舞台だからこその

__ 
次回公演「夏の残骸」。キンギョの人々vol.2「蛇口からアイスクリーム」を拝見出来まして。面白かったです。隣人の女の子を迷惑がるという。ご自身にとっては、どのような作品でしょうか。
个寺 
僕の役が、傍観者というか、真横でいろいろ事件が起こっているんですけど、そこには入っていかずに対比としてそこにいる。みたいな。でも最後には、ちょっと失礼みたいな(笑)
__ 
そう、个寺さんがあの部屋に入る事によって、あの部屋に別の解釈が加わるという流れだったかと思います。そういう意味では、今まで個人史と未来への旅立ちという突劇金魚作品に新しいやり方が加わったという感じなのかな。
个寺 
うーん。実は、「巨大シアワセ獣のホネ」は登場人物のそれぞれからの視点があって、だからじゃないですけど、何回も見て楽しむ作品だと思います。僕は、突劇金魚の「愛情マニア」からほぼ全部の作品を見ているのですが、共通して言えるのは、舞台だからこそ面白い事が出来ている劇団なんじゃないかなと思ったんです。世界観が良かったっすね(笑)
__ 
作・演出家のサリngROCKの世界観ですね。
个寺 
その世界を一緒に盛り上げようみたいな。
__ 
舞台でしか出来ない世界観、ですね。私にとっては、突劇金魚の舞台に立っている人は、その世界の中にいるために色々な事に敏感でいなければならないのではないかと思っています。特に、「夏の残骸」の个寺さんが演じる隣人は、真横で、起こる出来事にきづかない、ある意味で鈍感な人間を敏感に貫かないといけないから。
キンギョの人々vol.2「蛇口からアイスクリーム」
公演時期:2012/7/2~4。会場:in→dependent theatre 1st。
突劇金魚 第13回公演「夏の残骸」
公演時期:2012/10/12~15。会場:AI・HALL(伊丹市立演劇ホール)。

質問 サリngROCKさんから 个寺 ギンさんへ

__ 
前回インタビューさせて頂きました、サリngROCKさんから質問を頂いてきております。「普段、どんな生活を送っているんですか?」
个寺 
普段。そうですね、なにもないときは、映画とかコントを家でよく見ています。あとはゲームなんですけど、「戦場のヴァルキュリア?」というソフトが面白くて息抜きに結構たまにやったり。
__ 
なるほど、映画はどんな?
个寺 
松本仁志の映画なんかは、見たこと無い感があって面白いと思いますね。松本仁志が好きなのかもしれませんけど(笑)蒼井優主演の「百万円とニガムシ女」が面白かったです。コントは、東京03とバナナマンが、好き、あと、おぎやはぎかな。

着実に

__ 
今までの目標とこれからの目標を教えてください。
个寺 
今までは、何となく上昇していこうという気持ちがあったんですけど。今は一個一個着実に登っていかないとなと思っています。
__ 
なるほど。
个寺 
あと、21歳くらいのときに、情熱大陸に宮藤カンクロウが出て、女性に軽くハグとか、握手しながら歩く姿はカッコイイなーと。

生姜緑茶

__ 
今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントを持って参りました。
个寺 
ありがとうございます。
__ 
どうぞ。
个寺 
(開ける)おお。生姜緑茶。
__ 
美味しいですよ。もうじき冷える季節になりますので、ぜひ。


自分の何かを意識的に考えて

__ 
今日はどうぞ、宜しくお願い致します。サリngさんは最近はどんな感じでしょうか。
サリ 
突劇金魚が、今年の7月に本格的に始動し始めました。今稽古しているのは本公演という事で、久しぶりに作・演出・出演なんです。今さらなんですけど・・・やっと、自分の何かを意識的に考えて作っている感じですかね。
__ 
ありがとうございます。どういう事でしょうか。
サリ 
今までは、やりたい事があってもそのやり方とかの目星を付けずに、漠然と違うんじゃないかと思うところをただただ削ぎ落とすみたいな事をしていて。これがやりたくて、だからこの方法を取るみたいなのをしていなかったと今、思うんです。今は、これがやってみたいから必然的にこれをやる、という方法に変わった気がしますね。金魚自体が。
__ 
構成と手法。
サリ 
普通はそうなんでしょうけどね。若くて、作るという事がどういう事か分かって無かったんでしょうね。いや頑張ってたんですけどね。
__ 
サリngさんが、いまはそこにいるという事だと思いますよ。段階じゃなくて。上とか下とかじゃなくて。
サリ 
はい。いや、でも今でも分かってるかどうかわかりませんけどね。
突劇金魚
関西学院大学の演劇グループSomethingの99年度生(OG)、サリngROCKを中心に結成。2008年12月に蔵本真見が入団。2012年4月に个寺ギンと山田まさゆきが入団。現在6名で活動中。独特な関西弁のセリフまわしで、他にはない世界をつくる。不器用な登場人物たちのチョット毒あるお話を、派手目の極彩色でイロドる世界観。音で刺激。見た目で刺激。プププと笑って、チクッと刺される新感覚。2008年「愛情マニア」で第15回OMS戯曲賞大賞。2009年「金色カノジョに桃の虫」で第9回AAF戯曲賞優秀賞。2010年夏には渡辺えりユニットえりすぐりに関西女流作家の1人として脚本を提供している。(公式サイトより)

タグ: 作家の手つき


不器用なおかげで書けたもの

__ 
突劇金魚の7月の短編公演、キンギョの人々vol.2「蛇口からアイスクリーム」。面白かったです。
サリ 
ありがとうございます。
__ 
その内の「夏の残骸」を長編として、伊丹AI・HALLで再演ですね。意気込みを伺えますでしょうか。
サリ 
いつでもそうなんですけど、その都度、今出せる力の全てを出すんですよ。本当に生命力を削ってます。いま、これ以上を求められてももう出来ないでという感じですね。ネガティブな感じで言ったら、これが面白くなくても仕方がないんですというしかなくて。ポジティブに言ったら出し惜しみせず全部注いでます。何でもそうかもしれませんけど、今見てもらわんともう見れないと思いますね。
__ 
エネルギーをつぎ込む。それはどういう事ですか?
サリ 
日頃お金を貰ってやる仕事が全ておざなりになりますね。全部、滞りますね・・・。
__ 
つぎ込まないと作れない?
サリ 
わたしの場合はつぎ込まないと作れないっぽいです。頂いている仕事と劇団の両立が、よりシビアになっていっていると思います。作品作りになると、どうやったら面白くなるかとか、お客さんにどうやって伝えようかとか、稽古でどう俳優に伝えようかとか、演出プランでもそうだし、書き上がった脚本に「もう一つ何か」があるんじゃないかとか、考えるのは当然なんですけど、他のことが全部後回しにしてしまうので、すごく焦ります。後回しにしている他のことをいつやるのか、そっちの〆切どうするのかとか。多分、わたしが不器用なだけなんですけど。そこまで思いつめんでも出来るのかもしれませんけどね。
__ 
サリngさんはご自分の不器用さをどう思っていますか?
サリ 
いや、そのお陰で書けたものがいっぱいあるので。ありがたいといえばありがたいんですけど、自分の浮き沈みが激しくなってしまうんです。勝手に焦って、いっぱいっぱいになって。すぐしんどくなるから、もう・・・しんどいですよね。人生がしんどいです。どんなに充実していてもすぐしんどくなってしまうのは正直しんどいんですけど、その感性のお陰で書けたものもあるので。まあこうやって、生きていくしかないねんなって思いますね。
__ 
楽な方法を選んだらいいのでは。
サリ 
選べないんですよねー。例えば舞台が決まって、それの練習をしようということになって。今回は楽ちんな方法にしようと思っても、途中で「いやそんな楽をしてはいけない」って思ってしまう。「私程度の力の者がその程度で面白くなれる訳がないやん」って。そっちに行っちゃうんですよね。
__ 
私個人の性向として、全部自分でやろうとするというか、他人に任せるのがめちゃくちゃしんどいというのがあるんですけど。そういうところが、もしかしてサリngさんにもあるのでは。
サリ 
それはありますね。人に頼むのは苦手ですね。申し訳なく思ってしまうので。相手はきっと別に不愉快に思ってなくても、頼む事自体にストレスを感じてしまうので。
キンギョの人々vol.2「蛇口からアイスクリーム」
公演時期:2012/7/2~4。会場:in→dependent theatre 1st。
突劇金魚 第13回公演「夏の残骸」
公演時期:2012/10/12~15。会場:AI・HALL(伊丹市立演劇ホール)。

タグ: 器用さ・不器用さ 他人に任せることの難しさ エネルギーを持つ戯曲 産みの苦しみ ユニークな作品あります


テリトリー

__ 
「夏の残骸」。この作品は、残骸として完結したぼろアパートのゴミだらけの一部屋とその住人が、闖入者によって割り切れない生命を生み出すという、夏らしく発酵したお話だと思うのですが。しかも、最後は何だか爽やかだし。
サリ 
ありがとうございます。
__ 
まず、あの部屋は、サリngさんにとっては何だったのでしょうか。
サリ 
分かりやすいですけど、わたし個人の世界ですかね。自分を守っている(とわたしが勝手に思っている)テリトリーみたいな。
__ 
自分にとって、テリトリーは必要?
サリ 
ある意味必要だと思います。この作品は、テリトリー自体に対する自分の考え方や思いを乗せている気はしますね。「もしかしたら必要じゃないかもしれない」「本当にそこはテリトリーなのか?」とか、疑いも挟んだり。
__ 
なるほど。そのテリトリーは最後には棄てられてしまった訳ですが、まずはあの部屋が残骸になって、どんどんその領域が広がって・・・という、終末感も感じました。ところで、ご自身にとって残骸とは何ですか?
サリ 
うーん。最近考える事があって。あるものに運命的なものを感じるというのが、どうなのかなと。すぐそういう考えに結びつけるような風潮が多いと思うんですけど。例えば秋前に海に行ったとして、どこかの家族が忘れていった浮輪とかに、ドラマチックなものを感じたりするじゃないですか、理由を付けて。勝手に。
__ 
ええ。
サリ 
でも実際はそんな事はないかもしれない。それは、凄く大きな流れの、通り過ぎている内の一個なんですよね。残骸っていって、ちょっと意味ありげなものはあるんですけど。別にそうでもないんじゃないのって。
__ 
浮輪に物語を結びつけて見るべきではないという事?
サリ 
結びつけても全然いいんですけど、勝手に浸るほどのものが無くなってきて・・・どれも別に、大した事じゃないんじゃないかって。もしかしたら、確かに誰かにとっての何かだったけれども、ただそこに置いてあるだけのものかもしれない。
__ 
あるもの、たとえばこの壁の汚れを見た時に、私はそこに因縁を想像してしまうんですけど。それは私の一つの指向として置いといて、でも実存として、その汚れ自身は彼しか持ち得ない歴史とともにある、という認識かな。人間だからしょうがないけど、目先の妄想に振り回されてはいけない。そういう事でしょうか。
サリ 
いけないという事はないですけど。
__ 
残骸から目を背けて生活出来るか。
サリ 
見てもいいし、結びつけた方が空想が広がるからいいんですけど。でも、そういう風に、重要なものを勝手見出して、しかもそれが無いとあかんみたいになり過ぎているような気がして。
__ 
我々は拠り所をめっちゃ探しているんですけど、探しすぎて疲れますからね。
サリ 
解決しようとしすぎているんですかね。因縁を分かって、安心したいだけなんじゃないかって。

タグ: 汚す SeizeTheDay


質問 山田まさゆきさんから サリngROCKさんへ

__ 
先ほどインタビューさせて頂きました、突劇金魚の山田まさゆきさんから質問です。ヘビーな質問です。「劇団の方向性について、どのように考えていますか?」
サリ 
この場でそういう事を聞くんすか(笑う)。そうですね。これ色んなところで言ってるんですけど、基本的には劇団員達がやりたい方向でやりたいなと思っていて。もっと売れたいというのならその方向を探っていくと思うし、でも、どうなりたいかがまだはっきり分かってないんちゃうかなあ。わたしも。決められない感じなんかなと思うので。とりあえずまずは、他では観れない感じになりたいですね。
__ 
作品がね。
サリ 
しかも、それを多くの人が理解出来る方向で行けたらなと思っていますね。
__ 
観た人がね。
サリ 
全く訳が分からなかったという感じで帰っていくんじゃなくて、「とりあえず何か訳は分かった」って思って、確かに他ではこれ見れないな、って気になってもらいたいです。今までは訳分からへんって感じも割と多くて。
__ 
既にそうなっているような気はしますけどね。複雑だけど分かる。でもどこか釈然としない。という作風は突劇金魚ならではだと思います。でも、もっと引っかかりたい。
サリ 
もっと人気にはなりたいのかも。面白いと思ってくれる人を増やしたいですね。

二乗三乗

__ 
劇団員二人が加わりましたが、いかがでしょうか。
サリ 
二人共、しっかり考え方を言う方なので。そういう考え方もあるんやってとか、取り入れようと思ったり。そんな場になっていていいなあって思います。みんな引っかかるところが違うので、一つの場所で集まって一つの作品を作る時に、それぞれの考え方は曲げずに、みんなのアイデアを取り入れて、作品の面白さが二乗三乗になっていったらいいですね。わたしの考えた面白さだけじゃなくて。
__ 
なるほど。
サリ 
何でしょうね。みんなで一生懸命取り組んで、みんなで本気になりたいですね。
__ 
突劇金魚ならではの作り方はありますか?
サリ 
多分いまそれを全員で作りだそうとしているところです。
__ 
上手くいきそうですか?
サリ 
どうでしょうね。でも、成功する見込みはどうあれ、今のメンバーはこうやから、そうするしかないって道を行っていると思います。

タグ: 一生懸命を描く


何で自分はそれを可哀想だと思うのか

__ 
これまでの突劇金魚の作品は、確かに変遷を遂げていると思うんですよ。
サリ 
はい。
__ 
今までの作品では、人間の内面と、そこから見える世界と、新しい地平線に旅立っていくラスト・・・みたいな。それが、夏の残骸は側面からの群像劇に近いなって思うんです。もしそうした変化があるとしたら、それはどのような理由があるのでしょうか。
サリ 
わたしの興味が変わっていったからかもしれないですね。昔は何で自分がこんなに人付き合いに不器用なのかが、生きていく中で頭のほとんどを占めていたんですけど。最近は、何でわたしはその事について考えてしまうんやろうと思ってきていて。残骸を見る時も、昔はそこに可哀想な情景とか物語を想像をしていたと思うんですけど。今は、何で自分はそれを可哀想だと思うのかと疑っていってるような。
__ 
冷静に見れるようになった?
サリ 
そうかもしれないですね。年齢的に大人になっただけかもしれないですね。例えば・・・昔は少女漫画を読んだらそこに描かれている恋愛物語が全て、だったのが、今はその恋愛にはもう少し何か別の要素があるだろうと期待してしまう。そういう自分を認識するようになりました。

タグ: 器用さ・不器用さ 群像劇


突劇金魚∈サリngROCK

__ 
では、今後はどんな感じで攻めていかれますか?
サリ 
まず、突劇金魚の作品が面白いってなりたいですね。まず最初に。
__ 
自分の作品の評価が低い?
サリ 
いや、突劇金魚=サリngROCKと言われるんですよ。それは当たり前なんですけど、イコールじゃないふうになっていきたいですね。だって四人いるし。
__ 
ごく個人的には、あのニワトリ家族の旅突劇金魚の新しい側面だとは思います。
サリ 
ですよね。今のメンバーだから出来た事だなあと思います。

タグ: 今後の攻め方


アイマスク

__ 
今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントを持って参りました。
サリ 
ありがとうございます。ほんまいつもすみません。
__ 
どうぞ。
サリ 
この紙袋しってます。衣装の方にもらったプレゼントがこれに入ってました。モコモコしたガウンとか売ってるお店ですよね。(開ける)アイマスク。
__ 
はい。温冷剤が入れられるタイプです。執筆の合間のご休憩などに。

タグ: プレゼント(衣服・布小物系)


結構大きな変化

__ 
今日は、今年4月に突劇金魚に入団された山田まさゆきさんにお話を伺います。どうぞ、よろしくお願い致します。山田さんは、最近はいかがでしょうか。
山田 
最近。4月から劇団に入ったので、新鮮な感じがありつつ過ごしていますね。
__ 
劇団に入るのは初めてですか?
山田 
初めてです。
__ 
どんな気分がしますか?
山田 
思ってたよりもそんなに何も変わらないですね。もっと拘束されるのかと思ってたので。でも、作品を作る上で、客演という立場では流していたところを、結構突っ込んで話が出来るようになりましたね。それは大きな変化です。話し合って作品の作り方から大幅に変わってきているので、今はそれが次回作品にどう影響するのか楽しみです。
突劇金魚
関西学院大学の演劇グループSomethingの99年度生(OG)、サリngROCKを中心に結成。2008年12月に蔵本真見が入団。2012年4月に个寺ギンと山田まさゆきが入団。現在6名で活動中。独特な関西弁のセリフまわしで、他にはない世界をつくる。不器用な登場人物たちのチョット毒あるお話を、派手目の極彩色でイロドる世界観。音で刺激。見た目で刺激。プププと笑って、チクッと刺される新感覚。2008年「愛情マニア」で第15回OMS戯曲賞大賞。2009年「金色カノジョに桃の虫」で第9回AAF戯曲賞優秀賞。2010年夏には渡辺えりユニットえりすぐりに関西女流作家の1人として脚本を提供している。(公式サイトより)

ミジンコターボ「シニガミと蝋燭」

__ 
ミジンコターボ「死神と蝋燭」。お疲れさまでした。結構メタ的な立ち位置でしたね。
山田 
そうですね。僕の演技スペースは舞台の二階だったんですが、そこから小説家の描く世界を見守るみたいな。メインのスペースで演じてるみんなを誰よりも見るみたいな。
__ 
ご自身としてはどんな経験でしたか。
山田 
何か子供もたくさんいたりして、文化祭を思い出しました。本番中も、袖から片岡百萬両さんと舞台上の役者の気になるところや、舞台袖で起こる事件を見たりして楽しんでました。「あいつ出とちってる!!ちょっと悩んで・・出るのあきらめたー!!」とか。ミジンコターボさんは二人の作演出家さんがいるんです。片岡百萬両さんの作品はコントっぽくてあったかい感じで、竜崎だいちさんの作品は最近はちょっとダークなファンタジーです。今回は竜崎さんでしたね。世界観と、リズムで見せる芝居でした。楽しかったです。
ミジンコターボ
大阪芸術大学文芸学科卒業の竜崎だいちの書き下ろしたオリジナル戯曲作を、関西で数多くの外部出演をこなす片岡百萬両が演出するというスタイルで、現在も関西を中心に精力的に活動中。2011年からは東京公演も行う。現在劇団員は片岡百萬両・竜崎だいち・Sun!!・川端優紀・江本祥・赤松洋樹・中元優那・西野遥子・箕原汐梨の合計9名で構成されています。最終目標は月面公演。(公式サイトより)
ミジンコターボ-10『シニガミと蝋燭』
公演時期:2012/7/27~29。会場:ABCホール。

タグ: 文化祭前夜 ファンタジー


客演では踏み込めないところ

__ 
突劇金魚の7月の短編公演、キンギョの人々vol.2「蛇口からアイスクリーム」面白かったです。その内の一つ、「夏の残骸」に出演されていましたね。この作品、10月に伊丹AI・HALLで長編として上演されるのですが、それも楽しみです。山田さんは謎の男役でしたね。
山田 
ありがとうございます。僕の役も、掘り下げたりすると思います。
__ 
あの部屋の中に割ってはいる役どころでした。では、意気込みを教えて頂けますでしょうか。
山田 
そうですね。劇団員になって稽古の仕方とかも色々話し合えるようになったので、今は新しい方法を試して、変更してを繰り返してます。今まで以上に濃厚な仕上がりになると思います。
__ 
演技の作り方について、最近気になる事があります。表現の程度についてです。昨日、金曜ロードショーで「ソルト」って映画を見たんですけど、そこですごく難しい演技があったんですよ。
山田 
ええ。アンジェリーナ・ジョリーの。
__ 
はい。ロシアの女スパイが潜入先で作った旦那を誘拐されて、それで昔の仲間のアジトに入って、直後に旦那を殺されるんですけど。そこで顔色を変えずに仲間の信用を経る。そうして生まれた油断をついて全員を殺害してアジトを去るんですね。そこで、シーンの最後に旦那の死体を見るんですよ、死体に駆け寄る訳でもなく、昔をちょっと思い出して、でも泣く訳でもない。「やや顔をしかめる」。それだけなんですね。
山田 
はい。
__ 
そこが最大の見せ場だと思うんですが、表現をその程度に留めたのは誰なのか。
山田 
まず、誰が演技プランを考えるのかといわれると、俳優が自分のやりたいことを提示して、それが演出家の想像を越えれば採用になると思うんですが、そうでなければ演出家のプランに流れていくんだと思います。僕の場合は、演出家によって好みもやり方も違うので、やりたいことをやりながら、演出家がどういうアプローチが好みなのか探ります。でもまあ、たいしてできる事もないので、一生懸命やるしかないです。
キンギョの人々vol.2「蛇口からアイスクリーム」
公演時期:2012/7/2~4。会場:in→dependent theatre 1st。
突劇金魚 第13回公演「夏の残骸」
公演時期:2012/10/12~15。会場:AI・HALL(伊丹市立演劇ホール)。

タグ: 泣く観客 一生懸命を描く


質問 飯坂 美鶴妃さんから 山田 まさゆきさんへ

__ 
前回インタビューさせて頂きました、飯坂さんから質問を頂いてきております。「舞台上に立って演技をしているとき、何を考えていますか?」
山田 
基本的には、ぼーっとしているようにしています。
__ 
えっ!? どういう事ですか?
山田 
僕の場合はぼーっとしている方が気付く事が多いんですよ。例えば共演者の衣装とかも、寿司職人の役なのにそんな革靴履いてるんやーとか。自分の反応が良くなるんです。
__ 
反応が良くなる。
山田 
ツッコミどころが見つかったりして、楽しいんですよ。力を抜いて、台本も頭の中で追っかけないし、相手が台詞を飛ばしても気づかないでシーンが終わってるときもありますね。ダメですけど。もちろん、シーンによって違ったりもしますけど。

昔の題材、今の視点

__ 
お芝居を始めたのはどのようなきっかけがあるのでしょうか。
山田 
お芝居をどうやってはじめたらいいのかわからなくて、とりあえず生瀬勝久さんが好きだったので、そとばこまちの公演をAI・HALLにまで見に行ったんです。それが初めて見た小劇場で、その舞台には生瀬さんは退団されていていなかったんですが、ワークショップのチラシが挟み込まれていて、それに参加したのが最初です。そこで、色んな人と知り合ったり、公演を見に行ったり。
__ 
そして現在、突劇金魚に。入団されたのにはどのような理由がありますか?
山田 
劇団って、どうなってるんやろうという興味が最近出てきまして。公演制作の仕組みとか。あと、稽古場が近いのが大きいですね。サリngさんのお祖母さんの家だったそうですが。
__ 
あ、その理由が大きいんですね(笑う)。
山田 
もちろん、サリngさんの作品が好きだというのはありますけどね。以前は個人的な話が多かったのが、最近は普遍的な題材になってきたなあと思います。
__ 
個人的な題材。そういえば、「巨大シアワセ獣のホネ」にしても「ビリビリHAPPY」にしても、最後に主人公が旅立っていくラストだったと思うのですが、それが個人としての自立というテーマにまとまっていっているような印象はあります。
山田 
そうですね。「巨大」の時、ずっと川で生活している女の子が、川の向こうに見えるビルの赤いライトが怪獣に見えて、引き付けられるように行ってみたら特に何も無かった、その繰り返しみたいな。
__ 
「夏の残骸」では個人に迫っていくというよりは、部屋割が明確なアパートメントを舞台にして、そこで割り切れない生命を描くという感覚がありますね。これから、どんな風景が見えるのか楽しみです。
突劇金魚「巨大シアワセ獣のホネ」
公演時期:2011/2/2~7。会場:精華小劇場。
突劇金魚「ビリビリHAPPY」
公演時期:2009/11/25~29(大阪)、2010/2/23~24(東京)。会場:シアトリカル應典院(大阪)、こまばアゴラ劇場(東京)。

タグ: 赤色 「初めて芝居を見たお客さん」


掻き立てられる

__ 
お芝居をやる上で、目標はありましたか。
山田 
昔は、色んな劇団に呼ばれて、自分が客席から見ていた、面白い人たちと一緒に芝居したいと思っていました。今は、自分が頭でイメージした事をちゃん表現出来るようになりたいです。例えば、こういう音で台詞を言いたいんだけど、イメージした音が出なくて悔しい思いをする事があるので。
__ 
今後、どんな感じで攻めていかれますか?
山田 
個人的には脚本を書いたりしてみたいですね。実は去年、イベントで一人芝居の短編を書いて上演した事があります。劇団員としては、メンバーとしてよりよい作品を作っていきたいと思います。
__ 
サリngROCKの作品について、以前ある人と話していたんですが、未完成ではなく不完成な作品だと言えると。それはそうかもなと思うところがあって、それが非常に魅力なんですよね。
山田 
ええ。
__ 
そのような作品を一緒に作っていくのであれば、所与の要素を意識的に表現しないという離れ業をしないといけないと考えています。しかもそれは、直接的には面白味には繋がらないにも関わらず。だからこそ、いつもは置き去りにするようなところをスルー出来ない部分ばかりになる。
山田 
そうですね。さっきの映画の話でもあるんですよね。どこで足してどこで引いてという。さっきの「ソルト」で思い出したんですが「悪人」という映画でも、榎本明が娘の死体を確認する時に、全く表情を変えないというシーンがありましたね。そういうのいいですねぇ。
__ 
何でそんな演技が成立するんだろう。
山田 
やっぱり、見ている人の想像力が掻き立てられるんでしょうね。役の人物の心情が、悲しいとかショックとかお客さんは分かっているので。そこで表情が変わらないのを見ると、共感が裏切られて、なんで?、って思うのかもしれません。泣かれたら、まあそうやろうなと終わるところを。
__ 
きっと、突劇金魚の公演では、それが複雑に折り重なったものが見えるのかもしれない。
山田 
分からないまま終わるかもしれませんけどね(笑う)。

タグ: 今後の攻め方


前田知洋魔法の扉mini

__ 
今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントを持って参りました。
山田 
あ、ありがとうございます。
__ 
どうぞ。
山田 
え、すごいですねこれ。マジックですか?
__ 
ちょっと小さいトランプですが、普通に使えるものです。マジックのガイダンス本がついています。
山田 
帰ってやってみます。


KUNIO「更地」

__ 
今日はどうぞ、宜しくお願い致します。武田さんは、最近はいかがでしょうか?
武田 
最近は、KUNIOの稽古とマレビトの会の稽古に参加しております。並行して沢山の作品に関わるのが難しくて。両方セリフを覚えたりするのが得意な方ではないので、でも、どちらにも関わりたいので。ジレンマが。
__ 
一つに没頭し切れないという。
魚灯
関西で活動している劇団。(詳しくは公式ブログ。)
KUNIO
杉原邦生が既存の戯曲を中心に様々な演劇作品を演出する場として、2004年に立ち上げる。俳優・スタッフ共に固定メンバーを持たない、プロデュース公演形式のスタイルで活動する。最近では、杉原が2年間務めた“こまばアゴラ劇場”のサミットディレクターの集大成として、初めて既存戯曲を使用せず構成から杉原自身が手がけた、KUNIO07『文化祭』や、上演時間が約8時間半にも及ぶ大作『エンジェルス・イン・アメリカ』を一部、二部を通して上演するなど、その演出力により戯曲はもちろん、劇場空間自体に新しい風を吹き込むことで、作品を生み出している。(公式サイトより)
【KYOTO EXPERIMENT 2012 公式プログラム】 杉原邦生/KUNIO KUNIO10『更地』
公演時期:2011/9/27~30。会場:元・立誠小学校 講堂。
マレビトの会
2003年、舞台芸術の可能性を模索する集団として設立。代表の松田正隆の作・演出により、2004年5月に第一回公演『島式振動器官』を上演する。2007年に発表した『クリプトグラフ』では、カイロ・北京・上海を巡演するなど、その活動は海外にも広がる。非日常の世界を構想しながらも、今日におけるリアルとは何かを思考し、京都を作品製作の拠点として創作を続ける。主な作品に、『島式振動器官』『クリプトグラフ』『声紋都市ー父への手紙』『PARK CITY』『都市日記 maizuru』などがある。(公式サイトより)