今の夢

__ 
今後、どんな感じで攻めていかれますか?
関  
ダンサーであり、研究者であり教育者であるという活動をもっときちんと・加速していきたいと思っています。
__ 
というと。
関  
結構、安定した立場になっていて。ダンサーでありながら大学の仕事に就いている事が凄く恵まれていて、後ろめたいじゃないですけど、どちらも中途半端になってしまっていないかと。どれにもちゃんと誇りを持って両立していきたいと思っています。
__ 
両立とは、例えばどういう事でしょうか?
関  
その辺りもここ数カ月悩んでいたりして・・・。ダンサーとしての賞味期限も若干考えています。言ってみれば、この先30年ほどこの仕事を続けられる資格はあり、でもその長いスパンでうかうかしていると、表現者としてちょっと停滞してしまうなという予感があります。研究者としても表現者としても、もっと実績を積み上げて。まずは、神戸大学でダンスを学べるという事を知ってもらいたいですね。教え子からダンサーを輩出したいと思っています。それが今の夢ですね。

タグ: 今後の攻め方


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2012/春
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関

EZ-FLOW キューティクルリニューオイル

__ 
今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントがございます。どうぞ。
関  
ありがとうございます。恒例の。(開ける)あ、ラブリーな包み方。
__ 
はい。
関  
オイル?爪。
__ 
指先の爪周辺に塗って、皮膚と爪の保護をするものです。
関  
ありがとうございます。今日は素爪ですが、爪は大事にしています。手が個性の一つだと思っています。爪も普段伸ばしがちなんですよ。アネットでは怪我の基なので、切っていますけど。ハイ、お返しです。宝塚大劇場のチョコレート。ちっちゃなものですが。プレゼント魔・お土産魔って、よく言われるんです。笑。
__ 
ありがとうございます。あ、宝塚のおみやげっぽいですね。いい記念になりました。

タグ: プレゼント(化粧品系)


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関

運河の音楽

__ 
舞台で踊る時、誰に向かって踊っていますか?だれを意識しているか、という意味で。
関  
それはもちろん、その場の生のお客さんに踊っています。共有感の話につながっていると思うんですが、何年か前に兵庫運河で、「運河の音楽」という和太鼓との即興セッションをやった事があるんです。動画が上がっていたと思うんですが。
__ 
はい。拝見しております。
関  
お客さんも拘束されていないので、つまらなくなったら行ってしまうというスリリングな空間なんですね。だから共有感をより意識して踊っていたんですが、熱心に見てくれていた小さい男の子が出てきてくれて、一緒にオブジェを登るという一瞬があったんです。一緒にポーズを取ったらシンクロしてくれて。
__ 
いいですね。
関  
コンテンポラリーダンスって、『現代』とか『同時代』のダンスと訳せますが、定義付けがあまりされていないし、その必要もないと考えられています。現代においてユニークな表現が便宜上、その言葉でまとめられているんですね。私が考えているコンテンポラリーとは、『con + temporary』つまり『瞬間の一時的な共有』が一番重要なんじゃないかと(それはライブの芸術なら何だってそうかもしれないですけど)。お客さんとして見ている人のダンスを誘発した時に、そういう思いが強くなりました。「運河の音楽」の時や、別のギャラリー公演で不意に客席にいたおばあさんがゆっくりと踊っていた時も。
__ 
そういう事をしていきたい。
関  
そうですね。目の前のお客さんに届けて、共有したいですね。ただ、もう一つの視点としては、今のコンテンポラリーダンスが将来、どんな形で残っていくんだろうというのはあります。
__ 
クラシックは良さを追求するから、高まりながら受け継がれていくかもしれません。でも、ここでのコンテンポラリーは同時代の観客を必要とするから・・・
関  
この先ずっと、生まれては消えていくのか。アーカイブ的に残していく事も、必要なのではないかと考えています。映像として記録する努力をしてもいいのかなって。例えばピナ・バウシュさんが亡くなってもその舞踊団は引き継いで残っていきますし。
第26回幻聴音楽会「運河の音楽」
開催日時:2009/3/21。場所:神戸ドックから始まり、キャナルプロムナードを経て兵庫運河まで。参考資料(PDF)


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関

幅広い学びの機会を

__ 
関さんは神戸大学で講師をされているんですよね。どのような事を教えていらっしゃるのでしょうか。
関  
発達科学部人間表現学科とその大学院で教えています。その名の通り、人間の行為・表現について学ぶんですが、他の同僚は画家・彫刻家・ピアニスト・声楽家・ファッション・映像・建築の研究をされている方など、諸々の研究なり実践なりをされている方がいらっしゃるんです。私はその中で、身体表現論としてダンスの歴史と、身近に体験してもらうためのバレエやモダンダンスの実技をちょこちょこ入れています。
__ 
実践ですね。
関  
まずは実践を踏まえてもらう事を心がけています。他の先生方もそうなんですけど、教鞭を取る傍ら創作活動を続け、その姿を見てもらう事で学生自身にも学んでもらうんですね。表現者としても、きちんと活動し続ける事が、学生の信頼を得る事に繋がるんですね。
__ 
素晴らしい。
関  
あとは、なるべく外部から講師をお招きすることで幅広い学びの機会を学生に与える事も心がけています。最近は、冨士山アネットの長谷川寧さん、元ピナ・バウシュ&ヴッパタール舞踊団の市田京美さんとトーマス・デュシャトレさん、マイム俳優のいいむろなおきさんなどをお招きして、ワークショップを行なっていただきました。大学では身体表現の専任講師は私一人なので、偏りのないようにと。

タグ: 続ける事が大事 いいむろなおき パントマイムの話題


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関

非日常

__ 
関さんが舞台に立つ上で、ご自分にしか出来ない事はなんだと思われますか?
関  
オリジナリティという事ですよね。まず身体が自分の個性かなあと思っています。そんなに器用という訳では全くなく、他の人の振り覚えも遅いので、素材として使うのは結構厄介な存在なんじゃないかなと。自分で作る振付はそうでもないんですけど。
__ 
振付家としては。
関  
最近の傾向のひとつとして、テクニックから離れていきつつあって、例えばダンスらしくないダンスが新しいとされていたり。
__ 
それは、ウミ下着がそうですね。
関  
それも素敵だと思うんです。でも、私自身がお客さんとして見る時は、身体なり、動きだったり、テクニックや特別な肉体を見たいんですよね。私も、そういうものを提供出来たらなと思っています。
__ 
そういうもの?
関  
非日常という事ですね、きっと。特別なものを見たいし、見せたいですね。それを表現するために、例えばバレエは客席と舞台が全く分離した、違う世界として扱うんですね。それにも惹かれるんですけど、受動的に鑑賞しているだけではなくて、本能的に、身体的に共感するような交流が舞台と客席の間で出来ればなと志向してきました。例えばサーカスは、映像で見るのとテントで見るのとはまるで違いますよね。映像は視聴覚的な情報だけで、身体に訴えかけるような感覚は伝わらないんです。
__ 
共有感覚ですね。相手の感覚がこちらで想像出来る。
関  
そうですね。追体験みたいな。それはもしかしたら痛さであるかもしれないし、笑いかもしれない。
__ 
そうした、特別なものを共有したいという思いはどこが出発点なのでしょうか。
関  
元々はバレエをやっていたんですが、高校入りたての時に続けていいのかどうか迷っていたんですね。もちろんダンスを仕事にしたいんですけど、バレリーナにはとてもなれないのではないか。それにはちょっと故障があったりとか、そもそも素質的に、バレリーナは無理だわと。
__ 
そうでしたか。
関  
それ以前に、バレエの演技に疑問を感じてしまったんですね。バレリーナは役柄になりきって踊るんですけど、もっと、自分として踊りたいと思っていたんです。自分として、お客さんに向き合いたいと。一年半ほど踊ることを休んでいました。ダンスを嫌いになった訳じゃないんですが。
__ 
休んでいたのですね。
関  
その間は舞台を見に行っていました。コンテンポラリーダンスとか演劇とか、色んな表現を見て、そうした思いはさらに強くなりました。もちろんバレエも特別な事は起きますけど、スタイルとして・様式として追求するものが予想を裏切らないように思ったんです。そこを裏切っていくものを見たいし、やりたいなと。
__ 
それはきっと、革命とか変革とかとはちょっと違うんですよね。関さんのような、クラシックとは違う方向を目指す人がいる事に、むしろ全体の意思を感じます。

タグ: 器用さ・不器用さ 非日常の演出 バレエやってた SeizeTheDay


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関

質問 中西 ちさとさんから 関 典子さんへ

__ 
前回インタビューさせていただいた、ウミ下着の中西さんから質問を頂いてきております。「お体に、どんな気配りをされていますか?体調管理はもちろん、体型の維持ですとか、その辺りのコツを」。
関  
至って自然体なんです。本能の赴くままに・・・。そんなにストイックなダイエットとかトレーニングをコンスタントにやっている訳ではなくて、反省しているんですけど。
__ 
意外ですね。
関  
好きなものを食べ、睡眠を取って。作り上げるというよりも、自然に過ごしていますね。本番に照準を併せて、適したものになるというのに委ねています。でも、これからは意識しないといけないですね。
__ 
関さんのサイトにある写真、かっこいいですよね。
関  
あれを見て、ちょっと痛々しいとおっしゃる方もいるんですよね。時々。絞りすぎたりして。踊る側と見る側の求める身体像、探っていきたいと思っています。
ウミ下着
2007年中西ちさとを中心に結成したダンスパフォーマンスグループ。妄想を喚起させ、五感に訴える身体表現を目指して大阪を拠点に活動を始める。女心のように時にポップ、時にアングラ風と作品ごとに表情をころころ変える。作品に「咲かせてみて」「少女は不幸がお好き」等がある。(公式サイトより)

タグ: 自然体 反省Lv.2 ダイエットについての話題


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関

冨士山アネットpresents[八](エイト) JAPANTOUR2012

__ 
なるほど。さて、6月の初めですが冨士山アネット「八(エイト)」福岡公演が終わりましたね。改めてですが、どのようなお話なのでしょうか。
関  
ある心理療法士のもとに、本が書けなくて苦心している作家が訪れるんですね。治療を続けるうちに、作家の書く本に心理療法士の生活が綴られていく。チラシのキャッチコピーに、「あなたには何に見えますか?」とあるように、個を失って揺らいでいく様が、夢の中の出来事のように描かれる作品です。
__ 
ダンス作品なのに、台本があるそうですね。
関  
ありますね。かっちりあります。特に今回は、10年前に演劇として上演された作品だったんですよ。しかも今回の為に、稽古して振付しながら台本を改編していく進め方だったんですね。
__ 
まるで演劇作品の作り方ですね。でも、本番でやるのは言葉を使わない。
関  
そうなんです。だから、相当、俳優としても即戦力が必要だったんですよ。セリフを覚えて、具体的なシーンを作って、それを振り返りつつ動きに変える作り方をしていました。私はダンサーなので、相手との関係性から生まれた動きがだんだん振り付けになっていってしまって、ダメ出しされたり。単に踊るのではなく、物語とかキャラクターを染みつけて動かないといけないんですね。そんな時、ガイドとしての台本に戻ることで、本来の関係性を取り戻すことができる。私にとっては新鮮な感覚でした。
__ 
しかし、無言劇ではない。
関  
そうですね。マイムとして動いてはいけないし、かといってダンスとして派手な動きでも、それではあまりにもダンス過ぎて意味が分からなくて却下になるし。それが、冨士山アネットの独特のコードというか、面白いところだと思います。
__ 
これまでの手応えは。
関  
今年の一月に東京で初演したんですけど、作品の完成がかなり直前で。鮮度でお届け!みたいな感じでした。、今回はブラッシュアップする時間もあり、会場も広くなって、より進化した形で、自信をもってお届けできると思います。
__ 
伊丹の公演も盛り上がるといいですね。
関  
そうですね。私にとっては地元でもありますし。昨年の大阪公演を見て衝撃を受け、京都芸術センター通信「明倫art」に評論を書かせていただいたのが、アネットとの最初の出会いで。観客から出演者への転身、奇妙な感覚を抱きつつ、私と同様に前作に感動された方にもより良いものをお届けしなければと、プレッシャーも感じています。7月14~15日の三回公演です。挟み舞台になっているので、何度かご覧いただいても楽しめると思います。是非いらして下さい。
__ 
もちろんです。楽しみにしております。
関  
あっ、その前に7月7日、七夕特別企画として、神戸アートビレッジセンター(KAVC)で、一日限りのクリエーションワークショップ&ショーイング「milky way」があり、私も参加させていただきます。こちらも是非。
冨士山アネット
2003年活動開始。類稀な空間演出と創造的なヴィジュアル、身体性を強く意識したパフォーマンスにて創造的な空間を描き出す。近年は、戯曲から身体を立ち上げるといった、ダンス的演劇(テアタータンツ)という独自のジャンルから作品を制作。(公式サイトより)
冨士山アネットpresents[八](エイト) JAPANTOUR2012
公演時期:2012/6/1(福岡)、2012/7/14~15(兵庫)。会場:イムズホール(福岡)、AI・HALL(兵庫)。

タグ: その人に出会ってしまった 奇妙さへの礼賛 無言劇


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関

宝塚文化の中で育って

__ 
今日はどうぞ、宜しくお願いします。今回のインタビュー実施場所、ここ宝塚大劇場が関さんの原点だと伺いましたが・・・。
関  
実家がこの近所なんです。大学から東京で、今はまたこの街に戻ってきているんです。それから、子供の頃に習っていたバレエ教室の先生が元タカラジェンヌで。お嬢さんが当時スターで、辞められてからは宝塚歌劇団の振り付けをされるようになって。物心ついた時から、宝塚が身近にあったんですね。
__ 
宝塚文化の中で育ったと。
関  
そうですね。一時期、すごくはまったんです。凄く好きで。その教室は宝塚受験対策で通われるバレエスタジオでもあったので、両親も「いつ受けたいと言い出すのか」と思っていたみたいです。私はそんな、大それた事は考えもせず。その後、大学時代にH・アール・カオスといいう女性だけの団体に所属していたのはその影響だろうと言われたこともありました。
__ 
宝塚。今でも好きですか?
関  
好きですね。先日も見てきました。先のH・アール・カオスの大島早紀子さんなど、コンテンポラリーダンサーも振付を担当される場合があって、仕事上でも距離の近さを感じています。
__ 
最近はいかがでしょうか。
関  
ぼちぼちですが、ちょっと悩んだりもしていました。東京からこちらに移って5年目になって、一年目は精一杯で、2年目はちょっと落ち着いたんですけど、こっちのダンス界ではあまり人脈も無かったりして。神戸に私がいるという事を、舞台活動を通して覚えて貰いたいと色々。今は、5年目の節目です。本当はどこに拠点を置くべきなんだろうと色々悩んだりもして。今は、関西で頑張っていこう!と思っていますね。
H・アール・カオス
日本のコンテンポラリー・ダンスのカンパニー。東京都を拠点に活動。演出・振付家の大島早紀子がダンサーの白河直子と1989年に設立。独自の美意識と哲学に支えられた大島の空間感覚溢れる作品はどの作品もレベルが高く、ダンスの領域を遙かに超えた総合舞台芸術となっている。衝撃的な天才ダンサーといわれる白河の究極の身体造形と表現力も相まって、多くの支持を集めているカンパニーである。(Wikipediaより)

タグ: カオス・混沌


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関

劇団衛星新作公演「サードハンド」

__ 
今日はどうぞ、宜しくお願いします。
中西 
お願いします。
__ 
最近は、中西さんはどんな感じでしょうか。
中西 
劇団衛星さんの新作公演「サードハンド」に、振り付けと出演が決まっています。どきどきしますね。
__ 
おっ。楽しみです。
中西 
あとはやっぱり、最近暑いですね。夏だけどこか、カラッとしているところに行きたいですね。ヨーロッパのどこか、避暑地とかに。
__ 
しかもジメジメしていますよね。乾燥しているところがいいかもしれない。砂漠ってどうなんですかね。気持ちいいのかな。
中西 
夜は寒いみたいで、どうなのかな。わがままですけど。
ウミ下着
2007年中西ちさとを中心に結成したダンスパフォーマンスグループ。妄想を喚起させ、五感に訴える身体表現を目指して大阪を拠点に活動を始める。女心のように時にポップ、時にアングラ風と作品ごとに表情をころころ変える。作品に「咲かせてみて」「少女は不幸がお好き」等がある。(公式サイトより)
劇団衛星
京都の劇団。代表・演出は蓮行氏。既存のホールのみならず、寺社仏閣・教会・廃工場等「劇場ではない場所」で公演を数多く実施している。
劇団衛星新作公演「サードハンド」
公演時期:2012/6/23~7/1。会場:KAIKA。

ウミ下着について

__ 
さて、中西さんが福井菜月さんとやっておられるダンスグループ、ウミ下着。コンテンポラリーダンスを手がけているとの事ですが、結成の経緯を伺ってもよろしいでしょうか?
中西 
2007年の秋からですね。CONNECTに応募した時に作った団体だったんです。あ、参加するなら団体作らなきゃって感じで。
__ 
命名の由来は。
中西 
「ウミ」は、体の膿、海、それから産む事を掛けています。それから、下着というのが裸よりもセクシーだなというのがまずあって。真っ裸よりも。それに、肌に直接触れるものなので親しみ深いんですよね。
__ 
なるほど。隠されているから、想像力が(意識しなくても)働くんですよね。
中西 
そうなんですよ。裸って全然隠されてなくて。ちょっと隠していて秘密があるぐらいのほうが面白いじゃない?って。でも、やっぱりインパクトが強いみたいで、セクシーな舞台をやるんですかって聞かれることもあります。
__ 
裸。確かに、舞台で裸になられるとびっくりするかもしれませんね。ストリップだとかえって驚かない。
中西 
脱ぐと分かっているからですね。舞踏だったら脱ぐ事が分かるから。ヘアヌードを見ても思うんですが、下着でちょっと隠している方が、想像させてくれるんですよね。そこが面白いですね。ちょっと秘密があるぐらいの方が、女はきれいだなと。

タグ: 衣裳・ヌード系 名称の由来


ふるえるくちびる

__ 
ウミ下着はこれまで、どのような作品を作ってこられたのでしょうか。
中西 
結構長い間、自分自身の事を描いていたと思います。自分の性の事や、自分の生活について。ずっとそれを描いていたんですが、去年の震災を境に変わったと思います。
__ 
というと。
中西 
震災が起こった日、私、誕生日だったんですよ。それで誰も祝ってくれなくなったのがちょっと引っかかって。私すごく、自分の事ばっかりだったんだなと気付かされました。誰かに何かをしたいとか、寄付したいとか。そういう気持ちが素直に出てこなかったんです。それはどういう事なのかな、みんなどう思っているんだろう。そう考え始めてから、作品の作り方は変わったと思います。
__ 
どのように変わりましたか?
中西 
言葉または身体を使った対話ですね。さらに、それらを通して自分の考え方が揺らいでいくのが面白いなと思っています。
__ 
揺らぐとは。ご自身の考え方によっても、相手との関係性が変わる事もある?
中西 
自分が翻弄されたり、迷ったりすると、観客も一緒に考えてくれるようになるんです。多分、意見したくなると思うんですよね。私と一緒に悩んでくれるようになるんです。
__ 
例えば。
中西 
この間作った「ふるえるくちびる」という、震災と大阪に住んでいる私たちについてのドキュメンタリーみたいな作品。私たちの震災後の過ごし方を紹介したんですね。ゲストも呼んで、強い意見を言われたりしたらどうしようとか思っていたんですけど。それで実際、アンケートにも不快だったと書かれた方もいらっしゃったし、逆に、私たちと同じようにどうしたらいいのか分からなくなって戸惑っているという人たちもいたんです。いろんな意見があってそれが面白かった。それから、お客さんの方から発信したくなるような舞台が作りたいなと考えるようになりました。完成された舞台芸術じゃなくて、お客さんも巻き込んだ作品が作りたいですね。
__ 
ダンス作品でそれをやるというのは珍しいかもしれないですね。
中西 
ダンス関係の人からはダンスじゃないとよく言われ、演劇系の人からはコンテンポラリーダンスだねと言われます(笑う)。どっちでもないんだなと。どっちでもいいんだなと思います。

タグ: ドキュメンタリー ユニークな作品あります その題材を通して描きたい 俳優を通して何かを見る アンケートについての話題


オカシナアナタ

__ 
お客さんが何かをしたいと思うパフォーマンス。それはご自身のどこから発していると思われますか?
中西 
・・・答えになってないかもしれませんが、人の事を知りたいんだと思います。以前、We danceという企画で福井さん以外の人に振り付けたんです。その二人にはずっと質問していて。何を考えているのか知りたいんですね。理解出来る事もあれば、出来ない事もあるんです。理解と無理解を描きたいのかな。誰かと誰かが話して、理解し合える部分とそうでない部分を描く事で、架け橋を作りたいんです。
__ 
架け橋。作れるでしょうか。
中西 
この間、隣のギャラリーで公演した時。お客さんと舞台の距離がほとんど無かったんですね。客席のライトが消えずに丸見えだったんです。舞台からダイレクトに見れるんです。「共犯関係にあるようだ」とか、「部屋に来たみたいだ」って言われたんですけどね。すごく居心地が悪いというお客さんもいて。あまり不快にはしたくないんですけど、出来るだけフラットに、近づけられないかなと。だから、劇場以外の場所でやることにも意味があるのかなと。
__ 
観客参加。
中西 
そうですね。もっと、楽しいとか、ポジティブな感情でお客さんを巻き込んで行けたらなと思っています。
__ 
あー、ウォーリー木下さんが京阪とやったサーカストレインとか、そんな感じで成功していましたね。観客席はその前提として安全なんですけど、同時にフロンティアでもありますよね。そして危険。
中西 
そうなんですよね。この前のKAIKAのgateでやった「オカシナアナタも客席に行ったんですよ。若干不快にさせるのも目的だったんですけど、怒るお客さんもいて。お客さんを巻き込むには、そうじゃない、楽しいやり方もあるかもしれない。今後は、そこを探りたいですね。



アートコミュニティスペースKAIKA
四条烏丸に産まれるふたつの新しいアートスペースアートコミュニティスペース「KAIKA」・アトリエ「AKIKAN」。KAIKAの運営はフリンジシアタープロジェクトが、芸術監督は劇団衛星の蓮行が務める。(公式サイトより)
gate#7
公演時期:2012/5/19~20。会場:KAIKA。

タグ: 客席と舞台の共犯関係 観客との関係性


福井菜月さんについて

__ 
福井さんと組んでいるのは。
中西 
一番最初にカンパニーを作った時から一緒なんですよ。この子いいなと思って。二人とも適当なところがあって。反面、お互いに腹立つ事もあるんです。似ているようで似ていない部分もあるから長くやれてるのかな。
__ 
面白いですよね。あの人。
中西 
ですよね。飄々としていて、「度胸だけは付けてきましたわー!」とか言うんですよ。何があっても怖くないんじゃない?って聞いたら、「まあまあ何とかなりますわ大抵な事は」って。無理な事を振っても、はっきり無理と言ったり、頑張ってみてくれたり。そういうところ、頼もしいです。

タグ: 相互承認


質問 ピンク地底人2号さんから 中西 ちさとさんへ

__ 
前回インタビューさせていただいた、ピンク地底人2号さんから質問です。「何を考えて踊っていますか?」
中西 
何なんですかね。作った動きを丁寧に踊ろうと意識しています。それ以外は、あまり何も思ってないんじゃないかと思います。
__ 
なるほど。
中西 
踊っている自分の横にもう一人、冷静に見ている自分がいて、客席の反応や空気に反応して踊るようにしています。空気のなかで踊るみたいな。

タグ: 丁寧な空気づくり


お弔い

__ 
これまで、目標にしてきた事は。
中西 
これまでは、自分が作りたい世界を忠実に再現したいと考えていました。今はそうではないですね。出来るだけ、人であるとかテーマであるとかにフラットで多角的な目線で観察していいところを引き出そうとしています。
__ 
以前の、妄想を形にするやり方とは。
中西 
一番最初に作ったのは自分の性についてでした。毎月生理が来て、元々卵子だったものが血に変わって落ちるんです。子供になれたかもしれない無数のものをたれ流してしまった、そのお弔いをしないといけないと思ったんですね。そういう妄想を、いかに再現するか。今は考えなくなりましたねー。
__ 
考えなくなりましたか。
中西 
そういうのはもっと適した形式があると。きっとマンガとか小説とか。どうしてもしたかったらその形式ですればいいけど、舞台でする事じゃないなと思うようになりました。広がりがないからかな・・・。
__ 
お客さんにはどのように受け止められていたんでしょうか。
中西 
まあまあ伝わっていたと思いますけど、女性にはより強く通じて、男性にはそんなにだったと思います。ダンス作品として受け止められていたんじゃないかと。
__ 
そして、そういう表現をやめてしまった。
中西 
興味が無くなったんですかね。いや、限りがあるからかな?いつか、自分の世界とか妄想とかって、枯渇してしまうなあと思うんです。そうしないためにはどうすればいいかなと思ったら、やっぱり人と関わるしかないんじゃないかと。

タグ: 妄想


あ、これだ、これをやろう

__ 
中西さんがダンスを始められたのは。
中西 
実は中高まで演劇部にはいたんですけど。高校で一応、ダンスの授業はあるんですよ。でも、ほんまに苦手だったんです。リズムに併せてみんなと同じダンスするなんてこんなつまらん事あるかいって。大体違う事しちゃうんですよね。「ナカニシのは違うね」って言われたりするんです。
__ 
あはは。なるほど。
中西 
でも、即興で動くのとかは好きなんですよ。近大の演劇・芸能専攻ダンスの授業で即興をよくやるんですけど、これは好きだなと思ったんですね。これはきっと、演劇に生かせるって思って。そうしているうちに、「世界演劇史」っていう授業で、前衛演劇やポストドラマ舞踏を見たり、2回生の時BATTIのside.Bを見て、衝撃を受け「あ、これだ、これをやろう」と。
__ 
どんな作品でしたか。
中西 
顔をずっと隠して踊るダンスだったんですけど、そんなん観ことなくって。暴力的で美しかった!!黒田さんの作品には凄い影響受けてしまって、しばらくモドキっぽいのを作ってしまったと思います。他に影響を受けたのはヤン・ファーブル。挑発的で、独自の美観点に基づいた作品と、ジャンルを越境して活動するところに惹かれました。

タグ: 凶暴な役者 暴力


ドイツに!

__ 
今後、どんな感じで攻めていかれますか?
中西 
とりあえず、私何故かドイツに行きたいです。ずっと行きたいと思っていて、呼ばれているような気もしていて。夢は大きく、ヨーロッパでツアーしたいなと。
__ 
あー、別の地に呼ばれるような感じってありますよね。
中西 
一度一人で旅行したんですけど、向こうのパフォーミングも好きだし、向こうの空気も好きなんですよね。呼んでるわこれは。HAU(hebel am ufer)で公演やるわ~って。ついにドイツ語まで勉強しはじめました。
__ 
何で、土地に呼ばれるって事があるんですかね?
中西 
何ででしょうね?福井さんはベトナムに呼ばれているみたいですけど、何でか好きなんですよねー。無骨な感じとか、東ドイツ時代の懐かしい感じもいいし。行った時、言葉も分からなくて。英語もドイツ語も喋れない状態。でも不思議と苦にはならなかったですね。でもスリにあったんですよ。
__ 
えっ。何を取られたんですか。
中西 
お金取られました。チケットを買おうとした時に、後から「両替してくれ」みたいに言われて断ったら、その隙に別の奴が持ってったみたいで。
__ 
二人組ですね。
中西 
フランクフルトで、泣きながらATM探してました。
__ 
今度は気を付けて下さいね。また、いけるといいですね。
中西 
そうですね。前は舞台を見るだけの旅行でしたが、今度は向こうから呼ばれての公演旅行が出来たらいいなと思っています。

タグ: 土地の力 今後の攻め方


革と錨のネックレス

__ 
今日は、お話を伺えたお礼にプレゼントがございます。
中西 
ありがとうございます。
__ 
いえいえ。どうぞ。
中西 
あけます。みんな、色々貰ってますよね。
__ 
いやー、大したものはないですよ。
中西 
何だろう・・・あっ。アクセサリーじゃないですか。かわいい。今日の服にも合いそうですね。
__ 
あっ本当だ。マリーンな感じが服とよく合っているのでは。
中西 
そうですね。夏も大活躍ですね。

タグ: プレゼント(装飾系)


夏の日のピンク地底人

__ 
今日はどうぞ、よろしくお願いします。最近、2号さんはどんな感じでしょうか。
2号 
昨日、みんなでラーメンを食べにいきました。
__ 
ええ。
2号 
そこで話したんですけど、私、20歳を越えた頃から自分の年齢が分かんなかったんですよ。そうなんですよ。今は、俳優として一番元気じゃないといけない年なんですよね。
__ 
そうかもしれませんね。
2号 
元気じゃないといけない歳なんだな。って。あと、自分が結構色々なところに客演しているから活動的だと思っていたんですが、そうでもない事がわかりました。私は本当に、凄いぼーっとしていて、演劇が無かったら二度寝だけの人生なのかもしれない。平日は朝起きて仕事して、寝て、土日は朝起きて二度寝して・・・あれ、何の話でしたっけ?
__ 
いえ、何の話でも構わないと思います。
ピンク地底人
京都の地下は墨染に生まれた貧乏な三兄弟。日々の孤独と戦うため、ときおり地上にあらわれては演劇活動をしている。夢は関西一円を征服することと、自分たちを捨てた母への復讐。最近は仲間も増え、京都を中心に大阪にも出没中。(公式サイトより)

タグ: ラーメンの話


ピンク地底人暴虐の第10回公演「明日を落としても」

__ 
暴虐の第十回公演「明日を落としても」ですね。
2号 
はい。暴れ、虐げる。
__ 
第8回が「空前」、第9回が「反逆」でしたね。インパクトとしては、今回が最大ですね。
2号 
それはいつも私が付けてるんですけど、おりゃーという言葉が無くなりつつあります。
__ 
地上を侵略するには大変なエネルギーを要すると思うのですが、それが表れているようですね。
2号 
でも、地底人はムチャクチャ気が弱いので。ちょっと、逆にそういう言葉を使っています。暴れ虐げるなんてとんでもないですけど、その言葉を使う事で、元気を貰えるんじゃないかなと。
__ 
自分に言い聞かせるみたいなね。初の関東公演ですね。
2号 
前から誘っては頂いていたんですけど、何か、ピンク地底人が大きくなったからいくんだぜという感じじゃないんですよ。実は。やってほしいと言って下さった方がいて。関東でやる価値があると仰って下さったんです。それだけで、モチベーションが120まであがります。
__ 
なるほど。3号さんは東京でいまウケている芝居に影響されてはいないと言っていたと思うんですが、その上で、向こうの離れた場所にいる人に見いだされた訳ですね。
2号 
それが凄くうれしいですね。
ピンク地底人暴虐の第10回公演「明日を落としても」
公演時期:2012/6/30~7/1(大阪)、2012/8/17~8/19(東京)。会場:インディペンデントシアター2nd(大阪)、王子小劇場(東京)。
ピンク地底人空前の第8回公演「ある光」
公演時期:2012/7/8~10。会場:シアトリカル應典院。
ピンク地底人反逆の第9回公演「マリコのために」
公演時期:2011/12/15~18。会場:東山青少年活動センター。

タグ: ピンク地底人