板の上

__ 
芝居を初めて最初の頃に特に影響を受けた作品はありますか?
大塚 
藤原竜也さんのお芝居。学生時代の頃からちょいちょい拝見しています。あの人凄いなあと。勝手にライバル意識がありますね。影響は絶対に受けています。
__ 
こいつ凄いな。それは、どういう時に感じますか?
大塚 
板の上で放っているオーラとかパッションを如実に感じる時ですね。技術はもちろんその要素なんですけど、あのオーラは何をやってもすごく見えてしまうんだろうなと思いますね。
__ 
そうですね。
大塚 
そんなものを感じる人はあんまりいないんです。そういう、すげえなと感じる人になりたいと思いますけど。
__ 
エネルギーが空回りしない為の技術を身につけるのがとても大変だと思うんですよ。オーラの凄い人が空回りしてしまった舞台を拝見した事があるのですが・・・。
大塚 
その通りです。そういう時は噛み合わないというか、作品としては成功ではないでしょうね。そうならないようにするのは役者の仕事ですよね。
__ 
というと。
大塚 
稽古でいくら想定しても、本番とはまるっきり違うんですよ。3日間の公演だったとしても、初日と千秋楽では演技が全然違う事があるんです。そこは駆け引きなんですよね。もちろん全ての回は100%でやっていますけど、お客さんが入って初めて「ここは稽古でやってきたやり方よりも、お客さんの空気感から、こうした方が作品としてもっと良いんじゃないか」って、絶対にそうなるんです。特に、笑いだったりシチュエーションコメディの場合は。
__ 
そして、そこに引きづられて変えてはならない部分もありますからね。
大塚 
演出の意図と、お客さんの空気と。バランスですね。
__ 
本番の時間というのは恐ろしいものですよね。ところで、こういう言い方は誤解を受けると思うんですが、上演中は営業時間なんじゃないかと思っているんです。
大塚 
そうです。そうですよ。
__ 
それはまさに、対価を払って入場したお客さんをその時間内で納得させなければならない。が、ある程度以上、感動する・面白いポイントを固定しきる事はあまり意味がないのかも。もしかしたら、稽古で意図したのとは違うタイミングで楽しむ事になるかもしれない。ずっと集中していなければならないんですよね。お客さんの目にさらすまで、その演劇作品のどこが面白いのかなんて誰にも分からないから。
大塚 
実際、自分が客席にいるときもそう思いますからね。
__ 
中止も巻き戻しも原理的に出来ない。考えてみたら怖いですね。
大塚 
楽しいですけどね。
__ 
楽しい。そう感じるのは、どんな時ですか?
大塚 
それこそ、僕は本番が一番楽しいんですね。あの緊張感と、自分がぶっこんでいった時、その時のお客さんの反応ががっちり合った時。あ、ここはそうなんだとか、ここはこういう意味だったんだ、とかいくら稽古しても作品の知らなかった意味に気づく事もあるんです。劇場の空間で、どんどん新しい発見がある。笑いが起きる時も引くときも。
__ 
今回の悪い芝居、まさに予想できませんね。演技やシーンの意味を限定しないと伺っています。
大塚 
お客さんが色んな事を思うと思います。シチュエーションコメディだったら、こういう展開にして、こう思わせる・こうやって笑わせるという線路があるんですが、今回は線路がめちゃくちゃあるんですね。最終的な終着駅は山崎氏の中にあるので僕らもそこに着くとは思いますが、出ている僕らですらどうなっていくのか分かりません。そういう舞台は、僕はとても楽しみです。

タグ: SeizeTheDay 「悪い芝居」の存在


とりあえずぶっこんでいこう

__ 
今後、どんな感じで攻めていかれますか?
大塚 
いっぱい出演させて頂いているんです。ここ最近で、年間20本ぐらい。色んな芝居や、他にもラジオや教える仕事をさせて頂いてきました。これが楽しいのかどうか分からないけどとりあえずぶっこんでいこうという気持ちで。今後も基本的にはぶっこんでいきますが、自分が楽しくて需要があるところを見つけられたらなと思います。

タグ: 今後の攻め方


冷却タオル

__ 
今日はですね、お話を伺えたお礼に、プレゼントがございます。
大塚 
いいんですか? 僕、いいですよ。目標とかビジョンとかふわっとした事ばっかりだったので・・・
__ 
いえいえ。どうぞ。
大塚 
いいんですか本当に。ありがとうございます。今開けさせて頂いてもいいですか?
__ 
もちろんです。
大塚 
ありがとうございます(開ける)。これ、濡らして絞ると冷たいんですね。
__ 
はい。肌触りのさらさらしたものを選びました。
大塚 
こんな細い人間ですが、めっちゃ汗かくんです。これで悪い芝居、東京大阪、iakuは名古屋も、この夏乗り切らせてもらいます!ありがとうございます。

タグ: プレゼント(衣服・布小物系)


京都にて

__ 
今日はどうぞ、よろしくお願いします。渡邉さんは、最近はいかがでしょうか。
渡邉 
最近はちょっとバタバタしてきていまして。ひょっとこ乱舞の最終公演の「うれしい悲鳴」の稽古と本番があって、それからPLAYPARKにも出てたんです。ひょっとこ乱舞からアマヤドリに改称した最初の活動でした。それが終わってから、すぐこっちに来ました。
アマヤドリ
ひょっとこ乱舞より改称。詳しくは次項。
ひょっとこ乱舞
作・演出の広田淳一を中心に2001年結成。現代口語と身体性を表現の両輪とし、クラッピングや群舞など、随所に音楽的な要素も取り入れる。リズムとスピード、熱量と脱力を駆使した「喋りの芸」としての舞台表現を志向する。2004年「若手演出家コンクール2004」にて広田が最優秀演出家賞を受賞。2008年チョウソンハが文化庁芸術祭・演劇部門新人賞を受賞。(公式サイトより)

質問 村上 誠基さんから 渡邉 圭介さんへ

__ 
前回インタビューさせていただきました、村上さんから質問を頂いてきております。「僕より1週間早く京都に着いていたそうですが、僕が来るまで何をしていたんですか?」
渡邉 
ヨーロッパ企画の方々に構ってもらっていました。おいしいものを食べに連れていってもらったりしていました。
__ 
懐の深さですよね。
渡邉 
みなさん凄く優しいんですよね。ヨーロッパハウスで焼き肉パーティーに呼んで貰ったりしました。
ヨーロッパ企画
98年、同志社大学演劇サークル「同志社小劇場」内において上田、諏訪、永野によりユニット結成。00年、独立。「劇団」の枠にとらわれない活動方針で、京都を拠点に全国でフットワーク軽く活動中。(公式サイトより)

悪い芝居vol.13『カナヅチ女、夜泳ぐ』

__ 
今回、どういういきさつで参加されてのでしょうか。
渡邉 
悪い芝居が東京で上演した「駄々の塊です」に僕の後輩が当日制作でついていて、当日精算で入れたんですね。もちろんお芝居が面白かったので、お芝居が終わった後にお話する機会があったのですが、そこで出演したいと。もちろんその後、色々やりとりがあったんですが。
__ 
稽古は、今はどんな感じでしょうか。
渡邉 
台本の序盤ですね。もう一人の客演の大塚さんもちょくちょく稽古場に来始めています。がっつり作り込むというよりは、色々試している感じですね。
__ 
今回、関係性を作り込むところから始めているそうですね。
渡邉 
そうですね。これは実際に仰っていたんですが、山崎さんが最終的に何か方向性を決める・外枠を作るというのは決まっていると。でも、それは別に対した問題じゃなくて、この座組でしか出来ない事を探っているんじゃないですかね。この村上さんや大塚さん、劇団員の方もいるので、出来ちゃうんですよね。では、普通の稽古では出来ない領域をやってみようという事なんじゃないかなと。
悪い芝居vol.13『カナヅチ女、夜泳ぐ』
公演時期:2012/06/13~20(大阪)、2012/07/10~16(東京)。会場:in→dependent theatre 2nd(大阪)、王子小劇場(東京)。
悪い芝居
2004年12月24日、旗揚げ。メンバー11名。京都を拠点に、東京・大阪と活動の幅を広げつつある若手劇団。ぼんやりとした鬱憤から始まる発想を、刺激的に勢いよく噴出し、それでいてポップに仕立て上げる中毒性の高い作品を発表している。誤解されやすい団体名の由来は、『悪いけど、芝居させてください。の略』と、とても謙遜している。(公式サイトより)
悪い芝居vol.12「駄々の塊です」
公演時期:2011/11/2~2011/11/9(京都)、2011/11/17~2011/11/21(東京)。会場:ART COMPLEX 1928(京都)、王子小劇場(東京)。

タグ: この座組は凄い


肌で

__ 
渡邉さんがお芝居を始められたのはどのようなきっかけがあったのでしょうか。
渡邉 
日大の映画学科だったんですけど、2回生の頃に同期の劇団の公演に出たのがきっかけですね。
__ 
始めたあたりの頃に影響を受けた作品はありますか?
渡邉 
手前味噌ですけど、やっぱり自分の団体のものでしたね。まず、映画って、学校で作っているとどんなに頑張っても1年に1本取れるかどうかぐらい大変なんですね。定期的に演技出来る場所を探していたらたまたま演劇に会ったという感じです。やっていくうちに凄く楽しい事に気づいたんですね。大学の卒業公演で、いまもいる中村さやかさんと共演したんですが、本番であらあらあらと。
__ 
というと。
渡邉 
どう言ったらいいんでしょうね。無いものが見えたんですね。例えば空気って、見えないですけどありますよね。
__ 
ありますね。
渡邉 
「おいしい」という感覚だって、化学物質に分解して、要素を抽出出来ますよね。でも、それがイコールおいしいという事だとは言えないんですよ。でもあの舞台ではそれが表現出来ていたと思うんです。無いものが見えるって、関係性なんですかね?
__ 
何かを感覚するときには、想像力が喚起されるのと同時に、コンテキストを明確に理解している必要があるんでしょうね、きっと。
渡邉 
それを肌で感じる事が出来たんですね。居合わせてしまったんです、きっと。
__ 
もちろん、面白いものというか、価値のあるものじゃないとそこまで辿りつけないんでしょうね。

まだまだ続きがあったのになあ

__ 
ひょっとこ乱舞の最終公演、「うれしい悲鳴」。ダンスシーンが相当多かったですね。
渡邉 
そうですね、ずっと音楽掛かりっぱなしでしたね。
__ 
それと同時に物語が進行していくんですよね。あの芝居では渡邉さんは金髪でしたが、ダンスリーダー的ポジションでしたね。
渡邉 
いや~~~?(笑う)実はですね、僕はダンスがあんまり得意じゃないんですね・・・。いや、もうゲキバカの伊藤今人さんとか、柿喰う客の長島君とかに教えてもらいながらでした。シーンの便宜上、僕が真ん中になるシーンがあって、でも踊っているうちに後ろの方に下がるんだろうなと思っていたらあれよあれよと言う間に最後まで残っているという。
__ 
ご自身ではどんなお芝居になったと思われますか?
渡邉 
僕はすごく好きだったんですよ。終わっちゃうんだって・・・まだまだ続きがあったのになあと。感情が強く出る作品だったので、ちょっとやそっとじゃ終われない作品でしたね。打ち上げでもうずっと、ストーリーについて語り合えたんですよ。
ひょっとこ乱舞第25回公演「うれしい悲鳴」
公演時期:2012/3/3~2012/3/11。会場:吉祥寺シアター。

距離

渡邉 
役者さんって、簡単に何かになれたと思いがちじゃないですか。神様だったり、デンマークの王子だったり、80歳のおじいさんとか。嘘付け!って思うんですね。でもやるんですけどね。
__ 
ええ。
渡邉 
でも、違うじゃないかと。じゃあ、そうそう簡単にせりふなんて言えていいのかと思うようになったんですね。どういう風にセリフを言えようか。役を作り込めば作り込むほど、模写も演技も完成度を高めれば高めるほど、「君80歳じゃないよね」って。そんな問題じゃないのかもしれませんけど、今は何となくそう思っています。客席には僕の正体を知っている友人知人がいるんです。
__ 
前回の公演ではどうなさっていたんですか?
渡邉 
これは稽古場でも話されていたやり方なんですけど、自分がその役を説明する意識を持っていました。「家族を理不尽な殺され方をして、それで悲しんでいて、いま人を監禁していて・・・」って。その説明が重なっていけばいくほど、僕との距離が近くなるんじゃないかなと思うんです。

タグ: 嘘のない 大・大・理不尽


旅に出る

__ 
これまでに目標としていた事はありますか?
渡邉 
自分から旅が出来るようになりたいですね。どうしても、自分の範囲内でおさまってしまうというか。一つの役を始める時、自分の中にある解釈を拡大して作っていくんですけどね。それは有意義な作業なんですけど、でも、自分には全く無い地点には行けないんですよ。さっき、80歳のおじいちゃんにはなれる訳がないじゃんとか言ってましたけど、それとは全然逆の希望があります。あと単純に、目標にしたい上手な役者さんがたくさんいますね。
__ 
どんな俳優になりたいですか?
渡邉 
恥ずかしいですけど、押して勝つようになりたいです。喧嘩をする場合、押して勝つ人と引いて勝つ人がいると思うんですが、僕は後者なので、押して勝つ人に憧れますね。

円を出る

__ 
今後、どんな感じで攻めていかれますか?
渡邉 
広いところに立って芝居がしたいです。これは目標でもあるかもしれませんが。僕は、芝居をする人は三つの円に囲まれていると思うんですね。最初の円は「自分をかっこよく見せたい、上手に見せたい」で、これは役者なら誰でも持っているし、持っていなければ嘘だと思うんです。でも二つ目の円、「作品のためにいかに自分が働けるか」というのがあるんですよ。ここで動けたらもっと良くなると思うんです。自分自身ももっと素敵になれるし。でも、その先にもう一つ円があるんですよ。「もっと広い、見知らぬ誰かの為に演技が出来るか」という。その人の為にお芝居をしたら、とてつもない物が出来るんじゃないかと。そこに行きたいですね。あとは、アマヤドリの全国ツアーで、東京にこんな劇団があるよという事を知って貰いたいです。
__ 
知らない人に見られて、どう思ってもらいたいですか?
渡邉 
良く思ってもらいたいというのはあるんですけど、まず、ただただ出会いたいですね。その中にはとんでもない人もいたり、好きになってしまう人もいるし、いたし。

タグ: どう思ってもらいたいか? 今後の攻め方


暗証番号式ワイヤーロック

__ 
今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントがございます。
渡邉 
え、そんなのがあるんですか?
__ 
毎回しています。どうぞ
渡邉 
ありがとうございます。(開ける)きたあ。これ、チャリに付けてもいい奴ですよね。アメリカ運輸保安局に認められてるじゃないですか。
__ 
そうですね。
渡邉 
鞄とかにも付けられますよね。鍵も壊されない奴かな。僕、ニューヨークに行った時に鍵を壊された事があるんですよ。

タグ: プレゼント(ツール系)


__ 
今日はどうぞ、よろしくお願いします。村上さんは、最近はどんな感じでしょうか。
村上 
5月1日付けでフリーの役者になりました。一人になったぶん、頑張っていかなきゃなと感じています。最近の出来事だと、京都に滞在を始めて、今は悪い芝居さんの事務所に住んでるんですよ。
__ 
あ、そうなんですね。
村上 
そこにいる猫の・・・
__ 
しゃもりですね。
村上 
はい。東京にいたときは飼えなかったので、どはまりしています。今はちょっとずつ慣れてきて。先日ついに、布団に入ってきてくれました。
__ 
おおっ。
村上 
でも噂だと、僕以外の布団にも入っていくらしいんですよ。猫って、時間を掛けたら簡単になつくから、誰にでもこういう事をするのかと思うと・・・。もうちょっと、向こうが油断しているときに構ったらもっと仲良くなってくれるんじゃないかと。
悪い芝居
2004年12月24日、旗揚げ。メンバー11名。京都を拠点に、東京・大阪と活動の幅を広げつつある若手劇団。ぼんやりとした鬱憤から始まる発想を、刺激的に勢いよく噴出し、それでいてポップに仕立て上げる中毒性の高い作品を発表している。誤解されやすい団体名の由来は、『悪いけど、芝居させてください。の略』と、とても謙遜している。(公式サイトより)

vol.239 村上 誠基

フリー・その他。

2012/春
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村上

__ 
フリーになった理由を伺えないでしょうか。
村上 
4月末まで柿喰う客に入っていました。柿喰う客のメンバーは実力を持っている人たちの集団なのですが。そんなメンバー達を見ていて。自分も、あと1年で30歳かと考えた時に、もっと自信の持てるスキルだったり、続けていく上での芯が欲しいと思うようになりました。それがフリーになった理由の一つです。
__ 
なるほど。芯が欲しい。
村上 
特に、演劇やるぞと思って始めた訳でもなく、大学卒業後も続けようと思っていた訳でもないんです。就職活動もしなかったので、ぬるっとこの世界に入ってきたんですね。そんな自分が、色んな人との巡り合わせのおかげで前で演劇をやらせて貰っていて、運に恵まれていると思います。いまだにひょんな事ですぐ辞めるんじゃないかなーとも思っていますが、続けていますね。
__ 
演劇をつづけているのは、楽しいからですか?
村上 
そうですね、楽しいですね。色んなジャンルの芝居に参加させていただくのが楽しいというのがあります。出る分には選びません。舞台に出るのは好きですからね。
柿喰う客
中屋敷法仁の演出作品を上演する演劇集団。演劇の虚構性を重視し、「圧倒的なフィクション」の創作を続ける。虚構性の高い発話法/演技法を追求し、人間存在の本質をシニカルに描く。その姿勢から「反・現代口語演劇」の旗手として注目を浴びる。(公式サイトより)

vol.239 村上 誠基

フリー・その他。

2012/春
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村上

土地は違っても

__ 
村上さんは、ご出身はどちらなんですか?
村上 
愛媛県です。大学から東京に出てきて。演劇を知る前は特にやりたい事がなくて、でも東京にいる4年間は何かをしていてもいいかなと。最初はサークルを回っていたんですけど、大学生の若いノリについていけなくて。そこで演劇部の人たちの、若干陰気なノリが自分には合っていると思ったんですね。それが楽しくなっちゃって、帰る事もせず現在に至っています。
__ 
なるほど。演劇を始めた頃に見た、衝撃を受けた作品はありますか?
村上 
そうですね、松尾スズキさんの「悪霊」は凄く面白く見せてもらって。4人ぐらいしか出ていない芝居で、とにかく展開がが面白いんです。それに、驚かせようという姿勢があって、2時間ぐらいずっと飽きないんですよ。
__ 
驚かせようとする姿勢。私が初めて拝見した柿喰う客の作品は「恋人としては無理」だったんですけど、あれも驚きましたね。
村上 
大阪公演ですよね。実はあの時が初めての地方公演だったんですけど、終演後にたくさんの方が挨拶や握手しに来て下さって。「面白かったよ」って仰ってくれるんですよね。それが嬉しかったです。東京とはお客さんの反応が全然違っていて。笑うところが違ったりするんですよ。
__ 
笑いどころ。そうそう、確かに笑うシーンに対する姿勢は、特に大阪は違うかもしれない。
村上 
その後も大阪の俳優の方と交流がありますが、おもしろかったのはスベった時のご当地の言い訳みたいなのがあって、大阪の場合だと、お客様は目の前の役者より自分の方が面白い事できると思っているからよほどじゃないと笑わない!とか。逆に自分は、東京のお客さんはストーリーをじっくり見てるから、笑わないんだよ、みたいな言い訳があって。もちろんそれはお互い冗談でいってるんですけどね。
__ 
なるほど。
村上 
そんな冗談も含めて、役者としては考える事は土地は違っても一緒なんですね。同じように結果を出す仕事な訳ですし。場所が違うからといって、根本的な演技を作りなおしたりはしなくていい。そんな事を考えました。

タグ: 衝撃を受けた作品 土地の力


vol.239 村上 誠基

フリー・その他。

2012/春
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村上

ブレ

__ 
舞台で演技をしているときに、好きな一瞬はありますか?
村上 
昔から、笑いを取れた瞬間が一番好きなんですけど、最近はちょっと興味が変わってきています。今は、自分の影響力が共演者に伝わっているなと感じる時に喜びを感じるというか。その日によって調子が変わったりするじゃないですか。同じ事をやってるのに違うんです。感度が鋭かったり鈍かったり。例えば相手に「座れよ」と声を掛けるセリフ。その時の流れによって、説得するように優しく言った方がいいのか、強く言った方がいいのか。その時々で判断があって、相手がそれを汲んでくれて、噛み合った時というのがすごく面白いですね。もちろん、それを考えながらやってる訳じゃなく、終わってから「あの時、あのやり方にして良かった」と思うんですが。
__ 
そう考えるようになったのは、いつからですか?
村上 
柿喰う客の玉置玲央が主宰のカスガイというユニットに参加して会話劇をやって、それぐらいから面白いなと。得意不得意は別として、コメディを主にやってきたので、ちょっとノリが違うのをやるとみんな驚いてくれるというのもあって。意外だって。笑いで培ってきた貯金を崩しているような感覚があります(笑う)。
__ 
予想を裏切るみたいな感じですね。
村上 
会話劇。稽古が楽しいですよね。この間出演したオーストラマコンドーの稽古で、演出の倉本さんがとことん、練習に付き合ってくれるんですよ。役柄としての気持ちにも。白雪姫と七人の小人のお話で、僕は小人の一人だったんですけど、みんなで台本を持ってきて、お姫様が言った事に賛成の人、反対の人って聞いていって。その理由を聞いて、「ああそれだったらこのシーンはそうしよう」って。すると、嘘がないから自分の意思が明確になって演技のブレが少なくなるんです。段取りをガチガチに決めた芝居ではなく、かと言って感情以外何も決めない芝居でもない。相手が段取りにない意外な事をしてきても、方向性が決まっているのでどんなことでも対応出来る。芯のある話を作る。そういう取り組み方がすごく勉強になりました。

タグ: 役者のその場の判断 玉置玲央さん 嘘のない 意外にも・・・


vol.239 村上 誠基

フリー・その他。

2012/春
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村上

質問 山崎 彬さんから 村上 誠基さんへ

__ 
前回インタビューさせていただいた山崎さんから質問を頂いてきております。「京都にきてしばらく経ちますが、どうですか?」
村上 
京都。観光地みたいなところをあるいてたら稽古場に行けるので、そこが新鮮ですね。東京だと、本当に駅から遠く離れた何々区の公民館とか集会所でやったりするんです。自転車で稽古場に行くって新鮮ですよ。
__ 
あ、そうなんですね。
村上 
ぎゅっと詰まっていていいですね。目的なく歩いていて楽しいって、そんなにないなと。

vol.239 村上 誠基

フリー・その他。

2012/春
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村上

__ 
今回の悪い芝居「カナヅチ女、夜泳ぐ」。どんな経緯で出演が決まったのでしょうか。
村上 
柿喰う客の「恋人としては無理」ツアーで大阪公演に山崎さんにゲストで出てもらったのが最初です。それから山崎さんが東京で公演をするたびに何回か誘って頂いたんですけど、日程が被っていて中々行けなかったんですね。それで初めて見たのが前作の「駄々の塊です」で、それがすごく面白かったんです。終演後に詳しい出演依頼を聞いてすぐに出ますと返事しました。
__ 
いま、悪い芝居の稽古はどんな感じでしょうか。
村上 
今は進行を急いでいるという訳ではなく(5月19日時点)、関係性であるとか、モヤモヤしたものを整理せずそのまま表現するという作り方なんです。普通はもっと分解して整理していくと思うんですけど、むしろ整理を付けないという事を今山崎さんは言ってますね。僕はそういう作り方は想像していなかったんです。台本をもらって、稽古の期間内、期日までに最短距離で仕上げるスケジュールを考えるのが僕の癖なんですけど、今回はまだじっくりやってますね。モヤモヤしたものはそのまま置いといていいよ、と。
__ 
そこを見せたいからですね。面白そうですね。手応えとしては。
村上 
難しいですけど、考えるのが面白いです。だから大丈夫なのかなと(笑う)何とかなるんじゃないかなと。
__ 
稽古の仕方については。
村上 
ダメ出しするときに、「ここはこうだ」とか、役者に100%の答えを求めるようなやり方じゃないんですよ。今回「う~ん、分からない」というのを出す演出だからかもしれませんが。ダメ出し、色んな角度から考えるんですよ。さっきの稽古でやったシーンは作品として成立しているけど、別の角度から見たらこうだよ、みたいな。一つ一つの事を聞いて行ったら翻弄されるんですけど、山崎さんから見たらバランスが取れているんじゃないかなと思います。
__ 
役者の方向性は決めないという事なんですね。
村上 
でも、「今どう思ってやったの?」と聞かれて、それに対する否定とかはないんですけど。
__ 
役者にとったらある意味辛いかもしれませんね。
村上 
そうですね。器用な人なら楽しんで出来るのかもしれませんけど。でもそれって、まさしくこれからの自分に必要な能力なんですね。自分で決めるって。その役者だけに演出がつきっきりになる訳ではないし。よく回る独楽より、自分で考える駒になりたいですね。
__ 
フリーになる事を決めた村上さんなら、きっと楽だと思います。
村上 
いえいえ、苦戦していますよ。
悪い芝居vol.13『カナヅチ女、夜泳ぐ』
公演時期:2012/06/13~20(大阪)、2012/07/10~16(東京)。会場:in→dependent theatre 2nd(大阪)、王子小劇場(東京)。
「恋人としては無理」全国ツアー
柿喰う客作品「恋人としては無理」の全国ツアー。横浜、福岡、大阪、札幌、愛知などで公演。
悪い芝居vol.12「駄々の塊です」
公演時期:2011/11/2~2011/11/9(京都)、2011/11/17~2011/11/21(東京)。会場:ART COMPLEX 1928(京都)、王子小劇場(東京)。

タグ: 「異なる角度から」 王子小劇場


vol.239 村上 誠基

フリー・その他。

2012/春
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村上

お仕事待っています!

__ 
今後、どんな感じで攻めていかれますか?
村上 
そうですね。ジャンルは何でも好きなので、その意味では恵まれていると思います。どのあたりが自分に向いているのか、それが分かるまでは出まくろうかなと。ここというのは無いんですよ。
__ 
なるほど。
村上 
フリーになったので、その立場を生かして活動範囲を広げていきたいです。お仕事待っています。

タグ: 今後の攻め方


vol.239 村上 誠基

フリー・その他。

2012/春
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村上

OUTDOORのミニボストンバッグ・ブルー

__ 
今日はお話を伺えたお礼に、プレゼントがございます。どうぞ。
村上 
あっ、ありがとうございます。(開ける)あ。これは嬉しいです。鏡前にあるといいですね。色々散らばっちゃうんで。

タグ: プレゼント(ポーチ系)


vol.239 村上 誠基

フリー・その他。

2012/春
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村上