器二点

__ 
今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントを持って参りました。どうぞ。
益田 
では・・・
斉藤 
では・・・
__ 
えっ。いいですよ、そんな。
益田 
いえ、本当にちょっとだけなんですけど。
__ 
いやいや、ベビーチョコの一粒でいいですよ。
益田 
フィリピン土産なんですけど、凄く甘いお菓子とドライマンゴーです。
__ 
いいな!ありがとうございます。泣くほど嬉しいです。食べます。
益田 
良かったです。私たちも、こちらこそありがとうございます。
斉藤 
(開ける)あ、可愛い・・・ヤバい。テンションあがる!
益田 
可愛いー。ちょっとこれ、小物入れにしよう。
斉藤 
うわぁー。可愛い。
益田 
おー。良いね。
__ 
斉藤さんに差し上げた磁器は、水洗い大丈夫ですので。
益田 
カフェオレボールでもいいですね。
斉藤 
さらに私は籠るやつかな。とてもいい・・・スタジオ籠る時にね。
__ 
ちなみに、斉藤さんには透き通った赤紅色のイメージがあるので、アザミをあしらった器にさせていただきました。ハーゲンダッツのお器などになさってください。で、益田さちさんは白と青のイメージがあるので、ちょっと汀のように縁が波立っているようなお器にしました。ブールドネージュを添えていますので、良ければどうぞ。

伊丹想流劇塾マスターコース リーディング公演『サッカバカナ』

__ 
今日はどうぞ、よろしくお願いいたします。最近、田中さんはどんな感じでしょうか?
田中 
よろしくお願いいたします。この度、2・3年前に書いた脚本を上演していただけるという事ですごくびっくりしています。2018年1月22日の月曜日にリーディング公演を企画して頂きました。
__ 
そうですよね。いまはどんな段階なのでしょうか。
田中 
昨日ちょうど、顔合わせ兼一回目の読み合わせ稽古だったんです。僕が脚本にめっちゃ言葉を書いてしまってて、全然セリフになっていなかったり凄い長セリフになってしまってたりするので、今のところは台本のセリフをカットするなどの編集作業をしています。役者さんのセリフを耳で聞いて取捨選択するという作業を、演出の高橋恵さんに教わりながら。
__ 
セリフが長い。
田中 
想流私塾の講義のなかで、レーゼドラマという形式があると、師範である林慎一郎さん(極東退屈道場)に教わって、じゃあそういうのでいいのかな、という姿勢で書いていたんです。
__ 
ありがとうございます。内容については後ほど伺いたいのですが、まず、今回のお話が決まった時はどんな感じでしたか。
田中 
いつもアイホールさんとはメールで連絡しているんですが、その時は電話でお話を頂いたんです。次の朝起きて、あの話は夢だったのかと。でも携帯には着信が残ってるし。次の電話の機会、僕の脚本が、場面を割ったりとか一切出来てなくてこれだと役者さんが大変なので場面を切ってください、というお電話をするまでは、僕は本当は気が狂ってしまったんじゃないかと。
__ 
そして、昨日が初めての稽古だったと。
田中 
はい。良いクリスマスでした。なんかもう、自分の書いた言葉が・・・もちろん役者さんの力量なんですけど、こんなに不自然じゃない感じで読んでいただけるなんて。僕がいままでにしてきたことが失礼だったなあと感じるぐらいで。
伊丹想流劇塾マスターコース リーディング公演『サッカバカナ』

作/田中浩之

演出/高橋恵

出演/
池川タカキヨ
山田まさゆき(突劇金魚)

芝原里佳(匿名劇壇)
早川丈二(MousePiece-ree)
竜崎だいち(羊とドラコ)
澤雅展(烏丸ストロークロック)

平成30年
1月22日(月)19:00
※受付開始/開演の40分前。
※開場/開演の20分前。
★終演後に合評会を行います(司会:岩崎正裕)

劇作家養成のための戯曲塾「伊丹想流劇塾マスターコース」。これまで受講生によって多くの長編戯曲が生み出されてきました。その作品群から、講師の林慎一郎と高橋恵が選んだ秀作をドラマ・リーディング形式で上演します。

チケット/
700円(前売・当日とも)
【全席自由】

作品紹介/
孤独死した独居老人の部屋を片付けることになったひとりの男。部屋には山と積まれた焼酎の5リットルボトルと映画のビデオテープ。彼はその中から1丁の拳銃を見つけ・・・。
馬鹿な作家に真実の言葉は吐けるのか。人知れず死んだ老人と誰も殺せない男を巡り、生と死、愛と性欲、虚構と現実がとぐろを巻いて、暴走するリビドー溢れる異形の“私戯曲”。

作家プロフィール/
田中浩之(たなか・ひろゆき)
京都を拠点に俳優として活動後、伊丹想流私塾第19期生に入塾。その後、伊丹想流私塾マスターコース第10・11期にて岩崎正裕、林慎一郎に師事。2015年、日本劇作家協会主催の関西版「月いちリーディング」に戯曲『住処と祭壇』が選出。本作『サッカバカナ』は第10期在籍時の執筆作品。


「役者ジャンキー」

__ 
失礼というのは、ご自身の演技の事ですか?
田中 
いや、自分は本当に役者ジャンキーだったなあと思うんですよ。役者をやり始めてそれまでの人生になく褒められたりしたんです。
__ 
というのは?
田中 
役者を始めるまで人と(本当の意味で)会話する事が出来なかったんですけど、始めてからは話せるようになって。そういう中で、役者をやっていない自分というものがどんどん不安になっていったというか。ただひたすら出演機会を求めるようになっていって。最近になって、あの頃は何だったんだろうと考えていました。役者をやることがドラッグみたいになっていたと思います。とりあえず摂取しなきゃ、そして演技すればハイになれたんです。でもいつの頃からか、何で、こんなに出来ないんだとか脚本の事なり周りの人の事なりの理解が違うんだ、と自信が無くなってしまって。にも関わらず他の人の意見が聞けなくなってしまって。危機感は感じてたんですけど、出演機会を減らすと人との接点が無くなってしまったりとか、ひょっとすると人に褒められる機会が無くなって・・・みたいな。やっぱりもう、役者は出来ないなあと強く思ってたんです。そして実はそれ以前から、書きたいという思いは強かった。けど、書こうとすると書けないという事が往々にしてあって。一緒に演劇をやっていた西君には本当に迷惑掛けたなあと思うんです。役者をやっているときも、役じゃなくて自分の言葉を書きたいという衝動があったりで。でも演劇ってそういう場ではないじゃないですか。僕はパンクロッカーじゃない。でもどうしようもなくそういうのが出てきてしまう事があって。時に、セリフが真っ白になる事があるんです。自分が段々と駄目になっていくような、社会性を失っていくような気がしていて。他の色んな役者さんはちゃんと成長しているのかなあ。あの、僕、どうでしたか? どんな役者でしたか?
__ 
私の田中さんの役者としての印象は、昔にC.T.Tで作・出演された一人芝居「遠雷」は印象深かったですけどね。
田中 
そうなんですか?
__ 
内省的なモノローグが中心であり、やや怪談めいた出来事を、様々なものから距離を取って語るという戯曲と演出だったと思います。その距離が、人間の自己防衛本能においては伸縮可能で、その不条理なまでの伸縮性は神性を帯びるほど愚かでもあり賢くもあり、ただし、これを観客席で観ている者にとってはそこに畏敬の念など生じるはずもなく、ただ愚かだなあ、そして人間の存在をひたすら客観的に見る神の視線が何故か自分に宿っていることに驚く・・・みたいな感想がありましたね。とても見やすくまとまった前衛文学でした。
田中 
いやめっちゃ嬉しいですね。でもあれは、何か発表したいけど何をやっていいか分からなくって。一日目と二日目で脚本が違うという、訳が分からない事をやってしまって、ウィングフィールドの方を困らせてしまいました。

入塾

__ 
伊丹想流私塾に入塾したのはどんな経緯があったんでしょう。
田中 
その前後、ある芝居の稽古場で、上演できるかどうかの瀬戸際みたいな時に大声を出してしまった事があって。「え、何で怒らないの!?」って、周りとの温度差に割と絶望してしまって。俺だけがプロ意識を持ってるのか、と思ったり。今は、全然違う、良いものを観てもらうための行動と怒りの発散は違う事なんだ、と思えるようになったんですが。このままでは周囲に迷惑を掛けるだけだし、だったら昔からやりたかった作演出をやって、そこで折られるならそうすべきだと思って。それで伊丹想流私塾に入りました。
__ 
なるほど。
田中 
でも、入ったからと言っても長編が書けるようにはならなくって・・・。講師の横山拓也さんに褒めてもらえて超嬉しいんですよ。でも長編を自分で上演出来るようにしたいなあ、劇研で上演出来ればなあと思って書いて、でも自分ではよく分からなくて。

いつか書けたら

__ 
ご自身が戯曲を書かれる根本を探っていきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
田中 
高校生の時、同年代で作家デビューした子がいて、横で見ていて変に夢を貰ったりだとか。高校生の頃にざくっと書いたりしたんですけど、自分でも分かったんですが、中二病の域を超えられなくて。というか、小学校の頃から周囲に馴染めなくて、高校の頃もクラスには男子5人しかいないのに僕はハミってて。で、大学に入って若干大学デビューしてみたりとかをしても・・・
__ 
分かります。
田中 
哲学科だったんですが理論を吹っ掛けたら議論になるみたいな子供っぽい事ばかりしていて、「人間の事を考えたいから哲学科にしたけど、ここでもそうか」と嫌になりました。演劇に出会ったのは、新歓の時に西一風を観た時です。カッコ良い人たちに憧れて一瞬入っていました。でも、そこでもやっぱり、周りと上手くいかないんですよ。もういいや知らない、ってなって授業に行ったり行かなかったり。その頃に西君に出会い、彼は真面目に人生に向き合っているんです。彼も周囲と上手くいってなかった。すみません、これ、演劇を始めるまでの話になってますね。
__ 
いえ、大丈夫ですよ。それも伺おうと思っていたので。
田中 
書く動機・・・自分の思いを発信したい、そこには親に自分の言葉を聞いてもらえない、みたいな思いがあって。いつか書けたら、それが理解してもらえるという。そういう思いを燻ぶらせていたと思います。

笑ってもらいたい

__ 
理解をしてもらいたい? 文字にしたら伝わるような気がする、と思っている?
田中 
そういう期待があったし、今もあるんじゃないかと思います。ただ、自分が特殊な人間である、みたいな意識も実は特になくて、ただひたすら発信するのが苦手だと思っています。でも、とりあえず笑って欲しいというのはあったりして。僕は西君合田君丸山君みたいにスゲー笑えるものを書ける訳でもないだろう、というのはあって。「サッカバカナ」を書いた時は、ひたすら自分のありようを笑ってもらうしかないだろうと、ひたすら自分のクズでゲスなところを書き連ねたので観てもらうのが怖くて。昨日初めて読み合わせをしていただいて、笑っていただいたり呆れられたり引かれたり、そういう反応があるのがすごく嬉しかったです。書いている事は「遠雷」の頃から変わってないかもしれないですが。
__ 
笑ってもらいたいと。
田中 
ひたすら間違えまくった自分を見てもらうみたいな、こんなしょうもないクズがいるから、とりあえず笑っていただけたらいいなあとか。僕は世界で一番自分が不幸だと、理屈ではないところで思っていて。自分こそが最低だと思っている人がいたら、これを見て笑ってもらうぐらいしか、と思ってその頃は書いていました。で、昨日の稽古では、それは書き終わったんだなあと。これから何を書くか、という事はまだ見えていないんですが。
__ 
次に何を書くか。1月のリーディングの後に決められたらいいんじゃないですかね。
田中 
そうですね、ありがとうございます。

質問 高嶋 Q太さんから 田中 浩之さんへ

__ 
前回インタビューさせていただいた、後付けの高嶋Q太さんから質問を頂いてきております。「最近感動したことはなんですか?」
田中 
NHKスペシャルで、自分の娘を焼き殺して再婚相手も殺したという冤罪で何十年も拘束された女の人のドキュメンタリーを見ていたんですけど、その人が取り調べの時に「お前の娘は今の旦那に性的虐待をされていた」と言われて頭が真っ白になり、それで無実の罪を認めてしまった、という内容でした。それが本当だったかという検証はされていなかったんですけど、もしそれが自白の誘導の為に使われた嘘の揺さぶりなら、もうなんか、その人は娘を失った上に無実の罪で捕まって、旦那の性的な虐待を抱えてしまう、そこまでして社会の秩序を守ろうとする司法警察って一体なんだろう、と。なんかもう、その人に同情するのもおこがましいし、色々訳分かんなくなって・・・。

地球上の人全員を笑わせたい

__ 
いつか書きたいテーマはありますか。
田中 
大きい事を言うと、全人類が超面白いものを書きたいんですが、どうなんですかねえ、だってスターウォーズの新作にも怒ってる人いるんでしょう? 僕も見たんですけど、笑いながら超すげえと思ってたぐらいなのに。
__ 
物語は難しいですよね。サービスし過ぎてもいけないし。
田中 
誰も怒らないというところを狙ってても難しいし、開き直りも何か違うような気もしたりして、ただ配慮するのも・・・サッカバカナに関しては、自分のクソな部分をいかに笑ってもらうかという一点だけで書けたんですけど、理想的には見た人が幸せになるようなものが書ければなと。アンパンマンを見ても怒る人はいるんですかね?
__ 
いないとは思わないですけどね。
田中 
バイキンマンへの扱いとかもNGになって、もしかしたら配慮が必要になっていくのかなあと思ったりしますよね。

陶器の加湿器

__ 
今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントを持って参りました。
田中 
ありがとうございます。開けていいですか。
__ 
どうぞ。
田中 
(開ける)ええー。あ、ここに水を入れると。
__ 
加湿器になるやつですね。
田中 
こんなのがあるんですね。ありがとうございます。へー。

ダウンタウンとやみいち行動

__ 
この5年で影響を受けた作品を教えてください。
高嶋 
ダウンタウンの「ガキの使いやあらへんで」の30分ぐらいのコントで、浜田雅功のなぞなぞワールド。なぞなぞにはまった浜田雅功にみんなが振り回されるみたいな。それに影響を受けたかもしれないですね。構図よりも見せ方に興味があって、浜田雅功がなぞなぞにハマったパラレルワールド。ちょっとだけ変わった日常の世界だったんです。フェイクドキュメンタリーというんでしょうけど、その生の感覚もある構造。アドリブを対応している感がありました。舞台でやったらあんまりよくないのかもしれないので、影響を受けてるかどうか微妙ですが。
__ 
モキュメンタリーという奴ですね。後付けもモキュメンタリーに近いかどうかは置いておくとして。舞台以外の人間の身体性をメディアに載せた時の鑑賞体験に興味があると。
高嶋 
隠しカメラで撮るとかそういうことじゃないんですよね。あとは、やみいち行動に影響を受けています。
__ 
京大系演劇のエキスですね。

質問 菊池 航さんから 高嶋 Q太さんへ

__ 
前回インタビューさせていただいた、ダンサーの菊池 航さんから質問をいただいてきております。「今一番興味のあることはなんですか?」
高嶋 
ラーメンです。

雪だるまの人形

__ 
今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントを持って参りました。
高嶋 
ありがとうございます。(開ける)おお・・・。

謎の拍手

__ 
最近考えてることを教えてください。
高嶋 
最近は、意識について思っています。人は何故、何かを考えるんだろう、みたいな。なぜ意識があって、どういう仕組みで動いてるのか、とか。別に検証していないから、単に思っているだけですけど。
__ 
なるほど。
高嶋 
お客さんの意識で何が起きているのか、みたいな事にも興味があって、学生演劇祭で出した「めだまやきくん大集合」で、京都タワーについて語るコメディで、女の子が出てきて「エントリーナンバー1番」と言ったときに拍手が起きたことです。状況がダブったんですよね。なぜ拍手が起きたんだろう。僕には、それまで見ていた作品の流れを断ち切って全く異なる作品に移行した、みたいな事が起こっていたような気がして。
__ 
無茶な見立てを課せられ、また共犯関係を強いられたから、そこで反応が起きて観客席側から舞台側に仕掛け返した、という感じかな。後付けのスタイルに慣れていたからこそ、そうした、観客席側から笑いを取る、というアクションが生まれたのだと思います。同じ高さの目線の位置ができていたからこそ。背景には嬉しさがあると思う。
高嶋 
一緒の空間ということですね。僕にとってはそれは没入感でした。
__ 
ああ、同じ方向を向いている。たぶん様々な要素はあった。
高嶋 
ただ、少なくとも没入感がなければ共時感覚は産まれないと思いますし、でも入り込みすぎるとそれはそれで違うし。良いバランスを求めるという事で・・・いや、求めるというとおこがましいというのがあるから、「良いバランスがあったら良い」、です。

現実をかたどり抜く

__ 
これからどんなことをしていきたいですか?
高嶋 
役者主動の発信ですので、この人が面白いなという人と一緒に何かをやれればなと思っています。今のメンバーも面白いですが、違う組み合わせや新しい人ともやりたい。ただ、それだと僕が作家だと言えるかどうか、というのもあるのかな。あと、今のところは演劇を通じて伝えたいテーマとかはないです。
__ 
可能性を見たいなと思っています。目指している最後の着地点が毎回同じ、というのはどうなんだろう。
高嶋 
そうですね。でも、着地点は一緒でも、一周したところで何かが変わっている、みたいなことはあります。常に、終着点が目論見と違うという事はあると思います。写真のような絵画のように。現実を抜き出すことについても、ちょっとずつ異なる結果が出てくる。
__ 
では、作品が観客にどのような存在となるのか、そこに夢を見出せるような、チャンスのある作品であるべき。そういう考え方についてはどう思いますか?
高嶋 
僕は7:3で、それを探さなくても良いという考えにいきかけていますね。
__ 
なるほど。それを踏まえて、今後はどんな製作を続けていかれますか。
高嶋 
まず、淡々とやって行くということに加えて、僕の挑戦の仕方として、僕の知らない人とか世代が違う人と一緒にやって、その人達の面白さを生かした作品が作りたいなと思ってます。今のメンバーも好きですが、その人達に限らず探っていきたいなと思ってます。

舞台外の彼ら

__ 
ユニークな後付けの表現。これをどうやって受け取ってもらいたいか、意識がなんとなくわかった気がします。愛してもらいたいみたいな事なんでしょうか。
高嶋 
はい、その辺りは企画の立ち上げ当初からありましたね。
__ 
なるほど。まずは伺いたいのですが、後付けはどういうところから始まって行ったんでしょうか。
高嶋 
起点は、僕がまず入谷旭くんや、劇団洗濯氣のじゅういちくんとかと知り合って話すうちに、舞台上ではない日常で話している時間の面白さと愛しやすさ、それをまるっきりじゃないですけど舞台に持っていったら面白いんじゃないかなと思って。それが初めでしたね。まず僕が面白いコメディが作りたいなというのがあったんですが、これまであんまりバシっとこなくて。そういう人たちの生の姿を伝えたいと思ったし、それを伝えるのは僕が割とうまいんじゃないかなと思ったんです。ただ、やっぱり役者発信の引け目みたいなはあります。役者には常に感謝してます。

表面と内面から

__ 
後付けの作品を作るにあたって、今楽しみなことは何ですか?
高嶋 
本番の上演にて、役者たちの台詞でどういう反応が返ってくるのかというのが、まず楽しみです。今回は不条理といえば不条理な、まず形式的なコントではないので、果たして受け入れられるのかどうかと言う壁がありまして。爆笑なのか失笑なのか、その後にどういう感想を頂くのかも楽しみです。
__ 
そのために大切にしていることは何ですか?
高嶋 
まず、一般的なコメディーを作る上で、お客さんの反応を想像した間や演技などの表面的な部分を作り上げることが大切だと思っていまして。一方、もう一つの内面的なことで言うと、お客さんを掴みにいく意識。同じ空間に引っ張り込む感、そういうものを何となく大切にしていきたいなと思っています。
__ 
内面。同じ空間に引っ張り込む。
高嶋 
僕自身がたまに経験することなんですが、何かでラーメンを食べていて、何も面白いことはないんですけどなぜか笑けてくるみたいな。特に面白いこともないけど、家族や友達でぼんやりテレビを見ている空間に飲み込まれる。言葉であまり説明しにくいですけど、一体化してしまい、そこからふっと離れた瞬間に笑いが起こるような。
__ 
想像上の繋がりというやつですね。実際には存在しないが、ある種精神的な構造が各々の差はあれ一致する点が多くなり、同時空間において同じシチュエーションに身を置き、自分の意識と他のメンバーの意識の方向性が一致し、そこに一時、原始的な退行が発生してしまう、というところでしょうか。私はこれまでの人生で一度だけ合コンを体験したことがあるんですが、それはまあまあうまくいった方だと思うんですけど、2次会にカラオケに行ったし。後付けの公演をそういう風な方向で成功させるにはどうすれば良いのでしょう。
高嶋 
表面上のことであれば、設定をダブらせるという状況を作り出すのが、僕らにとっては一つの鍵なのかなと思っています。演劇祭に出した作品を例にとると、京都タワーについて語るというシチュエーションのコメディをやったんですが、演劇を見にきたのにその女の子のスピーチを見ることになってしまったという・・・そういう構造があったからうまくいったのかなと思っています。次の公演も、ブンピカという特殊なスペースでやりますので、そこに溶け込むようなことができたらいいなと思っています。内面的なところでは、まず、クオリティを保ち、ノイズを発生させないことと、役者その人が舞台に出てきてワーっとやっている感じ。

後付け・劇団FAX主催の短編持ち寄り公演「サフランライス」

__ 
今日はどうぞ、よろしくお願いいたします。最近、高嶋さんはどんな感じでしょうか。
高嶋 
よろしくお願いします。最近は、今月の23日から24日に、後付け・劇団FAX主催の短編持ち寄り公演の準備ですね。
__ 
もうじきですね。どんな公演になりそうでしょうか。
高嶋 
今年の学生演劇祭で上演したコント作品の内の一つを膨らませた公演になりそうです。マクドナルドになりたいという女性が色々相談をするというコントを元にした作品になります。前回の公演よりも、コント公演に近くなると思います。
__ 
後付けにおける、コント公演の定義とは?
高嶋 
曖昧なんですが、僕としては、笑わせるために、日常のやり取りや反応からある程度外れたものを行うことをコント公演と定義しています。
後付け
京都で活動する演劇団体です。主宰は高嶋Q太です。コメディを行います。(公式Twitterより)
後付け・劇団FAX主催の短編持ち寄り公演「サフランライス」
後付け・劇団FAX主催
短編持ち寄り公演
「サフランライス」
【会場】
ブンピカ
(京都大学旧文学部棟学生控室)
【日時】
2017年
12/23(土) 11:00~ / 15:00~ /19:00~
12/24(日) 11:00~ / 15:00~ /19:00~
【料金】
予約:300円
当日:500円
【予約】
『後付け・劇団FAX共同公演『サフランライス』』チケット予約フォーム

10月から毎月舞台に立っていた

__ 
今日はどうぞ、宜しくお願い申し上げます。菊池さんは最近、どんな感じでしょうか。
菊池 
よろしくお願いします。最近は、連続していた本番が終わって一息付いたかなというところです。10月くらいからずっと出演してたので。
__ 
そうですね。「息をまめる」に出て、FoUR DANCERSに出て、ANTIBODIES COLLECTIVEに出て。
菊池 
それと、ANTIBODIESの前に淡水で作品を出してたので。
__ 
あ、それは拝見出来ませんでしたが、お疲れ様でした。今年はまだ何かありますか。
菊池 
今年は男肉duSoleilでライブに出るのと、北村成美さんの八尾プリズムホールのイベントが今週末にあります。本番は来年1月末ですね。
身体パフォーマンス団体「淡水」
振付/演出の菊池航を主宰に2008年近畿大学在学中に結成。人、音、空間、映像など場の関係性を重視し、日常と非日常の境界模様を身体性や空間構成を使い描き出す。サイトスペシフィックな、その空間でしか起き得ない演出で劇場外での公演企画【魚企画(うおきかく)】を2014年までに5回開催、作品を発表。(公式サイトより)
男肉 du Soleil
関西を中心に活動するダンスカンパニー (公式Twitterより)
ANTIBODIES COLLECTIVE
“ANTIBODIES”は様々な鍛錬や境界がダイナミックに関わり合う「インターディシプリナリー」なコラボレーションの形態を発展させていくことに焦点をおくスペシャリストの集合体です。 それぞれのリサーチと実験による蓄積はパフォーマンス・イベントやコミュニティー・ワークショップといった行 為、インスタレーション、出版物などへと結実しながら市民社会や教育の現場に貢献していきます。 “ANTIBODIES”は『抗体』を意味する単語。2015年、京都を拠点にするパフォーマンス・アーティストの東野祥子とカジワラトシオによって設立された。 2000年にダンス作品の制作を開始して以来、アジアや南米地域を含む国内外での公演活動を続け、多岐にわたる地域活性化事業に関わってきた来た 「Dance Company Baby-Q」を母体としている。(公式サイトより)
ラプソディin八尾ブルー
「八尾のものづくり」をテーマに、しげやんときくっちー、
そして市民ダンサーが踊る!踊る!!踊る!!!
なにわのコリオグラファー(振付家)“しげやん”こと北村成美さんが、八尾のみなさんと踊るためのオリジナル作品を作り上げます!
ラプソディ(狂詩曲・rhapsody)とは?
自由奔放な形式で民族的または叙事的な内容を表現した楽曲。
ここ八尾で赤ちゃんから人生の大先輩までさまざまな人々によって踊り奏でられるラプソディにご期待ください!
●振付・演出・美術・出演
北村成美<しげやん>
●出演
北村成美<しげやん>
菊池航<きくっちー>
市民ダンサーのみなさん
●舞台監督
難波まはる
●照明
三浦あさ子
●音響
勝藤珠子
■公演日程
平成30(2018)年1月28日(日)14:00開演(13:30開場)
■会場
八尾プリズム小ホール(八尾市文化会館)
■チケット
全席自由・税込 大人:1,000円 高校生以下および障がい者と付き添いの方1名まで 500円(当日増なし)
※3歳未満で膝上鑑賞の場合は無料。
・プリズムクラブ(友の会)・一般前売発売 12月17日(日)10:00~

ANTIBODIES COLLECTIVE Dislocation Dance

__ 
ANTIBODIES COLLECTIVEのDislocation Dance。とても面白かったです。刺激的な構成と、前半の猥雑な感じ。打って変わって後半は丁寧なダンスでしたね。東野祥子さんはSFだと仰ってたんですが、言葉を使わなくても超自然的な光景を雄弁に語っていたというか。
菊池 
あれだけ舞台作品っぽいのは久しぶりだと思いますね。僕がANTIBODIESに参加してからは初めてで。
__ 
確かにANTIBODIESの作品で、お客さん回遊型以外の作品は初めてかも。
菊池 
今回は凄くダンス作品という事を推してましたね。
__ 
こういう表現はあれかもしれませんが、後半は丁寧なコンテンポラリーダンス作品だったと思います。調和してたというか。作品としてまとまって見やすく、理解しやすい作品だった。
菊池 
見やすかったというのは今回、よく頂いた感想です。回遊型は観るポイントがたくさんあって、見逃してしまうポイントも多いという部分はあったので。見やすいという事はある程度大事で、楽しめるラインというのは守りたいと思いますね。自分で見ていても同じ事を思うし、それはダンスを始めた当初からそうでした。
__ 
Dislocation Dance、60分の怒涛の展開でしたね。そして必要な間が意味を持って存在していて、完成度の高さがあり、製作者が注いだ労力の多大さを感じました。その分の苦労も。
菊池 
どれだけ客観的に見るか、という事もあり、客観的に見るべき部分・そう見るべきではない部分とかもありますしね。
__ 
ああ、そうですよね。そうなんですよね。
菊池 
削ってはいけない間もある。
__ 
お客さんを退屈させてでも保つべき間とかもありますからね。何なら作品の評価が落ちる事が分かっていてもそうすべき間もある。
菊池 
ありますね。
「Dislocation_Dance」 ANTIBODIES Collective New Performance
公演時期:2017/12/2~3。会場:京都芸術センター フリースペース。

この作品は京都芸術センターにてWork in Progress発表し、2018年4月には横浜赤レンガ倉庫ホールにてリクリエーションし、形態を大きく変えて上演。さらに最終的には岡山県犬島の島全域を使った、大掛かりな自由回遊型の舞台芸術作品として成長していきます。

2018 performance
YOKOHAMA 横浜公演
2018年4月28日(土)、29日(日)
PLACE:横浜赤レンガ倉庫1号館 3Fホール
神奈川県横浜市中区新港1-1-1

INUJIMA 犬島公演を計画中
2018年9―10月頃を予定
PLACE:岡山県岡山市犬島
助成:公益財団法人福武財団

犬島パフォーミングアーツ助成/企画助成
地元との関係構築や島の歴史・風土を理解する機会として、平成 30 年度中に犬島に滞在し、公演環境を考慮した実現可能な企画立案を対象とした助成です。 ANTIBODIESは本年度の助成を受け、来年度の犬島での公演に向けた企画の検証やリサーチを行なっています。

今年の思い出

__ 
今年はいかがでしたか。かなり出演が多かったと思いますが。例えばFoUR DANCERSには2回以上出演されましたよね。
菊池 
結構呼んでもらいましたね。今年の思い出・・・春先の事はあんまり覚えてないんですよね。でもやっぱり、「踊りに行くぜ!」で山下残作品に出た事は大きかったですね。
__ 
ああ、「左京区民族舞踏」。大変面白かったです。
菊池 
去年の今頃、城崎で3週間、滞在制作で作りました。夏頃から稽古はしていたんですが、左京区に新しいダンスカンパニーを作るという設定で、山下残のメソッドをひたすらやる、というところから始まったんです。そこで体に対する意識の共有や使い方など、いわゆる「カンパニー」としての作業というか稽古を行うというか。そういう前段階があったんです。それを踏まえながら残さんの中で作品のアイデアが生まれていって、三週間の制作で一つの作品を作っていきました。
__ 
贅沢ですよね。
菊池 
それこそ本当に合宿なので。城崎に滞在するチームによってそうした時間の使い方は違うと思うんですけど、僕たちの場合は本当に「カンパニー」で。朝10時から集まって、僕は元々ヨガを毎日やってるんですが、それをやり、そこから1時間ぐらい基礎の稽古や筋トレをやったり即興で踊ったり。そしてお昼ご飯を作って、昼寝して、そこから夜まで作品作りの稽古でした。本当に、作品と生活の事しかやらなかったですね。その「踊りに行くぜ!」と、ANTIBODIESは、今年の中でもガッツリと取り組んだ現場でした。
踊りに行くぜ!! ? [セカンド] vol.7 ダンスプロダクション[全国公募・新作]「左京区民族舞踊」
振付・演出:山下 残 音楽:田島 隆ダンス:菊池 航[淡水]/瀬戸沙門/山下 残