エール

__ 
次は。
紙本 
gateで、「スルわたし、サレるわたし、企画」やね。
__ 
あ、朝平陽子さんとやってるやつですね。朝平さんは面白いよね。ユニット美人じゃないけど、ユニット美人を体現してると思う。
紙本 
そやね。朝平さんは面白いし、ユニット美人の事を好きでいてくれるのが嬉しい。今度は、朝平さんの台本です。
__ 
そうなんだ。どんな話になるのか。
紙本 
人が書く台本、緊張するなあ。自分がやってて、これで合ってるかどうかわからんしな。そういうのが緊張するよね。
__ 
前回は紙本さん作でしたね。面白かったです。一人の女性がおめでとうを言えなくなる話。
紙本 
ありがとう。結構みんなに褒められたんです。死ぬほど大変やったけど、乗り越えた先の手応えというのは得難いものがあるね。実はな、妹に向けたメッセージがあるねん。
__ 
そうなんだ! どんなメッセージが。
紙本 
うちの妹な、すっげー真面目やねん。でも目標とかを持って生きているタイプじゃなくて。そういう部分がイライラするというか、素直に接てあげれないというか。
__ 
なるほど。
紙本 
「お姉ちゃん(私)が実家に帰ってきたら、やいやい言われる」みたいになってて。いつも、思ってないのに「あんたもっとしっかりしいや!」って。いつも、酷い事を言ってしまってるなあと思いながら酷い事言ってるねん・・・。そんなもやもやした気持ちをぶつけた芝居やったね。妹、見に来てへんけどな。
__ 
でも、妹さんへのエールでもあるんでしょう。伝わっているといいですね。
紙本 
せやね。
カラフル~金沢ラウンド~
KAIKAがプロデュースする短編連続上演企画。KAIKA本公演前のトライアル上演としての位置づけでもある。イベント終了後にはワークインプログレスの一環として、併設のギャラリースペースAKIKANにて「カフェ」という意見交換会を開きます。(公式サイトより)
「スルわたし、サレるわたし、企画」
紙本明子/朝平陽子。一人芝居の作演出・出演をそれぞれが担当し、一つの作品を二人で交互に演じる。

質問 三國 ゲナンさんから 紙本 明子さんへ

Q & A
__ 
前回インタビューさせて頂きました、サワガレの三國ゲナンさんから質問です。「自分の劇団とのいい関係の保ち方を教えて下さい」。
紙本 
えー? 愛? ウチは特殊やと思うけど・・・私の場合は、嘘を付かない事かなあ。
__ 
どういう嘘?
紙本 
あかん事はあかんと言うし、面白くない演技にはハッキリとダメって言うし。それから、普通に嘘は付かない。モヤモヤする事を無くす。
__ 
うん、それでいいサイクルが出来ていく感じなんですね。

形態模写

__ 
紙本さんの大きな武器はアレですね。形態模写が面白いよね。門脇さんから、一度も見たことの無い少年王者舘のモノマネを、ほんの少しの演技指導だけで再現出来たとか聞いてます。
紙本 
あー。身近な人のものまねがやっぱり得意やね。清水さん(デザイナー)のモノマネとか、門脇君に褒められたんですよ。
__ 
何故、そんなに上手なんでしょうか。
紙本 
揚げ足取りやからと思う。人の揚げ足を取ろう取ろうと、常にアンテナを張ってるから、その人が恥ずかしいクセを瞬時に読み取ろうとしてしまうんやね、本能的に。意地悪やねん。
__ 
なるほど。私のベストは奈木野さんのモノマネだなあ。
紙本 
そんなんしてたっけ(笑う)。忘れたわ。あ、昔のバイト先のトダ君のモノマネが得意やで。大爆笑やった。髪型ばっか気にしてる子で、こうすんねん。
__ 
(爆笑)・・・紙本さんのモノマネの面白さは、多分演技中の(無表情に近い)真面目さがこちらの想像力をかき立てるからだね。
紙本 
その人の顔になりきっているつもりでおるからな。
__ 
能で言う、固定された表情が不意を付いて、それで面白さがいきなり湧き出る感じなんだよなあ。
紙本 
芝居を観に行って面白かった時も、これは黒木さんに伝えなければ!って思って、事務所でモノマネしてます。逆につまんなかった芝居は、全くそう思わないな。感動した時はモノマネポイントがわっと出てくんねん。
__ 
愛だな。

送り出してくれるような本番

__ 
今後、紙本さんはどんな感じで攻めて行かれますか?
紙本 
一番楽しいのは本番の時やから、本番の機会を沢山増やしたい。でも、何でもかんでも舞台に上がるというのじゃなくて、劇団が認めてくれて送り出してくれるような本番をいっぱいやりたいなと。誰かに迷惑を掛けてやるようにはしたくない。
__ 
なるほどね。
紙本 
それが集団としてやっていく事の大変さやけど。極力、周囲に認められるように活動をしていきたいなと思います。関わってくれた人にもっと観てもらえたらと思います。

フットワーク

__ 
ユニット美人は、京都にあってどんなポジションの存在でありたいですか?
紙本 
黒木さんはどうか知らんけど、京都はあんまり意識してないかな。別の地域に行って上演する事が増えて、「京都から来た」って紹介される事が多くなって。思うのは、京都の芝居ってこんなんかって勘違いしてもらえたら嬉しいな。
__ 
なるほどね。
紙本 
京都って恵まれてるやん、多分東京の次くらいに。色んなお芝居が見れるし。その環境をふんだんに取り入れた集団でいたいね。うん、フットワークが軽い存在でいたいです。
__ 
いや~、ユニット美人は京都らしい芝居すると思うけどなあ。
紙本 
あー。
__ 
質的に完璧なパッケージを目指すのではなくて、確からしい演技を追求していく感じ。
紙本 
うん。ちょこっと目的がズレている感じというかね。
__ 
その結果、カッコ良くなるとかさ。その辺が何か、らしい気がする。

タグ: 意図されたズレ


耳あて

__ 
今日はお話を伺えたお礼に、プレゼントがあります。
紙本 
今日な、誕生日やねん。
__ 
えっ。マジで。そういえばそうか。ごめんごめん。
紙本 
いえいえ。誕生日プレゼントやなー。
__ 
どうぞ。
紙本 
おっ。これは耳あてだな。可愛い。ありがとう!サイズもピッタリだよ。
__ 
良かった。似合ってます。

タグ: プレゼント(装飾系) プレゼント(衣服・布小物系)


悩んでもしょうがない

__ 
今日はどうぞ、宜しくお願いします。本当にありがとうございます。最近はどんな感じですか?
奥田 
どんな感じ? 最近あきらめがついてきたと言うか。
__ 
諦めがついてきた!? 奥田さんが、諦めを付ける事が出来るようになったということですか!?
奥田 
そうですね。悩んだり落ち込んだりもしますけど、大分マシになったというか。前向きになったんですね。年を取ったというか。
__ 
悩む事について、心が負担を感じなくなったと。
奥田 
いや、悩んでもしょうがないなって思うようになった。強くなったと捉えて貰ったら嬉しいです。昔よりは柔軟になったんじゃないですか。
クロムモリブデン
1989年、大阪芸術大学映像学科を卒業した青木秀樹を中心に、同大学の学生らを主要メンバーに結成。90年代後半~00年代初期にかけて、「トランス・ナンセンス・バイオレンス」をテーマに、ノイジーな音響・照明、鉄やジャンクを駆使した美術、過激な衣装などを多用し、アート志向の強いパフォーマンス色豊かでパワフルな舞台を繰り広げる。近年は、積み上げてきた独自のスタイルを基盤としながらも、ポップさを前面に押し出したコメディ色の強い作品を制作。確かな毒を胸に秘めつつも、それをさらけ出す事無く、あくまで娯楽作品に仕上げる作風はより洗練の度合いを増している。一貫しているのは、座付き音響家・笠木健司による音響システムに代表される質の高いスタッフワークと、青木秀樹による時代を鋭く切り出すブラックユーモア溢れるテキストである。2006年、本拠地を東京へ移転。THEATER/TOPS、青山円形劇場等での公演を経て、「全員が看板役者」と評される個性溢れる俳優が揃い、最も充実した形で2009年劇団結成20周年を迎える。(公式サイトより)

普通なんだなって

__ 
東京に行って、何か変わった事はありますか?
奥田 
うーん・・・やっぱり、現実を見たって感じですね。演劇をやりたいって人がめちゃめちゃ沢山いて、上には上がいるというか。並大抵のアレでは・・・。
__ 
なるほど。
奥田 
今考えると、関西にいた時は気楽だったと思う。TVの仕事とかも最初は嬉しかったけど、それはやっぱり普通なんだなって思うようになりました。ああ、なるほどねって。やっぱり東京に行けば何とかなるって思ってたんだけど、必ずしもそうでもないなって。
__ 
ご自身の夢が叶ったり叶わなかったり。それで人も沢山いて。それで、夢が価値を失ったという事でしょうか?
奥田 
いや、例えばドラマの現場に行って、それまで憧れだった人に会ってみて。実際に踏み込んでみると地続きなんだって思ったんですよね。
__ 
地続き。
奥田 
普通の現実だったって事で、夢見がちでなくなったって事です。
__ 
足を踏み入れてみたら、もの凄い事が起こるという訳でもなかった。
奥田 
うーん。東京に行ったら何か、やった以上の事が起こると思ってたんですね。でもやった分だけ返ってくる。やらなかったら帰ってこない。そんだけ。いい意味で現実的になったんですね。

タグ: 最高の研鑽は成功を担保する訳ではない 出立前夜 地続き


質問 大原 渉平さんから 奥田 ワレタさんへ

Q & A
__ 
前回インタビューさせて頂きました、劇団しようよの大原さんから質問を頂いて来ております。「1.ホストクラブに行った事はありますか?」
奥田 
ないですね~。ホスト系の男性があんまり好きじゃないんですね。女慣れしてるぜという人にわざわざ飛び込んで行こうとは思わないですね~。加瀬亮みたいな人ばっかりだったら行きたいですけど。
__ 
加瀬亮がタイプなんですね。
奥田 
というか、多分、女の人をあんまり上手く扱えない人が好みなんです。ホストクラブで働くような人ではなくて。まあ、60歳くらいで寂しくなったら行くかもしれない。いや、多分行かない。どっちかというとゲイバーの方には行ってみたい。行った事あります?
__ 
ないですね。キャバクラにすら行った事なくて、不勉強なんですよ。こういう活動をしていながら、そういう所に行ってないのは本当は良くないんだろうなあ。「2.本番前に、何をしたら緊張が取れますか?」
奥田 
あ~、緊張はしますね。私めっちゃ緊張するんですけど。脊髄を思いっきり叩かれると、ちょっと気合が入ります。
__ 
ショック療法ですね。
奥田 
ショック療法なのかな。アスリートとかが、「緊張している自分をも受け入れる事だ」とか言ってるじゃないですか。受け入れようとか楽しもうとか、自分に言い聞かせたりします。まあでも緊張はねー。取れないですけどね。

タグ: 本番前の過ごし方


質問 山崎 彬さんから 奥田 ワレタさんへ

Q & A
__ 
悪い芝居の山崎彬さんからも質問を頂いてきております。「台本を貰って、家に帰って、まず最初に何をしますか?」
奥田 
セリフを覚える、ふふふ(笑う)。
__ 
あ、覚えるんですね。
奥田 
どうするかな・・・会話劇の時は、それはどういうシーンかなというのを考えながらしますけど。すぐ入るセリフと、なかなか言えないセリフもあって。繰り返し口に出して覚えるようにしてます。
__ 
なるほど。
奥田 
天海祐希さんは相手役に会うまで、台詞を一切口に出さないとか聞いたことあるよ。
__ 
すげえ。

もっと人間味が出るみたいな役者に

__ 
京都の人は、奥田さんがいなくなった事について寂しがっていると思いますよ。
奥田 
ホントですか? そうかな。なんやろ、ありがとうございます。
__ 
奥田さんは、芝居を続けている理由はなんですか?
奥田 
まあ、やめられないからじゃないですかね。
__ 
では、今後芝居がご自身にとってどのような存在になっていけば良いと思いますか?
奥田 
東京に出てきて、芝居で生計を立てられればと思ってたんですけど。最近はそればかりにこだわっていないですね。芝居をやるの、楽しいじゃないですか。手放しに全部楽しい訳じゃないですけど。
__ 
そうですね。
奥田 
私すぐに悩むので。さっきあまり悩まなくなったとか言いましたけど。
__ 
単純に、ご自身にとって楽しいものであってほしいと。
奥田 
うーん。もっと色々な役が出来たらいいですね。母親役とか、以前やった事はあるんですけど。もっと人間味が出るみたいな役者に、最終的になればいいなと思います。
__ 
これから、演劇に限らずしたいことはありますか?
奥田 
温泉行きたいとかそういう事じゃないですよね。
__ 
まあそれでも大丈夫です。
奥田 
親孝行、ですかね。
__ 
なるほど。個人的には芝居してるだけで親孝行になってると思うんですけどね。
奥田 
あーそうですかね。それから、もうちょっとおばちゃんになったらピアノ弾きたいなと思いますけど。
__ 
あ、ピアノ弾けるんでしたっけ。
奥田 
うん。あと、なんとなく思ってるのは文章をもっと書けるようになれたらって思います。ブログを書く時の文才がほしい。全然更新されないアレね。
__ 
これからも更新待ってます。

タグ: 温泉の話題 自分は何で演劇を


ガチガチ

__ 
奥田さんが、芝居をする上でこれが自分にあったら良かったって思うものはありますか?
奥田 
勝負強さかな。
__ 
というと。
奥田 
ものすごい小心者なので、知らない人ばかりのところだとガチガチになってしまうので。前に前に行く、という力が私には足りなかったのかもなあと。どこかで遠慮してしまうところがあるのかなあと。ものすごい、自分をアピール出来る人っているじゃないですか。それがあったらもっと良かったのかもなと。演劇を始める前、母親に事務所入りたいって言った事あるんですけど。「あなたはそこまで気が強くないから難しいよ」って言われたんですけど、今となったらそうだなって。
__ 
個人的には、奥田さんの控えめさは、ご自身のキャラクターに奥行きを与えているとおもいますけど。
奥田 
ありがとう。でもね、ここぞというときにいかないと行けない時があるんですよ。元々ある人は、そんな時に頑張らなくてもいいしね。羨ましいです。

タグ: ガチガチな身体


柔らかくいけたらな

奥田 
高橋くんは大人になったね。
__ 
ありがとうございます。いえいえ、中身は何も変わってないですよ。どういうところがですか?
奥田 
何を言ってるか分かる。
__ 
あはは。
奥田 
質問を事前にノートに書いてるからかもしれないですけど。いや、以前は何言ってんのかが分からなかったかなと思うんで、私もそうだったかもしれないんですけど。社会性が身についたんじゃないでしょうか。
__ 
そうかもしれないですね。ええと、奥田さんは今後、どんな感じで攻めていかれますか?
奥田 
いやちょっとね、あまり攻めないでおこうかなと思うんですよね。
__ 
攻めないんですか。
奥田 
前に前にという力が自分にはないなという事が分かったので。マイペースで。オーディションとかだとどうしてもカッコ良く見せちゃうんですよね。それは多分、私の良さじゃないんですよ。というか、いいカッコをしようとしてこけるっていう。背伸びしないでいけたらなと。
__ 
カッコつけるという意識から、自由になれたらと。
奥田 
柔らかくいけたらなと思います。まあ今回の芝居はカッコつけてますけど。
__ 
ええ、格好良かったです。
奥田 
ありがとうございます。もっとふにゃふにゃしていけたらなと。
__ 
ふにゃふにゃ。
奥田 
いや、ちょっと分からないですけど。ペースを崩さずに。

タグ: 今後の攻め方 マイペースの価値


ボーダーのマフラー

__ 
さて、私は色々な所でこの「頭を下げれば大丈夫」というタイトルが気に食わない、早く変えたい、ずっと続けていく企画のタイトルとしては余りに恥ずかしいとか言ってますが、本当はすごく気に入ってます。
奥田 
あー。私が名付け親なんだよねそういえば。
__ 
いや本当に、色んな意味を発見してきているので。頭を下げて足下を見ると再発見があるよ、とか。タイトルがみみっちいというのはすごく好きです。
奥田 
いや、全然変えて下さって結構なので。
__ 
いえ、それは恩を忘れるという事なので・・・。今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントがございます。
奥田 
マジすか。ありがとうございます。
__ 
どうぞ。
奥田 
(開ける)あっ。めっちゃいいものじゃないですか。しかも節電ボーダートルネードじゃないですか。
__ 
ちょっと意識しました。ちょっとジーンズっぽい色です。
奥田 
めっちゃいいもんじゃないですか。ラムウールって書いてますよ。
__ 
いやそんな高いもんじゃないですよ。

タグ: プレゼント(装飾系) プレゼント(衣服・布小物系)


直結エンジン

__ 
今日はどうぞ、宜しくお願いします。悪い芝居「駄々の塊です」、お疲れ様でした。盛況だったそうで何よりです。
大原 
ありがとうございます。何とか東京も終わりました。いつもは作演出・出演をしているんですが、今回は役者だけなので、いつもとは全然違う頭を使いました。書いた人が何を考えながら作ったかを考えて、そのレールに乗る事が求められるので、難しいなあと。当たり前ですけど、役者って凄いなーと思い直しました。
__ 
作家がそれで正解だと言っても、本番でそれが正解だとは限らないわけですからね。
大原 
演出助手として山崎さんの書くのを手伝っていたので、相対的にどのような役を自分は演じるべきなのか?という第三者の視点があって。役者としてはまだまだなので反省点も多いですが、その分、もう少し役者としての自分を知りたくなりましたね。
__ 
役者としての自分。
大原 
高校から脚本を書き始めて、それは当然自分が俳優として演じる、と直結しているんですよね。作・演出・出演というのが。自分が書いたものに自信がないから役者として出ているのかもしれないんですが・・・
__ 
というと。
劇団しようよ
2011年4月、作家・演出家・俳優の大原渉平と、音楽家の吉見拓哉により旗揚げ。以降、大原の作・演出作品を上演する団体として活動。世の中に散らばる様々な事象を、あえて偏った目線からすくい上げ、ひとつに織り上げることで、社会と個人の”ねじれ”そのものを取り扱う作風が特徴。既存のモチーフが新たな物語に〈変形〉する戯曲や、想像力を喚起して時空間を超える演出で、現代/現在に有効な舞台作品を追求する。2012年「えだみつ演劇フェスティバル2012」(北九州)、2014年「王子小劇場新春ニューカマーフェス2014」(東京)に参加するなど、他地域での作品発表にも積極的に取り組む。野外パフォーマンスやイベント出演も多数。2015年「第6回せんがわ劇場演劇コンクール」(東京)にてオーディエンス賞受賞。同年よりアトリエ劇研(京都)創造サポートカンパニー。(公式サイトより)
悪い芝居
2004年12月24日、旗揚げ。メンバー11名。京都を拠点に、東京・大阪と活動の幅を広げつつある若手劇団。ぼんやりとした鬱憤から始まる発想を、刺激的に勢いよく噴出し、それでいてポップに仕立て上げる中毒性の高い作品を発表している。誤解されやすい団体名の由来は、『悪いけど、芝居させてください。の略』と、とても謙遜している。(公式サイトより)
悪い芝居vol.12「駄々の塊です」
公演時期:2011/11/2~2011/11/9(京都)、2011/11/17~2011/11/21(東京)。会場:ART COMPLEX 1928(京都)、王子小劇場(東京)。

タグ: 上演中出ずっぱり型演出 自信がない 反省Lv.2 「悪い芝居」の存在


見えないものを探していく

大原 
与えられた脚本だから、書いた人の視点は得られない訳で。だから、見えないものを探していくという作業があるんです。自分自身を問い直しながら。そのストレスと対峙し、自分と合わせてゆくという・・・なんだか役を演じるということにことさら興味が出てきました。
__ 
ご自身を問い直して、視点を探っていくんですね。
大原 
相対的に役を作っていくタイプなんですよね。周りがこういう感情だからこういう感情だと考えて・・・まあ演出をやっているからだと思うんですが。反対に、絶対的に作っていくタイプ:その役がこういう人間だから、その時はこのような感情であるとしていわゆる掘り下げて役作りをする人は、演出者の意図であるとか、アンサンブルであるとかの調和をどこかで調整しないといけないんじゃないかと。
__ 
大原さんは演出家タイプなのですね。
大原 
だから、それまでは役者だけやっている人をある種、損なんじゃないかというのがありまして。
__ 
個人的には、能力のある役者って、事件性を持つ人なんじゃないかと思うんです。90分間の作品で、観客を引きこんで作品を見せて、そういう当たり前の事の上の次元に、一つの絶対的な価値のある演技があると思うんです。それを見つけるのが稽古なのかもしれませんね。
大原 
そうですね。周りは全員、役者を主にやっている人で。自分と違う演劇のエンジンでやってはるんですよ。だから、役者専門の人のエンジンというものに興味が出てきています。

タグ: 事件性のある俳優 調和の価値


サムくならないように

__ 
大原さんにとって、作品を作る基本的な態度とは。
大原 
どこかしら、第一稿から既に完成しているものを求められるんだという思い込みがありますね。だから、チラシに「作・演出」って書けなくて・・・恥ずかしいんですが、「策・演出」って書いちゃうんですよね。
__ 
そうなんですね。あれ、いいと思いますよ。演劇作品は本番で完成する、みたいな感じがあります。
大原 
サムくならないようになりたい。売れたらサムくならないでしょうか。「策・演出」。売れたらいいなあと思います(笑う)。
__ 
劇弾ジャスティスアーミーの頃からそうでしたね。
大原 
はい。それまでは成安造形大学でやっていたのですが、3回生の頃にはじめて公演を京都で上演しました。大きな一歩だったと思います。あの時の気持ちは忘れちゃいかんと思います。
__ 
中谷さんもそんな事を言っていましたね。
大原 
そうですよね! 僕が1回生の時の4回生で、カズさんすげーって。

確実に何かが残っていくような

__ 
劇団しようよで拝見したのが、第二回公演「茶摘み」でしたね。面白かったです。一つの台本を2回繰り返すのが、延々と続く茶畑のループを表現していたように思います。
大原 
ありがとうございます。実は、2回目の公演をする前に、「京都だと面白い芝居を作れなくてもずるずると演劇を続けられちゃうぞ」って聞いたんです。大阪でも東京でも同じかもしれませんが。それは、凄く怖いなと思ったんですよね。
__ 
なるほど。
大原 
僕は好きな事をずっと続けられたらいいな、なんてこと思いたくはないです。将来結婚したり家庭を築いたりしたいと思っているんです。自分の表現が、いつかそこに結びついていったらいいなと思っています。「茶摘み」を書く時、確実に何かが残っていくような作品を作らなければならないと思って書きました。
__ 
どのような作品になったと思いますか?
大原 
実は、劇弾ジャスティスアーミーの時は自分の痛みを、見せびらかすじゃないですけど、それ自体を作品にしていたんですね。劇団しようよを旗揚げする時、もっと大きく広く伝わる作品を作りたいと考えました。が、その広げた世界に自分が追いつけていないなと。「茶摘み」では、自分が出来る事をしっかりやろうと思いました。あれ、実家が茶畑農家というのは実話なんです。
__ 
あ、そうなんですね。
大原 
大学卒業して第一回公演終わって、バイトして家に帰ったら「茶摘み手伝えよ」って言われて。僕は何をしているんだろうと。その衝動があの作品の核でした。そういう自分自身というノンフィクションから始まって、最後はフィクションで終わるというのがやりたかったんです。
__ 
最後に散らばる赤いビー玉が印象的でした。お茶の緑と赤は補色でしたね。
大原 
そうですよね。補色というのは大きなポイントなんです。「茶摘み」も、旗揚げ公演のチラシも反対の色の組合せを使っているんですよ。黄緑とピンク、オレンジにブルーの組合せ。
__ 
なるほど。
大原 
演出でも意識しますし、お話でも大きなヒントになります。僕、作品を色味から作るんですよ。まずそこがアイデアの取っ掛かりですね。まず、何色の芝居を作りたいかから考えていくと転がって行きますね。
劇団しようよvol.2「茶摘み」
公演時期:2011/9/2~2011/9/4。会場:アトリエ劇研。

タグ: 結婚について 赤色


印象

__ 
それはいつ頃からですか?
大原 
物心ついた頃から絵を書くのが好きで。イジメられたら帰ってその日のことを絵に書いたり塗ったり、陰湿な子供でした(笑う)。人を、パッと見の印象から原色で振り分けるんですよね。3人いたらこの人は赤色だ、この人は青、黄色・・・みたいな。
__ 
なるほど。
大原 
あと、今思い出しました。高校の頃書いた台本、タイトルに全部色の名前が入っています。
__ 
どんなタイトルですか?
大原 
処女作が、「黒いサンタ」という。泥棒が貧乏の子の家に入って、盗むものがないから代わりにプレゼントを届けてあげるというクソみたいな話でした(笑う)物語の中の登場人物にも色を振り分けてましたね。このキャラは赤、青みたいに分けてました。

タグ: 黄色


質問 佐々木 峻一さんから 大原 渉平さんへ

Q & A
__ 
前回インタビューさせて頂きました、努力クラブの佐々木さんから質問です。「1.童貞ですか?」
大原 
SEXする事に関して、嫌悪感があったんですね。中学校で保健体育を習うまで、男が手を洗わずに女に触ると妊娠すると考えていたんですね。大学でも、4回生になるまで童貞の方が良いものが書けると思っていました。そうですね。守りたいという意識がありました。
__ 
ありがとうございます。それで答えになっていると思います。「2.演技をする上で、どのような演技が好きですか?」
大原 
どういうのが好きか。あんまり好き嫌いで演技をしたことはないんですけど、基本的にアニメの声優さんの演技は、上手すぎて冷たく聞こえてしまうんですよね。だからあまり好きではないというか・・・割と、自分の好きな俳優さんも下手ウマな人が好きですね。クセとして噛んだりとか。テクニックに逃げない演技みたいなのが好きです。

タグ: 声のお仕事、細かい作業