質問 向坂 達矢さんから 高橋 志保さんへ

Q & A
__ 
前回インタビューさせて頂きました、京都ロマンポップの向坂さんから質問を頂いて来ております。「札幌の人は、雪にうんざりするんですか?」まず、雪が降るとテンション上がったりするんでしょうか。
高橋 
ああ、上がりますよ。で、うんざりはしないですね。雪はあるものですから。一年の半分は雪なので。そこにうんざりしてたら生きていけないですね。
__ 
あー、なるほど。
高橋 
うんざりしてしまう人は北海道から出ていくと思います。
__ 
生活の一部に雪があるんですね。
高橋 
除雪のない日に帰ろうと思ったら、ずっと雪の中を歩いていかないといけないですよ。一度、高校生の頃に吹雪いている中1時間歩いて帰った事があります。
__ 
ええ!?
高橋 
15分ぐらいしてむっちゃ寒くなって。やっとの事で自動販売機に辿りついて粒コーンスープを飲んで補給しました。
__ 
それが無かったら死んでましたね。よくぞ生きて。
高橋 
いえいえ。
__ 
「2.演劇をしていて良かった事はなんですか?」
高橋 
色んな人に会える事ですね。

タグ: 北海道出身


vol.216 高橋 志保

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2012/春
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高橋

バランスについて

__ 
芝居を辞める事について、考えた事はありますか?
高橋 
烏丸ストロークロックの公演に参加していたんですが、それが終わった時期にやめようと思いましたね。今はずっと続けていこうと思っています。やっぱり、一度辞めようとしたからそう思えるようになったと思うんです。
__ 
辞める理由はどのような。
高橋 
やっぱり、生活とのバランスですね。演劇を続けようとするとどうしても仕事生活とバランスが取れなくなってくるんですよ。お金が無くてもやりたいことが出来ていたらいいという人もいますけど、私はそういうふうにはなりきれなくて。
__ 
そうですね。
高橋 
仕事をしていると、どうしても責任が発生するので演劇に割く時間が少なくなる。以前、鈴江さんの作品に2回参加させてもらった事があるんです。鈴江さんは「フリーターで芝居やってる奴より公務員の方がよっぽどいい演技する」って仰るんですよ。最初はどういう意味か分からなかったんですけど、責任感の問題だったんですね。演劇は、自分が選んでやっている事なんですけど、だからこそ責任を持って参加するようになりました。
__ 
なるほどね。個人的には、演劇がサイドビジネスになるぐらいにまでなったらいいんじゃないかなとか思いますけどね。バイト+演劇で月収35万いくみたいな。
高橋 
この間、リーディングで共演した人がオーストラリアで聞いてきたというお話なんですけど。向うの病院で、がん告知などの患者さんとのコミュニケーションに備える研修に役者を使うらしいんですよ、アルバイトで。
__ 
そういう風に、社会が演劇を必要とするケースはもっとたくさんあるんでしょうね。まだ発見されていないだけで。
烏丸ストロークロック
1999年、当時、近畿大学演劇・芸能専攻に在学中だった柳沼昭徳(劇作・演出)を中心とするメンバーによって設立。以降、京都を中心に、大阪・東京で公演活動を行う。叙情的なセリフと繊細な演出で、現代人とその社会が抱える暗部をモチーフに舞台化する。(公式サイトより)
鈴江俊郎氏
劇作家。演出家。office白ヒ沼代表。

タグ: 繊細な俳優 社会、その大きなからくり もう、辞めたい


vol.216 高橋 志保

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2012/春
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高橋

これまで

高橋 
これまで、色々あったなあ・・・。
__ 
たとえば。
高橋 
お芝居を始めてからしばらくの間、舞台の上でどう動いたらいいのか分からなかったんですよ。映画とかにも出て、やっぱり会話劇がいちばんしっくりしたんですよね。
__ 
ああ、難しいですよね。
高橋 
その後ダンスも習ったんですけど、振り付けがなかなか覚えられなくて。周りにはすぐ覚える人もいて、自分はバカなんじゃないかと思ってしまいました。自分にしか分からない振り付け表を書いてみたり、とにかく反復練習する事で覚えられるようになっていったんですけど。やっと、色々、出来ない事が出来始めたんですよね。ユリイカ百貨店で、たみおさんが「役者は自由じゃなければならない」って言ってたんですよ。稽古や舞台に立つ前に思い出します。自由度を上げていきたいですね。
__ 
最初はみんな、やれなかったんですよね。
高橋 
そうなんですよ。だから、「辞める」って人が本当にもったいないなと思います。

タグ: 反復の生むもの


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2012/春
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高橋

転転

__ 
今後、どんな感じで攻めていかれますか?
高橋 
自由度を上げていきたいですね。私、基本的に周りの人と比べて、萎縮しているところから始まってるんですよね。自分がどう見られているか不安になったり。
__ 
なるほど。
高橋 
そういうのはだいぶ無くなってきているけど、まだ自由ではないと思うんですよね。海外に行ってどうなるか分からないんですけど、向うに行ったら、日本の良さを伝える仕事がしたいかな。向うで演劇活動はどうなるか分からないですけど・・・。やりたい事=100%演劇じゃないんですよね。だから劇団も、一度も入った事がないし。いや、入りたくなかった訳じゃなくて。入るタイミングが無かったんですよね。
__ 
各地を転々としていますね。
高橋 
そうですね。映画も演劇もするし、
__ 
会社員にもなったし。
高橋 
何がしたいの? って言われるんですけど、一個に絞れないというか。別に絞らなくてもいいかなと。
__ 
そうですね。
高橋 
そう思えるようになったのも最近ですけどね。一つの事を追求する人は凄いなと思うし、影響もされるけど。
__ 
一つの劇団にずっといて、追求し続けるのってものすごい業だと思うんですよ。
高橋 
うん。
__ 
でも、何だろう。芝居を辞めた人が戻って来やすいようであればいいなあと思っています。もちろん、芝居に触れた事のない人でも始めやすい感じ。
高橋 
私もそれは思いますね。是非、一つの世界に固まっているおじさん世代にやってもらいたいですね。知らない自分に出会えると思います。

タグ: どんな手段でもいいから続ける 今後の攻め方 見られている事を意識する


vol.216 高橋 志保

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2012/春
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高橋

黒砂糖

__ 
今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントがございます。
高橋 
え、そうなんですか。
__ 
毎回差し上げているんですよ。つまらないものですが、どうぞ。
高橋 
ありがとうございます。あけていいですか?
__ 
どうぞ。
高橋 
あ、お砂糖ですね。
__ 
沖縄の黒砂糖です。4種類あるうちの、最も風味の強いものです。
高橋 
わー。嬉しい。
__ 

タグ: プレゼント(食器系)


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2012/春
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高橋

よく見れば何でも面白い

__ 
久しぶりに会えて嬉しいです。今日はどうぞ、宜しくお願いします。最近はいかがですか?
安田 
久しぶりやね。最近というか、まず劇団をやめたところから話すと・・・。
__ 
ええ。
安田 
ニットキャップシアターを辞めてから一年間くらい、京都でバイトしたり車の免許を取ったりしていました。その間もぼーっとこなしていた訳じゃなくて、職業としては人と関わる仕事に就きたいなと思っていて、どうしようかなと思ってたんです。いつ頃か、オカンが理学療法士という仕事があると教えてくれて。「ああ、それは良いかも」と思って。で、いろいろ考えた末に、今は作業療法士の国家資格を目指して、大阪の専門学校で勉強しています。
__ 
今は、一年生?
安田 
そうそう。この歳でする勉強は面白いよー。中学・高校って、「何で勉強しているのか」を思うことすらなく勉強してるじゃないですか。目的意識が全くない頃と比べて、今は自分が何がしたいのかがはっきりしているから、先生の言っている事が入ってきやすいんですよ。演劇をやっていたからか、セリフ覚えと同じように、暗記力があるというのが大きいけどね。まあ正確にはちょっと違うんやけど、こと「覚える」という部分では使う所は一緒な気がする。
__ 
時間を経てそれなりの経験や分別をもってから、新しい分野を始めるのは楽しいですね。
安田 
うん。演劇をやっていて、価値観が変わったというのも大きいね。ニットの昔の公演「じょうどこちらへ」というお芝居のチラシに「よく見れば何でも面白い」って書いてあった事を思い出します。その当時は「ほー」ってぐらいだったんですけど、演劇に関わって、派手でも地味でも、本当に「よく見れば何でも面白い」と思えるようになりました。そういうふうに思えるようになってから、本でもアニメでも映画でも、気になったものは一回観てみようと思えるようになりました。
__ 
価値観が幅広くなった。
安田 
うーん。「広くなった」かどうかはわからないけど、とにかく一回観てみたそのうえで、それに対する「好き嫌い」を明確にするようになりました。その作品が自分にとって何で、どうなのかを判断することが出来るようになったと思う。
ニットキャップシアター
京都を拠点に活動する小劇場演劇の劇団。1999年、劇作家・演出家・俳優のごまのはえを代表として旗揚げ社会制度とそこに暮らす人々との間におこる様々なトラブルを、悲劇と喜劇両方の側面から描いてゆく作風は、新しい「大人の演劇」を感じさせる。日常会話を主としながら、詩的な言葉を集団で表現することも得意とし、わかりやすさと同時に、観客の想像力を無限に引き出す奥深さも持っている。(公式サイトより)
ベビー・ピー
作家・演出家・俳優の根本コースケを中心とした演劇ユニット。 2002年、当時根本が所属していたニットキャップシアターの劇団内ユニットとして結成。 翌々年に独立。以降、公演ごとに役者・スタッフを集めるスタイルで、京都を拠点に活動している。(公式サイトより)

タグ: 資格を取ろう


vol.215 安田 一平

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2012/春
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安田

役者をやめたとは思ってないんです

__ 
なるほど。そういう風に、対象を見る時に分別がつくようになったということは、つまりしっかりした立脚点を持つようになったという事だと思うんですが、それはどのような経緯でご自身に備わったと思われますか?
安田 
僕は凄く、出会った人に影響されるタイプなんですよ。例えば烏丸ストロークロックの柳沼さんや、ごまもそうだし、大木さんもそうやな。まあそれだけじゃなく出会ったすべての人の、共感したり響いた発言とか考え方とか、あとは、読んだ本もそうだし。そんな感じに学んだ事が、僕の中に教養としてまとまったんじゃないかな。
__ 
人生経験と、考える力ですね。
安田 
うん。それと演劇を離れて、役者について考えるようになった。もちろん肉体的な面では衰えていくんだけど、感性の面ではずっと磨き続けられる。僕は演劇をやめたけれども、役者をやめたとは思ってないんです。どんな形であれ舞台には立てると思うし。
__ 
素晴らしい。
安田 
去年の東日本大震災の時、元そとばこまちの福山俊朗さんが呼びかけて開催したチャリティーイベントで、真野絵里さんと一緒に二人芝居をしたんですよ。その時も楽しかったし。
__ 
あれは見たかった。
安田 
それにね、色んな人が言ってくれるんですよ、辞めるのはもったいないって。あるスタッフさんが、芝居をやめると伝えた時に、「劇団をやめても、演劇と関わるのは辞めない方がいいよ」って仰ってくれて。
__ 
なるほど。
安田 
僕は、最初演劇を辞めたら仕事だけに専念しようと思っていたんです。知り合いや友達の縁を全部切って。でも、公演に関わっていなくても、例えば、赤星マサノリさんみたいな第一線で活躍されているような方と、ひょっとした縁で友達として親しくなったりしたりね。だから、そんな事を考えていた自分が愚かやったなと。
__ 
安心しました。安田君が芝居を辞めたのは個人的に相当ショックな出来事だったんです。
安田 
何で?
__ 
これは別に褒めている訳ではないんですけど、天才っているじゃないですか。勝手に定義しているんですが、どんな演技でも観客の想像より早くかつ強烈なイメージを生み出せる人を天才と呼んでいます。そのうちの一人が辞めたというのは、凄く残念だったんだけど。
安田 
凄く光栄です。あ、あと演劇にこれからも関わりたいといったのは、まだまだ一緒にやりたい人が多すぎるから。柳沼さんとか、赤星さんとか、坂口さんとか、大木さんも、あとは、宮川サキさんとかスクエアの北村さん、末満さん、石原正一さんとかウォーリーさんとか、出来ればごまとも一緒に何かしたいし、その他にも言い出したらきりない位に、やりたいし、やろうって言ってくれてる人がおるから。本当に出来るかどうかはわからんけど「やりたい」って思う気持ちは自由やん。もちろん演劇から離れてるし、優先順位が変わったから、どうなるかはホンマにわからんけどね。でもやりたいと思う気持ちは失くしてはいけないなと。それに、一番大きいのは演劇が嫌になって辞めたわけじゃないからね。やっぱりお芝居は大好きやから。

タグ: その人に出会ってしまった


vol.215 安田 一平

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2012/春
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安田

自己表現なんだ

__ 
演劇をやっていて、良かった事はなんですか?
安田 
まず、色んな人とお仕事をさせてもらった事です。それから、演劇って自分で立つものだからどこ行っても指示待ちにはならないんですよね。仕込みで動ける人はどこでも通用すると思う。僕はいま専門学校に通っているんだけど、やっぱり「学校」という場所は、授業においては教師対生徒という構図になってしまって、個が埋没するんですよね。
__ 
学校は、どうしてもね。
安田 
演劇を経験すると、自分の意見が明確になって、考えを表現する事が出来るんですよ。もちろん、言った事に対して、他人がどう思うかは考えないといけないけど。だから演劇って、人間として大きく豊かになるのに、僕にとっては必要なものだったと思う。
__ 
一つの公演を通して、一つの成果を創り上げて、かつ本番という決定的な時間がある訳じゃないですか。俳優だって、台本を渡されて、おおまかな感情を決めて、そういう演技をすればいいという勘違いがあると思うんですけどそうじゃない。その人の演技はそんな頼りないものから生まれるものじゃなくて。おそらくは、自分のパフォーマンスになるように、ゼロから作っていくものかもしれない。
安田 
うん、演劇を始めてからすぐにはそんな事は考えられなかった。演技プランなんて全然分からなかった。いつぐらいからか、演劇というものが自己表現なんだという事に気づいて。そうなったら自分でモノを考えるようになって、ちょっとずつ考えられるようになっていった。

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2012/春
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安田

質問 平松 隆之さんから 安田 一平さんへ

Q & A
__ 
前回インタビューさせて頂きました、劇団うりんこの平松さんから安田さんへ質問を頂いて来ております。「1.今、何をやっているんですか?」
安田 
ええと、専門学生です。国家資格を取得するため、今勉強中です。
__ 
ありがとうございます。「2.仮に、これまで演劇に費やした時間を示されて、その分の時間を遡れるとしたらどうしますか?」
安田 
漫才をやってるかな。僕は当初、ベイブルースという漫才コンビが大好きで。願書まで取り寄せたんだけど、なぜかその時に姓名判断に行って、で「あんたはコンビ運がない」って言われて、ほんで色々あって演劇始めたので。もしそこで「がんばりや」みたいなこと言われてたら、たぶん漫才やってたでしょうね。
__ 
今後、どんな感じで攻めていかれますか?
安田 
そうですね。一番の目標は国家試験で資格を取ることだし、舞台復帰はやらないといけないからね。待っていてくれる人もいるし。
__ 
ここにいます。
安田 
あはは。その人のためにも、舞台にもう一度立つと思います。

タグ: 今後の攻め方 資格を取ろう


vol.215 安田 一平

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2012/春
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安田

ラグ

__ 
今日はお話を伺えたお礼に。プレゼントがございます。前回は何でしたっけ・・・。
安田 
胡椒と塩の入れ物です。
__ 
あ、そうだったっけ。どうぞ。
安田 
ありがとうございます。(開ける)えー! これは。
__ 
小さめのラグです。台所などに置いて、足マットとして使えます。
安田 
ありがとう! 使わせてもらいます。

タグ: プレゼント(インテリア系)


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2012/春
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安田

劇団ソノノチ「ものがたりの書き物」

__ 
今日はどうぞ、宜しくお願いします。最近、廣瀬さんはどんな感じですか?
廣瀬 
劇団ソノノチの次回公演の「ものがたりの書き物」と、劇団衛星さんの珠光の庵に出演させていただくので、その二つの稽古です。
__ 
そうなんですね。楽しみにしております。頑張って下さい。
廣瀬 
はい! がんばります。

劇団ソノノチ
中谷と北海が大学在学中に4年間所属していた劇団テフノロGを卒業後、2008年に社会人劇団として集団を再結成。メンバーはそれぞれにジャンルの異なった自身の作家活動や制作活動をおこなっているため、その得意分野を生かした舞台表現に今後注目が集まる。人と時間の繋がりを大切にしながら継続的に作品発表の場を持ち続けることを目標にしており、舞台表現とアート・デザインの複合性とその「これから」を探る(劇団名もこの「これから(その後)を探る」にちなんでつけられた)。(公式サイトより)
劇団ソノノチ「ものがたりの書き物」
公演時期:2012/3/16~18。会場:アトリエ劇研。
珠光の庵大分公演「珠光の庵~真の巻~」
公演時期:2012/3/3~4。会場:妙正寺。

恥ずかしいのを通り越して

__ 
廣瀬さんがお芝居を始めたのは、どういうキッカケがあったのでしょうか?
廣瀬 
えっと、社会人になって、しばらくしてからです。
__ 
あ、そうなんですね。
廣瀬 
同じ高校だった中谷が、大学卒業後に劇団を旗揚げして、役者をさがしてるんだけど、良かったら愛子もどう?って。自分の表現を模索していた時とそのタイミングが不思議と合って。実は高校の頃、文化祭で一クラスが一つお芝居をやる事になっていて・・・とても小さい学校だったんですけど、私を知らない人がクラスの外にたくさんいる、それって当たり前なんですけど、卒業したら私がいたかどうかも残せないんじゃないかと思って。高校が大好きだったのでそこに自分がいた何かを残せないかなって。その時に立った舞台がすごく強く記憶に残っていて・・・
__ 
いかがでしたか?
廣瀬 
自分じゃないような感覚があって、でもそれが気持ちいいなって。そのときは恥ずかしいのを通り越して、みんなで作り上げていく、舞台上で出来上がって行く興奮の方が強かったです。いい記憶になりました。

人間の冷たさ

__ 
廣瀬さんはご職業がデザイナーなんですよね。
廣瀬 
はい。会社が出している店頭のPOPを作っています。実は、焼き菓子の店頭販売なんですよ。だから、手作りの感覚を大事にしたものが置けるように色々。
__ 
ものづくりですね。素晴らしい。たしか、絵も描かれるとか。
廣瀬 
はい! こういうのです。イラストって感じなんですが、この時は水彩を中心にして描いています。ソノノチ団員は基本的に全員がモノづくりをしているんです。それぞれ自分の製作があって、それとは別に演劇作品を作っています。みんな、視覚的なセンスが高いので、ミーティングの時は色んな意見が飛び交って面白いです。
__ 
それは面白そうですね。私が考えるソノノチの魅力とちょっと被っている気がします。何だか、穴の中で土を掘っているイメージがあるんですよね。素手で横方向に。その人の指が探る土の冷たさが伝わるというか。
廣瀬 
ちょっと分かります。
__ 
その感触がなぜかいいんですよ。寂しさと悲愴感もあって。
廣瀬 
そういうところありますよね。それを、私は、みんなで掘っているんだと思います。
__ 
なるほど。
廣瀬 
出来た作品も、仰る通り冷たい部分もあるんですけど、どこか人間らしい冷たさというか、ガラスのようにキンと冷えた感じ、そこに人の手のぬくもりを感じるようなのがあるんだと思います。
__ 
冷酷じゃないんですよね。孤独が持っている冷たさというか。
廣瀬 
そうなんです。誰しもが抱えている寂しさを演劇で共有したら、それは優しい世界という事になるんじゃないかって。私はそこの登場人物として、日常に当たり前にない表現や、自分らしさを通して、心のなかにあるものを発見してもらえたらと思っています。
__ 
ソノノチの物語。確かに具体的な筋はかなり隠されている感じですよね。「おやすみの砦」とか。
廣瀬 
そうでしたね。時間がずれていたり、構成が何だか夢の中にあるようにしてあって。

タグ: 手作りのあたたかみ 孤独と演劇


心が動いた

__ 
今まで、役者としてどういう目標がありましたか?
廣瀬 
技術的な面で言うと、基礎がないので声が人よりも小さくて、ちゃんと響く声が出したいです。配役されたキャラクターの行動・表現と、自分が重なるようになればいいなと思っているんです。その瞬間を大事にしたいですね。
__ 
役柄とご自身が重なる瞬間がある。
廣瀬 
台本の読み込みが浅いと、感情を表現するときもふわーっとしてるんです。でも、他の役との関係が掴めてくるに従って、無意識に体が動いたりとかがあるんです。それまでは「こうだったらこうなのか」みたいに考えていたのが、すっと体が動く瞬間があります。
__ 
役が振られた時から、どうアプローチしていくか。最近よく話題になっています。その役者固有の人格でしか出せない演技、がキーワードなんでしょうね。例えば、今そこのTVでやっている吉本新喜劇。
廣瀬 
ああー。
__ 
役者とキャラクターが見事に重なってるんですよね。もちろん、シーン作りがすごくスマートで、その時に即した笑いに結びつくように削ったり贅肉があったり。
廣瀬 
そうですよね。演じている人がどこかに違和感を持っていると、伝わってしまうような。
__ 
廣瀬さんは、今後、どんな感じで攻めていかれますか?
廣瀬 
感じて貰えるような作品が作りたいです。その気持ち、感想を頂けるとやっぱり嬉しいです。それはいいねだけじゃないこともあるかもしれないですが、でも言って頂くという事は、心が動いたという事だと思うんです。観ている人に感じて貰えるようにしたいです。それと、これは上司の言葉なんですが、「毎日つかれた~!ってベットに倒れ込んじゃうくらい、泥まみれになるくらい、遊びなさい。」と。そんな時間を過ごしたいと思ってます。

タグ: 今後の攻め方


「実物をみるより感動するね」

__ 
何も感じない芝居じゃなく、心が動く芝居。廣瀬さんは、どういう時に心が動くと思いますか?
廣瀬 
大学の頃、動物のデッサンをしていた時に、後ろを通った人から、「実物をみるより感動するね」って声が聞こえたんです。周りで何人かも描いていたので、特別私に言った訳じゃないかもしれないんですが、でも、その言葉がずっとずっと染み着いています。
__ 
切り取ったという事ですね。
廣瀬 
そうですね。動きは表現出来ないので、私が見た瞬間の表情を表現するんです。その瞬間の匂い、ポーズ、構図とか・・・。それって、絵だけじゃなくて演劇でも同じような事が出来ると思うんです。しかも演劇はそこにプラス動きが入ってきて、表現はなんだか無限のような気がします。
__ 
ご自身の印象をキャンバスに射映して、それが他人に届いたという事なんですよね。それはありふれているコミュニケーションかもしれないけど。
廣瀬 
でも、そういう表現をしていきたいと思います。

質問 BABさんから 廣瀬 愛子さんへ

Q & A
__ 
前回インタビューさせて頂いた、子供鉅人のBABさんから質問です。「冠婚葬祭用の喪服とか、何かの式に使う出で立ちは持っていますか?」
廣瀬 
結婚式用はあるんですけど、喪服とかは持っていないんです。子供鉅人さん、好きです! BABさんて、あのちっちゃいけど力強い人ですよね。
__ 
そうです。この間ご結婚されたそうで。
廣瀬 
そうなんですか! おめでとうございます。

タグ: 結婚したら・・・


スクラッチキャット

__ 
今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントがあります。
廣瀬 
あ!ありがとうございます。いつもみなさんにされているんですよね。
__ 
そんな大したものではないので。どうぞ。
廣瀬 
(開ける)あーっ。猫ですね。可愛い。この目付きがいいですね。

タグ: プレゼント(可愛らしい系)


劇団うりんこ「お伽草紙/戯曲」全国ツアー

__ 
今日はどうぞ、宜しくお願いします。twitter等で近況を伺えましたが、お忙しいなかありがとうございます。
平松 
こちらこそ、ありがとうございます。特に今は忙しくしているんですけど、やりたくてやっている事を全てしてしまう性分なんです。でも楽しいです。俗に言う、《辛楽しい》ですね。
__ 
素晴らしい。
平松 
最後には何でこんな事になっちゃったんだろうって思うんですけど、結局自分で決めてやっている事だった、みたいな。むしろ、他人に言われてやるというのが苦手で。頼まれないでやっている事が最近特に多いです。
__ 
でも、それで効果があったら幸せですよね。
平松 
そうですね。その効果を推し量るのが大変なんですけどね。今手がけている「お伽草紙/戯曲」の場合は、作品の反響が大きいんです。一度見に来て頂いたお客さんがツアーの応援をして下さったりするんですよね。「最後は松本ですよね!みんな一緒に観に行ってみる?」みたいに。ネットならではの結実の仕方をする気配があります。そうしたエピソードの出方が、近年まれに見る状況ですね。
__ 
それは俗に言う、モテているという状態ですね。
平松 
へぇ~、なるほど。分かりやすい。2年前に公演した時はモテると思ったのにそこまでじゃなくて(笑う)。だから、とにかく見に来てもらおうと売り込んだんですよね。モテるための努力をここ一年くらいしまくったんです。すると、以前は気になっていても来れなかったお客さんが来てくれたり、うりんこの事を最近知って下さったお客さんがいらしたり。
__ 
企画の素晴らしさはもちろんとして、劇団うりんこ/うりんこ劇場ならではのモテ要素とは。
平松 
多分、家族のような感覚が劇場にあるからかもしれません。これまでの歴史が堆積しているんですね。脚本・演出家に固定の人はいないし、俳優の年代もバラバラ。それでも、人が見れば「あ、うりんこだね」って分かるみたいなんです。
__ 
ああ、そうした下地とかムードがあるのかもしれませんね。

劇団うりんこ
劇団うりんこの創立は1973年。8人の若者が集まって創った劇団です。以来、うりんこはその名前・・・・・・猪のこども・・・・・・のとおりに元気に走り続けてきました。今では、活動も広がり、愛知・岐阜・三重の東海三県での学校公演だけでなく、おやこ劇場・こども劇場、公立文化施設の主催事業、教育委員会、児童館の仕事などで、全国的に公演をするようになりました。また、海外の劇団との合同公演。スタッフの招聘。海外公演など国際的な活動も広がっています。(以下略。公式サイトより)
劇団うりんこ「お伽草紙/戯曲」
公演時期:2012年1月~3月。会場:名古屋・横浜・広島・福岡・大阪・相模原・豊川・松本。

タグ: 『モテ』 エネルギーを持つ戯曲


「やらなくてはダメだ」

劇団うりんこ「お伽草紙/戯曲」上演写真 撮影:清水ジロー
__ 
平松さんがお芝居を始めたのは。
平松 
子供の頃から、親と一緒に劇場には行ってたんですよ。大学に入って、学生劇団を改めて見た時にめちゃめちゃ面白く感じたんです。その日は実家に戻る予定だったんですけど、やりたいことが出来たって電話して。その日の内に小屋に出向いて、入りたいと伝えました。
__ 
まずは学生劇団からなんですね。
平松 
その集団の中にいたいなと思ったんでしょうね。入って、ほっとした気分がありました。
__ 
その時の気持ちは、いまでも地続きでいますか?
平松 
ほぼそんな感じですね。その時代にやっていた事は今でも生きています。大学をやめて社会人になって芝居をやめていたんです。でもしばらくして、個人的に「やらなくてはダメだ」と思うようになりました。
__ 
演劇を必要としていた。
平松 
演劇というものが自分にあって良かったなと思います。僕という個人が困った時、表現したい時に演劇を作って、それを見て頂けた方が「面白かった」とか「こう感じた」とか仰ってくれたんですよ。そのぐらいから、見てくれる方の事を意識するようになりました。
__ 
なるほど。
平松 
意外に、普通に純粋にやってるでしょう(笑う)。最初は学生劇団が活動しているのを横目で見ていて、「大学にもこういうのがあるんだな」ぐらいに思っていたんです。でも本当は、自分が一番演劇を必要としていた。今でも、演劇を必要としているのにその存在を知らない人が多いんだろうと思っています。とにかく、沢山の人に出会っていきたいですね。

タグ: 地続き


ひとを思う時間

平松 
このツアーをやっていても、たまにいるんですよ。舞台が終わって、受付辺りに近づいてきて「本当に来て良かったです」って仰ってくれる方が、必ず一人ぐらいは。
__ 
ええ。
平松 
演劇作品は興業としての面も持ちますけど、やっぱり芸術なんだから、個人にとってのかけがえのない体験になりうるんですよね。10万人が泣いたとかじゃなくて、「今ここで、私がこう思った」という機会にしたいと思います。それに関われる職業についたのは嬉しいです。
__ 
量より質という表現になるでしょうか。
平松 
そうですね。料金で例えると、でっかいホールの場合は舞台に近いところは1万円、3階奥は2000円とか出来るんです。やっぱり、近くで見た方が面白いし。でも、150人くらいしか入れない小劇場ではそれは出来ない。じゃあ一律1万円に出来るかというと、現実的にはそうはいかない。だからといって150人が特別な体験を出来る小さな芝居が必要ないという事もないんです。だから小劇場の狭い世界だけでは、この特別な鑑賞体験の再生産は維持出来ないんですよね。昔は貴族が責任を持ってパトロンをしていたのですが、今は社会全体でまかなって貰いたいところなんです。
__ 
その必要性とは。
平松 
うりんこ劇場で「クリスマス・トイボックス」をやったとき、僕も客席で見たんです。家族劇でした。シーンが進むに連れ、思考が自分以外の他者を思うように変わっていったんです。家族とか友達、知り合いとか。アンケートを読むと僕だけじゃなくて、お客さんみんながそうだったみたいです。その上、演出家や俳優もそういう思いで作っていたんです。だから、作品を上演しているその時間、自分の事だけを考えている人がその空間にいなかったんですよ。社会性があったんです。
__ 
なるほど。
平松 
自分の為に芝居に関わっていないんです。お客さん自身が1万円出して楽しみを受け取るのはショーとして成立します。それを否定する訳ではありません。でも、今言ったように他者にベクトルを向ける人たちが集まった場所・時間で1万円をペイするのは難しいと思うんですよね。お客さんの中で完結していないから。家族の事を考えて、ケーキを買って帰るお客さんもいるかもしれません。チケット代は高く出来ないけど、他人の為に行動するようになるジャンルが小演劇かもしれない。そう考えています。
__ 
他者の事を考える時間。作品によって違うとは思いますが、私も結構、そういう気持ちになります。
平松 
年末に紅白歌合戦を見たんですけど、松任谷由実が歌ってたんです。震災があって、それに向けた祈りを込めた歌、という事だったと思います。僕はモニター越しにそれを見ていたんですけど、全く伝わらなかったんですよ。
__ 
何故でしょうね。
平松 
やっぱり相対しないと、祈りであるとか、他者を想起させるような事は起こらないのかもしれませんね。マスに向けた中継だと、本当の意味では伝わらないのかもしれない。

タグ: アンケートについての話題