御巫山戯

向坂 
舞台が出来て、お客さんが入って見ている以上は楽しんでもらいたいですね。俳優が下手くそな芝居してても照明を浴びて光ってるというのは、何だかツッコミ待ちのボケだよねと思うんです。だから僕はツッコミを入れるんですが、最大限、そこで楽しんで帰ってもらいたいという気持ちがありますね。
__ 
なるほど。
向坂 
面白いお芝居だけじゃないのは分かっているんですけど、素直にみているだけでは楽しめない時もあるんですよ。
__ 
ひねくれた見方を持つのは大事ですよね。批評的な見方を持つというのは。
向坂 
そうですね。批評的な見方。あー、どうなんだろうな・・・? 以前、アートコンプレックスにきたチェルフィッチュを見たんですよ。
__ 
ええ。
向坂 
すごい評判の劇団としか知らなくて、彼らの演劇がどういう文脈上で成り立って評価を受けているのか、岡田利規がどういう人なのかも頭になくて、名前だけしか聞いた事のない状態で見たんです。実際見たら、凄くお洒落で洗練されていたんですよ。喋りながら踊っていて。でも演劇をちょっとかじっている僕が見て、「あーなるほどな」って思うこれを、劇場に訪れた事のない高校生が見てどう楽しむのか。
__ 
ええ。
向坂 
僕らは稽古場でチェルフィッチュごっこをしてそれなりに遊べますけど、中高生はあれを見てどうすればいいのか? でも、チェルフィッチュが白塗りで出てきて「コントです」って言ったら素直に見れますよね。
__ 
そうかもしれませんね。
向坂 
シーンと静かになっている劇場で、男女がずっとクーラーがああだこうだと言いながら踊ってるんですよ。話の内容もどうでも良くて、きっとふざけてると思うんですよね。地点も好きなんですけど、笑いたくなる瞬間とかあると思うんですけど、前衛的だと笑っちゃいけないんですかね?
__ 
いや、笑っていいと思いますよ。
向坂 
やっぱり、ふざけてますよね? 僕も三浦さんと何回かお話しさせてもらった事ありますけど、「ふざけてるんですか」って聞いた事はなくて。
__ 
どうでしょうね? やっぱり「これ面白い!」って思って繰り出していると思いますけど。つまり、ギャグとしての文脈を踏んではいないですが、結果的に笑いを立ち上がらせるものとしての意識はしているんじゃないでしょうか。
向坂 
おもろいと思ってやっているという事ですよね。もちろん、インタレスティングというよりはファニーという意味で。じゃあ、何で笑い声が起きないんだろう。皆、面白いと思ってないのかな? でも評判いいですよね。
__ 
私も自分が面白かったら遠慮せずに笑う方ですが、沸点が低いまたは何でも受け入れる体勢にあるのかもしれませんね。俳優の方にお話を伺った所、笑ってくれた方がホッとするらしいですよ。
向坂 
なるほど。三浦さんの笑いって秀逸で、一周回ってるんですよね。お笑い芸人が本当に面白い事を劇場でやったら面白くない、という感じなのかもなあ。

タグ: おふざけ 批評の果たすべき役割 単純に、楽しませたい


質問 安田 一平さんから 向坂 達矢さんへ

Q & A
__ 
前回インタビューさせて頂きました、安田一平さんからです。「演劇をやっていて、楽しかった事はなんですか?」
向坂 
俳優としてなら、舞台で集中している時間ですね。集中が研ぎ澄まされていった時に、空間を自分が把握して、しかもそこに自分の意思が反映されていると感じるんですね。自分がこうやったらお客さんが笑うな、というのが先に分かる瞬間。めったに無いんですけど、その時が気持ちいいですね。むしろ、それが無かったら芝居をやっていないと思います。
__ 
なるほど。色んなものがハッキリしている感覚?
向坂 
モヤモヤしている事もあるんですけどね。舞台をやっている人ならお分かりになるかもしれませんけど、舞台上に針が落ちても分かるぐらい研ぎ澄まされた感覚があるんです。
__ 
分かりました。ありがとうございます。「2.演劇をしていなかったら何をしていましたか?」
向坂 
何でしょう。演劇をしていなかったら廃人ですからね。
__ 
「3.好きな映画は何ですか?」
向坂 
X-MENシリーズと、北野映画が好きです。

「キス×キス×キス~シークレットフレンズ1928~」

__ 
さて、作品についてもう少し。以前の作品ですが「キス×キス×キス~シークレットフレンズ1928~」。大変面白かったです。
向坂 
ありがとうございます。フレンズって、アートコンプレックスプロデューサーの和田さんの事なんですよ。アトコンで公演しなくてごめんなさいという意味がありました。
__ 
あ、そうなんですね。主人公の女の子が大変可愛い作品でした。東京のマームとジプシーっぽかったですね。
向坂 
それっぽかったですか。ありがたいですね。KYOTO EXPERIMENTのプログラムでのマームとジプシーがずば抜けて面白かったんです。十代が感じる死の姿を繊細に描いて、終わりに向かう姿をビジュアル化していくセンスが凄く良くて。でも主人公の女の子の喋り方が凄いムカツくんですよね。ムカツく可愛さみたいな。これはもう、そのままやってみるしか無いと思いました。
__ 
なるほど。
向坂 
皆、もっとマームとジプシー見た方がいいと思います。
京都ロマンポップ第11回公演『幼稚園演義
公演時期:2011年4月29日~30日(京都)、2011年9月18日~19日(東京)。会場:アトリエ劇研(京都)、シアターKASSAI(東京)。

タグ: 繊細な俳優


不幸話

__ 
向坂さんはこれまで、どんな劇世界を作りたいと思っていらっしゃいましたか?
向坂 
本公演に関しては、作家のよりふじゆきがリアルな世界を描き出していくんですが、僕の方のはお客さんとの共犯関係を結んだ上で、嘘まるだしの舞台の上でちっちゃな嘘をボケとして切り取って提示します。具体的な話の方がいいですかね?
__ 
お願い致します。
向坂 
次のさかあがりハリケーンは深夜食堂みたいにしようと思います。何でも出来るからなあ。どうしようかな。戦国時代がやりたいですね。僕もよりふじも日本史を選択していたので、
__ 
なるほど。深夜食堂。
向坂 
不幸話書くの得意なんですよ。

タグ: 客席と舞台の共犯関係 嘘のない


湿った街

__ 
では今後、どんな感じで攻めていかれますか?
向坂 
そうですね。ちょっと年末くらいに色々考えていたんですけど、ちょっと色々、他の可能性を探る為に今出来ている話を白紙に戻したんですよ。そういう話を池浦君にしたら「バカヤロー」って言われて。「頑張ります」って答えました。
__ 
なるほど。
向坂 
僕はこれからも京都を拠点にやっていくつもりなんですが、やっぱりもっと評価されたいですね。そういう事を考えていくと、やっぱり京都は湿っているように思います。「東京に行ったら売れるし」とかいうのはネタやと思っていたんですけど、やっぱり行ったら何かあるんですよ。基本冷たいんですけど、火が点いたらすぐ燃え広がるんです。では僕は10年も、湿った京都で何をしていたんだろうと。このままではカビてしまうと。
__ 
なるほど。
向坂 
ただまあ、東京に行って売れたら何とかなるというのは僕の好みではないんですよ。だから、湿った京都の環境に対してアプローチ出来たらいいなあと思っていますね。
__ 
京都の湿った環境。確かに、観客席にアグレッシブさはないかも知れませんね。
向坂 
京都で演劇を観る客層って、ほぼ大学生か大学出身者なんですよ。そこは学生の街だからなんですけど、きっと他の地域よりコアなんですよ。悪く言えば学生ノリで広い内輪ノリなんです。もちろん東京にもその傾向はあるんですけど。
__ 
なるほど。
向坂 
東京の人はもうちょっと、素直な方も多いんですよ。ストライクゾーンが広い。観劇を趣味と言い切れるようなバイタリティもあるんでしょうね。何にせよ、京都の客層に関しては非常に特殊なんじゃないかと思いますね。
__ 
もっと客層に広がりがあれば、というよりは、色んな種の人に対してアプローチする企画公演があるべきかも知れませんね。
向坂 
そうですね。コンビニの前で屯している高校生が、演劇観に行ってほしいですね。本当は。

タグ: 内輪ウケの・・・ 京都の学生演劇 創造環境としての京都 今後の攻め方 時間停止都市としての京都


三文判ケース

__ 
今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントがございます。
向坂 
ありがとうございます。
__ 
大したものではないんですが、どうぞ。
向坂 
なんだろう。(開ける)これは。
__ 
三文判ケースです。印鑑を入れる時は、ティッシュ等で拭いてからにしてくださいね。
向坂 
ありがとうございます。これで契約が沢山出来るように頑張ります。

タグ: プレゼント(ポーチ系)


春までもう少しのある日

__ 
今日はどうぞ、宜しくお願い申し上げます。最近は、春野さんはどんな感じでしょうか。
春野 
ピースピット「TRINITY THE TRUMP」が終わって、ほっとしています。お料理なんかもしちゃったり。基本的には、浪曲のお稽古が中心ですね。それから、3月に出演するお芝居、女性芸術劇場「光をあつめて」の稽古なども始まりました。
__ 
あ、3月の。色んな方が出演されますよね。楽しみです。
春野 
全然ジャンルの違う方がたくさん集まっているんですよ。それぞれ、アプローチの違っているんですよね。稽古に参加しているだけで、すごく勉強になります。演出の深津さんもどんな演出がされるのか、とても楽しみです。頑張ります。
ピースピット2012本公演「TRINITY THE TRUMP」
公演時期:2012/1/22~1/30。会場:HEP HALL。
第17回女性芸術劇場「光をあつめて」
公演時期:2012/3/23~3/25。会場:ドーンセンター (大阪府立男女共同参画・青少年センター)。

タグ: ピースピット TRINITY THE TRUMP


vol.217 春野 恵子

フリー・その他。

2012/春
この人のインタビューページへ
春野

声の作り方

__ 
浪曲師・春野さんの演芸。実は私、三回程しか拝見していないのですが、どれも非常に面白かったです。迫力があって、いつの間にか世界に入り込んでいるような感覚があるんですよね。特に、浪曲で男性役を演じられる時は何故か凄くカッコいいと感じるんですよ。
春野 
ありがたいことに、それは良く言われるんです。女性の声はもちろん、男性の声色を使い分けて演じるんですが、宝塚みたいだと仰って頂けたり。
__ 
しかも、男性の声色にバリエーションがあって、演じ分けされているんですよね。
春野 
実は、浪曲を初めて最初の頃は声がヒョロヒョロしていたり、音調も高くて迫力が無かったんです。野武士のような、猛々しい声も出さないといけないのに。もっと、厚みのある声を作るのが今の目標です。
__ 
声に厚み! そのためには、どのような練習が必要なのでしょうか。
春野 
浪曲の場合はひたすら声を出す事なんですよ。声帯にタコが出来るくらい。その状態で耳鼻咽喉科に行くと「声を出してはいけません」とか、「ポリープが出来たら切りましょう」とか言われてしまうんですけどね。
__ 
なるほど。
春野 
でも、浪曲の稽古は論理じゃないんですよね。タコが出来てもさらに出す。さらに出なくなったら、どこから出すかという話なんです。そうやって鍛えていくんですね。
__ 
声帯を保護するという思想とは、また違うんですね。
春野 
声楽のように、キレイな声を作るというよりは、説得力のある声を目指すんですよ。私も、昔とは全然声が変わっています。昔の友達に会ったら「風邪引いてるの?」って心配されちゃうんです(笑う)。でも、当初よりは力のある声が出来たと思っています。とは言ってもまだぺーぺーなので(笑う)とにかく今は声を出して声を出して。よりよい声を作っていきたいです。

vol.217 春野 恵子

フリー・その他。

2012/春
この人のインタビューページへ
春野

引き込む力

__ 
さっきおっしゃられた「説得力」について。浪曲も落語も、複数人の会話ではなくたった一人で全てを演じる訳ですよね。では、どのような演じ方が説得力を持ちうるのでしょうか。
春野 
いま語っている物語に、どれだけ聴いている人を引き込めるかどうかが勝負だと思うんです。例えば、私の師匠の二代目春野百合子という人は凄く物語にお客さんを引き込む引力を持っているんですね。それはもう、「演じる」という枠を越えて、何者にも負けない引力で。今は現役ではいらっしゃらないんですが、口演を拝見した時の事。お客さんが完全に引き込まれていたんです。会場全体を掌握して、お客さんを物語に引き込んでいる。その様子が目に見えるんですよ。そういう空気感があったんです。
__ 
凄い。そういうお言葉を伺っているだけで、凄さを感じます。
春野 
きっと、声だけではなく色んな要素があるんでしょうけど、そういう芸人になりたいですね。
__ 
浪曲で観客を引き込む。舞台上では、どのような実感がありますか。
春野 
例えば、「あ、このお客さんは前のめりになって聞いてくれているな」って、そういう事が分かるんですよね。浪曲だと、その時その時の反応によってどう演るかを変える事もあるんです。ライブの面白さですよね。お客さんがノってきているなと思ったら、このあたりはタップリ間をとってやってみたり。ダレてきちゃったなと感じたら、少しペースを上げたり、聴かせたい部分はあえて声を小さくして耳を寄せてもらったり。
__ 
お客さんと会話するみたいな。
春野 
やっぱり、その日その時に来て下さっているお客さんにインスパイアされる部分があるんです。もちろん、ステージによっては真剣に聴いて下さる方だけではないんです。でも、最初はあまり興味がなくても、いつか聞いて頂けるように頑張ります。
__ 
本当に興味がなくても、観客席とコミュニケーションを取ろうとしている人に、心が惹かれるんじゃないかなと思いますね。もちろん、芸はしっかりと披露しながら。
春野 
そうなんです。でもやっぱり、覚え立てのネタだとそういう事を考える余裕はないんですね。ところが、何十回も上演したネタだとまた違う。お客さんと気持ちが通わせやすかったりするんですよ。

タグ: 舞台全体を見渡せる感覚 観客との関係性


vol.217 春野 恵子

フリー・その他。

2012/春
この人のインタビューページへ
春野

芸を育てるという事。

__ 
十八番のネタって、そう考えてみると素晴らしいものなんですね。演じている方の練度が高いから、説得力がある。
春野 
そうですね。落語にしても、人によって演じ方が違うし、さらに同じ人でも常におなじ演り方をする訳じゃないんですね。いつもここでウケてるのに、今日はウケない。でもやっぱりここは持っていったね~~、みたいな。
__ 
そうそう、そういう時に立ち会うとなぜか興奮しますよね。
春野 
コンディションが違う、会場の雰囲気が違う、お客さんも違うんです。その中での違いを楽しめるんですね。楽しみ方がその時その時で違うんですね。演者にしても、今日はこうしてみようとか、その時の自分なりのテーマがあったりするんです。演者も観客も、回を重ねる事で新しい味わいを発見する楽しみ方があると思います。
__ 
戯曲は同じだけど、だからこそ一期一会のもてなしが出来るのかもしれない。舞台と客席が、じっくりと心を通わせる関係がそこにあるのかもしれない。
春野 
はい。・・・浪曲の世界に入る前から、時間を掛けて一つのものを作り上げていきたいという気持ちがあったんですよね。浪曲の世界に入る前はTVドラマに出させてもらった事もあるんですけど、台本を渡されて、カメラの前で演技して。OKが出たらもう終わり、の世界なんですね。その分、瞬発力が必要とされる現場ではあったんですよ。たくさんの素敵な共演者とご一緒させて頂いて、凄く勉強になったんです。が、よりブラッシュアップされる事もないんです。
__ 
なるほど。
春野 
そういう意味では、浪曲という、一人の演じ手・一つ一つの作品を磨いていけるジャンルに出会えて、とても幸せです。

タグ: アドレナリン TVドラマの話題


vol.217 春野 恵子

フリー・その他。

2012/春
この人のインタビューページへ
春野

質問 高橋 志保さんから 春野 恵子さんへ

Q & A
__ 
前回インタビューさせて頂きました、高橋志保さんから質問を頂いて来ております。「表現活動を続けていくと、同世代の人がどんどん辞めたり変わっていったりします。それでも続けていく中で、持ち続けたいポリシーはありますか?」
春野 
この歳で私、浪曲界のぺーぺーなんですよ。どんなに下手くそでも、一生懸命やっていれば何とかなるだろうという・・・ある意味低い志で始めたんです(笑う)。でも、浪曲に出会った時に、「私は、これを一生続ける」という決心で入ったんです。
__ 
そういうものに出会えるのはとても幸せな事ですよね。
春野 
そういうものに出会わないうちは、自分の人生は始まってもいないし、生き始めてもいないんじゃないかって思っていました。何も知らない世界に飛び込むのも無謀だとは思うんですけど、でも、そこまで散々悩んで来ているから。出会えるのも稀ですからね。だから、ずっと続けていこうと決心しました。
__ 
素晴らしいと思います。
春野 
それに、出来なくて当たり前・一生続けていれば何とかなる、というぐらいから始まっているので。だからこそ、応援して下さるお客様を裏切れないし、人並み以上にお稽古しないといけないんです。・・・幸せな事に、浪曲の世界に入って、「私には違うかも」って思った事が一度たりともないんですよ。
__ 
それは素晴らしい。しかし、一生のものに出会えるのがまず奇跡ですね。
春野 
母の育て方があるかもしれませんね。母は、「女性らしく結婚しなさい」とか、「子供を産みなさい」とかはあまり言わないんです。自分の一生を賭ける仕事を見つけなさいって言ってくれたんですね。まさか、浪曲師になるとは思わなかったでしょうけど(笑う)。
__ 
大変でしょうけど、仕事が楽しいというのはとても幸せですね。
春野 
やりがいがありますよね。だから、もう少し上手くなりたいですね(笑う)。私の場合は全然出来ないところから始めたので。お客様も「上手になったね」って仰って下さるんです。最初に比べてこんなに伸びてます!って感じかな(笑う)。
__ 
お客さんも、そういう成長ってとても嬉しいと思いますよ。次の質問です。「2.表現活動をやめる事について、考える事はありますか?」
春野 
才能ないんだろうなあと考える事はあるんですけど・・・でも、無くてもがむしゃらに努力するタイプなんです。才能ある人だけしかやっちゃいけない訳でもないと思っています。
__ 
どのようなパフォーマンスを発揮出来るかは、才能とか頭の良さだけじゃないですからね。
春野 
結局は結果を出さないといけないというのはあると思うんです。だけど、私は誰かの評価よりも自己評価を大事にしているんだと思う。どんな風に頑張ったか、どれだけ上の段階に進めたか。誉められても、自分の中でだめだったら「もっと頑張ろう」と思うし。そこに重きを置いてるからこそ、やっていけるんだと思いますね。
__ 
なるほど。
春野 
簡単に納得できるタイプじゃないし、不器用なんです。でも、だからこそ面白いんだと思うんです。積み重ねていって、変わってきてると思います。ずっと続けていきたいですね。

タグ: 一生懸命を描く その人に出会ってしまった ジェンダー・女性らしさ 家族という題材 女性的、それはなにか


vol.217 春野 恵子

フリー・その他。

2012/春
この人のインタビューページへ
春野

無謀な事をしていきたい

__ 
積み重ねて、変わっていく。
春野 
積み重ねた経験って、誰にも奪えないと思うんです。最初の頃は、例えばあるイベントで一時間の講演をいきなり任されてもずーっと緊張しているばかりでした。でも、今ではお客さんのペースを見て盛り上げたり、たまに客いじりしてみたり(笑う)。去年、肺炎にかかって40度の熱を出してしまった事がありまして。でもフラフラになりながらでも浪曲を口演させてもらったり。
__ 
大変でしたね。
春野 
そういう風に、一歩一歩、積み上げた実力で生きていきたいですね。だから、浪曲という世界で生きていても、井の中の蛙にならないように色々な世界を見ていきたいと思います。
__ 
最初の頃に失敗をしても、辞めなかったというのが凄いと思うんですよ。そんな、自分に対する評価が基準だったら、最初の失敗で方向転換してしまうかもしれない。
春野 
変なプライドがないのかな。出来ない事が見つけられるのは良い事だと思うんです。逆に、自分が出来る事も見つけられる訳ですから。常にこう、もっと上がって行きたいなと思います。人から見てどうのじゃなくて。無謀な事が好きなんでしょうね。東大に挑戦したり、浪曲を始めたり。あんまり、自分の枠を決めつけないんだと思います。
__ 
素晴らしい。
春野 
もっとこう、無謀な事をしていきたいですね。
__ 
楽しみにしております。

vol.217 春野 恵子

フリー・その他。

2012/春
この人のインタビューページへ
春野

楽々こなせて当たり前の・・・

__ 
今後、どんな感じで攻めていかれますか?
春野 
シゴく会で貴重な経験をさせていただきまして。まずは自分の声を作らない事にはお話にならないという事が身にしみて分かりました。土台のないところに飾っていったってしょうがないんです。まず、基本の声をちゃんと作っていく為に、さらに稽古を重ねます。
__ 
浪曲以外としては。
春野 
私、基本的には来たお話は断らない事にしていて。少し前、NHKの企画でカントリーの曲を浪曲で紹介するというのがあって。丸投げされたんですよ。生放送で。
__ 
生放送で!?
春野 
もうホントに。何とかやりましたけど。あと、今年に出演させて頂いたピースピットがこれまでの人生で最も追い詰められました。それ以降の無茶な仕事が楽勝に思えるぐらい。たとえば収録の前日に一字一句間違えてはならない台本を渡されても、平気に思えてしまって・・・。ピースピット、大変貴重な体験になりました。台本上の出ハケやキッカケなんてすべて楽々こなせて当たり前で、その次に行こうよという意識が持てるようになりました。
__ 
本当に追い詰められていたみたいですね。
春野 
twitterでつぶやけない日々が続きました(笑う)。ほんまにようやるわと。
__ 
最後の質問です。舞台に出る事と、浪曲師である事は両立していますか?
春野 
自分自身が他の世界を見てみたいのもありますし、演劇界にも浪曲をじわじわ知ってもらいたいですね。浪曲の本を書いてもらったり、あわよくば演出してもらったらどうなるかなとか。演劇界と浪曲界のコネクションをつなげていけないかなと思っています。
京山幸枝若が春野恵子をシゴく会
公演時期:2011/11/21~11/27。会場:シアターセブン。

タグ: 人脈・コネクションの大切さ 出ハケについて 今後の攻め方


vol.217 春野 恵子

フリー・その他。

2012/春
この人のインタビューページへ
春野

花柄の帯上

__ 
今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントがございます。どうぞ。
春野 
ありがとうございます。やったー(拍手)。何だろう。
__ 
どうぞ、開けて頂いて。
春野 
はっ。これは何? 帯上や。すごいキレイ。ありがとうございます。
__ 
良かったです。
春野 
私実は、いつも袴なので。そろそろ着流しを着たら良いと言われていたんです。
__ 
もうじき春ですので、春の花の柄を選ばせて頂きました。

タグ: 衣裳・時代物 プレゼント(装飾系)


vol.217 春野 恵子

フリー・その他。

2012/春
この人のインタビューページへ
春野

__ 
今日はどうぞ、宜しくお願いします。最近はいかがでしょうか。
高橋 
ひと通り、稽古なども終わって、一段落がつきました。
__ 
そう、高橋さんは4月に札幌に帰られるんですよね。元々、札幌の方という事で。
高橋 
そうなんです。元々は映画から入ろうと思っていたんですが、地元の大学には演劇部とかがなくて。1年間ぐらいサークルに入って普通に大学生をしていました。でも、2年になった時に「これがあと3年続くのか」って愕然として。そこで、京都精華大学との国内交換留学プログラムを取ったのが京都に来たキッカケです。
__ 
精華大生だったんですね。
高橋 
そこから、精華大学の学生劇団である劇的集団忘却曲線に入りました。ユリイカ百貨店の旗揚げ公演に出たのが、小劇場に出た一番最初だと思います。それから1年、ずっと芝居していたんですよ。
__ 
なるほど。伺いたいのですが、京都でお芝居をやる魅力とは?
高橋 
街自体にアートが多いじゃないですか。いて楽しいというか。伝統もあるし。札幌は歴史が浅くて、鉄筋の街なんですよね。色が欲しかったんですよね。
__ 
札幌には色がない?
高橋 
私には見えなかったのかもしれませんけど(笑う)。京都だと、例えば、普通に置いてあるDM一つにもこだわりがあるんですよね。札幌にはカフェや雑貨店も、最近やっとポツポツ出来てきた感じで。
__ 
なるほど。あまり意識した事はないなあ。
ユリイカ百貨店
2001年に脚本・演出を担当するたみおを中心とするプロデュース集団として結成。その後劇団としての活動に形を変え、2005年4月、再度プロデュース集団となる。幼い頃の「空想」と大人になってからの「遊び心」を大切に、ノスタルジックな空気の中に、ほんの少しの「不思議」を加えたユリイカ百貨店ならではの舞台作品を作り続けている。(公式サイトより)

タグ: 一段落ついた 留学して表現を学ぶ


vol.216 高橋 志保

フリー・その他。

2012/春
この人のインタビューページへ
高橋

色々観てみよう

__ 
この間のシマウマノート、面白かったです。リーディング公演といいながら、ほぼ本を使った会話劇でしたね。
高橋 
本を取り替えて役をチェンジしていったんですよね。狭い空間だったけど、mocomocoCAFEの雰囲気を生かした感じですね。
__ 
リーディングという枠組みを逆手に取ったんですよね。
高橋 
やってる方はめっちゃ段取り多くて大変だったんですけどね。
__ 
そういう経験を札幌で生かしてほしいなあ。
高橋 
やりたいのはやりたいと思っています。
__ 
そうそう、沢山あるみたいですね。introという劇団があって、活躍されているみたいですね。
高橋 
そうなんだ。帰ったら色々観てみようと思います。
シマウマノート
田中彼方を主宰とする、演劇を演劇するための、劇団ではない劇団。(公式サイトより)

vol.216 高橋 志保

フリー・その他。

2012/春
この人のインタビューページへ
高橋

質問 向坂 達矢さんから 高橋 志保さんへ

Q & A
__ 
前回インタビューさせて頂きました、京都ロマンポップの向坂さんから質問を頂いて来ております。「札幌の人は、雪にうんざりするんですか?」まず、雪が降るとテンション上がったりするんでしょうか。
高橋 
ああ、上がりますよ。で、うんざりはしないですね。雪はあるものですから。一年の半分は雪なので。そこにうんざりしてたら生きていけないですね。
__ 
あー、なるほど。
高橋 
うんざりしてしまう人は北海道から出ていくと思います。
__ 
生活の一部に雪があるんですね。
高橋 
除雪のない日に帰ろうと思ったら、ずっと雪の中を歩いていかないといけないですよ。一度、高校生の頃に吹雪いている中1時間歩いて帰った事があります。
__ 
ええ!?
高橋 
15分ぐらいしてむっちゃ寒くなって。やっとの事で自動販売機に辿りついて粒コーンスープを飲んで補給しました。
__ 
それが無かったら死んでましたね。よくぞ生きて。
高橋 
いえいえ。
__ 
「2.演劇をしていて良かった事はなんですか?」
高橋 
色んな人に会える事ですね。

タグ: 北海道出身


vol.216 高橋 志保

フリー・その他。

2012/春
この人のインタビューページへ
高橋

バランスについて

__ 
芝居を辞める事について、考えた事はありますか?
高橋 
烏丸ストロークロックの公演に参加していたんですが、それが終わった時期にやめようと思いましたね。今はずっと続けていこうと思っています。やっぱり、一度辞めようとしたからそう思えるようになったと思うんです。
__ 
辞める理由はどのような。
高橋 
やっぱり、生活とのバランスですね。演劇を続けようとするとどうしても仕事生活とバランスが取れなくなってくるんですよ。お金が無くてもやりたいことが出来ていたらいいという人もいますけど、私はそういうふうにはなりきれなくて。
__ 
そうですね。
高橋 
仕事をしていると、どうしても責任が発生するので演劇に割く時間が少なくなる。以前、鈴江さんの作品に2回参加させてもらった事があるんです。鈴江さんは「フリーターで芝居やってる奴より公務員の方がよっぽどいい演技する」って仰るんですよ。最初はどういう意味か分からなかったんですけど、責任感の問題だったんですね。演劇は、自分が選んでやっている事なんですけど、だからこそ責任を持って参加するようになりました。
__ 
なるほどね。個人的には、演劇がサイドビジネスになるぐらいにまでなったらいいんじゃないかなとか思いますけどね。バイト+演劇で月収35万いくみたいな。
高橋 
この間、リーディングで共演した人がオーストラリアで聞いてきたというお話なんですけど。向うの病院で、がん告知などの患者さんとのコミュニケーションに備える研修に役者を使うらしいんですよ、アルバイトで。
__ 
そういう風に、社会が演劇を必要とするケースはもっとたくさんあるんでしょうね。まだ発見されていないだけで。
烏丸ストロークロック
1999年、当時、近畿大学演劇・芸能専攻に在学中だった柳沼昭徳(劇作・演出)を中心とするメンバーによって設立。以降、京都を中心に、大阪・東京で公演活動を行う。叙情的なセリフと繊細な演出で、現代人とその社会が抱える暗部をモチーフに舞台化する。(公式サイトより)
鈴江俊郎氏
劇作家。演出家。office白ヒ沼代表。

タグ: 繊細な俳優 社会、その大きなからくり もう、辞めたい


vol.216 高橋 志保

フリー・その他。

2012/春
この人のインタビューページへ
高橋

これまで

高橋 
これまで、色々あったなあ・・・。
__ 
たとえば。
高橋 
お芝居を始めてからしばらくの間、舞台の上でどう動いたらいいのか分からなかったんですよ。映画とかにも出て、やっぱり会話劇がいちばんしっくりしたんですよね。
__ 
ああ、難しいですよね。
高橋 
その後ダンスも習ったんですけど、振り付けがなかなか覚えられなくて。周りにはすぐ覚える人もいて、自分はバカなんじゃないかと思ってしまいました。自分にしか分からない振り付け表を書いてみたり、とにかく反復練習する事で覚えられるようになっていったんですけど。やっと、色々、出来ない事が出来始めたんですよね。ユリイカ百貨店で、たみおさんが「役者は自由じゃなければならない」って言ってたんですよ。稽古や舞台に立つ前に思い出します。自由度を上げていきたいですね。
__ 
最初はみんな、やれなかったんですよね。
高橋 
そうなんですよ。だから、「辞める」って人が本当にもったいないなと思います。

タグ: 反復の生むもの


vol.216 高橋 志保

フリー・その他。

2012/春
この人のインタビューページへ
高橋

転転

__ 
今後、どんな感じで攻めていかれますか?
高橋 
自由度を上げていきたいですね。私、基本的に周りの人と比べて、萎縮しているところから始まってるんですよね。自分がどう見られているか不安になったり。
__ 
なるほど。
高橋 
そういうのはだいぶ無くなってきているけど、まだ自由ではないと思うんですよね。海外に行ってどうなるか分からないんですけど、向うに行ったら、日本の良さを伝える仕事がしたいかな。向うで演劇活動はどうなるか分からないですけど・・・。やりたい事=100%演劇じゃないんですよね。だから劇団も、一度も入った事がないし。いや、入りたくなかった訳じゃなくて。入るタイミングが無かったんですよね。
__ 
各地を転々としていますね。
高橋 
そうですね。映画も演劇もするし、
__ 
会社員にもなったし。
高橋 
何がしたいの? って言われるんですけど、一個に絞れないというか。別に絞らなくてもいいかなと。
__ 
そうですね。
高橋 
そう思えるようになったのも最近ですけどね。一つの事を追求する人は凄いなと思うし、影響もされるけど。
__ 
一つの劇団にずっといて、追求し続けるのってものすごい業だと思うんですよ。
高橋 
うん。
__ 
でも、何だろう。芝居を辞めた人が戻って来やすいようであればいいなあと思っています。もちろん、芝居に触れた事のない人でも始めやすい感じ。
高橋 
私もそれは思いますね。是非、一つの世界に固まっているおじさん世代にやってもらいたいですね。知らない自分に出会えると思います。

タグ: どんな手段でもいいから続ける 今後の攻め方 見られている事を意識する


vol.216 高橋 志保

フリー・その他。

2012/春
この人のインタビューページへ
高橋