__ 
これまでの目標と、これからの目標を伺いたいのですが。
駒田 
二十代の頃、衛星に入っていた時はその方針に沿っていて。
__ 
ええ。
駒田 
その時は僕もプロになって・・・ということをちょっと考えていたんですが、今は全然考えていません。今も、あまり長い目で見た目標はないんですね。一回一回、呼んでいただいた芝居で、期待に応えるというのは大げさですけど、自分が充実したと思えて、呼んで損したと思われないように。楽しくやれればいいかなと思いますね。それがずっと続けばいいですね。

vol.225 駒田 大輔

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2012/春
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駒田

質問 池川 貴清さんから 駒田 大輔さんへ

__ 
前回質問させて頂いた、悪い芝居の池川さんから質問です。「恋と芸術は両立出来ますか?」
駒田 
人間の感情とか、活動とか。芸術の材料になりますよね。対立するものというより、次元が違うと思う。
__ 
では、恋愛は芸術に必要不可欠なものでしょうか。
駒田 
うーん。そんなこともないと思います。モチーフとして大変面白いので。大概、映画のテーマになるし。感情のふれ幅が大きくなったり、いろいろな事を考えるようになったりね。人間関係を濃縮したような経験となるので、題材として面白いのではと。

タグ: 愛はないとぼくは思う


vol.225 駒田 大輔

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駒田

役者として、また使いたいと思ってもらえる

__ 
今後、どんな感じで攻めていかれますか?
駒田 
うーん。まあ、そんなに社交的な性格じゃないから、一つ一つの作品をちゃんとやっていく事。それを通じて、また声を掛けて頂きたいです。仕事ではないですけど、役者として、また使いたいと思ってもらえるようになりたいです。

タグ: 今後の攻め方


vol.225 駒田 大輔

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駒田

スリッパ

__ 
今日は、お話を伺えたお礼に、プレゼントを持って参りました。
駒田 
ありがとうございます。(開ける)おーっ。これは。
__ 
足に爽やかな感触の素材らしいです。
駒田 
職場で使おうかな。
__ 
夏に向けて、いかがでしょうか。
駒田 
ありがとうございます。


vol.225 駒田 大輔

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2012/春
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駒田

柿喰う客 女体シェイクスピア002 「絶頂マクベス」

__ 
今日はどうぞ、よろしくお願いします。最近、岡田さんはいかがでしょうか。
岡田 
年始に金閣寺があって、それから一人芝居があって。いま、柿喰う客「絶頂マクベス」の稽古です。
__ 
how are youという意味ではいかがでしょうか。
岡田 
so soですね(笑う)これから上げていかないとな、と思っています。
__ 
では、上げていくには何が必要なのでしょうか。
岡田 
努力だけですね(笑う)。目の前にある壁を壊さないと、前に進めないのは当然なのですが、自分の駄目なところは敏感に察知するようにしています。元々、コンプレックスが強いのがその原因かもしれません。
__ 
壁を壊すにはパンチと狙いが必要だと思うのですが、狙うにはどうしていますか?
岡田 
自分を冷静に見た時に、何が出来て、何が出来ないかを客観視することかなと思っていて。初めから無いものは無いんです。でも努力次第で持てるものはあるんです。冷静に、どこを撃つのか見ていこうと思います。
柿喰う客 女体シェイクスピア002 「絶頂マクベス」
公演時期:2012/4/14~23(東京)、2012/4/27~30(大阪)。会場:吉祥寺シアター(東京)、AI・HALL(関西)。

タグ: ハウアーユー? シェイクスピア


vol.223 岡田 あがさ

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岡田

__ 
お芝居を始めたキッカケは。
岡田 
一人芝居を始めたのが最初です。高校演劇をやってたのでもなく。謎ですよね(笑う)。子供の頃から体が弱くて、受験シーズンとかでもみんなみたいに勉強だけ必死にやる、みたいなことは出来なかったんですよ。時間がぽっかり空いたときに、あ、何かやろうかなと。
__ 
一人芝居をやろうと思ったのは、ご自身のどういう部分がそのように思ったのでしょうか。経験のない方が自分から一人芝居をしようと思うなんて、結構気合いのいる事だと思うのですが。
岡田 
そうですね。その時期は特に精神的に追いつめられていたのかもしれません。だから、あえて自分を一枚剥いでやろうと。そう思っていたんじゃないか。衝動的過ぎて、言葉ではうまく説明できないのですが。当日はかつてない感覚がありました。お客さん呼んでるのに、あ、私しかいないわみたいな。緊張はなく、ただただテンションが上がりました。
__ 
定期的にやっているようですね。
岡田 
そうですね。一年に一度はやっていきたいです。あのときに感じた感覚がなかったら、今舞台を続けていないかもしれません。今生きている実感をたった一人で舞台上でひしひしと。

タグ: 一人芝居 生きている実感


vol.223 岡田 あがさ

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岡田

質問 奥村 泰彦さんから 岡田 あがささんへ

__ 
前回インタビューさせていただいた、MONOの奥村さんから質問を頂いてきております。
岡田 
あ!七味さんが客演した劇団の!
__ 
そうですね。奥村さんはMONO劇団員であり、同時にプロの舞台美術としても活躍されているのですが・・・。
岡田 
そうなんですね。舞台美術・・・凄い。
__ 
絞り出すようにして頂いた質問です。「アガサ・クリスティが好きですか?」
岡田 
あー、そうなりますよね。絞り出していただき、ありがとうございます(笑う)
__ 
いかがでしょうか。
岡田 
反面教師なので、戯曲以外ほとんど読んでないですね。私の母が元々ミステリー作家だったのですが、アガサ・クリスティのオタクすぎて。全巻読破した時期に生まれたから、つけちゃった♪みたいな名前なんですよ。
__ 
あ、本名なんですか!
岡田 
はい。母の天真爛漫さを背負わされる結果となりましたね。生まれ出た瞬間にDQNネームみたいな!(笑う)家にはたくさんあるんですが、逆に手をつけづらいという。あまり読んでないです。
__ 
いつか時間を取って、読めるといいですね。

vol.223 岡田 あがさ

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岡田

質問 松葉 祥子さんから 岡田 あがささんへ

__ 
松葉祥子さんからも質問を頂いてきております。
岡田 
ホントですか!? 存じております。いやー、ありがとうございます。
__ 
「美容のために何をしていますか?」
岡田 
松葉さん何を仰っているんでしょう(笑う)。何だろうなあ、これも結構おかしいんですけど、楽しい事がないとストレスで普段より多く食べちゃったりするんですよね。だから常に楽しいことを探すことですかね。他には、余分な食べ物を買いそうになったら、「これを買うんだったらこの化粧品を買おう」と思うようにしていますね。
__ 
ああ、お菓子の代わりに。何かその、気合いの入った美容グッズを。
岡田 
後で後悔するぞ、と念じています。松葉さんお美しいのに、一体何を仰ってるんでしょうね。
__ 
あと、「いつも見に来てくれてありがとうございます。とても嬉しいです」との事です。
岡田 
はい!お世話になっています。宜しくお願いします。

タグ: 人脈・コネクションの大切さ


vol.223 岡田 あがさ

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岡田

バランス

__ 
私が初めて岡田さんにあったのは、柿喰う客の女体シェイクスピア001でしたね。「悩殺ハムレット」。非常に鮮烈な印象がありました。
岡田 
ありがとうございます。最初に中屋敷さんに呼ばれて、何の役かなと思うじゃないですか。「岡田さんは何でもない兵士の役です」。「なるほど!」と。
__ 
確かにそうでしたね。
岡田 
もちろん物語の上でとても重要な役ではあるのですが、序盤で消える、比較的印象の薄い兵士です。とはいえ、チーム戦なんですよね。そこで脇を固める役割として呼ばれているんです。クリアに意図が読み取れます。だから、本編との比重によってどれぐらい何をするかを考えていないと駄目なんですよね。
__ 
なるほど。
岡田 
あとは中屋敷さんは、俳優を活かすことに本当に秀でておいでなので、私の個性を知って、どう使ってくれるかを感謝し汲み取り、挑んでいます。例えば、本編が作品として伝わらなかったのに私が目立っていたら「何だアイツ、邪魔!」みたいな印象を持たれてしまうと思うんですよ。どういうふうになったら、お客さんが本編を面白いと思ってもらえて、私がそのスパイスになれるか?という事なんですよね。飛び出てふざけすぎるといけないんですね。お客さんが見やすくなるように導く変人という役割。バランサーになったらいいなと。
__ 
難しいですね。
岡田 
今回のマクベスは「医者の役です」って言われて。シェイクスピアオタクの方以外は、「医者って、マクベス夫人の横で、ちょっと出てきてたよな」と思われるぐらいの存在なんです。どう存在しようか、今から楽しみです。
柿喰う客 女体シェイクスピア001 「悩殺ハムレット」
公演時期:2011年 9月16日(金)~25日(東京)、2011年 10月1日(土)~2日(日)、2011年 10月7日(金)~10日、2011年 10月14日(金)~15日。会場:シアタートラム(東京)、三重県文化会館(三重)、ABCホール(大阪)、長久手町文化の家(愛知)。

タグ: おふざけ シェイクスピア


vol.223 岡田 あがさ

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岡田

引き立て力

岡田 
「悩殺ハムレット」の時に合いの手をほめて下さいましたよね。とても嬉しかったです。
__ 
そうそう、新良さん演じるオフィーリアの歌に、こう、上手く合いの手を入れていましたね。特に、バラードに挟んだ「♪18きっぷ♪」は非常にイメージを刺激されて、兵士なりの気遣いや彼の人生もかいま見れるような名囃子でした。
岡田 
あえて歌を引き立てられるようなものを探していました。そこが目立ってもいけないので。
__ 
いえ、そういう意味でも大丈夫だったと思います。兵士がさりげなくオフィーリアに「辛かったら鈍行でゆっくり景色でも見ながら行けるとこまで行っちゃえよ」という心遣いと、それを2回も合いの手で勧めるという迷いのなさが。そういう情報量の多い台詞が、ただの単語で一瞬にして伝わるというのが凄く可能性を感じました。
岡田 
いやー、嬉しいですね。お客さんも初日から笑って下さって。大丈夫だったんですね。合いの手の動画で勉強した甲斐がありました。

タグ: 情報量の多い作品づくり


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岡田

質問 福原 冠さんから 岡田 あがささんへ

__ 
前回インタビューさせていただいた福原さんからも質問を頂いてきております。
岡田 
あ、冠さん。同じ、明治大の演劇学部なんですよ。
__ 
あ、そうなんですね。「何フェチですか?」
岡田 
おーっと、すげー質問だなー。骨フェチです! 人骨フェチです。人体模型とかが凄く好きで。

タグ: 福原冠


vol.223 岡田 あがさ

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岡田

向こう側

__ 
骨フェチですか。美しいと思う?
岡田 
なんか、原点って感じがいいですね。最後にはそうなるんだろうなという、笑える感じがします。最終形態なんですよね。
__ 
なるほど。粋みたいな感じですか?日本酒の材料の、中心まで削った米みたいな。
岡田 
そうですね。シェイクスピアで墓堀りが、骨をさらして「コイツ元は道化だったんだけど、今はつまんねーな、なんかおもろいこといってみろよーい!」みたいな台詞が大好きで。ああ、そうだなと思うんです。結局骨になっちゃうよね。滑稽で、しかも偉大よねっていう。
__ 
死んだ状態。我々が死んだ後、死という自然を認めたくなくて、周りのどこかに行ってしまった肉を追悼している訳ですからね。
岡田 
そこに残っている骨なんて、みんな一緒なんですよ。どんな偉い人でも、美人でも。見た目も何も、違う所から来る何かがあるんじゃないかなと。
__ 
違う所から来る何か?
岡田 
それは皮一枚の問題で。芝居している時も、内から来る何かは見た目すら騙せる可能性を秘めているのかもと思うんです。変な事言ってます?
__ 
大丈夫です。観客は常に、俳優ではなく、俳優が行なっている事件を目撃するべき存在だという考え方がありますよね。目撃されるその俳優の姿を通して、向こう側の何かを見れるんですよね。
岡田 
そうなんですよ。
__ 
肉のような汚れではなくて、声のような音じゃなくて。宗教じみてきていますけど・・・。
岡田 
気をつけなければいけないですね(笑う)突き詰めすぎると違う方向に向かいそうですが、本能的に感じてることなんです。
__ 
でも、原理を持って仕事に当たりたいですよね。
岡田 
そう思います。無機質な骨に基づいて、直感的な予感を持つことが良いんじゃないかなと。自分、汚れで芝居している感じはありますけどね(笑う)でも、一瞬でも微かにでも、骨伝導的に伝えられればいいなあと思います。

タグ: 汚す 俳優を通して何かを見る


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岡田

切り捨て力

__ 
最近の仕事で心に残ったものは何ですか?
岡田 
金閣寺の時に、宮本亜門さんにアドバイスを受けた事です。これは本当に、有難すぎて・・・。
__ 
というと。
岡田 
当時、ダメになっている時があったんです。亜門さん自身がとても繊細な方なので気がついて下さって。「芝居をする上では、要らないものを削ぎ落としなさい」というようなことを言われたんですよ。「いらないものばかりに気を取られていると、為すべき事が出来ないよ。自分がやらずして、誰がやるんだと、そう思ってやる事が、未来に繋がる力だと」って。それまで私、「芝居をする事が天命」だなんて言える様な度胸も無かったんです。でもそう言われて、「はい」と素直に思えたんですね。そのぐらいの勢いでやっていかないとダメだなと思ったら、世界が開けたように思いました。
__ 
なるほど。
岡田 
凄い出来事だったんですよ。生まれ変わるぐらいの。生活であれ両親であれ、それを削いでも自分の仕事だけを考えろと。やっぱり、先をどんどん行く人は、一つの貫くところを強く持っているんだなって。今まで生きてきて、かなり衝撃的な出来事でしたね。
__ 
自分の仕事の為に、自分の生を捧げるという事ですね。それは侍ですね。
岡田 
私は自分を貫き通すほどの強さが足りず、他人の事を否定せず真に受けていちいち聞いてしまうんですよ。周りのいらない声が聞こえてしまうというか。でも亜門さんの言葉でシンプルにやるべきことを惑わされずやれる強さを持とうと思ったんです。それがあったから、何が良くて何が悪いかを考えられるようになったと思います。
__ 
色んな選択から、大事な一つを選択出来る力はとても貴重ですよね。良い出会いがあればいいですね。
岡田 
そして、他の選択を切り捨てた理由を覚えて、取っておきたいですね。
__ 
切り捨てたオプションへの追悼は、きっと、芝居に深みを落とすと思う。
岡田 
切り捨てたという事は、その選択に執着があったという事ですよね。それに思いを馳せれば馳せるほど、前へ進む力になるかもしれませんね。

タグ: 繊細な俳優 死んだオプションへの追悼


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岡田

決めた人は美しい

__ 
今後、どんな感じで攻めていかれますか?
岡田 
そうですね、今までもどうやって攻めていたか覚えていなくて・・・今まで、出来ると言ってからついていく感じだったので。口八丁でハッタリをかましてからやるという。圧力を敢えて自分にかけていくんです。臆病になるよりはマシだと思うんですけどね。これからも、くよくよしないで目隠ししてダッシュするような勢いでいきたいです。アイツ危ないぞと思われても。
__ 
素晴らしい。
岡田 
舞台女優というのは本当に刹那的な仕事だと思っていて。これを何十年も継続させていくことって出来るだろうかとも思っています。このまま不合理で走り続ける事は、それはそれで・・・。
__ 
その人がやらなければならない事だとは思いますけどね。
岡田 
ですよね。
__ 
演技は、訓練すれば誰にでも出来ます。ですが、その役を表現できるのは他に誰もいない。
岡田 
そうですね。覚悟が決まっている人って、見ていて清々しいじゃないですか。エンターテインメントの芝居だったら特に。思いがぶれなければいいなと思うんですね。決めた人は美しいですよね。
__ 
攻めるには決めないといけない訳ですからね。

タグ: 今後の攻め方


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岡田

hiyoriの片蝶ベルト

__ 
今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントがございます。
岡田 
ありがとうございます!人からプレゼントを貰えるって嬉しいですね。(開ける)うわうわ、これ、ベルトですか?
__ 
はい。
岡田 
ぎゃー!可愛いですね。
__ 
多分、蝶々をかたどったものですね。
岡田 
私、ベルト結構好きで結構持っているんですよ。付けます!

タグ: プレゼント(装飾系)


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2012/春
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岡田

セッション

__ 
今日はどうぞ、宜しくお願い申し上げます。兵頭さんは最近、どんな感じでしょうか。
兵頭 
今参加している「ギア」と、オリジナルテンポがスロベニアのアーティストと共同製作をするんですが、そのプロジェクトが始まっています。どんな感じになるのか楽しみですね。特に「ギア」はロングランなので。
__ 
そうそう、いつ終わるのかすら決まっていないんですよね。
兵頭 
そうなんですよ。半年とか一年以上の期間だと思います。柿喰う客のツアー公演で慣れているとはいえ何が起こるのか。不安ですが楽しみです。あと、今回は新作を海外で作る事になるんです。
__ 
どうなるんでしょうね。
兵頭 
音楽も芝居もセッションしながら作っていくんですよね。オリジナルテンポは何度も海外に行っているし、メンバーの結束が強いんですので不安はないんですけど。実は去年の夏、共同制作の準備としてスロベニアに一週間だけ滞在したんですが、色々驚くことがあったんです。
__ 
というと。
兵頭 
その日は一日リハーサルで、昼過ぎに一旦区切りを入れたんですよ。18時から再開するんですけど、その間、飲みにいくんです。
__ 
えー!
兵頭 
飲みにいっちゃうんですよ。それがスロベニアの習慣なのか、そのカンパニーのやり方なのか。私は好きだし、いいなと思うんですけどね。
__ 
本当に文化が違うのかもしれませんね。
兵頭 
色んな意味で大きさが違うんですね。彼らはフリークライミングが好きで、大自然で山に登るんです。それは日本では感じにくい空気感なんですよ。
__ 
日本では味わえないですね。
兵頭 
滞在最終日にクライミングとラフティングに連れていってもらったんです。やっぱり気持ちいいんですね。大自然の中での自分の居方というか。山の色や川の水が違うし、空気が違うし、食べ物や飲み物が違うし、使っている言葉も違うし。全てひっくるめて、この人達はこういう風に生きている、そりゃ違うわって。そこで初めて、やっと、彼らと私たちは生きてきた背景が違うんだなって思えるようになったんです。
__ 
どんな作品になるんでしょうね。
兵頭 
そうですね。彼らは今年、日本に来てくれるんです。リハーサルも楽しみだけど、彼らが日本でどういう生活をするのか楽しみです。
ギア -GEAR-
公演時期:2012/4/1~(ロングラン公演)。会場:アートコンプレックス1928。
THE ORIGINAL TEMPO
2002 年に演出家ウォーリー木下を中心として設立されたThe original tempo(TOT)は、海外での作品発表を目標とし、台詞を一切使わないパフォーマンスグループとして活動しています。TOT では、国内で評判のよい作品を海外で発表するのではなく、はじめから海外で発表することを目的として、ポータビリティや言葉の問題などを意識し、作品に反映させていくことを活動の主題としています。(公式サイトより)

タグ: アートコンプレックス1928


原点、エネルギーのもと

__ 
兵頭さんがこれまで目標にしていたものはありますか?
兵頭 
目標というとちょっと違うかもしれませんが、今現在も目標にしている事があります。いつか、カンヌ映画祭の赤絨毯に戻りたいと思っているんですね。
__ 
なるほど。
兵頭 
本当に、あの時は衝撃で。それでこの世界に入ったんです。当初は女優をやろうだなんて全然思っていなくて。
__ 
どんな体験だったのでしょう。
兵頭 
映画祭初日に赤絨毯を歩いて、お客さんが3000人からいる会場に入って、どわあって沸いた瞬間の有無を言わさず涙が出てくるあの感じ。震えが止まらなくって。巨大スクリーンに自分が出ているのがちょっと信じられなかったです。見終わった後に、スタンディングオベーションで凄い大歓声を頂いて。
__ 
どんな実感がありましたか?
兵頭 
自分が凄いというよりも、たくさんの人が一夏、一つの目標に向かって戦って。それが、自分の生の体験となったというのが凄い印象になりました。それが自分のキッカケになったし、エネルギーの元になっているんですね。原点だと思います。
__ 
そう考えると、近いようで遠い目標ですね。
兵頭 
十年後かもしれないし、二十年後かもしれない。もちろん、こんな事叶わない人の方が多いんですよ。もし叶うなら、今度はもう少し実感をもって(笑う)。

タグ: ターニング・ポイント X年後のあなた


動きが自分に返ってくると凄く嬉しい

兵頭 
正直、だったら映画の方をやればいいじゃないと言われる事もあるんです。でも、根本としては、自分が発信したものの反応を生で感じたいという思いが強いんですね。
__ 
映画祭の拍手のようにね。
兵頭 
目指しているところはそこなんですよ。「やりました」っぽーんって、投げっぱなしがイヤなんですね。表現したものを受け取ってくれて、元気になったとか、笑ったとか、そういう風に誰かが影響された動きが自分に返ってくると凄く嬉しいです。
__ 
そうですね。私も舞台に出ていた事はあるんですけど、舞台側からの観客席は、まるで暗い海のような眺めで。そこから聞こえてくる反応はめちゃくちゃ嬉しいですよね。
兵頭 
それは時には厳しい批判かもしれないんです。でも、それでもいいんです。私は、出演した作品を見た人と、作品を共有したいんです。
__ 
なるほど。
兵頭 
それが出来れば、別に日本じゃなくていい。だから、海外でノンバーバルの試みをしているのかもしれません。

幸せのうそ

__ 
では、なぜ感動を共有したいと思われるのでしょうか?
兵頭 
これは、文章にするのは難しいんですけど・・・一人じゃ生きられないから、より多くの人と共有したいんだと思います。去年は重大な事件が沢山あって、考えさせられる事が多かったんです。やっぱり自分が生きている事って、誰かがいないと実感出来ないと分かったんですね。
__ 
・・・。
兵頭 
生きる可能性を高める為には、より多くの人と人がつながらないといけない。つながる為には、辛い事よりも楽しい事の方が良いんです。だから共有するんです。
__ 
なるほど。
兵頭 
話がちょっとずれますけど、実は私、ミシェルって呼ばれているんですよ。
__ 
ああ、twitterの名前がそうなっていますね。
兵頭 
それは実は私のうそが原因で。バイト初日の自己紹介の時に、ポンと「ミシェル」ですって言っちゃったんですね。
__ 
えっ。
兵頭 
「え、ハーフ?」って返してくれたから、いやハーフは気が引けたので「いやクォーターやねん」って言ったらみんな信じちゃって。
__ 
うわあっ。
兵頭 
店のオープニングスタッフだったので、忙しい中ずっとミシェルって飛び交ってて。シフト表とかは「兵頭」ってなっていたので、ミドルネームという事にしたんです。「あーだから肌が白いんや」って信じられてたんですけど、そういう、ありえないうそをついていてさすがに心が痛かったから「ごめん、純日本人やねん」って(笑う)。
__ 
勇気がいる告白でしたね。
兵頭 
いまさら祐香に戻せないので、それでもういいやという事になって。ニックネームとして残りました。その知り合いが広まって、みしぇるFUNクラブなるものが設立されました。
__ 
おお。
兵頭 
それは、みんなが楽しいものをシェアするためのクラブなんですね。面白い場所やパーティーを一緒に楽しむための。Tシャツ作ったりもするし、悲しい事があればそれも共有するし。そういう、楽しい事をシェアしようという活動が、お仕事にも生き方にも定着していきますね。

質問 武田 暁さんから 兵頭 祐香さんへ

__ 
前回インタビューさせていただいた、武田暁さんから質問です。「1.オリジナルテンポに参加している理由とは。」
兵頭 
世界に行けるからです。
__ 
「2.最終目標は?」
兵頭 
カンヌ映画祭です。
__ 
あえて伺いますが、中間地点ではないのですか?
兵頭 
今のところは、私の中ではゴールに近いです。それほど難しいんですよ。自分の活動の最初の方で行ってしまった為に、周囲の人が簡単な事だと思っているみたいなんです。
__ 
ええ。
兵頭 
でも、ものすごい難しい事なんです。毎年世界で撮られる何千本の映画が選考に通らないといけない。その作品には主役級の関わりをしないといけない。もう目標というよりは、自分の原動力となるような夢なんですね。なぜならそれは、とても難しい事だから。
__ 
なるほど。
兵頭 
最終目標という事なら・・・難しいなあ。うーん。いま、やりたいという事は叶いつつあるんです。専用の劇場でロングラン公演をするというのはギアで実現しそうです(もちろん、課題が山盛りなんですけど)。国内にこだわらず、海外でたくさんの人に関わった活動をしたいというのもオリジナルテンポに関わって叶いつつあるし。
__ 
そうですね。
兵頭 
自分がやりたいと思っていた事をずっと持っていたから、何となくでも光がみえてきているのかもしれません。だから、今の仕事を何としても成功させるというのが、今の最終目標ですね。