おいおい白身どうしてん

桐山 
いいですよね、卵かけご飯。
__ 
桐山さんは、卵かけご飯に何をかけて召し上がられますか?
桐山 
僕はバターをかけますね。あとはkiriというクリームチーズ、ポテトチップスを砕いてかけたり、サバ缶を炒めてかけて食べるのも美味しいですよ。
__ 
具材をかける系なんですね。
桐山 
それが、色んな変遷を経て、実は今はあまり何もかけてないんです。
__ 
それは、醤油しかかけないという事ですか?
桐山 
はい、醤油はかけます。色んな方にお土産として全国の醤油をもらったりするんですよ。そのぶん卵は上等なものをと心がけています。・・・卵の話ばっかりじゃないですか?
__ 
実は卵かけご飯は、このサイトのテーマの一つなんですよ。
桐山 
えっそうなんですか。知らなかったです、ごめんなさい。
__ 
いえいえ、どこにも書いていないので・・・。でも底流にしっかりとあると思います。
桐山 
そうなんですね。へええ。
__ 
考えるに、その、ご飯と卵だけがあの料理の要素だけではないのではないかと。具材の風味、出自という縦糸と、混ぜる時の気温や食べる人間の状態が様々に絡まり合う営みだと思っています。味覚にしたって複合体験な訳ですから、最も単純な料理ですが。風味と温度という、全く違う現象が一つになる体験そのものだと思うんです。
桐山 
マリアージュですね。
__ 
はい! そこに何をかけるかというのはけっこう重要なテーマだと思っています。私は最近、何もかけないんですよ。すると卵の甘みとご飯の甘みだけが・・・
桐山 
そうそう、そうですよね。ああ、ついにそこまで。
__ 
あえて塩味を外すことで、素材と繋がる。
桐山 
おいしいと思います。僕も醤油がたまたま無かった時にそうして食べて。それ、冷やご飯で作ると、卵の風味が生きますよね。
__ 
そうですよね! もう一つ考えなくてはいけないのは、白身について。欲張りな発想で、白身を抜いた黄身だけで作る玉かけご飯なんてものは・・・
桐山 
うーん。
__ 
ですよね。
桐山 
白身がおいしいんですよね。僕も、黄身だけを使う料理がなんとなく許せないんですよ。おいおい白身どうしてん、って。
__ 
白身には白身の味わいが、黄身とは比較されるまでもなく、確固として存在すると思うんです。黄身こそが美味しいという構造から脱却せずにご飯と卵を混ぜあわせてしまって、果たして僕らは多様性について語れるんだろうか、と。
桐山 
何か、卵かけご飯でここまで語り合えるんですね。嬉しいなあ。

狂ちゃんが今も

__ 
桐山さんがお芝居を始められたのは。
桐山 
僕は完全に大学からですね。最初はSF研究会に入ろうと思ってたんですが、新歓説明会行こうとして迷って辿りつけなくて。その時近くにあった潔癖青年文化団(現・劇団ケッペキ)の立て看を見て、新歓公演を観たんですよ。蓮行さんの「希望の島奇譚」という作品でした。
__ 
ああ、初演ですね。
桐山 
桶雅景さんも出てはって、役者さんがみんな凄く面白くて、大好きで。この人たちなんか本気で怒ったりしてる!って感動して。
__ 
その頃に、何か思い入れのある役はありますか?
桐山 
新人公演でケラリーノ・サンドロヴィッチの作品を上演した時に「バカの狂ちゃん」という役をやらせてもらいまして。終了後、「狂ってたよ」って言ってもらったんです。徹頭徹尾バカな彼に、ものすごく感情移入することができた感覚があって。何か、あの狂ちゃんが、今もまだ身体のどこかにいる気がするんですよ。たまに、うずくんです。
__ 
それが、桐山さんの演技のおかしみに通じているのかもしれませんね。
ケラリーノ・サンドロヴィッチの作品
劇団健康時代の「スマナイ。」という、映画「モンティ・パイソンのホーリーグレイル」のパロディ作品でした。バカの狂ちゃんは、周囲がおかしくなっていく中で、「バカにもいいとこあるですよ~」とひたすら楽しく歌い続ける役でした。(桐山さんより)

ツッコミはじめました

__ 
中野劇団とやみいち行動に出演される事が多いと思うんですが、二つを比べて、何だか笑いの形がちょっと違いますよね。
桐山 
そうだと思います。中野劇団ってきっちりと作るんですよ。中野さんが僕に求めている役割もあるのかな、とも思います。
__ 
中野劇団だとツッコミも多いですよね。やみいちはボケ倒しなのに。
桐山 
落語を始めてみて、それまでできなかったツッコミもやらざるを得なくなったんです。それで、いけると思って下さったのだろうか、と・・・。どういう風に見てはりますか?
__ 
変な話、中野劇団では笑いを取りに行く、やみいちでは笑われる、みたいな感じだと思うんです。その、とぼけたキャラクターは、ご自身のどこから出てきているのでしょうか?
桐山 
「とぼけた」・・・うーん、「とぼけた」という表現は、僕の中では「大人の余裕が出た表情」なんです。竹中直人さんとか。僕はどっちかというとむしろ、目の前の事に心奪われすぎてたりとか、突然来た事に反応しきれないというか、そういう、視野狭窄なんですかねー。あと、自分は多動気味なので、もしかしたらそういう部分が、そう思われるのか・・・。
__ 
多動気味! やみいちだと確かに、そんな感じですよね。
桐山 
それでそこに、何も言えないくらいどんどんセリフがかぶせられてくるから。焦って、えっえっ、てなって。

もう一度始める

__ 
桐山さんは、一時期芝居を遠ざかっていた時期がありますよね。
桐山 
そうですね、仕事に就いてから3~4年、遠のいていました。
__ 
もう一度始めるというのは凄くエネルギーのいる事だと思いますが。
桐山 
そうなんですよ、何の舞台を観ても辛く感じる事がありました。何で僕はあそこにいないんだろう、って。でもブランクが長かったので、芝居の世界にどう戻ったらいいのか分からなくて。活動再開したのは、由良部正美さんの舞踏のワークショップからでした。
__ 
あ、そうなんですね。
桐山 
それから、まだ何かやれるかも・・・、と少しずつ思えてきて。やみいち行動に復帰させてもらったり、中野劇団に出させてもらったり。これからも、働きながらできる範囲で続けていきたいな、と思います。

タグ: 俳優のブランク


質問 藤田 かもめさんから 桐山 泰典さんへ

Q & A
__ 
前回インタビューさせて頂きました、ニットキャップシアターの藤田かもめさんから質問です。「1.女性の色気ってどうしたら出ますか?」
桐山 
凄い質問ですね・・・うわ、何だろう。女の子役をやった経験からですけど、身も心も相手の事を好きになる、それも堂々と好きになる、という姿勢がいいと思います。「誰がなんと言おうと、私はこの人の事が好きなの!」って、堂々としていると色気が出るんじゃないかと思いますね。
__ 
ああ、分かります。男性もそういうのを見るとほれぼれしますね。「2.自分は女性らしい男性だと思いますか?男性らしい男性だと思いますか?」
桐山 
うわっ、難しいですね・・・半々だと思います。または6:4で男性かと。
__ 
ジェンダーフリーでいいと思います。

タグ: 色気なるものの謎


共犯関係以上の何か

__ 
次の方への質問を頂きたいのですが。
桐山 
そうですね、「どういう時に幸せを感じますか?」でお願いします。
__ 
かしこまりました。ところで桐山さんは、どういう時に幸せを感じますか?
桐山 
色々ですね、仕事からの帰り道に街の光を見上げる時、受験に合格した生徒とハイタッチした時、舞台に立っている時にお客さんと気持ちが通じあった時・・・とかですかね。
__ 
気持ちが通じ合った時とは?
桐山 
うーん・・・基本的に、共演者・お客さんと共犯関係を結べる事はあるんですけど、それをもう一つ超えた次元で通じる時って、あると思うんですよ。役者も観客も全員が、その次元に行けてびっくりしている、みたいな。もちろん錯覚かもしれないですけど。
__ 
なるほど。
桐山 
そういう時は後で、良かったよと言ってもらえたり。前に一度落語の時に、気づいたら、喋っている自分を完全に俯瞰で見ているもう一人の自分がいたんですよ。幽体離脱だ!と思って。ほんの一瞬だけそういう認識がありました。
__ 
理想の自分?
桐山 
その瞬間まで相当ウケていて、かなりいい感じでやれていたんじゃないかと思います。でもそう認識した瞬間に、崩れそうになったのであわててその状態から離れました。何とか戻したんですけど・・・
__ 
自覚した瞬間、消えるんですね。
桐山 
ギリッギリのラインだと思うんです。共犯関係以上の何かだと思うんですよ。滅多にないと思うんですが。そういう瞬間って、客席にいても感じられるものなんじゃないかなと思います。
__ 
まず、生身で同じ時空間にいないと成立しない共犯関係というものがあって、さらに上の階層でのやり取りがあるという事ですね。パフォーマンスと、客席からの反応と、様々なものが一致したんでしょうか。
桐山 
そういう事かなと思います。
__ 
小学生の頃、物凄くおいしい目玉焼きに出会ったんですよ。元は只の卵なのに、風味が何だか構造的で。味覚のフレームを総動員しないと分からないような味でした。卵かけご飯も同じ事で。
桐山 
多層的ですよね。

タグ: 客席と舞台の共犯関係


少しでもいいから自分から

__ 
今後、どんな感じで攻めていかれますか?
桐山 
長く続けたいな、というのはあります。あと、今まではとにかく呼んでもらえたら嬉しいな、幸せやな、と思ってたんですが、少しでもいいから自分から何かをやりたいな、と思えてきました。
__ 
具体的なイメージはありますか?
桐山 
来年、役者の落語会を京都でやってみたいですね。
__ 
劇研寄席みたいな。
桐山 
ああ、劇研寄席。大好きです。ああいう事を、定期的に出来たらいいなと思います。長く続けていけたらな、と。
劇研寄席
アトリエ劇研の年中行事。俳優5~6人による新春落語。

タグ: どんな手段でもいいから続ける 今後の攻め方


名入れ済みお箸

__ 
今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントがございます。
桐山 
ありがとうございます。
__ 
どうぞ。
桐山 
(開ける)お箸ですか! ちょっとこれは・・・卵かけご飯の話に関連してますね。
__ 
はい。そのお箸、裏側に・・・
桐山 
うわっ! えっ! いいんですか? これ、めちゃくちゃ嬉しいです。ほんまに幸せです。

タグ: プレゼント(食器系) プレゼント(プレミアム系)


踊れるかも

__ 
今日はどうぞ、宜しくお願いします。藤田さんは、最近はいかがですか?
藤田 
つい先日、コンドルズの合宿ワークショップが終わった所です。WSの成果としてのコンドルズ公演での前座も終わって、非常にいい経験になりました。元々身体は固かったんですが、終わって私、身体動かせるかもって(笑う)
__ 
へえ! そうなんですね。どんな内容だったんでしょう。
藤田 
まず、参加者のバラエティが広いんですよね。女子中学生もいれば、私みたいな小劇場系の俳優もいて、上は年配の男性が60歳になってダンスを始めたなんて人もいて。
__ 
バラバラですね。層が。
藤田 
3つの作品を連作とするんですが、合宿中ずっとダンスの事ばっかり話しあうんですよ。楽しかったです。
__ 
身体、動かせるようになりましたか?
藤田 
まず、近藤さんの言うとおり、身体を動かす上で固くなるのは「こう動かしたらカッコイイんじゃないか」「こうしたらカッコ悪いんじゃないか」という思いがどこかにあったんでしょうね。合宿は初めて会う十六人で作るものだったので、カッコイイ悪いなんて言っている場合じゃないんですね。膨大な振り付けを覚えて行くので、気がついたら踊ってました。
ニットキャップシアター
京都を拠点に活動する小劇場演劇の劇団。1999年、劇作家・演出家・俳優のごまのはえを代表として旗揚げ社会制度とそこに暮らす人々との間におこる様々なトラブルを、悲劇と喜劇両方の側面から描いてゆく作風は、新しい「大人の演劇」を感じさせる。日常会話を主としながら、詩的な言葉を集団で表現することも得意とし、わかりやすさと同時に、観客の想像力を無限に引き出す奥深さも持っている。(公式サイトより)

最初は夢中

__ 
藤田さんは静岡育ちなんですよね。関西にいらしたのはどういう。
藤田 
ニットキャップシアターに入りに来ました。大学を卒業して芝居をしようと思った時に色々観ていたんです。実は元々劇団八時半が好きで、そのつながりで劇団八時半の長沼さんが出ている「お彼岸の魚」を観て、凄いと思って。
__ 
「お彼岸の魚」。面白かったですね。では、ニットに入った瞬間を覚えていますか?
藤田 
最初、東山青少年活動センターで上演した「ニットの世界」にお手伝いに行ったんです。その時に団員募集をしていたので。自己紹介する時、25歳ですって言ったら、「あっ、あんまりフレッシュじゃないね」って(笑う)。その時に3人新人が増えたんです。ニット的にも、新人を一気に3人も入れるというのはそれまで無かった事みたいで。お互いに、どうしましょうかって感じでしたね。
__ 
初舞台は。
藤田 
「クレームにスマイル」でした。漫才コンビの役で。「アザラシペニ太の冒険」というネタがあって、どう動くかを考えたり・・・最初は夢中でした。とにかく、自分が出来る事を全部ぶつけようと。
ニットキャップシアター第22回公演「お彼岸の魚」
公演時期:2006年12月22日~2007年5月20日。大阪:in→dependent theatre 2nd、東京:下北沢 駅前劇場、愛知:愛知県芸術劇場小ホール、福岡:ぽんプラザホール。
ニットキャップシアター第24回公演「クレームにスマイル』(再演)
公演時期:2008/11~12。会場:ART COMPLEX 1928(京都)、下北沢 ザ・スズナリ(東京)。

ニットキャップシアター第30回公演「さらば箱舟」

__ 
ニットキャップシアターの第30回公演、「さらば箱舟」。どんな感じでしょうか?
藤田 
もう稽古は始まっていて、頭からシーンを作っていっています。全体的な流れが見れるようにしたいんだと思います。
__ 
作品的には。
藤田 
「ピラカタノート」で培った文法での作品づくりが見られると思います。ただ、ニットが初めてという人がほとんどなので、その辺りが結構しんどいかもしれません。うちの稽古場での指示は結構独特なので・・・。
__ 
というと。
藤田 
私が入団した時、「稽古場での指示やダメ出しがちょっと分かりにくいから、慣れるのに時間が掛かると思うよ」って言われたんです。確かに、時間が掛かりました(笑う)。例えば今回、出演者の男の子が一人でセリフを言うシーンがあるんですけど、ごまが「大道芸人が大勢の子供の前で喋っているように」「子供にナメられないようにしてほしい」って言うんです。それで大混乱してしまって。
__ 
比喩を使うんですね。
藤田 
いや、単にすごいことやりそうな人だという感じが出て欲しい・・・ということだと思うんですけど(笑う)。
ニットキャップシアター第30回公演「さらば箱舟」
公演時期:2012/2/10~2012/2/12。会場:AI・HALL。
ニットキャップシアター第29回公演「ピラカタ・ノート」
公演時期:2011/03/12~13(名古屋)、2011/04/09~11(東京)、2011/04/15~19(京都)。会場:千種文化小劇場(名古屋)、下北沢 ザ・スズナリ(東京)、アトリエ劇研(京都)。

いつもより飛んじゃいました

__ 
ピラカタノート。非常に面白かったです。色々な役をされていたと思うんですが、思い入れの深いものはありますか。
藤田 
やっぱり、サワイカズエですね。
__ 
ああ、ラストシーンでトラックに撥ねられてた。
藤田 
撥ねられた後に歩くのはヒラカタノートから変わっていないシーンなんですが、結構苦労しました。高原に相談してみたり、振り付けとして考えてみたりしたんですが上手くいかなくて。で、実際に吹っ飛んでみたんですよ。
__ 
おお。
藤田 
そうしたらやっぱり痛くて・・・倒れて、身体が痛かったんですけど、無理くり立ち上がりました。その感情がしっくりいったので、本番でもそうしました。
__ 
痛そうでしたね。
藤田 
京都公演の楽日、それで肋骨にヒビが入ったんですよ。
__ 
えっ。
藤田 
両親が見に来ていて、気合が入っていたんだと思います(笑う)いつもより飛んじゃいました。
__ 
凄いですね。
藤田 
あと、愛人の役も好きでしたね。
__ 
色っぽかったですね。
藤田 
本当ですか? ニットには色気がないと言われていて。もっと欲しいですね、女らしさが。

質問 上田 展壽さんから 藤田 かもめさんへ

Q & A
__ 
前回インタビューさせて頂きました、突劇金魚の上田さんから質問です。「初対面の相手と、どう接しますか?」
藤田 
うーん・・・話し役に回るべきか、聞き役に回るべきかを考えますね。
__ 
基準はありますか?
藤田 
相手が、自分自身の面白いと思う事を話し始めたら聞き役にまわります。やっぱりお互いに様子見しあう時ってあると思うんですが、そういう時は私が話し役ですね。あんまり、自分から喋るのは得意ではないんですけど。

女性らしさ

__ 
藤田さんがお芝居を始めたのは、どういうキッカケがあったからなのでしょうか。
藤田 
高校の頃から演劇部だったんですが、宮沢章夫さんが地元にいらして。そこでの共同制作に携わったのが今の原動力だと思います。これからも続けていきたいなって思うようになりました。それから東京に行ってみたり、少しの間就職してみたり。
__ 
今後、お芝居に関わる上でどのような力を身につけたいですか?
藤田 
母方の叔母が、すごく自立した女性なんですよ。服飾関係の仕事に就いていて、子育ても両立していて。
__ 
ああ、女性らしさですね。
藤田 
はい。そういう女性になりたいなと憧れますね。女性らしい女性というか。舞台上で、一人の女性としての役が板に付くようになったらと思います。

タグ: ジェンダー・女性らしさ


しなやかに

__ 
今後、どんな感じで攻めていかれますか?
藤田 
実はダンスの勉強もしたいなと思っています。今回、佐藤健大郎さんが振り付けと出演をされているので、ダンスを勉強したいなと思っています。ニットでは高原と織田が身体を動かすのが好きなので。
__ 
そうですね。
藤田 
私はあそこまで身体がピンピン動くのではなくて、しなやかに身体を動かせるようになりたいです。
__ 
今後、どんな芝居をやっていきたいと思いますか?
藤田 
見に来てくれた方が元気になってもらったら嬉しいですね。藤田さんの芝居を観ると、明日から仕事を頑張れる気になる、って言われたいです。

タグ: しなやかさが大切 今後の攻め方


お茶と和菓子(モンブラン)

__ 
今日はお話を伺えたお礼に、プレゼントを持って参りました。
藤田 
織田が楽しみにしていました。ぴったりのものが貰えるとか、はしゃいでいました。
__ 
ご期待に添えるかどうか。どうぞ。
藤田 
ありがとうございます。(開ける)お茶じゃないですか。大好きなんですよ。
__ 
あと、和菓子が。
藤田 
モンブランだ!


ミジンコターボ「スーパーソニックジェット赤太郎」

__ 
今日はどうぞ、宜しくお願い申し上げます。
上田 
よろしくお願いします。
__ 
この間のミジンコターボの「スーパーソニックジェット赤太郎」、お疲れ様でした。面白かったです。
上田 
ありがとうございます。
__ 
上田さんは、とにかくぬるぬるした動きでよかったです。初出演だったんですよね。どんな所にやりがいがありましたか?
上田 
今回に関しては、僕のプラン次第で何とでも出来る感じだったと思います。ハマらなかったら修正してもらって。突劇金魚では途中で止められるような事でも、自由に出来たんですよ。あんなふうに好き勝手遊ばせて頂いたので、勉強になりました。
突劇金魚
関西学院大学の演劇グループSomethingの99年度生(OG)、サリngROCKを中心に結成。2008年12月に蔵本真見が入団。2009年4月に演出助手の伊藤由樹が入団。現在6名で活動中。独特な関西弁のセリフまわしで、他にはない世界をつくる。不器用な登場人物たちのチョット毒あるお話を、派手目の極彩色でイロドる世界観。音で刺激。見た目で刺激。プププと笑って、チクッと刺される新感覚。(公式サイトより)
ミジンコターボ「スーパーソニックジェット赤太郎」
公演時期:2011/10/26~2011/10/30。会場:in→dependent theatre 1st。

それをひっくるめて強い

__ 
最後に拝見した突劇金魚の本公演、「巨大シアワセ獣のホネ」。大変面白かったです。上田さんは他人とのコミュニケーションを上手く取れない人物でしたね。
上田 
僕も、出演していながら興味深かったです。実は、作品の中での立ち位置に悩んでいました。引きこもりなんだけど、まるでその世界の支配者の様でいて、誰かの協力を求めるみたいな、結構歪んだ事をしなくてはいけないので・・・。
__ 
そうそう、主人公たちを集めてホネを掘らせていましたね。最終的に、サリngROCKさんが演じる主人公が部屋から連れ出して。
上田 
そうですね。部屋から出られましたね。
__ 
蔵本さんにインタビューした時にも申し上げたんですが、最後に電車に乗っているシーン。赤星さんが演じたあの彼が声援を送っていたじゃないですか。それまでのサリngさんの作品では一人で孤独に旅立つ事が多かったのに。
上田 
実は、以前までの作品とは違ってスタート地点から既に人々が動いているんですよね。よく言われるように、世界観が展開した、という事だと思います。出演しながら、近くで見られて良かったな、という感覚があります。
__ 
サリngROCKさんの作品について、どのように思われますか?
上田 
女って怖いな、ドロドロしているなと。そうした感情を世界に表現出来る作家だと思っています。それが最近、整理が付くようになってきているので、今後どうなっていくかが楽しみですね。
__ 
突劇金魚の公演、お客さんにどういう風に受け取ってもらいたいですか?
上田 
女は怖いけど、それをひっくるめて強いと。
__ 
強さ。
上田 
女性の、男性が求めるみたいな上辺だけではない、ドロドロしたものを含めての女性の魅力だと思っています。女性には共感を呼ぶと思うし、もしかしたら女性も男性も、人間の魅力の源はそこなのかもしれませんね。
突劇金魚「巨大シアワセ獣のホネ」
公演時期:2011/2/2~7。会場:精華小劇場。

タグ: ひきこもり


質問 紙本 明子さんから 上田 展壽さんへ

Q & A
__ 
前回インタビューさせて頂きました、劇団衛星・ユニット美人の紙本さんから質問です。「1.ご自身の自慢ポイントはどこですか?」
上田 
特に意識はしていないんですが、色んな人に「変ですね」と言われる事ですね。別に狙っている訳でもなくて、当初はコンプレックスだったんですけど。でも、周りにはそんな事を言われる人もあまりいないので、生かしていこうと思います。
__ 
ありがとうございます。「2.ご両親とは仲がいいですか?」
上田 
母は尊敬しています。母は美術教師をやっていて、影響を受けています。
__ 
ああ、上田さんのブログ、たまに書かれた絵が掲載されていますよね。あの絵、いいですよね。
上田 
ありがとうございます。母が、結構ルールを無視した絵を描いていたんです。絵って、自由に書いていいんだ、って思ったんですよ。良かったら見てください。

めっちゃ頑張って死

__ 
その、「変だ」と言われるのは、どういう部分が。
上田 
多分、自分自身の死生観がその一つだと思います。死に対してはドライに考えているんです。火葬よりも土葬の方が環境には良いと思えるぐらい。僕はいつ死んでもいいと思っています。今は楽しいので、だから今死ねたら幸せなんじゃないかなと。子供が出来たらきっと変わるでしょうけど。
__ 
そうした死生観は、一体どこから。
上田 
いいえ、子供の頃から死ぬのが怖くて、一度それに向き合ってとことん考えたんです。そこでやっと、死について受け入れる事が出来たんです。怖いとか不安とか、感情と切り離して考える事が出来たんですよね。
__ 
それはいつの事ですか?
上田 
10歳のある日、気がついたら突発的に自殺しようとしていたんです。自分の遺伝子の半分が父親のものであるのが嫌で。目の前の陸橋の柵を越えれば死ねるという直前にまできて、すると物凄く負荷が掛かったんですよ。何か、上から押し付けられるような。でも、その力はめっちゃ頑張ったら越えられるという手応えがありました。
__ 
なるほど。
上田 
そこで気がついたんです。めっちゃ頑張って死ぬというのは可笑しい。それだったらその半分の頑張りで生きたらいい。そこから死、ひいては生きる事について考えるようになって、こうなりました。
__ 
その、負荷に対抗して柵を乗り越えるエネルギー。今はどのようになりましたか?
上田 
柔らかくなったと思います。
__ 
質的にですか?
上田 
はい。芝居を始めてからつい最近までは周りの人へのねたみとかそねみとかが原動力だったんですが、今はあの人面白いなあって素直に思えるようになりました。それは色んな人に感謝するようになったのと、より良いものを作ろうとした時に周囲をきちんと見れるようになったからだと思います。
__ 
その変化を、ご自身ではどのように思われますか?
上田 
自分は、人生には流れが重要だと思っているんですね。この変化も、良い方に流れていると思っています。