KUNIO「更地」

__ 
今日はどうぞ、宜しくお願い致します。小林さんは、最近はどんな感じでしょうか。
小林 
9月22日からKUNIOの公演があるのでその準備ですね。それから、トリコ・Aの公演が11月にあるのですが、そのチラシを作成中です。
__ 
どちらも楽しみです。KUNIO「更地」。もう一ヶ月を切りましたね。珍しく二人芝居ですね。
小林 
そうですね。KUNIOに付くのは初めてなんですけど、いつも多人数の作品が多いみたいなので。関西では久しぶりに少人数での公演です。
__ 
しかもKYOTO EXPERIMENT参加ですね。
小林 
そうなんですよ。公式プログラムの中では相当若手なので。杉原の持ち味を生かした公演を打ち出せたらと思います。
KUNIO
杉原邦生が既存の戯曲を中心に様々な演劇作品を演出する場として、2004年に立ち上げる。俳優・スタッフ共に固定メンバーを持たない、プロデュース公演形式のスタイルで活動する。最近では、杉原が2年間務めた“こまばアゴラ劇場”のサミットディレクターの集大成として、初めて既存戯曲を使用せず構成から杉原自身が手がけた、KUNIO07『文化祭』や、上演時間が約8時間半にも及ぶ大作『エンジェルス・イン・アメリカ』を一部、二部を通して上演するなど、その演出力により戯曲はもちろん、劇場空間自体に新しい風を吹き込むことで、作品を生み出している。(公式サイトより)
トリコ・A
トリコAは、山口茜が「自分で戯曲を書いて演出をしてみたい」という安易な気持ちを胸に、1999年、勢い余って立ち上げた団体です。当初の団体名は、魚船プロデュースと言いました。以来11年間、基本的には上演ごとに俳優が変わるプロデュース形式で、京都を拠点に演劇を上演してまいりました。やってみると意外と大変だった事が多い様に思いますが、皆様の暖かいご支援のもと、現在も変わらず活動を続けております。(公式サイトより)
【KYOTO EXPERIMENT 2012 公式プログラム】 杉原邦生/KUNIO KUNIO10『更地』
公演時期:2011/9/27~30。会場:元・立誠小学校 講堂。

いきなり、キャリアスタート

__ 
まず伺いたいのですが、小林さんは一体どういうところからお芝居を始められたのでしょうか。
小林 
高校卒業後、しばらくしてお芝居を観るのが好きになって。休みの日とかによく劇場に行っていたんです。就職してしばらく、ずっと好きだった劇団、リリパットアーミーがボランティアスタッフを募集したんですね。当時としては珍しく。そこに応募したのが最初です。
__ 
応募されたのはどのような理由が。
小林 
当時は小劇場ブームで、テレビでもサブカルっぽい番組が多く、小劇場の俳優さんもかなり出演していたんですよ。実は、最初から制作をやろうとは考えていなかったんです。好きな人達のお手伝いが出来たらと思って、スタッフに入ったんです。
__ 
制作のお仕事を始められたのはいつ頃からですか?
小林 
最初は2年ほど、お手伝いをしていたんです。当時の私の勤め先が、不定休だったんですね。休みが結構自由に取れたんですが、そういう関係で受付のお手伝いに入る事も多くて。しばらくして、わかぎゑふさんが「事務所で働いてみる?」って言ってくださって、それで入る事になったんです。
__ 
なるほど。
小林 
そこは公演の製作だけではなく、俳優のマネジメントも行う業務があったんですが、私が入る直前に担当のマネージャーさんが辞めてしまわれて。急遽、制作としてではなく、マネージャーとして・・・。
__ 
いきなりですか!そこがキャリアのスタート。凄いですね。
小林 
出来るのかなあと思いながら。まあやるしかないので。8年ぐらい事務所にいて、最後の2年ぐらいにはマネージャーと公演制作を兼任していました。制作をやろうと意識的になったのは事務所を辞めてからです。やっぱり、制作は補助だけだったので、公演の立ち上げについてはあまり把握してなかったんです。
__ 
大変でしたね。
小林 
人には恵まれたし、中々出来ない経験ですし、そこでのマネージャー経験が今凄く役に立っていると思います。今でも、自分にはマネージャーの方が合ってるのかな?と思う事もあるんです。

縦横で考える

__ 
ボランティアのサポートスタッフから、事務所に入ってすぐマネージャーって、波瀾万丈ですね。
小林 
確かにそうですね(笑う)その頃は若かったので、プレッシャーはあまり無かったと思います。劇団と作家が多くを占める仕事だったので、マネージャー的な仕事は最初は多くは無かったです。大変には、あまり感じなかったですね。・・・会社って大きくなればなるほど、各個人の意思とはまた違う、会社としての動きが生まれて来るんです。入った当初の自分の意思からは想像もつかない仕事をする事もありました。でも、入る前からそこの人たちとは知り合いでしたし。不安でガチガチという事はありませんでしたね。
__ 
今のお仕事に、マネージャー時代の経験が生かされていると仰いましたが、具体的にはどのような事でしょうか。
小林 
当時覚えた事ですが、未来の仕事や企画などのスケジュールを踏まえて動く事です。それと同時に、その仕事に関わる人達という、「横の広がり」を意識する事ですね。先と横を見て、自分たちのやりたい事を実現する力です。人に教えて貰ったり実践して身につきました。例えばテレビとかラジオの仕事。自分たちだけではどうしようもない事が、局の方々のご協力を頂く事で面白い事が出来るようになったりとか。フリーで制作をするようになってから、そういう見方の大事さを思い知るようになりました。やっぱり、自分一人だけで出来る事って物凄く限られていて広がりがない。いつまでも同じ場所で同じ事を続けるだけになってしまう。そうじゃなくて、一緒に仕事する人達とどういう進め方をすれば面白いのかを考える。もちろん、本人達がやりたい事というのは前提にあるんですけど。
__ 
戦略的な思考と言えるかもしれませんね。
小林 
企画をすすめる上で、色々な要素を捉えて考えます。今の仕事の進み具合、メンバーの志向や長所を考えてそれを生かす仕事や時期を考えたり。
__ 
そうした要素を、曖昧にではなく、明確に定義付けて認識する。それがまず大変そうに思えます。さらに、先と横の思考。ごく個人的には非常に苦手な作業でして。
小林 
あ、そうなんですか。
__ 
他人に任せるのが苦手で、自分だけで出来れば全てやってしまいたいという志向なので。小林さんは縦軸と横軸を知覚し、予見し、戦略すると。流石だと思うんですが、では、そうした能力に、ご自身ならではの個性が現れているとすればそれはどこでしょう。
小林 
うーん。やっぱり、自分の好きなものを知ってほしいんですね。これは下世話な言い方かもしれませんが、お芝居以外でも「これは売れるだろうな」という勘が結構当たるんです。でも、それが私の好きなものとは限らないんですね。事務所を離れてフリーになると、自分の好きなもので仕事が出来るのが強みです。
__ 
世の中に知ってほしい。
小林 
そう、世の中の人に。凄く好きな作家さんや演出家さんがいて、でも知らない人が沢山いるというのがもどかしいんです。それを如何に知ってもらうかを考えるのが凄く楽しいです。
__ 
ご自身が面白いと思うものを、売りたい。
小林 
そうですね。本当にそう思うものを。だからこそ、自分が見た作品に対する評価には厳しくありたいなと考えています。何を観ても「面白い」と言ってしまうと説得力が無くなってしまうと思うんです。私は本当に面白いと思う物しか「面白い」と言わないようにしています。
__ 
自分の好きなものを広めたい。その為に戦略する。それは、古今東西時代や地域を問わず、あらゆる制作者がそう思ってきたんでしょうね。再生性の無い演劇というジャンルだったら特に。
小林 
そうですね。

タグ: 他人に任せることの難しさ


アピ力

__ 
同じアーティストでも、作品を深める事に集中する人もいれば、作品を社会にコミットさせたい人もいると思います。もちろん、例えの上での大別ですが。KUNIOはまさに後者でしょうか。
小林 
確かに、杉原はそういう面には長けているとは思います。プロデュース能力でしょうか。自分の作品をどう観てほしいか、この作品をどのような経緯や視点で製作を始めて、こういうところを見て欲しいと言える。「観てもらったら分かるんですよ」とかじゃなくて。そういう部分は秀でている。小劇場の中ではちょっと珍しいかもしれません。
__ 
それはそうですね。何によらず、アピールする力は本当に重要ですね。きっと、プロデューサーはもちろん俳優も磨いていくべき分野かもしれません。
小林 
俳優さんとなると、きっと照れがあるかもしれません。それに舞台はナマモノなので、観てもらってなんぼ。でも一年の内、そう何度もやっている訳じゃない。そう考えたらもっと、ワンチャンスをもっと大事にしないといけないですね。
__ 
オーディションというのもありますけどね。ネットの動画とかで充分に伝わればいいんですけどね。
小林 
やっぱり、自分がどういう思いで今の作品に関わっているかとか、好みの話に戻りますけど、自分の趣味や考え方をちゃんと表現してみたらいいんじゃないかなと思いますね。そういう人、少なくないですか。
__ 
そう考えてみれば、あまりいないですね。
小林 
好きな事や思想でもいいですけど、それを通した、その人の感性が分かればいいのかな。
__ 
アピールしたい人自身が持っている批評を通して、問題意識が分かればいいんですよね。
小林 
その人がその作品を通してどう考えたかを読めたら、その人自身への興味は湧くと思うんですね。さらに、その人がどういう人に影響を受けたかというのは、結構大事な情報なんじゃないかと思います。観に行くものを選ぶための。
__ 
文学でもその辺りの情報ははっきりしていますね。それが大きな潮流になっていくんでしょうね。そして、それが裏切られない作品が作られれば。

タグ: 俳優を通して何かを見る 批評から見える人間像


質問 角田行平さんから 小林 みほさんへ

__ 
前回インタビューさせて頂いた、男肉duSoleilメンバーであり映画監督の角田行平さんに質問を頂いて来ております。「効果のある集客方法を教えて下さい。特に映画上映会の。」
小林 
えー、集客・・・?それは私も教えて欲しいくらいです(笑う)。
__ 
こうすればお客さんが来る、近道という意味ならどうでしょうか。
小林 
まず、角田くんが映画を撮っている事をそんなに知っている人が少ないんじゃないかなって。まずそれを知ってもらう事かな。
__ 
映画監督角田行平を認知してもらうと。そういう事ですね。
小林 
私もお客さんを集めるコツ、知りたいです(笑う)。もし分かったら、今度こっそり教えて下さい。

次に行く

__ 
今後、どんな感じで攻めていかれますか?
小林 
KUNIOに関しては、杉原がこの先にやりたい事がはっきりしているので。それをいい形で出して行けたらなと思います。順番とかタイミングがすごく大事なので。いい結果に結びつけるために。もちろん、途中の経過で結果が変わってしまう事もあるので、その時は戦略を考えなおしたり。
__ 
途中でやり方を変える。
小林 
逆に、最初は期待していなかった事が評価が高かったり、結果的に良い物が出来たりする事もあります。その時はすぐに変えます。その為の手札はいつも持っているつもりです。
__ 
柔軟であるために、ですね。そんな手練の小林さんから、若手の制作者達になにかメッセージを頂いても宜しいでしょうか?
小林 
いえいえ、そんなのは(笑う)。私が手伝ったり、付き合いのある人達、例えば突劇金魚の制作の安部さんや悪い芝居の有田さんとかはあの年代にしては極めて優秀だと思うので。燃え尽きないようにしてほしいですね(笑う)。一生懸命やりすぎて、一公演終わると燃え尽きてしまう人が多いので。制作は俳優さんのように、ピークの瞬間はなくて。公演が終わった瞬間でさえ、次につながるものが見えるというのが大事だと思うんです。そうして次の戦略を練る時に、楽しく思える。そういう風にモチベーションを保つ事も大事ですね。
__ 
小林さんは、若手達と同じ時代の先端を一緒に走っている感覚がある。だから、アドバイスは無いという事でしょうか。
小林 
おお・・・(笑う)。そう仰って頂けると。
突劇金魚
関西学院大学の演劇グループSomethingの99年度生(OG)、サリngROCKを中心に結成。2008年12月に蔵本真見が入団。2012年4月に个寺ギンと山田まさゆきが入団。現在6名で活動中。独特な関西弁のセリフまわしで、他にはない世界をつくる。不器用な登場人物たちのチョット毒あるお話を、派手目の極彩色でイロドる世界観。音で刺激。見た目で刺激。プププと笑って、チクッと刺される新感覚。2008年「愛情マニア」で第15回OMS戯曲賞大賞。2009年「金色カノジョに桃の虫」で第9回AAF戯曲賞優秀賞。2010年夏には渡辺えりユニットえりすぐりに関西女流作家の1人として脚本を提供している。(公式サイトより)
悪い芝居
2004年12月24日、旗揚げ。メンバー11名。京都を拠点に、東京・大阪と活動の幅を広げつつある若手劇団。ぼんやりとした鬱憤から始まる発想を、刺激的に勢いよく噴出し、それでいてポップに仕立て上げる中毒性の高い作品を発表している。誤解されやすい団体名の由来は、『悪いけど、芝居させてください。の略』と、とても謙遜している。(公式サイトより)

タグ: 一生懸命を描く 今後の攻め方


IT SHAKES HANDSのランチョンマット

__ 
今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントを持って参りました。
小林 
ありがとうございます。何だろう。(開ける)おおー。
__ 
ランチョンマットです。
小林 
ありがとうございます。ちょっと広めですね。夏は冷たいグラスに水滴がつくのが嫌なので、ありがたいです。


新作「うどんとカメラがポニーテール」

__ 
今日は男肉duSoleilのメンバーであり、映画団体「22172PROJECT」の代表でもある角田さんにお話を伺えます。どうぞ、宜しくお願い致します。角田さんは、最近はいかがでしょうか。
角田 
宜しくお願いします。今日は僕の新作「うどんとカメラがポニーテール」の上演会が中崎町の天劇キネマトロンでありまして。脚本が池浦さだ夢団長・主演が男肉duSoleilの陰核なので、かなり男肉の色が強い作品です。あとは男肉の公演「団長のビバリーヒルズコップ」の稽古も始まっています。3都市のツアー公演で、その稽古にも参加中です。
__ 
お忙しいですね。頑張って下さいませ。ではまず、角田さんは、一体どういうところから芝居や映画を始められたのでしょうか。
角田 
近畿大学の舞台芸術コースからです。本当は立命館大学の経済学部に行きたかったんですけど、一浪してそこしか受からなかったんです。受かってからは演劇の勉強をしに、下北沢に行って芝居を見ていました。
__ 
なるほど。
角田 
そこで若手演出家コンクールにたまたま立ち会えて。演劇って面白いなあと興味を持ったんです。大学の授業で舞台に立つ前に、外の団体で舞台に立ってみようという事で男肉duSoleilに入りました。映画の方は、昔から好きだったんです。子供の頃から、普通よりは沢山みているんですね。大学でもチーズfilmにお世話になりました。
男肉 du Soleil
2005年、近畿大学にて碓井節子(うすいせつこ)に師事し、ダンスを学んでいた学生が集まり結成。J-POP、ヒップホップ、レゲエ、漫画、アニメ、ゲームなど、さまざまなポップカルチャーの知識を確信犯的に悪用するという方法論のもと、唯一無二のダンスパフォーマンスを繰り広げている。
22172PROJECT
映画制作団体。代表は角田行平。


恋愛

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あれを拝見して思ったのですが、男の性欲青春モノなのに、救いがないのが珍しいなと。バッドエンドでも、少し成長するとか恋愛を笑うとか、そういう陽性を帯びるのがセオリーだと思っていたんですが、全然ない。むしろ、恋愛に対する怨嗟が感じられて。望んでも何も手に入れられない、全ての弱い人間のための物語なんじゃないかなと。
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タグ: バッドエンド 映画の話題 優しい嘘 ハッピーエンドについての考え方 性欲 恋愛至上主義


沢山のお客さんに見てもらわないと

__ 
角田さんが男肉の舞台に出て踊っている姿を観るのが好きです。以前の長編「ミートコンプレックス1928」で、角田さんの金太郎姿が目に焼き付いています。他に、「CRAZY GONNA CRAZY」で角田さんを中心に全員が回るダンス。意味不明なんですけど、とにかく衝撃的な光景だと思うんです。
角田 
嬉しいですが、分かって下さる方はあまりいないですね・・・。でも、twitterの感想で「今回の男肉は攻めてた」と書いて下さった時はすごく嬉しいです。
__ 
でも、分からないというお客さんも当然いる。私が男肉を気に入り過ぎているからか、その事実がどうしても受け入れられない部分がありますね。
角田 
僕らの場合は多いんじゃないでしょうか。なぜか女性のお客さんが多いのですが、男性はちょっとそっぽを向いてしまうような。「ただ単に汗だくで一生懸命で踊ってるだけちゃうんか」と言われれば、まあその通りなんですけど・・・。
__ 
見に来て欲しいお客さんにこそ訴えたい。だからこそ、男肉のチラシの趣味性は素晴らしいと思います。団長が雪山の中に住んでいるチラシとか、素晴らしいじゃないですか。
角田 
あれは可愛かったですね。
__ 
そして今は、それほどお客さんを限るチラシではない。
角田 
団員の中でも意見の別れるところで、僕は沢山のお客さんに見てもらわないと、と思っています。楽しませる自信はあるんで。
__ 
なるほど。では、最近の男肉が前後にダンスを持って行っているのは、お客さんを楽しませる方向を重視しているのかもしれないですね。

タグ: 役者の汗を見せる ちゃんと楽しませる 一生懸命を描く ウェブ上の感想 私の劇団について


質問 江坂 一平さんから 角田 行平さんへ

__ 
前回インタビューさせて頂きました、江坂一平さんから質問です。「自分の身体の部位で、一番自信があるのはどこですか?」
角田 
そうですね、僕は色んな意味でお腹ですね。他の団員より(団長には負けますが)僕の腹に優っている人間はいないんじゃないでしょうか。
__ 
別の劇団の人と、その事で話した事はあります。あの面々にあって、なぜ一人太っているのかと。人一倍踊っているのに。
角田 
そうなんですよね、僕結構踊ってるんですよ(笑う)。

タグ: 俳優同士の闘争心


あばうとあがーる

__ 
映画監督としての角田さんについて。まず伺いたいのですが、これはという映画はありますか?
角田 
「スタンド・バイ・ミー」ですね。少年の純粋な好奇心とか。二十歳を越えてからは、ほろっと泣けてしまったり。僕もいつか、こういう作品に関わってみたいなと。
__ 
なるほど。「あばうとあがーる」なんですが、後半のシーン割がとても良かったんです。
角田 
ありがとうございます。
__ 
カットが終わって、想像をかき立てて、ラストに向かっていく。
角田 
そのあたりは気を遣いました。余韻が残るように作りました。
__ 
「スタンド・バイ・ミー」もそういう感覚があるんですよね。分かりやすくて、手応えがある。
角田 
僕は、基本的には単純なテーマが分かりやすく伝わる映画を取りたいと常に思っています。複雑な感情を描いていても、それを難しい表現にしたくはないんです。なるべく簡単なもので見せられるようになりたいです。
__ 
難しいやり方には
角田 
例えばセリフとかでもそうですね。高校生を選んだのはそういう理由もあります。あの年代は、好きな相手に少ない語彙で選んで選んで分かりやすく伝えようというもどかしさもあるんじゃないか。難しい言葉を選ばないで。
__ 
最近観た個展で、高校生の少女と教師が畳の部屋でひたすらセックスをするみたいな展示があって。やはり、性が中心に来るシンプルな世界観なんですね。
角田 
そうですね。歌とかもそういうのが好きです。難しいものが嫌いではないですけど苦手なんですね。ドラえもんとか好きです。大人も子供も楽しめて、どこかにポロっと大切な言葉が書いてあるみたいな。

タグ: 映画の話題 二十歳のわたし


男肉しか知らない

__ 
今後、どんな感じで攻めていかれますか?
角田 
映画の方は、次は短編を撮りたいです。やりたいものは何本かあるので、15分ほどのものを撮ってみて、お客さんに見せて反応を見たいですね。映画は演劇と違ってDVDがあればどこでも上映できるので、ちょこちょこ色んなところで活動していきたいですね。
__ 
頑張って下さい。
角田 
演劇の方は、男肉の方でもう少し忙しくなっていくと思います。あと、僕は一回も客演をしたことがないので。他の現場でどういう事をやっているのか、少し興味が出てきて。演劇に関しては男肉の事しか知らなすぎるという状態なので。そういう機会があればいいなと思っています。

タグ: 今後の攻め方


チェックのトランクス

__ 
今日はお話を伺えたお礼に、プレゼントを持って参りました。
角田 
ありがとうございます。開けていいですか?
__ 
もちろんです。
角田 
(開ける)あ、パンツですね。中々買わないので、嬉しいです。勝負下着として使います。
__ 
良かったです。角田さんの事を思いっきりイメージして選びました。

タグ: 下着の色


空へ

__ 
今日はみんなが気になっていた、の江坂一平さんにお話を伺えるという事で。大変光栄です。どうぞ、よろしくお願い申し上げます。江坂さんは、最近はいかがですか?
江坂 
男肉以外の事はあまりしていないですね。イギリスに留学しようと思っていて、今は英語の勉強をしています。
__ 
うまくいくといいですね。
江坂 
いい歳なんで、今の内に行ければいいなと。
2005年、近畿大学にて碓井節子(うすいせつこ)に師事し、ダンスを学んでいた学生が集まり結成。J-POP、ヒップホップ、レゲエ、漫画、アニメ、ゲームなど、さまざまなポップカルチャーの知識を確信犯的に悪用するという方法論のもと、唯一無二のダンスパフォーマンスを繰り広げている。

本番には表れない部分

__ 
江坂さんは、あの男肉のメンバーにあって一人だけ際立ってダンスがうまいという立ち位置にいますが、その辺りについてはどのような。みんな気になっていたと思うんですよ。
江坂 
いえいえ(笑う)確かに技術だけはあるかもしれませんけど、あの中にあって面白さという意味ではみんなと一緒のところから始まってると思いますけどね。パッと見て、たとえば小石なんかの踊りは見応えあるし、たすくは二枚目だし、下手くそな奴はいるしで。
__ 
飽きないですよね。その中で、ダンスの一角で確実に見せるポイントを持っていく江坂さんがいいなと思うんですよね。得難いキャラクターだと。
江坂 
いやいやいや(笑う)気になる人や、ダンスをやっているお客さんは注目してくれるみたいでありがたいです。
__ 
SUMMER ONIC 2012では、ポールダンスを披露されてましたね。
江坂 
はい。mecavさんに習って。二日間の付け焼き刃でしたけど。本番中にポールが汗で濡れてしまう事が分かって止められてたんですけどね。勢いでチェンと一緒に(笑う)。
__ 
まず基本的なところなんですが、江坂さんはなぜ「先輩」と呼ばれているのでしょうか。
江坂 
あいつらの一年上なんですよ。
__ 
あ、それだけなんですね。
江坂 
他に年上もいないので。
__ 
先輩として後輩たちを見る事はありますか?
江坂 
いつもそうですね。僕自身の仕事の半分は稽古場で終わってるんです。演者としての立場が半分、一個上としての立場が半分。そういう役回りは大切にした方がええんちゃうかなと。自然にですけど、抑えをする人がいるんじゃないかと。
__ 
なるほど。男肉は台本を作らないそうですが、それをまとめるのは難しそうですね。
江坂 
いや、こういう性格ですので直接的にあまり言葉にはしないし、上から何か言う訳じゃないんですけど。本番には表れない部分で、僕が貢献した跡が見えると嬉しいですね。
SUMMER ONIC 2012
公演時期:2012/07/29。会場:元・立誠小学校。

質問 吉田 みるくさんから 江坂 一平さんへ

__ 
前回インタビューさせて頂いた吉田みるくさんから質問を頂いて来ております。「僕と池浦の第一印象はどうでしたか?」
江坂 
第一印象・・・。怖い。体がでかかったので、怯えてました。暴力的な雰囲気を感じたし、稽古場前のベンチでどっかり座ってたんですよ。
__ 
そんな二人と、どういう流れで男肉を作る事になったのでしょうか。
江坂 
いや、出会って直後に踊ったんですよ。それから僕の作品にも出てもらったりして。初めての男肉作品にも出演を依頼されて、太鼓の周りで踊ってたりしました。

タグ: 凶暴な役者


立ち会う

__ 
近畿大学の舞台芸術コースに入られた理由は。
江坂 
僕はバリバリ高校演劇から始めたんです。大学でもっと学ぼうと思って。部活の先生が劇団京芸の代表の娘さんで、テクニックとか全く教えられずに、一時間その役として生きる事に集中しろと言われて。それが今でも、僕の中に続いています。
__ 
なるほど。
江坂 
大学に入ってからは芝居をやってたんですけど、何故か脚本があるという事に違和感を覚え始めたんですよ。どうしても物語に収束してしまうのがどうも違和感があって、「この人がこの時こういう状況になっている事が面白いのに、なんでそこに気づかないのかな」って。その時にダンスに出会いました。お客さんも考えないと見られないし、作品が作品としてだけで成立してくれる。
__ 
ダンスの作品上にある実存に魅力を感じたという事ですね。
江坂 
男の子的発想ですね(笑う)舞台上で駆け引き出来たら面白いなと思ったんです。成立させるために。男肉での演技も、ダンス的に芝居している感覚があります。
__ 
では、男肉に入られたキッカケは。
江坂 
僕が卒業して、男肉の公演も本格的になっていって。メンバーも沢山増えたんですけど、大半が「ここおもんないわ」って辞めていくんですよ。それが、外からみて腹立たしかったんですね。こいつらが面白くないって言っとる奴らがおもんないで、って。それぐらいの時期にダンスの振付をやってほしいと依頼されて、そこから参加し始めました。最初は一時的な、ダンスが自分達で作れるようになるまでというお手伝いとしての参加だったんですけど、そのうちやりがいが出てきて。そのまま入団しました。
__ 
あ、振り付けは池浦団長だけじゃないんですね。
江坂 
物理的に無理な振り付けや、間に合わないフリとか、そういうのは僕が調整してやり方を考えて提示して。芝居も、あいつが持ってくるものはそのままじゃ使えないんですよ。高阪とか小石が、自分達がやりやすいように変えて使えるものにしていく、という。

__ 
男肉の魅力。その時の思いつきなどによって姿を変えるパフォーマンスだという事がこれまでのインタビューで判明していますが。
江坂 
そうですね。実は、僕は大学時代はめっちゃ真面目なダンスを作っていたんですよ。現代に生きる人間の苦悩を題材に。でも、今男肉でやっているダンスも、実は昔のものとそれほど差がないと思うんですね。結局。
__ 
差がない?
江坂 
今自分がこの時点でここに生きていて、それでダンスを見せていること。僕は鍛えた体で見せるけど、男肉の中には下手クソのまま見せる奴がいる。ぜんぜん違うんですけど、それで面白いんです。僕はダンスを教えるつもりはないんですよ。身体を鍛える事で突破出来る。突破の仕方で見せてくれって。持ち物がバラバラなあのメンバーで(中には引きこもりもいるんです)、それぞれの突破の仕方がある。
__ 
男肉のダンスの面白さは、まずそこにあるのかもしれない。
江坂 
見てたらやっぱり魅力はあるし、鍛えた身体と同じくらい面白い。変化球だけど強い球だと思います。
__ 
逆に、面白くない身体とはどのようなものだと思われますか?
江坂 
そうですね、出来ないのに誰かの真似をしているとかですね。それは価値観として存在しない。本当にテクニックのある人は、ただ単にテクニックを持つ人の事ではないんです。嘘臭い、借りてきた価値観ではあかんと思います。ただ男肉もものすごい変化球なので、あかんという人もいるとそれは思うんですが。

タグ: ひきこもり


ハア?

__ 
男肉の舞台はまるでテーマパークのアトラクションのようで、たとえば主人公達とインターネットの世界を旅したり、タイムスリップしたりする。お芝居を見たことのない人に見てもらいたい気はしますね。
江坂 
「ハア?」って言われるのが一番いいとよく言ってますけどね。
__ 
呆れられるぐらいのね。でも、どこかから借りてきた芝居よりかは全然いいんじゃないかなと思うんですけどね。自分達で発見していない価値観で作ったモノなんて、すぐ分かりますから。
江坂 
ネタとして、わざとニセモノを見せるという事もありますけどね。
__ 
とはいえ、偉そうな言い方ですが、昔そうだった劇団が5年ほど経って非常に良い演技をするという事もあります。劇団が成長するのはいいですね。
江坂 
そうじゃなければやってる意味、無いですからね。

タグ: ポカーンとなった観客