飛び道具

__
飛び道具の代表である藤原さんに伺いたいのですが、今後の活動としては。
藤原
今年の6月に公演をしようと言ってるのですが、何せウチの人達はノンビリしてるので(少し笑う)、まだはっきり決まってる事は何もないです。
__
もの凄い楽しみにしております。
藤原
ああ、すいません、頑張ります。
__
この、何て言うんですかね、「Sofa」から結構間を欠かさずに拝見しているんですが、結構「家族」をテーマにされる事が多いですよね。
藤原
ああ、多いですよね。何ででしょうね。ウチの脚本家の大内が書いてくるのはそういう話が多いですね。今度の6月にやる話は家族の話ではないようなんですが、濃密な人間関係を描くようで。まあ、そういう、狭い社会を描くのが得意なのかもしれませんね。
__
「ラフプレイ」も、そういう、人間関係そのものが強く描かれた作品でしたけれども。
藤原
あれも、家族だかなんなんだか分からない・・・。賛否両論でしたね。
__
そうだったんですか。
藤原
僕もやっていて何が何だかよく分からない、終わってみて色々考えるような作品でした。
「Sofa」
公演時期:2003年12月12日~14日。会場:京都府立文化芸術会館。

タグ: 賛否両論


力の入っていない

__
藤原さんがお芝居を始めたキッカケというのを教えて頂きたいのですが。
藤原
大学の1年生から始めたんですけど、それまで元々映画が凄く好きで。映画部に入ろうかと思ってたんですけど、演劇をやるのも勉強かなと思って入ったのが最初ですね。
__
ええと、なんと言う劇団でしたっけ。
藤原
今はもうないんですけど、文文座というとこですね。他の演劇部は稽古とかバリバリやってたんですけど、僕はそんなにストイックではなかったので、あまり力の入っていない所がいいだろうと思ってそこに。当時は段ボールで舞台セットを作ってるような力の抜け具合で。
__
ああ、いいですねそれは。個人的には逆にワクワクします。
藤原
その内、僕の同期の人達がムキになって演劇をやり始めたんです。段ボールで舞台作ってるなんてとんでもないと。それが今一緒に飛び道具やってるメンバーなんですけどね。
__
あはは。それから、もう飛び道具は11年ですね。
藤原
そうですね。

ハイピッチ

__
2007年度は、どのような1年間でしたでしょうか。
藤原
どんな年やったんやろう。すごく沢山お芝居をした年でした。忙しかったです。なるべく、頂いた出演のお話はお引き受けいたので、毎月何かに出ていたし。
__
dotsとか、色々ありましたよね。
藤原
飛び道具の公演もあったし。
__
相当多くの舞台に立たれた訳ですが、ご自身の生活にとって、舞台作品に関わるというのはどんな意味を持つのでしょうか。例えば、一本の芝居に参加するとなったら。
藤原
自分の生活の中の一部になったりしているので、取り立てて特別な事になったりはしていませんね。でも、それもどうかと思い始めていて。あまりにハイピッチで公演を行うと、どうすかね。驚きとか薄れてきますかねえ、やってる自分にとっては。本番の舞台が多くなってくると、何か触発される事柄が少なくなって来るんですね。それも良い事か悪い事か分からないけど。
__
では、最近で、一番難しかったお芝居、役はありますか。
藤原
難しい役。あまり難しさは感じないんですね。簡単だとも思わない。難しい・楽だとかは分からないですね。大変なのは、例えば落語は覚えるのが大変だというのはありますが。
__
凄いですね。
藤原
何も考えてないだけですよ(笑う)。
__
考えてない(つられて笑う)。
藤原
かといって、楽チンな役だと感じる事もありませんけどね。
__
自然にやっている感じですかね。
藤原
どうでしょう。やり終えた後に色々考える舞台もあるんですが、やってる時はそれが難しいかどうかというのはあまり考えませんね。
__
藤原さんの演技は、拝見しておりますとすごく自然に入ってきますよね。力を抜いて観ていられるというか。ご本人としては。
藤原
そうですね、自覚してやれている時とそうでない時があるんですが、そういうのが好きな気はしますね。こういうやり方を買って一緒にやってくれる方もいらっしゃるんですが、そうではない場合はどうもサボってるように見られるみたいで(笑う)。
__
なるほど(笑う)。

「いちげんさん」

__
京都舞台芸術協会についての関わりについて。藤原さんも理事として深く関わっておいでですが、いかがでしょうか。
藤原
どう言ったらいいんかな。発足する前は、横で連携していくという事が薄かったみたいで。僕らのだいぶ先輩にあたる人達が。だから、横の連携を取るという為に作られたのもあるんですけどね。ただ、僕らはやっている上で割とそういうのは結構出来ているので、それをわざわざ確認する必要はないだろうと思います。ただ、京都で演劇をやっていて、横のつながりが希薄な人も中にはいると思いますので、そういう人達の為の仕事が出来ないと本当は出来ないと思っています。ただ現状、他の理事も自分達の公演があったりで積極的に協会の仕事を広げていくのが体力的に難しいという面もありますね。ですが、協会を発足した先達は活動から手を引いて僕らの世代に譲ったという形ですので、多分これから変わっていかなきゃならない時期なんでしょうね。どう変わっていくかはまだちょっと詰められていませんが。
__
話は飛びますが、2月から始まる精華演劇祭京都舞台芸術協会主催ですよね。これは、一体どんな経緯で。
藤原
元々、大阪舞台芸術協会と企画委員の持ち回りみたいな形でやってるんですね。
__
なるほど。今回のタイトルは「いちげんさん」ですが、これはどういう・・・
藤原
理事達がもの凄く頭を捻って。「どうする?」「何にする?キャッチコピー」って(笑う)。
__
京都らしさ、をアピールした。
藤原
そうですね、京都らしさがわかりやすいものである事と、今回のセレクトは誰でも見た事があるよ、という所を選んでないんですね。京都の人ならば名前は知っているけれども、大阪の人はあんまり知らないんじゃないかな、というところをあえて選ばせてもらっています。
__
2月からですね。非常に楽しみにしています。
藤原
僕も楽しみです。自分も出ているから頑張らないといけないし。
京都舞台芸術協会
京都の舞台芸術の活性化を目的としたNPO法人。(公式サイトより)

タグ: 後輩たちへ


ハーモニカ

ハーモニカ
__
今後、どういう感じで攻めていかれますか。演劇人として。
藤原
攻める。うーん。コツコツとやっていこうかなと。それは昔からそうなんですけれども。
__
はい。
藤原
何やろうな。マイペースでやれればなというぐらいなんですけども。何か大きな野望があるかと聞かれると多分ないし。始めた当初から今日まで、おもろいから続けているので、今後もおもろい、楽しいと感じ続けている限りは続けたいですね。
__
かしこまりました。本日はお話を伺えたお礼に、プレゼントがあります。
藤原
ありがとうございます。
__
いえいえ。どうぞ。
藤原
何ですか?見ますよ。(開ける)
__
どうぞ。
藤原
男の人からプレゼントを貰う事なんてないしな・・・。おお。これは。ウチの奥さんが喜ぶんじゃないですか?渋い。
__
ハーモニカですね。
藤原
これはいいですね。

タグ: 今後の攻め方 マイペースの価値 自分は何で演劇を


体を良く使う

__
今日は、宜しくお願いします。
四宮
宜しくお願いします。
__
最近は、悪い芝居の稽古が。
四宮
そうですね。先週から。
__
確か、ブログで拝見したんですが、稽古初日にビデオをご覧になったとか。
四宮
野田秀樹さんの作品ですね。体の使い方やテンポを参考にするという事で。
__
体を良く使う作品なのでしょうか。
四宮
そうですね。基本的に悪い芝居の稽古は、最初の方は身体を使うワークショップのようにして始まるんですけどね。どんどん体を使っていこうと。
悪い芝居
2004年12月24日、旗揚げ。メンバー11名。京都を拠点に、東京・大阪と活動の幅を広げつつある若手劇団。ぼんやりとした鬱憤から始まる発想を、刺激的に勢いよく噴出し、それでいてポップに仕立て上げる中毒性の高い作品を発表している。誤解されやすい団体名の由来は、『悪いけど、芝居させてください。の略』と、とても謙遜している。(公式サイトより)

vol.74 四宮 章吾

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四宮

「ベビーブームベイビー」

__
悪い芝居の立ち上げから、もう3年は経つと思うのですが。
四宮
はじまりは2004年の12月24日ですから、もっとですね。でも、まだ生まれたての劇団という感じですね。
__
そうですね。
四宮
でも、その割には劇団員が増えたり、色々な人にお声を掛けて貰ったり。
__
充実されてますよね。四宮さんは、一番の古株メンバーとの事ですが、旗揚げはどのような流れだったんでしょう。
四宮
その時期は、まだ旗揚げするとかそういう感覚はなくて、山崎が大学を卒業してその後も芝居を続けたいなという話をしていたんですね。そういう中、二人で路上とかで色々やる内に劇団を作るという話になったんです。元々は西一風で一緒に芝居をやるという関係だったんですけどね。
__
では、西一風の頃から、台本を書かれていたんでしょうか。
四宮
いえ、山崎は元々役者一本だったんですね。台本はそれまで書いた事がなかったんですよ。
__
あ、そうだったんですか。
四宮
先輩だから脚本を書く、みたいな流れでしたね(笑う)。
__
なるほど。私は「注目」の頃から拝見しているのですが、最近の作品のトレンドとしてはいかがでしょうか。前回の「ベビーブームベイビー」はとても作品性の高いものになっておりましたが。
四宮
第一回のものと比べても、内容はまあまあ、同じだと思います。同じ脚本家ですし。それでも、表現の仕方は変わってきていると思います。
__
具体的には。
四宮
最近の方が、山崎さんの考えている事の表現がもっと如実に出てきていると思います。「もう、出しちゃっていいんじゃないか」となってきているのかもしれません。お客さんは、それを観てどう感じているのか・・・。
__
なるほど。では、次以降の悪い芝居の作品外での展開はいかがでしょうか。副代表として。
四宮
そうですね、割と柔軟にやっていった方がいいんだろうなと思います。関係者の方に色々助けて頂いているんですが、自分達の実力が追いつかない点が多く、その差を埋めて行かなくてはならないと感じています。注目されているのは有難いのですが、このままではいずれぶつかるだろうと。
__
成長期ですね。
四宮
そういう意味では、もっと無茶をしていいのかなと思います。
悪い芝居vol.5「ベビーブームベイビー」
公演時期:2007年8月23~26日。会場:京都芸術センター。
西一風
立命館大学演劇部の一つ。

タグ: 路上パフォーマンス


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四宮

笑顔チーム

__
そこ(フリースペース)で上演した「ベビーブームベイビー」ですが、もう半年前になりますね。非常に、身体の強さを見せ付けられた作品でした。
四宮
とんでもない。
__
その中で、四宮さんが演じられた「エガオ」という役が非常に魅力的でした。本筋には明らかに関係のない役柄でしたが、あれはどういう過程で生まれたのでしょうか。
四宮
山崎が考えた一番最初の台本には、多分あの役はなかったんですね。実は作品を壊す形で生まれて来ているんだと思います。あの役があるおかげで、ストーリーが持つ二重構造の性格がさらにくっきり出たと思います。そういう部分が山崎さんらしいと言えるのかもしれません。
__
そうですね。
四宮
代わりに稽古場では苦労しました。笑顔と一緒に出てくる女の子とシーンのイメージを一致させるのが上手くいかなくて。笑顔チームって言ってたんですけど(笑う)、家族の話と関係が無いシーンをどういう風に提示していくのかと。
__
意識合わせが大変だったと。
四宮
例えば、演技の話だったらある程度経験を積んでいれば相手と演技を合わせる事は出来るんですけど、世界観とかそういうものはもっと話し合っていかないと駄目だったんですよね。そういう意思疎通の点では、もっとやっていけたかもしれませんね。と言って正解の無い、ただ良い方向へと向かっていく作業ですので、柔軟に話し合っていればもっと良かったかもと思います。
__
とにかく、役やシーンのあり方を言葉にしてみようという作業が必要、という事ですね。

タグ: 世界観の作り込み


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四宮

役者

__
確か、「イク直前ニ歌エル女(幽霊みたいな顔で)」で非常に挙動不審な男性を演じられておりましたが。
四宮
あれはですね(笑う)、色んな方に気持ち悪いと言われました。
__
ええ(笑う)。
四宮
普段もああいう人なのかと。そんな訳ないじゃないですか(笑う)。あの芝居は全員頭おかしかったんですけど。その中でも、ストーカーじゃないですけど、好きな女の子への気持ちを表現するのが下手な人で。そういう面では愛おしい役ですね。僕の中では。
__
非常に良いキャラクターでした。
四宮
あれをいつかどこかで、ちょっとだけでも出せればなと思います。
__
まあ、劇団の大きな武器というか財産ですよね。今後の話になりますが・・・、四宮さんは、今後どんな感じで攻めていかれますか。
四宮
そうですね。うーん。やっぱり、もっともっと色んな事が出来る役者にならないといけないと思います。役者として中途半端な気がしていて。
__
そうとは思えないですが。
四宮
そうですか、自分ではそう感じていまして。ちょっと器用なぐらいで。もっと器用になれよと思ってます。もっと極めてみようと。ウチの藤代みたいに、どこかから連れてきたかのような自然な演技をする訳でもないので。
__
なるほど。
四宮
でも、演技のやり方を決めてしまうのもあんまり良くないかなと思います。こだわりすぎてしまうと息が詰まるように感じたり、周囲の評価に振り回されるような気がしたり。
__
そうでしたか。では今後はどのような姿勢で。
四宮
作品毎、自分が出来る事を精一杯やっていったら見える気もしています。分からないですけど。それが10年後、どう評価されるかは分かりませんが、その時は受け止めようと思います。
悪い芝居の弱気な言動2007 「イク直前ニ歌エル女(幽霊みたいな顔で)」
公演時期:2007年3月28日~4月1日。会場:アトリエ劇研。

タグ: いつか、こんな演技が出来たら 今後の攻め方


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四宮

kikkerland ZeCar

murai_present

__
今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントがあります。
四宮
ありがとうございます。
__
どうぞ。
四宮
(開ける)あ、凄い。
__
それは何というか、車のオモチャみたいな。
四宮
あ、走るんですか。
__
ゆっくりと走りますね。
四宮
オブジェ的な。
__
そうですね。
四宮
ありがとうございます。飾ります。

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四宮

忙しい年度末

__
今日はお忙しい所、ありがとうございます。来月2月からは精華演劇祭もあり、本当にご多忙かと思いますが。
丸井
そうですね、今、何本か企画が並行して進んでいるので。例えば今やっているCONNECTの公演と。
__
年度末に、詰め詰めですね。そんな2007年度が終わる訳ですが、丸井さんにとってどのような1年でしたか。
丸井
もうちょっとちゃんとしなきゃ、という。何というか、こうなったらいいなという所にまで中々到達しないなという感じですね。企画段階に立てた理想に、実際の作業なり能力なりが追いついていない感じ。それが激しく露呈した1年でした。もう少し精度を上げたいなあと思いますね。
「ベトナムからの笑い声」
丸井重樹氏を代表とする劇団。手段としての笑いではなく、目的としての笑いを追及する。
CONNECT 芸創→精華 連携企画
大阪から新たな舞台芸術アーティストを発掘し、広く市民の方々に紹介すること目的とした「CONNECT 芸創→精華 連携企画」。公募で選ばれた舞台芸術アーティストに大阪市の芸術文化拠点施設である芸術創造館にて、25分程度のプレゼンテーションし、さらにその中から選ばれた方に精華小劇場で上演する。(公式サイトより)
精華演劇祭Vol.9「いちげんさん」
2008年2月から約2ヶ月間にわたって、全6団体による個性豊かな作品が上演された。(公式サイトより)
「RISSEI SHOW」
京都の繁華街木屋町通りに面した「元立誠小学校」(平成5年閉校)を舞台に、既存の校舎をそのまま利用して、ヨーロッパ企画・野村誠・まことクラヴといった、現在各方面で活躍中のアーティストによる3日間限定の多彩なパフォーマンスイベント。(公式サイトより)
演劇計画
京都芸術センター主催。関西のみならず、広く全国から演出家とその作品を募り、上演を含めた育成プログラムを展開する。
山下残
関西を中心に活動するコンテンポラリーダンサー・振付家。

それは面白いの?

__
今回の精華演劇祭に「ベトナムからの笑い声」も出展される訳ですが、「天覧コント」。私は非常に・・・すごいと。
丸井
いやあね、色んな人に「ようやった」と言われました。僕らは、あのお方の事を意識して作った訳ではないんですけど、見ている人は凄い意識が行ったみたいですね。
__
びっくりしましたね。丸井さんが代表を務める「ベトナムからの笑い声」、実は4回くらいしか見てないんですが、ひたすら笑えますよね。
丸井
いや、でも2年ぐらい前からかな、作家の妄想が暴走している気があって。客席に(笑い声を)押し殺して笑っている人はいるんですが、それが全く舞台にいる人間に伝わっておらず、結果完全にウケなかったという作品がいくつかあるんですよ。もう、シーンていう。
__
アンケートとかの反応が乏しいとか。
丸井
面白い作品だったら感想が書かれるけど、全然取り上げられなかったという。一番最初にそうなったのは「もっこり係長」という、エロ4コマ漫画の作品の登場人物がコタツの中から顔だけ出して喋るボヤキ漫才で、コタツの後ろに実際の漫画がスライドで出るという話だったんだけど、これがもう、本当にウケなくって。客席では、数人が押し殺して笑ってたみたいなんだけど、ネタがネタだけにオープンに笑えなくて。
__
なるほど。
丸井
舞台上の二人は下ネタをやってウケへんという事態に耐えられへんかったらしくて。もう、本当に大変な思いをしながら楽日まで乗り切りました。それを皮切りに、黒川が出してくる台本やアイデアに、本人がこれはウケると思っていても完全にスベる、というのが時々出てきますね。最近一番受けなかったのは、「村おこし」というコントで。これがめちゃめちゃシュールな作品だったんですね。もうそれは、何が面白いのか僕レベルでも分からへん。
__
何らかのルールが念頭にあって、それを実現させるべくしてイッちゃったというのが、私の認識ではシュールという感じなんですけど。
丸井
うん。黒川曰く、会話劇の会話ではなく、本当にリアルな日常会話をそのままやろうとしたんですよ。絶対に成功しないであろう村起しの会議を、集会場でダベってたらこんな感じやろうというのを。
__
もう見ている人には、文脈やそこで使われているネタが全然分からないし。
丸井
そうそう。
__
それを再現しようとしたんですか。
丸井
それは面白いの?って何度か聞いたんですけどね。ツボに嵌った人は、やっぱりクスクス笑ってたらしいんですが。とにかく、最近は常に爆笑するような作品ばかりではなくなってきていますね。
__
黒川さんは、どこに行こうとしているのでしょうか。
丸井
まあ、本人の中では、バランスを取ってやっているみたいですね。幸い、ベトナムの公演はオムニバス形式ですし、公演プログラムで釣合いを取る事が出来ますから。
__
次の精華演劇祭、演題の選定の基準はどうなりますか。
丸井
割と、黒川含め劇団員が「単純に面白いからこれをやったらいいんじゃないか」というのを選んでいますね。もちろん、時間的な制約や俳優の出演バランスも鑑みて決定していますが。

タグ: 私の劇団について


京都舞台芸術協会

__
次は、丸井さんと京都舞台芸術協会について伺っていければと思います。現在、丸井さんは協会ではどのような役割をされているのでしょうか。
丸井
事務局長ですね。まあ、雑用一般です。理事が5人いて、不定期的に理事会をやってるんですけど、そのレジュメの作成と会議後の報告を書いて、とかですね。会計事務もしたり。
__
お忙しいですね。
丸井
そうですね。NPO法人になったんで、必要な手続きだとか公的な届出書類とかをまとめたりしています。任意団体だった時とは違い、事務作業が増えましたね。
__
なるほど。最近の協会の動きとしては、どのような。
丸井
2006年の4月から、理事は今のメンバーに変わったんですけど。出来る事をやろうという話になったんですね。今協会は事務局員がいなくなって、実質仕事が出来るのは理事だけなんですね。でも理事はそれぞれ、自分の劇団や仕事があるので協会に割ける時間は限られているんですね。それ以上の仕事をしようとすると凄い負荷が掛かるので・・・。出来ない事をやりますと言ったってしょうがない。催しをどんどんやっていくというよりは、ネットワーク化だとか、創作の為の環境整備ですとか、意見交換の場の提供だとか、そういう地味な活動に方針をシフトしていますね。
__
環境整備ですか。
丸井
舞台芸術創作・発表の為の環境整備ですね。それは実は、協会が発足した理由なんですよ。京都芸術センターの設立時に、舞台芸術団体へのヒアリングを行う為の窓口として作られ、機能してたんですね。その時に環境整備という事を謳っており、現在に続いているんですけど。
__
そうでしたか。
丸井
だから、京都は今他の都市と比べて、創作の環境としては整ってきてはいるんですね。
__
大学の使用されていない教室とかを使わなくて済みますね。
丸井
そうですね。で、今環境整備として何が必要なのかというと協会内部でも意見がバラバラになっていて。それを取りまとめる為の話合いもされています。
京都舞台芸術協会
京都の舞台芸術の活性化を目的としたNPO法人。(公式サイトより)

演劇でないとダメな企画

__
丸井さんにとって、演劇をプロデュースするにあたってのポリシーなどはありますか?
丸井
まあ、一応制作もクリエイティブなので、オリジナリティを出せればと考えてますね。表現と同じで、「もうやられていない事なんてないんだ」という人もいますけどね。それでも「この作品は他とは違う」という事をアピールしなければならないので。
__
そうですね。見た事もないようなインパクトのチラシと、その衝撃を裏切らない作品があったら。
丸井
中々ないですよね。
__
色々、プロデュースでの公演も手がけておられる訳ですが、そもそも演劇である理由とは。
丸井
うん、実は順番は逆で。もう、お芝居しか出来なくなっているんですわ。高校から始めて大学を卒業しても就職活動せず、1年間フリーターをした後に京都芸術センターに入ったので、他の事を考えるヒマもなかったし。成り行きっていうのはでかい。
__
成り行き。
丸井
ただ、成り行きでそうなったとは言え、演劇でないとダメな企画でないと意味がないとは思っています。それは自分以外でもあちこちで聞かれますね。
京都芸術センター
京都市の中心部にある芸術振興の拠点施設。元明倫小学校であった建物を再利用するかたちで設立された。ここの上演スペースでも毎週のように公演が行われている。

受け入れられやすい条件

__
演劇と言えば、まず演出の方法についてがその話題の主たるものとなると思うんですが。最近、作品の導入について考えることがありまして。まあ我々観客は普通の服を着て劇場に行きますよね。で、舞台でもとりあえず、普通の服を着て常識と日本語が通じるならばある程度理解出来る作品がやってます。こうした形式の場合、やっぱり観客を乗せて行くには、導入が普通というか、低いところから入る必要があるのではないかと。いきなり異世界の話から入っていかれても付いていけないんじゃないかなあと思ったんですが、地点を見るとそうでもなく。
丸井
地点は服はそんなにおかしくないけどね。
__
ええ。演出する人間と観客との関係作りって、演出家・作品によって方法がとても個性的ですよね。
丸井
僕最近、思っている事があって。作品の中には私的な主張と公的な主張があって、これが両方ないと駄目なんじゃないかと思っていて。作品を作り始める時には私的な理由があって、それがパブリックな方向に広がっているかどうかというのが、受け入れられやすい条件になるんじゃないかなと思っていて。「地点」の作品は、あれだけ変な演出をしておきながら言ってる事は普遍的な事だったりする訳でしょう。それが受け入れられる理由じゃないかなあと。
__
確かに。
丸井
しかも、それが観客に分かる、伝わるという所まで到達しているのが凄い所だと思う。
__
そうですね、人間コインゲームと「経済と家族」というテーマが同居してましたね。
丸井
結局、作品とお客さんがどこで繋がるかという話で。普遍的なテーマがあると割と繋がりやすい。そうすると受け入れられやすい。個人的な衝動で作られた作品は、ピンポイントで嵌る人はいるんだけれども、一般化されないので、どうしても蚊帳の外になってしまう。繋がる回路がないというか。
__
細いというか。
丸井
だから、そういう普遍的な話にいかないといけないんじゃないかなあと思う。
__
なるほど。今後、そういう辺りに気を付けて観てみようと思います。

タグ: 観客との関係性


醍醐味

__
今後、丸井さんはプロデューサーとしてどんな感じで攻めていかれますか。
丸井
ちょっと、M_Produceを頑張ろうと思っていて。行政とずっと仕事をしていて、そればっかりやっていると自分と言うものが無いような気になってしまうんですね。もちろん、行政と仕事をするのは嫌いじゃなくて好きだし、自分が無い感じも嫌いじゃないんですけど、存在感が無いぞ自分は、という。今後はベトナムと並行して、M_Produceの公演を年1回でもやろうと思います。
__
確か、「演劇らしい演劇にしよう」という抱負がBLOGに書かれていたかと思うんですが、それは具体的にどのような事なのでしょうか。
丸井
いや、まだ見えてないんですね。漠然と「醍醐味を堪能出来る作品」という事を企画書に書いているんですけど。それは、一つはやっぱり、演劇でしか作れない作品という事に繋がるんですけど、それだけじゃなくて、・・・「何か、お芝居を見る事ややる事はもうちょっと面白い事だった筈だぞ」という思いがあるんですね。まあ、一つ考えたい事は、観劇そのものですね。演劇は、必ず劇場に行かなければ見れないじゃないですか。
__
そうですね。
丸井
映画は(作品自体は)家に居ても見れる。でも、演劇作品のDVDとなると、映画のようには行かない。同じ作品を見るにしてもでも全然違う体験になっちゃうので、お芝居というのは基本的に劇場に行かなければならないんですね。わざわざ足を運んで。しかも映画だったら1~2週間は上演しているけども、演劇は一週の内の週末だけだったりする。見に行く人は、かなり調整しなければならないんですね。それを逆に、楽しみに変えられないかなあと思っています。
__
逆にですか。
丸井
その為の制作や宣伝方法を自分なりに考えようと思っています。そこは作品の醍醐味というよりは、見る醍醐味になるんですが。
__
例えば行った事のない土地の劇場を見るとか。
丸井
または普段行く劇場なんだけれども、周りにこんな事があるよ、とか、芝居を見た後の過ごし方とか。
__
芝居を見る楽しみですか・・・。でも、それを知らない人にとってはどうなんでしょうね。そういう人達にとっては、店置きのチラシを見てくれても、「ふーん」て言って元に戻してしまうんだろうなあと。興味のない人は本当に興味がない、という当たり前の事なんですけど、これは、演劇に関わり始めた当初から考えている事なんですが。
丸井
難しいね。・・・これは全くの妄想なんだけれども。最近、分からない事や不可解なものへは手を出さないという風潮があるかもしれないなあ。例えばミニシアターやギャラリーへの客足というのも減ってるんじゃなかろうかと。
__
だから、逆にそこに訴求する宣伝活動が出来れば理想的、という事なんですかね。
M_Produce
演劇制作者・丸井重樹さんのユニット。プロデュース公演、俳優育成のワークショップ、舞台芸術関係者が集うサロンの開催を総合的に行う。

タグ: 今後の攻め方


お子さん用のマフラー

murai_present

__
今日は貴重なお話を伺えたお礼としてプレゼントがあります。お子さん用のマフラーですね。
丸井
ありがとうございます。喜ぶと思います。
__
最初は帽子を買おうと思っていたんですが、サイズが分からなくて。
丸井
丁度良かった。今子供が気に入ってる帽子があるので。
__
そうでしたか。危なかった。

「濃色企画」

__
今日は、宜しくお願いします。
村井
宜しくお願いします。
__
最近は、何色何番の「濃色企画」の稽古ですね。
村井
そうですね。
__
いかがですか。
村井
先週まで別の本番があった人達を客演に呼んでいて、その人達の稽古参加が一昨日になったので・・・。
__
一昨日ですか。
村井
稽古期間が一週間しかないので、かなり。
__
大変ですね。
村井
大変ですね・・・。
__
今回は、チラシが面白いですね。ハッタリのきいた感じの。
村井
大学の時の友達が少女マンガ家で、今回お願いしました。
__
絵柄がりぼん系ですよね。
何色何番
たかつかな・村井春也。の二名による演劇ユニット。各公演に~~色と題して、全くテイストの異なる公演を行う。
何色何番濃色企画「少女戦隊!ドキレンジャーツー(2)~ドキレンジャー対DEATHメガネ~(仮)」
公演時期:2008年01月13~14日。会場:スタジオ人間座。

タグ: 何色何番 稽古期間が短いピンチ


中学生の時の「こんなんあったよなあ」という感じ

__
今回のお芝居はどんなコンセプトなんでしょうか。
村井
コンセプト。
__
表現したいテーマとか、お芝居そのもののやり方の提示ですとか・・・。
村井
ああ、なるほど。ええと、思い出をつめ込んだという所があって。今回私が作・演出なんですが、自分にあった事しか書けないんですよ。経験していないことが一切書けない人間なので。
__
今回は、どのような事を。
村井
今回は、中学生の時の「こんなんあったよなあ」という感じですね。
__
メガネと闘ったことがある・・・?
村井
それはないですね(笑う)。どっちかと言ったら、中学生の頃ってエロい言葉を辞書で調べてはしゃいでたりしてたじゃないですか。あのノリを懐かしく思い出したいという。私の中学は、お弁当を買って持っていく事が出来なかったんですよ。だから、たまにそういう機会があると心がウキウキするんですよ。高校に入ったら飴を持ってきてもよくなったりするじゃないですか。そういう地味な、スキマスキマの思い出を詰めていきたいですね。話自体は、普通に戦いを描くみたいな感じなんですが。

タグ: エロスについて


緊張感

__
村井さんがお芝居を始めたのは何故なのでしょうか。
村井
小学生の頃から、声優になりたいというのがあって。というのも、音読が好きだったんですね。
__
ああ、分かります。
村井
本読みが上手だと言われたから好きになったんだと思います。んで中学校入って、演劇部がなかったので作って、高校で演劇部に入って、大学の演劇部が合わなかったので自分で作って。
__
円劇飴色ですね。
村井
で、その延長線上で何色何番に。今は、もうダメだと思うまで演劇を続けて、限界になったら就職しようと。それで今まで、うっかり続けています。
__
うっかり。
村井
うっかり。
__
それでは、村井さんの趣味について伺いたいと思います。
村井
趣味。こういうお芝居が好きとか。
__
いえ、お芝居作りにおいての村井さんのスタンスですね。作るにあたって大事にしたい事ですとか。たかつさんからはとてもストイックなやり方をされると伺っていますけれども。
村井
あ、ホントですか。ストイックって響きがかっこいいですよね。
__
そうですね。
村井
・・・緊張感。
__
それは、演技をする上での。
村井
演技をする上で、ですかね。ダラダラするんだったらしない方がいいと思っているので。今は稽古期間が休み中で、本番まで時間が無いんですが、そういう意味ではもの凄い緊張感がありますね。
__
緊張感というのは、稽古時間中の話ですか?
村井
芝居をするなら、いつでも「殺される」と思っていないとなあ。という。わかんないですね。
__
いえ、ええと。緊張感そのものが重要という事なのかなあと思うんですが。芝居の内容ももちろん重要なのですが、それとは別で、舞台上で集中している人、というのが大事なんですかね。
村井
あ、そうですね。緊張感が好きです。
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いいですね。それは。
村井
いえ、私から出てるかは知らないですよ(笑う)。
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いえいえ。集中している人の姿というのは、演劇でしか見られないですもんね。
村井
ショッキングな場面というのは、現場に行けば見れるものかもしれませんが、それは見世物と言っていいものかどうか。事件現場であったり、抗議活動のさ中であったり、劇的だし、非日常的だし、凄いあてられるものがあるのですが、それは見世物とは違う。
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マスコミの取り巻く中で殺されたりね。
村井
そういうのは見世物とは違うけれど、人はそういうものをうっかり見てしまいたくなるものだと思うんですね。人倫的な事はともかく。舞台上で役が傷つくのは、それに応えられるものになるなあ、と思っていて。まあ、重たい人には重たいと思うんですが。
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劇場に行けば、失敗したら終わりの本番が見れますね。まあ、現場ですよね。
村井
ある記事に取り上げてもらった事があって、そこで言った事なのですが・・・。演技をしているというのは、舞台上でちゃんと生きて死にたいという。
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生きて死ぬ?
村井
あたりまえの事なんですが、役者はその人の人生の断片を表現するんですね。役は本番という時間でしか息が出来ない。だから自分の持てる限りのものをめいっぱい費やして、ちゃんと死なせたい。一日に本番が3回あったとしても、二度とやれないじゃないですか。
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では、村井さんにとっていい役者というのは、舞台でちゃんと生きて死ぬ事が出来る人なんですね。
村井
そうですね。私は、本番に入った途端生き生きする人が好きです。お客さん、小屋、本番の時間が好きな人ですね。そういう役者を見ると、脅かされます。やべっと思います。いい緊張感、刺激になります。

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