自分を満たす方法

__ 
永野さんが俳優を続ける理由とは。
永野 
やっぱり、日常の生活で吐き出せないところが多いじゃないですか。それをセリフで吐き出してるみたいな。それを苦にしない人もいれば、文字にする人もいる。スポーツで発散する人もいるし。
__ 
永野さんはどんなタイプ。
永野 
自分をもっと知ってもらいたいという思いが強いんでしょうね。だから俳優をやっているんじゃないかと。単純に、お客さんの前に立って笑わせたり感動させたりするのが好きっていうのもあると思うし。自己顕示欲が強いんじゃないですかね。
__ 
ご自身でそう仰るって、カッコいいですね。
永野 
今の言葉?(笑う)自分が人なみなのかどうかわからないけど、やっぱり固執していると思う。でも、これ以外には自分を満たす方法を見つけられていないですね。

ヨーロッパ企画第29回公演「サーフィンUSB」

__ 
あ、ヨーロッパ企画といえば次回公演が再来月に。タイトルがいいですね。「サーフィンUSB」
永野 
サーフィンものってどう舞台で表現するのか。現在、研究開発中です。
__ 
一昨年の年末のBRAVA!でやってたカウントダウンのコントで、サーフィンものがありましたね。
永野 
もともと作・演出の上田の中で、「波」というテーマを扱いたいとという思いはあったみたいで、その延長線上にBRAVA!でのコントもあったんでしょうね。本公演はもっと、非日常寄りになると思いますが。
__ 
実は今日、悪い芝居のアフタートークで上田さんが出てきて。舞台上に扱いづらい要素を載せるという事について話されてたんですよね。振り返ってみると、ヨーロッパ企画の公演では、完全にコントロールの利かないものがよく出ますよね。
永野 
地形演劇ってよう言ってますけど(笑う)。その上で、役者の体がライブで動いている面白さがあるんでしょうね。
ヨーロッパ企画第29回公演「サーフィンUSB」
作・演出・上田誠。公演データは>>公式サイトへ

タグ: 非日常の演出


何を人に気を使って・・・。

__ 
今後、どんな感じで攻めていかれますか?
永野 
自分の作った世界を人に見せることに意欲が沸いています。作品を発表していきたいなと思います。一方で、俳優業も、自分の面白いと思う表現をきっちりパッケージして人前にたてるように突き詰めていきたいなと。もっともっと真剣にやっていきたいなと思います。完全に自己顕示欲のあらわれですけどね(笑)。そこをいかに満足させるかということで。自分のやりたいことしかやらないという覚悟で、2010年は動いていきます。
__ 
いいと思います。
永野 
あはは。でも、演劇っていう好きなことやれるメディアでやってて、何を人に気を使っていく必要があるのかと。色んなアーティストがそうしてきたと思いますし。ビビってても仕方ないと。後悔しないように生きようと思います。

タグ: 今後の攻め方


ジタバタ

__ 
永野さんは、一時期より随分落ち着かれましたよね。
永野 
あ、それは自分でも思います。一時はもっと焦ってて、早く売れなきゃとかもっと力を付けて劇団引っ張らなきゃと思ってたんだけど。
__ 
ええ。
永野 
それは今でも思ってはいるけど、何だか凄く浅はかなところであがいてたんですよ。それで結局媚びたり、人の目を気にしてやってそうやって自分が舞台に出たり色々なメディアで出演させて貰ったりして、それで自分に芯があったかというとそうでもなかった。どうやったら面白がって貰えるか?って。もちろん、その計算はしてもいいと思うんですけど、何か足りなかったんじゃないかなと。ちょっと、人の顔色を伺うのはやめようかと。
__ 
ジタバタしてもしょうがない。きっとそういう心境になるには、ジタバタしなければならなかったんだろうなと。今の永野さんはなんというか、ご自身の立ち位置を定められたんだろうなと思います。素晴らしいなと思います。
永野 
少し前に、自分の芝居、しょうもないなと落ち込んだ時期があって。そこから開き直って落ち着いているという感じですね。まあ、ここからブレないようにしたいなと思います。これで逆に、つまらんくなったらいやだけど(笑う)。

ドレッシング

__ 
今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントがあります。
永野 
マジで? そんな。いいの?
__ 
どうぞ。
永野 
3つありますけど・・・(開ける)あ、ドレッシング。ありがとうございます。

タグ: プレゼント(食品・飲料系)


一人芝居「いきなりベッドシーン」大阪公演

___ 
今日はお疲れ様でした。七味まゆ味さん一人芝居の大阪公演。independent-theater1stでの公演でしたね。タイトルは「いきなりベッドシーン」。タイトルからしてとても刺激的な作品でした。
中屋敷 
こういうコンセプトの作品にしようと、タイトルを決めてから作り始めるんですよね。今回は生き急いでいる人を描こうと思いました。作品内容とタイトルと関係ないからって怒られるんですけど、むしろ大いに関係あるんです。
___ 
青春を皮ごとまるかじりする女子高生の話ですもんね。公演後のアフタートークでも仰っていましたが、女子高生を描きたい?
中屋敷 
いや、僕のテーマを伝えるのに女子高生というのが一番いいなと思っていて。彼女たちのリアルな感情というよりは、話を伝えてもらう役柄としてピッタリなんです。
柿喰う客
中屋敷法仁の演出作品を上演する演劇集団。演劇の虚構性を重視し、「圧倒的なフィクション」の創作を続ける。虚構性の高い発話法/演技法を追求し、人間存在の本質をシニカルに描く。その姿勢から「反・現代口語演劇」の旗手として注目を浴びる。(公式サイトより)
一人芝居「いきなりベッドシーン」大阪公演
「INDEPENDENT:ex」参加作品。公演時期:2010年4月26日(月)~28日(水)。会場:in→dependent theatre 1st。
七味まゆ味氏
柿喰う客所属俳優。

タグ: 一人芝居


フ ワ フ ワ

___ 
見ている間中思っていたんですけど、本日の七味さんの演技。すごく喋れてるし、振れてるなって思ったんですよね。ピッタリ、役の人間をこなしているというか。
中屋敷 
七味さんはアイデアも豊富で、落とし込みも凄いので、どんな突飛な台詞や振りでも簡単に飲み込んじゃうんです。やってて凄く楽しかったですね。この作品では、主人公の彼女を「ああこれは訳の分からない頭のおかしい人だ」と切り捨てて見てほしくなくて。共感する前に、意味が分かる演技をしてほしかった。そんな知的好奇心を揺さぶる作品に仕上げたいと思いました。彼女は行動として理由が通っていましたから。単なるキチガイじゃなくて。
___ 
なるほど、絶対共感は出来ないけど、意味が通ってるから分かるキチガイなんですね。ずばり伺いたいのですが、今日の七味さんはどうでしたか。
中屋敷 
今日はブレがいい方向に行った日だなと思いましたね。ベースが凄くしっかりしているうえ、ブレがあればあるほどファンタジスタを生み出すような。他の女優さんだったらブレがあるのはしょうがないみたいに諦めちゃうので。
___ 
ええと、今回出演された七味さんご自身はどうでした?
七 味 
今日はフワフワしてたねって言われちゃいました。
___ 
あー、なるほど。
七 味 
ちょっと、テンションが上がりすぎちゃって。
___ 
初日という事もあって?
七 味 
そうですね。もう少し落ち着いていきたいです。でも、今日のお客さんはすごくウケてもらえましたね。反応が東京よりも激しかったような。
___ 
かなり笑いが起こってましたね。
中屋敷 
その辺は人によりますね。最後のシーンとか、特に(ここは笑っていいのか?)と迷うと思います。
___ 
最後のシーンは衝撃的でしたね。

柿喰う客第16回公演「露出狂」

___ 
さて、次は露出狂ですね。
中屋敷 
はい。
___ 
東京公演は5月19日から、大阪は6月8日からですね。
中屋敷 
GWにトルコで公演するので、帰ってきてからすぐですね。
___ 
みどころは。
中屋敷 
群像劇ですが、よくある集団の中でのぶつかりあいじゃなくて、集団の中で個人がつぶされていく様を描きたいと思います。
___ 
チラシによると女子高サッカー部の話らしいですね。登場人物はすべて女性、しかも女子校の部活。
中屋敷 
そうそう。女集団のルールの中で、個人がどのように生き抜くのかという。けして可愛い女の子が集まってルンルンする芝居ではないです。
___ 
素晴らしい。
中屋敷 
集団て何だろう。そんな事を考える作品です。女同士のドロドロしたぶつかりあいとか、そんな浅いものではないですよ。あるいは青春もので、部活で空気が悪くなってだんだんとみんなの心が離れていくみたいな展開あるじゃないですか。でも現実はそんな事ないんですよ。3年間過ごすんだから。
___ 
そうですね。結局数日後には元通りになったりしますからね。心に何かを抱えながらも。
中屋敷 
もっとじっとりした何かですね。集団の中で個人の意志がなあなあになっていく。集団からは逃げられないですから。
___ 
尊重されるべき個人の人格が集団によって狂わされる。あー、それ、凄く見たいです。楽しみです。
柿喰う客第16回公演「露出狂」
公演時期:【東京公演】2010年5月19日(水)~31日(月)・【大阪公演】2010年6月4日(金)~8日(火)。会場:王子小劇場(東京)・精華小劇場(大阪)。

タグ: 世界がズル剥け 群像劇


柿喰う客を見て、何を持って帰ってもらいたいですか?

___ 
柿喰う客を見て、何を持って帰ってもらいたいですか?
中屋敷 
ワクワク。
七 味 
ワクワク。
___ 
ワクワク。
中屋敷 
細胞が活性化してほしいですね。
___ 
ペースメーカーを無理矢理打ち込まれたみたいな。
中屋敷 
もう怒りでもいいし楽しいでも笑いでもいいんですけど、心拍数がちょっとあがればいいなと。心拍数を上げるには体のどこを刺激すればいいと思いますか姉さん?
七 味 
頭?
中屋敷 
正解です。柿のお芝居は感覚に訴えて、さらに複雑なテーマも多い。あなたの人生について問いかける事もする。難解ではないけれど単純に受け止める事の出来ない作品に熱い魂を乗っけて、観客の心を揺さぶるんですよ。
___ 
私も、「恋人としては無理」を見た時に活性化した気がしますね。あそこまでハイペースに言えてる・振れてる芝居を見せられると、やっぱこれは凄いなと。
中屋敷 
外国に行ってもウケるのはそこですね。
___ 
あ、そうなんですか。
中屋敷 
僕らを見てると、ドキドキするって。

タグ: 言えてるセリフ


人気劇団として見ないで

中屋敷 
でも、最近は柿へのイメージというのがちょっと固定化されているのかなと思います。無名の若手と思って見てほしいんですよ。
___ 
あ、その辺が問題。
中屋敷 
初めての人が「柿って評判なんだよね。さあ、楽しませてよ」って感じで来られんですけど、何も前情報のない状態で見て頂くとより楽しめると思います。外国で上演した方がやりやすいのはそこですね。
___ 
なるほど。
中屋敷 
素の状態でお願いしたいです。玲央クンカッコイイとかそんなのいいですから。彼も望んでないし。一人の役者として見てほしいです。人気劇団を見に来たじゃなく、作品を見てほしいです。
___ 
先入観はいらない。
中屋敷 
僕らはどんどん新しい方向ものを作ります。だから、前の公演の事なんか一切わすれて。
玉置玲央氏
柿喰う客所属俳優。

タグ: 玉置玲央さん


質問 cossiさんから 中屋敷 法仁さんへ

Q & A
___ 
さて、前回インタビューさせて頂きましたchikinのcossiさんからのご質問です。1.稽古場に集まってからどのくらいで稽古が始まりますか?
中屋敷 
集合時間から20分後に始まります。最初の10分は準備と、だらだらする時間。その後10分はみんなでちゃんと雑談をします。最近どう?って。そうしないとみんなフワフワした状態で始まっちゃうので。堅いお稽古ごとじゃないんだから、軽い雑談ぐらい出来るコンディションじゃないと。
___ 
ありがとうございます。2.学校で好きな科目は何でしたか?
中屋敷 
あー、全部好きですね。僕は勉強大好きだったので。

すすむ。

___ 
今後、柿喰う客はどんな感じで攻めていかれますか?
中屋敷 
とりあえず、今後はどうするかというのはあまり決めていないですね。柿として売れる事にはならないと思います。柿は元々、お互いをリスペクト出来るメンバーが集まっているので、劇団としてもっと成り上がる!って躍起になるという事はなくて。みんな勝手に売れて、年に1回くらいは再結集して公演するぐらいでいいかなと。
___ 
中屋敷さんをはじめ、柿喰う客の方々は演劇をやりたくて集まったのではなく、作品を作りたくて集まったんですよね。それが凄く新鮮に聞こえました。作品を思い返して、さらに納得しています。似てるようで全然違いますよね。
中屋敷 
やりたい事がなくなったらやめちゃうかもしれないです。でも全然アイデアが尽きないですね。どんどん生まれてます。常に最先端を追い求めていこうと思います。やった事のない事しかやりません。ついてきて欲しいです。

タグ: 今後の攻め方


ジェルタイプの歯磨粉と豚毛の歯ブラシ

___ 
今日はですね。お話を伺えたお礼にプレゼントがあります。
中屋敷 
おっ。やったあ! まさか貰えるとは思わなかった。
___ 
どうぞ。
中屋敷 
(開ける)おっとこれはやっちゃったな。すげえこれ。何これ。
七 味 
ハミガキ!
中屋敷 
健康マニアなのでうれしいです。

タグ: プレゼント(医療・薬品系)


ルドルフ「授業」

__ 
今回はルドルフ「授業」(作=ウージェーヌ・イヨネスコ)の演出を務められる、MONOでは俳優、壁ノ花団では作・演出を務める水沼さんにお話を伺います。よろしくお願いします。
水沼 
よろしくお願いします。
__ 
本番が6月10日から13日まで、会場は京都芸術センター、ですね。1ヶ月をきりました。本日の稽古はいかがでしたか?
水沼 
まだまだアイディアを探している段階です、最終的にどうしたいのかが決まっていないので。結論をまだ出さずに芝居の方向性について考えている状態です。
MONO
京都を拠点に活動する劇団。軽妙な会話劇から古典劇まで手掛ける。
ルドルフ「授業」
作・ウージェーヌ・イヨネスコ。演出・水沼健。出演・金替康博[MONO]・筒井加寿子・永野宗典[ヨーロッパ企画]。公演時期:2010年6月10~13日。会場:京都芸術センター。
ルドルフ
京都で演劇を上演する集団。
壁ノ花団
MONO所属俳優、水沼健氏が作・演出を務める劇団。独特な手法を用いて豊穣なユーモアの世界を紡ぎだす。

タグ: MONO


もう一つ、別の面白さを

__ 
今回のイヨネスコ「授業」。水沼さんが原作を読まれてどんなご印象を持たれましたか?
水沼 
こういう言い方は不遜かもしれないけど、イヨネスコ作品の中ではよく書けているんじゃないかと。
__ 
あ、まとまっている。
水沼 
イヨネスコの作品はたいてい後半にかけて破綻していくんだけど、「授業」はその度合いが少ないんです。珍しいんじゃないかなと思います。
__ 
今回、一番破綻する教授役は金替さんですね。
水沼 
言ってしまえば、教授役の人の個人技で持っていける作品なんだけれども。それだけじゃなくて三人の俳優が有機的に働けるように作っていきたいです。普通にやってやれない事はないんだけど、もう一つ、別の面白さを見つけたいなあと思って。

タグ: 有機的に関わりあう


何やってんだ、一人遊び

__ 
今回、どんな印象を与える作品にしたいですか?
水沼 
そうですね・・・。なんだろう、これはちょっと的確じゃないかもしれないんですが。色川武大という小説家の作品の一つに彼の子供時代の話があるんです。
__ 
というのは。
水沼 
自分の右手と左手で、力士のような形を作って、授業中ずっと勝負させてるんです。一人で遊んでる。そんな印象にしたいなと思います。
__ 
うーん。
水沼 
それは、どう説明したらいいのかな。まあ、指を使って力士のようにさせる、いじらしいバカバカしさみたいな。そういうのが舞台化されたらいいのかな。
__ 
教室で、みんながいようが授業中だろうが関係なく一人遊びなんですね。
水沼 
そうそう。家でもやってる。星取り表までつけていって、力士も一人一人作るんですよ。幕内力士、十両力士、莫大な数の力士が。しかも右手と左手だから、勝負の内容も自分で決められるんです。何やってんだ、みたいな。
__ 
そのお話のエピソードはいじらしいと思うのですが、私はその話を聞いてぞくっとしました。
水沼 
ある種常識的なところではなく、自分で勝手に作り上げたルールの中で、どんどん大変な労苦を背負うようになるってのは面白いなと思って。醒めたら終わり、みたいな。そんな作品は毎回目指していますね。

蛸と戦う

__ 
その一人相撲の子。何故そんな遊びをしているんでしょうね。
水沼 
いや、理由はないと思いますよ。自転車みたいなもんで、最初に動かしたら転ばずに進んでいく。最初の理由なり必然性なりはあってもいいけど、僕はそこには興味がなくて。動かしてしまったものをどうキープするのか。運動自体が自己目的化していく様の面白さですね。
__ 
実は今日、探偵ナイトスクープの昔の回を見ていたんですよ。タコに襲われたい女性の依頼で、その人は夢でタコに殺された夢を見たのかなんだかして、ずっとタコに勝つ方法を考えていたそうなんです。
水沼 
ほう。
__ 
探偵に連れられて、その間中ずっと意味不明な自信でタコとの戦いに思いを馳せている。その様子が面白く、何だか怖かったんです。そして、格好良かった。きっとこの人はタコと戦いたいのではなく、タコに勝たなくてはならなかったんだろうなと。最低でも、自分の考えた方法を試さなくてはならなかったんだろうなと。
水沼 
うん。
__ 
タコに取り憑かれたんじゃないかとスタジオでは言われていましたが、私にはそんな彼女がタコと戦う為に生きている者に見えたんです。
水沼 
たぶん、この「授業」も不条理劇というジャンルなんだけど、不条理劇作品に共通する必然性のなさ、なんですよ。それまでの演劇というのは状況をしつらえてそこに人物を放り込んでいたのが、不条理劇は状況を作らずに人物だけを登場させたんですよね。そのタコの話も、必然性を問われない。何故という問いを拒絶するような。
__ 
こだわりなのでしょうか?
水沼 
そこまで自覚的なものじゃないと思うんですよ。問えない質問があるという状況が私たちの世の中だ、生きている事に理由なんかない、と提示したのが不条理劇なんじゃないかなと。タコと戦わないといけないのは何故か、そんなことは問えないんですよね。
__ 
世界にタコはいて、そいつと戦わなくてはならない。

タグ: 外の世界と繋がる


質問 金替 康博さんから 水沼 健さんへ

Q & A
__ 
さて、前回インタビューさせていただいた金替さんからのご質問です。「これは旨いというようなB級グルメはありますか」?
水沼 
僕はグルメとはほど遠いからねえ・・・。毎週木曜日は近畿大学に泊まっているんだけど、そこの近くの百均のサラミがうまいかな。
__ 
百円で一袋という感じですか。いいですね。ちなみに、ご出身地での名物ってありますか?
水沼 
うまいもの。鯛飯かな。あと、小学一年くらいの頃に友達のお姉さんが作ってくれた山菜料理ですね。その子の家の周りで取れた蕨やゼンマイの卵とじがおいしかったですね。
__ 
家の周りで取れたものですか。
水沼 
大人から与えられたものではなくて、自分たちで取ってきたものを、小学3年くらいのお姉さんが作ってくれた。その辺の状況があったからあんなに美味しかったんだろうな。

トランクはなぜ吊られたのか

水沼 
逆に聞きたいんですが、僕の作品を見て、どういう印象でした?
__ 
「象を使う」です。アトリエ劇研に行くと、いつも「アルカリ」のセットを思い出します。舞台上の大量のトランクと、天井に一つだけつり下げられたトランク。あれがずっと引っかかっているんです。何かがそこから出てくるわけでもなく、照明も当たらないし言及もされない。後日、出演者の方に聞いても、あそこにセットされていた明確な理由は返ってこない。水沼さんの作品を見る度に、あのトランクのような、飄々しながら確固としてあり続ける存在を思うんですよ。
水沼 
(笑う)
__ 
こっちが認識したらずっとそこに残り続けて、こちらを見返してくるんですよね。そういう奇妙なものを見たくなったときに、丁度よくやっているのが水沼さんの作品なんです。もちろん、演技のあれこれですとか、そういうのはもちろん見事ですし。
水沼 
まあ、そういう意味では、あのトランクもあまり理由はないですね(笑う)。一つの空間を遊び尽くしたいというのが、自分が作っている時の目的なんだと思います。トランク、上にもあっていいんじゃない、と。そういうのはこれからも続けていきたい。
「象を使う」
公演時期:2005年9月17~25日。会場:京都芸術センター フリースペース。
壁ノ花団第四回公演『アルカリ』
十三夜会奨励賞受賞。演出・水沼健。京都・東京にて公演。初演:2008年11月20~24日(京都)。

タグ: 奇妙さへの礼賛 会場を使いこなす


洛北の銘酒 御陰

__ 
今日はですね、水沼さんにお話を伺えたお礼にプレゼントがあります。どうぞ。
水沼 
(開ける)御陰。ありがとう。京都のお酒?
__ 
はい。左京図書館の近くで、量り売りをやっている酒屋があるんですが、そこのお酒です。
水沼 
どうもすみません。かえって悪いね。
__ 
いえいえ。ほんのりとですが、バナナの香りがするお酒ですよ。

タグ: プレゼント(アルコール系)