「9」

__ 
レトルト内閣の作演出である、三名さんは最近はどんな感じでしょうか。
三名 
オフ期間なので、実験的な企画や新たな音楽や、短いテキストを作ったりして、本公演にフィードバック出来るように挑戦しています。直近ではnu things(阿波座)というクラブでイベントを企画しています。即興音楽家とパフォーマーのコラボ作品でインスタ的な作品にする予定です。レトルト内閣は「安定志向というお笑いユニットや「白色テロルというシアターバンドといった多方面の表現を追求するユニットを抱えています。今回も本公演では出来ない尖った表現に挑戦したいと思っています。
劇団レトルト内閣
劇団レトルト内閣の舞台はエンターテインメントでありながら「振り切った暴走アート」とも評される。無駄のないストーリー構成に、 エレガンスロックと呼ばれる劇中歌、 B級レビューと銘打つショーシーンが作品を彩る。豊かなセリフ表現や、多彩なキャラクター、唐突なナンセンスギャグ、めまぐるしいほどにスピーディーな展開も近年の作品の特徴。華やかなのにダーク、B級なのに耽美という独自路線を開拓し続ける。(公式サイトより)
「9」
開催日時:2012/10/21。会場:nu things(阿波座)
安定志向
お笑いで市民サービスを!大阪の公務員二人が、ありあまる市民サービス向上意欲を満たすため結成した漫才コンビ、安定志向。公務員らしい地味で細かい着眼点で漫才・コントを展開。(公式サイトより)
白色テロル
2006年10月結成エレガンスロックバンド。(公式BLOGより)

タグ: B級の美学 コラボレート フィードバック 外部活動を持ち帰る 尖った事をやりたい


劇団レトルト内閣とその変遷について

__ 
さて、レトルト内閣とその変遷について今日はお話したいと存じます。
三名 
細かく説明しだしたらキリがないんですけど、どういう感じでいきましょうかね。
__ 
まず、私の経験から良いでしょうか。5年前に楽園狂想曲という作品を芸術創造館で拝見し、それから一作品くらい飛ばして全て拝見しています。
三名 
ありがとうございます。
__ 
これは大変失礼な言い方ですが、最初に観たその作品からほぼ別の劇団なんじゃないかというぐらい作品の質が上がったと思っています。偉そうな言い方にならざるを得ないんですが、成長されたなと。最初に観た作品は、下手というよりかは、表現を伝えたいという意思と手法がマッチしておらず、安易な作りに見えたというか・・・やりたいようにやってるだけのように見えてしまったんですね。しかし5年して、演出方法に劇的な変化があり、ほとんど変身しているように思えます。驚きました。何があったんでしょうか。
三名 
楽園狂想曲に関しては、まあ失敗したなというのがあったかなと。
__ 
そうなんですね。
三名 
演出方法として、大劇場寄りの作り方をしてしまったので・・・これではちょっとあかんなと。どこまでいっても大劇場を超えられないし自分達の良さを引き出せない。そういう意味では絶叫ソングもそうでした。社会に訴えるようなというテーマを選んでしまったために、焦点がぼやけていて。演出の面でも、ポイントがハッキリと分からなかったんですよね。
__ 
しかし、「さらばアイドル、君の放つ光線ゆえに」から一転、全く違う演出方法が取られるようになりましたね。「さらばアイドル」は非常に場面転換が多い、暗転と出ハケと映像のテンポが良く、恐ろしいスピードでイメージの切り替わる芝居でした。それまでのレトルト内閣の持っていたイメージを受け継ぎながら、とてもシャープな仕上がりでした。強烈なイメージを伝えるのに必要な、切れ味のあるやり方。演劇に形を借りたパフォーマンス作品と言えるんじゃないかと考えています。そういう作品はあまり観たことがなかったので、新鮮でした。そうなったのは、内から来る表現欲求だけに拘るよりも、演出方法に目を向け始めたからじゃないかと考えているのですが。
三名 
それはありますね。従来の手法を変えようと言い出したのがレトルト内閣の代表でした。
__ 
というと。
三名 
「さらばアイドル」以前は演出に向いていないんじゃないかと思っていて。それならお芝居の鉄則、一場一シーンに則って作ったらクオリティが高くなるんじゃないかなと。ウチは台本を決める会議を毎回するんですが、そこで私が「鉄則通りの大人しい演出をしたい」と言うと、代表の川内が「それは可能性を狭めるから嫌だ」と。「そんな発想ではもうどこにも行けないから、抜けだそう」と。じゃあ思い切ってやってみましょうかという事になって、逆にシーンを細かくぶった切って映画のシーン作りを意識した演出になりました。
__ 
そう、映画みたいな演出でしたよね。
三名 
次の「猿とドレス」はデビッド・リンチやジョーン・ゾーンを研究して、訳の解らない演出をやりました。
__ 
あれは凄かったです。強烈なイメージがあるんですよね。
__ 
しかし、そうした転換は会議で決まった方針なのですね。
三名 
会議はいつも作品が幅広い客層にウケるようにというスタンスで、焦点のボケるものだったんですけど・・・。その時は珍しく、変化や挑戦していこうと代表が言って、すごく感謝しています。
__ 
それからなのか、俳優の会話もモノローグも凄く上手くなっていったような気がします。自分の保守範囲を守るような演技じゃなくて、演じる事に捧げているように感じます。見せ方が変わっただけじゃなくて。この間の「金色夜叉オルタナティブ」も非常に面白かったし。そうなんですよ、劇団って頑張ったら成長するんですよね。少なくとも変わる。でも、俳優の方々は苦労されたんじゃないですか?
三名 
凄く苦労しました(笑う)。早替えであったりとか、複数役があるとか、数秒で暗転するとか。技術も気合もいる(笑う)
__ 
でも、よく訓練されている感じはしますね。全然不安にならない。
三名 
やり始めたら、技術がだんだん蓄積し始めているんですよ。俳優も苦労しながらノウハウを蓄積して、根をあげず助けてくれました。
__ 
たった一作品で変わる事ないですもんね。
三名 
ウチの特徴として、セリフのテンポが早いんですね。以前伊藤えん魔さんがゲストで来て下さったとき、ものすごく多忙な時期を融通してくださって来てくれたんです。バタバタだったので段取りだけ確認して、本番が始まってから、自分の出番までの時間で台本を覚えてはったんです。そろそろ自分の出番かなというシーンで。そしたら、すごいスピードでシーンが変わっていくから「今、どこ?こんな早いんか、間に合わない」って(笑う)。
__ 
それは伊藤えん魔さんが面白い話ですね(笑う)。
三名 
知れば知るほど凄い方です(笑う)。

タグ: 出ハケについて 伊藤えん魔さん 転調 レトルト内閣のウワサ 段取リスト 作家の手つき


ネーミング

__ 
三名さんがお芝居を始めたのはどのような経緯があるのでしょうか。
三名 
小学校の頃に、「安寿と厨子王丸」という森鴎外の山椒大夫から題材を得た音楽劇を見て、それがすごく印象に残っていて。その曲コピーしてずっと持っていたんです。そこから興味があったのかな。高校の文化祭の時に、クラスの出し物で劇をしようという事になって、その時に担任の先生がなぜか私に「書けるんじゃない?」って言って下さったんですね。何でなのかは分からないんですけど・・・15分ぐらいの、受験かなんかの台本を書いたら結構楽しくて。
__ 
なるほど。
三名 
大学では、演劇のサークルを選びました。
__ 
そこから始まったんですね。レトルト内閣を旗揚げしたのは。
三名 
大学のサークルの時は俳優をちょっとやったり美術や音響をやったりとうろちょろしてたんですけど、卒業の辺りで演出をやらせてもらって(野田秀樹の「桜の森」でした)。もっと追求したいなと。自分で台本を書いてみたら、代表の川内が「一回やってみよう」と。劇団名もその時付けた適当なもののままで、今も続いています。
__ 
ありがとうございました。レトルト内閣って命名、適当なんですか。
三名 
その時の、森内閣が崖っぷちだったからかな?他に色んな案が出てたんですけど、瞬間的に印象の残る名前を選びました。
__ 
笑の内閣とどんな思想的な違いがあるのかと思ってました。
三名 
あ、笑の内閣。この間ディベートする作品を見ました。代表の方がめっちゃ面白かったです。ネーミングに根拠付けがあるんですよね。
__ 
笑の大学のもじりでしょうね、きっと。
三名 
何回も改名案は出てきているんですけど、せっかく今まで頑張ってきたのに、もったいないと。
__ 
まあ、検索しやすいですからね。
三名 
でも、名前と作品内容の違いというのがあるので。
__ 
どうでしょうね。私はレトルト内閣でイメージが固定されていますからね。
三名 
世界一団さんみたいに、ビシッと変えられるんちゃうかなと思っています。
__ 
狙って行って下さい。

タグ: 文化祭前夜 野田地図


質問 小林まゆみさんから 三名 刺繍さんへ

__ 
前回インタビューさせて頂いた、小林まゆみさんから質問です。「稽古の時のストレッチはどのようにしていますか?」
三名 
基本的には俳優に任せていますが、公演が迫っていない時は例えば・・体の90度・45度を取る練習をしますね。一番キレイと言われる角度で動いたり。あとはリズムに乗って体を動かす、発声のワークがあります。
__ 
ありがとうございます。「大阪と京都で芝居の違いを感じるところはどこですか?」
三名 
京都は悪い意味でも良い意味でもスケール感の小さい芝居が多いんじゃないかなと思いますね。多分、客層もそういうのが好みなお客さんが多くて。
__ 
ああ、多分それはそうですね。
三名 
小さい、ミクロに宇宙を感じるというか。
__ 
そこからの広がりを期待するというか。
三名 
土地柄や家の作りがこじんまりとしている、そういう生活感が関係あったりするのかなって思いますね。大阪はごっちゃりしている。そういう風土と、笑いが求められるのは関係があるんじゃないかなと。そうなんですよ、大阪は笑いが出来る俳優がまず評価されるんですよね。

タグ: 宇宙の話 京都と大阪・大阪と京都 土地の力


存在していなかった

三名 
うちも「安定志向」という笑いのコンビを抱えていますが、笑いは突き詰めると難しいスキルだし、敬意を持つ分野です。でも大阪でそれだけが重宝されすぎると、それで一元化してしまいますよね。アートという視点で考えると、それはあんまり良くないのかなと思います。
__ 
うーん。なるほど。三名さんにとって、アートとはどういう事を意味していますか?
三名 
見ている時に、舞台の上の事象とは別のイメージが脳内に湧き上がる事ですね。音楽でも何でも。漫才やヒーローショーを見ていてもそういうことはないじゃないですか。
__ 
そうですね。
三名 
見ている時に、舞台と観客が共鳴して、インタラクティブな関係が出来て、これまで存在していなかった違うものが生まれる事をアートと呼ぶんじゃないかなと思います。
__ 
凄く面白い見方だと思います。シーンを面白いとか美しいとかにする技術をアートだと呼ぶべきなんじゃないかと思っていたんですが、そうですね、そういう事かもしれない。この間観た地点の「はだかの王様」がそうだったかもな。教育劇だったんですけどね、風刺そのものを対象化する事によって、リテラシーという感覚に触れる事になる。そういう複雑な体験を子供達に感じてもらう事に成功していたんじゃないかと。
三名 
面白かったんですか?
__ 
はい。
三名 
好きなんです、地点。白(空白)の見せ方、思い切りの良さとか。想像力をかき立ててくれるんですよね。日曜日までやってるかな・・・。観に行きたい。
地点
多様なテクストを用いて、言葉や身体、物の質感、光・音などさまざまな要素が重層的に関係する演劇独自の表現を生み出すために活動している。劇作家が演出を兼ねることが多い日本の現代演劇において、演出家が演出業に専念するスタイルが独特。(公式サイトより)
地点『はだかの王様』
公演時期:2012/9/22~26。会場:京都芸術センター講堂。

タグ: 産みの苦しみ


劇団レトルト内閣 第19回本公演「金色夜叉オルタナティブ」

__ 
今後、どんな感じに攻めていかれますか?
三名 
そうですね。演出はもっと突き詰めて行きたいと思います。この間、本公演で初めて原作モノに挑戦して。手応えもありましたし、好きな作品を舞台化してみたいという欲求もあります。VJさんと近松作品に挑みたいねと話してました。
__ 
日本文学寄りになってきましたね。最新作の「金色夜叉オルタナティブ」も原作が尾崎紅葉ですね。大変面白かったです。「猿とドレス」は短い上演時間ながら、かなりエッジの効いた表現で、「演劇を使った映画」と言ってもいいんじゃないかと思っていて。でも、金色夜叉はもう一度演劇に戻ってきたような印象です。役者の出ハケとか、段取りとかに一つ一つ意味があるようで。
三名 
金色夜叉は熱海の名シーンがクライマックスなんですよね。原作でもあそこが頂点で、結構だらだらと続くみたいな。
__ 
で、そのバッドエンドの前にお笑いが入るのがすごく良かったんですよ。凄く狂おしい感じがしました。
三名 
ゲストのうえだひろしさん(リリパットアーミーII)が上げてくれた感じですね。

タグ: バッドエンド 出ハケについて 今後の攻め方


適切さについて

__ 
ちょっと話を戻して・・・。三名さんは、演劇をアートだと考えている。
三名 
やっていくうちに、考えるようになりましたね。演劇を作る時に、演劇を参考にしなくなったのがあります。絵画だったり映画だったり、音楽だったり。自分のやっている事もアートの一つなんじゃないかなって。お客さんに届けたい、違うイメージを届けたい。そういう時に、演劇というくくりの中で考えていたのが、少なくとも自分にとっては限界を感じたんです。
__ 
そうなるまでは、演劇をやっているつもりだったと。
三名 
そう、そうかもしれません。
__ 
いや、演劇をやる事を否定するつもりはないですけど、巨視的に捉えたら、お芝居を成立させる事が最後のゴールではないですからね。はっきり言って。
三名 
最近気付いたんですけど、京都の人と話していると「私達アーティストは・・・」と言うのに対して、大阪だと自分達を「演劇人」と呼ぶんですよね。
__ 
ああ。
三名 
という、不思議な光景が。
__ 
なるほど。ただ、どんな形態にしても、自分達のやりたい事で、自分たちに合った形態を見つけられればそれが最高だと思います。男肉duSoleilのように。
三名 
一度、観たことはあります。
__ 
あれを、アートと呼べますか?
三名 
本公演を観た事がないので、なんとも・・・。
__ 
でも、あれが彼らに本当に合っている表現だと思うんですよ。しかしそれを見つけるのが、きっと一番難しい。
三名 
人がどう呼ぶかというより、自分たちがどう考えているか、アイデンティティにも関わってくる問題ですよね。
__ 
そうですね。そして、男肉もレトルト内閣も、自分たちの根本を見失なっていない。しかしレトルト内閣は演出の面から徹底的に姿を変えた。そんなレト内が、私にとっては、成長していける劇団のモデルケースだと、自然に思えるんですよ。
三名 
ありがとうございます。でも、未だに、自分達を適切な言葉で言い表す言葉を探しているんです。
男肉duSoleil
2005年、近畿大学にて碓井節子(うすいせつこ)に師事し、ダンスを学んでいた学生が集まり結成。J-POP、ヒップホップ、レゲエ、漫画、アニメ、ゲームなど、さまざまなポップカルチャーの知識を確信犯的に悪用するという方法論のもと、唯一無二のダンスパフォーマンスを繰り広げている。

タグ: レトルト内閣のウワサ


プリザーブドフラワー

__ 
今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントを持って参りました。
三名 
ありがとうございます。
__ 
どうぞ。
三名 
(開ける)わぁ!
__ 
プリザーブドフラワー です。
三名 
可愛いですね。ありがとうございます。


十一月の小林まゆみ

__ 
今日はどうぞ、宜しくお願い致します。最近、小林さんはどんな感じでしょうか?
小林 
今年の11月に2本の芝居に出させて頂くのですが、その稽古が毎日のように。あとは、笑の内閣の本番もあって。
__ 
「笑の内閣」は「非実在少女のるてちゃん」の大阪公演ですね。ええと、11月の出演作とは。
小林 
KAIKA劇団「ビリビリ直子ちゃん」と、劇団ソノノチさんの作品です。KAIKAの方は、一昨日から稽古に参加して。今回は体を使った作品になりそうです。まだ台本が全部上がってきていないので、ワークショップが多いです。ダンスのシーンが多いですね。
__ 
の方は、田辺剛さんの新作戯曲をトランポリンショップと競作。11月にかなりのロングランですね。
小林 
ソノノチの中でもさらにチームを分けて。共演するのが初めてな人がいるので。とても楽しみです。
KAIKA劇団 会華*開可
[KAIKA劇団 会華*開可]京都市下京区・KAIKAに所属する劇団。「楽しいことをしているときの人は輝いていてステキ」という思いから、「楽しい」「やってみたい」「おもしろそう」とメンバーで共有できるものを模索しながら、作品を創ることをモットーとしている。2011年から始動した地域劇団。『楽しさのクオリティ』の向上を目指して活動中。(公式BLOGより)
笑の内閣
笑の内閣の特徴としてプロレス芝居というものをしています。プロレス芝居とは、その名の通り、芝居中にプロレスを挟んだ芝居です。「芝居っぽいプロレス」をするプロレス団体はあっても、プロレスをする劇団は無い点に着目し、ぜひ京都演劇界内でのプロレス芝居というジャンルを確立したパイオニアになりたいと、06年8月に西部講堂で行われた第4次笑の内閣「白いマットのジャングルに、今日も嵐が吹き荒れる(仮)」を上演しました。会場に実際にリングを組んで、大阪学院大学プロレス研究会さんに指導をしていただいたプロレスを披露し、観客からレスラーに声援拍手が沸き起こり大反響を呼びました。(公式サイトより)
第16次笑の内閣 「非実在少女のるてちゃん」
公演時期:2012/8月~10月。会場:こまばアゴラ劇場(東京)、ナンジャーレ(名古屋)、シアターZOO(札幌)、in→dependent theatre 1st(大阪)。
KAIKA劇団 会華*開可「ビリビリ直子ちゃん」
公演時期:2012/11/23~25。会場:KAIKA。
劇団ソノノチ
中谷と北海が大学在学中に4年間所属していた劇団テフノロGを卒業後、2008年に社会人劇団として集団を再結成。 メンバーはそれぞれにジャンルの異なった自身の作家活動や制作活動をおこなっているため、その得意分野を生かした舞台表現に今後注目が集まる。人と時間の繋がりを大切にしながら継続的に作品発表の場を持ち続けることを目標にしており、舞台表現とアート・デザインの複合性とその「これから」を探る(劇団名もこの「これから(その後)を探る」にちなんでつけられた)。(公式サイトより)

タグ: 今年のわたし


あれから

__ 
小林さんは劇団衛星を辞めてから、どんな感じで活動してきたんでしょうか?
小林 
三歩進んで二歩下がるみたいに、でもけして止まったり戻ったりはせずに進んできたと思います。辞めて、今振り返ると、自分が先輩に頼りきっていて、自分から積極的には動いていなかったんじゃないかなって。自分が舞台に出たい、先輩に教わりたいだけだったんだと思います。
__ 
今は、そうする事が出来ている?
小林 
辞めて、KAIKA劇団に入って旗揚げ公演をして。色々ぶつかり合いながらやっています。手を掛けた分だけ楽しいですね。芝居以外だったら、去年からキャラクターショーの司会のアルバイトをやっています。
__ 
司会!?
小林 
司会というよりはお姉さん的な。
__ 
凄い事やってたんですね。
小林 
去年の2月に面接に行って、流れ的なものを学んで。去年の夏ぐらいから、一人で出させてもらえるようになったんです。
__ 
いつか見てみたいです。
小林 
はい。是非。
劇団衛星
「小劇場での演劇でしか絶対に表現できない舞台表現」を極めるべく、1995年6月設立。「演劇人=アルバイト生活」の常識を破った、フリンジ業界における非常に珍しい専業演劇人集団である。京都を拠点に、既存のホールのみならず、寺社仏閣・教会・廃工場等「劇場ではない場所」で公演を数多く行い、茶道劇「珠光の庵」や裁判劇「大陪審」などの代表作を全国で上演。また、演劇のポテンシャルを利用したワークショップなど「演劇のないところに演劇を送り込む」活動を、幅広く展開中。(公式サイトより)

タグ: 後輩たちへ


質問 飯坂 美鶴妃さんから 小林 真弓さんへ

__ 
以前インタビューさせて頂きました、京都でフリーで俳優をされている飯坂美鶴妃さんから質問を頂いてきております。「舞台上に立っている時、何を考えていますか?」
小林 
お客さんの反応とか、段取りとかはどうしても考えますね。感じるのは、一緒に立っている人の状態です。今日は調子が良さそうだとか、テンポがいいとか。
__ 
なるほど。
小林 
笑の内閣のツアー中で感じているのが、自分のテンポだけで芝居すると、ボタンを掛け違えたように後の芝居が合わなくなってしまうんですよね。本番後も、演出から「ちぐはぐな感じだった」って言われてしまって。その次の回以降は、ムリに修正をかけるんじゃなくて、なだらかに乗って立てなおしていくようなイメージで演技していました。無理に我を通さない。声量とかでも、一人だけ大きくても、やり過ぎると差が見えてしまう。見てておかしくないくらいに合わせて行く感じです。
__ 
歩調を合わせるという事ですね。
小林 
はい。それが最近考えている事です。それが正しいかどうかは分かりませんけど。

タグ: 引き出し合う 段取リスト


MVPたち

__ 
その笑の内閣。東京公演から始まっていかがでしょうか?
小林 
ツアーは楽しいですね。
__ 
各地公演でキャストがどんどん変わっていっていますね。焼酎ステラさんが気になりますね。
小林 
そうなんですよ。もうホントに毎回ウケてて。アンケートのMVP、私も気にしてるんですけど、ステラさんが結構かっさらっていて。やっぱり、精度が高いんですよね。
__ 
小林さんの先生役もいいですね。
小林 
ありがとうございます。初演の中谷和代さん、私すごく尊敬していて。意識していました。でも、演出の方法も違う感じで持って行ってもらえて。今は、ありがたい役を貰ったなって思います。
__ 
お気に入りのシーンはありますか?
小林 
登場人物の中に腐女子がいるんですけど、彼女の心のなかを描写するシーンが面白いですね。幕の後ろで笑っています。

タグ: アンケートについての話題


20代は色々やりたいです

__ 
小林さんは今後、どんな感じで攻めていかれますか?
小林 
20代は色々やりたいです。と言いつつも、30歳の誕生日までに、やっていけるという目処が欲しいです。今はMCの仕事と舞台をやっていますが、声の仕事をやりつつ舞台も頑張って行きたいですね。これはまだ本決まりじゃないんですけど、ナレーションの技術が磨ける事務所に入りたいと思います。
__ 
なるほど。頑張って下さい。小林さんみたいに、自分にあった活動場所を見つけてやっていく人が増えれば嬉しいですね。フットワークを身につけて。
小林 
そうですね。自分のやりたい事にどんどん足が向けるようにしたいです。
__ 
そうして、ご自身の活動をオープンにしていったらいいんじゃないでしょうか。自己アピールという意味で。

タグ: どんな手段でもいいから続ける 今後の攻め方 声のお仕事、細かい作業


フットワークの軽さ

__ 
小林さんが演劇に関わっているのは、どのような理由があるのでしょうか。
小林 
何にも飾らずに言うと、自分が楽しいからですね。それが始めて続けている根源的な理由です。赤字が出ても、お客さんから料金と時間を頂いているうえは、楽しい気持ちになってもらいたいです。相互に幸せになりたいですね。見に来てくれた人がいい気分で帰ってくれるときは、自分が楽しいので。逆に、皆さんどういう答え方をするんですか?
__ 
やっている事でまちまちですね。作演出の人は、社会への考え方も持っていて、俳優の人は表現への指向が強くて。でも、小林さんのように、自分の楽しさを主に考える人はあまりいないかもしれない。小林さんの楽しい事とは?
小林 
なんだろう。こういう時、どう飾ったらいいのか。元々大層な思想がなくて。でも、自分と周りが笑っている瞬間が楽しいという時間なんじゃないかなと思います。
__ 
今後、出てみたい舞台はありますか?
小林 
柿喰う客さんに出てみたいです。ドキドキぼーいズの本間さんが、福岡での滞在製作に参加してた事を知って。
__ 
ありましたね。
小林 
オーディションの情報を知ったとき、まず、福岡という事で線を引いてしまったんです。その後彼が行っていた事を知って。フットワークの軽さを見習いたいですね。次にそういう機会があれば、逃さず。

タグ: 見ている人が幸せになる


目玉焼きパンのブローチ

__ 
今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントを持って参りました。
小林 
ありがとうございます。
__ 
大したもんじゃないですけどね。
小林 
(開ける)あ、かわいい。


基本的に元気です

__ 
今日はロロ範宙遊泳という東京の人気の若手二劇団の制作をされている坂本ももさんにお話を伺います。どうぞよろしくお願いします。最近はどんな感じでしょうか。
坂本 
基本的に元気です。最近はロロ範宙遊泳が参加した東京福袋が終わって、すぐロロの京都公演の稽古が始まりました。他の現場もあるので、行ったりきたりですね。
ロロ
平均年齢23.5歳の、東京で活動するカンパニー。主宰・三浦直之が触れてきた演劇や小説、映画、アニメや漫画などへの純粋なリスペクトから創作欲求を生み出し、同時多発的に交錯する情報過多なストーリーを、さらに猥雑でハイスピードな演出で、まったく新しい爽やかな物語へと昇華させる作品が特徴的。(公式サイトより)
範宙遊泳
Tokyoを拠点に活動する演劇集団。代表・山本卓卓(yamamoto suguru)が脚本・演出を勤める。人間に対する悪意をアイロニカルな笑いにかえ、一方で人間を苦し紛れに全肯定する「えせハッピー」な脚本。ジャンルにとらわれない「超自由」な活動を目指し、毎公演ごとに方法論を一新する演出。現在は「バーチャルリアリティ的リアル」と称し、遊園地のアトラクション、またはテレビゲームのような演出を展開する。(公式サイトより)

ロロ『LOVE02』

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ロロのLOVE02。来月10月に京都公演ですね。久しぶりにロロの本公演を拝見するのですが、すごく楽しみです。再演の作品だと伺っておりますが。
坂本 
元のLOVEは3年ぐらい前に作った作品で、LOVE02は今年2月にアゴラで上演したものなんです。京都で上演するバージョンは俳優が二人入れ替わりになるので、少し変わるかと思います。
__ 
ロロの作品はいつもボーイミーツガールを描いているという事ですが、LOVE02も?
坂本 
そうですね。LOVEという作品が三浦君の“好き”の絶頂期なんじゃないかなと思います。絶頂期早いですけど(笑う)。恋の話で、台詞がすごくピュアなんです。なかなかストレートに好きと言えないというのが作品に表れたりした時期もあったんですが・・・。
__ 
今回、LOVE02を京都で上演する狙いは。
坂本 
LOVE02は、絶対また再演したい作品でした。なので、美術は全部とっておいたんです。京都のお話を頂いた時、スケジュール的に新作は難しくて、だったらこれをみてほしいなと。フルスケールの作品は京都ではやったことがないというのもあり、3年目なのでやろうと決めました。
__ 
なるほど。とても見たくなりました。
坂本 
東京公演は反響が大きくて、多くのお客さんに共感いただけたみたいで。面白いです。見てほしいなって思います。
KYOTO EXPERIMENT 2012 フリンジ "PLAYdom"参加 ロロ『LOVE02』
公演時期:2012/10/5~9。会場:元・立誠小学校 講堂。

タグ: ユニークな作品あります 再演の持つ可能性について


面白いと思える作品だから

__ 
坂本さんが制作をされている二つの劇団、ロロ範宙遊泳。まずロロの制作から始めたという事ですが、範宙遊泳にはどのように。
坂本 
蜷川幸雄さんの現場で範宙遊泳の大橋一輝と出会って。そこで、「日芸ならロロって知ってます?そこの望月さんと今度共演するんですよ」って言われたんです。「えー、私ロロです」って(笑う)。花ざかりのオレたちです。という団体の「三五大切」という作品で、プロデュース公演だったんですけど。範宙の山本卓卓が作演で、範宙のメンバーや同世代の俳優がたくさん出ていて。二回観に行きました。私の人生で今のところ唯一、自分でお金を払って二回観た作品です。
__ 
素晴らしい。
坂本 
ものすごい衝撃を受けて。すごい人たちがいるわと。それで気になって、範宙遊泳の公演を観に行きました。それもすごく面白かったです。
__ 
なるほど。
坂本 
印象的なのが、その公演から美術のたかくらかずきが参加してチラシも作ってたんですけど、会場の入口で初めて目にするまで、そのチラシを見たことがなかったんです。まあ、私が目にする劇場とかに行ってなかっただけかもしれないんですけど。めちゃくちゃいいチラシなのに、すごくもったいないなと思って。そのころ、範宙遊泳には制作がいなかったんです。自分達でやっていたんですね。公演後にご挨拶して、同年代という事で仲良くなって劇団間で交流もあって。本当に面白いと思った団体だったから、制作やりたいなぁってぼんやりと思っていました。

三浦君とは違うアプローチ

__ 
ロロ範宙遊泳。勢いの若手であるという認識をしているのですが、坂本さんが作品作りに掛けるモチベーションは何ですか?
坂本 
私が制作をしてるのは、作品が好きで、関わっている人たちが好きだからですね。私は元々、演出をやりたかったんですよ。
__ 
あ、そうなんですね。
坂本 
元々を言うと、蜷川幸雄さんの作品が好きで、ずっと観ていて。18歳の時にあるきっかけでお手伝いさせて頂いて、それから徐々にお仕事として現場につかせて頂くようになったんです。制作の一番下っ端とか、子役担当で袖付きの演出部みたいなこととか。すごく良くして頂いて、私はなんとなくこのまま就職するのかなぁと思っていたんです。
__ 
なるほど。
坂本 
その頃、日芸に通っていて、2009年に先輩達がロロを既に旗揚げして。2本目の15 minutes maidの作品で演出助手を頼まれて。その時のモチベーションも「こんなに面白いのに、もったいない」だったんです。“旗揚げから毎月芝居します”と銘打って毎月公演をしてた時期で、面白いんだけど、広報ができてなかったり制作面が弱くてもったいない。それで、ロロの作品作りに関わりたいなと思いました。
__ 
関わり方としては。
坂本 
ロロを見た時に、私にはこれはできないなと思ったんです。私は蜷川さんの芝居を観て、演劇やろうとりあえず演出だって思ったけど、でも脚本を自分で書きたいと思った事はないんですね。そうなると、演出を経験する事も少なくて。性格的に制作を頼まれることも多かったし、三浦君とは違うアプローチで関わるなら、制作だなと。
__ 
面白いと思うから、作品作りに関わる。ではその上で、どのようなポリシーがありますか?
坂本 
ロロ範宙遊泳も、自分が心から面白いと思えるのと、あと関わるメンバーがすごく素敵なんですよね。だからこそ生まれる作品だと思っています。そこがちゃんと、作品の奥に透けて見えてほしいというのが私の制作としてのポリシーです。例えば、作品が面白くても、作り手の人間性が良くないのは私は絶対嫌なんですね。せっかく素敵な人たちなんだから、この人たちがロロなんだよ、範宙遊泳なんだよって、作品のもっともっと奥もお客さんに透けて見えてほしいですね。
__ 
ほぼ同じ意見です。
坂本 
もちろん、作品が面白ければいいという意見もあるとは思うので、難しいところですけど。
15 Minutes Made
東京の劇団・Mrs.fictionsによるショーケース公演。6団体がそれぞれ15分程度の作品を上演する。

タグ: SFについて


そのまま出てきた言葉

__ 
いまここで、ロロ範宙遊泳がウケているのはいったいどういう事件なんだろうかと考えています。
坂本 
今、ウケているのかはちょっとよく分からないけど・・・。それぞれの魅力という意味で言うと、三浦くんの書く言葉って本当に当たり前の言葉なんですよ。対家族だったり、対友達だったり。でも誰でも感じる気持ちが台詞になったとき、恥ずかしくなるぐらい胸キュンだったりするので、珍しいのかな。それを狙って計算で書くのではなく、素直に生み出せてしまうのが。
__ 
結果的に、それを正直に受け取って感動出来るのが大きな事件なのかなとは思います。
坂本 
高校生を遙か昔に過ぎ去ったお客さんのその頃の気持ちを、呼び水のようにして呼び出す・・・みたいなことがおこるのかな?一時期、恋愛ってこんなにきれいなもんじゃないだろって思ったりもしましたけど・・・でもそれは三浦直之が楽しませたり感動させたりしたくて捏造したものではけっしてなくて、そのまま出てきた言葉だから。
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ロロ。呼び水になるんですね。それはきっと、彼らが普遍性を持っているからかもしれないですね。ビートルズ的な。そこに立ち会えさせてくれるんですね。範宙遊泳はいかがでしょうか。
坂本 
範宙遊泳を見たのは、山本くんがものすごく渇いていた時期だったんです。
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というと。
坂本 
私的に蜷川さんのシェイクスピア悲劇とか寺山修司とかを観た時と似た感覚で、客席で大泣きしてたんです。最近、多幸感に溢れた作品が多いと思うんですが、範宙は冷めた目線で、すごくヒリヒリ渇いていて。でも笑えるし、奥の方にハッピーも同居しているような気がしていて。それはちょっと珍しいなと思いますね。範宙らしさというか。
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なるほど。「ガニメデからの刺客」を拝見したときに、それは感じました。もう一度、じっくり拝見したいです。
KYOTO EXPERIMENT 2011 フリンジ GroundP★参加 範宙遊泳「郷土物語宣言第三弾「ガニメデからの刺客」」
公演時期:2011/10/11~13。会場:元・立誠小学校。

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