豆企画(タイトル未定)

__ 
豆企画はどんな感じですか?
延命 
台本はまだできてないんですけど、いやあ、台本が早い段階で在って困ることなんか何もないので、早く出来ているにこしたことはないんですけどね、台本ができないと情宣も出来ないですからね。いまは仮タイトルは「バードメン」にしてるんですけど、多分何の関係もなくなるので。
__ 
バードマンって何でしたっけ。
延命 
京大の鳥人間コンテストのサークルなんですけど、古野くんがそれにぶつかってしまい、壊してしまったことがあって。
__ 
軽い言い方だけどめっちゃ重い・・・
延命 
重い事態でした。バードマンの人がそこにいたんですけど、シーンってなったらしいです。もう何か、別にいいですよ、みたいな。怒るとかではなかったらしいです。 
__ 
数ヶ月掛けて作った機体が、どこからともなく突っ込んできた古野君によって突如壊れると。面白すぎますね。それはもうタイトルにするしかないですね。
延命 
まあ最終的にはそのエピソードは入らないので、タイトルにはしないですけど。
__ 
何を題材にするかとかは決まっていますか?
延命 
元々ヨーロッパ仁鶴みたいなことをやろうという話になっていたんです。今年、「サマータイムマシンブルース」をやらはるから、タイムスリップものにしようと。三人とも同級生なので、バードマンのメンバーがタイムスリップする話になるかもしれません。
__ 
今回、豆企画をやろうと思った理由は何ですか?
延命 
伊藤泰三君がインドに留学するらしくて、その前にお芝居をやろうという機運になって。彼は作者の言いたいことがあるお芝居を最近ずっとやっていて。で、言いたいことがないお芝居を。「抱腹絶倒のお芝居をしたいので」と言われましたが、そんなにハードルの高いことはできないよと。そしたら、ヨーロッパ仁鶴みたいな感じで、と。あの三人はそんなにヨーロッパ仁鶴っぽくないですが。
__ 
ヨーロッパ仁鶴とはヨーロッパ企画のコピー劇団ですね。
延命 
毎年、タイトルだけは考えてます。「バードメン」の前の仮タイトルは「とびだせロボコン」で、それは「出てこようとしてるトロンプルイユ」にちなんだタイムリープものでした。
__ 
「サマータイムマシンブルース・リー」とかね。
延命 
タイムスリップしててんやわんやになる。今回は吉田寮食堂を剥き出しで使うかもしれません。この間見たら思いのほか広かったので、客席だけ幕を吊るかもしれません。プロデューサーの鍵山さんによると、テーマは寮食だそうです。
__ 
延命さんにとって寮食とは何ですか。
延命 
同じ京大のブンピカなんかはちょっとお邪魔してる感があります。でもそれはやみいち行動に対するお邪魔してる感なのかもしれません。
__ 
ホームグラウンドですからね、寮食は。違いますけどね。
延命 
みんな勝手に言ってるだけの。
豆企画第8回公演「花の中退トリオ、タイムスリップする、夏」
作・演出 延命聡子
出演 伊藤泰三 近衛虚作 酒井信古
日時 2018年7月6日(金) 19:00
7月7日(土) 14:00/19:00
7月8日(日) 14:00/19:00
会場は開演の30分前

料金 前売900円
当日1000円
高校生以下500円
吉田寮生無料

会場 京都大学吉田寮食堂

舞台監督 平林肇
音響 岡本昌也
武田暢輝
照明 渡邉裕也
制作 中島涼太
宣伝美術 岡本昌也
企画製作 鍵山千尋

身体を鍛えるかもしれない

__ 
延命さんはどんなことに挑戦したいですか?
延命 
ちゃんと体が動くようになりたいですね。その辺りをずっと克服できないので。
__ 
踊りとかが出来るように、ですか?
延命 
ダンスもそうですし、殺陣とかも。
__ 
走りこんだりとか、反射神経とかですかね。
延命 
体力も年々落ちてるので、走ったりするのもいいかもしれません。
__ 
歩いたりするといいんじゃないですか。
延命 
職場まで歩いてちょうど20分間ぐらいなので歩こうとは思ってるんですけど。
__ 
自分の身体や内面が変化していくことについて、どう思いますか。
延命 
体力の衰えとかもあるんですけど、年取ってできるようになるお芝居があるというのは、確かにあるかもしれないなと思い始めています。もうちょっと経って、セリフが覚えられなくなるというところに差し掛かったら、その時にまだポジティブでいられるかどうかは分からないです。
__ 
それは怖いですね。セリフの覚えられない延命さんは想像がつかないな。
延命 
そうなっていきますよ、やっぱり。

忘れる

__ 
忘れるということに最近興味があって。1.休憩時間にトイレに行く。ついでに給湯室で水を汲もうと思って、一緒に水筒を持っていく。2.水筒を給湯室に置いとく。3.トイレで手を洗い、自室に戻る。ここで水筒を忘れる。
延命 
絶対忘れる!
__ 
それに興味があるんです。一つ段階が終わって、「次の行動」に移った時、予定が完全に消失しているその無情さに興味がある。思い出すという奇跡は果たして起こり得るのだろうか。15%ぐらいの確率で思い出すんですけど。役者は筋書があるから思い出すとは思うんですけど。延命さんは、演技について最近考えていることはありますか?
延命 
うーん。

なぜ役者は演技を行えるのか

延命 
演技って何をしたらいいのか、年々わからなくなっていってます。何を考えながらみんなお芝居してるんだろう。
__ 
というと。
延命 
私、本当にその役として喋るということと、舞台上から届く大きな声を出すというのが両立できないんですよ。なんかこう、舞台上で何をしてるんだろう、というのがだんだんわからなくなってきてます。何だろう。演技ってどうしたらいいのか。
__ 
意識の持ち方の話っぽいですね。例えば丹下真寿美さんはインタビューの時に仰ってたんですが、自然にその役の気持ちになって演技出来るそうですよ。
延命 
はい。
__ 
かと思えば、役の気持ちは何も触れずに、ずっと自分を操っている意識の役者もいる。じゃあ役って何だろうと言うと、これはもちろん台詞の固まりという訳じゃなくて、生身の肉体なんじゃないかなと思っていて。役者に与えられた役は、社会状況によって生み出されている実体で、役者はそこに重みを与えようと器づくりをし、二つが重なっていく、みたいな現象を「役作り」と呼ぶのかもしれないと思っているんですが。
延命 
役者とか舞台とか脚本とかのレイヤーが終わった状態で、本人が意識することは何もあるべきではないということ?
__ 
役柄は役者と別の存在で、役者本人の意志とは関係なく存在し、役者という実態と結合した時に観客の鑑賞が動員される、という仕組みがあると思う。
延命 
私が自分でお芝居を見る時には、お芝居そのものが好きなので、役者さんの意思が見えていても構わないんですね。虚構だと思って観ているので。普通の人よりも、見る時の許容範囲が広くて。おそらく。だからそこで、一般的な許容範囲というものがどれくらいなのかちょっとよくわからなくなっています。のかなあ。私はメタフィクションが入ってる劇が好きなんですけど、人によってはそれはダメだという人もいて。単純にそういうことなのかな。
__ 
観客として、メタフィクションの手法を取り入れるべきか否かということ?
延命 
私は単純に、お芝居をお芝居として見る側の人なので。そうじゃない人の許容範囲ってどのくらいのものなのかわからないのかもしれないです。
__ 
実存の演技を受け止めるとき、役柄演技としても役者の演技としても受け止めてるよという事なのかな。

質問 田中沙穂さんと森谷Aさんから 延命 聡子さんへ

__ 
前回インタビューさせて頂いたお二人から質問をいただいてきております。まずは劇団衛星の新団員、田中沙穂さんから。「最近携わったお芝居で、印象に残った場面はありますか?」
延命 
一番最近やらせてもらったのが、3月のイカスケさんで。共演者のお芝居ばかり見ていました。最後のシーンのヒロインの岡田由紀さんの表情ですね。私もどちらかと言うと感動させる立場にいたのに。その後のシーンの鈴木太海さんも、壱劇屋丸山さんのお芝居も。
__ 
同じく、劇団衛星の新団員の森谷Aから。「生きていく上で欠かせないものは何ですか?」
延命 
ご飯。トータルで言うと健康ですかね。年々、健康が大事だなという割合が増えていきます。ほんまにパフォーマンスが落ちるな、と。
__ 
健康を保つのは難しいですからね。若い頃はどうにか少々体調が悪くても乗り切れたんですけど。

これから

__ 
今後、どんな感じで攻めて行かれますか?
延命 
・・・逆に、どんな感じで攻めて行ったらいいと思いますか?
__ 
うーん。
延命 
とりあえず私は、スケジュールの問題以外ではお断りすることはないようにしようとしてるんですけど、それは攻めてないですよね。
__ 
それは十分攻めだと思いますけどね。
延命 
確かに凄い攻めてるスケジュールかもしれませんね。5、6、7月と、休みゼロで、夜何もない日すらない。本当に健康が大事ですね。
__ 
攻めの休みを持てばいいんじゃないでしょうか。

日傘

__ 
今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントを持って参りました。
延命 
わあ。ありがとうございます。(開ける)おお!無くて困ってたんですよ。
__ 
マジすか。
延命 
はい、重たいのしか無くて。
__ 
軽量タイプです。爽やかなセーラーっぽい柄を選びました。
延命 
そうそう、今帽子も無いから。

『白くもなく、さほど巨大でもない塔を覗き込む、ガリヴァー』

__ 
今日の稽古はいかがでしたか?
田中 
今までの稽古とは違って、ちょっと緊張しました。3回目の通し稽古でしたが、私のやることも増えてきて。
森谷 
僕の場合はやることがあんまり変わらなくて。なんだかやっぱり、芝居をしてる時以外の仕事をテキパキ動かないといけないなと思っています。ゲストの方への対応だとか、スタッフさんへの配布用の台本の準備だとか。緊張する時間がない状態で通しに入っていくので。
__ 
いいポジションですね。本番10日前ですが、それぞれどんな気持ちですか?
森谷 
今はすごく楽しみです。これまで見に来てくださった関係者の方には、やっぱりリアクションしていただくとすごく嬉しいです。早く見に来ていただきたいです。
__ 
私も今日通し稽古を拝見しましたが、笑えるところはめちゃくちゃ笑いましたね。
田中 
笑い声が聞こえてきて、すごく安心しました。
__ 
全然大丈夫です。そういう仕上がりになっています。
田中 
良かった。10日後に本番という実感がまだあまりなくて。でも以前衛星に出演した時とは違い、劇団員として出演するのは今回が初めてなので気を引き締めていきたいと思います。
__ 
気を引き締められますか?
田中 
今回は刺激的な役をやっていますけど、頑張ります。
__ 
ガリヴァー。やりがいがあるとしたらどんなところですか?
田中 
私は多分、他の方に比べて出演する時間とセリフが少ないんですけど、その中でどれだけ印象付けられるかなと。そこに気をつけていますね。
__ 
少ない出番の中で。
田中 
人畜無害のバリボリドゥティカ役でいかにセクシーを極められるか。うまくできた時はやりがいを感じます。
森谷 
僕の場合は、最初から最後までいるので。その中でちょくちょく転換点と言うかスイッチを入れる役どころなので。その時はやりがいがあります。そこは総じて好きなシーンです。
劇団衛星5月新作公演『白くもなく、さほど巨大でもない塔を覗き込む、ガリヴァー』
作・演出:蓮行
舞台は、日本教育方法工学会。とある会場では、ハートウォーミングアクティビティ(HWA)にまつわるセッションが行われていた。1つめの口頭発表が終わり、デジタルデバイスを活用した質疑応答の時間、異彩を放つ「彼」の質問を、司会者は思わず取り上げてしまい…。

本編上演:2018年5月11日(金)-13日(日)/18日(金)-20日(日) (8stage)
5月11日(金)19:30開演
5月12日(土)14:00開演/19:00開演
5月13日(日)14:00開演
5月18日(金)19:30開演
5月19日(土)14:00開演/19:00開演
5月20日(日)14:00開演

関連企画:2018年5月11日(金)-20日(日)

キャスト:
【出演】ファック ジャパン・黒木陽子・紙本明子
田中沙穂・森谷A・渡邊 B 智也
佐々木峻一(努力クラブ)・阿僧祇(演劇集団Q) ・ 蓮行
他、日替わりゲスト

スタッフ:

作・演出:蓮行  演出補:西井桃子
舞台監督:渡川知彦 舞台監督補佐:脇田友
舞台美術:大原渉平(劇団しようよ)
照明:木内ひとみ
音響:島崎健史(ドキドキぼーいず)
映像:中田光昭
宣伝美術:大原渉平(劇団しようよ)
制作補佐:大石達起(IN SITU) 田中直樹(劇団ひととせ/劇団未踏座)
プロデューサー:植村純子

会場:
KAIKA / AKIKAN(京都市下京区岩戸山町440 江村ビル2F/3F)

料金:
「学会員」で参加観劇するか「非学会員」で覗き込むか・・・
二つの楽しみ方ができるお席をご用意しております。
学会員(参加型):
¥3000/一般会員
¥2000/学生会員
学会員には、積極的に作品にご参加いただきます。座席は会場前方の「学会員席」になります。

非学会員:
¥3500/一般
¥2500/学生
鑑賞のみご希望の方向け。座席は会場後方の「非学会員席」になります。

関連企画追加:
¥500/1PROGRAM

チケット購入

※全て、観劇+関連企画1プログラム参加or粗品付き。
※本編観劇・関連企画それぞれ日時指定が必要です。
(複数の関連企画への参加を希望する場合、合わせて追加申し込みできます)

※チケットご購入後のキャンセルは出来かねますのでご了承ください。
※未就学児童の入場はご遠慮ください。

ズレていく演技の味

__ 
今回はとても色々な要素が絡まっている作品だなと思います。演劇的にというだけじゃなくて、テクノロジーを使っている上に、観客が参加する場を組み込ませているから、テンポがズレたりしたのが邪魔だと思ったり、ちょうど良かったりもする。どういうことかと言うと、大学関係者という政治的な身体と、演劇人という身体、そして役柄演技の身体が入り乱れて、オカルト的奇妙さが漂うまでに複雑なんですよね。稽古場ではそういうズレが意識して演出されているのでしょうか。
森谷 
まだテンポがあっていないだけだと思いますね。それは今後詰めていくんじゃないかと思います。
__ 
魅力的な生感・グダグダ感を意図的に残すべきなのか。それとも消していくのか。個人的にはいい味だと思いますので、このまま上演してほしいですけどね。
田中 
グダグダ感というのは、例えばキッカケが合わないということなんでしょうか。
__ 
それもそうなんですけど、バックグラウンドが全く違う人間たちの体の動かし方を政治的身体のありようとすると、それぞれのコミュニケーションのスレ違いが滅法面白いんですよ。その味がこの作品のテーマなんじゃないかなと思っていて。
田中 
その辺りは言ってましたね、植村さんとか。そこが上手く伝わったらいいんですけど、伝わらなかったらもったいないなと。
__ 
何て衛星らしい作品なんだと思いました。そういう賭けに出るのがね。

今回挑戦したい事と、演劇を始めたキッカケ

__ 
今回の作品で挑戦したいことはありますか?
森谷 
僕自身は、衛星の公演に出させていただくこと自体が初めてですし。所属していたACT以外の場所で舞台に出るのも3回目なので。挑戦というよりも、まずは自分を覚えてもらいたいと思います。
田中 
私は、今回の公演に出ること自体がひとつの挑戦ですね。
__ 
なるほど。次の質問。お二人が演劇を始めたきっかけを教えてください。
田中 
演劇を始めたのは中学校の頃からです。元々声の仕事がやりたいと思っていたんですが、隣りに住んでいた子が俳優事務所に入っていて、「演劇の勉強をしてみたら」と勧められて入ったのがキッカケです。
__ 
劇団ひまわりですね。
田中 
はい。今年の3月まで入っていました。
__ 
森谷さんは。
森谷 
僕は大学生から始めました。新歓でクラブに入り損ねて。学部の友達に「人が少ないから見学に来てくれないか」とACTに誘われまして。先輩が優しかったのと、元々僕は、演劇とはちょっと違いますかコントとか映画が好きだったので。そしてそのまま続けているという感じです。京都学生演劇祭のドラフト指名で蓮行さんに指名を受けました。僕はそこにいなかったんですけど後日連絡を受けました。

非日常演劇に参加するということ

__ 
ガリヴァー。個人的にはこれぐらい変わっていなければ衛星の作品だとは言えないと思ってるんですけど、演劇の良さを生かしたというわけではないなと思っている。かなりお客さんの解釈能力に依っているような気がする。ついていけないお客さんは退屈かもしれない。残りの10日間でその辺りを調整していくとは思いますが。ただ私はこのまま上演してほしいと思っています。この味を残して欲しい。まあ、面白さの価値基準が今までにないような、そんな作品だと思いますね。後半の10分で全てを間に合わせるみたいな。
森谷 
僕は演劇って、結構、何をやってもいいのかなと思っているのです。ACTで作るのはスタンダードな演劇なんですけど、初めての客演で参加した舞台が、本当に何をやってもいいという感じだったので。「スーパーマツモト2」という。自分が死ななければ何をやってもいいのかなと。そういう意味では今回は全然、演劇してるなと思ってます。
田中 
私もひまわりにいた時は、先生によって降ってくる台本が様々なのでびっくりすることはなかったです。ワクワク感は強いです。

質問 福井 裕孝さんから 森谷Aと田中沙穂さんへ

__ 
前回インタビューさせて頂いた、福井裕孝さんから質問をいただいてきております。「なぜ俳優を続けているのですか?」
田中 
私は演劇を続けようと思った時に東京に行くことは考えていなかったんですよ。ひまわりに入っていて、俳優の道の厳しさは身にしみて感じていたので。東京にとりあえず行くというよりは、今までやってきた場所で経験を積んで行きたいなと思っていたからです。個人的に大きい目標があって、それは衛星だったら叶えられるのかなと思っていて。
__ 
その目標とは何ですか?
田中 
大学生の時に東アジアについて勉強していまして、自分の勉強を活かして、日韓中で演劇を通した文化交流を促進していきたいと思っています。衛星だったらそれが実現できるじゃないかなと思っています。言語も喋れないわけではないので、自分の能力を活かしていきたいと思ってます。
森谷 
僕の場合は、ACTで色々やらせてもらった経験を通して、自分の起こした行動に対してお客さんがリアクションを返してくれたりするのがすごく気持ちが良くて。ACTでよくやっていたいたエチュードとか。好きだからですね。演じることが。
__ 
是非衛星にこだわらず、色々な所で舞台に立ってほしいと思います。

身体

__ 
今回はとりわけふわふわした芝居ですが、身体をどう持って行きたいですか?テンションを保ったりだとかそういう意味で。
田中 
今回のお芝居では二つ役をいただいているんですが、役毎に違ったテンションで動かしていきたいなと思ってます。
森谷 
僕は、今回の作品では仲間がいるときといないときでかなり違うので。一人だけの時はぼーっとしてるんですけど。後半はちょっと気が張りますよね。気は張ってますけど大事なところが抜けてるから、ああいう運命になってしまうんですけどね。

緊張してます

__ 
田中さんから森谷さんに何かありますか。
田中 
森谷さんとは同じ時期に入団した割にあんまりまだ仲良くなれてないんですよ。お互い忙しいのもあるし、私自身が人見知りというところもあるので。そうですね、これから上手く打ち解けられたらいいなと思ってます。宜しくお願いします。
森谷 
こちらこそ。本当に、未だに緊張するんですよ、KAIKAに来るときは。小脇にも長く居れないんですよ、あの静かな場所に入っていくのが。お疲れ様でしたと言って帰って行く時にも緊張しているので。
__ 
私もいまだに緊張しますけどね。衛星は、自分の領分で責任を持った仕事をやるのは当然で、その仕事に対して色々な立場で検討出来る人が評価されるんじゃないかなと思う。効率的に、だったり、後先や周囲の事を考えたり、予想したりだとか。つまり仕事の深さと同じく主体性が評価される気がする。

これからよろしく

__ 
今後、どんな感じで攻めて行かれますか?
森谷 
とにかく自分のことを知ってもらうことですね。ACT自体が、あまり開かれていない山の上でやっていた劇団なので、まずは京都の方に自分の存在を知ってもらうことがやりたいことです。
田中 
私はもちろんお芝居が大好きなんですけど、さっきも言った通り文化交流の促進にも積極的に活動していきたいので。割とオールマイティにお芝居に関わっていきたいです。

林檎柄の手ぬぐいとビーフジャーキー

__ 
今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントを持って参りました。
田中 
ありがとうございます。
森谷 
あ、これは!ビーフジャーキー。いいですね。ありがとうございます。
田中 
わー、手ぬぐい。可愛い。ありがとうございます。

インテリア

第1回 京都でコントやってます会 出展作品「モデルルーム」 撮影:築地静香
__ 
今日はどうぞ、よろしくお願いします。演出家の福井裕孝さんにお話を伺います。最近はどんな感じでしょうか。
福井 
4月のコント公演が終わって、今は5月の公演の準備を進めています。
__ 
そう、「京都でコントやってます会」に出した「モデルルーム」が終わり、5月の公演は「インテリア」ですね。どんな作品になりそうですか?
福井 
当初は、これまでのクリエーションを踏襲するような感じでと思っていたんですけど、4月のコント公演で(総括じゃないですけど)それは多分やり切ってしまって。5月はどうしようと。同じことやっても仕方ないので。
__ 
ゴールが揺らいだ、ということですか。
福井 
そうですかね。今回は出演者の向坂さんとかなり近い距離でつくっていて。段々向坂さんが演出助手みたいになってきて、それがいいのかどうかわからないですけど、舵が行ったり来たりしているような気がします。
__ 
それは大局的に言うと、目的に向かって歩いているのか、迷っているのか。
福井 
いつもそうですが、作品の条件とか状況みたいな、大枠は最初に設定してしまっていて。今回で言えば一つの部屋、生活空間の中で一人暮らしの人が生活している様子をルーティンと言うか、反復して見せるというフレームがあって、それは変わりません。「人」と「物」と「空間」がどういう風に持続したり変化したりするのか、見え方の部分を試行錯誤しています。だからゴールの周縁で右往左往しているんですかね。
インテリア
INTERIOR

2018.5.17-20
trace|京都市

 インテリアは、人の生活する室内「空間」と、その空間を構成している家具や家電、装飾品といった「モノ」の両方を意味しています。寝室という空間を寝室たらしめているのは、ベッドというモノとそこで「寝る」意志と行動を示す人の存在のはたらきです。そこに位置する人やモノによって空間や状況は措定されていく一方で、措定された空間や状況に人の意志やモノの機能は従属しているようにも見えます。この相依的な関係を示すことから、演劇が生成される空間について考えたいと思います。この作品は、ある一人の「人」の私的な生活風景を再演出して構成し、上演とします。日常の地平から本来の「人」と「モノ」と「空間」の関わりを顕在化させ、これまで演劇が一方的に私語を禁じてきた「モノ」や、劇場によって隠蔽されてきた「空間」と新たに出会えることを期待しています。
[構成・演出] 福井裕孝 

[出演] 向坂達矢 金子実怜奈

[舞台監督] 長峯巧弥 [音響] 宇野愛生 [制作] 溝端友香 [会場運営] 高嶋Q太 [製作] 福井裕孝 [協力] 後付け 京都ロマンポップ解散中 劇団西一風

日時

2018年

5月17日[木] 18:00
5月18日[金] 14:00★/19:00
5月19日[土] 14:00 /18:00
5月20日[日] 14:00★

※受付開始・開場は開演の30分前です。
※上演時間は約70分を予定しています。
※演出の都合上、途中入場をお断りする場合がございますので、お時間に余裕を持ってお越しくださいませ。
★アフタートーク|終演後、ゲストの方をお招きして、トークを行います。
5月18日[金]14:00 筒井 潤氏(dracomリーダー/演出家/劇作家/俳優)
5月20日[日]14:00 山﨑健太氏(演劇研究/批評)

料金
一般|¥1,800 [+1order] 
学生・U-23|¥1,500 [+1order]
チケット取扱
webフォーム(カルテットオンライン)
https://www.quartet-online.net/ticket/interiorfukui

会場
[トレース]
trace
〒600-8834 京都府京都市下京区和気町4
http://trace-kyoto.com
第1回 京都でコントやってます会 出展作品「モデルルーム」
公演時期:2018/4/16~16。会場:人間座スタジオ。

同じ価値を持つ

努力クラブ コント持ち寄り公演『小騒動』出展作品『Penguindam』
__ 
福井さんの作品は「Penguindam」と「モデルルーム」しか拝見していないんですが、特に「モデルルーム」は観客の集合意識というものがテーマだったんじゃないかなと思っていて。観客は観客席において「学ぶ」という内的な作業をやっているんですよ、ずっと。それは観客それぞれで全然違うプロセスを辿ってると思うんですけど、それが同時多発的に起こると途端に一つの処理としてまとまるような気がしている。学校における教室、という共有体験の影響かもしれない。
福井 
観客の知覚の経験のことで言えば、「見る」ということについてはつくる上で慎重に考えているつもりです。「モデルルーム」もそうですが、「見られる作品」をつくるというよりも「作品が見えている状況」をつくる、みたいなことを考えています。大森荘蔵という哲学者が、本来視覚は主客二分できない経験だって言っていて、演劇だと見る/見られるみたいなことがありますけど、本来それは見ている観客自身をも含めた全風景が見えているというような状況なんじゃないかと。そういう意味では場所というのも重要な要素になってくると思っています。4月のコント公演は会場が人間座だったんですけど、まずそこで何が上演できるのかっていうところからはじめました。移動可能というかどこでも上演できるような作品ってあると思うんですけど、この場所で上演される意味とか必要性が別にないんだったら、それってそもそも上演される意味ないんじゃないんかって最近思うようになって。極論なんですけど。俳優が客席に何か働きかけたりライブ感を共有したりすることよりも、ここがどういう場所で、上演によって作品とどう呼応し合っているのか、っていうようなことの方が演劇が本来取り組むべきことなんじゃないかと思っています。
努力クラブ コント持ち寄り公演『小騒動』出展作品『Penguindam』
公演時期:2017/6。会場:アトリエ劇研。

時間軸の要求

__ 
人と物が同じレベルでそこにある、という視覚体験を届けたい?
福井 
それが目的というか、本来はそうですよねって。壁黒く塗って抽象化して、空間が際限なく広がっているイメージを与えても、壁そのものは俳優と同じく物量的にそこに在ってしまっている。当たり前なんですけど、単純にそういったことを認めるところから上演をはじめたいんだと思います。そこは何もない空間じゃなくて、何かがある場所なんだっていう認識や視野をお客さんにも求めたい。別にそこからでも演劇は実現できると思います。インスタレーションやパフォーマンスの類に傾倒せずに。
__ 
ちょっと思ったんですが、インスタレーションや彫刻作品とかだと、鑑賞の主体は観客であるため、その人に時間の主導権が握られていると思っていて。しかし演劇やパフォーマンス作品だと舞台上にそれが握られている。さらに演劇は、お話それ自身が持っている時間軸がその横にある。そのあたり、見え方の変化についての検討に援用出来ますか?
福井 
最近、演劇以外の美術や建築の分野に関心があって、最初はそういった文脈の考え方を演劇の中でどう再提示できるかみたいに考えてたところがあったんですけど、ちょっと引いて考えてみたら単にパッケージを変えただけで、それはインスタレーションでええやん、みたいなことが多分にあるんじゃないかって感じて。ジャンルに強くこだわっているわけではないんですが、演劇には演劇の特異性があるというか、観客と舞台、こことそこでの時間や空間の流れ方の相違であったり、上演っていう表示形式や構造自体に何か可能性があるんじゃないかと今は思っています。だからいずれそういう演劇の形式とか通念みたいなところに戻ってくるのかなと思っています。全然わからないですけど。
__ 
環境としての演劇にね。
福井 
僕はつくるとき基本的に現実の時間の流れにそのまま乗っかっているので、正直演劇の時間軸みたいなことはまだあんまり考えられてないんですけど。
__ 
ちょっと時間について私がこだわりすぎましたね。
福井 
いえいえ。
__ 
ただ、「Penguindam」では舞台と観客が同じ時間の上にあって、そこで観客が認識を発達させていくというのが面白かったです。
福井 
「Penguindam」はある意味音楽劇だったんでそうですね。時間のことはスピーカーに丸投げして、ふざけようと思っていました。

私とワンルームマンション

第1回 京都でコントやってます会 出展作品「モデルルーム」 撮影:築地静香
__ 
チラシの文章から推測したんですが、福井さんは空間における物の動きから、観客の認識がどのように反応するかというのを検証しようとしてるんでしょうか。
福井 
「モデルルーム」はそういうことに近かったのかもしれません。5月の「インテリア」はきっと動き方の質感が違うというか、人と物がただ同じ空間に位置しているということ以上に、生活者と生活品、所有者と財産みたいな関係があるので、「モデルルーム」では人と物がそれぞれ異なる、他者的な存在として出会うことからはじまるのに対して、「インテリア」は人も物も一つの生活のコミュニティに属しているところからはじまる。そういうすでに形成された人と物との関係が、生活の時間の中でどう変化していくように見えるのか、っていうことなんですかね。
__ 
前者のテーマは配置状況で、後者はその変遷ですね。
福井 
やりたいと思っていることは基本的に同じなんだと思います。このあいだ稽古場で向坂さんと「物も戯曲やな」って話していて。人に意味や情報を提供して行動とか振舞を要請する、人に演じさせるという働きを持っているという意味では戯曲と同じやん、と。それはアフォーダンスの理論に近いと思うんですけど、物の位置や配列、あるいは環境から相対的に関係が見えてきたりとか、そこに持続している何か状況が、一室の中で部分的に、あるいは全体的に転換していくというような事ができたらいいなと思っています。