質問 吉田 みるくさんから 江坂 一平さんへ

__ 
前回インタビューさせて頂いた吉田みるくさんから質問を頂いて来ております。「僕と池浦の第一印象はどうでしたか?」
江坂 
第一印象・・・。怖い。体がでかかったので、怯えてました。暴力的な雰囲気を感じたし、稽古場前のベンチでどっかり座ってたんですよ。
__ 
そんな二人と、どういう流れで男肉を作る事になったのでしょうか。
江坂 
いや、出会って直後に踊ったんですよ。それから僕の作品にも出てもらったりして。初めての男肉作品にも出演を依頼されて、太鼓の周りで踊ってたりしました。

タグ: 凶暴な役者


立ち会う

__ 
近畿大学の舞台芸術コースに入られた理由は。
江坂 
僕はバリバリ高校演劇から始めたんです。大学でもっと学ぼうと思って。部活の先生が劇団京芸の代表の娘さんで、テクニックとか全く教えられずに、一時間その役として生きる事に集中しろと言われて。それが今でも、僕の中に続いています。
__ 
なるほど。
江坂 
大学に入ってからは芝居をやってたんですけど、何故か脚本があるという事に違和感を覚え始めたんですよ。どうしても物語に収束してしまうのがどうも違和感があって、「この人がこの時こういう状況になっている事が面白いのに、なんでそこに気づかないのかな」って。その時にダンスに出会いました。お客さんも考えないと見られないし、作品が作品としてだけで成立してくれる。
__ 
ダンスの作品上にある実存に魅力を感じたという事ですね。
江坂 
男の子的発想ですね(笑う)舞台上で駆け引き出来たら面白いなと思ったんです。成立させるために。男肉での演技も、ダンス的に芝居している感覚があります。
__ 
では、男肉に入られたキッカケは。
江坂 
僕が卒業して、男肉の公演も本格的になっていって。メンバーも沢山増えたんですけど、大半が「ここおもんないわ」って辞めていくんですよ。それが、外からみて腹立たしかったんですね。こいつらが面白くないって言っとる奴らがおもんないで、って。それぐらいの時期にダンスの振付をやってほしいと依頼されて、そこから参加し始めました。最初は一時的な、ダンスが自分達で作れるようになるまでというお手伝いとしての参加だったんですけど、そのうちやりがいが出てきて。そのまま入団しました。
__ 
あ、振り付けは池浦団長だけじゃないんですね。
江坂 
物理的に無理な振り付けや、間に合わないフリとか、そういうのは僕が調整してやり方を考えて提示して。芝居も、あいつが持ってくるものはそのままじゃ使えないんですよ。高阪とか小石が、自分達がやりやすいように変えて使えるものにしていく、という。

__ 
男肉の魅力。その時の思いつきなどによって姿を変えるパフォーマンスだという事がこれまでのインタビューで判明していますが。
江坂 
そうですね。実は、僕は大学時代はめっちゃ真面目なダンスを作っていたんですよ。現代に生きる人間の苦悩を題材に。でも、今男肉でやっているダンスも、実は昔のものとそれほど差がないと思うんですね。結局。
__ 
差がない?
江坂 
今自分がこの時点でここに生きていて、それでダンスを見せていること。僕は鍛えた体で見せるけど、男肉の中には下手クソのまま見せる奴がいる。ぜんぜん違うんですけど、それで面白いんです。僕はダンスを教えるつもりはないんですよ。身体を鍛える事で突破出来る。突破の仕方で見せてくれって。持ち物がバラバラなあのメンバーで(中には引きこもりもいるんです)、それぞれの突破の仕方がある。
__ 
男肉のダンスの面白さは、まずそこにあるのかもしれない。
江坂 
見てたらやっぱり魅力はあるし、鍛えた身体と同じくらい面白い。変化球だけど強い球だと思います。
__ 
逆に、面白くない身体とはどのようなものだと思われますか?
江坂 
そうですね、出来ないのに誰かの真似をしているとかですね。それは価値観として存在しない。本当にテクニックのある人は、ただ単にテクニックを持つ人の事ではないんです。嘘臭い、借りてきた価値観ではあかんと思います。ただ男肉もものすごい変化球なので、あかんという人もいるとそれは思うんですが。

タグ: ひきこもり


ハア?

__ 
男肉の舞台はまるでテーマパークのアトラクションのようで、たとえば主人公達とインターネットの世界を旅したり、タイムスリップしたりする。お芝居を見たことのない人に見てもらいたい気はしますね。
江坂 
「ハア?」って言われるのが一番いいとよく言ってますけどね。
__ 
呆れられるぐらいのね。でも、どこかから借りてきた芝居よりかは全然いいんじゃないかなと思うんですけどね。自分達で発見していない価値観で作ったモノなんて、すぐ分かりますから。
江坂 
ネタとして、わざとニセモノを見せるという事もありますけどね。
__ 
とはいえ、偉そうな言い方ですが、昔そうだった劇団が5年ほど経って非常に良い演技をするという事もあります。劇団が成長するのはいいですね。
江坂 
そうじゃなければやってる意味、無いですからね。

タグ: ポカーンとなった観客


ふっと

__ 
この間のサマーオニック2012、お疲れ様でした。
江坂 
もう暑かった事しか覚えてませんね。前回の大長編の時もダンスが5連発してめちゃくちゃしんどかったんです。自分の体力の限界の限界と、バテた時どうするかが分かってきました。その時に自分の体をどれぐらい見せられるか、意識しました。そういう勉強にはなりましたね。
__ 
確かにしんどそうな表情があって、それも良さに繋がっていたと思います。
江坂 
しんどくて後ろに下がった時、誰かが前に出てフォローしてくれたんです。その時ちょっと感動したりして。吉田みるくとかJとかその辺しっかりしてて。団員もそういうかけ引きをしていて、嬉しかったです。
__ 
それは、先輩として。
江坂 
そうですね。
__ 
男肉の舞台上で、江坂さんがやはり先輩として振舞っているのがいいですよね。しかも優しく「こらっ。先輩やぞ。」って諌めるシーンが以前あって、それが非常に面白かったです。
江坂 
男肉の舞台上では団長がトップなので僕は敬語を使うんですけど、あいつも僕に敬語で喋ってくるんですよ。基本的に。あれは僕らも意味が分からんなと。そこはブレないんですよね。
__ 
メタ要素があって、親しみやすさがある。
江坂 
でもまあ、舞台上にノイズというか、落とし穴を掘って行きたいなと思います。客席から見ていて、ふっと気になる要素。僕がダンスを作る時もそういう感覚で作って行きたいです。僕が男肉にいる理由は、そういうところにあります。

肉体の演技、分身の演技

江坂 
僕が男肉にいる理由は、そういうところにあります。
__ 
それは、ダンサーの実存に宿る面白さに意義を感じている?
江坂 
そういう事ですね。大長編にヨーロッパ企画さんの俳優が参加してくれる事が多くなって。前回石田さんが客演して下さった時に「ダンスを教えて欲しい」って言って下さったんですね。でも実は、僕が教える事なんてあんまり無かったんですよ。突破の仕方だけ教えて、あとはどうなるかを見ていたかったんです。いや、俳優の方だけあって、立ち方も振りも面白いんですよ。結局、どうやって生きるかだと思うんですよね。小石の演技とか見ていてそう思います。あいつ一度、本番の最中にセリフを間違って逆の事を言った時に、「違う!」って取り消したんですよ。感動しました。それが成立してるんですよ。アルトーが書いていた肉体の演技、分身の演技ってこういう事なのかなと。
__ 
その小石さんが一際輝くのが「男肉卒業式」ですね。もう6年ぐらいまえから作品の〆として上演されていますが、あれも男肉を象徴するパフォーマンスで、次回公演が決まっているのに卒業式を執り行うという荒唐無稽さ。そして、小石さんの切実さ。
江坂 
やっててマンネリ感は一切ありませんね。特に小石は観客がいなくても練習もゲネプロも全開でやるんですよ。
__ 
ええっ。
江坂 
手を抜いたら出来なくなるのかもしれません。僕にしたって、全力じゃないと踊れないので。

タグ: 肉体、重心 立ち方


切る

__ 
今後、江坂さんはどんな感じで攻めていかれますか?
江坂 
どうですかね。言うても、男肉は色々な芝居が出来るようになって、さだ夢も演出自体が上手くなって、ラップという要素も出てきて。でもダンスは、まだショーダンスとしての使い方しかされていないんです。実はそこに可能性が眠ってるんじゃないか。
__ 
なるほど。
江坂 
僕と団長が、ダンスについての幅を広げていけたらなと考えています。その為の留学でもあるんです。踊る肉体として成立するのには、鍛える事だけじゃ成立しない。まだ何かあるんですよ。
__ 
というと。
江坂 
例えば僕は、現状キレイに体が動かせる事や、振り回す事でダンスを成立させる部分が多いんですね。それでも男肉だったら全体を成立させる構成要素として充当するんですけど、それだけじゃない、もっと別の切り口があるなと。歳とともに切り込む力が弱くなるので、その前に別の切り口をどんどん発見していきたい。もっと言えば、僕らの世代の身体が舞台上で価値を持つにはどうすればいいのかなと。それが個人的にはずっとテーマです。
__ 
昔の人の身体との対比という事ですか?
江坂 
よく「だらしない身体」と言われていますが、実は僕らの身体だけにしか宿らない価値観があると思うんです。男肉でがむしゃらに踊るだけじゃなく、それを発見したいですね。
__ 
「どんどん切り口を発見する」。つまり、可能性がまだまだありそうだと言う事ですね。
江坂 
僕は高校まで運動オンチだったんです。大学時代にさだ夢やみるくとダンスの勉強を重ねて、実践して、それでも今でもダンスが出来ているなんて自分では全く思わない。だったらどうするかと言うと発見していくしか無いんです。確かに僕らは戦争もバブルも通過していません。でも、ありものしかないんだから、潔く自分たちの身体を見直したらいいんじゃないか。
__ 
我々の身体にしか宿っていないもの。それは、いま見えていますか?
江坂 
僕らがいま抱えている身体と、お客さんそれぞれが抱えている身体。二者間は舞台を通して何かを共有しているんじゃないか、という事が、最近のイベント公演を通して見えてきました。そこに来たお客さんが見えているもの、それぞれの価値観。男肉の公演でしか出来ない一過性を通じて共感が生まれるという事自体が面白い現象だと思うんです。
__ 
ごく個人的な思いですが。すみたさんが中央に位置して周りがぐるぐる踊るダンスが強烈に印象に残っています。というか、あれを観るたびに私は気分が悪くなるくらい爆笑するんです。
江坂 
それ昨日、団長も言ってました。「すみたは唯一、あのダンスだけが良い」って。
__ 
ダンスというか、あの光景をよく見つけられたなと思うんですよ。男肉のはダンスから外れているかもしれないし、振付じゃないのかもしれませんけど、だからこそ何かを持っている。それに現時点で立ち会って価値を共有出来る事が、一つの事件かもしれません。

タグ: 今後の攻め方 留学して表現を学ぶ


シリコンバンド腕時計 RUPU

__ 
今日はお話を伺えたお礼に、プレゼントを持って参りました。どうぞ。
江坂 
ありがとうございます。(開ける)あっ。これ。めっちゃいいやつじゃないですか。
__ 
時計です。踊っている時にでも。
江坂 
時計、すぐ落とすんですよ。稽古場とかで外して踊ると、すぐに忘れて帰ってしまうんです。めちゃめちゃ嬉しいです。


距離感

__ 
今日は、男肉duSoleilの吉田みるくさんにお話を伺えます。どうぞ、よろしくお願い致します。>SUMMER ONIC 2012が終わったばかりだと思うんですが。
吉田 
いやー、灼熱地獄でしたね。あの暑さ、僕らもちょっと引きましたね。
__ 
ほぼサウナでしたね。
吉田 
これまでも結構過酷な環境でやってきたんですが、あんなに暑いのは初めてで。終わったあと、ウチのJくんと陰核くんがうなだれてましたね。
__今までどんな過酷な環境がありましたか?
吉田 
僕らは野外でパフォーマンスする事も多いんですが、いくら声を出しても届いてない時があるんです。その分、1.2倍くらい体を振ったりするんですが、不安ですね。果たしてこれはお客さんに届いているのか。そういう時、客席との距離を意識します。
__ 
距離感。
2005年、近畿大学にて碓井節子(うすいせつこ)に師事し、ダンスを学んでいた学生が集まり結成。J-POP、ヒップホップ、レゲエ、漫画、アニメ、ゲームなど、さまざまなポップカルチャーの知識を確信犯的に悪用するという方法論のもと、唯一無二のダンスパフォーマンスを繰り広げている。
SUMMER ONIC 2012
公演時期:2012/07/29。会場:元・立誠小学校。

飽きっぽいぼくら

__ 
吉田さんは男肉旗揚げメンバーであり、0samenの主宰でもあるんですよね。なぜ、男肉であり続けるのでしょうか。
吉田 
あはは。いやー、やっぱりさだ夢君と大学時代から一緒で。一年のうち360日くらい一緒にいたんですよね。二人でしょうもない事を考えたり、やったり、面白いものを見に行ったりしてたんですよ。それが今ままで続いていて、この歳になってる。
__ 
なるほど。
吉田 
男肉にいる理由ですか・・・。「俺はこれじゃないと嫌や」とか、「俺はこういう表現してる」みたいなのはないんですけどね。
__ 
それを聞いて思い出したんですが、男肉の作品はあえて台本を作らないとの事。毎ステージごとに、その時にしか生まれないイメージを作り続けるそうですが。
吉田 
そうですね、変えますね。それはある種、ぼくらが飽きっぽいところが影響してるんだと思います。団長が本番中に「この回、絶対一回は『ホワイトロリータ』って単語を入れて」って無茶な指示して。僕らで遊んでるような感覚は多少ありますね。
__ 
なるほど。無茶ですね。
吉田 
あとは陰核なんかもようセリフを変えてきますね。お客さんより俺らを笑かせようとしているのかもしれません。あ、でも流石に外せないセリフはあるんで、それは言うようにしてと。
__ 
もちろん、それが許せない人は許せないでしょうね。
吉田 
かっちり作りたい人には、ウチの稽古場にいたら発狂するんじゃないかなと思いますね。
__ 
私が男肉を好きなのはそこなのかもしれません。その場限りの表現でも、やっぱり伝わるものがあるんです。何がだろうか? 男肉に限っては、それは稽古場での蓄積だけではない。現代の身体が持つ刹那性と、一概には言えるかもしれない。
吉田 
確かに、その場で発生しているものは多く扱っていますね。良くも悪くもグレーなものを持って行っています。
__ 
危険な時事ネタとか、もそうですね。
吉田 
本当にそれを本番でやるのか、みたいな緊張感もあって(笑う)。日が近づくにつれてピリピリしてくる。まあ、変えずに堂々とやるのがいいのかなと僕は思っています。

僕らが僕らであるために

__ 
男肉の作品作りの上で、必要な事は何ですか?
吉田 
ウチは距離感が大事なんじゃないかなと思っていて。この間のサマーオニックは元・立誠小学校の教室でやってたんですけど、お客さんとがぶり四つの近さだったんですよね。そのぐらいの至近距離が、こっちもやっていて楽しいんですよ。
__ 
なるほど。
吉田 
今でも覚えてるんですが、independent1stで毎月一回の企画をやらせてもらっていたとき。最前列に、初めて来られたと思われるお客さんがいて、ずっと怪訝そうにされていたんですよ。でも、最後の卒業式のシーンの時に、小石が何を血迷ったか頭をブンブン振ってそのお客さんに絡んでったんです。したらそのお客さんがにこーっとして。その時めっちゃ嬉しかったんですね。ある種のコミュニケートがなされている。そういうところは僕らの利点なんじゃないかなと。僕らはひねくれものだからまともなコミュニケーションじゃないかもしれないですけど。だから、最近始めた「男肉飛び散る席」も、そういう面でいいんじゃないかなと。
__ 
いいですよね、「男肉飛び散る席」。接触があるんですよね。では、その距離感をもったプレイが出来るように、持ち続けたいものはありますか?
吉田 
僕らが僕らであることを守る事と、反面、慣れてしまってお客さんにぞんざいになったり媚びたりして飽きられるみたいな事がないようにしたいなと思っています。

質問 高阪 勝之さんから 吉田 みるくさんへ

__ 
前回インタビューさせて頂いた高阪さんから質問を頂いてきております。「今まで一番、感銘を受けた本はありますか?」
吉田 
一番ですか。うーん。たくさんありすぎて・・・。まず幼少期はドラえもんでしたね。大学入ってから寺山とか、理屈っぽい本は読みまくりました。感銘?ベタですけど、中学の頃に呼んだ太宰ですかね。あとはアルトーの「演劇とその分身」とかは死ぬほど読みましたね。たくさん思いつくんですけど、順序は付けられないかなあ。

伸びる事、乗り越える事、前に立つ事

__ 
今後、どんな感じで攻めていかれますか?男肉としても個人としても。
吉田 
ダンスにしても演技にしてもラップにしても、常に、前に出来なかった事が出来るように、向上心だけは持ち続けなければあかんなと。ほんまに、それだけですね。
__ 
なるほど。
吉田 
「こういうセリフの出し方が出来るようになった」とか、そういう実感があるから楽しいというのはあるし。「こういう表現の市からもあるんだな」と、バリエーションを発見したときの喜びもあるし。そういう神経だけは忘れちゃいかんなと。ずっと研ぎ続けたいなと思います。
__ 
向上心。
吉田 
真面目に演劇の授業に参加しなかったメンバーが、舞台のセオリーを無視したりすると(僕なんかは古い人間だからか)イラっとするんですけどね。僕らは演劇教育に毒されていて、あいつらがアバンギャルドなのかもしれない。
__ 
アバンギャルド。まあお客さんの全員がそういう教育を受けている訳じゃないですけどね、きっと。男肉のその部分にはやっぱり可能性を感じるんですよ。
吉田 
もちろん演劇アンチな訳じゃないですけどね。面白い事をやろうと思ったらこうなったんです。

タグ: 今後の攻め方


楳図かずお「おろち」ポスター

__ 
今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントがあります。どうぞ。
吉田 
開けてもいいですか?
__ 
もちろんです。
吉田 
うわっ。
__ 
楳図かずおの「おろち」のポスターです。
吉田 
いやー。昔のマンガの巨人達の女の子の絵って可愛いんですよね。最近、エコエコアザラクのエコバッグを買ったところなので。楳図かずおじゃないですけど。いいですよこれ。「愛の奇蹟」とか、好きです。

タグ: プレゼント(書籍系)


ダークナイト・ライジング

__ 
今日はどうぞ、宜しくお願い致します。高阪さんは最近はどんな感じでしょうか。
高阪 
サマーオニック2012が終わって、次の男肉公演は僕は出演しないのでのんびりさせてもらっています。見れなかった映画とか、本を読んでみたりとか。
__ 
どんな映画をご覧になりましたか?
高阪 
ダークナイト・ライジングを見ました。あのシリーズが本当に好きで。
__ 
面白いらしいですね。
男肉 du Soleil
2005年、近畿大学にて碓井節子(うすいせつこ)に師事し、ダンスを学んでいた学生が集まり結成。J-POP、ヒップホップ、レゲエ、漫画、アニメ、ゲームなど、さまざまなポップカルチャーの知識を確信犯的に悪用するという方法論のもと、唯一無二のダンスパフォーマンスを繰り広げている。
kitt
演劇集団。メンバーは高阪勝之、岩田奈々、高橋明日香、土田英生。

タグ: 知識を付けよう


熱い霧の中で

__ 
SUMMER ONIC 2012の公演が終わりましたね。お疲れ様でした。面白かったです。
高阪 
ありがとうございます。本当は1ステージの予定だったんですけど、せっかくだからもう少しやったらいいんじゃないかという事で、1日2ステージになりました。
__ 
なるほど。
高阪 
えらい目に合いましたね。冷房が無かったというのが凄く大変だったんです。
__ 
そうそう、扇風機しかありませんでしたね。何せ、夏の教室にお客さんが数十人もいて舞台では激しく踊る男肉達とさらに照明がある訳ですからね。サウナ状態でした。
高阪 
僕らは踊っているので、そこまで気になりませんでしたが、相当暑かったようで・・・。来年からはちゃんと、冷房を入れるようにしたいですね。
__ 
途中からその暑さが良くなってきて、クーラーなんて要らないのではと思えてきました。作品としては、スーパーロボット大戦のコントが一番面白かったです。
高阪 
久しぶりにお客さんを全力で置いてきぼりにする作品になったと思います。僕らは楽しかったんですけど・・・。
SUMMER ONIC 2012
公演時期:2012/07/29。会場:元・立誠小学校。

質問 ピンク地底人6号さんから 高阪 勝之さんへ

__ 
前回インタビューさせて頂きましたピンク地底人6号さんから質問を頂いてきております。「1.最近みたお芝居で面白かったのは何ですか?」
高阪 
NODAMAPの「THE BEE」ですね。見立てを効果的に使ったお芝居で、演劇ってこんな力を持つんだなと改めて思いましたね。
__ 
素晴らしい。「2.作品を作るにあたって、大切にしている事は何ですか?」
高阪 
役者として、周りとの呼吸ですね。男肉は滅茶苦茶をやっているように見えて、案外周りとの呼吸を計らないと上手くいかない事が多いんです。自分をどこまで出すか、という押し引きの意識ですね。
__ 
男肉は調和がベースにあって、そこからどう壊していくかという流れがありますよね。それがスリリングな一瞬を生み出しているように思います。「3.プライベートで何をしている時が楽しいですか?」
高阪 
音楽を聞いている時ですね。僕は黒人音楽が好きなんですが、家でHIPHOPを聞いているとちょっと踊ってしまうぐらいで。
__ 
「4.昨日見た夢は何ですか?」
高阪 
僕は寝付きが良くて、ぐっと眠り込んでしまうので、あまり夢は見ないですね。
__ 
「5.占いは信じますか?」
高阪 
都合がいい占いは信じます。朝の番組とかで自分の星座が下の順位に来ると、見なくなります。

「今から焼肉行かない?団長が呼んでるんだよ」

__ 
高阪さんはどういうところからお芝居を始められたのでしょうか。
高阪 
高校演劇からです。近大でも演劇をしていて、そこで男肉に出会いました。
__ 
大学教育で演劇をやっていながら男肉という、傍から見ると矛盾した流れにも見えますね。何故、男肉に入ったのでしょうか。
高阪 
2回生の時、男肉のメンバーの方から「今から焼肉行かない?団長が呼んでるんだよ」って電話が掛かってきて。えっえっ今からですか。今はちょっと、って言ったんですけど、来なよ!って。自主公演があるので一度断ったんですけど、その企画もポシャって。しばらくして団長達とすれ違った時、「今日稽古あるから」って言われたんです(笑う)。まあ、そこからですね。いつの間にか入ってました。
__ 
初期の男肉。大学内でのイベントで上演していたそうですね。
高阪 
近大時代の男肉は、学内では賛否両論の団体で。何かすると「ああ、また男肉か」みたいな言われ方をしていたんですよ。まあ、僕らもめちゃくちゃをやっていたんですけど。男肉に入って、「変わった」って言われた事があります。暴言を吐くようになった、って女子に言われて。
__ 
男肉に入ると変わる。
高阪 
やっぱり、男肉は異端児的扱いだったみたいですね。
__ 
それから数年を経て、タイトルに名前が出るという。
高阪 
そうですね。ありがたいですね。

タグ: イベントの立ち上げ 賛否両論


毎回違うものを提示するのが・・・

__ 
男肉の魅力を教えて下さい。
高阪 
やってる側の魅力なんですが、すごくスリルがあるんですね。僕らは台本を使わずに全て口立てで行うんです。だから、本番直前どころか本番中にもセリフが変わるんですよ。
__ 
というと。
高阪 
袖で団長が、「この回で○○○○って言え」って来るんですよ。団長はかっちり固まったものを作りたくはないみたいで。生でやっている以上、毎回違うものを提示するのが醍醐味だと考えているようです。それを味わえるのが役者としては楽しいですよね。観る側としてはどうか分かりませんけれども。
__ 
個人的な話ですが・・・何故こうまで私は男肉に執着するのか。それは多分、その一過性なんじゃないかなと思うんですよ。当時就活していて、演劇を辞めようと思っていたんですが、ピリオドを見た時に、そういう一瞬の熱狂だけを追い求める男肉パフォーマンスに立ち会う事が出来て。
高阪 
はい。
__ 
一時いっときのパフォーマンスが、とにかくその時だけのものだと気持よく割り切ったスタイルに元気づけられました。悪趣味なまでに自分達の好きなものを詰め込んで、100%のオナニーの強度を信じる男肉。可能性を実感したんですね。人間の出来る事には限界があって、でもベストを尽くせばそれで良いんだと。男肉の魅力は、そうした、一瞬にして生まれるアイデアの冴えにある。
高阪 
僕もそこは魅力だと思います。作り方が独特なんですね。自分たちの好きなものをどんどん放り込んでいく。面白いと思っているものについての雑談で稽古が終わった事があるぐらいです。

タグ: 表現=「自己満足、オナニー」? 悪意・悪趣味 もう、辞めたい


全力で振り切れ

__ 
とはいえ、男肉もずっとそのままではいられない。肉体的な衰えというものがあります。
高阪 
(笑う)
__ 
それをどうクリアしていくか、だったり、どう良さに変えていくか、であったり。色々なお考えがあるとは思いますが、今後男肉はどうなっていくのでしょうか。
高阪 
そうですね。僕らもほぼ全員20代後半に突入して。稽古している時も肉体的なキツさを感じる事はあります。でも、それと反比例する形でダンスのシーンは増えていき。
__ 
そういえば、かなり多くなりましたね。作品の最初の方と最後の方に集中するようになりました。
高阪 
昔はもっとバラついていたんですけどね。僕らは一切キレイに踊れないので、上演中に疲弊していく体を見せたいのかな。団長の狙いはそこにあるのかもしれません。
__ 
疲弊する身体。確かにあれはとても面白いです。
高阪 
話はそれますが、たまに、音に合ってないとか振りが揃ってないとかアンケートには書かれるんですけどね。申し訳ないなとは思いますけど・・・。
__ 
無視すればいいと思いますよ。マジで。男肉はそれを切り捨てる事で新しい魅力を発見したと思っていますので。
高阪 
そうですね、稽古でも、揃える事よりも全力で振り切っているかどうかを重視しているので。
__ 
ええ。それに、出来ますしね。MEAT COMPLEX 1928の時とかにそういうダンスありましたしね。
高阪 
ただ10年後、同じような事をやれているかどうかというのはちょっと分かりません。このまま、作品からダンスシーンも少なくなっていって、コント集団に近くなっていくのかな?と。でも、僕らがそれをやっても絶対面白くないですしね。
__ 
そんな事はないと思いますけどね。でも、男肉の最高の魅力とは冴えだと思うんです。昔、陰核が「モンキーマジック」に合わせて斜めってるダンスを披露してたと思うんですが、あれは客席で気分が悪くなるくらい爆笑しました。あの冴えは、本当にどこに行ってもないと思うんです。あの冴えは30歳代までに消えてしまうものではないんですよきっと。作品が不定形である事によって生まれる柔らかさが、その土台になっていると思う。
MEAT COMPLEX 1928
公演時期:2009/05/01~3。会場:ART COMPLEX 1928。

タグ: アンケートについての話題 X年後のあなた