってありますよね。あれは猿を人間にする装置だとかって説明されてましたけど、きっとあれは石版で、人間が根幹に持っている各種の大切な概念を図形にしてまとめたものだと思うんですよ。
木下 
はいはい。
__ 
その図形は社会とか男女とか、知以前の原理を抽象化したもので、それを目にした瞬間、猿は人間になっていくんじゃないか的な妄想で。だったら各地の神話が似通ってるのは当たり前だなと。で、ウォーリーさんの作品を見て、そういうものを見ているという直感があります。
木下 
想像の広がりが持つ快感=面白さ、という仮説に繋がっていくと思うんですが、ラスコーの壁画ぐらいの抽象性にこそ物語が宿るかもしれない。ラスコーの壁画で芝居を作る、というのが僕の夢です。

タグ: 妄想


ワクワクする場所

__ 
ウォーリー木下さんは、今現在、ここ関西で何をしたいですか?
木下 
一つは、さっきも言いましたが能動的な観客が生まれるような作品を作り出したいです。もう一つは、海外のカンパニーがたくさん集まる場所にしたいなというのがあります。僕が行った先に面白いのがたくさんいたし、さっき話した、面白いテレビがやってたら「見て見て!」って騒ぐ衝動に通じますね。面白いのをみてほしいと思いますね。あとは・・・演劇だけじゃなくて、美術にしても音楽にしても映画にしてもメディアアートにしても、色んなメディアの主戦場になっていったらいいなあと思いますね。東京の主戦場のあり方はマーケティング寄りだと思っていて、ある種切った貼っただと思うんですよ。それがもうちょっと、何と言ったらいいのかな、木訥に作品についてだけをあーだこうだ言える場所になっていけたらいいなと思いますね。いま、カフェ公演が各地でされてますけど、あれはいいと思っています。
__ 
東京の話が出たので。今関西にいるのは、関西が好きだからですか?
木下 
いや、それは全然ないです。東京には劇団☆世界一団の時に何回か行って、それこそ攻めていたんですよ。賞とかももらって。でも、結局のところ、発想が勝ち負け基準になっていくのを感じて。それは後々ストレスになると思って。それよりは、自分がやりたいワクワク出来る事は何かを、色々と都合のいい場所でやる方が現実的なんじゃないかと。

タグ: 出立前夜 俳優同士の闘争心 演劇は勝ち負け?


sunday play #5「グルリル」

__ 
この公演「グルリル」について。偶然の一致が大きなキーワードなんですね。実は私もしています。ウォーリーさんもしているし、今日ここでも起こりましたね。
木下 
そうですね。起こるんですよね。物語の力ってすごいと思います。その偶然の一致について、ゲルハルト・リヒターの展覧会に着想を得たところがあるんです。すごく面白くて、初期の頃は写真の上に絵具を載せたりという技法があって(時代によって色んな描法を編み出している画家さんなんですけどね)、絵具の厚みが生まれるんです。失敗しても塗り重ねられる。そういうものって演劇では無いな。本番で演技が上からどんどん塗り重ねられる作品って作れないかなと思ったのがグルリルの最初です。
__ 
物語のテーマは。
木下 
めっちゃダサいですけど、言えば、歴史とは何かとか、人間を人間たらしめているものは何か、です。スロベニアに行った時に民族博物館にいったんです。これまでの歴史が展示されているんです。バルト三国だったり社会主義国だったりの歴史があって、ロシアとの歴史があって、民主化して、EUに加盟して、が、現代の紹介コーナーをゴール地点にしてずっと並んでいる。でも、今いるコーナーは全然ゴールじゃなくて、この先から本番なんですよ。もしかしたらもう一度社会主義になるかもしれない。僕は、人間は進化してよりベターな方向へ向かっていると思っちゃってたんですね。
__ 
進歩史観ですね。
木下 
途中の状態に常にあるのが歴史で、「今は途中やぞ」という状態をはっきり受け入れないと、次の時代を考えられないと思ったんです。
__ 
今は途中である事を受け入れる。
木下 
それが、演技を塗り重ねていくという演出と、どこかクロスしていると思っています。色んな時代の色んなシーンを、同時多発的にやってもらって、そこでいくつかのセリフが関連する時に生まれる面白さを発見する、という感じです。ただ、現時点ではまだどうなるかは分かりません。
__ 
まさに、いま仕組みを作っている最中という事ですね。手応えは。
木下 
それもまだ分かりません。お客さんが演出を見ようとすると物語が観れない、物語を見ようとすると演出が邪魔になるという状態なので、かなりコントロール出来るようなセリフや動きを作らないと完成しないので。中々ハードルは高いなと。そういう意味で手応えがあります。
__ 
面白さの為にある、実験的な、前衛的な演出。それが許される場所だと私は考えていますので、とても期待しています。では、いま、この時代のここ日本でそのテーマを扱う事には、どのような意味があるのでしょうか。
木下 
その意味では、あまり意識しないようにしています。この作品は上演時間中ずっと雪が降っていて、何十センチも積もるといいんですけど。それが原発事故とか、現代の色んな問題に結びつけて受け止める事はしやすいんですけどね。でも、それは僕の役目じゃないんじゃないかと。僕は正直、明確な問題意識は強くなくて(それはコンプレックスでもあるんです。そもそも仕事も嫌いだし南の島で生きているのが一番向いていると思うんです)。「いまこういう問題が起こっていて本当はこういう事だからこうしなければならないんだ」というのが無くて。でも、今このテーマを選んだのは色々な配剤があったんです。だからこそ、製作を進めていく上で偶然が繋がっていくという感触を感じています。今現在のここ日本でも、色々なお客さんに見ていただきたいですね。

タグ: SeizeTheDay 失敗を許容する社会 自分は演出が向いているかも 実験と作品の価値 前衛は手法から作る人々を指す


未来コーナーに続く

__ 
軽やかさというものをウォーリーさんは確実に持っている。それはsundayやオリジナルテンポのような、驚くほど面白い仕組を世界に出現させている。その原点は。
木下 
ワクワクする事を考えるのが好きだったんですよ。面白いテレビを「見て見て」と呼ぶのが好きだったし。
木下 
でもいま考えたら、台所から来てくれなかったのが良かったかもしれませんね。そこで甘やかして付き合ってたら、僕がそのぐらいの範囲で満足していたかもしれない。
__ 
路上みたいな未知の空間にも気付けなかったかもしれませんしね。我々はまだまだ、想像が追いつかない未知を必要としているんだと思うんです。
木下 
その中で僕らは、独特なポジションを作って行かないといけないとは思うんです。誰もまだ作れていないけれども、作れるはずなんですよ。それは僕が想像するに、ある一人の天才によって実現するんじゃないか。僕らは、頑張ってその一人の天才を押し上げないと行けないんですよ。僕はそれを押し上げる役目だと思っています。天才が来る土壌を作りたいと考えています。
__ 
若い世代の為の土壌作り。それはきっと、民族博物館の未来のコーナーの為に、現在が通過点だと認識しないと出来ない作業ですね。
木下 
昔、元・売込隊ビームの横山くんとそういう事を話したんですよ。僕がフェスティバルのディレクターをしていたりして「儲かってるんちゃいますか?」「そんなわけあるかいな」「いや、ウォーリーさんがそんな事を言ったら駄目ですよ、下の人達は目標が欲しいんです。儲かってください」って。儲けたいですね。それを若い世代に分配したい。そういう事が出来るといいなあと思っています。
横山拓也
劇作家。演出家。俳優。

タグ: 外の世界と繋がる


みんなの機内食

__ 
今日はですね、お話を伺えたお礼プレゼントがございます。
木下 
きたー。これや。例のやつ。めっちゃ嬉しい。何やろう。
__ 
どうぞ。
木下 
俺絶対これ気に入ると思う。(開ける)あははははは。すごい。何でこういうのが分かるんですか。機内食ね、自分でも下品だと思うんですけど大好きなんですよ。
__ 
本当ですか。
木下 
客観的に見たらバカバカしいと思うんですよ、ビーフオアチキンって聞かれて悩んでくだらないなあと思うんですけど、いざ食べようとなると何かすっげえ楽しいんですよね。この本、今まで食べた事があるやつあるかな。
__ 
大人が最後に出会う給食ですからね。選べないしパッケージされてるし。
木下 
あははははは。そうですね。旅してるなって思うんですよね。
__ 
海外旅行がより楽しくなるように。

タグ: プレゼント(書籍系)


新しい生活

__ 
今日はどうぞ、よろしくお願いします。今、KYOTO EXPERIMENTのフリンジ企画、PLAYDOMで京都に来ているロロに出演している北川麗さんにお話を伺います。北川さんは、最近はいかがでしょうか?
北川 
実は最近、実家を出て一人暮らしを始めたんです。
__ 
そうなんですか。
北川 
新しい生活が始まったという感じです。ありがたいことに、充実していると自分では思っています。忙しいですけど、それはそれで楽しい生活だと思います。
__ 
いいですよね、一人暮らしを始めた頃って。楽しいと思います。
北川 
始める前まではすごく不安だったんですけど、始めてからは節約する事すら楽しいんですよね。
__ 
分かります。あのワクワク感は凄いですよね。
北川 
スーパーで買い物したり、お金を自分で管理したり、そういうのも全部楽しい。この年齢まで実家暮らしだったので、新鮮ですね。
中野成樹+フランケンズ
2003年結成。(前身:フランケンシュタイナー〈1998-2001〉) 翻訳劇の上演を専門とする演劇カンパニー。メンバーはその名の通り、中野成樹(演出)と、 フランケンズ(村上聡一、福田毅、野島真理、石橋志保/以上役者)の5名。「ハイセンス」と多くの観客から評される作品群。 あちこちに散りばめられた「おもちゃのような」美術・音楽。 嘘と本当が「絶妙にブレンド」された演技。 かた苦しくなりがちな翻訳劇を「わかりやすく味わい深く」上演。 名付けて“誤意訳”。 それはまったくの古典でありつつ、まったくの現代劇。「戯曲のドラマ」「僕らのドラマ」「演劇というドラマ」の三位一体を目指し、 演劇の最先端をひたひた歩く。(公式サイトより)
ロロ
平均年齢23.5歳の、東京で活動するカンパニー。主宰・三浦直之が触れてきた演劇や小説、映画、アニメや漫画などへの純粋なリスペクトから創作欲求を生み出し、同時多発的に交錯する情報過多なストーリーを、さらに猥雑でハイスピードな演出で、まったく新しい爽やかな物語へと昇華させる作品が特徴的。(公式サイトより)
KYOTO EXPERIMENT 2012 フリンジ "PLAYdom"参加 ロロ『LOVE02』
公演時期:2012/10/5~9。会場:元・立誠小学校 講堂。

感情移入

__ 
さて、ロロの「LOVE02」。昨日拝見しましたが、大変面白かったです。お疲れさまでした。
北川 
ありがとうございました。
__ 
北川さんは、コード伸びていてたまに光る女の子の役でしたね。いいキレ芸でした。
北川 
そうでしたね。そのキレ芸、初演の「LOVE」には無かったんです。結構難しくて、思い切りが良くないといけないんです。意識が吹っ飛びそうになりながらやっています。
__ 
キレるのは難しい?
北川 
いえ、それ自体は難しい事じゃないんですけど、アイコという役はアイドルみたいな事をやっていたり、いちゃいちゃし始めたり、そこからキレるにはエネルギーが必要で。最大級にキラキラしていたのが最大級にキレるというのがやりたいんですけど、意識吹っ飛ぶくらい怒鳴り散らしたいです。
__ 
つまり、そこまでにハードルがあると。一歩間違えたら、お笑いの構造になってしまう場合もあるし。
北川 
そうですね。昨日の回はギアを2個くらい強めに入れていったら上手くいきました。演出の三浦さんに言われたのは、「アイコ最強説だっていう気持ちでやってほしい」って。そのために頑張るしかないですね・・・。そうじゃないと、ラストのシーンにつながっていかないんです。
__ 
あの印象深いラストですね。
北川 
それには、なるべくアイコに感情移入してもらわないといけないから。私はこのアイコ役が好きで、でも設定が突拍子もないから、自分がこうなったらどうしよう・・・と置き換えてみたりしています。突然自分の形が壊れて、それで嫌われてしまう不安を想像していったら本当に切ないなって。好きが故に別れなくてはならない気持ち。極端なんですけど、一本通った筋の物語なんです。見てもらいたいですね。
__ 
恋愛がテーマの「LOVE02」。最後はある言葉と共に幕を下ろしますが、それがすごく、人間らしさを感じます。あれ、アイコの魂の姿がはっきりと現れているという事だと思うんですけど、それが言葉の形を取っているんですよね。
北川 
実はあの光の演出も、初演にはありませんでした。照明さんが変わって生まれた演出なんです。
__ 
あ、そうなんですね!
北川 
アイコの光が、板橋さんが演じる彼氏を包み込むシーン。その照明は、ある仕掛けで光ってるんですけど、その時々で照明の機材の接触が悪いと点灯しなかったりするんですよ。役者全員で「点けー!」って念じてました。その念の籠もり方がリアルで。点かなかった回はわたしぼろぼろ泣いちゃって・・・。

タグ: ラブストーリー 恋愛至上主義


内容だけ

__ 
北川さんがお芝居を始めたのは、どのような経緯があるのでしょうか。
北川 
高校が、埼玉県立芸術創造高校という、映像科、美術科、舞台科、音楽科しかない学校で、ちゃんと演劇を始めたのはそこからです。でも実はそれ以前に、小さい頃から子供向けのワークショップを受けていて。小学校一年から10年ほど朗読を習っていました。中学校まで。
__ 
え、朗読を習っていたんですか。そういう方にお会いするのは初めてですね。
北川 
そうですよね、珍しいと言われます。子供の時から、大人のクラスに入れられて。漢字にふりがなを振るところから始めました。
__ 
めちゃくちゃ難しいイメージがあります。私が想像するに、朗読ってきっと、お客さんをとりあえず聞いてもらうようにするのがすごく難しいんじゃないかと思うんですよ。それはきっと、本を読んでいるだけでは難しい。
北川 
そうですね。朗読の捉え方というのが色々あって。で、私が考える朗読は「表現するというよりは内容を伝える為に表現をする」ものだと思っています。例えば、手法や表現が主体となる演劇作品。「こういう手法にチャレンジしました」というものがあると思うんですけど。そうした考え方でもし朗読をした場合、俳優さんが「私はこういう表現が出来ますよ」みたいな。
__ 
芝居をする事もありますしね。
北川 
朗読においては、表現はあくまで手段で、内容だけが伝わればいい。表現過多になってはいけない、という考え方を師匠に教わりました。
__ 
私のこのサイトも、内容が最重要なので、何となく分かります。
北川 
でも、小学校一年からそういう考え方で来ているので、自分の個性を生かした芝居とか、キャラクター性とかが・・・。特にロロの作品だと、分かりやすいキャラクター達の中で器用貧乏になっているんじゃないかって、あんまり。自分のが何か欲しいなとは思ってるんですけど。
__ 
そのままの北川さんでいてほしいと思いますけどね。
北川 
えへへ・・・。
__ 
うーん、表現についての考え方が素直な気がして。それは、実は舞台に立ったらかなり分かると思うんですよ。

タグ: 手段を選ばない演劇人 作家の手つき


ホントに嬉しい

__ 
劇団、本谷有希子の「クレイジーハニー」に出演されていましたね。あの時、出演者に北川さんの名前を見つけて、すげえと思いました。
北川 
ありがとうございます。ワークショップオーディションという形で一週間、日々与えられる課題が面白くって楽しくてしょうがなかったです。気がついたら受かってたという。
__ 
どんな役でしたか?
北川 
元作家のファンという設定で、その中で、メインキャストの吉本菜穂子さんの役と仲が良い、幸の薄い女の子という役でした。長澤まさみさんが演じる作家に励まされて自殺を辞めるという。
__ 
稽古・本番と通して、どのような体験でしたでしょうか。
北川 
厳しい現場だと伺っていたんですけど、楽しくって。演出としては「あまり演技をせずに、生き生きとその場にいてくれ」とずっと言われていて。いかに舞台上で自分でいられるかという事を意識していました。かと言って、小劇場でよくある、ぶつぶつ喋るというのではなく。
__ 
見てもらう、という事ですね。
北川 
そうですね。一ヶ月パルコ劇場で上演して、全国ツアーもあって。凄くいい経験をさせて頂きました。
__ 
その時の共演された方に、何かメッセージがあれば。
北川 
アンサンブルのみんなそれぞれ、終わっても精力的に活動している人たちが多いんです。私も負けじと頑張んなきゃなと。いつかまた、本谷さんの元で出来たらホントに、ホントに嬉しいです。

タグ: 俳優同士の闘争心 いつか、こんな演技が出来たら 本谷有希子


質問 伊集院 聖羅さんから 北川 麗さんへ

__ 
前回インタビューさせて頂いた、伊集院聖羅さんから質問です。この伊集院さんは京都の佛教大学の劇団紫という学生劇団で、今大阪で上演している笑の内閣の公演が終了したら演劇を辞めて就職活動に専念するらしいのですが、そんな方から。「演劇を続けている理由は何ですか?」
北川 
それは、大学を卒業してから本当にずっと考え続けているんです。何故自分は就職しないのか。答えが見つからないんですけど・・・何でだろうな。色々思うところはあるんです。
__ 
ええ。
北川 
単純に、「演劇が好きだから」という理由だけとは言えなくて。キラキラと演劇を続けている人が羨ましいという感じ。かと言って演劇が嫌いではないです。好きなんです。舞台に立つことももちろん好きで、稽古も大好きで。そう、稽古が無くてアルバイトをしている時の頭の動かし方とは全然違うんです。
__ 
分かります。
北川 
演劇の事を考えている時の方が何て充実した脳みその動かし方なんだろう、って思います。「人前に立って演技するのが好き」という理由よりは、演劇の事を考えるのが好きなんです。それが理由としては挙げられるのかもしれません。だから、情勢的に厳しくても、脳みそが豊かな状態で生きていきたいなと思います。
__ 
個人的には、ご自身のそうした条件をシビアに考えて、自分に合った活動をしていれば何でも正解だと思います。
北川 
そうですね。でも、将来の事を考えると、演劇を続けるというのがあまりにも不安ではあります。就職してお給料を頂いて生活するのがすごく安定しているし、どちらを取るというのが良いのかをずっと考えています。
__ 
・・・。
北川 
例えば芝居を辞めて、客席から芝居を見る事で演劇に関わる生活になった時、私は芝居について深く考える事が出来るだろうか。ライターでも評論家でもない自分が、演劇を作る現場にいないの。作る現場を持てて初めて、脳みそを動かせるんじゃないかなと考えています。
__ 
社会人劇団というのがあります。それで実際に、充分な評価を受けていますが、そういう道は。
北川 
そこで思うのが、親が私に掛けてくれた期待なんです。これまで応援してくれて、高校から大学まで舞台を学ばせてもらって。何とかして、俳優として身を立てないと顔向け出来ないなと思っています。自分だけが好きな表現をする、というのに偏らずに、大きな舞台のオーディションを受けたりして・・・実は「クレイジーハニー」、初めて受けたオーディションだったんです。
__ 
それで受かったんですか!
北川 
ちょっと喜ばせる事が出来たかなと。山形で上演した朗読公演もうまく行ったし。中々上手く移行出来ないけど、何とか頑張りたいと思います。

これから

__ 
今後、どんな感じで攻めていかれますか?
北川 
大学を出てから、オーディションを受けたのは一回だけで。それ以外はずっとオファーが来たものを引き受けていたんです。おかげ様で、年間3~4本、多い時で7本くらい舞台に出ていました。
__ 
素晴らしい。
北川 
でもこれからは、自分がやりたい事や、こういう形になりたいという流れを意識してお話を引き受けて行こうと思っています。そうして道筋を見つけていきたいです。受け身にならず、自分から行動していこうと思います。
__ 
なるほど。オーディションを受けまくるでもいいですよね。北川さんという人間の存在がみんなに知られればいいですね。

タグ: 今後の攻め方


てぬぐいとクリップ

__ 
今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントがございます。どうぞ。
北川 
ありがとうございます。そんなのがあるんですね・・・。
__ 
はい、毎回。
北川 
(開ける)かわいい。手ぬぐいですか?
__ 
はい。何かを包む時にでも。端を止める為のクリップも入れてみました。若干、ひょうきんなな柄ですけど。
北川 
いや可愛いです。
__ 
青色が似合っているのかなと思って。
北川 
いや、分かってらっしゃる。ピンク系より全然嬉しいです。
__ 
どうぞ使い倒して下さい。最後には雑巾にして。
北川 
そういうのがいいですよね。

タグ: プレゼント(衣服・布小物系)


忙殺

___ 
今日はどうぞ、宜しくお願い致します。最近、伊集院さんはどんな感じでしょうか。
伊集院 
最近は忙しくて死にたいです。
___ 
どんな感じで忙しいのでしょうか。
伊集院 
就職活動で。
___ 
なるほど。頑張って下さい。ちなみに、希望職種はどのような。
伊集院 
色んな業種を知りたくて、とにかく色々回っています。
___ 
いいところに決まるといいですね。
劇団紫
1978年に佛教大学の学生が大学内の団体として結成した学生劇団。(公式サイトより)

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2012/春
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伊集院

第16次笑の内閣 「非実在少女のるてちゃん」

___ 
笑の内閣「非実在少女のるてちゃん」。全国ツアーで東京・名古屋・札幌と回っていますね。手応えはいかがでしょうか。
伊集院 
ツアーの中で、クオリティが上がっていっていると思います。
___ 
素晴らしい。伊集院さんはのるてちゃんとして、2年前の初演から続投ですね。
伊集院 
2年前に「再演するかもしれないけどどうする?」と言われて、あんなに軽々しく「出る!」って言わなければ良かったと思います。
___ 
後悔している?
伊集院 
はい、役が変わるなら話は別かもしれませんが、この歳になって魔法少女をやるのはキツイですね。
___ 
自分がのるてちゃんをやる事に対して懐疑的だと。
伊集院 
はい。こいつでええんかい、とそう思います。
___ 
伊集院さんは、役を演じるというのはどういう事だと思いますか?そろそろ就職活動に本腰を入れる伊集院さんとしては。
伊集院 
(笑う)そうですね・・・。違う自分を探る事ですね。自分じゃないキャラによって、自分にはこういう可能性もあったんじゃないか、とか、こういう思い切った行動が出来るような人間になれたかもしれないとか。
笑の内閣
笑の内閣の特徴としてプロレス芝居というものをしています。プロレス芝居とは、その名の通り、芝居中にプロレスを挟んだ芝居です。「芝居っぽいプロレス」をするプロレス団体はあっても、プロレスをする劇団は無い点に着目し、ぜひ京都演劇界内でのプロレス芝居というジャンルを確立したパイオニアになりたいと、06年8月に西部講堂で行われた第4次笑の内閣「白いマットのジャングルに、今日も嵐が吹き荒れる(仮)」を上演しました。会場に実際にリングを組んで、大阪学院大学プロレス研究会さんに指導をしていただいたプロレスを披露し、観客からレスラーに声援拍手が沸き起こり大反響を呼びました。(公式サイトより)
第16次笑の内閣 「非実在少女のるてちゃん」
公演時期:2012/8月~10月。会場:こまばアゴラ劇場(東京)、ナンジャーレ(名古屋)、シアターZOO(札幌)、in→dependent theatre 1st(大阪)。

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2012/春
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伊集院

やるよりも見る方が好き

___ 
伊集院さんはどういう経緯でお芝居を始めたのでしょうか。
伊集院 
小学校の頃にダンスをやっていて、ミュージカルに出たんです。そこでダンスよりもお芝居の方が面白いなと思ったんですね。あいにく中学に演劇が無かったので、高校の演劇部に入りました。大学は佛教大学の劇団紫です。
___ 
大学でも演劇を続けたのは。
伊集院 
高校演劇であまりやりきれていなかったので、心残りがありました。だから、もう少し続けようと。でも大学になったらとりあえず遊びたかったので、せめて裏方を手伝わせてもらおうとしたんですけど、人手が足りないからと言われて、出る事になったんです。
___ 
続投したんですね。お芝居は好きですか?
伊集院 
はい。でも、やるよりも見る方が好きです。
___ 
今までご覧になって、特に好きなものはどのような作品でしたか?
伊集院 
面白さはそれぞれだと思うですが、お腹抱えて笑えるのは内閣で、こういうイメージ好きだなと思えるのは劇団ソノノチさんの「灰かぶりの路(みち)」です。舞台のセットとか、役者さんが面白かったりとか、物販がよかったりとか、何より全部を合わせた作品のイメージが素敵でした。

タグ: ミュージカルの話題


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伊集院

理由

___ 
伊集院さんがお芝居を今までやってきて、どういう目標がありましたか?
伊集院 
目標は特にないんですけど、お客さんや演出から、「いなければ良かった」と思われたくないですね。
___ 
失敗したくない。
伊集院 
人を不愉快にさせたくないですね。
___ 
足を引っ張りたくない?
伊集院 
そうですね。

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2012/春
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伊集院

質問 三名 刺繍さんから 伊集院 聖羅さんへ

___ 
前回インタビューさせて頂きました、劇団レトルト内閣の三名刺繍さんから質問です。「演劇をアートだと考えた事はありますか?」
伊集院 
アートの一種だと思っています。でも、私が言い切っていいのかな。色んな意見があると思います。
___ 
演劇を芸術として捉える時、どんな定義が必要になりますか?
伊集院 
その作品が公演される事自体が芸術なんじゃないかなと。のるてちゃんも風刺を主にした作品なんですけど、それが今の社会で上演される事が一つの事件なんですよね。
___ 
「のるてちゃん」テーマの青少年健全育成条例改正案に関する騒動は少し前の事件ですけど、この作品はそうした題材を通して普遍的なものにたどり着いている。アートと言い切れるかは、どうかな。
伊集院 
人それぞれかもしれませんけど、単純に面白い作品に仕上がっていると思います。好きなシーンの一つに、腐女子の女の子が出てきて、自分の勝手な妄想が繰り広げられる場面があるんですけど。
___ 
ああ、あのシーンですね。
伊集院 
単純なギャグシーンで、ベタなんですけどね。

タグ: 「ベタ」の価値 妄想


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2012/春
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伊集院

贅沢な事

___ 
伊集院さんはお芝居を続けていきますか?
伊集院 
多分、芝居活動はこれが最後だと思います。でも、社会人になっても演劇は見ようと思っています。
___ 
素晴らしい。平日に残業がない仕事だといいですね。夜21時とかが開演でも行けなかったりしますからね。
伊集院 
ああ・・・。
___ 
芝居を辞めるのは、就職が理由?
伊集院 
それもありますし、言うのもアレなんですけど、これ以上いい思いは出来ないだろうと。
___ 
今が一番いい思いをしていると。なるほど。
伊集院 
・・・。
___ 
就職してから芝居を続けるとしたらどういう条件がありますか?それとも、100%ありえない?
伊集院 
私、何かする時は他に全く余裕が無くなって、没頭してしまうんですよね。何か、余裕が出来てからじゃないと・・・って思います。それぐらいじゃないと・・・
___ 
足を引っ張ってしまうから?
伊集院 
演劇って、贅沢なメディアだと思うんです。映画みたいに何回も再生出来る訳じゃないし、どんなに稽古している上手な人でもグダる事があるし、それでも、DVDをレンタルするよりも劇場に行く訳じゃないですか。それは役者の生の空気が感じられるから。だから贅沢なもので、それを作るのは、少なくとも私にとっては、働きながらは難しいです。

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伊集院

全力でやれよ

___ 
笑の内閣の大阪公演後に就職活動に専念するという事で、千秋楽の10月8日が伊集院さんのXデーですね。どんな気持ちですか?
伊集院 
いやー、うまくいくといいですね。やりきれなくて、悔しくてもう一度戻ってくることのないようにしたいです。
___ 
寂しいという気持ちはありますか?
伊集院 
あんまりないですね。あとは、卒業公演がどうなるかですね。
___ 
そうですね。関わったらえらい事になりますね、きっと。では、これからお芝居を始める予定の高校生、大学生の一年生に何か一言ありますか?
伊集院 
全力でやれよ。それしか言えません。なあなあで「これぐらいでいいや」じゃない。私にも言えるんですけどね。手を抜いているように見えるのが後輩にもいるので。私みたいに「これくらいでいいや」って妥協するんじゃなくて、「こうしたい」から「こうするんや」という事が出来る人になってほしいです。
___ 
わかりました。もう一つ。演劇人としてでなくていいですが、今後、どんな感じで攻めていかれますか?
伊集院 
関わった人に、「こいつ面白いヤツ」って印象に残って欲しいですね。嫌いとして印象に残るんじゃなくて。

タグ: 今後の攻め方


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2012/春
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伊集院

砂糖壺

___ 
今日はですね、お話を伺えたお礼に、プレゼントを持って参りました。
伊集院 
ありがとうございます。(開ける)あっ。おおっ。
___ 
三角パック入りの砂糖と、砂糖壺です。
伊集院 
嬉しいです。私紅茶入れるのがめちゃくちゃ好きなんですよ。


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伊集院