いいチームなんじゃないか

__ 
ピンク地底人第十回公演「明日を落としても」の大阪公演が終わりましたね。いかがでしたでしょうか。
6号 
もう怒濤のように始まって、巻き込まれたように終わりましたね。私は主人公へのレポーター役だったんですけど、途中から立ち位置が不安定なんです。これ、何でなんだろうって自分でもよく分からなくなっていました。本番を迎える前まで全体が見えなくて。でも、公演中、こんな感じなんだって自分で分かるようになって。
__ 
見ている側としては、そういう疑問込みで面白かったですよ。
6号 
東京公演では意識的にその役になれるといいなと。そう、ピンク地底人は3号さんの作品の「感じ」をみんなで実現しようぜって意識で一致してるんです。地底人達はもちろん、今回は客演さんたちも色々意見を出してくださって。「明日を落としても」はすごくいい座組だと思います。
__ 
劇作家の世界観を理解しているんですね。それはきっと、劇団員の一番重要な仕事だと思います。
6号 
そういう信頼感はあるので、いいチームなんじゃないかと思います。
ピンク地底人暴虐の第10回公演「明日を落としても」
公演時期:2012/6/30~7/1(大阪)、2012/8/17~8/19(東京)。会場:インディペンデントシアター2nd(大阪)、王子小劇場(東京)。

タグ: この座組は凄い 混成軍的な座組 王子小劇場


ガチャガコ!

__ 
「明日を落としても」でのおはぎさんの台詞というか、効果音を声で出すのがあったと思うんですが。
6号 
はい。
__ 
その中で一つすごく面白いのがあって、自動車の運転の効果音の「ガチャガコ」って。あれはえらく面白かったです。
6号 
実は、竹子さんとそこばっかり練習していました。周りからも「そんなにいいから」って(笑う)。
__ 
いいですよね。それを何とか、インタビュー記事で伝わるようにしたい。
6号 
「ガチャガコ」!
__ 
そうそう、それですね。
6号 
この音、第9回公演「マリコのために」から引き継いでいる音で。
__ 
あ、そういえばそうですね。何かを開けるような音を、そんなに6号さんのギャグとして独立しているようなイントネーションで。それが出てくるのは中盤の、作品がひっくり返るシーン。ギャグとして成立した瞬間、劇空間を打ち開いたような気がしました。あれでお芝居の感覚が変わったように思います。
6号 
やったやった。
__ 
いいアクセントとして凄く機能していました。単なる擬音なのに、おはぎさんのキャラクター性が色濃く出てきたのがいいですね。
6号 
アンケートにもいくつか、書いてくださってましたね。劇中劇のシーンは本番直前までおとなしめだったんです。
__ 
あ、そうなんですか。
6号 
本番が迫ってから「皆もう、そこははっちゃけてやっていいよ」って。突然だったので意図は分からなかったんですけど、劇中劇なんだと自分達でも自覚出来て。ボイスパフォーマンスについても最初は探り探りだったんですよ。楽日はみんな、勝手が分かったのか好き放題でしたね。
ピンク地底人反逆の第9回公演「マリコのために」
公演時期:2011/12/15~18。会場:東山青少年活動センター。

タグ: アンケートについての話題


「受け入れられてる感じしたよ!」

__ 
東京公演の意気込みを伺えれば。
6号 
二週間ぶりに稽古が再開して同窓会気分で、でもやってみたら案外覚えていて。だからその分、精度を上げるように改善していくようにしています。最後の一週間で作ったシーンもあり、手探りでやっていた部分もあるんですね。自分達で把握しきれなかった部分を明らかにして、自分達のやっていることを緻密に再構成していけばもっと面白くなるのかなと。
__ 
なるほど。
6号 
単調だという声もあったので、そこを改善する方向で色々試しています。
__ 
大阪での公演を経た作品。お客さんがたくさん入るといいですね。
6号 
そうですね。初めての東京ですからねー。東京で芝居をしている人にアドバイスを聞いたら、やっぱりかなり口コミが大切みたいなんですね。初日の評価とか。東京に前乗りして、劇場にチラシを置かせてもらうという計画をしています。
__ 
そうそう、初日が大事なんでしょうね、きっと。
6号 
本当にウケるといいですね・・・。大阪公演のどこかの回で、ものすごい拍手が起こった回があったらしいんですよ。終演後に3号さんが「おいおいすごい拍手だったな!受け入れられてる感じしたよ!」って興奮してたんですね。やってる方は必死で、拍手の大きさまで気付けなかったんですが。
__ 
へえ。
6号 
今までにない拍手の量だったらしいです。それがね、東京に続けばいいなと思います。

タグ: 拍手についてのイシュー 出立前夜 東京公演前夜


「マリコのために」

__ 
おはぎさんは結局、何者なのでしょうか。
6号 
造形大出身なんです。その知り合い関係で芝居してて、大阪に移ってからはしばらく松竹芸能に入ってました。そこから劇団に入ったり辞めたり、プロジェクト俺の穴を立ち上げたりして、結局そこでも一人になって。ピンク地底人には、「マリコのために」に出演した後に入りました。
__ 
6番目に入ったから6号ですね。
6号 
実は、好きな数字を選んでいいよと言われて。でも8号は既に使われていたので6を選びました。私、6月生まれだし。
__ 
地底人に入った理由は。
6号 
C.T.T大阪で、俺の穴と地底人が一緒だったのでそこで知り合いました。「ある光」がすごくサイケデリックな作品で面白くて。その後、4号さん(竹子)に誘われて「マリコのために」に出ました。したら、意外と違和感が無かったんです。別にそんな、気を使ったり使われたりする事もなく。
__ 
私も「ある光」におはぎさんが出てると思ってましたからね。
6号 
ホンマですか、出てないです。マリコからです。
__ 
昔から出てるような感覚ありますけどね。
6号 
自分でも違和感なくスッと入れて。でも、まだ入って日が浅いので、3号さん・2号さん・竹子さんのコンビネーションにまだ入りきれていない気はします。
__ 
それはきっと、時間が解決してくれそうですけどね。堂々としていたらいいと思います。
ピンク地底人空前の第8回公演「ある光」
公演時期:2012/7/8~10。会場:シアトリカル應典院。
C.T.T大阪
C.T.T.とはContemporary Theater Trainingの略で「現代演劇の訓練」を意味する。1995年に京都のアトリエ劇研で発足し、70回以上の上演会を行う。現状、3カ月毎の上演会を予定。(公式サイトより)

タグ: ピンク地底人


質問 ピンク地底人5号さんから ピンク地底人6号さんへ

__ 
前回インタビューさせて頂いた5号さんから質問です。「『おはぎ』という芸名の由来を教えて下さい」。
6号 
私本名は千萩って言うんですけど、それで小学校くらいのあだ名が「おはぎ」だったんですよ。それが嫌で違う名前で読んでもらってたんです。でも大学で自己紹介した時、「昔おはぎって呼ばれていました」って言ったら、そのまま。呼びやすかったらしいです。
__ 
そう。地底人ではおはぎでありかつピンク地底人6号さんなんですよね。しかも、4号さんは「クリスティーナ竹子」ですからね。
6号 
それ、私も気になってたんですよ。2号さんに聞いたら「竹子の方がわかりやすいかなと思って。おはぎは俺の穴と地底人の活動を分けるために6号表記にしてるよ」って言われて。2号さんの気づかいですねぇ。これは今後の活動における繊細な部分ですよ。当の本人である私はそういうセンスが無いんですがね(笑う)だから、わっしょい出来る宴会隊長を目指してるんですけど。
__ 
ありがとうございます。二つ目の質問です。「芝居を続けるモチベーションを保つコツはありますか?」
6号 
めっちゃ漠然としますけど、明日を夢見るという事かな。何の夢だろう。わかんないけど。

タグ: 繊細な俳優 名称の由来


もっとあるでしょ

__ 
今後、おはぎさんはどんな感じで攻めていかれますか?
6号 
とりあえず、一人芝居でコテンパンにやられたので。今は、みんなでやる芝居をやろうと思っています。そうじゃないと広がらないのかなと。何だかんだ言って、キャッチボールをする必要を感じました。私は結局、相手のリアクションから自分の芝居を広げていっていたんですね。
__ 
そういうタイプだった。
6号 
一人芝居の稽古で「もっとあるでしょ」って演出のあんこに言われ続けたんです。うーん、どうやったら出てくるのか?って。相手をもっと大切にした演技を高めて、最終的には一人芝居も出来たらいいなと。
__ 
観客の想像力を掻き立てる戦いですからね。おはぎさんなら飽きたらずに頑張っていけると思います。
6号 
ありがとうございます。

タグ: 会話のキャッチボール 今後の攻め方


コサージュ

__ 
今日はですね、お話を伺えたお礼に、プレゼントがございます。
6号 
おおっ。ありがとうございます。凄いですよね毎回。
__ 
いえいえ、そんな事ないです。どうぞ。
6号 
(開ける)あ、コサージュ?
__ 
ですね。
6号 
ありがとうございます!着けます。可愛い。

タグ: プレゼント(装飾系)


ピンク地底人暴虐の第10回公演「明日を落としても」と、ツチノコ計画「その指で」


__ 
今日はどうぞ、よろしくお願いします。最近、5号さんはどんな感じでしょうか。
5号 
ピンク地底人の第十回公演「明日を落としても」の大阪公演が終わって、ひと段落ついたところです。今は、個人的に企画した卒業公演の稽古を行っています。
__ 
ツチノコ計画の「その指で」ですね。
5号 
そうですね。学生劇団としての締めくくりとして。劇的集団忘却曲線に所属していたのですが、今はOBです。仲の良い後輩を巻き込んで最後に挑戦しようとしています。
ピンク地底人
京都の地下は墨染に生まれた貧乏な三兄弟。日々の孤独と戦うため、ときおり地上にあらわれては演劇活動をしている。夢は関西一円を征服することと、自分たちを捨てた母への復讐。最近は仲間も増え、京都を中心に大阪にも出没中。(公式サイトより)
ピンク地底人暴虐の第10回公演「明日を落としても」
公演時期:2012/6/30~7/1(大阪)、2012/8/17~8/19(東京)。会場:インディペンデントシアター2nd(大阪)、王子小劇場(東京)。
演劇ユニット ツチノコ計画「その指で」dt>
公演時期:2012/8/3~5。会場:京都精華大学 明窓館104。

タグ: 町とアートと私の企画


主人公を追い続ける

__ 
ピンク地底人暴虐の第10回公演「明日を落としても」大阪公演が終わりましたね。面白かったです。ご自身としては、どんな公演でしたでしょうか。
5号 
自分の立ち位置が、自分の中であまりはっきりしなくて。まだまだだなと思う公演ではありました。やっぱり2号さんが主役という事もあって、2号さんの反応を見ながら演技を作っていくというやり方だったんです。雑踏に交じらずに、主人公を追い続ける役だったんですが。
__ 
立ち位置。難しい役所だったかもしれませんね。
5号 
台本も、インパクトのあるシーンがどんな感じになるのか、劇場に入るまで分からなかったり。小屋入りしてゲネをして、やっとどんな舞台か実感出来ました。
__ 
東京公演が8月17日から始まりますね。意気込みを教えて下さい。
5号 
今は、作品の段取りを丁寧に整理して、精度を高めていってます。その作業についていくのと、制作としては宣伝作業を手伝って、他メンバーの負担を減らしていきたいと思います。

タグ: 東京公演前夜


こういう事が出来るのは学生の時だけ

__ 
さて、ツチノコ計画。5号さんが演出なんですね。
5号 
もう、僕がわがままし放題の企画なんですけどね。僕が地底人に入るきっかけになった、「その指で」という作品をやります。
__ 
わがままし放題ですか。
5号 
最初は初演を踏襲したいと思ってたんですけど、気がついたら舞台が狭くなっていました。五歩分ぐらいのスペースで4人が演技する事になってました。
__ 
面白そうですね。
5号 
あとは勢いでごまかそうと。僕も含め、役者陣がどれだけ頑張れるかですね。
__ 
挑戦的ですね。
5号 
本当にわがままをさせてもらっていて。こういう事が出来るのは学生の時だけだと思っているんです。
__ 
なるほど。
5号 
今、本当に色々、自分がやりたい事が見えて来ていて。何に挑戦したいのかがはっきりしているんですよね。一度ここで形にして、まとめてみたいと思っています。

音として聞いていても楽しめる作品

__ 
ピンク地底人に入ったのは、どのような理由があるのでしょうか。
5号 
当時、大失敗してへこんでたんですけど、そのときに「その指で」を見たんです。そこからでした。訳の分からない言葉をしゃべってるしキチガイかと思ってたんですけど、終わった時に演劇に対する意識がごっそり変えられました。衝撃的でした。自分がやれるならやってみたいと思って、次の公演から参加しました。
__ 
どういう部分が衝撃的でしたか?
5号 
まず、共演者全員で作るという意識の強い作品だったんです。会話劇だと自分達でキャラクターを作ってしまえる・逆に言うと他の共演者は必ずしも必要じゃないんです。きっと。
__ 
そういえば、ここ2、3年のピンク地底人はチームプレイが主ですね。
5号 
全員で一人の役を表現したり、一つのシーンに一人として存在したり。しかも、セリフがまるで音楽のように配置されているんです。目を閉じても、音楽のように。役者としてもいろんな攻め方が出来るんです。でも、それって一人よがりではけして出来ないんですよ。周りを強く意識させられるんですね。全員で作るという意識は強いと思います。竹子さんもインタビューで言っていたように、バラバラにやってきた人たちが、作品の上で一つになる瞬間が面白いですね。僕だけじゃなく、共演者全員が感じているんじゃないかなと。
__ 
音楽として聞ける。
5号 
そうなんです。最近はハイテンポで台詞をまわす演出はないんですけど、稽古場では「テンポを崩さないで」とか「考える間を作らないで」とか。見るのはもちろん、音として聞いていても楽しめる作品になっていると思います。「その指で」を見た時は訳の分からない言葉をしゃべってるしキチガイかと思ってたんですけど、終わった時に演劇に対する意識がごっそり変えられました。衝撃的でした。自分がやれるならやってみたいと思って、次の公演から参加しました。

タグ: ピンク地底人


彼の世界

__ 
みんなで作る。それはどのような良さを生むのでしょうか。
5号 
もしかしたら勘違いかもしれないですけど、一つのものを共有している感じなのかなあ。人ってそれぞれに見ているものが違うのに、繋がっている感じがします。それが明確に見えるというのが重要なポイントかもしれないです。
__ 
共有とは。
5号 
絵とか情景とか。つまりイメージなんです。風景もそうですね。
__ 
それは、どういう部分が他の劇団と違いますか?
5号 
やっぱり、3号を支えるスタイルが違うと思います。代表の3号が、訴えたいものを毎回伝えてくれるんですよね。それを、他の地底人や客演の方々で、3号の世界を作る事に集中するんですね。
__ 
3号の世界とは。
5号 
作品をご覧になると分かるように、家族愛が根底にあるんですよ。誰でも身内はあるわけで、そういう身近な愛情を持ってくるんですよね。そこは僕も毎回共感しています。毎回、妊婦が出てきたり。
__ 
ピンク地底人は集団で家族愛を表現する。

タグ: 愛情表現 ピンク地底人


質問 石原 正一さんから ピンク地底人5号さんへ

__ 
前回インタビューさせて頂きました、石原正一さんから質問を頂いてきております。「僕は次郎系ラーメンが好きで、まあ体に悪いんですけど、そういうやめないといけないのにやめられない食べ物はありますか?」
5号 
コンビニ弁当ですね。誰かの為に作るのは苦にならないんですけど、自分だけのならまあいいやとなってしまいますね。やっぱり。お金掛かるんですけど、おにぎりやラーメンとか、コンビニ系のものになってしまいます。
__ 
そうした食生活から、抜け出したいという気持ちはありますか?
5号 
ありますね。でもついつい。そのきっかけとして誰かを部屋に呼べばいいんですけど、部屋が片づかなかったり。

タグ: ラーメンの話


お客さんに見ていただく環境を整える

__ 
今後、どんな感じに攻めていかれますか?
5号 
役者は続けつつ、制作をしっかり続けていきたいなと考えています。いま、ピンク地底人の制作としての僕の役割があまり定まっていなくて。早く自分の領域を固めて、ちゃんと仕事していきたいですね。
__ 
なるほど。
5号 
僕はどうしても役者だけじゃ食っていけないと思っているし、演劇をやっていくなら、お客さんに見ていただく環境を整える制作という作業に意識を高めないといけないんですよね。
__ 
というと。
5号 
チケットの販売方法から、リラックスして見てもらえる客席環境のことまで、意識が低い劇団では良くないと思っています。そうした環境について、自分の考えを深めたいですね。

タグ: どんな手段でもいいから続ける 今後の攻め方


締めるところは締めないといけない

5号 
実は以前、ABCホールで東京から来た劇団「表現・さわやか」さんの手伝いに行ったんですよ。僕は入り口でパンフを渡す係だったんですけど、受け取ったお客さんが「ありがとう」って返してくれるんですよね。かなり多い割合で。
__ 
なるほど。
5号 
京都だとなかなか見かけない光景で、僕はそういう劇団とお客さんの関係を作れればなと思っています。自然にそれぐらいのやりとりが出るような。
__ 
大切ですね。
5号 
雑なやり方じゃだめだと思うんですよ。外に出て色々気づかされたんですけど、たとえばお客さんがロビーにいない状況でも制作がくっちゃべったりしていてはいけないんですよ。そういうテーマが僕にはあって、今は具体的に色々したいという段階です。接客のマナーの意識を高めるために当日制作にレジュメを配ったり。締めるところは締めないといけない、と思っています。
__ 
そうですね。その公演とお客さんにそぐったやり方を考え抜いていけば、何でも正解だと思います。
5号 
僕も今の卒業公演でやりたい放題やってるので、ついつい周りが見えなくなってしまっていて。
__ 
いえいえ。
5号 
でも、それをやっていいのは学生の内だと思っていて。周りが、そういう僕のわがままに付き合ってくれるので。ありがたいですね。

置物

__ 
今日はお話を伺えたお礼に、プレゼントがございます。
5号 
ありがとうございます。
__ 
どうぞ。
5号 
(開ける)あ、あー。水時計?
__ 
ちょっと光るんですけど。ずっと見続けられるような置物です。

タグ: プレゼント(インテリア系)


中崎町ミュージアムスクエア、一旦の完了。

__ 
二年半にわたった中崎町ミュージアムスクエアが終わりましたね。お疲れさまでした。2010年5月から始まり、それぞれ別の脚本家による10本の書き下ろし作品をほぼ隔月で大阪・中崎町のコモンカフェで上演し、最後にはNMSグレイテスト・ヒッツとして東京・大阪でほぼ全ての作品を上演するという企画。もう、大変でしたね。
石原 
いえいえ。やっぱり、やってる最中は大変だなんて思わないものなんです。それはどんな公演でも同じで、登る山が高いか低いかの違いで。大変じゃない芝居は、まず無いんですね。
__ 
私は何作かしか拝見出来なかったのですが、確かに、大変そうだというより先に「楽しそう」だという印象を受けました。東京公演の時も明らかに過密スケジュールなのに、まるで楽しそうな。
石原 
そうですね。東京公演の時も、スタッフさんがいてくださって、俳優と演出に集中出来たんですよ。コモンカフェでの上演みたいに、自分であれもこれもやっていたら大変だったかもしれないですね。
石原正一
演劇人。石原正一ショー主宰。1989年、演劇活動開始。1995年、"石原正一ショー"旗揚げ。脚本演出を担当、漫画を基にサブカル風ドタバタ演劇を呈示。関西演劇界の年末恒例行事として尽力する。自称”80年代小劇場演劇の継承者”。外部出演も多数。肉声肉体を酷使し漫画の世界を自身で表現する"漫画朗読"の元祖。"振付"もできるし、”イシハラバヤシ”で歌も唄う。(公式BLOG『石原正一ショールーム』より)
中崎町ミュージアムスクエア
関西演劇界の異端児“石原正一ショー”の石原正一が2010年5月から始めた2人芝居シリーズ『中崎町ミュージアムスクエア』。コメディあり、シリアスあり、ウェルメイドあり、上質の作品を多数公演し、今年1月の公演で10作品目を公演。この春、東京はアゴラ劇場で10作品をまとめて一挙に再演。大阪ではHEP HALLにて選抜4作品の凱旋公演が決定!石原正一は全作品に出演。(公式BLOGより)

タグ: ウェルメイドという価値観


10本の楽しい遊び

__ 
中崎町ミュージアムスクエア、略してNMS。企画として、すごく遊び心が感じられますね。
石原 
個人的にはやっぱり作家の方に脚本を書き下ろして頂いている事が楽しい点でした。10作品全てがほぼ、僕と共演者のあて書きだったんです。そうした楽しみは、企画の段階からありましたね。
__ 
そうなんですよね。20人以上の作家と共演者。バラエティ豊かですよね。
石原 
脚本の方も、これ一度きりだけじゃなくて、これからも折りにふれて上演出来るようにとお願いしていました。これからも、いろんな時にいろんなところでやれると思っています。
__ 
終わってみて、どのような経験に。
石原 
10本の楽しい遊びを覚えた、という実感があります。旅行で言えば、あちこちの国に行けるみたいな。そんな作品群でした。
__ 
旅行!
石原 
ええ、結局は僕が一番楽しかったんだと思いますよ(笑う)。
__ 
この企画を始めた動機を伺ってもよろしいでしょうか。
石原 
40代になった春、さて何をしようと思ったんです。これから何をしたら面白いのかなと。19歳で演劇を始めてから出る側、書く側、プロデュースする側と色々携わって。ここでもう一度、セリフを吐きたいなと。一周して役者の欲求が強くなったんですね。もちろん漫画朗読も役者の仕事ではあるんですけど、やはり掛け合いをしたい。でも大人数は無理なんで二人ぐらいかなと。脚本も誰かに頼んで・・・と考えたら「どんどん作品を作ろう、年一本じゃなく、二月に一回くらいのペースでやってみよう」。
__ 
二ヶ月に一度、定期的に中崎町のコモンカフェで上演されましたね。
石原 
大阪キタの演劇としてはHEPがあるし、昔は扇町ミュージアムスクエアがあったし。オーナーの方も元々扇町ミュージアムスクエア(OMS)のスタッフさんだったのでご理解があって。コモンカフェがなかったらやってないかもしれません。
__ 
OMS。
石原 
はい。匂いとして、OMS的な事をやろうと思っていたんですね。だから中崎町ミュージアムスクエア。場所はあるし、ソフトは僕の知り合いの作家さんにお願いして、共演者も今まで通り気になった方に声を掛けて。もう、走れるところまで走ってみようと。そうしたら、いろんな方が協力して下さったんですね。初めて記者発表というものもしました。大体僕、思いつきで何でもやるんですけど、協力を頂けたのが良かったです。
__ 
素晴らしいですね。これまで多人数が出演する劇を作られていた方が二人芝居をやるというのが鮮やかですね。
石原 
そうですね。実は、二人芝居って割合としてはそれほど多くない。一時間の二人芝居の作品という事で、単純にひとり30分ぶんの仕事。そこで、自分がどれだけの役者なのかがはっきりするんです。自分の実力を査定して、高めるみたいな。共演の方も、昔一緒の劇団にいた同輩や、若手の方もいて。胸を借りたり貸したりでした。ごく個人的には、役者としてはとても有意義な時間にもなりました。
コモンカフェ
さまざまな人によるさまざまな人のためのさまざまな居心地のさまざまな空間。さまざまなつなぎめがさまざまな方向へ向かったりすると愉しい。common cafeはさまざまなジャンルに関心を持つ日替わりマスター・企画スタッフにより共同運営されています。(公式サイトより)
扇町ミュージアムスクエア
扇町ミュージアムスクエア(おおぎまちミュージアムスクエア、略称OMS)とは、かつて大阪市北区に存在した小劇場である。(Wikipediaより)

タグ: エネルギーを持つ戯曲


僕と東京のお客さんと

石原 
アゴラ劇場で上演出来たのは大きかったですね。NMSはどの作品もまるで違うので、それを東京で見てもらうのは凄く楽しみでした。ショーケースではないですが、関西ではこういう人たちがいるんだと形で示せたんじゃないかなと思います。お客さんの反応でも、大阪にこういう人がいるんだとか、知っている人の新しい側面が見れたとか、そういう声を頂いて。
__ 
そう、客演の人の別の表情。確かにそれは石原正一ショーの特長ですよね。ワクワクします。
石原 
それは正一ショーのルーツですね。僕が知った、面白いものを広めるというか。
__ 
NMS東京公演は、私も拝見しました。めちゃくちゃウケてましたね。妙な言い方ですが、「ああ、面白く見てくれるんだ」と嬉しくなりました。
石原 
僕、東京でやるの好きなんですよ。劇団時代に何回か東京公演は行っていて、正一ショーでも三回行ったんですが、お客さんがしっかり見てくれるんですね。
__ 
シーンをしっかり見てくれるんですよね。笑いに対して固いという印象を私も持っていましたが、それは少し違う。大阪のお客さんと明確に違う部分があるとすれば、それは目の前で演技している俳優との付き合い方の違いかもしれない。
石原 
そうなんですよ。お客さんが10人ぐらいしかいない回もあったんですけど、上演中やアンケートでの反応が、思ったよりもリアルなんですね。僕らがちゃんと笑かしたり泣かしたりしたら、感動してくれる。お客さんの空気が変わるんです。贅沢でしたね。それを大阪でも凱旋公演出来て・・・、この旅は贅沢でしたね。
__ 
贅沢な旅。
石原 
だから、一番楽しかったのは僕だったんです。

タグ: 泣く観客 アンケートについての話題


何やってんだよ

__ 
さて、石原正一ショーについて。本公演の最新作は「ハリーポタ子」でしたね。
石原 
このTシャツ、ポタ子なんですよ。これ。
__ 
あ、可愛いですよね。石原正一作品の特色は70~80年代のキャラクターが多数登場しているという点ですが、どういう理由があるのでしょうか。
石原 
僕が中学高校という一番多感な時期に好きだったテレビとか漫画とか音楽。これらが染み着いているんですね。それをアウトプットするとどうしてもそうなっていくんだと思います。
__ 
なるほど。
石原 
今の若い子らの面白いもの体験していないので出せないんですよ。まずゲーム世代ではないんです。アーケードゲームはさんざんやったんですけど。もし家庭用ゲームを持ったら、ずっとやり続けて仕事しないんじゃないかな。
__ 
あの時代に好きだったものを舞台に出す。それは例えばジャンプの表紙が一面に張られた舞台だったり。
石原 
そうですね。
__ 
しかし、分からないネタの時に客席が凍り付く現象がありますよね。
石原 
ありますね。
__ 
私、あの瞬間が結構好きなんですよ。全然気まずいとかではなく。何でだろう。
石原 
分かります。アンケートにもよく、「分からないところも多かったけど面白かったです」って。それはしゃあない、と思いながら書きます。ガンダムや石ノ森章太郎の世界も、今の子は分からんやろうなと思っても、書くしかないんですよね。飛躍しますけど、タランティーノが自分の好きなものを詰め込んだ映画を作るのと同じで、オマージュとパロディは全力でやるんですよ。ガンダムが分からなくても、その芸が面白ければいいんですよ。そういう開き直りで作っています。
__ 
ポタ子も、不条理なシーンの方が多いですしね。
石原 
尾崎とコンサートしたりね。
__ 
あ、出てきてましたね。
石原 
何やってんだよと笑ってくれれば嬉しいですね。
第24回石原正一ショー『ハリーポタ子』
公演時期:2011/9/13~20(大阪)。2011/9/23~26(東京)。会場:in→dependent theatre 1st(大阪)。下北沢シアター711(東京)。

タグ: ジャンプ!についてのイシュー ガンダム アンケートについての話題