逃げたくない

__ 
この間のユニット美人は、いかがでしたか。
大熊 
何か、久々に新鮮な空気を吸ったような気がして。伸び伸びとやらせていただきました。
__ 
そこで伺いたいのですが、大熊さんは沢山の客演経験をお持ちですが、今後どんなお芝居をやっていきたいとか、そういうものはありますか?
大熊 
うーん。人の気持ちとか、体とか。その営みを通して見えてくるものからは離れたくないなと思っています。
__ 
はい。
大熊 
コミュニケーションそのものから逃げたくないんですね。自分と自分との、または他人を介してのコミュニケーションで、素直な心と体の流れであるとか、そこに自分と相手が立っている事をちゃんと考えたいっていうか。あー、漠然としている。
__ 
いえ、結構明確だと思います。
大熊 
本当に? 何か、そこからは離れたくないなあと。
__ 
考える姿勢を持ち続ける、という事でしょうか。
大熊 
そうですね・・・。きっと、一生離れられないと思うんですね、人と接っするという事とは。その自分自身の経験を、表現として舞台に持っていけたらなと思います。良い部分も、嫌な部分も、きっちり考える事から逃げたくない。自分も受け止められるし、表現も出来るようになりたいなと思います。辛い事に直面しても、それが表現に繋がったりすると、前向きになれますね。
__ 
わかりました。それでは今後、どんな感じで攻めていかれますか。
大熊 
まあ、地道に、切実に、鍛錬を怠らず、真摯にがんばります。
__ 
割と地道系ですね。
大熊 
もう地道しかないので(笑う)。精進します。
__ 
頑張って下さい。
大熊 
ありがとうございます。
ユニット美人
劇団衛星所属俳優の黒木陽子と紙本明子で2003年11月に結成。あまりに人気がない自分達が嫌になり「絶対モテモテになってやる!」とやけくそになって制作に福原加奈氏を迎え正式に結成。「女性が考える女性の強さ・美しさ・笑い」をテーマに日々精進中。(公式サイトより)

タグ: 伸び伸びと演技 感性ではなく考えて表現出来る人 今後の攻め方


ムゴナの朝摘みばら水

ookuma_present

__ 
今日は、お話を伺えたお礼に、プレゼントがございます。
大熊 
ありがとうございます。
__ 
どうぞ。
大熊 
(開ける)これは・・・?
__ 
それはですね、バラの化粧水ですね。60本分のエキスが入っているそうです。
大熊 
へえ~。60本も。これで、メイクを頑張ります(笑う)。


象、鯨。

__ 
今日は、宜しくお願いします。
西山 
宜しくお願いします。
__ 
さっそく、お話を伺って行きたいのですが。
西山 
何もお話出来る言葉を持ってないんですが、大丈夫でしょうか。
__ 
まあ、ゆっくりゆっくりで良いかと思います。大丈夫ですよ。まず、西山さんは学生劇団から始められたのでしょうか?
西山 
いえ、入ってないです。
__ 
あ、そうなんですか。どういったキッカケがあったんでしょうか。
西山 
前に来て頂いたユニット公演の・・・・。
__ 
象、鯨。」ですね。
西山 
あれを大学生の頃に立ち上げて。いま演劇を続けているのは、あれがあったからなんですね。一番最初に舞台に立ったのは保育園のお遊戯の時で、何となく。
__ 
面白いなと思われた訳ですね。
象、鯨。
主に京都で活動する劇団。2008年現在、活動休止中(公式サイトより)

タグ: お遊戯会 自分は何で演劇を


vol.89 西山 真来

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2006年以前
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西山

雑音

__ 
その「象、鯨。」。とても面白かったです。
西山 
あ、ありがとうございます。
__ 
あれは、ドラゴンアッシュの曲を使われていましたね。偶然、聞いていたら同じ曲だと分かって。
西山 
ドラゴンアッシュって、流行っているのにアイドル的な感じではなくて、ある時代の雑音を集めたらああいう感じになるだろうと思って使ったんですよ。雑音って、いい意味でね。
__ 
雑音ていうのは、聞き手が主体的に関わっていない音の事だと思うんですが。
西山 
そうですね。街の音みたいな。
__ 
あの曲に合わせてひょこひょこ踊るダンスはとても良かったです。
西山 
よく覚えてはりますね。あのユニットは、学生劇団をやっていなかった事もあって、お客さんが少なくて少なくて少なくて。あの時は10人強はいてはったと思うんですが。そこで、全然知らない人が来て頂いているというのでびっくりしました。
__ 
あの公演に観に行った大きな理由としては、チラシが大きかったんですね。チラシのチープ感というか、謎めいた感覚というか。あとは、ギャラリーでの公演というのが興味がありました。公演場所の使い方としては、鴨川通り沿いの半地下のギャラリーで、通りに向かって開けられた入り口が舞台でしたが、非常に効果がありました。あのシチュエーションはどのような演出効果を狙ったのでしょうか。
西山 
あの場所に出会って、ここやったらこういう風にするだろうと順々に考えていったというのがあるんですね。もしかしたら後でこじつけたのかもしれないですけど、ノイズとか、2億年の時間を行き来したりの時間軸とか、そんなにちゃんと構成したものじゃないんですね。シャッターも、開けたかったから開けたという。

vol.89 西山 真来

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2006年以前
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西山

嘘がない

__ 
西山さんが演技を与えられた時に、例えばご自身が満足出来るような成果の基準というのはありますか?
西山 
俳優としてやる時に、という事ですか?
__ 
そうですね、これまでの経験からお話頂ければ結構です。
西山 
何か、話せる言葉がないと言ったのは正にこれで。俳優として経験もないうえに、自分の中の「これでいいんちゃう?」というのが無くって、毎回壁にぶつかってるんですね。
__ 
なるほど。
西山 
だから何も言えないんですけど・・・。でも他の人の演技を見ていて思うのは、やっぱり嘘がないようにしたいですね。感覚的に嘘がないというか。
__ 
分かると思います。無理がない、という事ですか?
西山 
多分、色んな言い方が出来ると思います。でも、皆やりたいと思うんですね。本物になりたいというか。私、さっき「ジュノ」って映画見てきたんですよ。本当に、人って意味の分からない所で泣いたりするじゃないですか。この人、こうやって生きているんだなあって思うとうわあって。そういうのは何か、良いなあと思います。それだけを目指してる訳じゃないですが。
__ 
琴線に触れる、という言い方がありますが。
西山 
はい。そんなにおこがましい事言えないんですけど。
__ 
ちょっと話が前後しますが、先ほどお話に出た「象、鯨。」の公演は正に私の琴線に触れたんですよ。
西山 
そうなんですか。どの辺りが。
__ 
ええと、ドラゴンアッシュの曲に合わせた踊りで二人の振りが少しずつぶれて行ったりとか。でもそれ以上に大きかったのは切実さが伝わってきた事ですね。二人の、別に具体的な状況を設定したりはしないのにじんじんと伝わってくるものがあって。
西山 
実は、あの公演は1日目と2日目で全然違っていて。あの公演では二人の関係をそのままやっていたというか・・・本当に、セリフもないので、逃げ場もないんですね。その場にあるものを使ってしまったりとか、結構やってしまうんですよ。その場にあったホースから水を出して収集が付かなくなってしまったんですね、1日目は。相手がむっちゃ怒ってるのが分かるんですよ。でも喋ったらあかんし、という。
__ 
なるほど。嘘がないですね。ところで、今後「象、鯨。」としては何か活動はありますでしょうか。
西山 
実はあの公演を最後に何もやっていなくて。ピンク地底人3号のように書きたい何かがある訳ではないので。
__ 
お知り合いなんですか?
西山 
あ、マレビトの会で。
__ 
ああ、そうでしたね。すみません。
西山 
いえいえ。自分は演出家や脚本家では絶対ないなと思っていて。今まで、場所で「うわあっ、これ!」みたいなのが来たらやってたんですよ。鴨川とか。でもそうじゃなかったらやらないという。
__ 
はい。
西山 
「象、鯨。」という団体を維持していこうというのはなく、あればやろうという感じですね。
__ 
なるほど。分かりました。
ピンク地底人3号
脚本家。演出家。ピンク地底人
マレビトの会
2003年、舞台芸術の可能性を模索する集団として設立。非日常の世界を構想しながらも、今日におけるリアルとは何かを思考し、京都を作品製作の拠点として創作を続ける。(公式サイトより)

タグ: 嘘のない


vol.89 西山 真来

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西山

マレビトの会

__ 
前回のマレビトの回は、どのような経緯で出演となったのですか?
西山 
劇研のワークショップオーディションか何かで。
__ 
あのチラシで西山さんのお名前を拝見して、一気にテンションが上がったんですよ。非常に意外で。
西山 
私も意外でした。
__ 
マレビト、いかがでしたか?
西山 
楽しかったです。賛否両論聞きますが、凄く面白かったです。スタッフさんも含めて多く色々な方に会えましたし、影響を受けました。日々、私が感じている事・そうじゃない事をを他の人と共鳴したんですよ。不安定な時期だったのですが、やっぱりこれを信じてやろうと思えたのが大きいです。
__ 
なるほど。
西山 
私、他人の集まりの中で自分をどのようにどれぐらいぼかして、でも芯を持って、というのがあまり出来なかったんですよ、人として当たり前の事が(笑う)。それをあの人達の中でそのバランスを学べたのは良かったです。
__ 
貴重な体験ですね。

タグ: 初期衝動 賛否両論


vol.89 西山 真来

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西山

次はe-dance

__ 
今後、西山さんは俳優としてどのように攻めていかれますか?
西山 
私、次はダンスをやるんですよ。9月に劇研で。
__ 
なるほど。ちなみに、どんな団体の。
西山 
飯田茂実さんが芸術監督のe-danceというダンスコミュニティーです。ダンスとかやった事ないんですけど、今は稽古が凄い楽しみです。
__ 
ちなみに、キッカケは。
西山 
2年ぐらい前に、飯田さんのワークショップを受けたんですね。その時はそれっきりだったんですが、去年そのワークショップを一緒に受けた友達から誘われて芸術センターのワークショップに行ったんですよ。その時に声を掛けて頂いたんですよ。
__ 
楽しみです。
西山 
ダンスとか全然見た事無かったし、面白みも分からなかったんですが、今はめっちゃ楽しいです。
__ 
それは、是非参ります。
西山 
良かったら。
__ 
お芝居はいかがでしょうか。
西山 
次は、コントをやります。
__ 
おお! それはまた意外ですね。
西山 
後輩が同志社小劇場やっていて、そこに大崎くんという人がいるんですね。彼がイッパイアンテナというのを。
__ 
ああ、こないだ東山でやってましたね。
西山 
コメディをずっと書いてはるんですね。私、色んなものが好きで。マレビトみたいのもダンスみたいなのも、コントも。で、大崎君の作品には何度か出た事があって。
__ 
とても見たいです。

タグ: 今後の攻め方


vol.89 西山 真来

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西山

Agronaturaポケットレメディー

nisiyama_present

__ 
今後やっていきたいお芝居とかはありますか? まあ、俳優の役のみならず、色んな経験でも。
西山 
今は、快眠快食を凄く大事にしていて、プチトマトでもいいからプランターを始めたいですね。あとは、稽古で忙しい中身近な人を粗末にしていた時期があったんですね。そうではなくて、恋人とペットを大事にしたいですね。目標です。プランター菜園と恋人とペット。そういう事じゃないですよね(笑う)。
__ 
分かりました。今日は、お話を伺えたお礼にプレゼントがあります。
西山 
申し訳ないです。
__ 
どうぞ。
西山 
ありがとうございます。見てもいいですか?
__ 
はい、どうぞ。
西山 
プレゼントなんて久しぶりですよ。嬉しいな、何か。プレゼントなんて貰う事ないですよね。
__ 
そうですね。
西山 
(開ける)え、凄い。
__ 
それは、軽い香水みたいなもので。
西山 
こういうの好きなんですよ。持ち歩いたりしていて。テンション上げる為に。
__ 
それは、気分を変えたい時にこめかみや手首に塗って香りを楽しむ為の軽いコロンみたいですね。パイナップルの香りで、頭痛にも効果があるそうです。
西山 
え、ちょっとめっちゃ嬉しいです。これじゃないですけど、こういうのを他に持っていて。
__ 
それは良かったです。


vol.89 西山 真来

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西山

__ 
今日は宜しくお願いします。最近はいかがですか。
宮部 
最近は、何かね。・・・何が?
__ 
日常的な事など、何でも結構です。
宮部 
色々あるよ。例えば、猫かな。やっぱりいい病院を探そうと。
__ 
飼っていらっしゃる猫の調子が悪いと。
宮部 
はい。

vol.88 宮部 純子

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宮部

「ノーバディー」

__ 
宮部さんがお芝居を始められたのは、どのようなキッカケで。
宮部 
小っちゃい頃に児童劇団に入って、大学卒業間近に将来を気にして、でもお芝居をしようと思って。その頃からまた始めた。
__ 
児童劇団ですか。なるほど。最近出演されたのは、肥田さんの改造企画でしたね。
宮部 
ははは。ありがとうございます。面白かった? 本当に。
__ 
ええ。
C  
大学を卒業した時に芝居に興味を持ったのは何故か。
宮部 
え? 興味はずっとあったんだよ。やりたいなあって。一つの仕事を決めるんだったらそれにしようと思って。だから中学高校はやってなかった。
C  
何を見たの?
宮部 
ええと。・・・何かさ。皆が思うお芝居のイメージがあるでしょ。大きな声を出して、発声練習をしてっていう。
__ 
固定観念ですね。
宮部 
そういうのじゃないお芝居ってやってないのかなあと思って、大学の頃に青年団を見たの。ああこういうのもあるんだって思って、オーディションを受けたんだけど落ちて。3回落ちた。
__ 
なるほど。その後、前田司郎さんのお芝居に出演されておりますね。
宮部 
「ノーバディー」から。
__ 
前田司郎さんの何が面白かったのでしょうか。
宮部 
面白くね?
__ 
ええ、とても面白いと思います。例えば、どのような点がとかありますか?
宮部 
何かさ、力みのない芝居って言われてるでしょ。だからかな。
Cマークについて
C・・・オブザーバーの発言です
肥田さんの改造企画
欄干スタイルプロデュース公演。劇団hakoの劇作家・演出家の肥田知浩さんの脚本「犬の眼、石の耳」を3団体が演出し上演。会場:アトリエ劇研。公演時期:2008年4月18~20日。
前田司郎
劇作家、演出家、俳優、小説家。五反田団主宰。

タグ: 力んでいる


vol.88 宮部 純子

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宮部

考えてない

__ 
最近、芝居について何か考えている事はありますか。
宮部 
いっぱい考えてるよ、芝居以外でも。
__ 
なるほど。
宮部 
人って結構考えているもんなんだよ。特に観劇した後だといっぱい考える。人に喋る。
C  
最近見た芝居で何か考えた事はある?
宮部 
「柳川」面白かったねえ。
__ 
ああ、精華演劇祭での。
宮部 
柳川の、あの危なっかしい感じがすごく好き。
__ 
なるほど。ところで宮部さんって、どんな事を考えて芝居をやっているんでしょうか。
宮部 
考えてないかな。そこはあまり考えてないのもしれない。
C  
役作りとかはしないんですか?
宮部 
しない。
__ 
素晴らしい。
宮部 
本番中は何考えてるかな。
C  
俺は形の事しか考えてないけどね。
宮部 
あ、私も形の事しか考えてないかも。
__ 
次にこのセリフをどんな感じで言うか、とかですかね。
宮部 
そうそう。
柳川
1998年、立命館大学の学生劇団を母体に結成。洗練されたシチュエーションコメディを目指すも、良くも悪くも洗練されず「なんだかよくわからない、面白いのかどうかすら、ちょっと判断しかねる笑い」を目指す、どちらかと言えば、ひとりでこっそり観に行きたい劇団。(公式サイトより)

vol.88 宮部 純子

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宮部

オバマの次

__ 
宮部さんは、今後どんな感じで攻めていかれますか?そういうのがあれば。
宮部 
お芝居でさ、食っていきたいよねー。
__ 
それは中々難しいですけどね。
宮部 
別に舞台だけにこだわってないんだけどね。色々なところに出たい。芝居出来る環境を増やしたい。
__ 
なるほど。
宮部 
あと、世界征服。
__ 
その際には、是非お願いします。
宮部 
そうだね。オバマの次くらいには最低いくよ。
__ 
どんな感じで行いますか。
宮部 
え?みんなと友達になるの。
__ 
なるほど。

タグ: 今後の攻め方


vol.88 宮部 純子

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宮部

ないよ

__ 
今後、やりたい芝居とかありますか。
宮部 
ないよ。
__ 
では、どんなお芝居が好きですか?
宮部 
五反田団好きだよ。
__ 
力の入ってない感じの。
宮部 
も好きだし、何なんだろう。
C  
オシャレじゃない方がいい。
宮部 
うん。こだわりとオシャレは違うでしょう。何の話だっけ。
__ 
今後の・・・。
宮部 
何でもやりたい。あ、でもキレのいい芝居とかやりたいな。
__ 
キレのいい芝居。
宮部 
何かね、恥ずかしくて出来ない芝居がしたい。恥ずかしいと笑っちゃうからね。
__ 
というのは。
宮部 
昔、ある芝居に出た事があって。その時にそういうというか、安っぽいクサい芝居を振られたんだけど出来ないって言ったのね。
__ 
笑ってしまったと。
宮部 
うん。でも、それから何年か経って、色々成長したと思う。あと、関西の小劇場にどんな人がいるか分かった。
__ 
なるほど。
宮部 
その上で、クサい芝居を、信頼出来る人とやりたい。あ、やっと言えた。

タグ: 恥ずかしいコト


vol.88 宮部 純子

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宮部

グラス型カチューシャ

miyabe_present

__ 
今日はですね、宮部さんにお話を伺えたお礼にプレゼントがあります。
宮部 
こんな事して大丈夫?
C  
まあ、節約すればね。
__ 
どうぞ。
宮部 
これ何?
__ 
カチューシャですね。
宮部 
あ、いいな。これ甥っ子の前でやろう。


vol.88 宮部 純子

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宮部

乾杯

魚森 
じゃあ。
__ 
乾杯。
魚森 
乾杯。
__ 
このビールは・・・?
魚森 
ハートランドっていう日本のビールですね。何でも好きって言うと節操が無い気がしますけど、とにかくビールが好きで。
__ 
なるほど。魚森さんは、最近いかがですか。
魚森 
1年くらい、アシスタントをしていた作品が落ち着いて。人の作品づくりのサポートですから、緊張状態が1年くらい続いていたんですけど、いい感じで終える事が出来ました。
__ 
なるほど。
魚森 
今は、下鴨車窓ですね。今月末(6月)から立て続けに。その準備をしています。
下鴨車窓
京都の劇団。アトリエ劇研プロデューサー、田辺剛氏が演出・脚本を務める。
烏丸ストロークロック
1999年、当時、近畿大学演劇・芸能専攻に在学中だった柳沼昭徳(劇作・演出)を中心とするメンバーによって設立。以降、京都を中心に、大阪・東京で公演活動を行う。叙情的なセリフと繊細な演出で、現代人とその社会が抱える暗部をモチーフに舞台化する。(公式サイトより)

vol.87 魚森 理恵

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魚森

10年

__ 
魚森さんは、どういった経緯で照明さんになられたのでしょうか。
魚森 
京都市立芸大に入ってから、部活動で舞台に関わっていたんですが、舞台に立つ事よりも、舞台の成り立ちそのものに興味が沸いてきたんですね。
__ 
成り立ちですか。
魚森 
大学2年の時に世田谷美術館で、ジェームズ・タレルというライトアート作家の作品を見たんですね。「光」そのものを知覚させるという作品にショックを受けたんです。「光」そのものが、美術作品になりうる素材なんだという事に。で、自分が舞台をやっているという事で「照明」を身近に扱える環境にいる事と、美術の勉強をしている事が丁度良くリンクしたんですね。
__ 
どんな作品だったんでしょうか。
魚森 
展示空間の奥にもう一つ壁を作って、その隙間から光が出てて、光源のありかは見えないけれど、光そのものが空間に満ちていて、光の箱のなかに居るような。普段から家とか学校とか、毎日光の箱のなかに入って生活してるのに、あえてその光の存在を、高い純度で知覚させる技法に感動しました。見えているつもりなのに、気づいてない事がたくさんあるんだ、と。「光」って、照射対象物が無い限り、そのものに着目するという事は出来ないじゃないですか。それをこう、計画的に配置する事で、作品に出来るんだなあと。
__ 
それは凄そうですね。
魚森 
他にも、真っ暗な部屋に20分入れられて目が暗順応すると何かが見えてくるという作品も見てしまって。これはやばいと。それから大学を出て、「光」に触れながら生きて行こうと照明の仕事を続けたんですが、「照明」に日々忙殺されるあまり、「光」のことをだんだん忘れてきちゃったんですね。勿論、一般的な舞台照明技術の獲得はいっぱいさせて頂いたんですけど。一般化された技術的なデザインを、現場の規模に応じて取捨選択していくシステムを、リスペクトはしますし、共感もできますが、そのデザインの方法論自体にはあんまし興味が持てなくて。既存のシステムから軌道をずらして活動するには、かなりの覚悟がいる世界ですから、元々求めていた光の知覚とかのテーマはどうしても。
__ 
はい。
魚森 
で、しばらくしてGEKKEN staff roomに入って。私達は団体といっても会社じゃないので、社会的な立場はフリーのスタッフの集まりなんです。仕事の技術習得も、ごはんを食べて行くのも全て自己責任で、それぞれの技術的な特性やキャラクターで仕事をしています。私はそこで、「照明」の技術的なことを研ぎながら、「光」について、忘れずにやっていこうと。とりあえず10年続けようと思っていて。
__ 
10年?
魚森 
技術を獲得するのに10年掛けて、その後自分のやりたい事をやったらあんまり怒られないんじゃないかなあと思って。
__ 
あと何年ありますか?
魚森 
あと1年ですね。「照明」で食べ始めて10年。
__ 
これは良いタイミングでお話を伺えました。
魚森 
はい(笑う)。怒られるかもしれないですけど、私は「照明」を美術表現の一つだと思っているんですね。私の職業はあくまで「照明」なので、作品のなかの必然をクリアするのがもちろん最優先ですが、観客が光そのものを知覚することに直接アクセスできる可能性は、自分の中でつねに持っておきたいコンセプトです。そろそろ、そういう事をより具体的に考えて行かないとな、と思っています。

vol.87 魚森 理恵

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魚森

コミュニケーションの積み重ね

__ 
魚森さんが照明のプランを決めていく上で気を付けている事は何ですか?
魚森 
やっぱり、お話をする事ですね。演出家だったり振付家だったり、その作品に責任を持つ人とどれだけお話をするかに懸かっているんじゃないかと思います。照明に関する打ち合わせというのは抽象的な言葉の積み重ねで。その結果が、小屋入りしてやっと具体化するのが照明なんですね。稽古を見る事も大事で。通し稽古も見ますが、実は普段の稽古を見る事も、見ないと分からない事があるんですね。
__ 
何が違うのでしょうか。
魚森 
普段の稽古だと、どういう実験や試行錯誤をしているのか、どういう演技を採用するのか、そういう考え方が分かるんです。これらは場当たりで反映されるんですよ。
__ 
場当たりというのは、仕込みの段階ですね。
魚森 
そうですね、このシーンではスタッフワークや演技をどうするか、という事を決めるんですが、普段どういうコミュニケーションをするかを知っていればやりやすいですね。演出家がどんな考え方をするか、というのも分かりますし、現場に入って突然「こうしたい」というのに共感しやすいんですね。逆に、「こう変えたいんだけど照明さんは困るかな」って思って秘密にしないで、それが必然だったり、実験が必要なら、遠慮なく提案して欲しい(笑う)。もちろん時間的な制約はあるんですが。現場でびっくりしたいなあと思うし、稽古場で緻密に積み重ねてきたものを出したいというのもあります。
__ 
ええ。
魚森 
どちらも大事で。
__ 
普段を知っていればその演出家の哲学やロマンも分かるし、現場での限られた調整時間も有効に使えると。つまり、コミュニケーションを大事にされているんですね。
魚森 
はい。照明って、空間と時間を扱うものだと思っているんですね。理想としては、空間の話は美術デザイナーともしたいし、時間の話は音響デザイナーともしたい。とにかく現場に入るまでにどれだけ話せるかに懸かっているんですね。
__ 
逆に言うと、話さなければしょうがない訳ですね。
魚森 
はい。例えば、私がどこまで作品の事を感知しているかまで話さないと、小屋入りしてからまずい事になる場合もあります。ですので、打ち合わせは大事にしています。
__ 
お話から察するに、魚森さんとの打ち合わせによって演出家が「自分の作品をどう見せたいか」がより明確になっていくという重要なプロセスが組み込まれているように思えます。

タグ: ロマンについて 天才スタッフのひらめき


vol.87 魚森 理恵

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魚森

撮る

__ 
そういえば、写真を撮るのが趣味なんですよね。
魚森 
3年くらい前からかな。はじめは、自分が見ている風景を「美しい」と思ったり、良い構図の研究だったり。何を選択してどう作品として作るか、とか、自分を整理する為に写真を撮りだしたんですね。それが最近、とっても良い方向に動き出していて。何を見ているか、何を見ていないかを思い知らされるようになりました。美しいとは一概に言えないけれどこういう着眼点はどうだろう、と思うと人に見せています。照明は空間の中で構造を作る仕事なので、写真を「作る」時も生かされているんですね。毎日現場にいられる訳ではないので、良いトレーニングになっています。
__ 
重要なところは、言ってみれば、キレイな風景を見たらどれだけ感動しても写真に撮る必要は生じないと思うんですよ。思い出として頭に焼き付けておけば、可能な限りクリアに再生出来る訳ですから。でも、フレームの四角に切り取るという事は、その感動を作品化するという事ですよね。そこに知覚と感動と製作の密な関係を感じます。良い練習ですね。
魚森 
うん、もう本当に、撮るようになってから光についての説明が出来るようになったんですよね。今では、大事な作業の一つです。
__ 
なるほど。
魚森 
あとは、自分の照明プランの成り立ちを、文章で書き留めておこうと思ったのも、写真を撮るようになってからです。写真と打ち合わせで得たものを照明にして、それを言葉にして取っておくというサイクルが出来始めています。でも、まだ柳川のしかアップしてないんですけどね(笑う)。
柳川
1998年、立命館大学の学生劇団を母体に結成。洗練されたシチュエーションコメディを目指すも、良くも悪くも洗練されず「なんだかよくわからない、面白いのかどうかすら、ちょっと判断しかねる笑い」を目指す、どちらかと言えば、ひとりでこっそり観に行きたい劇団。(公式サイトより)

タグ: 一瞬を切り取る


vol.87 魚森 理恵

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魚森

非常灯

魚森 
柳川どうでした?
__ 
あ、面白かったですよ。めっちゃ。魚森さんは観客席からすぐ見える舞台脇でオペレーションしていて、何とセリフがありましたよね。しかも1ページくらい。
魚森 
あれは、見た人にとってどうなんだろうと思って。私も、出ていて本当に面白かったんですよ。緊張するし、でも、あんな位置から舞台を見る事の楽しさったら無くって。
__ 
ええ。
魚森 
まあ、色々絡まれたり、喋ったり。
__ 
芝居自体は魚森さんが死んで、同時に暗転して終わりましたね。
魚森 
死に方も練習したんですよ。死んでも、フェーダーは握っておかなくちゃならないので。結構無理な体勢でした。
__ 
あの芝居は、非常灯を消す為の芝居でしたね。
魚森 
劇場に既設された非常灯や、舞台上演のために消灯する、消防上の約束事そのものに着目する、というのは私にとっては事件だったんです。照明的に。人工の環境光としてあった非常灯が照明効果になったという。舞台奥にも非常灯があったんですが、暗転中にもつけっぱなしにしていたんですね。消したり隠したりせずに。
__ 
はい。
魚森 
あの視点を持てるのは凄いなあと本当に思いました。
__ 
珍しいですね。
魚森 
次に柳川が何をするか楽しみです。

vol.87 魚森 理恵

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魚森

信念

__ 
魚森さんは、今後どんな感じで攻めていかれますか。
魚森 
どんな感じで攻めていこうかなあ。まあ、さっきまで言ったように自分なりの仕事をしていこうと思います。信念を持って(笑う)。信念というものがあるとして、それが何によって支えられているのかを説明する能力が必要だなと思っています。それは演劇の世界と美術の世界を行き来する上で重要だと。そんなに美術の世界を語れるわけではないんですが。
__ 
はい。
魚森 
自分のキャラクターとして、新しい光の知覚を発見していきたいし、それを舞台上で扱いたいですね。その上で、演出家・振付家さんとちゃんとお話を出来るようになればいいなと思います。

タグ: 今後の攻め方


vol.87 魚森 理恵

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魚森