ヨーグルトカップ

__ 
今日はお話を伺えた御礼に、プレゼントがございます。
押谷 
あ、ありがとうございます。いいですか?
__ 
もちろんです。
押谷 
磁器ですか?これ。すごいキレイ。
__ 
ヨーグルト用の器です。澄んだ白ですが、ヨーグルトを入れるとさらに白さが引き立つようです。
押谷 
すごい。ありがとうございます。

タグ: プレゼント(食器系)


AAF リージョナル・シアター2011-京都と愛知-
京都舞台芸術協会プロデュース公演『異邦人』

__ 
今日はどうぞ、宜しくお願いします。
田中 
お願いします。
__ 
今回の「異邦人」に出演されるとの事で。楽しみです。
田中 
ありがとうございます。頑張ります。男を見せられるように。
__ 
ああ、そういえば確か、周りは全員女性でしたね。
田中 
そうなんですよ。稽古の度にいじってもらってます(笑う)。
__ 
ところで、本番まであと一ヶ月程度ですね。稽古はどんな感じですか?
田中 
今は、役者全員に台詞が入って、一回目の通しをやった状態ですね。とはいえ、軽く流してやってみる、という形です。
__ 
というと。
田中 
演技をものすごく付けるわけではなく、たとえば役者が自分の気持ちのいい間で芝居をするのではなく、流れを確認していくような感じですね。
__ 
どのような効果が出るのでしょう。
田中 
今はまだ、俳優同士の関係性が浅いんですよ。だからこそ、少しずつでもいいから場が固まるのを待っているんだと思います。
__ 
場ですか。
田中 
舞台上の空間です。それをものすごく意識するので、俳優が会話する時の摩擦で、空間に熱が入るのを待っているんだと思います。
__ 
では、まだ特別な演出は入っていない?
田中 
そうですね。台詞がポンポンとキャッチボール出来るように。なんかこう、台詞を言う為の間もとらないようにしています。
__ 
俳優同士の人間関係に、身体が慣れるようにしている感じですね。


Will Be SHOCK Entrance Gate
京都を中心に活動する演劇ユニット。
AAF リージョナル・シアター2011-京都と愛知- 京都舞台芸術協会プロデュース公演『異邦人』
山岡徳貴子・作。柳沼昭徳・演出。公演時期:2011/6/9~12(京都)、2011/6/18~19(愛知)。会場:京都芸術センター、愛知県芸術劇場小ホール。

タグ: 会話のキャッチボール


自然に何かが

__ 
今回、役者としてやってみたい事はありますか? 先ほど伺った、「男を見せる」の他に。
田中 
今回は会話劇なんですけどね。そこで行われている会話自体は割と普通の言葉なんですけど、その裏に確実にあるものが表現出来たらと思っています。
__ 
山岡さんの作品ですからね。その、裏に潜んでいる人間性の影がね。
田中 
ええ、台本を読んだ時からずっと、何かあるなと思っています。
__ 
ええ。
田中 
誰でも生活する上で、絶対に悩むと思うんですよ。僕もそうだし。本番に自分の演技持っていって、ちゃんと悩んでやっているんだって見えたらいいなと思います。台本に書いてある文章の下に、生活が根ざしているんだ、って。
__ 
そうやって、田中さんご自身が悩んでいるんですしね。何だろう、どこかで伝わると思います。
田中 
本当に、そういう事なんでしょうね。僕の想像力がないせいだと思うんですけど、ステレオタイプな、パターン化されたような表現しか想像出来なくなってたんですけど。そういう、むやみに力が入ったものは嫌がられる現場なので。自然に何か出てくればと思うんですよね。

そういう「恥ずかしい」

__ 
ご自身は、悩む体をさらす事について、抵抗はありますか?例え舞台の上の演技としても。
田中 
うーん・・・。もしかしたら、そういう「恥ずかしい」という気持ちも表現しないといけないかもしれませんね。
__ 
そうそう、山岡さんの戯曲のすごいところは、人間関係の中の自意識の描き方にあるんじゃないかなと思っていて。登場人物が相手と話しながら、自分のキャラクターを作り上げていくんですよね。そこには嘘があったり、弱みが見え隠れして、たまらないんですよ。
田中 
そうですね、弱いところも強いところもありますよね。悩みますよね。
__ 
身体作り、人間作りか・・・。いま思いついたような事なんですが、京都の舞台芸術が得意とするところだと思うんですよ。
田中 
ああ、そうかもしれませんね。そこに仲間入り出来るように頑張ります。

タグ: 優しい嘘


変われた事の証明

__ 
田中さんは、今後どんな感じで攻めていかれますか?
田中 
あのー・・・。実は、作演をしたいという願望があって。
__ 
おお。観たいです。
田中 
大きいところに出させてもらうというのもありますので、今年なのかなと。自分の中で、何かやらなければいけないのではという思いが沸き上がってきているんです。でも、自分より若い人の作品を観ていると、よくみんなこんなものを書けるなと思って・・・。
__ 
なるほど。ええと、どのような初期衝動があるのでしょうか。
田中 
芝居を始めた当初からその思いはありまして。当時つきあっていた彼女に、「俺しんどいねん」「めっちゃ頑張ってるのにうまく生きていけない」って、弱音でしか自分を表現出来なかったんです。だから、そういう自分を表現する芝居がしたかったんですよ。
__ 
なるほど。
田中 
もし次に付き合う女性がいたとしたら、そういう事じゃない事を言いたい。
__ 
どうして、そうネガティブになっていったのでしょう。
田中 
なかなか周りに馴染めなかったからでしょうね。喋っている相手の気持ちが分からなかったり。だから僕なんかが芝居なんか、やっていいのか不安でした。
__ 
それが、どこかで馴染む力を手に入れた?
田中 
はい。何とか、芝居を始めた頃から少しずつ。絶対それはあるんですよ。だから演劇には感謝しています。変われた事の証明として、自分の中で残したいだけなのかもしれませんけど。
__ 
変化ですね。
田中 
だから、あまり派手で明るい作品にはならないと思うんですけどね。
__ 
私はその、それが結局上演されなくても、この話が聞けただけで十分ですけどね。

タグ: 初期衝動 今後の攻め方 残したいという気持ち


質問 ごまのはえさんから 田中 浩之さんへ

Q & A
__ 
前回インタビューさせていただきましたごまのはえさんから、質問を頂いてきております。「1.夏の暑さ対策は何かありますか?」
田中 
出来るだけ何もしないようにしますね。寝てます。
__ 
どこかに行ったりとか。
田中 
うーん、夏らしいレジャーは本当に、笑の内閣の夏合宿に行ったっきりですね。
__ 
あ、あれは楽しそうでしたね。「2.色々なコンビニがありますが、どれが一番好きですか?」
田中 
ファミリーマートです。
__ 
理由は。
田中 
店頭で売ってるファミチキがおいしいんですよ。味が濃くて。
__ 
食べごたえがある。
田中 
はい。

penco TAPE WRITER

__ 
今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントがございます。
田中 
ありがとうございます。
__ 
どうぞ。
田中 
(開ける)これは・・・?
__ 
シールパンチャーですね。
田中 
すごい。よく劇団の工具が無くなるので、貼っておきます。こんなんあるんですね。

タグ: プレゼント(ツール系)


ニットキャップシアター第29回公演「ピラカタ・ノート」

__ 
今日はどうぞ、よろしくお願いします。
ごま 
うん、ごめんね。遠くまで来てもらって。
__ 
とんでもありません。さて、最近は「ピラカタ・ノート」が終わった所ですね。非常に面白かったです。お疲れ様でした。
ごま 
ありがとう。
__ 
ピラカタという、架空の街そのものをテーマにした作品でしたね。傑作だったと思います。
ごま 
ありがとう。苦節14年にして(笑う)。これからも頑張らなきゃと思います。
__ 
応援しています。頑張ってください。
ニットキャップシアター
京都を拠点に活動する小劇場演劇の劇団。1999年、劇作家・演出家・俳優のごまのはえを代表として旗揚げ社会制度とそこに暮らす人々との間におこる様々なトラブルを、悲劇と喜劇両方の側面から描いてゆく作風は、新しい「大人の演劇」を感じさせる。日常会話を主としながら、詩的な言葉を集団で表現することも得意とし、わかりやすさと同時に、観客の想像力を無限に引き出す奥深さも持っている。(公式サイトより)
ニットキャップシアター第29回公演「ピラカタ・ノート」
公演時期:2011/03/12~13(名古屋)、2011/04/09~11(東京)、2011/04/15~19(京都)。会場:千種文化小劇場(名古屋)、下北沢 ザ・スズナリ(東京)、アトリエ劇研(京都)。

タグ: 傑作の定義


自分専用神話をつくろう

__ 
もう本当に、面白いシーンを上げるとキリがないのですが・・・。国生み神話をモチーフにした冒頭から非常に面白かったです。あの二人の掛け合いが、色々な見立てが重なっていて。例えば松下幸之助や京阪電車が擬人化の上に神格化されて、痴話喧嘩の末に二社が交わって枚方市が出来るという。庶民的なウソ神話から始まる広がる壮大な箱庭感を感じました。
ごま 
いやー、やっぱり神話っていいよね。みんな一人ひとり、適当に自分専用の伝説なり神話なりを持ったらいいのに。
__ 
というと。
ごま 
色んな事が相対化されて無価値になればいいのにって願いはあります。例えば「ピラカタ・ノート」には天皇家になぞらえた松下電器の総務部長一家でてくるんだよ。
__ 
幸之助松下ノ神の系譜ですからね(笑う)。
ごま 
あのニセ天皇は相対化を超えて、ほぼ嫌がらせなんだけど(笑う)。

タグ: 伝説的な公演


「ピラカタ」という白紙

__ 
そうした、ごまさんの妄想という神話から生まれた街「ピラカタ」。この街を、国生みの瞬間からマクロ・ミクロな視点にかけて色々な部分から切開し、そこに住む人々を描き出すという作品でした。
ごま 
ガルシア・マルケスという人の書いたシリーズに、マコンドという街の話があるんです。「祖先の墓が出来るまでは、そこは我々の故郷とは言えない」っていう記述があってね。枚方も、僕ら新しい住民にとっては、まだ誰もそこに骨を埋めていなかった。
__ 
でも、次第に人は死んでいく、
ごま 
そう。例えばニュータウンでも死者の形跡というか、証やエピソードは残る。マンションの7Fに住むあの奥さんが育児ノイローゼで子供を落としちゃったとか、あの角で誰かが交通事故に遭って亡くなったとか。怪談話のような体裁で人から人へ伝えられていく。そういうイカガワシイ話を思い切り引き伸ばして神話にまでしてしまった。
__ 
なるほど。
ごま 
でも、枚方って無個性な街なんですよね。神戸とか京都とか、特色があるじゃないですか。枚方にはそういう、これといった特徴もないし、生み出せないところがある。
__ 
真っ白な、歴史のない土地に経済的な理由だけで街を作る。でも、そこに生きている人々は紛れもなく生きているんですよね。例えば、高原さんが演じる少年が自分のおしっこを掛けて形作った「尿神様」(にょうがみさま)。あの存在が非常にリアルに感じたんですよ。
ごま 
適当やね。あの高原さんがやった役が今回一番好きやったね。
__ 
最後のシーン、人々がピラカタ=枚方という街の夜景を眺める時に、それまでの時代も場所も世界の切り取り方も全然違う全てのシーンや、俳優の姿が一つになって、客席をどこか知らない街まで連れ去ってくれたような。その時、舞台で高原さんが電車を持ち上げてしまうみたいな演技までが新鮮だったんですよね。そのラストの演技にドライブ感があって、だから傑作だと思ったんですよね。
高原さん
ニットキャップシアター。女優。

タグ: 一瞬を切り取る 妄想 作家の手つき


AAF リージョナル・シアター2011-京都と愛知-
京都舞台芸術協会プロデュース公演『異邦人』

ごま 
さ、協会の話をしよう。
__ 
おっ。そうですね。協会の話をしましょう。そうそう。リージョナルシアター「異邦人」ですね。どんなお話なんでしょう。
ごま 
「こいつら嘘ばっかりついてるな」と思った(笑う)。
AAF リージョナル・シアター2011-京都と愛知- 京都舞台芸術協会プロデュース公演『異邦人』
山岡徳貴子・作。柳沼昭徳・演出。公演時期:2011/6/9~12(京都)、2011/6/18~19(愛知)。会場:京都芸術センター、愛知県芸術劇場小ホール。

その林の中で

__ 
今回、山岡さんの戯曲が選ばれましたね。
ごま 
そうですね。個人的にも京都でしばらく山岡さんの作品が上演されていないというのは寂しいなと思ってたし。
__ 
そういえば久しぶりの上演ですね。「着座するコブ」以来の。
ごま 
そう。楽しみだよね。台本を読んで、やりようがいっぱいある作品だと思った。最初の読み合わせを聞いた後も、これは僕の性格の悪さかもしれないけど、感想が「これ、嘘ばっかり書いとるな」と。どこに誠実さがあるか分からないんだよね。一方、あるスタッフさんは「いやあ、重たい話だねえ」っておっしゃっていて。それを聞いて作品の幅を感じた。どこに本当が、どこに嘘があるのか。何故ウソをつくのか。訳の分からないことが、舞台となる林の中で起こってる。
__ 
誠実さが見えないとは?
ごま 
なんだろう。一観客として、登場人物が自己申告で身の上話をしたら、まず疑うんですよ。ほんとかなって。それに演劇でさ、役者さんが登場人物に感情移入をすればするほど、その役者さんはウソが上手いってことになるじゃないですか。もう14年お芝居やってるけど、未だにそこがよくわからない。「うそでーす」ってどこかで言ってほしい気持があります。異邦人という本はラストが近づくにつれそういう疑いが止まらなくなる。
__ 
それはまさに、山岡さんの本ですね。
ごま 
うん。俺にはわからん事をやってる。好きなんですよ。台本読んだだけでも、本当にその、考えてしまうんですよね。それを柳沼君が演出するからね。皆楽しみなんじゃないかな。もう一回見ないと、って思わせるのが山岡さんの芝居なんだね。単純に感想を言えない。
__ 
あるシチュエーションに人物がいて、自然な会話のように見えて、違和感がつきまとうんですよね。「本当にこの状況で、その台詞が言えるんだろうか?」って。だからか、見ているとだんだん、感情移入すると同時に、何か自分自身の対人恐怖とも付き合わなければならない気がしてくる。ドロッドロしてそうですね。
ごま 
キレイな感じが漂うと、お客さんは中身をあんまり見ないんじゃないかなと最近思うんだよね。僕が演出するなら、という話になっちゃうけど、オシャレにはしないなと思う。
__ 
分かります。
ごま 
ピラカタもそうだけど、リノリウムを引いてキレイな明かりで見せたりすると、案外お客さんは中身を見ないんですよ。煙幕を張られると思うのかなあ。
__ 
オシャレを全面に出されるとそうなりますね。
ごま 
町屋カフェの偽物みたいな。その程度のオシャレさしか感じない時があって。雰囲気がありすぎるのも良くないかもなと最近は思ってます。
__ 
オシャレ、難しいですもんね。なんでしょう、オシャレなだけで終わるお芝居はあんまり見たくないですね。
ごま 
そうね。何が目的なんだ!って言いたくなる(笑う)。
山岡徳貴子氏
劇作家。演出家。魚灯。
「着座するコブ」
山岡徳貴子作品。リージョナルシアターシリーズ。
柳沼昭徳氏
劇作家。演出家。烏丸ストロークロック

タグ: オシャレをしよう


客席で孤独

__ 
雰囲気の良さを巧く作り出して、というのが最近は多いですよね。
ごま 
そうだよね。昔からそういうところはあるけどね。
__ 
個人的には、舞台と客席が一つになると言うことがもっと見直されればいいなと思いますけどね。
ごま 
うん。
__ 
観客が、共感するだけじゃなくて、舞台とつながるような作品が。
ごま 
僕は、観客が客席で、孤独を感じるような芝居をしたいな。
__ 
いいですね。
ごま 
だって「異邦人」を読んだ後に、登場人物達の独白も全然信じられなくて。俺って性格悪いのかなと思っちゃたもん。
__ 
そんなに信じられませんか。
ごま 
自殺を決意した人がそんなにペラペラ喋るか?黙って死ねばいいのに。この期におよんでまだ他人を求める気持がわからん。何かを信じたいのかな?
__ 
私は高校の頃、演劇部の顧問の先生に、色々連絡違いがあった後に僕がみんなから信用されていない事を打ち明けられたんですよ。
ごま 
辛っ!辛いなあそれ(笑う)。
__ 
他人を信用したりされたり、関係を作って生きるって意外と難しいもんですよね。ごまさんとはちょっと違うかもしれないですけど。
ごま 
僕は決してマッチョな人間ではないけど、「集団自殺」はわからん。だから「異邦人」も全然わからん。正直言って警戒してます。

質問 蔵本 真見さんから ごまのはえさんへ

Q & A
__ 
前回インタビューさせて頂きました、突劇金魚の女優、蔵本さんからご質問を頂いてきております。「1.体を洗う時、どこから洗いますか?」
ごま 
蔵本さん知り合いやで。(シャワーのマイムをして)左肩から洗うね。
__ 
ありがとうございます。ちなみに蔵本さんは頭から下にいくそうです。
ごま 
いや、僕もそうだね。
__ 
ちなみに私は頭を最後に洗います。
ごま 
あ、そうですか。
__ 
2つめです。「1週間オフになったら、どこに旅行に行きたいですか?」
ごま 
コロンビアかな。ガルシア・マルケスの作品の舞台を見にいきたい。

突劇金魚
関西学院大学の演劇グループSomethingの99年度生(OG)、サリngROCKを中心に結成。 2008年12月に蔵本真見が入団。2009年4月に演出助手の伊藤由樹が入団。現在6名で活動中。独特な関西弁のセリフまわしで、他にはない世界をつくる。不器用な登場人物たちのチョット毒あるお話を、派手目の極彩色でイロドる世界観。音で刺激。見た目で刺激。プププと笑って、チクッと刺される新感覚。(公式サイトより)

玉子焼き用フライパン

__ 
本日は貴重なお話をありがとうございました。お話を伺えたお礼に、プレゼントがございます。
ごま 
おお。噂の。
__ 
どうぞ。
ごま 
ありがとうございます。(開けずに)お、これは卵焼き専用かな。
__ 
そうです、玉子焼き用のフライパンです。よく分かりましたね。小さいフライパンですので、簡単な付け合せを作るのに便利かなと。
ごま 
蓋もついてる。なんか、悪いね。

タグ: プレゼント(食器系)


M☆3「こいのいたみ」

__ 
今日はどうぞ、よろしくお願いします。最近終わった公演といえば、M☆3の「こいのいたみ」でしたね。大変面白かったです。殿井さんは見せ場がいっぱいでしたね。包丁を片手に猫を捜し回る、ランナー役を熱演されていて。
殿井 
そうですか。ありがとうございます。お正月早々駅伝選手のような格好でしたが、ランナーという設定があったわけではなくて、役名も別にありました。
__ 
あ、そうなんですね。
殿井 
色んなシーンのあるお芝居だったので、シーンの順番をバラバラに稽古していたんです。小屋に入って、順番に場面が繋がった時に一連の流れが分かったんです。
__ 
というと。
殿井 
今までランダム再生で聴いてたCDアルバムを初めて頭から終わりまで聴いたような。全部聴いて一枚のアルバムだなって思う経験を、音楽でなく芝居でしましたね。一本のプロットがない不条理劇なので、見ていた方はどういう風にご覧になったのか気になります。
M☆3「こいのいたみ」
公演時期:2011/01/09~10。会場:AI・HALL。

vol.165 殿井 歩

フリー・その他。

2011/春
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殿井

弱男ユニット「教育」

__ 
私が殿井さんを改めてすごい人だと思ったのは、弱男ユニットの「教育」でした。
殿井 
え、ありがとうございます。
__ 
やっぱり、すごい迫力を持っている人だなあと思って拝見していました。俳優全員が客席の周りをぐるぐる歩きながら演技するという演出でしたが、ずっと目で追ってました。ラスト、結婚を約束していた筈の男を追いかけるところとか、痛ましくて。
殿井 
劇場全体がアクティングエリアになっていて、真ん中にピラミッド型の客席、というつくりになっていました。出演者は全員出ずっぱりでずっと{客席のまわりを}ぐるぐる歩いているんですが、お客さんの入った状態で6人で四面ある客席を360度カバーするのが難儀でした。やはり、稽古場と勝手が違って客席をはさんで反対側にいる役者の姿が見えなかったりするんです。劇場入りしてからすぐ手直しの作業になりました。そうですね、ずっと歩いていましたね。
__ 
ありがとうございます。今年は、他にKUNIOさんの公演にも出演されていましたね。見逃してしまいましたが、東京と京都で公演した「文化祭」。
殿井 
東京も京都も、親切でエネルギッシュな人たちがいて、知らない街に行ってみるのもいいもんだなぁっと。今年は歩き回ったり、東京に行ったり、京都にいったり、ちょこっと岐阜の大垣にもいきました。最後は走ったり。
__ 
名前の通り。
殿井 
あ、そうですね。名前の通り。
弱男ユニット「教育」
公演時期:2011/01/09~10。会場:AI・HALL。
KYOTO EXPERIMENT「HAPPLAY」特別企画『文化祭 in KYOTO』
公演時期:2010/10/28~29。会場:アトリエ劇研。
KUNIO
演出家、舞台美術家の杉原邦生さんのプロデュース公演カンパニー。特定の団体に縛られず、さまざまなユニット、プロジェクトでの演出活動を行っている。(公式サイトより)

タグ: 上演中出ずっぱり型演出 会場を使いこなす


vol.165 殿井 歩

フリー・その他。

2011/春
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殿井

大好きな時間

__ 
さて、殿井さんがお芝居を始めたのはいつからなのでしょうか。
殿井 
高校の演劇部からです。学校に登校する日は毎日部活をしたいと思って、文化部二つ、かけもちしていました。
__ 
あ、そうなんですね。お芝居を始める前にはどんな芝居を見てきたのでしょうか?
殿井 
高校の時に舞台を見始めたんです。高校生のおこづかいなので、年に数回、楽しみに見に行くみたいなおでかけみたいな感じなんですけど。そういえば、おさなごころに家族に連れられて遊気舎を観にいった記憶があります。関取の格好をした人が上下からお祝い用のクラッカーをくわえて出てきて、口の中で火薬を破裂させるさまを、何だか今でもはっきり覚えています。
__ 
あ、私もクラッカーは見たことがあります。女性でしたが。他にはどんな劇団を。
殿井 
劇団☆世界一団さんをよく見ていました。地球人大襲来というのを見て、衝撃を受けました。
__ 
今のsundayですね。私も好きです。何か影響をうけた作品はありますか?
殿井 
大学受験の夏に世界一団の作品をみたんです。「世界一団の博物館」という。信州大学の大学生が、誕生日に退学届けをだしにいく話でした。
__ 
面白そうですね。
殿井 
その時、「ああ芸術系なら数学のルートの計算しなくても入れるかな」と発想の転換がありました。

vol.165 殿井 歩

フリー・その他。

2011/春
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殿井

なんじゃこりゃぁ!

__ 
それで京都造形芸術大学に。
殿井 
大学に入って、まず、これまでみたことなかった映画や舞台にビックリしました。コンテンポラリーダンスなるものがあるのも知らなくて。ノートに書こうにも、知ってる語彙が少なくて。
__ 
ええ。
殿井 
そういうころに同じ学年の、ダンスに興味があって入ってきた人と話していると、語り口が熱くて面白そうに語っていて、うらやましくなったんですね。その熱意に惹かれて、ダンスの授業を取ってみようかなと。あと、当時授業でみた『Rosas danst Rosas』というダンスフィルムがカッコよくて、運動も苦手なので、まぁ自分には無縁だなぁと考えていたのですが。結局、学生時代の半分以上はダンスのクラスに在籍していました。はい。だから演劇一筋に志してきたわけでもないです。
__ 
なるほど。
殿井 
大学に入る前後に、舞台でも、音楽や映画でも、「なんじゃこりゃぁ」というものに出会ったのは、幸運でした。私の出身は都会でもない田舎でもない住宅街なので、そういうところでみかけないものがゴロゴロしている。

vol.165 殿井 歩

フリー・その他。

2011/春
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殿井

指一本一本まで、意識して動かしてみたい

__ 
どこかで聞いたのですが、殿井さんはアニメーションが作れるらしいですね。
殿井 
(笑う)技術は全然ないんですけど・・・。針金が入った人形をちょっとづつ動かしていくんです。
__ 
おお、クレイアニメみたいな。
殿井 
簡単な動作でも、いざ人形を動かしてそれらしくみせるとなると難しいです。普段自分がどうやっていたかを改めて思い返さないと。歩くことひとつとっても、膝が先だったかな?かかとかつま先か?と、改めて考えてみるとこんがらがってきます。
__ 
難しいですね。
殿井 
演劇やダンスの稽古エクササイズでもゆっくり歩く、動いてみる。というのがあるんですが、同じように難しいです。そういえば「教育」や、「文化祭」のときも、稽古のはじめの頃に「ゆっくり動く」ワークショップがありました。
__ 
はい。
殿井 
普段無意識にしていることが実は、難しいというか奥が深いというか、思い知らされます。
__ 
面白いですね。
殿井 
ロボットの開発みたいですが、常々指一本一本まで意識して動けるようになったらいいなあと思います。自分でできたら、人形でもできそうな気がするので・・・。
__ 
クレイアニメで日常の動きを作るには、自分の筋肉を人形に延長させて動き方を発見していかなくてはならない。制作するとき、人形を通して自分の演技を同時に見るという、普通ではありえない体験が出来る。
殿井 
そうですねぇ、いや、本当に拙くて私には演技というほどのことを人形にさせるだけの技量、人形作りの技術がまだないのですが・・・。ちがう分野をいったり来たりするというのは、何かしらの肥やしになってきたように思いますので、アニメーション制作もつづけていきたいですね。

タグ: 人形劇にまつわる話題 ロボット演劇


vol.165 殿井 歩

フリー・その他。

2011/春
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殿井