世界が全然違う

__ 
葛井さんは、いつからお芝居をされていたんでしょうか?
葛井 
初めて舞台に出させて頂いたのは、去年のZTONの公演でした。それまでは、大阪の声優プロダクションの養成所にいたんですよ。
__ 
あ、そうだったんですか。
葛井 
はい。そこで河瀬くんと知り合って、ZTONに出演するキッカケになったんです。
__ 
ちなみに、どんな経緯でその養成所に。
葛井 
物心付いた時から声優に限らず、そういう事をやりたいと思ってたんですね。それが声優という具体的な形になったのは小学生の頃からでした。テレビを見ていたら、姿は出さずとも演技している人がいるなあって。テクニックのいるプロフェッショナルな仕事だと思ったんです。それで、自分で入学金を稼いで、養成所のオーディション受かって、上手い具合に良い先生にも出会って、少しは評価もして頂いて。
__ 
ああ、なるほど。
葛井 
けど、段々実際の声優業界と自分のやりたい事にギャップが出てきたんです。
__ 
と言うのは。
葛井 
私達の世代って、声優になりたいという人が多いって言われるじゃないですか。擬似アイドルみたいなイメージで。私はそういう風にインフレ化する前からこの職業に気持ちを置いてたんですが。テクニカルな職業だという部分で。それがある時からアイドル的な見方をされて、どうなんやろうと。求められるモノも技術よりルックス・みたいな。
__ 
養成所に入ってらしたんですね。小劇場と世界が全然違うような。
葛井 
そうですね、サバイバルでしたね。少なくとも私はそのつもりでした。役者になろうとする人はストイックに追及して、のしあがっていくか蹴落とされるかだと思っていましたから。仲良しこよしじゃなくて、その世界で生きていくために通っていましたし。で、クラスの中で浮いてたんですよ、私も河瀬も。まわりは、役者になりたい!ってゆうよりも、好きなアニメにでたい!てな感じだったので。空気がまるで違った。

タグ: 声優になりたかった いつか、こんな演技が出来たら 声のお仕事、細かい作業


vol.108 葛井 よう子

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葛井

実戦で修行

葛井 
そういう時期に、基礎科・本科を経て東京の研修科に行ける事になったんです。そこにいれば、あわよくば仕事も貰えるかも、という。でも、自分の本当にやりたいことがこれで合ってるか分からなくなってきたんですね。そういう時期に、ZTONを立ち上げて間もなかった河瀬に「そうやったらウチに出てみいひん?」って誘われたんです。「ここで修行したらええやん。実戦で修行つける方が向いてるタイプやで」って言われて。悩んだんですけど。
__ 
そうでしょうね。
葛井 
でも、彼の作った作品のビデオを見せてもらったんです。それがもう、ドツボで。これや!って。それまでお芝居って、自分とは窓口が完全に違うと思ってたんですよ。でも、やみくもに東京に行って何にもならないよりは、舞台に立った方が良い勉強になるかもしれない、と。
__ 
最初の舞台作品は。
葛井 
「しぐれ」という作品でした。もう何もかも初めてで、本当すみませんという(笑う)。
「しぐれ」
劇団ZTON vol.2「しぐれ -shigure-」公演時期:2007.4.29~30。

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葛井

ポップな公演・ISUKA

__ 
ZTONの最近の公演ですと、「ISUKA」ですよね。非常に面白かったです。どんな稽古風景でしたか?
葛井 
今回、会場のキャパシティもそんなに大きくはないし、まあいい感じに気ぃ抜いていこうよ、初心に帰って。という方向で進んでいきました。
__ 
そういえば、役者の演技に余裕があったような気がします。
葛井 
ダレるという訳ではなく、シーンをきっちり作りながらも変なピリピリ感はないように、仕込みから本番までまったりと進んでいきましたね。良い人たちの現場でした(笑う)。
__ 
そういうカラーだったんですね。
葛井 
特に河瀬君が、「ポップな公演にしたい」って繰り返してたんですよ。
__ 
ポップが合言葉。
葛井 
そうですね。月黄泉の時はシニカルで。気に入ったら使い続けるんですよ彼は。
__ 
ZTONの稽古場で、何か苦労されることはありますか?
葛井 
パッと見エンターテイメントで、派手さをウリに押し出しているように見えて実は人間の根底にあるものを描く芝居を目指しているんです。役者はそれをどれだけくみ取って、演出とすり合わせて表現する事ができるかが大事だと思います。
__ 
演技の内容は役者が作るんですね?
葛井 
演出のなかにも大体のイメージがあるのでそれを聞き出しつつですが、基本は役者におまかせしてくれるのでそこで面白いものが出来たら採用する形ですね。だからか、伸び伸びと表現出来ますね。
__ 
いつも苦労する点とかはありますか?
葛井 
2年やらしてもらって、ここ最近でやっと自分のスタンスがちょっとみえてきたかな、と。舞台上で俯瞰しながら表現する事が出来てきたかな・・・。少しずつなんですけど。
__ 
冷静になれた、と。
葛井 
求められているものが思っていたより面白く出来なくて後悔する事が多いので、次からは思い切ってやりたいですね。
「ISUKA」
劇団ZTON Project R「ISUKA」公演時期:2008.11.8~9。会場:クロスロード梅田。東放エンターテイメントスクール芸術祭2008「アキコ伊達×コラボエンタフェス」 参加作品

タグ: 伸び伸びと演技 コラボレート 新しいエンターテイメント


vol.108 葛井 よう子

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葛井

もう浮き足だっていられない

__ 
今後、葛井さんはどんな感じで攻めていかれますか?
葛井 
お芝居を続けて3年目ですので、もうペーペーですみたいなごまかしは出来ないなと。テクニックの向上はもちろん、自分自身をストイックに追い込んでエンジンを掛けていきたいです。最終的にはそれで食べていけるようになりたいですから。
__ 
ええ。
葛井 
芝居に関わらせて頂いたスタートも遅かったので、ずるずると続けていく訳にはいかないと思ってるんです。来年が本当の意味で勝負の年ですね。もう浮き足だっていられないですね。

タグ: 今後の攻め方


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葛井

質問 高田 ひとしさん から葛井 よう子さん へ

Q & A
__ 
さて、前回インタビューさせて頂きました高田ひとしさんからご質問を頂いてきております。
葛井 
恐縮です。
__ 
1.「今京都演劇界で必要なものはなんですか?」
葛井 
あんまり詳しくないんですけど・・・。ちょっと感じたのは、老舗の劇団さんと若手で真っ二つに分かれてる印象がありますね。そんな中で、何となく閉鎖的なイメージがあります。劇団交流という訳ではないですけど、もっと、お互いに温かくやっていければなと。
__ 
2.「京都演劇界の何を変えて行かなければならないと思いますか?」
葛井 
京都に限らず全国的な話ですけど、斬新だったり奇抜だったりすると叩かれやすい傾向があると思います。でも、そういうチャレンジを否定せずに受け入れていければと思うんですよ。
__ 
セオリーに沿ってない変化球を投げても、同じ世界の人が受け止めてくれないと。
葛井 
そうですね。もうちょっと広い視野で作品を見れば面白いところはあるのに、と。もったいないなと思いますね。
__ 
3.「あなたは、自分が死んだら世界が終わる派ですか?」
葛井 
自分のやりたい事をやっているとしても生きてる限りは死に向かっている訳なんで。後ろ向きという訳じゃないんですけど。やり遂げて死ぬんだから、その後に何かが永遠に続いていくようには・・・。とにかく、なるべく後悔のないように生きて、笑って死にたいですね。
__ 
ありがとうございました。

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葛井

ボディーシャンプー・コンディショナー・化粧水の
スカーフ布つきセット

fujii_present

__ 
今日はですね、葛井さんにお話を伺えたお礼にプレゼントがあります。
葛井 
わあ、ありがとうございます。プレゼントって嬉しいですね。
__ 
あ、どうぞ開けてみてください。
葛井 
(開ける)私、桜色って大好きな色なんですよ。癒されます・・・。ボディーシャンプーとコンディショナーですか? ありがとうございます!めっちゃ嬉しいです。
__ 
そんな感じのセットですね。
葛井 
わあ~。

タグ: プレゼント(衣服・布小物系) プレゼント(化粧品系)


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葛井

子供鉅人2008年10月公演「電気女夢太る」

__ 
今日は、宜しくお願い致します。
益山 
宜しくお願い致します。
__ 
しかし、凄く良い雰囲気のお店ですね。
益山 
ボロいだけですけどね(笑う)。
__ 
いえ、こういう感じ好きですよ。さて、前回公演の「電気女夢太る」。非常に面白い作品でした。
益山 
ありがとうございます。
__ 
俳優の演技のスタイルや、演出や、音楽が一つにまとまって、面白く拝見できました。
益山 
ミュージシャンの方とも、仲の良い人たちとやれたんですよね。今回は初めての長尺のお芝居でしたが、それまでは習作の短いお芝居をライブハウスなどでやっていたんです。それの集大成としての作品でしたね。
__ 
ええ、お芝居としても最後のカタルシスがきちんと演出されていて、終わった後に確かな見ごたえがありました。主人公のデブが、それまで周囲にはひた隠しにしていた電話を全員に掛けてハーメルンのバイオリン弾きよろしく電気町に連れていくという・・・。舞台となった町が洪水で流されてしまうという展開も良かったですね。
益山 
ちょっと、力技の落ちでした。
__ 
良いシーンがいっぱいあった芝居でした。益山さんは、どのシーンがお気に入りですか?
益山 
僕ですか? 全てのシーンが好きですね(笑う)。まるで我が子のように。あえていえば、最後のシーン、オーラスの後に死体が結婚式を挙げるというのが。
__ 
あそこはキレイでしたね。カーテンコールも起きましたし。そういえば気になっていたんですが、序盤で川に流れ着いた死体が動いたりしてましたよね。その死体がまたキレイな身なりをしていて。幻想的なお話だなと思っていたんですが、あれはどういった着想があったのでしょうか。
益山 
昔、私の実家の隣の川によく死体が流れてきたんですよ。それを膨らませて。
__ 
あ、凄いですね。
益山 
子供の時下町に住んでいたんです。まあちょっと金持ちのあんまりいない、まあそういう空間だったんですよ。極貧じゃなかったんですけど、ちょっとさびれた。
__ 
ええ。
益山 
デパートとか行くと、金持ちの空間が広がってる訳じゃないですか。何だかんだいって、世の中はそういう感じで分けられていくんだなと思ってたんですよ。
__ 
それが作品の世界観のベースにあったんですね。王様が出てきたり。
益山 
身分制度が好きなんですね(笑う)。
子供鉅人2008年10月公演「電気女夢太る」
公演時期:2008年10月11~13日。会場:芸術創造館
カフェバー・ポコペン
益山さんの経営する谷町六丁目のカフェバー。

タグ: カーテンコール ユニークな作品あります 子供鉅人 世界観の作り込み


アナログ人間と音楽劇

__ 
そういえば昨日、YouTubeで「電気女夢太る」のダイジェストを拝見したんですよ。
益山 
ええ、上手く編集して頂きました。
__ 
音楽劇ということで、かなり挿入曲が重視された作品でしたね。
益山 
今回は全部、オリジナル楽曲だったんですよ。1曲だけ、以前のお芝居で作った曲もあるんですが、それ以外はバンマスの高岡さんとメンバーの方が考えてくれました、フルオリジナルということで。
__ 
作品全体を幕開けから引っ張っていきましたよね。お客さんのノリとしてはどんな感じでしたか。
益山 
楽日が最高でした。その時に来て頂いたんですよね。
__ 
あ、そうなんですよ。盛り上がりましたね。
益山 
音楽劇ですので、基本的に楽しいお芝居を見せたいんですよね。そうするとやっぱり、お客さんのグルーブが重要だと。
__ 
生演奏というのが大きいですよね。
益山 
僕は基本的にアナログ人間なので・・・(笑う)。
__ 
今後も、ああいった感じの音楽劇を作られていくのでしょうか?
益山 
ああ、それは劇団ミーティングで話し合っていくつもですが、元々僕も含め、そんなに劇が好きで好きで仕方ないという人たちではないんですよ。色んな事をしたいね、と。僕は高校時代は写真学科で、他のメンバーも絵描いてたり色々しています。演劇作品のみならず、そういう創作活動もやっていきたいなと思っています。
「電気女夢太る」のダイジェスト

タグ: 生演奏のある作品


何しても楽しい空間

__ 
演劇作品の方向性としては。
益山 
以前、このお店で大体3週間くらいのロングランの公演をした事があるんですよ。その時は会話劇でしたね。けっこうぴしっと。まあ、節操無いんでウチは。
__ 
ええ。
益山 
次は、3週間毎日やり続けたらどうなるか?と。お芝居って、なかなか行きづらいじゃないですか。3週間あれば、空いた時間を使って来てもらえるんじゃないかと。作品としても実験的に、短編をいくつか集めてシフトを組んで、ミュージシャンの方に演奏もしてもらって、横にバーも作って。
__ 
ロングランは嬉しいですね、平日も公演があって。土日に仕事がある人にとってはなおさら。
益山 
はい。この間、ミナミを散歩してたんですけど、どこへ行こうかと思った時に「芝居を見に行く」という選択肢が無かったんですよ。それって凄く悲しいなと思ったんです。落語は寄席があるし、お笑いは吉本を見に行けばいい。でも芝居はない。いわゆる小劇場を観にいくことがない。
__ 
それは単純に、やっていないからですね。
益山 
そうですね。場がないんですね。それはちょっとさみしいんじゃないかなと。昨晩はライブ行って飲んだくれてたんですけど、昔はこういうみんなでワーワーする場所は芝居が担ってたんだろうなと思うんですよ。歌舞伎とか、みんな黙って見てるのは最初の1時間くらいで、あとは騒いでたと思うんですよ。飲んで食って。ある意味、何しても楽しい空間というのを、今演劇が作れていないのはちょっと力が落ちてるんじゃないかなと。
__ 
なるほど。そこでいつでもやってるロングランの劇場を。面白そうですね。
益山 
今そういうのがないのは、ライフスタイル的に求められていないからやらないと思うんですよ。夜はテレビ見てた方がマシだし、みたいな。そういう要求がないのは寂しい事で、もしこれから私たち演劇人が生き残るのであれば、そういう楽しさをこちらが打ち出していかなければと思うんです。
__ 
ええ。
益山 
今またどんどん不景気になりそうじゃないですか。でも、そういう時にこそ芸の華が咲きやすいんじゃないかと思うんですよね。今こそ、私ら河原者のチャンスだと。

グルーブ感、楽しい音楽劇

__ 
先ほど、お客さんとグルーブ感を共有するというのが重要だとおっしゃっていた訳ですけれども。本番の一瞬ってあるじゃないですか。演技して、お客さんに届くか届かないかっていう、あの感覚ですよね。やっぱりそうする為には、劇の最初の方でお客さんを乗せる事が凄く重要なんだと思うんですよ。そういう思考を持つ事は、実は作品を作る上でイマジネーションの次くらいに重要なのかもしれないなって。まあ良く言われる事ですが、ツカミが重要という。「電気女~」は、一番最初の入り方が低いところから入っていったんですよね。トランペットの低い音程の。
益山 
それからテーマソングに繋がっていくんですけど、「これは楽しい音楽劇なんだよ」って提示すれば、たとえば暗いシーンになったとしてもお客さんは付いてきやすいんですよね。基調さえ作ってしまえば。
__ 
俳優もやっていきやすいでしょうね。あ、そういえば、聞いた話によると舞台に出るのが初めてという人が何人かいたとか。
益山 
私がやってた工場長役の娘役の女の子と、王様と。誰でも当たり役ってあると思うんですよね。私、自分でもその辺のキャスティングは上手いかなっと思っちゃったりなんかしちゃったりしてるんですけど(笑う)。パッとその人を見て「この人ならこれをやってもらえば絶対ウケる」というのが分かるんですよ。それを見つけさえすれば、1回はいけますね。
__ 
なるほど。
益山 
でもそれは、ウチの劇団の今後の課題なんですよ。素材だけではなく、もうそろそろテクニックというか、芸という部分の磨きを掛けないと。

タグ: キャスティングについて


ダサいか、カッコいいか

__ 
さっき録音が回っていない間におっしゃった、この間ご覧になった劇団の芝居が全然面白くなかったというお話ですが。そうですよね、つまんないお芝居ってのは確かにキツイですよね。何ででしょうか。
益山 
単純な話、何でもそうだと思うんですけど、芝居でも映画でも音楽でも、それこそ一般的な職業でも、結局それしか出来ないっていう人がやるべきなんですよ。無理やりやるこたないんです。私なんか、ものすごくぐうたらなんで、何か作ってないと死んでしまうんですよ。
__ 
なるほど。
益山 
上手い下手は別にして、魂で何かを作る、そういう表現でなければ必ず滅んでしまうんですよ。だから理屈で作ったものなんて全く面白くないんです。
__ 
ええ。
益山 
以前そうした作品を見たことがあるんですけど、ひね媚びた視線で「ちょっと変わったことしてみたらカッコいいんちゃうん」みたいなことしてて。お前なめてんのか?って。表現行為そのものをなめてるんですよ。一片でもその人の魂を削るようなものが見れたら僕は全然OKなんですよ。
__ 
ああ、分かります、それは。
益山 
極端に言えば、ダサいかカッコいいかの世界になってくると思うんです。いくら理屈がしっかりしていても、ダサいものには人は寄ってこない。ムチャクチャでも、カッコ良ければ人が集まるんですよ。
__ 
ええ。
益山 
結局、色気があるかないかなんです。そこを見据えずに理屈に走るところはホンマに面白くないです。色気と理屈が合致すればそれは本当に面白いです。一流と呼ばれている人はそうですからね。どっかに寄りかかりすぎると良くないんですね。私はそのバランスを持っていきたいですね。色気も欲しいし、ただ笑かすだけじゃなくて、感動させる芝居も作りたいですね。

タグ: 色気なるものの謎


質問 長沼 久美子さん から 益山 貴司さん へ

Q & A
__ 
さて、今日はですね、前回インタビューさせて頂きました長沼久美子さんから質問を頂いてきております。 1.今までで一番おいしかった食べ物は?
2.それはどこで食べられますか?またはどうやって作られますか?
3.今まで一番おいしくなかった食べ物は?
4.それはどこで食べられますか?またはどうやって作られますか?
食べ物関係が多いですが、いかがでしょうか。
益山 
1、炊きたての白御飯
2、実家
3、弁当に入っていた油の回ったサバの塩焼き
4、実家
__ 
ありがとうございました。

藤田ミラノ画集・あしたの少女たち

masuyama_present

__ 
さて、今後は演劇人としてどんな感じで攻めていかれますか?
益山 
結局そこなんですよ。演劇人になるかならないか。僕は今、外から見たら演劇人というくくりで見られるんですが・・・。さっきおっしゃった、演劇村の村民にはなりたくないですね。あくまでも、社会の中での演劇という立場に立って胸を張りたいです。
__ 
それはもちろん、これしかできない、という魂の問題ですよね。
益山 
そうです。僕は器用貧乏で色々出来ちゃうんですけど、それでも演劇をやり続けているのは、自分の魂にフィットしている部分があるからだろうなと思います。そういう風に見極めるっていうのは大切な事なんじゃないかなと思います。
__ 
分かりました。頑張ってください。今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントがあります。
益山 
えっ。そんなものがあるんですか。
__ 
どうぞ。
益山 
ありがとうございます。(開ける)あ、いいじゃないですか。藤田ミラノ。好きなんですか。
__ 
古本屋で買ったものです。これしかないなと思いました。60年代後半に描かれた作品が中心ですが、全く古くないというより、現在の感覚で美しいと思えるんですよ。それが40年前に描かれているという驚きが、何だかいいなと。
益山 
この時代の絵は主張があって良いですよね。ありがとうございます。

タグ: プレゼント(書籍系) 社会、その大きなからくり 今後の攻め方 自分は何で演劇を


アレクサンダーテクニックのワークショップ

__ 
今日は宜しくお願いします。
豊島 
宜しくお願いします。
__ 
今日は確か、アレクサンダーテクニックのワークショップを受けられていたと伺いましたが。
豊島 
そうですね。
__ 
この近くにそういう場所があったんですね。
豊島 
はい、ご自宅で開催されていて、今日は1年ぶりくらいに行きました。友達と一緒に、ペアレッスンという形で。
__ 
内容としてはどんな。
豊島 
とてもいろいろあると思いますが、たとえば、身体の正しい知識というか。自分が思っている身体のイメージに気付かされたり、そのうえで実際の身体のつくりはどうなのかを教えていただいたりですね。
__ 
それを実際に確認していくという内容なんですね。例えば、どんな感じで役立ちますか?
豊島 
楽になることが多いです。思い込みのイメージがいつの間にかあって、そのことでつらくなる身体の使い方をしていたりするので。たとえば、今日のことでいうと、これまで背骨の位置を後ろに、またとても細く捉えてしまっていたりしていました。でも、もっと身体の中心に近いところを通っていて、太さも握りこぶしの手首まであるのだ、と知ると、案外しっかりした身体だなと思って、安心する気持ちが生まれました。また、していたい姿勢がすこし変わり、そうするとただ座っていることがいつもより楽に思えました。 そもそも、はじめて行ったのは5年ほど前です。そのころ、関節が痛くなってしまって。おおげさですけど、手足がちぎれるように痛くて、洗面器が持てなくなるような時があったんです。色んな病院に行っても原因が分からなかったんですね。そういう時に友達の影響で行ってみたんです。そこで、自分の体の癖に気づかされたんですね。
__ 
ああ、客観的に身体の事が見えたと。
豊島 
はい。今でもそうなりがちなんですけど、手首に力を入れてぎゅっと握る癖があったんですね。自転車のハンドルとか、何でも握りすぎる、力んでいる。それが、一ヶ月二ヶ月と受講していくうちに、そんなにぎゅっと握らなくてもいい事に気がついたんですね。すると、関節が千切れていくような感覚がなくなったんですよ。
__ 
何かそれ、良く分かります。
豊島 
でもこれは私の場合で、アレクサンダーのことを人に話す勉強が私にはできていません、すみません。自分の身体が見えなくなってきたりするとアレクサンダーのことを思い出すみたいで、また、いま少しずつできたらいいなと思っています。こころを見ることにもつながると思うので。背骨のことも、以前に教えていただいていたのに、忘れてしまって、長年の思い込みのほうが出てきちゃっていたようで、もったいないなと思いました。

タグ: 力んでいる


vol.105 豊島 由香

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2008/春
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豊島

「かえるくん、東京を救う」

__ 
さて、この間のウイングフィールドでの「かえるくん、東京を救う」。非常に面白かったです。
豊島 
ありがとうございます。
__ 
あれを見ていて、何かこう全般的に、「正しい方法で演技している」という印象を受けました。丁寧に出された言葉が、こちらに正確に、優しく伝わってくるというか。豊島さんの力もそうですし、そして村上春樹の言葉にもそういう正しさがあったのかなと。
豊島 
そうなんです。凄いんです。村上春樹さんのテキストはやさしい言葉で、なのに、強度があって、深みがある。それがすごいな、と思います・・・ありきたりな言い方しかできなくて恥ずかしいんですけど・・・。配列も無駄がないし。たとえばセリフ忘れで何か一つの言葉を抜かしたり加えたりするときはもちろん、入れる箇所を間違えたりしてもすぐにおかしいなって思うんですよ。それはあたりまえですけれど。でも、その言い間違いによって文章としての精度がぐんと落ちるのがわかるような、かなりパンチのある気持ち悪さです。セリフを間違わずに音に出す時に、気持ちいいというとおかしいかもしれないんですけど・・・。
__ 
分かります。正しく気持ち良く出したセリフが客席に気持ち良く流れ込んでくるというか。
豊島 
そうなんです。何で読んだんだったかな、ある記事に、村上さんは原稿を声に出して確認しているっていうようなことが書いてあったんです。やっぱりそういう作業をされているんだなと思いました。
__ 
だから、朗読劇という形式だったんでしょうか。まあ、実際は本を持って読んでいるシーンはあんまりなかった訳ですが。
豊島 
そうですね、少なめですね。
朗読劇 かえるくん、東京を救う
公演時期:2008年10月22(水)~23(木)。会場:ウイングフィールド。原作:村上春樹。

タグ: 恥ずかしいコト 村上春樹 朗読劇についてのイシュー


vol.105 豊島 由香

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2008/春
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豊島

しっぽを掴む

__ 
引き続き、「かえるくん」について。本番で言葉を出す時に、何か気を使った事はありますか?
豊島 
恥ずかしいんですけど、今回はもう一つ出来ていなくて。でも、お客さんに助けて頂いた点が多いですね。結局、本番で、セリフを通してお客さんと会話する事が重要だなって。
__ 
朗読であれば、そういうコミュニケーションに集中出来そうですね。
豊島 
それが朗読が好きな理由の大きなひとつですね。実は、初演の時に何かもう一つ奥に声のありようみたいなものがあるような気がしたんです。それを探りたいという気持ちがありました。再演の稽古期間では、そのしっぽを触った気がしたんです。
__ 
奥ですか。
豊島 
お客さんが向こうにいて、稽古ではそれを仮定しながらするんですが、そちらへの向かい方で声の出方も変わるのだと思います。その感覚のなかにあるものですね。でも公演の直前数日に情けないことがいろいろあって、本番のころには、しっぽがちょろちょろと動いて・・・。
__ 
そのしっぽというのは、朗読をする上でのもう一つ上の段階、という事だと思うんですけど、声を発する事の真価ですよね。発話して、向こうの人に伝わる間の事だと思うんですけど。
豊島 
そうですね、そのあいだの事ですね。
__ 
しっぽを掴む為に、どのような努力が必要なのでしょうか。
豊島 
きっと、得なければいけない感覚もあると思うんですけど、外していかないといけないものがあるとも思うんですよ。中学から演劇をやってきて、その経験から来る意識や癖から抜け出ないと。
__ 
というのは。
豊島 
舞台でお客さんと関係を結ぶ時の、簡単に依ってしまう便利な型みたいな。私は悪い意味で複雑さを排除しがちなんですよ。すると、単純だけども薄っぺらで嘘くさい表現になってそれが声に出てしまうんです。単純という言葉は好きなんですが、本当にシンプルで美しいものは、逆に凄く情報量が多いと思うんです。もちろん、役者の訓練をしないという事ではなく、余計なものを纏わないようにすることが必要だと思いますね。
__ 
余計なニュアンスをセリフに重ねてしまうのではなく。
豊島 
はい、ここにある本当に見たいものを鈍らせない為に。

タグ: 恥ずかしいコト 情報量の多い作品づくり 俳優を通して何かを見る


vol.105 豊島 由香

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豊島

マークのお芝居

__ 
今回は演出が田中遊さんでしたね。
豊島 
そうですね。初演の時もお願いしたんですけど。
__ 
あ、そうだったんですか。良ければ、経緯を教えて頂きたいのですが。
豊島 
以前、田中さんの「イス」という作品を見たんですよ。
__ 
それを見れなかったんですよ私。もの凄く面白かったという評判を伺っています。
豊島 
あ、そうだったんですか。面白かったです。イスを使って、パズルみたいに組み立てていくみたいな。さっきちょっと、シンプルの話をしたんですけど、人なのに情とかをそぎ落としたみたいな。
__ 
デザインされた、みたいな?
豊島 
私、タバコの箱のデザインとかが好きなんですよね。そういったものを想起するんです。美しくデザインされた演出なんですよ。それで彼のファンになりました。それで、彼の作品を見るようになって、また、彼を役者としても見て、マレビトの会や、水沼さんの演出の作品に出ておられたときのとか、いずれも、声が興味深かった。声のありようが面白かったんです。彼の演出作品にしろ、役者としての彼にしろ、面白かったです。その声の出どころや向かう先を探りたかったし、知りたかったんです。でも今回、田中さん大変だったと思います(笑う)。どうしても私のやりたい事はあったし、でも彼にも言って欲しいし聞きたいし、そういうややこしいなかで凄くよく付き合って下さって。共同演出というのは、とくに依頼されているほうはしんどいだろうなと思いました。
田中遊さん
正直者の会代表。作家、演出家。

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豊島

もうちょっと、先に

__ 
全てひっくるめて、ご自身の手ごたえとしてはいかがでしたか。
豊島 
もうちょっと、先にいきたいなと。貰ったものは大きかったんですよ。観て頂いた方から聞いた感想やイメージとか。人によっては、それが、私の表現したものよりも膨らんだりしていたんです。それはとても嬉しかったんですが、同時に悔しかったり、申し訳なかったりする面もありましたね。こんなに豊かな感性を前にさせていただいていたんだなとあらためて思って、私の方でもっとできていれば、どうなっていたんだろうと思うんです。ちょっとギュッとしていたなと・・・。でも、それはそれで、あそこであったかけがえのないことだし、とても大事に思います。ただ、つぎは名古屋に行くんですけど、ちょっと硬くなってしまったものを放したい、と思っています。
__ 
お客さんからの感想って、参考になりますよね。まして一人芝居だと、尚更だと思います。

タグ: 一人芝居


vol.105 豊島 由香

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2008/春
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豊島

ほそぼそとでも、こつこつとでも

__ 
今後、「かえるくん」は再演を重ねていきたいとパンフレットにありましたが。それはどのような狙いがあるのでしょうか。
豊島 
色々あります。前に音楽が弾ける人と共演したことがあるんですけど、そういう技術って財産だなと思ったんです。バイオリンをぱっと弾けたりとか、その人のもので。役者は一回一回稽古する必要があるんですね。それはすっごくすっごく好きな作業なんですけど。
__ 
ええ。
豊島 
一つの舞台作品を自分の一つの仕事にして、人に喜んでもらえるようなレパートリーを持ちたいですね。元関西芸術座の新屋英子さんという女優の方が、2000回以上一つの作品を続けられたという自伝を読んだことがあって、素敵だと思ったんですね。ひとつの作品を再演し続けたら、その先があるんだと思うんです。一回一回の作品が通過点であり、到達点である、過去のものが低いということではなくて。
__ 
なるほど。では、豊島さんご自身は今後、どんな感じで。
豊島 
ほそぼそとでも、こつこつとでも。かえるくんは、ちょこんちょこんと続けていきたいですね。友達の家でやるというお話も出ているので。そんな感じでも出来たらいいなと思います。でもやっぱり、お芝居したいなと。
__ 
ええ。
豊島 
相手がいて、会話をしたいですね。そういうお芝居の稽古って、ジャンプしていくというか。ドキドキするんですよ。人とやると、やはりそういう面は強くなりますね。
__ 
会話もやっていきたいと。
豊島 
はい。
新屋英子さん
女優。劇団野火の会。ひとり芝居「身世打鈴」の再演を1973年以来2000回重ねる。

タグ: ジャンプ!についてのイシュー どんな手段でもいいから続ける 再演の持つ可能性について 楽器の話題・バイオリン


vol.105 豊島 由香

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豊島

本当にいい人たちに会えたと思います

__ 
豊島さんはTARZAN GROUPという劇団に所属されていたとの事ですが。
豊島 
はい、今もしています。ここ最近は、1年に1回くらい集まって飲みますね(笑う)。もう一度やりたいという気持ちはみんなあるんじゃないかと思うんですが、お子さんがいたり、仕事が忙しかったりで。でも、もっとおじさんおばさんになってからもう一度やりたいですね。
__ 
昔と今では、ご自身の演技にどんな違いがあると思われますか?
豊島 
ちょっと暗い話なんですけど、TARZANに入った頃舞台に立つのが怖くてしょうがなかったんです。
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怖いとは。
豊島 
お芝居はしたいんですけど、不安だったんです。私もっと好きだった筈、みたいな記憶で立っていたんです。そういう気持ちで立っていたからダメ出しも多かったんですね。
__ 
何が原因だったんでしょうか。
豊島 
それは結局、自分が嫌いだったと思うんですよ。それまで、TARZANに入るまでの頃は演劇が楽しくて仕方なかった。でも、自分が恥ずかしい人間だと気づかされるようになってからは、演劇を好きという理由でうまく逃げ場所にしていると自覚したんです。それからは、どんな役に対してもただ引け目を感じて怖くなった。考えるのは自分の事ばっかりで、舞台に立っていても、こんな自分の事はばれていると。そうした時に大学のサークルの人や、TARZANのみんなには助けていただきました。そのあともいろいろな人や出来事に出会って、だんだん、もうばれてしまったらいいな、ここから人に手をのばしていこうと、そんな力を育ててもらったように思います。
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それは良かったですね。
豊島 
はい。本当にいい人たちに会えたと思います。
TARZAN GROUP
京都を中心に活躍していた劇団。1988年旗揚げ。

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vol.105 豊島 由香

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2008/春
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豊島