昔の題材、今の視点

__ 
お芝居を始めたのはどのようなきっかけがあるのでしょうか。
山田 
お芝居をどうやってはじめたらいいのかわからなくて、とりあえず生瀬勝久さんが好きだったので、そとばこまちの公演をAI・HALLにまで見に行ったんです。それが初めて見た小劇場で、その舞台には生瀬さんは退団されていていなかったんですが、ワークショップのチラシが挟み込まれていて、それに参加したのが最初です。そこで、色んな人と知り合ったり、公演を見に行ったり。
__ 
そして現在、突劇金魚に。入団されたのにはどのような理由がありますか?
山田 
劇団って、どうなってるんやろうという興味が最近出てきまして。公演制作の仕組みとか。あと、稽古場が近いのが大きいですね。サリngさんのお祖母さんの家だったそうですが。
__ 
あ、その理由が大きいんですね(笑う)。
山田 
もちろん、サリngさんの作品が好きだというのはありますけどね。以前は個人的な話が多かったのが、最近は普遍的な題材になってきたなあと思います。
__ 
個人的な題材。そういえば、「巨大シアワセ獣のホネ」にしても「ビリビリHAPPY」にしても、最後に主人公が旅立っていくラストだったと思うのですが、それが個人としての自立というテーマにまとまっていっているような印象はあります。
山田 
そうですね。「巨大」の時、ずっと川で生活している女の子が、川の向こうに見えるビルの赤いライトが怪獣に見えて、引き付けられるように行ってみたら特に何も無かった、その繰り返しみたいな。
__ 
「夏の残骸」では個人に迫っていくというよりは、部屋割が明確なアパートメントを舞台にして、そこで割り切れない生命を描くという感覚がありますね。これから、どんな風景が見えるのか楽しみです。
突劇金魚「巨大シアワセ獣のホネ」
公演時期:2011/2/2~7。会場:精華小劇場。
突劇金魚「ビリビリHAPPY」
公演時期:2009/11/25~29(大阪)、2010/2/23~24(東京)。会場:シアトリカル應典院(大阪)、こまばアゴラ劇場(東京)。

タグ: 赤色 「初めて芝居を見たお客さん」


掻き立てられる

__ 
お芝居をやる上で、目標はありましたか。
山田 
昔は、色んな劇団に呼ばれて、自分が客席から見ていた、面白い人たちと一緒に芝居したいと思っていました。今は、自分が頭でイメージした事をちゃん表現出来るようになりたいです。例えば、こういう音で台詞を言いたいんだけど、イメージした音が出なくて悔しい思いをする事があるので。
__ 
今後、どんな感じで攻めていかれますか?
山田 
個人的には脚本を書いたりしてみたいですね。実は去年、イベントで一人芝居の短編を書いて上演した事があります。劇団員としては、メンバーとしてよりよい作品を作っていきたいと思います。
__ 
サリngROCKの作品について、以前ある人と話していたんですが、未完成ではなく不完成な作品だと言えると。それはそうかもなと思うところがあって、それが非常に魅力なんですよね。
山田 
ええ。
__ 
そのような作品を一緒に作っていくのであれば、所与の要素を意識的に表現しないという離れ業をしないといけないと考えています。しかもそれは、直接的には面白味には繋がらないにも関わらず。だからこそ、いつもは置き去りにするようなところをスルー出来ない部分ばかりになる。
山田 
そうですね。さっきの映画の話でもあるんですよね。どこで足してどこで引いてという。さっきの「ソルト」で思い出したんですが「悪人」という映画でも、榎本明が娘の死体を確認する時に、全く表情を変えないというシーンがありましたね。そういうのいいですねぇ。
__ 
何でそんな演技が成立するんだろう。
山田 
やっぱり、見ている人の想像力が掻き立てられるんでしょうね。役の人物の心情が、悲しいとかショックとかお客さんは分かっているので。そこで表情が変わらないのを見ると、共感が裏切られて、なんで?、って思うのかもしれません。泣かれたら、まあそうやろうなと終わるところを。
__ 
きっと、突劇金魚の公演では、それが複雑に折り重なったものが見えるのかもしれない。
山田 
分からないまま終わるかもしれませんけどね(笑う)。

タグ: 今後の攻め方


前田知洋魔法の扉mini

__ 
今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントを持って参りました。
山田 
あ、ありがとうございます。
__ 
どうぞ。
山田 
え、すごいですねこれ。マジックですか?
__ 
ちょっと小さいトランプですが、普通に使えるものです。マジックのガイダンス本がついています。
山田 
帰ってやってみます。


KUNIO「更地」

__ 
今日はどうぞ、宜しくお願い致します。武田さんは、最近はいかがでしょうか?
武田 
最近は、KUNIOの稽古とマレビトの会の稽古に参加しております。並行して沢山の作品に関わるのが難しくて。両方セリフを覚えたりするのが得意な方ではないので、でも、どちらにも関わりたいので。ジレンマが。
__ 
一つに没頭し切れないという。
魚灯
関西で活動している劇団。(詳しくは公式ブログ。)
KUNIO
杉原邦生が既存の戯曲を中心に様々な演劇作品を演出する場として、2004年に立ち上げる。俳優・スタッフ共に固定メンバーを持たない、プロデュース公演形式のスタイルで活動する。最近では、杉原が2年間務めた“こまばアゴラ劇場”のサミットディレクターの集大成として、初めて既存戯曲を使用せず構成から杉原自身が手がけた、KUNIO07『文化祭』や、上演時間が約8時間半にも及ぶ大作『エンジェルス・イン・アメリカ』を一部、二部を通して上演するなど、その演出力により戯曲はもちろん、劇場空間自体に新しい風を吹き込むことで、作品を生み出している。(公式サイトより)
【KYOTO EXPERIMENT 2012 公式プログラム】 杉原邦生/KUNIO KUNIO10『更地』
公演時期:2011/9/27~30。会場:元・立誠小学校 講堂。
マレビトの会
2003年、舞台芸術の可能性を模索する集団として設立。代表の松田正隆の作・演出により、2004年5月に第一回公演『島式振動器官』を上演する。2007年に発表した『クリプトグラフ』では、カイロ・北京・上海を巡演するなど、その活動は海外にも広がる。非日常の世界を構想しながらも、今日におけるリアルとは何かを思考し、京都を作品製作の拠点として創作を続ける。主な作品に、『島式振動器官』『クリプトグラフ』『声紋都市ー父への手紙』『PARK CITY』『都市日記 maizuru』などがある。(公式サイトより)

マレビトの会 「アンティゴネーへの旅の記録とその上演」

武田 
一つの作品でいっぱいになれて、純粋に一つの作品だけを考えられたらいいんですけど。(どちらか一方のお稽古なり本番なりを行っている時)片方をほったらかしてしまっているような罪悪感が・・・。
__ 
マレビトの会。もう始まっているんですよね。
武田 
そうですね。8月から始まっているんですが、ネット上と路上で公演していて。ブログやtwitterで更新して、お客さんがそれを読みつないで物語を構築していくんですね。登場人物は、福島で盲目のひとりのお客さんの為に【アンティゴネー】という作品を上演したいと言う演出家とその劇団のメンバー。その劇団員のひとりに一目ぼれして、自分の書いた【アンティゴネー】を上演してほしいと願う青年、東京の恋人たちとその同僚など。彼らのブログに、例えばミーティングの日時と場所(=上演がある時間)が紹介されていて、そこにお客さんも行ってそれを見るとか。私も、始発の電車から降りてくる恋人を待つという路上の公演を行いました。
__ 
面白そうですね。どのような公演だったのでしょうか。
武田 
高円寺で。他の女の人と一緒に電車から降りてきた彼氏を見て、絶叫するという。
__ 
へえー!よく捕まりませんでしたね。
武田 
一応、お話は通してあって。一般の何も知らない人もいる中で。スタッフさんも側にいて何もならないようにして下さったんです。お客さんが側まで来て、私の演技(台詞など)を観察して公演だって確信したり(上演テキスト(台詞など)は事前にサイトにアップされている)。そういう様子も伝わって来ます。事前にテキストなどをチェックしていない人は近付かなければ声も聞こえないわけですから、何が何だかわからないシーンもあるでしょうが。
__ 
ありがとうございます。私もチェックしたいと思います。
武田 
私はブログは書いてないんですけど、他の人達凄いんですよね。もちろん登場人物たちの名前で書いているんですが、視点が凄い、俳優で作家で演出家であるかのうような文章なんですよ。こんな人いるよね、って思うぐらい。
マレビトの会 「アンティゴネーへの旅の記録とその上演」
公演時期:2012/8~。会場:インターネット上・日本各所。

タグ: 路上パフォーマンス


演じること、関係性

__ 
KUNIO「更地」もうじきですね。いかがでしょうか。
武田 
時間が欲しいですね・・・!邦生くんはいつも忙しくて、いろんなお仕事をする中、出演者の多い作品も仕上げているので、二人芝居と言うのもあって、今予定してるお稽古時間で充分仕上がると思っていると思うんですが、私は時間が欲しいなと。
__ 
というと。
武田 
「更地」には戯曲として、確固としたものがある作品なんですが、邦生くんは、元々初老の夫婦の設定で書かれてあることもあり、出演者の見栄えに無理もあるし、設定そのままのテンポや出力方法にしたくないと。太田省吾さんの作品を大切にしながら、そこを離れてKUNIO式にしたいと。そこが難しいですね。一応、作品としてはポップカルチャーにしたいんですが・・・。
__ 
なるほど。
武田 
私がポップではないので、どうかなあ?って。時間がもっと要るんじゃないかしらん。とにかく元気に行かなきゃなと。相手役の大窪君もとにかく若いので、老夫婦の会話にどれだけ新しい解釈を与えられるか、を探って行きたいです。夫婦役として、お互いに頼り合うような関係性を作れたら。
__ 
期待しております。
武田 
『更地』は太田さんが私の卒業した大学の先生であったこともあり、いつもより、同じ学科卒の人からも気にかけてもらえています。また、杉原邦生くん演出の評判が良いのか、東京から青年団の友達とかからも稽古場に見学に行っても良いか?と言われて驚いています。
__ 
関係性。大切ですよね。KUNIOの「エンジェルス・イン・アメリカ」の時も、共演者同士の関係性がかなり重視されていたように思います。「更地」でも、そうした親密な関係になるのにハードルがあるのかなと。
武田 
そういう事を考えると、掛け合いの時以外の空気が必要なんですよね。テキストは一切変えないので。二人の歴史を感じさせるような関係を成立させないと、落ちてこないセリフが結構あるんです。邦生くんも含め、3人の間で最初からどこか理解し合えていない部分があって。例えば私だけ古風な戯曲の読み方をして、暗いとか思われたり(その場はアハハってヘラヘラしてましたけど、へこんでました)。
__ 
なるほど。
武田 
出演者の方は、俳優同士がどうであれ、本の中の役割がどうであれ、その役になれれば関係性が保てるところはある。でも、邦生くんの作り方は、本はテキストで、作家の世界で邦生くんが好きな部分・中心軸を残して、他はちょっと若者にも見やすく崩しちゃおうぜというスタンスなんじゃないかなと。今のところ勝手にそう解釈しています。
KUNIO09『エンジェルス・イン・アメリカ』
公演時期:2011/9/23~25(京都)。2011/10/20~23(東京)。会場:京都芸術センター講堂(京都)。自由学園明日館講堂(東京)。

タグ: ヘラヘラ笑う俳優


感覚が広がって・・・

__ 
武田さんは京都の劇団、魚灯のメンバーなんですよね。
武田 
はい。
__ 
私、魚灯の作品を見るのは結構怖いんですよ。
武田 
あら。
__ 
モノローグなんて一つも出てこないのに、会話シーンだけなのに、いつの間にか人間の深部を覗き込むような気分になっているんです。つまり、自分の奥底を見ているような。
武田 
そう仰って頂けると嬉しいです。例えば、最新の作品の「着座するコブ」。
__ 
あれは面白かったです。後半の、世界の解釈が変容する感じがいいですね。
武田 
そうですね。山岡としては珍しい、お芝居だから出来る展開だったと思います。作家、演出家としての山岡は本当に厳しいんですよ(笑う)。自分の作品にずっと不信感を抱きながら、本番まで諦めずに改訂をし続けるんです。私にしても、安易な、自分の範囲内で作った芝居(演技)は必ず見破られるんです。
__ 
なるほど。
武田 
魚灯は山岡の作演出なので。出来上がらない状態だったらそのシーンはカットするぐらいストイックです。毎回すごくしんどくて、ハードルが高くて。終盤乗り越えられなかったり間に合わなかったり・・・でも、公演ごとに自分の領域を広げてくれる環境でした。他のメンバーも向上心のある先輩だったんです。背中を追いかけるじゃないですけど、特訓してもらったり。
__ 
武田さんは、俳優として今までどのような目標を持っておられましたか?
武田 
今もなんですけど、色々なジャンルのお芝居に出られるような俳優でありたいと思っていました。やっぱり色々な経験を持たないと、幅は広がらないって。私、演出家さんが「これをやってみて」と言われないと、初めからあえて極端な事はしないんですね。演出家が強烈なイメージを持っていて、例えば「断末魔を上げて」「踊って」「狂って」とかイメージとともに言われると、感覚が広がって極端な事も想像範囲内になる。
__ 
なるほど。
武田 
たくさん現場を経験させて頂いて。松田正隆さんのように信頼出来る演出家の方にも出会う事が出来ました。

質問 小林みほさんから 武田 暁さんへ

__ 
前回インタビューさせて頂きました、小林みほさんから質問を頂いてきております。「稽古は楽しいですか?」
武田 
はい。楽しいです。
__ 
「他の現場とどう違いますか?」
武田 
若い演出家の人とやるのが久しぶりなんですよね。だいぶ上の年代の人とやっていたので、経験の絶対量が多いし、自分の世界を持っているんですね。邦生くんにもそれを期待させてもらっています。邦生くん、知らない世界にどんどん飛び込んで行くタイプなんです。今のところは、リズムを最重視してる感じがあるなと思っています。絵やテキストよりも、リズムを。
__ 
そうしたやり方が、骨太の戯曲と出会って、誰も知らなかった価値を発見出来ればいいですね。
武田 
そこの足を引っ張らないように。
__ 
(笑う)
武田 
そこなんですよ、彼のやり方が成功するもしないも、私達に掛かっているんですね。あと、彼はものすごい量の仕事をしているんですが、スタッフさんもどんどん仕事を進めていかれる・・・彼のアイデアよりも先に道具が揃っていくんですね。「先に動いて下さい」って。
__ 
彼は舞台美術家でもありますからね。どんなセットになるか楽しみです。

タグ: その人に出会ってしまった


期待に応える

__ 
これまでの目標と、今後の目標を教えて下さい。
武田 
今後となると本当に難しいなって。続けていけるかどうか分からないので・・・。いま携わっている企画に出来るだけ迷惑を掛けないように終わりたいですね。いま、素晴らしい人達と作品作りをさせて貰っていて。みんな、ベタベタしない割に助けてくれるんです。こんな人達が、よく私の相手をしてくれてるなと。
__ 
なるほど。
武田 
認められていて、人生を楽しんでおられる方たちがよくも私を誘ってくださって。その期待に応えられればなと。
__ 
ごく個人的には、武田さんがずっと芝居を続けていられればいいなと。ご自身のペースで続けられればいいような気がしています。というか、武田さんみたいな色々なテキストを備えた方が辞められるというのは考えられないですね。
武田 
あんまりネガティブな事は言ったらいけないとは思っているんですが・・・。すみません。

タグ: 「ベタ」の価値


オリーブオイルの石鹸

__ 
本日はお話を伺えたお礼に、プレゼントを持って参りました。
武田 
私、すみません・・・開けてもいいですか?
__ 
もちろんです。
武田 
あ、これ。モロッコの石鹸? このお月さんのロゴが可愛いですね。
__ 
オリーブオイルを原料とする石鹸だそうです。


絶叫する女

__ 
今日はどうぞ、宜しくお願い致します。飯坂さんは、最近はいかがでしょうか?
飯坂 
8月にサワガレさんの公演が終わって、特に何もなく頑張って生活していました。今後は、西一風の先輩である市川タロさんのユニット「デ」が11月にあるらしいので、それに参加します。その稽古が週二であります。
__ 
サワガレ「顔の底」。面白かったです。飯坂さんが登場して叫ぶシーン、大変印象的でした。出てきた時すでに酔っていて、いきなり「アーーーーーーーーッ!」って。響いてましたね。あの音量は気持ちよかったです。
飯坂 
ありがとうございます。私のやったパルコって役は、アルコール依存症の女なんですけど。お酒飲んでる時は何でも出来ちゃう、欲求を開放出来てしまうみたいな。皆が歓迎してくれて、嬉しくて叫ぶという演出で。本番では6回とも上手く出てほっとしました。私もあそこ、好きです。
サワガレ
「オルタナティブスタンダード」な作品に“非日常の中に片足を突っ込んだ曖昧な感情”を紛れ込ませ、京都の片隅から宇宙に向けて発信している集団。客観的に世の中をとらえたシニカルな作風でありつつも「フィクション性」「エンターテイメント性」を意識しながら独自の世界観を描き出す。スローガンは「謙虚に且つ虎視眈々と。」2012は原点に立ち返り、ちゃんとサワガレますので、どうぞお騒ぎください。(公式サイトより)
「デ」
京都を拠点に活動する市川タロの個人ユニット。
サワガレVol.5『顔の底』
公演時期:2012/8/17~20。会場:アトリエ劇研。

vol.256 飯坂 美鶴妃

フリー・その他。

2012/春
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飯坂

スベっても安心、なんて

__ 
まず、飯坂さんはいつからお芝居を始められたのでしょうか。
飯坂 
お芝居に興味を持ち始めたのは小学校の頃からです。国語の授業で、誰が一番上手く読めるかを競うのがあって、そこで何か表現する事に興味を持ち始めたんです。高校から、演劇部を始めました。
__ 
高校からだったんですね。
飯坂 
でも、高校演劇って演劇している感じじゃなくて・・・なんか、コスプレしてるみたいな。何の役が嬉しいとか、セリフが多い方が嬉しいとか、そういう感じでした。
__ 
エンターテイメントに昇華出来ているかどうかなんですよね、きっと。では、西一風に入ってからはどのような。
飯坂 
何か、価値観が違いすぎて・・・。立命館には3つ劇団があって、西一風がいいかなって入ったんです。西一風って、コスプレ演劇的な要素が一つも無いんですけど、私の中にそれが少し残ってたみたいなんです。それを捨てなければならない。だから最初は戸惑ったりしてました。例えば、アニメとか漫画とかのお決まりのネタはギャグとして演技するんですけど、それをスベる前提で臨んで演技するのは絶対ダメ。スベっても安心なんて気持ちでいたら認められないので苦労しました。
__ 
なるほど。
飯坂 
それはいいんですけど、私これ出来ないなあって演技もあったんです。女なのに、男が言うようなセリフを言ったりする演技が何故かしっくりこない、みたいな苦労がありました。二回生の時、主役になって。もうやるしかないので、出来ないシーンは5時間ぐらい練習していました。そこで割と、色々捨てる事が出来たんです。

vol.256 飯坂 美鶴妃

フリー・その他。

2012/春
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飯坂

質問 武田 暁さんから 飯坂 美鶴妃さんへ

__ 
前回インタビューさせて頂きました、武田暁さんから質問です。「芝居をやっているからと言って、諦めたくない事はありますか?例えば、オシャレとか」。
飯坂 
うーん、芝居をやっていても生活を手放しては行けないなと。生活を基盤に芝居することを心がけています。
__ 
大事ですね。
飯坂 
オシャレという事なら、大学を卒業して、自分も見られる立場なんだなと最近自覚して。私は美しいものを見るのが好きなんですが、自分も出来るだけ美しくあろうと思うようになりました。見られる側に立とうって、決心したので。

タグ: オシャレをしよう


vol.256 飯坂 美鶴妃

フリー・その他。

2012/春
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飯坂

上手に嘘を付く

__ 
飯坂さんの今の目標を教えて下さい。
飯坂 
一番は、上手くなる事ですかね。自分が未熟だという事は分かっているので。西一風を引退してからいくつか公演に出させて頂いているんですが、自分のダメなところが一つ一つ分かってきて。次の舞台ではそれを試して・・・。次に試してみたいのは、上手に嘘を付くという事ですかね。
__ 
上手に嘘を付く。
飯坂 
日常生活で嘘を付く時って、やっぱり演技していると思うんです。舞台でも嘘を付いているので、それを嘘だと悟られちゃいけないんだなって。何かちょっと、私は嘘を付いているというのを出してしまうんですよ。私飯坂はアルコール依存症のフリをしていますよみたいな。それって全く意味がないっていうか。
__ 
それを悟られないようにしないといけない。
飯坂 
本当でもいけないし、あたかも私という人間が、本当にそうやっているかのように演技するというのが目標です。お客さんはバカじゃないんだから、そんなに過剰にやらなくても分かるって思えるようになったんですね。そういう芝居は過剰になってしまって。楽しくないから。
__ 
すぐ嘘って分かりますか。
飯坂 
同年代の芝居を見ると、分かりますね。そんなにオーバーにやらなくてもとか思ってしまって。逆にそれを全く感じないのがポツドールという劇団で、客席で見ていてすごく居心地がいいんだろうなあと。目撃者という感覚にしてくれるんですよね。
__ 
今後の目標は。
飯坂 
何でも出来るようになりたいです。サワガレみたいな物語の芝居や、市川さんの「デ」で行うパフォーマンス演劇。どちらも求められている技術が全く違っているので、私も自分からチャンネルを変えて臨んでいるんですが。ギャグもダンスも、出来るように。
__ 
今後、やってみたい企画って。
飯坂 
上の年代の方たちの芝居に出てみたいなと思っています。実は先日、あるところのオーディションに受かって。凄く嬉しかったんです。それに向けて、早く成長したいですねー。

タグ: 優しい嘘


vol.256 飯坂 美鶴妃

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2012/春
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飯坂

そんなおこがましい事、言っちゃいけない

__ 
サワガレの前の、象牙の空港#2「20のアマルガム」も面白かったですよ。
飯坂 
あれ、凄く難しかったんです。作演出の伊藤君も、役者さんとどこまで共有するかを迷っていたみたいで。これ、いいのかなという状態で舞台に立っていました。
__ 
なるほど。
飯坂 
私が一人でずっと長セリフを言うシーンもあって。自分なりの解釈で、ある程度自由に。
__ 
自由な現場は楽しいですか?
飯坂 
いや、苦しいですね。不安が苦手で・・・。パフォーマンスの演劇って、自分で楽しんだらいいのかなって。あー、いや違う。それは違います。役者として思ってはいないです、そんなおこがましい事、言っちゃいけないですよね。
__ 
いや、大事な要素だと思いますよ。
飯坂 
うーん。最終的に役者が楽しいというのは違うんです。自分で楽しむポイントを見つけたらいいという事ですよね。
象牙の空港
京都大学学生の伊藤元晴が自身の作・演出作品を上演する個人ユニットとして設立。(公式サイトより)
象牙の空港#2「20のアマルガム 」
公演時期:2011/12/2~4。会場:UrBANGUILD 。

タグ: 出来ない!難しい!演技 Urbanguild


vol.256 飯坂 美鶴妃

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2012/春
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飯坂

ひたすら上手くなりたい

__ 
今後、どんな感じで攻めていかれますか?
飯坂 
今は自分の成長にすごく興味があって。世間があって、そこにどう自分を売り込んでいくか。そうですねー。ひたすら上手くなりたいとしか言えないですけど・・・。世間、付いてきてくれないかな。上手く言えない。

タグ: 今後の攻め方


vol.256 飯坂 美鶴妃

フリー・その他。

2012/春
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飯坂

ベトナム製のヘアアクセサリー

__ 
今日はですね、お話を伺えたお礼に、プレゼントを持って参りました。どうぞ。
飯坂 
ありがとうございます。可愛い。(開ける)あー、嬉しい。ちょうどいま、髪を止めるものが欲しかったので。


vol.256 飯坂 美鶴妃

フリー・その他。

2012/春
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飯坂

KUNIO「更地」

__ 
今日はどうぞ、宜しくお願い致します。小林さんは、最近はどんな感じでしょうか。
小林 
9月22日からKUNIOの公演があるのでその準備ですね。それから、トリコ・Aの公演が11月にあるのですが、そのチラシを作成中です。
__ 
どちらも楽しみです。KUNIO「更地」。もう一ヶ月を切りましたね。珍しく二人芝居ですね。
小林 
そうですね。KUNIOに付くのは初めてなんですけど、いつも多人数の作品が多いみたいなので。関西では久しぶりに少人数での公演です。
__ 
しかもKYOTO EXPERIMENT参加ですね。
小林 
そうなんですよ。公式プログラムの中では相当若手なので。杉原の持ち味を生かした公演を打ち出せたらと思います。
KUNIO
杉原邦生が既存の戯曲を中心に様々な演劇作品を演出する場として、2004年に立ち上げる。俳優・スタッフ共に固定メンバーを持たない、プロデュース公演形式のスタイルで活動する。最近では、杉原が2年間務めた“こまばアゴラ劇場”のサミットディレクターの集大成として、初めて既存戯曲を使用せず構成から杉原自身が手がけた、KUNIO07『文化祭』や、上演時間が約8時間半にも及ぶ大作『エンジェルス・イン・アメリカ』を一部、二部を通して上演するなど、その演出力により戯曲はもちろん、劇場空間自体に新しい風を吹き込むことで、作品を生み出している。(公式サイトより)
トリコ・A
トリコAは、山口茜が「自分で戯曲を書いて演出をしてみたい」という安易な気持ちを胸に、1999年、勢い余って立ち上げた団体です。当初の団体名は、魚船プロデュースと言いました。以来11年間、基本的には上演ごとに俳優が変わるプロデュース形式で、京都を拠点に演劇を上演してまいりました。やってみると意外と大変だった事が多い様に思いますが、皆様の暖かいご支援のもと、現在も変わらず活動を続けております。(公式サイトより)
【KYOTO EXPERIMENT 2012 公式プログラム】 杉原邦生/KUNIO KUNIO10『更地』
公演時期:2011/9/27~30。会場:元・立誠小学校 講堂。

いきなり、キャリアスタート

__ 
まず伺いたいのですが、小林さんは一体どういうところからお芝居を始められたのでしょうか。
小林 
高校卒業後、しばらくしてお芝居を観るのが好きになって。休みの日とかによく劇場に行っていたんです。就職してしばらく、ずっと好きだった劇団、リリパットアーミーがボランティアスタッフを募集したんですね。当時としては珍しく。そこに応募したのが最初です。
__ 
応募されたのはどのような理由が。
小林 
当時は小劇場ブームで、テレビでもサブカルっぽい番組が多く、小劇場の俳優さんもかなり出演していたんですよ。実は、最初から制作をやろうとは考えていなかったんです。好きな人達のお手伝いが出来たらと思って、スタッフに入ったんです。
__ 
制作のお仕事を始められたのはいつ頃からですか?
小林 
最初は2年ほど、お手伝いをしていたんです。当時の私の勤め先が、不定休だったんですね。休みが結構自由に取れたんですが、そういう関係で受付のお手伝いに入る事も多くて。しばらくして、わかぎゑふさんが「事務所で働いてみる?」って言ってくださって、それで入る事になったんです。
__ 
なるほど。
小林 
そこは公演の製作だけではなく、俳優のマネジメントも行う業務があったんですが、私が入る直前に担当のマネージャーさんが辞めてしまわれて。急遽、制作としてではなく、マネージャーとして・・・。
__ 
いきなりですか!そこがキャリアのスタート。凄いですね。
小林 
出来るのかなあと思いながら。まあやるしかないので。8年ぐらい事務所にいて、最後の2年ぐらいにはマネージャーと公演制作を兼任していました。制作をやろうと意識的になったのは事務所を辞めてからです。やっぱり、制作は補助だけだったので、公演の立ち上げについてはあまり把握してなかったんです。
__ 
大変でしたね。
小林 
人には恵まれたし、中々出来ない経験ですし、そこでのマネージャー経験が今凄く役に立っていると思います。今でも、自分にはマネージャーの方が合ってるのかな?と思う事もあるんです。

縦横で考える

__ 
ボランティアのサポートスタッフから、事務所に入ってすぐマネージャーって、波瀾万丈ですね。
小林 
確かにそうですね(笑う)その頃は若かったので、プレッシャーはあまり無かったと思います。劇団と作家が多くを占める仕事だったので、マネージャー的な仕事は最初は多くは無かったです。大変には、あまり感じなかったですね。・・・会社って大きくなればなるほど、各個人の意思とはまた違う、会社としての動きが生まれて来るんです。入った当初の自分の意思からは想像もつかない仕事をする事もありました。でも、入る前からそこの人たちとは知り合いでしたし。不安でガチガチという事はありませんでしたね。
__ 
今のお仕事に、マネージャー時代の経験が生かされていると仰いましたが、具体的にはどのような事でしょうか。
小林 
当時覚えた事ですが、未来の仕事や企画などのスケジュールを踏まえて動く事です。それと同時に、その仕事に関わる人達という、「横の広がり」を意識する事ですね。先と横を見て、自分たちのやりたい事を実現する力です。人に教えて貰ったり実践して身につきました。例えばテレビとかラジオの仕事。自分たちだけではどうしようもない事が、局の方々のご協力を頂く事で面白い事が出来るようになったりとか。フリーで制作をするようになってから、そういう見方の大事さを思い知るようになりました。やっぱり、自分一人だけで出来る事って物凄く限られていて広がりがない。いつまでも同じ場所で同じ事を続けるだけになってしまう。そうじゃなくて、一緒に仕事する人達とどういう進め方をすれば面白いのかを考える。もちろん、本人達がやりたい事というのは前提にあるんですけど。
__ 
戦略的な思考と言えるかもしれませんね。
小林 
企画をすすめる上で、色々な要素を捉えて考えます。今の仕事の進み具合、メンバーの志向や長所を考えてそれを生かす仕事や時期を考えたり。
__ 
そうした要素を、曖昧にではなく、明確に定義付けて認識する。それがまず大変そうに思えます。さらに、先と横の思考。ごく個人的には非常に苦手な作業でして。
小林 
あ、そうなんですか。
__ 
他人に任せるのが苦手で、自分だけで出来れば全てやってしまいたいという志向なので。小林さんは縦軸と横軸を知覚し、予見し、戦略すると。流石だと思うんですが、では、そうした能力に、ご自身ならではの個性が現れているとすればそれはどこでしょう。
小林 
うーん。やっぱり、自分の好きなものを知ってほしいんですね。これは下世話な言い方かもしれませんが、お芝居以外でも「これは売れるだろうな」という勘が結構当たるんです。でも、それが私の好きなものとは限らないんですね。事務所を離れてフリーになると、自分の好きなもので仕事が出来るのが強みです。
__ 
世の中に知ってほしい。
小林 
そう、世の中の人に。凄く好きな作家さんや演出家さんがいて、でも知らない人が沢山いるというのがもどかしいんです。それを如何に知ってもらうかを考えるのが凄く楽しいです。
__ 
ご自身が面白いと思うものを、売りたい。
小林 
そうですね。本当にそう思うものを。だからこそ、自分が見た作品に対する評価には厳しくありたいなと考えています。何を観ても「面白い」と言ってしまうと説得力が無くなってしまうと思うんです。私は本当に面白いと思う物しか「面白い」と言わないようにしています。
__ 
自分の好きなものを広めたい。その為に戦略する。それは、古今東西時代や地域を問わず、あらゆる制作者がそう思ってきたんでしょうね。再生性の無い演劇というジャンルだったら特に。
小林 
そうですね。

タグ: 他人に任せることの難しさ