・ 描きたいもの

__ 
それでは、梶川さんが表現したい内容とは何でしょうか。
梶川 
僕のやりたい事。ダメ男を描くのが大好きなんですね。きっとそれは、人間のダメな部分に何かしらの執着があるからだろうと思うんですが。
__ 
その、ダメ男の何が美しいのでしょうか? いや、美しいというのとはちょっと違うのかも知れませんが。
梶川 
いや、自分自身がいい男ではないから(笑う)。前回公演での主人公に起こったような事件がよく起こるんですよ。1人で頑張って、あるいはテンパってしまって周りをほったらかしにしてしまう、みたいな。自信が持てないと上手く喋れないみたいな。それを表現した所でどうなのかという話なんですけど。・・・描きたいもの、ですよね。
__ 
そうですね。ダメ男の話から入りましたけれども、ストーリーの流れから見てもお伺い出来ればと思います。例えば前回公演「ソニータイマー」ですが、最後登場人物が属する町工場が倒産し、全員が散り散りになってしまうという展開でした。
梶川 
何か・・・。自信のない人達や、喪失感・孤独感を描きたいんですね。誰しも、そういう弱い部分を持っていると思うんですよ。共通認識として。そういった弱さをどうしたら乗り越えられるのか。それは人それぞれだと思うんですけど、きっと、ある程度条件は一緒なんですよ。それを示せたらいいなあと思います。
__ 
乗り越える。
梶川 
何かを失ったけれどもそれを取り戻す、そういう様を描きたいんですね。「ソニータイマー」は僕ではなく広川くんの脚本で、逆に何かを失っていく過程の話だったんですけれど。
__ 
そうですね、今回の主人公は失っていきました。
梶川 
でも最後は、主人公の元にヒロインの女の子が戻ってきたんですけどね。その終わり方の良さも作品としてはありなんですが。公演を終えて振りかえると、僕はいまいちああいう終わり方というか、戻ってくる動機が分ってなかったなと。実際体験としてそんな事は起きねえよと。そういう時には近寄ってこないもんで、タイミング的にもう少し前後した段階ならば戻ってくる事もあるだろうと。
__ 
ダメ男として。
梶川 
あれは、理想というか夢物語だろうなと。最後、ファンタジーみたいに終わるじゃないですか。
__ 
バースデイケーキを取り囲んで終わり、でしたね。
梶川 
照明の魚森さんから、「この回想はどこから始まるの?」って聞かれた時に、「ケーキが舞台上に出てきたあたりからです」って答えたんですけど。多分、ファンタジーな部分は女の子が主人公の所に帰ってきた辺りからだと思うんですよ。
__ 
なるほど。もう、終わり方の美学の問題ですね。
梶川 
これを稽古段階から気付けていたら、もう少し違う終わり方をしていたのかも知れないですね。僕の中では、ラストシーンは主人公の社長が、バースデイパーティーの様子が録音されたICレコーダーを床に叩きつけようと腕を振り上げた瞬間なんです。後はちょっと長々しい、蛇足っぽい気がしますね。

タグ: ファンタジー


出会っていく

__ 
「ソニータイマー」について、もう少し。お客さんの反応としては、いかがでしたか。
梶川 
賛否両論が激しいですね。ものすごく。僕の知り合いではダメ、というのが多いんですね。普通のお客さんというか、芝居に触れた事のない方のアンケートは面白かったという意見が多かったんですが。
__ 
はい。
梶川 
そこは、当初から狙っていたんですよ。そういうお客さんこそに見せたいというか。別に演劇関係者の為に演劇をやっている訳ではないので。僕達は、確かに演劇をやっているけれども、そのコミュニティの中で作品作りをやっていてもしょうがない。お芝居の文化を大きくしていくと思うのなら、お芝居をやった事のない人に出会っていくしかないだろうと思うんですよ。だったら、その人達に伝わりやすいものを作ろうと。しばらくは、その方向で作品を作っていこうと思います。
__ 
出会っていく。
梶川 
いや、初対面ってそうじゃないですか。出会って、だんだんと仲良くなっていって、気の許せる仲になって初めて自分の伝えたい事を打ち明けられると。演劇も一緒だと思うんですよ。
__ 
関係者向けではないという事は、劇場は閉じていると感じておられるのでしょうか。
梶川 
ああ、そうですね。・・・うーん、怒られますかね(笑う)?
__ 
まあ、それは皆思っているんじゃないかなと思うんですけどもね。そういう中で、「ソニータイマー」みたいな見やすい作品って凄く貴重なんじゃないかなと思います。
梶川 
そこが商業的かなと思っちゃうんですけどね。
__ 
いや、そんな引け目を感じる必要はあまりないかと思います。
梶川 
芝居をやっている関係者の方から「自分のやりたい事をやらないでどうするんだ」と言われる訳ですよ。でも、そこはバランス感覚だと思うんですよね。

タグ: 賛否両論


「演劇をやる意味」

__ 
梶川さんは、今後どんな感じで攻めていかれますか。どんな方法、どんな方向で。
梶川 
いやー、そうなんですよね・・・。今後は少し、演劇をやっていく理由を見つけたいなあと思っています。とりあえず、今年いっぱいは役者ですね。
__ 
役者ですか。
梶川 
僕は当初、役者をやりたくて演劇を始めているんですね。演出やったり脚本を書いたりとか、そういう役割で人の演技も見たいんですけど、やっぱり自分が舞台に立ちたいというのが大きいですね。
__ 
今後、どんな役者になりたいとかありますか?
梶川 
いまぼんやりと見え始めている「演劇をやる意味」というのが(さっきの話にも繋がるんですが)、「お客さんと繋がる」という事なんですね。演劇って、人が出会う事が最大の特色だと思うんですよ。映画やテレビには無い。
__ 
完全に違うメディアですからね。
梶川 
そういう機会であると考えると、やっぱり人との付き合い方と同じだと思うんですよ。そういう事を考えた時に、より多くの人と出会って付き合う事の出来る役者が一番上手いと思うんですよ。それは技術のあるなしとは関係ない、人間的魅力の問題で。
__ 
人間的魅力ですか。
梶川 
より多くの人と、より楽しい時間を過ごせる人ほど、沢山人が集まってくる。そういう人の演技を見ていたいし、そういう芝居を作っていきたいですね。
__ 
nono&lili.の今後としてはいかがでしょうか。
梶川 
まあ、同じ事ですよね。劇団員全員が、うわべだけの社交的な意味ではなく、人間味というか、人気者になれればいいですよね。友達感覚でいいと思うんです。そういう人達の集団って、とってもいいなと。
__ 
はい。
梶川 
それは絶対に魅力だし、価値だと思います。

タグ: 今後の攻め方


万城目 学・著『鴨川ホルモー』

kajikawa_present

__ 
今日は梶川さんにお話を伺えたお礼として、プレゼントがあります。
梶川 
すいません、ありがとうございます。あ、本ですか?
__ 
そうですね。
梶川 
何だ何だ(開ける)。おお! これ、読もうと思ってたんですよ。ちょっと気になっていて。
__ 
あ、そうだったんですか。完全なジャケ買いだったんですけど。
梶川 
そうなんですか。これ、今話題ですよね。ありがとうございます。読書家なんで。
__ 
あ、良かったです。
梶川 
ありがとうございます。本とか買わないので、凄く嬉しい。


Teatro PiPa!

__ 
この間のTeatro Pipa!、大変面白く拝見しました。
伊沢 
ありがとうございます。
__ 
出演者の方々が凄く素直な演技をされていて、スッと観れました。伊沢さんは出演と演出をされていた訳ですが、ご自身ではいかがでしたか?
伊沢 
面白かったですね。当初思っていたものとは全然違ったものが出来たんです。当初はセリフがほとんど無い作品にしようと思っていてんですが、会話劇をやってきたメンバーにとってそれはいくら何でも難しかったので、途中で方向転換したんです。
__ 
会話劇に。
伊沢 
それでも色々、動きや形の面白さを付けようとして、「もっと高く腕を上げて」とか。そういう方向の作品をしばらくやっていなかったので、色々苦労しましたね。
劇団飛び道具
京都を拠点に活動する劇団。
Teatro Pipa!
劇団飛び道具・伊沢はるひ氏演出によるプロデュース集団。
Teatro Pipa!「夜のメダル」
公演時期:2008年4月。会場:京都万華鏡ミュージアム。

タグ: 出来ない!難しい!演技 劇団の方向転換


児童演劇

__ 
今回の企画のコンセプトは「子供も大人も楽しめる作品を目指す」というものだったそうですが。
伊沢 
以前、デンマークの児童演劇フェスティバルに行った時に、全然子供向けじゃない作品があったんですね。私が勝手に抱いていた幼稚なものなんかではなく、大人の私が感動して涙を流すような。内容も、デンマークの社会問題を取り扱ったもので。
__ 
手加減なしですね。
伊沢 
それを子供も面白そうに見ているし。デンマークでは、演劇を教育の一環として積極的に取り入れているんですね。小さい頃から。演劇教育の果たす役割は大きいなと。そう考えると、友達と仲良くしようとかいう話ではなくて、本当に質の良いものを見せるのが重要なんじゃないかなと。私も児童演劇に詳しい訳ではないんですけど、そのデンマークの児童演劇フェスの主宰の方に、日本から児童演劇を呼んでないのは何故か聞くと「子供を馬鹿にしているものばっかりだった」って。いっぱい見たらしいですけど、結局、日本から呼ばれたのは狂言と沖縄の舞踊が招かれていて。それはちょっと悔しいなと思ったんですね。
__ 
その、デンマークでご覧になった作品なんですが、お子さんにとって言葉の難しさとかは大丈夫だったんですかね。
伊沢 
さあ、デンマーク語だったんでね(笑う)。でも、分かっているとは思います。内容は、アル中のおじさんの話だったんですけど、反応から多分分かって見ていたんじゃないかな。あと、全くの無言劇もあったんですけど、それも理解していたと思います。
__ 
結構、年齢に関係なく理解出来るものかもしれませんね。演劇は。
伊沢 
演劇教育で小さい頃からお芝居を見ているというのが大きいと思うんですけどね。でも、「夜のメダル」でも子供が来てくれたんですが、内容が分かったみたいですね。大人より感じていたかも、という声がお母さん達からありましたね。
__ 
お話としては、具体的な社会の現場を抽象したものだったと思いますが。町のはずれに来た引きこもりとのふれ合いという。
伊沢 
それでも、退屈されては困るので、面白い動きとか形を付けましたね。

タグ: ユニークな作品あります ひきこもり 児童演劇の難しさ 無言劇


劇団飛び道具

__ 
伊沢さんは、お芝居を始められてどのくらいになるのでしょうか。
伊沢 
18の時から初めて、もう16年目に入りましたね。
__ 
最初は、大学生から。
伊沢 
大学です。藤原と大内君と一緒に。
__ 
飛び道具プロデュースですね。その頃からは存知なかったんですが、初めて見たのは「Sofa」からこれまでずっと見てるんですけれども、やっぱり、見ていて安心するというか。そこで質問なのですが、飛び道具って伊沢さんにとってはどんな存在なんでしょうか。もう、ずっと長い間関わっておいでですけども。
伊沢 
まあ、家族みたいなもんですね。普通、劇団って恋愛沙汰とか多いじゃないですか。
__ 
まあ、そうですね。
伊沢 
それが、全くありません。旗揚げからずっと。
__ 
それは凄いですね。
伊沢 
そういう意味で、健康的な劇団なんですね。いざこざとか全くない。演劇の事ばっか考えてるんで。
__ 
成熟した感じですよね。
伊沢 
特に、昔から一緒にやってきたメンバーばっかりになっていますね。
__ 
ちょっと質問を変えて。劇団飛び道具の作品で特に印象が深かった作品は何ですか。
伊沢 
そうですね。「茜雲」という作品があるんですけれども。ご覧になっていないかと思うんですが・・・。
__ 
拝見していないですね。
伊沢 
これまで3回再演しているんですが、それでもまたやろうかなと思いますね。
__ 
どんなお話なのでしょうか。
伊沢 
戦後の混乱期のお話なんですが、ある闇市にメアリーという娼婦が流れてくるんですね。私はそのメアリー役をやったんですけど。主人公は戦地から復員してから、やる気が燃え尽きてずっと家にいるような男なんですね。そこにメアリーが転がり込むという。奥さんも子供もいる家に。でも結構暖かく迎えてくれるんですね。結局、娼婦は死んでしまうんですけど、街の人の温かさとかで娼婦も幸せに死んでいくし、主人公も立ち直るという。ベタな話なんですけど、劇団飛び道具の性質に合っているんですね。
__ 
藤原大介さんとお話をしていて、そこで「劇団飛び道具は人間関係を濃密に描く事が得意」とお聞きしました。そこに見ごたえがあるんですね。
伊沢 
そうなんですよね。上手くはないけど、いい役者が揃ってると思います。無理に格好付けたりしないし。
__ 
安定感というか、見ていて安心するお芝居をされますよね。やっぱり、劇団の雰囲気が反映されているんでしょうね。
「茜雲」
公演時期:2003年9月19日~20日(滋賀)、2003年10月3日~5日(大阪)。会場:あかね文化センター小ホール(滋賀)、芸術創造館(大阪)。

タグ: 「ベタ」の価値


誰でも

__ 
今後、伊沢さんはどんな感じでお芝居をされていく予定なのでしょうか。
伊沢 
次の劇団飛び道具の公演に出演するのと、7月の末から8月の一週目に、大阪で国際児童演劇フェスティバルが開催される予定なのですが、それに関わる事になりました。さっき話に出た、デンマークでの児童演劇フェスの運営の方とお知り合いになったんですけど、その方が去年から始めたものだそうで。その人に、一緒にやろうと声を掛けて頂きまして。
__ 
国際児童演劇フェスティバル。
伊沢 
今まで、自分でそういう、企画の運営に関わった事はないんですけど、そろそろやっていかなくてはと思っていますね。
__ 
大人も楽しめる、児童演劇ですね。
伊沢 
その方も大阪で児童演劇のカンパニーをやってはって。今までの児童演劇とは違う、質の良い作品を作られているんですね。この間は全編無言で、照明はプロジェクターで流す映像だけという演劇だったんですね。凄く良く出来ていて、まさに大人も子供も楽しめる作品でした。
__ 
それはいいですね。
伊沢 
はい。私、何の話をしていたんでしたっけ・・・。
__ 
そうですね、伊沢さんが今後どのようなこだわりを持ってお芝居を作られていくのかお聞きしたいのですが。
伊沢 
はい、この間の企画で、誰でもウェルカムな雰囲気ってのがもっと欲しいなと思ったんですね。
__ 
というのは。

コミュニティ

伊沢 
劇場に行きにくい、という空気がずっとあって。
__ 
はい。
伊沢 
例えば、お子さんがいるお母さんは行きにくいという声をよく聞くんですよ。子供が泣いたりしたり。何か、閉ざされている雰囲気があるんですね。私は、誰でも気軽に入れる場を作りたいと思います。劇場では一つのコミュニティが出来るんですね。色んな人が集まれる方が楽しいと思います。
__ 
この間のTeatro Pipaでも、劇場を真っ暗にしなかったですよね。とても新鮮でした。あれも、そういった開かれた空間へ向かう意識があったのでしょうか。
伊沢 
あれね、施設に下見に行った時に舞台監督に「どうする? これ、幕吊るの?」って話になって。で、「要らない」って応えたらびっくりされて(笑う)。確かに、暗くしなかった事で、演劇作品として上手くいかなかった部分もあるんです。でも、まあ、ええんちゃうと。
__ 
それから、舞台と客席の間の段差も、照明も地明かりだけでしたね。
伊沢 
そうですね。元々、ロシアのメイエルホリドという演出家に影響を受けてるんですね。そんなに詳しく知っている訳ではないんですが、客席と舞台の連続性について考えてます。それで、ああいう風に。
__ 
そういう場でコミュニティが形成されやすくなると。
伊沢 
そうですね。本当は、普通の劇場の形式と同じように舞台が高くて客席も暗い方が想像力が膨らむかなと思ったんですけど、そうじゃなくてもいいんじゃないかなと。もっとこう、昔の演劇が宗教儀式だった頃の、祭りの空気が出ればいいなと思っていました。開演時には太鼓が打ち鳴らされたり、観客の緊張が最高に高まった頃に厳かに始まったり。

祭り

伊沢 
何かさ、演劇ってもうずっと下火じゃないですか。
__ 
そうですね、お客さん少ないですからね。どうなっていくんですかね。
伊沢 
本当は、じいさんとか子供とか、それこそ普通の人が劇場に入ってくるような祭り的な場になっていったらいいと思うんですけどね。
__ 
作品性が高くて本当に面白い芝居なのに客席がガラガラだったりとかありますからね。寂しいですよね。
伊沢 
・・・色々、昔は前衛的な事をしてたんですね。そういう作品に演出助手で関わったりした事があって。
__ 
確か、岡本太郎さんの。
伊沢 
そうそう。見た目は凄く前衛的なんですけど、強いメッセージ性があったんですね。それは本当に面白かったですね。そういうものならいいと思うんだけど。新しい方法を探る事は大切だと思うんだけど、方法論が先走り過ぎて小難しくなってしまう作品が最近多いんじゃないかなと。劇場は元々、自分達の考えている事や心の発信の場で、それをすっ飛ばしてただ単にやっているというような。それでは人は感動しないんじゃないかしらと思う。それで、この間(Teatro Pipa!)も自分の考えている事を載せようと思ったんだけど、中々上手く行かなかったんですけどね。

ベル

izawa_present

__ 
今日はですね、伊沢さんにお話を伺えたお礼にプレゼントがあります。
伊沢 
えー。まさかそんな、プレゼントを頂けるとは。
__ 
どうぞ。
伊沢 
開けていいですか?
__ 
どうぞ。あんまり必要の無いものかもしれませんけど。
伊沢 
必要のないもの? 何だろう。「STOCK ROOM」
__ 
さらさ鴨川というカフェがあるんですが、そこの1Fの雑貨屋ですね。
伊沢 
あるんや。(開ける)ベル?
__ 
ベルですね。
伊沢 
すごいすごい。何故これをプレゼントに?
__ 
かわいいかなと思いまして。
伊沢 
かわいいかわいい。


好き

__ 
朝平さんは、これからどんな感じで。
朝平 
うーん。自分が出れるお芝居があったらそれを一生懸命やる。何年先の展望みたいなんは常になくて、いきあたりばったりなんですけどね。でもね、今回ARTRACTIONで初めて自分の作品を作ってるんですよ。
__ 
あ、そうなんですか。
朝平 
企画自体がそういう趣旨で。参加者が7人いるんですけど、自分の企画で他の出演者をキャスティング出来るんですね。私は、今までそういう事をやった事がなかったんですが、一回自分が作品を作ったらどんなのが出来るんだろうと思っていたんです。色んな人から、「結局何がしたいねん」って言われてたんですよ。色々やりすぎていて。だから、これをキッカケに変わるかもしれない。まあ、大変だけどね。
__ 
今回、どんな感じのものが出来るんでしょうか。
朝平 
それは来てからのお楽しみで・・・。でも、大分好き勝手やってますね。自分が好きなのはこういう事なんかなあ、というのに気づきましたね。

タグ: キャスティングについて


vol.83 朝平 陽子

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朝平

予感

__ 
朝平さんが、お芝居を見るにあたって何か、大切にしている趣味や基準はありますか?
朝平 
いや、あんまり無くって・・・。好みはあるんだけど、見る芝居を選ぶ時に大きな理由になるのは、「これ見ておいたほうがいいやろうな」という予感がまずあって。
__ 
予感ですか。
朝平 
そうそう、私がもともといた劇団は皆あんまり劇を見に行かなかったのね。戯曲を読んで勉強したりとか。私もあんまりそういう事をしてこなくって、で、そういう勉強の為に見る芝居も多いかなあ。どうやろね。でも、それが一番かな。
__ 
では、舞台に立つ上で何か基準は。
朝平 
そんなにないかなあ(笑う)。あ、無理しないこと。
__ 
無理しない(笑う)。
朝平 
芝居をやるにしたら目立たないといけないとか、将来的には売れるようになるとか考えるのがすごくしんどくて。前へ前へ、という気持ちが無くはないんだけど、どうしても・・・。そうするのが苦痛で。そうしなくてもいいや、と割り切った時から楽になった。作る作業に専念すればいいんだと。作品を作る、その上でどう目立っていくか、というのは私にとって余分な要素だったと分かったんですね。
__ 
最近、そういう、がつがつ目立っていこうという人はあんまりいないような気もしますね。
朝平 
というよりは、長く続けていきたいんですね。

vol.83 朝平 陽子

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朝平

キッカケ

__ 
朝平さんは色々、プロデュース公演などへの出演が多い訳ですが。
朝平 
いや、そんな色々なところに出ている訳でもないですけどね。
__ 
朝平さんがお芝居を始められたキッカケは何だったのでしょうか。
朝平 
友達が精華の忘却曲線に入っていて、その公演を見に行ったんですよ。それが面白かったんですよね。こんな面白いものがあるんだと思って。何か、興味を持ったらやってみようという性質なので、始めました。
__ 
どんなお話だったんですか?
朝平 
何かその、秘密組織の話だったんですね。何をする組織だったのかな? 内容としては、シーンが繋がったり途切れたり、飛ばされたり。そういう、一見脈絡のない世界が出てきて、一つのものになっていくのが面白いと思ったのかな。そこから、忘却に入って、電視游戲科学舘に参加するようになったんですね。
朝平 
そうですね。最初はプロデュース公演だったんですが、すぐに劇団が立ち上がって。電游の人達とやりたかったんですね。それから2年ぐらい参加していました。辞めてからはM_Produceに出たり。
__ 
バンドもやっているんですよね。非常に意外でした。ずっと、役者されている方なんだと思っていたので。
朝平 
うーん、でもそれはあんまり活発な活動をしている訳ではないんですけどね。歌も下手やし。けどすごく楽しんでます。
劇的集団忘却曲線
京都精華大学公認演劇サークル。
電視游戲科学舘
京都の劇団。大がかりな舞台装置、凝った音響・照明、しかし行き過ぎない美意識のもとに作られたエンターテイメント演劇を得意とする。

vol.83 朝平 陽子

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朝平

ART LIVE PROJECT Act3 「ARTRACTION」

__ 
今日は宜しくお願いします。
朝平 
宜しくお願いします。
__ 
最近はいかがですか?
朝平 
最近は忙しいですね。練習と仕事と。
__ 
次は、ARTRACTIONで。何をされるんですか? あ、歌うんでしたっけ。
朝平 
歌わないです。
__ 
あ、そうなんですか?てっきり。バンドに参加されているので。
朝平 
喋ります。ちょっと踊ります。
__ 
そうでしたか。是非参ります。
朝平 
宜しくお願いします。
Alphact Act3 ARTRACTION
公演時期:2008年1月25~27日。会場:BlackChamber。
BlackChamber
大阪市住之江区の名村造船跡地の劇場。
(注・今回のインタビュー実施時期は1月上旬です。朝平さんが出演されたART LIVE PROJECTはAct3でした。なお、次回Act4「EXSPOT」では演出補佐を担当されるとの事です)

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朝平

カモメの小箱

asahira_present
__ 
今日はですね、朝平さんにお話を伺えたお礼にプレゼントがあります。
朝平 
おお。何だろう。
__ 
どうぞ。
朝平 
あ、ありがとうございます。開けますね。私、こういう、包み紙の匂いが好きなんですよ。この紙は、いい紙です。
__ 
はい。
朝平 
けいぶん社だ(開ける)。何だこれ。入れものやね。
__ 
小物入れですね。
朝平 
へえー。可愛いね。何入れよう。
__ 
お香とかですかね。
朝平 
お香かあ。・・・これで、何か始めるようにする。
__ 
え?
朝平 
例えばその、お香とかした事ないんですけどこれを貰ったの機に始めてみたり、アクセサリーを付けるようにしてみたり。そういう何かにします。


vol.83 朝平 陽子

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朝平

地底人

__ 
今日は宜しくお願いします。
3号 
宜しくお願いします。
__ 
いきなりですが・・・。ピンク地底人3号という、芸名というかステージネームですが、何故その名前にされたのでしょうか。
3号 
もともと、この前の「サリィ・シナモン」にも出ていた1号・2号と3人で何かをしようという事になって。名前を付けた時には意味は無かったんです。が、作品を重ねていくに従ってやっている事がピンク地底人っぽくなっていきましたね。
__ 
現在は、どんな環境でお芝居をされているのでしょうか。
3号 
同志社の学生をやりながらですね。元々、ピンク地底人は全員演劇集団Q(同志社大学)に属していたんですが。
__ 
Qでは、どんな役割を。
3号 
音響、衣装、役者ですね。その時は別の芸名だったんですけどね。
ピンク地底人
京都の地下に潜む貧しい三兄弟。日々の孤独を紛らわせるため、人間のふりをして、演劇活動を行っている。2006年から仲間を集め、徒党を組んで意外に合法的に活動中。(公式サイトより)
「サリィ・シナモン」
公演時期:2008年1月11~13日。会場:東山青少年活動センター創造活動室

ありえないシーン

__ 
この間の、東山青少年活動センターで上演された「サリィ・シナモン」。お話の筋としては、バーのマスターが女性関係で混乱して、最後には今までのお話の筋全部が壊れて滅茶苦茶になったシーンで幕を閉じるという。あの展開は凄く面白かったです。ご自身としてはいかがでしたか。
3号 
回によって出来はバラ付きがあったんですけど、良かったと思います。ピンク地底人はこれまで3作公演をして、1・2作目は訳が分からなかったという声があったので、今回は意識して分かりやすく書きました。ラストの意味が分からないという人も何人かいましたが、あんまり意味を考えなくても、想像力にお任せしたいというのはあります。
__ 
何かこう、滅茶苦茶になって終わるというのは私は好きなんですよ。これまでストレートプレイをしていたのが、盛り上がりと共に突然音響・照明が激しくなりマスターや他の登場人物がそれまでの役の演技をかなぐり捨てて激しく踊るという。
3号 
そのシーンが作品作りの最初にあって、物語は後から作ったという感じですね。ラストが最初に決まってました。
__ 
毎公演、ああいったテイストなんでしょうか。
3号 
基本的に、現実的なお芝居ではないですね。前回は、会話劇の現実的な空気から、ありえないシーンに持っていきました。
__ 
そういう持っていき方が、とても刺激的でした。

タグ: ピンク地底人


とりあえずバッドな感じ

__ 
なぜあのラストが生まれたのでしょうか。
3号 
直前までウェルメイドの芝居をやって、でもそのまま終わらせずに全部ぶっ壊したかったんですね。昔、演劇集団Qでイオネスコの「禿げの女たち」という作品をやったんですよ。あれも、そんな感じだったんですよ。言語が崩壊しているという。それを、妊婦でやりたかったんですね。
__ 
妊婦。確か4人出ていましたね。崩壊ですか。
3号 
とりあえずバッドな感じで。
__ 
確かに、バッドでしたね。
3号 
あんまりハッピーエンドにはしたくなかったんですね。
__ 
一番最初のシーンは、空港から逃げる主人公のモノローグでしたが、それが最後のシーンとは結びつかないのですが、そういう矛盾が面白いですね。
3号 
結びつける事は出来たと思うんですが、あえてしなかったですね。最後のシーンも含めた芝居を通して、想像力を喚起してもらえればと思います。

タグ: ハッピーエンドについての考え方 ウェルメイドという価値観


妊婦

__ 
今は、どんな事を考えてお芝居をされているのですか?
3号 
やっぱり劇作をしたいですね。それ以外あまり考えていないです。
__ 
次回の公演は。
3号 
次回は7月です。その前に、戯曲の提供を行った2作の作品の上演があります。大阪と京都ですね。
__ 
いい感じだといいですね。今後はどんな感じでお芝居をされていくのでしょうか。
3号 
え、うーん。分からないな。・・・多分、もうあんまり役者をする事はないと思います。戯曲と演出で。
__ 
どのような作品を作られていくのか、気になるところなんですが。
3号 
みんなそうなのかも知れないですけど、自分の企画でしか作れない芝居がしたいと思います。今も台本を書きながら、混沌とした、サイケデリックなイメージが出てくるんですね。宇宙を漂っているような。
__ 
宇宙を漂う。
3号 
(笑う)陶酔感のある。いや、ちょっと言ってみただけなんですけど・・・。
__ 
それは、ボーっと見ていられるような、心地良い芝居という意味ですか?
3号 
いや、違いますね。何か、麻薬をやっているみたいな感じにしたいんですね。「サリィ・シナモン」は完全にバッドトリップでしたけど、今書いているのもそういうのばっかですね。
__ 
麻薬ですか。それはいいですね。
3号 
いいですね。あんまり麻薬を扱っている芝居ってないなあと思うんですね。ピンク地底人では、妊婦と麻薬を取り扱っていきたいですね。
__ 
妊婦ですか。
3号 
僕の書く作品には、必ず妊婦が出てくるんですよ。妊婦って、凄く劇的な存在だと思っていて。
__ 
それはありますね。すれすれに卑猥ですよね。危ういというか。妊婦の何にそんなに惹かれるんですか?
3号 
ドラマティックだと思うんですよ。あのかたちもそうですし、お腹の中に赤ん坊以外のものが入っていてもおかしくないような気がするんですよね。
__ 
何が入っていてもおかしくない。
3号 
不思議ですね。
__ 
それに、母親ではないけれども、子持ちであるという状態の女性というか。
3号 
ちなみに、次のピンクは妊婦4人出ます。助産婦も1人出ます。
__ 
生殖における人類と動物の圧倒的な違いというのは、お婆ちゃんがいるという事らしいですね。
3号 
どういう事ですか?
__ 
つまり、1回出産を経験した者が近くで助産出来るという。
3号 
ああ、そうなんですか。

タグ: カオス・混沌 京都と大阪・大阪と京都