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深夜
- __
- お芝居を始めた理由は。
- 阪本
- 高校の演劇部です。ずっとピアノをやっていて、ピアニストを目指していました。
- __
- あ、そうなんですね。
- 阪本
- 中学校の時、生徒会でサザエさんの演劇をやったんですね。顔を黄色に塗って太陽役をやったら大受けで。それから、ピアノのレッスンが息詰まった時にたまたま演劇部の公演を見て、「これや」って思ってそのまま入部しました。
- __
- 烏丸に出会ったのは。
- 阪本
- 私が在学中に、柳沼が既に旗揚げしていて。2回目の公演の「クヨウミチ」に手伝いに入ったんですよ。その上演を見て、感動しました。
- __
- 面白かった。
- 阪本
- 今まで体験した事のない舞台の空気を感じて、やりたいって思ったんです。
- __
- それから入団したんですか?
- 阪本
- いえ、実は入団前に自分でやりたい作品があって。自分でユニットを組んで2回ほど公演をしてから入っていたんです。
- __
- どんな。
- 阪本
- 深夜(フカヨル)という。
- __
- あ、もしかしたら名前を聞いた事があるかも。どのような作品だったのでしょうか。
- 阪本
- 実は近しい人が精神的にダウンして、どうしていいか分からなかったんです。「自分自身が外に出たいと思ってからでいいよ」と伝えたくて。表現したくて。
- __
- なるほど。
- 阪本
- 2回目は一人芝居で。でも、演出をするというのはやってもらう人に感覚を分かってもらう必要があるんですよね。それが分かって、まずは自分が演じる事が出来てからだと思うようになりました。
ロウソク型ミニライト
- __
- 今日はですね。お話を伺えたお礼にプレゼントがあります。どうぞ。
- 阪本
- ありがとうございます。これは・・・?
- __
- 中にREDライトが入っています。息を吹きかけると明かりが消えるんですね。自然な感じで。
- 阪本
- かわいい。これ、ベッドサイドに置いてみます。
「トカトントンと」※
- __
- 今日はお忙しい中ありがとうございます。どうぞ、よろしくお願いします。最近は地点の次回公演の稽古ですよね。
- 小林
- 神奈川芸術劇場で来年2月に新作を上演するんですが、その稽古を現地で行ってきました。すごく良い劇場なんですよ。
- __
- そうなんですね。
- 小林
- 開館して1年なので、再新鋭の設備が整っているんです。そのKAAT(神奈川芸術劇場)の日本文学シリーズで、去年は芥川をやったんです。今年は太宰治の作品をやります。
- __
- 見たいですね。2月ですよね。
- 小林
- はい、2月9日から14日までです。劇場を見がてら遊びにきてください。
槍のようなもの
- __
- その「トカトントンと」。どんなテイストの作品になるのでしょうか。
- 小林
- 「トカトントン」という短編小説を、コラージュという形ではなくそのままやるんです。別の作品も挟む予定ですが、地点としては少し珍しいかたちです。
- __
- 地点の作品というと、戯曲を破壊して再構築するという事が多かったと思うのですが。
- 小林
- まだ稽古が始まったばかりなのでどうなるのかわからないんですが、今は頭から小説のシーンをやっているという状態ですね。その、小説をそのままやるというのがやっぱり難しいんです。戯曲は台詞が書いてあって、それはカットしたりつなぎなおしたりが出来るんですけど・・・
- __
- ええ。
- 小林
- 小説は情景描写の文章があって、その状況をどうやるかなんですよ。たとえば喫茶店に入って注文した・カップにコーヒーが注がれた・目の前のそれを飲む、って。僕らはその状況を実際にやるのではなく台詞で表現する事が多いので。その情景をどう発語するかが課題です。
- __
- 小説文の言語空間って、個人の読書体験の中でしか得られないものだと思います。そうした主観的だからこその広大な世界体験を、舞台化する事にどのような価値があるとするかですよね。
- 小林
- やっぱり、小説の世界観の出し方って情景描写をどうするかが大事なんですよね。それに、小説特有の回りくどい言い方というのがあるんです。たとえば「カップに沈む木漏れ日がまるでなんとかかんとかのようだ」って結局光だろ、みたいな。言いたいことは1行なのに比喩と隠喩だけもう1ページぐらいあるんです。そういうエビ天の衣みたいなのが世界観だと思うんですよ。結局中身はエビなんですけど。
- __
- 難しいですよね。読み手の解釈が刺激を呼ぶ場合もあるし。
- 小林
- そうなんですよ。文学作品を楽しむなら、一人でイメージを作ればいい。舞台化するのなら、実験を重ねて、槍のようなもので文学を刺す手法しかないんですよね。
- __
- というと。
- 小林
- 今試している手法は、中身が結局エビであるという事をバラしちゃうんです。「この人こんなまわりくどい事言ってるけど結局エビですよ」って。もちろん、実験中なのでそれがメインではないんですけど。
「かもめ」
- __
- 地点の前回の作品の「かもめ」※、お疲れさまでした。とても楽しかったです。トレープレフ役でしたね。私は和室での公演は拝見出来なかったのですが・・・。
- 小林
- 実は、2月に再演する予定があります。まだ詳細は決まっていないので、ホームページをチェックしてもらえれば。
- __
- あ、そうなんですね。是非予定を空けて見に参ります。
- 小林
- 席が少ないので、お早めに。
- __
- そうそう、三浦さんがアフタートークで、和室公演とアートコンプレックス公演は比較すると面白いと、自信作だと仰っていました。
- 小林
- 和室は、ほぼトレープレフしか喋らないんですよ。
- __
- あ、そうなんですね。アートコンプレックスの公演では全員喋ってましたが。
- 小林
- トレープレフは床の間にいて、ずっとぺちゃくちゃ喋ってるんです。時たま他の登場人物が覗いてくるんです。彼の寝室でもあり、お墓でもあるかもしれないという。
- __
- お話のスジ上、これはどこのシーンだろうという仮定がいくつか成り立つんですね。
- 小林
- もしかしたら、トレープレフの自作劇が失敗した後の事かもしれないし。
- __
- あ、あの超大ゴケした実験劇。すごい微妙な感じになりましたね。トリゴーリンがずっと苦笑いしてましたね。
- 小林
- デカダンな、頭でっかちな作品って言ってましたね。若者がメチャクチャやって、「それ見たことか」ぐらいになったらいいなと。
- __
- 事前にテキストを読んだお客さんはなおさらでしょうね。
- 小林
- 読んでいなくてももちろんいいんですけどね。事前に読んでいると、地点のあの喋り方に心構えが出来るかも(笑う)。
- __
- 原作を読んでおくことで、現場での解釈に幅が生まれるんでしょうね。
- 小林
- それに、アトコンでは三方客席で結構緊張感があったんです。やっている立場から言うと、想像していたよりもお客さんの目線の圧力がありました。
- __
- しかも、近いですからね。
- 小林
- その上、お客さんに喋りかける演出があったんです。難しい単語が出てくるとちょっと面白く注釈みたいに解説したり。その時に、お客さんがニコリともせず神妙な顔をしてると、一瞬心が折れ掛けそうになりました(笑う)。
- __
- 地点では囲み舞台は珍しいですよね。だから、冒頭に甘いお茶が出るのは面白いなと。変な言い方かもしれませんが、そう来たかと思いました。
- 小林
- あれは好評でしたね。入ってきたらみんなお茶をサーブしているって。
- ※地点『かもめ』
- 公演時期:2011/9/28~10/16。会場:京都芸術センター 和室「明倫」、アートコンプレックス1928。
「かもめ」の二つのシーンについて
- __
- その実験公演のオチで、ニーナとトレープレフがアトコンの壁に手を付いているシーンが面白かったです。
- 小林
- あれはもう、必死で左足をあげてました。二人でハアハア言いながら足を上げていました。
- __
- しかも左右対称じゃないですしね。色々と、見所のある公演でした。タップダンスも良かったです。
- 小林
- あれは実は、最初に地点で「かもめ」を上演したときにやっていたんですよ。
- __
- そうなんですね。
- 小林
- 昔、三浦演出の「かもめ」でやった事があるんです。それが残っていたんでしょうね。トレープレフの若気の至りが爆発するような。
- __
- そうですね。
- 小林
- タップを踏みながらニーナの事が気になってチラチラ見るんですけど構ってくれなくて、気が付いたらお母さんが泣いているみたいな。
- __
- 地団駄を踏むという感じでしたね。
- 小林
- そうですね。台詞のかわりに肉体を酷使するような。タップの音も結構暴力的に鳴りますし。
キャラは強くない
- __
- 以前拝見した地点の作品で、小林さんがお客さんに向けて無理矢理スピーチして扇動するという演出があって。私がすごくそれが好きなんですよ。話セバ解ルと、式典。
- 小林
- ああ、確かにね。ニヤニヤしながら。式典はMONOの土田さんが面白いテキストを書いて下さったので、お客さんに直接しゃべるのがとても楽だった印象があります。
- __
- あれも良かったですね。なんか、ちょっと溜めてちょっと溜めてちょっと溜めて出すみたいな節が。
- 小林
- その時は、何かを隠している気持ちなんですかね。
- __
- なるほど。そのあたりが、何か濃いキャラクター性があると思っています。
- 小林
- キャラが濃い・・・。地点の中で、僕はキャラは強くない方だと思っていて。
- __
- ええっ。
- 小林
- 色々動いているんですけど、印象に残るかどうか。
- __
- いや、お客さんの4割は小林さんの事を思い出しながら帰っていると思いますよ。何というか、地点の世界に足を踏み入れる上で、仲立ちとなる存在じゃないかと。
- 小林
- ああ、そういう役回りが回ってくる事は多いですね。地点もここまで回数を重ねてくると、役所が決まってくるんですよ。いいのか悪いのか。
質問 名越 未央さんから 小林 洋平さんへ
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- __
- 前回インタビューさせていただいた、名越さんから質問を頂いてきております。「自分の魅力を伸ばすには、どうすれば良いでしょうか?」
- 小林
- 思うに、自分の魅力は伸ばそうとしてはいけないんじゃないかと思います。自分の魅力に気づいて、それを伸ばそうとすると、いつか壁にぶち当たるでしょう。
- __
- ええ。
- 小林
- その時点で、半分くらい魅力が減ってるんですよ。タップダンスみたいな技術は、どんどん磨けばいいと思うんですけど。
- __
- どこかのタイミングでその魅力を相対化してしまうのかもしれませんね。
- 小林
- 自覚すると、ちょっと気持ち悪い事になるので・・・あまり意識しないぐらいがいいと思います。
変な大人がいるんだな
- __
- お芝居を始めた理由は。
- 小林
- 中学の時に学園祭に出たり、高校の頃は美術部と演劇部をやっていました。でも初めて演劇を意識したのは高校卒業後に入学した舞台芸術学院です。その時の先生が、金杉忠男さんというアングラ演劇の雄と呼ばれた人で。
- __
- なるほど。
- 小林
- なんだか、変な大人がいるんだなって思ったんですね。演劇の世界でも変な人はたくさんいますけど、金杉さんは演劇的な言葉や空間を作るのに誠実に向き合っておられて。こんな人もいるんだって思ったんです。その時、本気でやってみたいと思いました。
- __
- 触発を受けたという事ですね。そのショックは、まだ小林さんの中にもありますか?
- 小林
- ありますね。原体験だったんでしょうね、ずっと頭の中にあります。芝居の現場にいるときに、よぎるんですよ。例えば金杉さんと稽古していて、ロッカーを殴るシーンがあって、演出をつけるために金杉さんが自分でロッカーを殴ったんですけど、けっこう思いっきり殴ってて。ちょっとひくぐらい。
- __
- ええっ。
- 小林
- 「ロッカーの殴り方はそうじゃないだろ。こうだろ!」って。時々思い出します。
- __
- いまそれを思い描いたんですけど、すごく瑞々しいですね。
- 小林
- 金杉さんはかなりハードな事をやっていて、例えば「突撃板」という伝説的な試みがあるんです。役者が台詞を叫びながら上手と下手にある壁に思いっきりぶつかるという。
- __
- 素晴らしい。
- 小林
- それで骨折した俳優がいたそうで、骨の折れる音が劇場に響いたそうなんですよね。だからロッカーを殴るぐらいは全然。
スリリング
- __
- 今まで、どんな俳優を目指してこられましたか? そして、今後はどう攻めていかれますか?
- 小林
- 特定の人を目指すという事ではないんですけど、金杉さんの劇団の俳優さんとか。金杉さんと同年代の方がメインなんですけど、稽古が煮詰まったりすると、「次のシーン、原っぱでやるよ」って言って、子供時代に帰るんですよね。50~60代の大人が、子供みたいにきゃあきゃあ言いながら台詞を使って遊ぶんです。大人が、すぐに子供のようにはしゃげるという事がバカみたいだけど、いいなと思うんですよね。まあ、そうやってはしゃげるような演劇空間を作れる金杉さんがすごいともいえるんですけど。
- __
- ええ。
- 小林
- 演劇以外にはないんですよね、「次のシーン、子供でやってみて」なんて。そういうふうに、演劇の力を信じられる役者さんが素敵だなと思います。
- __
- 演じる事が許される場所は、人がそのままでも許される場所でもあるのかもしれませんね。
- 小林
- 地点の稽古場でいうと、あんまり考えて練ったプランを持っていってもその場の雰囲気によって思ったとおりのプランにいかないことがあるので、その場で柔軟に自分が考えてきたプランとその場の雰囲気をミックスして一番いい方向を見つける。もちろん、その場その場だけでは脊髄反射だけになって虫みたいになっちゃうんですけど(笑う)。でも、地点の稽古場は新しいアイデアが沢山生まれる場所なんです。スリリングではありますね。
- __
- ジャズみたいですね。
新しい風
- __
- 今後、どんな感じで攻めていかれますか?
- 小林
- 来年、KAATでやる太宰の作品と、ロンドンのグローブ座でシェイクスピアの作品をやります。しっかりしないとなと思っています。攻めでいうと、キャラが決まっていくという事にあらがっていきたいと思います。
- __
- なるほど。
- 小林
- 決まった役所に安住すると沈没してしまうんです。常に新しい風を吹かせないと、稽古場が持たないんですよ。
- __
- キャラ変ですね。
- 小林
- 稽古で、みんな色々やるんですけどあまり採用されないんです。今までの自分の雰囲気ではないものが、最後に残ってくれれば嬉しいですね。
ブックカバーとドナルド・J・ソボル「2分間ミステリ」
- __
- 今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントがあります。どうぞ。
- 小林
- あ、ありがとうございます。(開ける)手帳? 「2分間ミステリ」。
- __
- 手軽に読める短編集です。
- 小林
- このブックカバーも素敵ですね。ありがとうございます。
ハシ×ワタシ
- __
- 今日はよろしくお願いします。
- 名越
- お願いします。
- __
- 名越さんは最近はいかがでしょうか。
- 名越
- 11月にtabula=rasa※と、12月にBRDGのハシ×ワタシ※と公演が続いていたのですが、それが終わってほっと一息ついてるところですね。
- __
- 私はハシ×ワタシしか見れなかったんですが、面白かったです。演劇なのかダンスなのか、どちらでも構わない感じでしたね。橋というモチーフに対して、純粋にアプローチしていく作品でした。
- 名越
- 最初はダンスと演劇の中間くらいという印象があったんです。みんなで作って構成してという感じでしたね。例えば、稽古が始まる前に実際に橋に行って見えたものをレポートして録音するというのがあったんですよね。初めての体験でした。
- __
- そうそう。その録音は舞台上で役者が聞きながら再体験するという表現になっていましたね。面白かったです。
- 名越
- 聞きながらその時見た風景が見えているように、という指示に苦労していました。「目の前にある」ってことに出来なくて、どっしりしなかったですね。
- __
- 名越さんはそうした、物語ではない公演に関わるのは珍しいのでは。
- 名越
- そうですね、特に脚本がまったくないというのが初めてで。例えば自分の故郷の橋を紹介する時に、どうすれば魅力的に聞こえるか、ひとつひとつの言葉選びから考えるのが大変でしたね。役でもないし感情もあまりないし、物語もないから、あくまでも「名越未央」というわたし自身で勝負しなくちゃいけないと強く感じる作品で、難しかったです。が、勉強になりました。
- __
- 名越さんは最後に、橋の崩落事件の朗読がありましたね。
- 名越
- あれは実際にあった話なんですよ。あの場面では、ちょっと笑っちゃうような変なことをいっぱい言ってましたけど、全部本当に本に書いてあることを読んでいただけなんです。
- __
- 終末的なイメージがありましたね。
- ※tabula=rasa
- 京都を拠点に活動する演劇のカンパニー。2009年に高田ひとしを主宰に設立。活動は、いくつかの連続的なシリーズを並行的に上演するスタイルを取る。(公式サイトより)
- ※BRDG企画公演「ハシ×ワタシ」
- 公演時期:2011/12/2~4。会場:ロクソドンタブラック。
ああ、今日は何しよう
- __
- 2つの作品を振り返って、いかがでしたか。
- 名越
- 実はtabula=rasaでも、自由にやっていいよ的な演出で、だから本番の前はすごく緊張していたんですよ。ああ、今日は何しようって。今までの作品はやることは全部決まっていて、ちゃんとしようと思って舞台に出るんですけど。
- __
- つまり、袖幕から出て表現する事について自覚的になる経験だったと。
- 名越
- ハシ×ワタシで大事にしていたのが、他の役者や音響や一部照明も基本は即興だったので、それら全てと関係をとりあって、ということでした。「これやろう」と思っていても、相手がやってくる事にもリアクション出来るように相手への回路を開いておくんですよ。
- __
- 最後のあのメモで出来た橋も、伝える事自体を提示された感じですよね。伝達がテーマの作品だったと思います。
質問 上原 日呂さんから 名越 未央さんへ
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- __
- 前回インタビューさせていただいた月曜劇団の上原さんから質問です。「1.コンプレックスとの付き合い方を教えて下さい」。
- 名越
- コンプレックスを隠さないことだと思います。ハシ×ワタシでも言ったんですが、自分自身の事があまり好きではなくて、悩んでいたことがあったんですね。それをある時人に話してみたら「そんな事で悩んでたんだー面白いねー」って言われて、それですごく楽になったので。
- __
- 自分で欠点だと思っていた事を話すと。
- 名越
- 誰かに客観的に見られる事は大事だなと思います。
- __
- 「2.人と一緒にいるとき、右側と左側、どちらが落ち着きますか?」
- 名越
- 私は左側にいたいです。
- __
- なるほど。私は右です。男女で右左というのがあるみたいですね。
シャイ
- __
- お芝居を始められたのはどういうキッカケがあったのでしょうか。
- 名越
- 昔からそういう気持ちはあったんですね。単純にテレビに出たいと思ってたのかな。高校の頃は演劇部が3人しかいなかったので、ダンス部に入りました。
- __
- あ、そうらしいですね。ストリートダンスとか。
- 名越
- 当時は踊れたんですが、いまはすっかり(笑う)もう一度習いたいです。大学時代は西一風に入ったんですよ。びっくりしたのは、私、演出の人が演技を全部付けてくれるんだと思っていたんですが違ったんですよね。「とりあえずやってみて」って。
- __
- 演技を自分で作るとは普通思わないですからね。演出という存在が最初から作ってくれると思っているかもしれませんね。
- 名越
- シャイな人間だったので自分から提示することが全然できなくて、周りからも「この子にはムリだ」って思われていたみたいです。
- __
- それから悪い芝居に出るようになるまで・・・
- 名越
- そうなんです。最初は自分がやることに自信が持てなくて「これでいいんですか?」って思っていたんですが、山崎さんが「こないだの良かったよ」って言って下さって。それで誘ったりして頂いて。
- __
- 「キョム!」※にも出演されていましたね。
- 名越
- あの母親役は自分とはかけ離れていて、難しかったんですが、好きでした。あの役がどう生きてきたのか想像するのが面白かったです。
- ※悪い芝居vol.11「キョム!」
- 公演時期:2010/12/18~26(大阪)2011/1/14~16(東京)。会場:精華小劇場(大阪)駅前劇場(東京)。
公演に関わる意味
- __
- 今後、どんな役をやってみたいですか?
- 名越
- やった事のない役がいいですね。昔は男の子の役とかもやっていたんですが、去年くらいから風俗嬢とかも振られてきています。お婆ちゃんの役とかもやったことないですし、どんどん幅を広げていきたいなと思います。
- __
- 名越さんは、来た役に対して、どんなアプローチをしていくのでしょうか。
- 名越
- 私は中身から作っていく事が多いんですよ。私がもしその立場だったらどうする、みたいに、私をベースにして視点を近づけていく。私がやる意味がないと嫌だなと思っているので。
- __
- なるほど。
- 名越
- そちらの方が楽しいなと思っているんですね。
- __
- 大学の頃と比べて、俳優としてどのような事が変わりましたか?
- 名越
- 自分が公演に関わる意味を大事に考えるようになってから、自分をベースに考えていくという作り方をするようになったと思います。
- __
- なるほど。
- 名越
- 今度はこれをやってみようって、挑戦するようになりました。
求められていたい
- __
- では、これから、芝居はご自身にとってどのような存在になってほしいと思いますか?
- 名越
- 私は芝居をしたいと思っているんですけど、それと同じくらい、芝居の方から私がそう思っている事を求められていたいです。
- __
- え?
- 名越
- 大丈夫ですか?
- __
- ええと、求められていたい?ちょっと違うな。
- 名越
- お客さんに、というのももちろんあるんですけど。
- __
- 演劇そのものから、名越さんが続けていきたいという気持ちを持つことを受け入れてほしいと、そういう事でしょうか。
- 名越
- はい。
- __
- 受け入れられた上で、名越さんはどう答えますか?
- 名越
- がむしゃらにやっていくしかないですね。その時々では最高にやっているつもりなんですけど、常にもっと出来たんじゃないかって思うんです。次はもっと、って。いつも思います。
羊のキーホルダー
- __
- 今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントがございます。
- 名越
- ありがとうございます。かわいい。
- __
- 革製の羊のキーホルダーです。お出かけの時に。
- 名越
- 早速付けてみます。
- __
- バッグと合うかな。
- 名越
- あ、可愛い!
「猿に恋」~進化Ver.~※
- __
- 今日はどうぞ、よろしくお願いします。最近はいかがですか?
- 植田
- 最近は、悪い芝居の「猿に恋」の再演と、ピースピットの「TRINITY THE TRUMP」の稽古ですね。
- __
- ピースピット。植田さんが大阪で芝居をするのは初めてだと思うんですが、稽古場の雰囲気はいかがですか?
- 植田
- そうですね。意外にも大人しい人が多くて、稽古場では僕が一番うるさいぐらいです。芝居では元気いっぱい演技されると思うんですが、そのギャップが面白いなと感じました。
- ※悪い芝居
- 2004年12月24日、旗揚げ。メンバー11名。京都を拠点に、東京・大阪と活動の幅を広げつつある若手劇団。ぼんやりとした鬱憤から始まる発想を、刺激的に勢いよく噴出し、それでいてポップに仕立て上げる中毒性の高い作品を発表している。誤解されやすい団体名の由来は、『悪いけど、芝居させてください。の略』と、とても謙遜している。(公式サイトより)
- ※本当に悪い芝居vol.2「猿に恋~進化Ver.~」
- 公演時期:2012/1/7~2012/1/9。会場:下北沢駅前劇場。
- ※悪い芝居vol.12「駄々の塊です」
- 公演時期:2011/11/2~2011/11/9(京都)、2011/11/17~2011/11/21(東京)。会場:ART COMPLEX 1928(京都)、王子小劇場(東京)。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30
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