バランス

__ 
私が初めて岡田さんにあったのは、柿喰う客の女体シェイクスピア001でしたね。「悩殺ハムレット」。非常に鮮烈な印象がありました。
岡田 
ありがとうございます。最初に中屋敷さんに呼ばれて、何の役かなと思うじゃないですか。「岡田さんは何でもない兵士の役です」。「なるほど!」と。
__ 
確かにそうでしたね。
岡田 
もちろん物語の上でとても重要な役ではあるのですが、序盤で消える、比較的印象の薄い兵士です。とはいえ、チーム戦なんですよね。そこで脇を固める役割として呼ばれているんです。クリアに意図が読み取れます。だから、本編との比重によってどれぐらい何をするかを考えていないと駄目なんですよね。
__ 
なるほど。
岡田 
あとは中屋敷さんは、俳優を活かすことに本当に秀でておいでなので、私の個性を知って、どう使ってくれるかを感謝し汲み取り、挑んでいます。例えば、本編が作品として伝わらなかったのに私が目立っていたら「何だアイツ、邪魔!」みたいな印象を持たれてしまうと思うんですよ。どういうふうになったら、お客さんが本編を面白いと思ってもらえて、私がそのスパイスになれるか?という事なんですよね。飛び出てふざけすぎるといけないんですね。お客さんが見やすくなるように導く変人という役割。バランサーになったらいいなと。
__ 
難しいですね。
岡田 
今回のマクベスは「医者の役です」って言われて。シェイクスピアオタクの方以外は、「医者って、マクベス夫人の横で、ちょっと出てきてたよな」と思われるぐらいの存在なんです。どう存在しようか、今から楽しみです。
柿喰う客 女体シェイクスピア001 「悩殺ハムレット」
公演時期:2011年 9月16日(金)~25日(東京)、2011年 10月1日(土)~2日(日)、2011年 10月7日(金)~10日、2011年 10月14日(金)~15日。会場:シアタートラム(東京)、三重県文化会館(三重)、ABCホール(大阪)、長久手町文化の家(愛知)。

タグ: おふざけ シェイクスピア


vol.223 岡田 あがさ

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岡田

引き立て力

岡田 
「悩殺ハムレット」の時に合いの手をほめて下さいましたよね。とても嬉しかったです。
__ 
そうそう、新良さん演じるオフィーリアの歌に、こう、上手く合いの手を入れていましたね。特に、バラードに挟んだ「♪18きっぷ♪」は非常にイメージを刺激されて、兵士なりの気遣いや彼の人生もかいま見れるような名囃子でした。
岡田 
あえて歌を引き立てられるようなものを探していました。そこが目立ってもいけないので。
__ 
いえ、そういう意味でも大丈夫だったと思います。兵士がさりげなくオフィーリアに「辛かったら鈍行でゆっくり景色でも見ながら行けるとこまで行っちゃえよ」という心遣いと、それを2回も合いの手で勧めるという迷いのなさが。そういう情報量の多い台詞が、ただの単語で一瞬にして伝わるというのが凄く可能性を感じました。
岡田 
いやー、嬉しいですね。お客さんも初日から笑って下さって。大丈夫だったんですね。合いの手の動画で勉強した甲斐がありました。

タグ: 情報量の多い作品づくり


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岡田

質問 福原 冠さんから 岡田 あがささんへ

__ 
前回インタビューさせていただいた福原さんからも質問を頂いてきております。
岡田 
あ、冠さん。同じ、明治大の演劇学部なんですよ。
__ 
あ、そうなんですね。「何フェチですか?」
岡田 
おーっと、すげー質問だなー。骨フェチです! 人骨フェチです。人体模型とかが凄く好きで。

タグ: 福原冠


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岡田

向こう側

__ 
骨フェチですか。美しいと思う?
岡田 
なんか、原点って感じがいいですね。最後にはそうなるんだろうなという、笑える感じがします。最終形態なんですよね。
__ 
なるほど。粋みたいな感じですか?日本酒の材料の、中心まで削った米みたいな。
岡田 
そうですね。シェイクスピアで墓堀りが、骨をさらして「コイツ元は道化だったんだけど、今はつまんねーな、なんかおもろいこといってみろよーい!」みたいな台詞が大好きで。ああ、そうだなと思うんです。結局骨になっちゃうよね。滑稽で、しかも偉大よねっていう。
__ 
死んだ状態。我々が死んだ後、死という自然を認めたくなくて、周りのどこかに行ってしまった肉を追悼している訳ですからね。
岡田 
そこに残っている骨なんて、みんな一緒なんですよ。どんな偉い人でも、美人でも。見た目も何も、違う所から来る何かがあるんじゃないかなと。
__ 
違う所から来る何か?
岡田 
それは皮一枚の問題で。芝居している時も、内から来る何かは見た目すら騙せる可能性を秘めているのかもと思うんです。変な事言ってます?
__ 
大丈夫です。観客は常に、俳優ではなく、俳優が行なっている事件を目撃するべき存在だという考え方がありますよね。目撃されるその俳優の姿を通して、向こう側の何かを見れるんですよね。
岡田 
そうなんですよ。
__ 
肉のような汚れではなくて、声のような音じゃなくて。宗教じみてきていますけど・・・。
岡田 
気をつけなければいけないですね(笑う)突き詰めすぎると違う方向に向かいそうですが、本能的に感じてることなんです。
__ 
でも、原理を持って仕事に当たりたいですよね。
岡田 
そう思います。無機質な骨に基づいて、直感的な予感を持つことが良いんじゃないかなと。自分、汚れで芝居している感じはありますけどね(笑う)でも、一瞬でも微かにでも、骨伝導的に伝えられればいいなあと思います。

タグ: 汚す 俳優を通して何かを見る


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岡田

切り捨て力

__ 
最近の仕事で心に残ったものは何ですか?
岡田 
金閣寺の時に、宮本亜門さんにアドバイスを受けた事です。これは本当に、有難すぎて・・・。
__ 
というと。
岡田 
当時、ダメになっている時があったんです。亜門さん自身がとても繊細な方なので気がついて下さって。「芝居をする上では、要らないものを削ぎ落としなさい」というようなことを言われたんですよ。「いらないものばかりに気を取られていると、為すべき事が出来ないよ。自分がやらずして、誰がやるんだと、そう思ってやる事が、未来に繋がる力だと」って。それまで私、「芝居をする事が天命」だなんて言える様な度胸も無かったんです。でもそう言われて、「はい」と素直に思えたんですね。そのぐらいの勢いでやっていかないとダメだなと思ったら、世界が開けたように思いました。
__ 
なるほど。
岡田 
凄い出来事だったんですよ。生まれ変わるぐらいの。生活であれ両親であれ、それを削いでも自分の仕事だけを考えろと。やっぱり、先をどんどん行く人は、一つの貫くところを強く持っているんだなって。今まで生きてきて、かなり衝撃的な出来事でしたね。
__ 
自分の仕事の為に、自分の生を捧げるという事ですね。それは侍ですね。
岡田 
私は自分を貫き通すほどの強さが足りず、他人の事を否定せず真に受けていちいち聞いてしまうんですよ。周りのいらない声が聞こえてしまうというか。でも亜門さんの言葉でシンプルにやるべきことを惑わされずやれる強さを持とうと思ったんです。それがあったから、何が良くて何が悪いかを考えられるようになったと思います。
__ 
色んな選択から、大事な一つを選択出来る力はとても貴重ですよね。良い出会いがあればいいですね。
岡田 
そして、他の選択を切り捨てた理由を覚えて、取っておきたいですね。
__ 
切り捨てたオプションへの追悼は、きっと、芝居に深みを落とすと思う。
岡田 
切り捨てたという事は、その選択に執着があったという事ですよね。それに思いを馳せれば馳せるほど、前へ進む力になるかもしれませんね。

タグ: 繊細な俳優 死んだオプションへの追悼


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岡田

決めた人は美しい

__ 
今後、どんな感じで攻めていかれますか?
岡田 
そうですね、今までもどうやって攻めていたか覚えていなくて・・・今まで、出来ると言ってからついていく感じだったので。口八丁でハッタリをかましてからやるという。圧力を敢えて自分にかけていくんです。臆病になるよりはマシだと思うんですけどね。これからも、くよくよしないで目隠ししてダッシュするような勢いでいきたいです。アイツ危ないぞと思われても。
__ 
素晴らしい。
岡田 
舞台女優というのは本当に刹那的な仕事だと思っていて。これを何十年も継続させていくことって出来るだろうかとも思っています。このまま不合理で走り続ける事は、それはそれで・・・。
__ 
その人がやらなければならない事だとは思いますけどね。
岡田 
ですよね。
__ 
演技は、訓練すれば誰にでも出来ます。ですが、その役を表現できるのは他に誰もいない。
岡田 
そうですね。覚悟が決まっている人って、見ていて清々しいじゃないですか。エンターテインメントの芝居だったら特に。思いがぶれなければいいなと思うんですね。決めた人は美しいですよね。
__ 
攻めるには決めないといけない訳ですからね。

タグ: 今後の攻め方


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岡田

hiyoriの片蝶ベルト

__ 
今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントがございます。
岡田 
ありがとうございます!人からプレゼントを貰えるって嬉しいですね。(開ける)うわうわ、これ、ベルトですか?
__ 
はい。
岡田 
ぎゃー!可愛いですね。
__ 
多分、蝶々をかたどったものですね。
岡田 
私、ベルト結構好きで結構持っているんですよ。付けます!

タグ: プレゼント(装飾系)


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岡田

セッション

__ 
今日はどうぞ、宜しくお願い申し上げます。兵頭さんは最近、どんな感じでしょうか。
兵頭 
今参加している「ギア」と、オリジナルテンポがスロベニアのアーティストと共同製作をするんですが、そのプロジェクトが始まっています。どんな感じになるのか楽しみですね。特に「ギア」はロングランなので。
__ 
そうそう、いつ終わるのかすら決まっていないんですよね。
兵頭 
そうなんですよ。半年とか一年以上の期間だと思います。柿喰う客のツアー公演で慣れているとはいえ何が起こるのか。不安ですが楽しみです。あと、今回は新作を海外で作る事になるんです。
__ 
どうなるんでしょうね。
兵頭 
音楽も芝居もセッションしながら作っていくんですよね。オリジナルテンポは何度も海外に行っているし、メンバーの結束が強いんですので不安はないんですけど。実は去年の夏、共同制作の準備としてスロベニアに一週間だけ滞在したんですが、色々驚くことがあったんです。
__ 
というと。
兵頭 
その日は一日リハーサルで、昼過ぎに一旦区切りを入れたんですよ。18時から再開するんですけど、その間、飲みにいくんです。
__ 
えー!
兵頭 
飲みにいっちゃうんですよ。それがスロベニアの習慣なのか、そのカンパニーのやり方なのか。私は好きだし、いいなと思うんですけどね。
__ 
本当に文化が違うのかもしれませんね。
兵頭 
色んな意味で大きさが違うんですね。彼らはフリークライミングが好きで、大自然で山に登るんです。それは日本では感じにくい空気感なんですよ。
__ 
日本では味わえないですね。
兵頭 
滞在最終日にクライミングとラフティングに連れていってもらったんです。やっぱり気持ちいいんですね。大自然の中での自分の居方というか。山の色や川の水が違うし、空気が違うし、食べ物や飲み物が違うし、使っている言葉も違うし。全てひっくるめて、この人達はこういう風に生きている、そりゃ違うわって。そこで初めて、やっと、彼らと私たちは生きてきた背景が違うんだなって思えるようになったんです。
__ 
どんな作品になるんでしょうね。
兵頭 
そうですね。彼らは今年、日本に来てくれるんです。リハーサルも楽しみだけど、彼らが日本でどういう生活をするのか楽しみです。
ギア -GEAR-
公演時期:2012/4/1~(ロングラン公演)。会場:アートコンプレックス1928。
THE ORIGINAL TEMPO
2002 年に演出家ウォーリー木下を中心として設立されたThe original tempo(TOT)は、海外での作品発表を目標とし、台詞を一切使わないパフォーマンスグループとして活動しています。TOT では、国内で評判のよい作品を海外で発表するのではなく、はじめから海外で発表することを目的として、ポータビリティや言葉の問題などを意識し、作品に反映させていくことを活動の主題としています。(公式サイトより)

タグ: アートコンプレックス1928


原点、エネルギーのもと

__ 
兵頭さんがこれまで目標にしていたものはありますか?
兵頭 
目標というとちょっと違うかもしれませんが、今現在も目標にしている事があります。いつか、カンヌ映画祭の赤絨毯に戻りたいと思っているんですね。
__ 
なるほど。
兵頭 
本当に、あの時は衝撃で。それでこの世界に入ったんです。当初は女優をやろうだなんて全然思っていなくて。
__ 
どんな体験だったのでしょう。
兵頭 
映画祭初日に赤絨毯を歩いて、お客さんが3000人からいる会場に入って、どわあって沸いた瞬間の有無を言わさず涙が出てくるあの感じ。震えが止まらなくって。巨大スクリーンに自分が出ているのがちょっと信じられなかったです。見終わった後に、スタンディングオベーションで凄い大歓声を頂いて。
__ 
どんな実感がありましたか?
兵頭 
自分が凄いというよりも、たくさんの人が一夏、一つの目標に向かって戦って。それが、自分の生の体験となったというのが凄い印象になりました。それが自分のキッカケになったし、エネルギーの元になっているんですね。原点だと思います。
__ 
そう考えると、近いようで遠い目標ですね。
兵頭 
十年後かもしれないし、二十年後かもしれない。もちろん、こんな事叶わない人の方が多いんですよ。もし叶うなら、今度はもう少し実感をもって(笑う)。

タグ: ターニング・ポイント X年後のあなた


動きが自分に返ってくると凄く嬉しい

兵頭 
正直、だったら映画の方をやればいいじゃないと言われる事もあるんです。でも、根本としては、自分が発信したものの反応を生で感じたいという思いが強いんですね。
__ 
映画祭の拍手のようにね。
兵頭 
目指しているところはそこなんですよ。「やりました」っぽーんって、投げっぱなしがイヤなんですね。表現したものを受け取ってくれて、元気になったとか、笑ったとか、そういう風に誰かが影響された動きが自分に返ってくると凄く嬉しいです。
__ 
そうですね。私も舞台に出ていた事はあるんですけど、舞台側からの観客席は、まるで暗い海のような眺めで。そこから聞こえてくる反応はめちゃくちゃ嬉しいですよね。
兵頭 
それは時には厳しい批判かもしれないんです。でも、それでもいいんです。私は、出演した作品を見た人と、作品を共有したいんです。
__ 
なるほど。
兵頭 
それが出来れば、別に日本じゃなくていい。だから、海外でノンバーバルの試みをしているのかもしれません。

幸せのうそ

__ 
では、なぜ感動を共有したいと思われるのでしょうか?
兵頭 
これは、文章にするのは難しいんですけど・・・一人じゃ生きられないから、より多くの人と共有したいんだと思います。去年は重大な事件が沢山あって、考えさせられる事が多かったんです。やっぱり自分が生きている事って、誰かがいないと実感出来ないと分かったんですね。
__ 
・・・。
兵頭 
生きる可能性を高める為には、より多くの人と人がつながらないといけない。つながる為には、辛い事よりも楽しい事の方が良いんです。だから共有するんです。
__ 
なるほど。
兵頭 
話がちょっとずれますけど、実は私、ミシェルって呼ばれているんですよ。
__ 
ああ、twitterの名前がそうなっていますね。
兵頭 
それは実は私のうそが原因で。バイト初日の自己紹介の時に、ポンと「ミシェル」ですって言っちゃったんですね。
__ 
えっ。
兵頭 
「え、ハーフ?」って返してくれたから、いやハーフは気が引けたので「いやクォーターやねん」って言ったらみんな信じちゃって。
__ 
うわあっ。
兵頭 
店のオープニングスタッフだったので、忙しい中ずっとミシェルって飛び交ってて。シフト表とかは「兵頭」ってなっていたので、ミドルネームという事にしたんです。「あーだから肌が白いんや」って信じられてたんですけど、そういう、ありえないうそをついていてさすがに心が痛かったから「ごめん、純日本人やねん」って(笑う)。
__ 
勇気がいる告白でしたね。
兵頭 
いまさら祐香に戻せないので、それでもういいやという事になって。ニックネームとして残りました。その知り合いが広まって、みしぇるFUNクラブなるものが設立されました。
__ 
おお。
兵頭 
それは、みんなが楽しいものをシェアするためのクラブなんですね。面白い場所やパーティーを一緒に楽しむための。Tシャツ作ったりもするし、悲しい事があればそれも共有するし。そういう、楽しい事をシェアしようという活動が、お仕事にも生き方にも定着していきますね。

質問 武田 暁さんから 兵頭 祐香さんへ

__ 
前回インタビューさせていただいた、武田暁さんから質問です。「1.オリジナルテンポに参加している理由とは。」
兵頭 
世界に行けるからです。
__ 
「2.最終目標は?」
兵頭 
カンヌ映画祭です。
__ 
あえて伺いますが、中間地点ではないのですか?
兵頭 
今のところは、私の中ではゴールに近いです。それほど難しいんですよ。自分の活動の最初の方で行ってしまった為に、周囲の人が簡単な事だと思っているみたいなんです。
__ 
ええ。
兵頭 
でも、ものすごい難しい事なんです。毎年世界で撮られる何千本の映画が選考に通らないといけない。その作品には主役級の関わりをしないといけない。もう目標というよりは、自分の原動力となるような夢なんですね。なぜならそれは、とても難しい事だから。
__ 
なるほど。
兵頭 
最終目標という事なら・・・難しいなあ。うーん。いま、やりたいという事は叶いつつあるんです。専用の劇場でロングラン公演をするというのはギアで実現しそうです(もちろん、課題が山盛りなんですけど)。国内にこだわらず、海外でたくさんの人に関わった活動をしたいというのもオリジナルテンポに関わって叶いつつあるし。
__ 
そうですね。
兵頭 
自分がやりたいと思っていた事をずっと持っていたから、何となくでも光がみえてきているのかもしれません。だから、今の仕事を何としても成功させるというのが、今の最終目標ですね。

沢山の人と出会って繋がる

__ 
さて、今後、どんな感じで攻めていかれますか?
兵頭 
変わらないと思います。今ここにあることを一生懸命にこなす事が自分のやり方なんですね。本当は、色んな事を同じにこなせる器用さが必要なのかもしれませんが、どうも私には苦手みたいで(笑う)。もちろん、やっているんですけど。
__ 
そうですね。
兵頭 
目の前の事に手を抜かず仕事します。相変わらずだねと言われるかもしれない。あえて攻めるというなら、沢山の人と出会って繋がる事で何か面白い事が出来るんじゃないかなと思います。人と知り合えたらその分領域が広がるんですね。

タグ: どんな手段でもいいから続ける 器用さ・不器用さ 一生懸命を描く 今後の攻め方


「戦う」

__ 
さきほど、「戦う」という表現を使われましたね。兵頭さんにとって、「戦う」というのはどういう感覚を指していますか?
兵頭 
作品を作るという事自体が、私にとっては戦いなんです。
__ 
というと。
兵頭 
悔しいんですが、どうしても出来ない事が出てくるんですね。自分の限界を思い知るんです。その場で泣いてやりたくなるくらいに悔しい。自分より上手に表現する人がいたら、やっぱり悔しいと思う。出来るようになるまで頑張るんです。お芝居には点数は無いんですが、やっている本人たちが一番分かるんです。この人が舞台に出てきただけで持って行かれた!って思ったり。
__ 
なるほど。
兵頭 
それから、いまギアの現場に参加していて、やっぱり周りの出演者がすごく戦闘力が高いんですよ。
__ 
そりゃあそうですよね。日本のトップが集まってる訳ですから。
兵頭 
人を惹きつける力が強いという事ではなくて、戦い方を知っているんですよね。苦しい戦いも、楽しんで戦う事も。違うジャンル同士が、リハーサルで調整しながら戦っているんですよ。私は演じる事は出来るけど、頭で回る事は出来ないし、バトンを操る事も出来ないし、何かを隠す事も、見えない壁を作る事も出来ない。だから、守っていてもつまらないんですね。だからみんなと仲良くするポジションで、劇場ごと元気にしていきたいです。
__ 
私は何回かギアを拝見しているんですが、兵頭さん演じるあの人形は引きこまれますよね。4月から無期限上演ですね。
兵頭 
そうですね。とりあえず3ヶ月上演はするんですが、私たちは今後1年、2年、10年と代替わりしていくのを夢見ています。もちろん、お客様の応援が絶対必要なんですけど、京都のお客さんに元気を与えられたらいいな。
__ 
頑張って下さいませ。

タグ: 泣く観客 お客さんに元気になってもらいたい 人形劇にまつわる話題


BY Senteur et Beaute ルームスプレー リリーガーデニア

__ 
今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントがございます。
兵頭 
ありがとうございます。何だろう何だろう(開ける)わー。嬉しい。
__ 
ワンちゃんに影響がないよう、なるべく控えめなものを選びました。
兵頭 
いいにおい。ウチの犬、お部屋用の香り付き消臭スプレーを掛けると自分に擦りつけるんですよ。大丈夫です。わー、ありがとうございます。かわいいー!

タグ: プレゼント(お香系)


若旦那のポジション

___ 
今日はどうぞ、よろしくお願いします。若旦那さんは、最近はいかがでしょうか?
若旦那 
実は一年前から芸術創造館で働き初めました。その上で外の公演にも色々参加しています。スケジュールの調整が大変ですけど、充実していますね。
___ 
色々なところで若旦那さんを見かけますよね。こないだはサクゴエラボラトリーのふたりしばいセレクションで司会をされていましたし。最初にお会いした時は舞台監督という役割でしたね。
若旦那 
舞台監督の教育は特に受けていないですけどね。制作チーフという役割の時もあるし、役者として声がかかる事もあります。僕を呼んでくれる方が、僕が最初に出会った時に何をしていたかでポジションが決まるみたいですね。
コトリ会議
2007年結成。一生懸命になりすぎてなんだか変なことになっちゃった人たちの生活を部屋のすみっこだったり銀河に浮かぶ惑星だったり所かまわず描いています。おもしろいものが好きな劇団です。2010年にspace×drama2010という演劇祭で優秀劇団に選んでいただきました。ますますこの劇団の作品はおもしろくなるなと心密かに確信しながら毎日動きつづける劇団です。(公式サイトより)
サクゴエラボラトリー
「ダメ出しは力だ!」をキャッチコピーに、さらなるスキルアップを目指す参加者たちが観客全員の審査によって勝敗を決する『一人芝居一本勝負』をメインとする、短冊ストライプのイベントセクション。(公式サイトより)

(無題)

___ 
えー、実は先ほどから、若旦那さんの事をどう呼んだらいいのか分からないんですよ。「若旦那」は既に尊称なので、さんをつけるのはおかしいし。
若旦那 
あっ、全然いいですよ。魔人ハンターミツルギさんをミツルギさんと呼ぶのと一緒なので。
___ 
では恐れながら「若旦那」で。「総理」や「総裁」のように。今後のメールの一行目の宛名も「若旦那」だけにします。
若旦那 
最近、大学生の演劇部の子とかが現場に手伝いに来てくれるんですよ。僕が劇場付のスタッフさんから「若旦那」って呼ばれているからか、「若旦那、この三角どうしておきましょうか」って。「きみは年下だろう」とか(笑う)、心の狭い事も思いつつ。
___ 
それはやっぱり、既に敬意がこもっているんですよ、きっと。どういう経緯で、その芸名が付いたのでしょうか。
若旦那 
最初に入った劇団が、面白い芸名をつけるところだったんですよ。他の候補が「若旦那康人」か「若旦那」だけかだったんですよ。まあ、せっかくなので豪華なものを選び、今に至ります。

面白そうにしているからかも

___ 
なぜ、そのように多岐にわたるようになったのでしょうか。
若旦那 
あまり良くないんですけど、何でも安請け合いするように見えるんでしょうね(笑う)。
___ 
話を振りやすいというのは、この人なら安心して任せられそうな、という安心感があるのではと。
若旦那 
よく言われるのは、「落ち着いているから」。本当はめっちゃテンパってるんですけど。今でも緊張しているんですよ。
___ 
表情に出ないのは得だと思いますけどね。
若旦那 
あとは、面白そうにしているからかもしれないです。どんな現場でも楽しそうにしているからとか。
___ 
演劇LOVEなのかもしれませんね。
若旦那 
悩んだんですけど、結局演劇LOVEなんですよね。好奇心があるので、毎回見に行く劇団と初めての劇団が被っていたら初めての方を取りがちですが。

傀儡政権

若旦那 
ここ数年、自分の専門は何だろうと悩んでいたんです。したら、「自分が面白いと思うものを広めたい」欲が強いという事に気づいて。最近はピンク地底人、コトリ会議、かのうとおっさんですね。例えばピンク地底人を応援する時。彼らがやりたいと思っている事がスムーズになるように、色々手伝いたいなと。舞台監督という肩書きですけど、それに関わらず、大阪で宣伝したいのであれば、チラシを撒く。リクエストに応じて、役割さえ決めておいてくれればそこに収まる。スキマ産業みたいですけど。
___ 
なるほど。
若旦那 
好きな所は、時間が許す限り手伝う。というのが、僕がやりたい仕事なんだろうな思います。
___ 
サッカーでいう、スイーパーみたいな役割なのかもしれませんね。
若旦那 
そうですね。現場は時間も人材も素材も限られていて、例えば舞台監督が舞台美術を兼ねている現場だとセットにリソースが割けない事もあるんですよね。そこで、僕みたいなのを据えておくと、セットの簡素さを音照でカバーする、みたいな調整が出来るかもしれない。緩衝材という役割があるのかもしれませんね。
___ 
少ない資産や時間でも、有機的に結果を生み出せるという事ですね。そして、現場での仲介役もあるんですよね。その現場が初めてで、勝手の分からない人が問い合わせする人、みたいな。
若旦那 
傀儡政権ですね(笑う)。
___ 
ええ。色々な意味で。
ピンク地底人
京都の地下は墨染に生まれた貧乏な三兄弟。日々の孤独と戦うため、ときおり地上にあらわれては演劇活動をしている。夢は関西一円を征服することと、自分たちを捨てた母への復讐。最近は仲間も増え、京都を中心に大阪にも出没中。(公式サイトより)
かのうとおっさん
『かのうとおっさん』とは?:嘉納みなこと有北雅彦による、大阪発男女脱力系コントユニット。1999年、ともに大阪外国語大学(現・大阪大学)在学中に結成。フットワークの軽さを武器に、全国各地を舞台にコント作品を発表し続けている。独特の台詞回し、奇妙だが納得してしまう展開、印象に残るビジュアルでファンを拡大中。(公式サイトより)

タグ: 有機的に関わりあう 舞台美術 会場を使いこなす


質問 稲森 明日香さんから 若旦那 家康さんへ

Q & A
___ 
前回インタビューさせて頂いた、弱男ユニットの稲森明日香さんから質問を頂いて来ております。「最近のお気に入りバンドはどこですか?」
若旦那 
稲森さん、知り合いなんですよ。あー、僕にピッタリの質問ですね。芸創の事務所でFM COCOLOが流れてるんですけどね。少し古い曲が流れていたりするんです。
___ 
懐メロいいですよね。
若旦那 
ほら、若い時に聞いた曲を今になって聞き返すと、当時は分からなかった意味に気づく事があるじゃないですか。THE BOOMの島唄が、恋愛の別れの曲だと思っていたら戦争の歌だったというような。もう一度、新しい気持ちで古いバンドを聞きたいですね。あと、来週くらいにハマっていそうなのはEARTH WIND AND FIREですね。
___ 
というと。
若旦那 
元いた劇団で、EARTH WIND AND FIREの曲をアップの時に使っていたんですよね。で、つい先日、珍しいキノコ舞踊団を見に東京に行ったんですよ。そこでEARTH WIND AND FIREが使われていたんです。凄く良かったんですよね。前列の人が踊りだしてました。ダンス見て楽しくて泣きそうになったのは初めてなんですよ。アップに使っていた曲なのに、全然印象が違って聞こえました。