求められていたい

__ 
では、これから、芝居はご自身にとってどのような存在になってほしいと思いますか?
名越 
私は芝居をしたいと思っているんですけど、それと同じくらい、芝居の方から私がそう思っている事を求められていたいです。
__ 
え?
名越 
大丈夫ですか?
__ 
ええと、求められていたい?ちょっと違うな。
名越 
お客さんに、というのももちろんあるんですけど。
__ 
演劇そのものから、名越さんが続けていきたいという気持ちを持つことを受け入れてほしいと、そういう事でしょうか。
名越 
はい。
__ 
受け入れられた上で、名越さんはどう答えますか?
名越 
がむしゃらにやっていくしかないですね。その時々では最高にやっているつもりなんですけど、常にもっと出来たんじゃないかって思うんです。次はもっと、って。いつも思います。

vol.197 名越 未央

フリー・その他。

2012/春
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名越

羊のキーホルダー

__ 
今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントがございます。
名越 
ありがとうございます。かわいい。
__ 
革製の羊のキーホルダーです。お出かけの時に。
名越 
早速付けてみます。
__ 
バッグと合うかな。
名越 
あ、可愛い!

タグ: プレゼント(可愛らしい系)


vol.197 名越 未央

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名越

「猿に恋」~進化Ver.~

__ 
今日はどうぞ、よろしくお願いします。最近はいかがですか?
植田 
最近は、悪い芝居の「猿に恋」の再演と、ピースピットの「TRINITY THE TRUMP」の稽古ですね。
__ 
ピースピット。植田さんが大阪で芝居をするのは初めてだと思うんですが、稽古場の雰囲気はいかがですか?
植田 
そうですね。意外にも大人しい人が多くて、稽古場では僕が一番うるさいぐらいです。芝居では元気いっぱい演技されると思うんですが、そのギャップが面白いなと感じました。
悪い芝居
2004年12月24日、旗揚げ。メンバー11名。京都を拠点に、東京・大阪と活動の幅を広げつつある若手劇団。ぼんやりとした鬱憤から始まる発想を、刺激的に勢いよく噴出し、それでいてポップに仕立て上げる中毒性の高い作品を発表している。誤解されやすい団体名の由来は、『悪いけど、芝居させてください。の略』と、とても謙遜している。(公式サイトより)
本当に悪い芝居vol.2「猿に恋~進化Ver.~」
公演時期:2012/1/7~2012/1/9。会場:下北沢駅前劇場。
悪い芝居vol.12「駄々の塊です」
公演時期:2011/11/2~2011/11/9(京都)、2011/11/17~2011/11/21(東京)。会場:ART COMPLEX 1928(京都)、王子小劇場(東京)。

タグ: ピースピット TRINITY THE TRUMP 意外にも・・・


「駄々の塊です」

__ 
「駄々の塊です」お疲れさまでした。面白かったです。浮浪者役でしたね。
植田 
今年作った作品では無口な役が多くて、しかも劇場での公演が少なかったりしたのもあり、久しぶりにセリフがあるかなと思っていたら・・・前半ほとんどセリフが無かったんですよね。
__ 
難しい部分は。
植田 
「猿に恋」で言葉を使わない表現をやったので、それを活かして今回自分がどこまでそうした表現が出来るのかという挑戦でした。
__ 
そういえば、登場からしばらくはオウオウ言ってるだけで、セリフありませんでしたね。
植田 
セットが完全な具象舞台ではないので、棒が何本か立ってるだけの装置を如何に檻に見せるか。言葉に頼らず、身体だけでどれだけ表せるか。やってみたら面白いし、結構手応えはあって、すごく勉強になりました。
__ 
仕草から視覚言語にまで磨けるか、ですよね。私がみた限りでは、植田さんにはヒゲも生えてるし哀れだったので、猿が檻に入れられているように見えていました。
植田 
本当ですか。嬉しいです。
悪い芝居vol.12「駄々の塊です」
公演時期:2011/11/2~2011/11/9(京都)、2011/11/17~2011/11/21(東京)。会場:ART COMPLEX 1928(京都)、王子小劇場(東京)。

「キョム!」

__ 
植田さんは浮浪者が大変似合っていますが、ご自身ではそれをどのように思われていますか?
植田 
見た目優先というのがあると思いますが・・・演出は、本気か冗談か分からないんですが「お前みたいなのがいると、それを成立さす芝居しか書けないのが嫌や」って。まあ学園ものの芝居とか出来ないので邪魔だと言われてるんですよね(笑う)。先生出来ないし、やっぱり学校への侵入者になってしまう。
__ 
なるほど。
植田 
気に入ってそういう芝居を書いてて貰えていたら嬉しいですけどね。でも、猿に恋とかは自分にはハマっていると思うので、自分がそれで立っているようだと嬉しいですね。
__ 
そういえば、「キョム!」も完全にホームレスでしたね。
植田 
はい。あとはヨーロッパ企画さんのゲームムービーフェスティバルでも原始人をやりました。キリストもやったし、僕はそろそろ、魔法使い役が来たらいいなと思っています。
__ 
ああ、ホウキに乗る感じの。分かります。
悪い芝居vol.11「キョム!」
公演時期:2010/12/18~26(大阪)2011/1/14~16(東京)。会場:精華小劇場(大阪)駅前劇場(東京)。

「何を見たんやろうなあ」

__ 
植田さんは、悪い芝居ではWEB制作とチラシを手がけておられるんですよね。
植田 
はい。技術の部分は全部僕なのですが、実は山崎と相談しながら制作しているので手柄を独り占めしていいのかなって思う時はあります。
__ 
在学中から、そうした技術を?
植田 
大学2回生の時にデザインのコースに入ったんですよ。PCがいるという事で購入して、独学で勉強を始めました。やってみると奥が深くて、これどうなってるんやろうと思いながら独学で。一時期、趣味とはいえWEBデザイナーを志望していました。
__ 
楽しいですからね。
植田 
大学時代にアルバイトで印刷会社に入っていたんです。卒業後そのままそこに入社したんですよ。悪い芝居に入ってからは、宣伝美術方面を担当させてもらっています。
__ 
悪い芝居のビジュアルの打ち出し方は毎回驚かされます。刺激的で。では、悪い芝居の表現活動を通して、世界にどのような影響を与えたいですか?
植田 
全体の方向性を決める山崎の頭の中にそのあたりのイメージがあるのかもしれませんが・・・今は岡田や池川という音楽が作れるメンバーが入って、僕もバンドをやっていたので演奏はそれなりに出来るんですよね。だから音楽を取り入れて活動していくかもしれないし、もしかしたら誰かが小説を書くかもしれないし、映画を作るかもしれません。論文かもしれません。舞台公演でなければ悪い芝居ではない、という事はないと思います。
__ 
なるほど。
植田 
僕らがやりたい表現は、どんな形を取ってもいいと思うんですよ。それが結果として、「悪い芝居」になればなと思っています。
__ 
悪い芝居を体験した人には、どう感じてもらいたいですか? もちろん作品ごとに違うと思いますが。例えば「駄々」では、みんな混乱した感想だったように思うのですが。
植田 
本公演に限って言えば、見終わってショックを受けて、帰りながら「何を見たんやろうなあ」と反芻してもらいたいですね。見た人自身の価値観とすり合わせて、人生に少しでもひっかき傷を残せたらなと。
__ 
ええ。
植田 
・・・ひっかき傷という表現がいいのか分からないんですけど、たまに映画とかでも暗くてやな気分になるような重い作品はありますよね。でも、もう一度見たくなる。お金を払ってこんな気分になるなんておかしい、のに気持ちいい。そういうのが結構、悪い芝居にはあるんじゃないかなと思います。「駄々」のエンディングも、前向きにもネガティブにもとらえられるんです。

タグ: 悪いけど、芝居させてください


質問 奥田 ワレタさんから 植田 順平さんへ

Q & A
__ 
前回インタビューさせていただいた、奥田ワレタさんから質問を頂いてきております。「その内東京来るんすか? いや来てくれたら嬉しいけど、みんな来るのはなんかなあ。いや嬉しいけど」。
植田 
それは・・・どうでしょうね。
__ 
答えづらい質問ですね。奥田さんとしては、みんな来てもしょうがないんじゃないって思っているのだと思います。
植田 
もちろん、東京にも大阪にも京都にそれぞれの小劇場の文化があって、それぞれの特色があるのが大事な事だと思います。次の悪い芝居は東京のみの公演(再演)ですのでどんな反応が返ってくるのかが楽しみです。他にも、山崎は現在は東京で客演、僕は大阪で客演、池川はAI・HALL、西岡は京都、岡田はバンド活動と色々活動の幅が広がってきていますし、外部での活動にも興味はありますね。
__ 
それで答えになっていると思いますよ。
植田 
まあ、奥田さんには、東京に行ったらよろしくお願いしますと。申し上げたいです。

タグ: 出立前夜 外部活動を持ち帰る 悪いけど、芝居させてください


こういうのもあるんや

植田 
悪い芝居以外の小劇場を見たのはクロムモリブデンが最初でした。ああ、こういうのもあるんや! 奥田さんスゴいなって思いました。
__ 
最初に悪い芝居をご覧になったのは。
植田 
勤めていた会社に、当時の悪い芝居のWEB担当の人がいたんですよ。「岩乙女」のチラシを持ってきはって、見に行って。ああ面白いな、こんなのがあったんやと思って会社辞めました。
__ 
あはは。
植田 
見終わった時、感想が言葉にならなかったんですよ。「あー、あー、よかった」って。感動したんですよ。小劇場というものの存在も知らなかったんですが。いま言うと身内自慢になっちゃいますね(笑う)。今は、ただただ感動している場合でもないんで。もっとこうしなさい、みたいな事を言うようにもなりましたね。
__ 
世代的にね。
植田 
ベビーブームベイビーの時は一番下だったんですけど、今は下の世代ばっかりです。だから、下の子達がきちんと色々出来るようにしていきたいですね。なんて、僕もまだまだ叱られるんですけど(笑う)。一緒に頑張りたいと思います。
クロムモリブデン
1989年、大阪芸術大学映像学科を卒業した青木秀樹を中心に、同大学の学生らを主要メンバーに結成。90年代後半~00年代初期にかけて、「トランス・ナンセンス・バイオレンス」をテーマに、ノイジーな音響・照明、鉄やジャンクを駆使した美術、過激な衣装などを多用し、アート志向の強いパフォーマンス色豊かでパワフルな舞台を繰り広げる。近年は、積み上げてきた独自のスタイルを基盤としながらも、ポップさを前面に押し出したコメディ色の強い作品を制作。確かな毒を胸に秘めつつも、それをさらけ出す事無く、あくまで娯楽作品に仕上げる作風はより洗練の度合いを増している。一貫しているのは、座付き音響家・笠木健司による音響システムに代表される質の高いスタッフワークと、青木秀樹による時代を鋭く切り出すブラックユーモア溢れるテキストである。2006年、本拠地を東京へ移転。THEATER/TOPS、青山円形劇場等での公演を経て、「全員が看板役者」と評される個性溢れる俳優が揃い、最も充実した形で2009年劇団結成20周年を迎える。(公式サイトより)
悪い芝居vol.5「ベビーブームベイビー」
公演時期:2007年8月23~26日。会場:京都芸術センター。

脇だけど

__ 
今後、植田さんはどんな感じで攻めていかれますか?
植田 
僕は悪い芝居において、主役のポジションをどうしても欲しいという訳ではなくて。見た目的にも気持ち悪いので(笑う)
__ 
いえいえ。
植田 
全体における装飾の部分にいた方が良いよねというのがあります。雰囲気作りかな。
__ 
ああ~、ヨーロッパ企画の山脇さんが、メキシコのマリアッチには「何もしないパート」があるとか言ってました。多分、内外の雰囲気を調整する立場なんだろうなと思っているんですが。
植田 
そういう事だと思います。もちろん主役をやれる事があれば嬉しいし、精一杯やると思いますけど、外堀を固めていく事に楽しさを感じるんですよね。「駄々の塊です。」も、脇だけど凄く楽しい役どころでしたし。
ヨーロッパ企画
98年、同志社大学演劇サークル「同志社小劇場」内において上田、諏訪、永野によりユニット結成。00年、独立。「劇団」の枠にとらわれない活動方針で、京都を拠点に全国でフットワーク軽く活動中。(公式サイトより)

タグ: 今後の攻め方


ムーミンの乾パンとマツボックリのロウソク、チョコレート5枚

__ 
今日はですね。お話を伺えたお礼にプレゼントがあります。
植田 
あーっ。貰ってばっかりですみません。
__ 
いえいえ。どうぞ。
植田 
(開ける)おお、ムーミンじゃないですか。
__ 
乾パンとロウソクとチョコレートです。凄く寒いところでも何とかクリスマスだけは出来るように。
植田 
ありがとうございます。僕、ムーミン好きなんですよ。食べ終わった後に缶を使います。

タグ: プレゼント(ムーミン系)


ぼーっと

__ 
今日はどうぞ、よろしくお願いします。11月はLINX'S 03と一人芝居フェスと、お疲れさまでした。最近はいかがでしょうか。
上原 
まあ、ぼーっとしてますね。立て続けに芝居していたというのもあって。今は直近に予定がないので、久しぶりに。
__ 
いいですよね、ぼーっとする時間。大事だと思います。
月曜劇団
2001年3月旗揚げ。主に大阪、神戸など関西を拠点として活動中。上原日呂と西川さやかの旗揚げメンバーに加え、2007年からはヤマサキエリカが入団。現在はこの3名で構成されている少数精鋭ぽい集団。シュールで明る暗い会話劇をベースに、なんちゃってダンスやコスプレなども取り入れたいざというときに一言でジャンルを説明しづらいお芝居を展開中。(公式サイトより)
LINX'S 03
公演時期:2011/11/18~21。会場:シアトリカル應典院。
最強の一人芝居フェスティバル
公演時期:2011/11/24~27。会場:in→dependent theatre 2nd。

底辺にあれば、それでいい

__ 
私が初めて月曜劇団を知ったのは、「背骨と灯台」のチラシを拝見した時でした。カラフルだったり目を引く要素があったりと目立つチラシが多いなか、モノトーンの本チラシというのは初めてに思いました。とはいえチープでもなく、シンプルで美しいなと。
上原 
ちょうどその頃、カラーのチラシが多かったので、逆に目立つやんと思ったんですよね。
__ 
その、月曜劇団の作品性について。勝手に思っているのですが、演技自体はエンタメ的な方向でありながら中身はドライな感触があるように思います。そこが、「背骨」のチラシとイメージが重なる気がするんです。
上原 
芝居を見るのが好きなんですけど、重たい内容の芝居を見ると「別にええやん」ってなるんですよ。現実世界の方がひどい事いっぱいあるし、お芝居を見に来ていながらそういうものを見たくないなと。
__ 
ええ。
上原 
自分が作品づくりに関わる時は、重い伝え方をしなくてもいいんじゃないかと思うんです。底辺に訴えたいものがあれば、それでいい。むしろ軽い演技の方が、伝えやすいんじゃないか。その方が普通に見れたりする。むしろ、重い経験をした人には何となく伝わると思うんです。
__ 
伝わりやすさ。
上原 
どう取ってもらってもいいかなと。全員が全員、こう思えという作り方はしていないんです。見た人それぞれ、感想が違っててもいいなと思います。

「なら、こうしてみたら?」

__ 
LINX'Sで上演された「月曜劇団の会議は踊る」。これは、まさに人によって感想が変わる作品だと思いました。路上でのシチュエーションコメディとも取れるし、お笑いを取るための単純なコントかもしれないし、「お馬鹿」が生んだ混乱の先に結束があるという希望的な結末というメッセージもある。
上原 
座長の西川が色々考えて書いたものですが、20分に要素を詰め込むとなるとやはりああいう形になりますね。僕は演出をするだけなので、内容ではなく見せる事に責任を持っています。その分業性が上手くいってるのかもしれません。
__ 
上原さんの演出のやり方について。「会議~」を拝見して、役者の出ハケの整理が非常に優れているなと思ったんです。本番に出るライブ性を確保しながら、限られた稽古期間で役者に良いパフォーマンスをさせる指示や、コンディションの持っていき方のスマートさを感じたんです。
上原 
稽古をやっている時に役者の体が反応しているのが見えるんですよ。(ああ、この人はこうしたいんやな)って。「なら、こうしてみたら?」って言えるんです。これは僕も役者やってるから、そのあたりの生理が見えるんです。
__ 
なるほど。だからか、すごく筋肉質な作品だと思いました。演出された無駄なシーン運びで、結果、ストレスのない観劇体験でした。
上原 
そうですね。ストレスのないようには気をつけていますね。でも「絶対的にこうしろ」みたいな事は言わないです。その人がどうしたら伸びるか、生き生きするかという事しか考えていません。だから、演出家としては大した事ないんですけど・・・
__ 
いえいえ。どうしたら伸びるか、という事を考える。つまり、役者がどうしたらきれいに見えるかという意味での交通整理だけではないんですね。
上原 
稽古期間なんてずっと流動的なんですよ。完結へのプロセスをあえて考えない。ここでこう見せたいというのは何となくあるんですけど、それは100じゃないんです。稽古場でお互いが持ち寄ってきたものを合わせて、100に作っていく感じですね。

タグ: 出ハケについて 稽古期間が短いピンチ


ウソをつきたくないのかも

__ 
一番面白かったのは、回想シーンに入る前に上原さんが「ハッ!!」と客席に叫ぶネタでした。「言われてはっとする」というテキストの演技を過剰、むしろ客席に向いて叫ぶという、もの凄く思い切りのよいネタだと思いました。
上原 
あれはもうキッカケというアピールですね。音響さんにタイミングを教えるという(笑う)
__ 
何というか、ポイントを押さえながら爆発的な何かも出来る感じですが、例えば失敗する事はありますか?
上原 
よくありますよ。シーンにまるまる出てこなかったり、セリフが全く出てこなかったり、小道具壊したり、リアルに役者を殴ったり。
__ 
そんな事があるんですか!
上原 
小道具の棒で相手の尻を刺してしまって、痔を悪化させてしまった事もあります。手加減が出来ないというか・・・何でしょうね。行ける所までの実感がないとだめなんでしょうね。
__ 
納得出来ないとだめ。
上原 
ウソをつきたくないのかもしれないです。お芝居という大きなウソをつくのに、小さなウソをついたらあかんって。小さなウソをつくと、大きなウソは成立しなくなる。
__ 
小さなウソとは。例えば、言えないセリフを言えてしまう事だったり?
上原 
気持ちがないのに段取り通りにやってしまったり。あれ? って思うと、お客さんも分かるんです。すると崩れてしまうんですね。殺陣だったら、切れないという約束ごとがあるから成立するんですが。芝居の部分でそういうのがあるとちょっと嫌やなと。
__ 
見てるこちらも、それはすぐ分かると思いますけどね。
上原 
だから、小さなウソはなるべくつかないようにしたいです。いやー、上手くなりたいですね。

タグ: 俳優の「素」を生かす 生きている実感 とんでもない失敗をしてしまった


2割

__ 
勝手な話、私は上原さんを演技の天才だと思っているんです。別にお世辞を申し上げている訳ではなく。
上原 
ほほ。
__ 
イメージを観客の予想よりずっと素早く的確に表現する俳優を天才だと思っているんですが、上原さんは正にそれだと。
上原 
そうした勘は、関西の文化である漫才やお笑いが元かも知れませんね。ツッコミみたいに、反射的にやれるというのがあると思います。さらに、月曜劇団の場合は素の部分を出す事があるんですよ。演じているのが8割、素の部分が2割となるようにあえて残しています。
__ 
それは、ライブ性を大事にするからですか?
上原 
そうですね。だから以前客席で携帯が鳴った時、芝居止まったんですよね。
__ 
えっ。
上原 
僕が出ていたシーンで、携帯が客席で鳴って。振り向いたんです。
__ 
素晴らしい。
上原 
僕がバーテン役で舞台に立っていたんですが、「オーダーでーす」とかいう着ボイスが鳴ったんですよ。「注文受けるの俺やから!」ってなりました。
__ 
すごいですね。だからこそ、客席と空気を共有出来ているのかもしれませんね。「素の部分を残す」。どのような効果があってほしいと考えておられますか?
上原 
効果的には、同じ時間を過ごしながら一緒に覗いているという事になってほしいですね。月曜劇団の舞台セットは3方がパネルになっている事が多くて、客席との間に透明な壁があって、それを越して見て貰ってる感覚があります。こちらが、演技の中で素になっている部分を残している事で、お客さんと一緒に醒めながら自覚的に作品を覗けるんんじゃないかと思うんですね。
__ 
では、その空間の中の人々には、どのような存在であってほしいですか?
上原 
自由であってほしいですね。誰よりも。台本通りですけど(笑う)でも、どんな役でも楽しんでほしいと思います。

タグ: 自覚的になりたい


まだあるのかもしれないのに

__ 
では、自由ではない俳優とは?
上原 
うーん・・・、同じ事ばっかり出来る役者ですね。スキルとしては重要なんですけど。たとえばコンディションというものがあるんですが、それを無視して同じ事ばっかりやってしまう。「それはあなたじゃなくてええやん」って。
__ 
ええ。
上原 
そうじゃなくて、その時のコンディションに合わせて、最低ラインは超えた上で、自由にやれる役者がいいんじゃないかなと思います。
__ 
不自由な俳優。
上原 
可能性がまだあるのかもしれないのに、演出家の指示を守っているのか、追求しようとしない役者は、自由ではないと思いますね。
__ 
それは多分、一つの演技の後ろに様々な選択肢がある事を忘れて精度ばかりを上げようとしているのかもしれませんね。
上原 
恥をかくことって大事なんですよ。装う事も重要ですけど、失敗しないようにしていたら、経験は広がっていかないんじゃないかな。

タグ: 不自由さ


質問 植田 順平さんから 上原 日呂さんへ

Q & A
__ 
前回インタビューさせて頂きました、悪い芝居の植田さんから質問です。「定食屋に友達数人で行きました。注文したのに、自分のメニューだけ忘れられているみたいだ。この場合のスマートな対処を教えて下さい」。
上原 
スマートな対処法? 店を出る時に、「僕だけ料理出て来なかったんですけど・・・」って言うかな。もしくは、気づいた時に「一番早く出来るもの何ですか?」ってオーダーを変えますね。
__ 
カッコいいですね。

「どくはく」

__ 
今後、どんな感じで攻めていかれますか?
上原 
役者として借り出された時に、求められた事を楽しんで仕事したいですね。
__ 
私も、楽しんでいる上原さんを見たいです。
上原 
(笑う)どんな舞台でも楽しみたいですね。
__ 
演出者としては。
上原 
応えてくれる俳優には、最大限報いたいと思います。こないだの一人芝居の大西さんみたいに。
__ 
あれは凄かったですね。
上原 
あの作品は、もうそのまま素直に演出させてもらった感じですね。
__ 
「どくはく」大変面白かったです。演出をされておりましたね。途中から、見てはいけないものを見ているような気がしていました。
上原 
脚本の力ですね(笑う)。実はめっちゃ細かく段取りを付けました。大西千保という役者の存在感がずば抜けている上に踊れるので、緊張と緩和を上手く使えるんですよね。30分間ずっと緊張していても面白いかなと思って作りました。
__ 
最後、大西さんにしては珍しく汗だくになっていましたね。
上原 
そうですね、普段大西さんはそんな状態になりませんからね。
__ 
役柄は「思いの強い人」でしたね。
上原 
内面から出てくる腹立たしさを鍵に作りました。彼女の中ではグルングルンしたと思いますよ。せっかく、演出が別だから「どくはく」は玉置君がしないであろう遊びをしてみたり。色々な試みに応えてくれたと思います。

タグ: 役者の汗を見せる エネルギーを持つ戯曲 役者に求めるもの 今後の攻め方 玉置玲央さん


ちっちゃくたってイタイワニー

__ 
今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントがあります。
上原 
貰えるものなんですか。
__ 
もちろんです。どうぞ。
上原 
(開ける)ワニ。面白そうな奴じゃないですか。
__ 
3~4人が遊べます。皆さんで遊んでみてください。
上原 
劇団員と遊びます。

タグ: プレゼント(凶器・防犯系)


あの時の服

__ 
今日はどうぞ、よろしくお願いします。久しぶりですね。
紙本 
久しぶりやなー。最初の時はもう何年前?
__ 
もう5年以上前ですね。
紙本 
あの時の服、まだ捨ててへんわ。あかんな。
__ 
ああ、ボーダーの。あれはよく似合ってました。
劇団衛星
京都の劇団。代表・演出は蓮行氏。既存のホールのみならず、寺社仏閣・教会・廃工場等「劇場ではない場所」で公演を数多く実施している。
ユニット美人
劇団衛星所属俳優の黒木陽子と紙本明子で2003年11月に結成。あまりに人気がない自分達が嫌になり「絶対モテモテになってやる!」とやけくそになって制作に福原加奈氏を迎え正式に結成。「女性が考える女性の強さ・美しさ・笑い」をテーマに日々精進中。(公式サイトより)