方法

__
司辻さんは、京都造形大学で演出を学ばれているのですか?
司辻
うーん。学ぶ環境はいっぱい揃っているんですが、でも、私を含めて演出をしている造形大生はみんな勝手にやってるんですね。やはり演出を学ぶには実践を重ねるのが一番なので。
__
教科書には載ってないこと。
司辻
そうですね。教科書はないですし、やらないと勉強は出来ませんよね。
__
自分の感じた世界を表現するのが演出ですから、他人の方法では自分の世界は表現できないという事でしょうか。
司辻
そうですね。演出を学ぶには演出を受ける方法もあると思うんですけど、話を聞いているだけじゃ何も身に付かないんです。演出だけは自分でやっていかないと。
辻企画
京都造形芸術大学出身、作・演出の司辻有香によって2002年に旗揚げ。(公式サイトより)
京都造形芸術大学
京都市左京区北白川瓜生山にある私立芸術大学。芸術学部に舞台芸術学科が置かれている。

世界について

__
今回の作品「世界」。手ごたえは。
司辻
悪くないと思います。
__
その、あれですよね。第二幕目のインパクトが凄かったです。一幕目の二人があんな感じで歌ってるのが。
司辻
ありがとうございます。
__
何か予感はあったんですよ。最初がアレだったので、舞台転換して全然違う世界になってたら面白いなあと思ってて。
司辻
二幕目の開場時に歌っていたんですが、休憩時間中ずっと歌っている感じが出せればと思っていました。でもやはり、お客さんが全て入ってしまわれたので・・・。
__
ええ。
司辻
これは開場中という雰囲気が出せないと思って。結局歌の間はドアを開けっ放しにして係員の人に立っていてもらう事にしました。
__
なるほど。主人公の女の子、たしか、「まるまるちゃん」・・・?
司辻
はい。
__
お母さんに一回しか言われなかった名前ですよね。
司辻
そうですね。でもあれは戯曲中では○○なんですよ。あの少女に名前は付かない方がいいと思ったので。そのまんまにしました。
__
今回の作品ですが、最初はエゴの応酬だったのにだんだん宗教の世界に入っていくみたいな感じだと思います。癒しの要素を入れたとか。
司辻
そうですね、終幕にはカタルシスが演出出来ればいいなと思って。叫んだと思ったら脱力、とか二部で入れてました。
__
サンドイッチを舞台上に散舞させるのは非常に気持ち良かったです。彩り的にとても効果的でした。
司辻
ありがとうございます。あれは、舞台入るまでにはあまり分からなかったんですが、やってみたら効果的でしたね。
__
あれは良かったです。ハムの色がね。
司辻
はい。ハムが魚肉ソーセージで。匂いが受け付けませんでした。
__
あ、そうなんですか。
司辻
匂い、どうでした?大丈夫でした?
__
はい、大丈夫でした。と思いますよ。
辻企画「世界」
公演時期:2006年12月1日~3日。会場:京都芸術センター。

タグ: 外の世界と繋がる


交換

__
ネタとして面白かったのは「私のアソコはミックスサンド」でしたね。これ絶対ウケ狙いでやってるなと。
司辻
違いますよ(笑う)私は基本、ウケ狙いにはいかないので。が、これは受けるかもしれないなと。
__
覚悟はしていたと。
司辻
あまり、ウケるウケないは気にしないので。あれはいいと思いますけど。
__
ええ・・・。
司辻
(エスプレッソ)しょっぱいですね。
__
しょっぱい?
司辻
濃いですね。
__
ああ、ちょっと焦げてるかもしれませんね。
司辻
私、エスプレッソ一回しか飲んだことがないので。
__
司辻さんは聞くところによると、エゴを表出させた作風だと思うのですが、そういうスタイルはどのようにして生まれていったんですか?
司辻
今まで、「世界」を入れて7作品を書いていて、そのうち6作を上演しているんですが、二作目の「レス」という作品を2003年に書いたんです。
__
ええ。
司辻
その時に、作品を作る時は、たとえそれがフィクションであってもその人の経験や考えや感情が出るもので。私は作・演出をしているからそれを立体化できるんですね。もちろん舞台上でパフォーマンスするのは俳優なんですけど、私は作・演出ですが自分の事を書かないと満足できなくって。それは周りの事を考えずに書く所までいかないと満足しない。一人の人間が生きている事を示す事に意味があると思うんですね。私は自分の創作姿勢としてそうやってきたんですけど、今はそこに、一人の人間の生身を出すことが人間が生きている事に繋がるんじゃないかと見出し初めています。
__
ええ。
司辻
人間に人間が生きている事を伝える事が大事なんじゃないかと思ってます。創作を重ねるごとに、そういうようなかたちになっていっていると思います。
__
司辻さんの芝居をみる事で、観客は司辻さんの生を確かめ、それが逆に観客個人の生を確かめるという事になっている、って感じですかね。
司辻
そうですね、確かめるという表現は私は使ってこなかったんですけど、そちらのほうが分かり易いかもしれませんね。舞台上で感情を出すことが、お客さんに感情の内容を知ってもらうというよりも体験してもらうようにしてもらえたらいいと思います。それが目的です。
__
感情をあまり表に出さず、正確にシーンを成立させる為の演技ではなく、感情を思いっきり放出する。
司辻
そうですね。
__
1時間40分出し続けてましたよね。確かに、ああいう芝居は今まで見た事が無かったですね。
司辻
でもね、あの、一個の感情を出すというのは凄く強い事じゃないですか。ですので一つだしたらずっと出し続けているように見えるんだと思うんですけれども。

今後

__
今後はどのような活動をされる予定でしょうか。パンフレットに、しばらく活動を休止されるとありましたが。
司辻
そうですね。ちょっとお休みします。でも、休むというのは自分から動くのを休むという事で。
__
何かあったら・・・。
司辻
そうですね。2007年は演出を休むのは決定です。来年(2007年)は受身でいようと思ってます。また何かあったら声を掛けてやってください(笑う)。

庭用サンダル

__
今日はですね、お話を聞かせていただいたお礼にプレゼントがあります。
司辻
え!?ありがとうございます。
__
サイズが合うかどうか分かりませんが。
司辻
え、ちょっと嬉しいです。頂きます(受取る)。
__
はい。
司辻
今までどんなものを・・・?
__
いや、無難にカップとかピンバッジとかですかね。
司辻
あ、かわいい。ありがとうございます。
__
庭に出る用のサンダルなんですかね。
司辻
可愛いです。


問題

__
田嶋さんはもう京都に来られて長い訳ですけれども、どうですか、京都の文化的な環境について。私はかなり恵まれているんじゃないかと思うんですけど。
田嶋
うん、凄く、恵まれているって思いますね。首都圏でやっていると、劇団の人同士が自転車で行き来できるってのは滅多にないと思うんですよ。やっぱり、演劇に限って言えば、人が集まらなければ何も進まない所があるので。すぐに集まれるっていうのは東京から来た身からすれば得がたいものだなあと。
__
あー。
田嶋
あとは、他の劇団の事が分かりますよね。
__
分かっちゃいますよね。
田嶋
それが狭い事の良さだと思います。逆に問題もよく見えるから。
__
その、問題というのは。
田嶋
あー。
__
・・・・・・。
田嶋
いや、京都だけにある、東京だけにある問題っていうのは実はないんじゃないかと思ってるんですよ。だけど、京都の方がそれが見え易い、という気はします。
__
うーん。
田嶋
まあ、東京にいた頃していた仕事とは少し質が違う仕事を京都ではしているということはあるんですけど。京都にいる今の方がいろいろなことが見えてくる気が。

芸術

田嶋
まあ、問題としては、日本はまだまだディレクター制度が定着していないということでしょうか。芸術センターもそうなんですけど。
__
ディレクター制度とは何でしょうか?
田嶋
芸術監督制度ですね。作品にははっきりと良し悪しがあって。それは凄くシビアにあると思うんですよ。でもそれは相対化出来る物ではないから。やっぱり、これは良くてこれは良くないとはっきりいう人が必要だと思うんですよ。
__
そういう、二元論ではなく、例えば価格とかを付ける、という訳には行かないんですかね。
田嶋
価格とはちょっと違う気がして。うーん。やっぱりね、どうしても予算が掛かっちゃう作品があると思うんですよ。でもそれが「迫る」作品であるかどうかは、バジェットとは関係がないことで。本来は、総予算をお客さんの数で割った金額がチケットの値段になればそれだけで作品は作れるんだけど、そうなると莫大な金額となる。だから、値段の問題は難しいですね。まあ、白黒はっきり付けるって言っても劇団のカラーや劇場のイメージっていうのが確実にあって、それをお客さんがもっと分かり易く選べるようになった方がいいと思うんですね。
__
例えば芸術センターではちょっと前衛的で練り上げられた、芸術性の高い作品をやっていると。一方アトコンではエンターテイメント性を強く主張した作品をやっているとか。
田嶋
まあ、そういう風に言われると今でも多少はあるのかもしれないですね。ただ、逆に方向性の転換が難しくなってしまうかもしれない。でもディレクター制度があれば、このディレクターだからこういう作品なんだ、とか、別の人だったらこういう芝居なんだなあ、とかそういう予見が出来るんだろうけども、今は誰がどういう責任を持ってディレクションしているのかが分かりにくい。
__
もし、ディレクター制度が出来て、恒常的に機能するようになったとしたら、お客さんはその広報する意見を参考に出来ると。
田嶋
それはあると思います。
__
日本では発達していないと仰いましたけど、それは欧米では発達している?
田嶋
そうですね。ディレクターがいるかいないかでは、質の高いものと、そうではないもの、面白いものと、面白くないもの。今はそれが全部同じ土壌で何とかなっているってのが、うーん。もうちょっと、プロとそうでないものをハッキリさせた方がいいんじゃないかと。
__
うーん。
田嶋
何ていうのかな。普段サラリーマンやっている人がボーナスをつぎこんで芝居を一本打つっていうのは可能な訳ですよ。で、それが面白ければ観客にとってはとりあえずその人がサラリーマンであるかどうかはどうでもいいんですよ。
__
そうですね。
田嶋
でもそれが面白くなかった場合でも、その人は毎期のボーナスを使って芝居が出来る訳で。その辺の淘汰の仕組みの無さが、・・・淘汰の仕組みとかいうと偉そうに聞こえちゃうかもしれないけど。でもやっぱりね、いいものを提供し続けていかないと、本当に演劇を好きなお客さんなんて一握りなんで、増えないと思うんですよ外に行って何故私が演劇が好きなのかとか、そういう事を人に話したとしても説得力がないんですよね。
__
うーん。
田嶋
一方で、もちろん傑作を作るのは難しいと思うんですよ。
__
そうですね。
田嶋
すっごく難しいし、多分一生見てても本当に凄い作品なんて2~3本だと思う。でもね、そこまで行かなくてもちょっと体温が上がったり、どこまでも歩いて帰れそうな作品ってある訳で。
__
凄い喩えですね。
田嶋
そういう作品が増えるのがいい事だと思う。その仕組みを作るのは・・・。
__
そのためにディレクター制があると。
田嶋
やっぱり、評価の仕組みが全然ないからなあ。
__
アンケートが書かれて、それが劇団に吸い込まれるだけですからね。
田嶋
(笑う)
京都芸術センター
京都市の中心部にある芸術振興の拠点施設。元明倫小学校であった建物を再利用するかたちで設立された。ここの上演スペースでも毎週のように公演が行われている。
アートコンプレックス1928
三条御幸町の多目的ホール。ダンス、演劇公演、ショーやワークショップ、展覧会等を開催する。

タグ: 新しいエンターテイメント


宣伝

田嶋
私、地点という劇団の制作をしているんですけど、昨日のミーティングで「チラシを作るのをやめよう」っていう事になったんです。
__
おお。
田嶋
挟み込みをやめようって事になったんですね。で、代わりにポスターとポストカードを作る事にしたんですけど、結局、ポスターを貼ったり、カードを配布したりというのはパフォーマンスになるわけじゃないですか。挟み込みは小劇場の世界で漫然とやっているだけではないかと。もっと、広報とか宣伝を考えた時にキチンと、自分のやりたいことの理念に叶ったやり方を考えるべきじゃないかと。
__
その為に、こういう事を言ったらアレですが、実験的に辞めてみたと。
田嶋
挟み込みをまたやるということはないと思うんです。
__
ああー、なるほど。効果がないから、というわけではなく。
田嶋
ポスター・ポストカードに関しては、方法は考えるかもしれない。
__
すると、芝居を見に来た人には情報が伝わらなくなってしまうのでは。
田嶋
それは、ポスター・ポストカードじゃ無理ですかね。
__
あー。いや、小屋を出た後に、ポスターが大きく貼ってあれば伝えられると思います。
田嶋
あと、京都の規模だと劇団員から手渡しで渡せるんじゃないかと。それは橋本さんが言ってたんですけど。
__
出来るでしょうね。
田嶋
実験といえば実験ですけど、ポスターとポストカードだったら演劇を見たことの無い人にも行き渡るんじゃないかと。でも、見に行こうってなるのは、そういうデータだけじゃないと思うんですよ。一番いいのは、口コミだと思うんですよ。
__
口コミ。はい。
田嶋
やっぱり自分の信頼している人が「これは面白い」と薦めてくれることだと思うんですよ。それは、圧倒的な力を持ちますよね。
__
そうですね。
田嶋
まあ、劇団が作る宣伝ってのはやはり自薦なので。
__
どうしてもそうなりますよね。
田嶋
演劇って、宣伝についてはまだやってない事があると感じていて。私自身、ホントにあの手この手を試してみたいんですよね。
__
はい。
田嶋
まずお客さんが来ないと始まらないからねー。
__
そうですね。
地点
代表・演出、三浦基による特異な表現による硬質な劇空間が特徴。洗練された俳優陣、高度な舞台美術、分断されて文節どころか音節ごとに再構成されたテキストなど、強い印象を残す。

グラス

__
今日はプレゼントがあります。
田嶋
ありがとうございます。過去のを読んだら、沢山プレゼントをされていて。気を遣わせて悪いなと。
__
いえいえ。プレゼントをするのは好きなんで。
田嶋
そういう人、いますね。
__
どうぞ。
田嶋
ありがとうございます。私実は、明日が誕生日なんですよね。
__
やった。大当たりだ。
田嶋
うれしー。プレゼントって、あんまり貰わなくなっちゃいましたよね。
__
そうですね。大人になると。
田嶋
(開ける)あ・・・これは、お酒を入れて飲みたい感じの。キレイ。これなんか、不思議ですね。カクテルとか入れたいですね。
__
普段使いにして頂ければ。


8年

__
今日は宜しくお願い致します。色んなお話が伺えたらと思います。
清水
頑張ります。
__
ええ。・・・その、チラシのデザイナーをずっとされておりますけれども。
清水
まあ、8年ですね。
__
一番最初に作られたチラシは、どんなものだったんでしょうか。
清水
今もお世話になっている、モノクロームサーカスっていうダンスカンパニーの小っちゃいフライヤーを作りましたね。
__
あー。
清水
98年でしたね。
__
98年。大学では何学部だったんですか?やっぱりデザイン系の。
清水
デザイン系ですね。はい。一応、工芸学部の造形工学科という。モノクロームサーカスの人たちとは偶然出会って。ちょっと観に行ったら代表の坂本公成さんがいて。そこでちょろっと話したのがきっかけでデザインを任されて。大学にいた頃は、本当は工業デザインがやりたかったんですよ。iPod作ったりとか。一番やりたかったのは、公共車のデザインがやりたかったんだけども、2社くらいの企業実習を受けたんですが・・・。
__
なるほど。
清水
厳しかったですね。で、今はグラフィックをさせて貰っている訳ですが。
__
主に、演劇系のデザインをされているんでしょうか?
清水
最初、ダンスから入ったので、今でもダンスが多くて。初めて演劇のチラシをやったのは、2002年のアトリエ劇研演劇祭に誘われて。
__
ええ。
清水
あの時橋本さんがプロデューサーだったんで。橋本さんに声を掛けてもらったきっかけになったのがしげやん(北村成美さん)のダンスマラソンのチラシでしたね。
__
なるほど。
モノクロームサーカス
京都を拠点に活躍するコンテンポラリーダンス・カンパニー。1990年に設立。主宰坂本公成。「身体をめぐる/との対話」をテーマに国内外で活動を続ける。(公式サイトより)
坂本公成
「身体との対話」をテーマに様々な公演、ワークショップ、 プロジェクトを手がける。MC作品の振付/演出のほか、 京都国際ダンスワークショップフェスティバル、Contact Improvisation Meeting Japanのディレクターを務める。(公式サイトより)
第三回アトリエ劇研演劇祭
2002年5月開催。劇団飛び道具、劇団衛星、石原正一ショー、北村成美などが参加。
橋本裕介
プロデューサー。橋本制作事務所。
北村成美
ダンサー。なにわのコリオグラファー・しげやん。「生きる喜びと痛みを謳歌するたくましいダンス」をモットーにダンスバカ道を疾走中。(公式サイトより)

vol.31 清水 俊洋

フリー・その他。

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清水

期間

__
その、演劇でもダンスでも、お話を受けてからどれぐらいで出来るもんなんでしょうか。
清水
長めに言っといた方がいいよね、これは(笑う)。
__
ええ(笑う)。
清水
どうでしょうね。やっぱり納期が厳しい仕事もありますし。情報を貰ってから刷り上りまで、どんなに短くても3週間ですね。
__
ああ・・・。
清水
ひと月でも難しいですね。どうしても印刷工程に時間が掛かるので、データが出来ました、で終わりではない。ウェブはもちろん、それで終わりだけども。
__
清水さんの場合は、ではどんな形で発注された方とイメージの刷り合わせをされているんでしょうか。
清水
そうですね。向こうの方でガチガチにイメージを決めてくれていて、それを形にしてくれという場合もあるし、又は人物とかの写真を撮ることなる場合もあるし。そういう時は役者さんの顔は出すのかなどの相談になりますし。
__
その、刷り合わせの中で、双方納得して結果を出されている訳ですよね。
清水
納得して頂いていればいいんですけどね(笑う)。僕は少なくとも納得してますけどね。人からああしてくれ、こうしてくれっていうのを聞くのは面白いですね。自分の考えの及ばない、物凄い変な事を考えてくる人が沢山いらっしゃるんで。
__
へえー。
清水
自分では0からは作れないので、アーティストさんが0から1にしてくれたらあとはこっちが1から100にします、という仕事だと思っていますので。

vol.31 清水 俊洋

フリー・その他。

2006年以前
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清水

時代

__
その、ちょっと技術的なお話になっていきたいなと思うわけですが。
清水
えぇ。
__
十年前とか、昔になるとパソコンとかかなり高かったですよね。
清水
高かったですね。まあでも、パソコンの無い時代ではみなさんアナログ版下でやっていたし。僕は最初からデジタルだったので、その苦労とかは分からないのですが。社会人になった今でも何台かパソコンを買ってるけど、学生の頃の方が高かった。メモリ込みで45万ぐらいしましたね。
__
凄いですね。
清水
もっと昔のものだったらもっと高かったし。パワーブックだったら80万、90万っていう時代だったし。
__
うーん。
清水
とんでもない時代でした。今はまあ安くなって。便利な時代。
__
あー。
清水
大学ではパソコンとかガンガン購入してて。500万するUNIXのワークステーションがゴロゴロあったりして。
__
おかしいですよね。
清水
そういうマシンをガンガン使いこなしてる院生とかはカッコいいなとか思いましたね。それで作る3Dにはあまり興味はありませんでしたが。
__
あくまで平面のデザインに特化させていった。
清水
そうですね、絵描きに成りたいというわけではけしてなく、デザインですね。文字一つの置き方とか組み方とかで面白く見せられるという仕事の方が憧れるし、コンピューターとかCGのない時代でも面白い作品っていっぱいあるんで。
__
考えてみれば昔から今まで平面のデザイン作品って死ななかったわけで。
清水
本質的には大して変わってないんですよ。3Dが出ようが、ホログラフィックスが出ようが。例えば60年代の舞踏の公演でも、凄いデザインのポスターもあるし。なんでこんなパソコンの無い時代にこんな凄いものが。というような。
__
はあ。
清水
受容する側はもちろん、新しいものを求めてるわけなんですけれども、基本はなんていうか、そんなに変わってないんじゃないかなと。チラシも無くなるとか言ってたけど、2000年頃に。結局無くなってないし。

タグ: 「多様性と受容」への批判


vol.31 清水 俊洋

フリー・その他。

2006年以前
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清水

__
自分達でデザイナーを呼べない劇団ってあると思うんですよ。なんていうか、アドバイスみたいなものがあればと思いまして。
清水
まず言いたいのが、パソコンの上でやるのだけがけしてデザインではないという事ですね。
__
なるほど。
清水
例えば紙の素材を一つ変えるだけで全然モノの素材感が変わってくる(紙の見本帳を取り出す)。
__
へえ。
清水
変わった紙となると中々見つけずらいんだけど、個人を相手にちょっと売ってくれる紙の問屋さんもあるんでそこで探してもらったりとか。部数が少なければ穴を開けてみるなどの加工もやりやすいですしね。
__
なるほど。
清水
シールを貼ったりも出来るじゃないですか。ハンコを押すってのもありですね。劇団のハンコを作ってポンと押したりするだけでもチラシを受け取る人の印象は全然違う。
__
へえー。
清水
こういう紙もありますよ。
__
へー。
清水
紙を変えるってのも、一つの手ですね。
__
なるほど。・・・その、デザインの面ではどうでしょうか。例えば作品とチラシの内容がかけ離れてるとか、そういう場合も沢山あるように思えまして。
清水
それは・・・。例えば、芝居のワンシーンを忠実に再現してそれを写真に撮ってタイトルを入れてもそれはチラシとして成功するとは限らなかったりする。
__
はい。
清水
お芝居の最初から最後ってのがあって、その経過をハイこうこうこうでっていうんじゃなくて、チラシの入り口は最初にあるわけじゃないですか。
__
そうですね。
清水
お客さんの経験としては、その入り口に相応しいもの、要は、この流れに乗って開演時間から終演時間までいけるもの。
__
ええ。
清水
開演時間に相応しいものである必要があるんじゃないかと思います。
__
それは考えたこと無かったです。
清水
途中を抜き出してそれが面白い場合もあるけど。大概、お客さんにとっては先が見えたって気になってしまって、そういう「チラシを見る」だけで満足されてしまうことになっては本末転倒だと思います。生で舞台を観てもらうことを目指しているのに。
__
ええ。
清水
お客さんが家を出て、劇場に着き、開演時間を迎える…という段取りに求められるイメージを表現したデザインが必要とされると思います。そのイメージをお客さんに念頭に置いてもらって、ワクワク期待を膨らませてもらう。あくまで個人的な考えですけれども。
__
ありがとうございます。


vol.31 清水 俊洋

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2006年以前
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清水

板橋さん

__
最近はお忙しいそうで。あ、最新公演か。
門脇
そうですね。12月に、ニットの本番があって。であとまあ、今月は助成金の締め切りシーズンで。
__
あー。
門脇
それがね、驚くような忙しさで。
__
ああ。
門脇
制作が忙しい。
__
忙しいですよね。
門脇
板橋さんがいなくなっちゃって、で僕が引き継ぐ形になって。今は宣伝美術的な仕事もしていて、まあチラシはもちろん宣伝美術の人が作ってくれるんですけど、その校正とかDMにしたりとか。
__
ああー。
門脇
宣伝の映像をYouTubeにあげたりとかしてて。今日は朝からそれでした。そういう感じですね。
__
なるほど。・・・板橋さん、いなくなっちゃいましたね・・・。
門脇
ねえ。この前来てましたけどね。クロムモリブデンで。
__
あ、そうですね。いい仕事してましたね。
門脇
クロムは勢いがありますよね。皆さん、しっかりしてらっしゃいますよね。
__
声も枯れてなかったし。さすが。
板橋薔薇之介さん
元・ニットキャップシアター俳優。
クロムモリブデン
東京の劇団。代表・青木秀樹氏による脚本・演出で乾いた現代を破裂的に描写し風刺する。

みんなボブ

__
えー、ニットの事もお伺いしたいんですけど、ベビー・ピーの・・・。
門脇
おっ、ベビー・ピー。
__
ベビー・ピーのこないだのは、滅茶苦茶凄かったんで。
門脇
あ、「みんなボブ」?ありがとうございます。
__
あれは傑作というか、久しぶりに良かったなと。
門脇
嬉しいです。
__
どうでした、やってて。
門脇
いや面白かったですよ。四都市公演だったしね。
__
いや、見ていてですね、バランスが良かった。かつロックだったというか、その辺の。例えば、いいビデオ借りたなあ、みたいな。
門脇
バランスっていうのは、その、役者間の?
__
あ、演出の方だと思うんですけど。押し付けすぎずみたいな。なんと言っていいやら。
  
(飲み物が運ばれてくる)
門脇
何か最近、ミーティングする時に皆がロイヤルミルクティーを頼んでたから。頼んでみようかなあと。(注ぐ)
__
・・・白いですね。
門脇
まだ淹れちゃだめだったのかな。(飲む)
__
いかがですか。
門脇
かもしれない。紅茶がまだ出てないかも。ロイヤルミルクティーって煮出したりするんだっけ?
__
いや、それはチャイですね。
門脇
チャイか。
__
・・・。
門脇
いや、ベビー・ピーも年末に公演するんですよ。
__
あ、そうなんですか。
門脇
根本・首藤・横江の三人芝居です。
__
へー。
門脇
まあ僕らは、26日まで公演なんで、受付やってるとおもうけど。
__
なるほど。
門脇
いやー。ベビー・ピーもね、楽しいんだけどもね。
__
何か、感じる所が。
門脇
やっぱり、二重に所属してるってのが難しい。その、ベビー・ピーをやってる時はそっちをやっていこうと思うんですよ。まあその、期間が分かれる訳じゃないですか。ニットキャップに戻ってくると、それどころじゃないんですよ。
__
あー。
門脇
それどころじゃないんですよ。
__
というのは、制作的な面で。
門脇
一応、制作と役者とやっていて、で、ニットにいると中々役者が出来ない。それはまあ制作が忙しいから。
__
うーん。
門脇
でもねえ、ベビー・ピーは楽しいしやりがいがあるし。こんな言い方はアレだけど、ニットがつまらなかったらベビー・ピーに・・・。
__
切り換えると。
門脇
まあありがたいことに、そうはなってないので。(笑う)ニットもやりがいがあって、困る。
ベビー・ピー
京都の劇団。主にニットキャップシアターの若手俳優によって結成。脚本・演出、根本コースケによる幻想的な世界を現代演劇に即して表現する。
ベビー・ピー「みんなボブ」
公演時期:2006年8月18日・20日。京都会場:shin-bi、大阪会場:BlackChamber(文化祭 =Culture Carnival= 参加作品)。

演劇人

門脇
どうでしたか、観てて。
__
観てて。うーん。ボブだけ観て言うんですが。感動を共有したという意味で感動しました。ええ。全然不満とかはないですよ。
門脇
ええ。
__
いや、まあ、それで食っていけるのか系の話になると、うーんってなっちゃいますね。正直な所、観客としては。どうでも良いというわけではないんですが。「みんなボブ」みたいな作品がこの世に溢れていればそれで文句なんかないです。
門脇
ぶっちゃけ、僕もそう。
__
でも、そういう演劇人の不安ってのはつきまとうものですよね。
門脇
いや。何かね。何だろう。ニットキャップで感じてるのは、ニットってもともとどこを目指してるのか分からないところがあって。でもまあ、プロになるという原則はもともとあると思うんで。これはこの前蓮行さんと話していて思ったんだけど、衛星は小劇場の形を変えようとしてやっていこうとしていて、で自分達で色々企画してやっていってるわけじゃないですか。ニットもそういうことはやっているんだけども、でも本質的にそういう事がやりたい集団ではないなと。で、割と上手くいってる演劇人なんかはTVとかそういう世界に進んで活躍する道もあって。そこがそれぞれ違うなあと。
__
集団の経営の立て方ってそれぞれですからね。
門脇
で、その前の段階では色々不安とか葛藤もあったりして。具体的に叶わない夢とか。でもニットはある程度の段階に来てるから、まあ道があるわけで。
__
そうですね。
門脇
僕はどっちかっていうと、自分達で事業をやっていくのが好きなタイプなんだけれども。

タグ: 舞台に立つまでの葛藤 演劇人同士の繋がり


パイジ

門脇
次の「お彼岸の魚」。大阪でやる奴なんですけど。
__
「飼い犬キャロル」から改称した。
門脇
タイトルが迷走してね。4つ目のタイトルなんで。
__
4つ目?
門脇
最初は「パイジ」っていうタイトルで。
__
あ!そうだったね。
門脇
次は「恋は二万年」っていうのに変えて。
__
それも見た。仮チラシで。
門脇
で「飼い犬キャロル」にして、「お彼岸の魚」にして。これは芝居の内容に合ってるんだけども。まあそこで落ち着いたので良かったと思います。
__
最初「パイジ」って見ておおっと思ったんですよ。これは新しいと。
門脇
「パイジ」面白そうだよね。
__
「パイジ」ありえないなと。
門脇
「パイジ」やりたかった。
__
ちょっとやらしいですよね。
門脇
「どん亀」のパンフ用に、とりあえず次回作のタイトルを出すことになって三つくらい考えたんだけど、残り二つはドロドロした感じのだったんだけど、そこに「パイジ」が出てきて。もうこれは「パイジ」でしょうと。キャッチーだし、想像が膨らむし。
__
カラフルでチープで。素晴らしいタイトルでした。
門脇
じゃあ、いつか「パイジ」を。
ニットキャップシアター第22回公演「お彼岸の魚」
公演時期:2006年12月22日~2007年5月20日。大阪:in→dependent theatre 2nd、東京:下北沢 駅前劇場、愛知:愛知県芸術劇場小ホール、福岡:ぽんプラザホール。

タグ: タイトルの秘密


作品作り

__
今後は、どんな感じで。しばらくニットとベビピという感じですか。
門脇
そのつもりです。が、今はニットの時期だから専念するけど、ベビピに入るといやいやベビピを売り出すぞ、となる。割と専念できない方なんで。
__
ああ。
門脇
まあ、悩ましいというか・・・。今は根本が割りと作品作りを誠実に進めていく時期だと思っているので。ムリしてどんどん売り出す公演をしていくつもりではないみたいですね。
__
うん。
門脇
それはいいとおもってます。

計算機

__
今日はですね、お話を聞かせていただいたお礼にプレゼントがあります(渡す)。
門脇
あ、ありがとうございます。こういう袋って何かいいですよね。
__
ええ。
門脇
僕が、こういう店にあまり行かないだけかもしれませんが。(開ける。箱が出てくる)おお・・・。
__
過剰包装ですね。箱が。
門脇
(開ける)おおお。これはねえ、いいよ。嬉しいですよ。
__
制作の仕事に役立てて頂ければと。
門脇
うん。俺ね、持ってないよ。携帯で計算してて。
__
やった。当たった。
門脇
凄いよ、高橋くん。
__
きたね。
門脇
これ、いいよ。ありがとうございます。


混合

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今日は宜しくお願いします。最近はいかがですか。
砂連尾
最近はねえ。先週、東京で初めてのソロを。今は、11月5日に京都造形大で上演する、ジャン・ジュネっていう思想家のテキストをもとにした作品を作ってます。それとじゃれみさでの「踊りに行くぜ!」の製作をしています。
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ありがとうございます。ダンスの稽古って、どんな・・・。何か、芝居の稽古とはまったく違うものだと思うんですけど、ある方向性を見つけて、それを磨いて行ったりとか、追求していくことだと思うんですが。どんな感じですかね。稽古に対する姿勢というか。
砂連尾
多分それは、演劇の場合も同じだと思うんですけど、まず基本練習があって、それはバレエでいえば、バーレッスンとかの型みたいな体系立てられた稽古を日々繰り返します。
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はい。
砂連尾
それ以外にも、例えば僕はいま合気道を始めたんだけど、まあ、自分なりに色々なメソードをミックスさせて体の鍛錬を日々行って。で、創作活動としてはあるテーマ、コンセプトに基づいて、新たな身体言語を開発していきます。もしかすると、その作業は作家さんが文章を書くような、新たなストーリーや言い回しを発見して文章化するような、そんな作業を体を通して行なっていくみたいな感じですかね。
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なるほど・・・。
砂連尾
そういうことを、チマチマチマチマチマチマと、やらざるを得ないというか。
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ああ・・・。
砂連尾
やっぱ、自分自身の体を同時には見れないじゃないですか。ビデオに撮って見れたとしても、同時に、詳細に見ることは出来ない。もちろん、訓練によってもう一つの自分の眼っていうのを作っていったりするんですけど、でもやっぱり、そういう事をするまでの鍛錬の時間は必要で、やっぱり、ノートやビデオに記録して鏡代わりにしては、生み出していった振りを作っては壊し作っては壊しを繰り返していくんですね。
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本番に向けて練習の期間を取っている訳ですが、シーンごとの追求のし終わりっていうのはどこになるんでしょうか。
砂連尾
これは、本当にこんなやり方で良いのか分からないのですが、今のところ本番までの期間をリミットにしていますね。きっと、もっと探せば探すほど追求出来るのだとは思うのですが、設定されている期間で「とりあえずはここまで」としていますね。
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なるほど。
砂連尾
うん。
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うーん。
砂連尾
・・・ところで、ダンスは、どういうところから見始めたんですか?
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あー、最初はしげやんのを見てから、ですかね。
砂連尾
じゃれみさは。
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あー、6回ぐらい見てると思います。そうですね。テーマ性・・・テーマ性?ていうか。独特の暗さというか、うん。暗いのかな。
砂連尾
軽さと重さが混合しているみたいなね。
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それが、一つのシーンに混じっている部分と、分かれている、マーブルな感じが面白いですね。
砂連尾
マーブルってのは、色んな感じが混じっているっていう事ですか。マーブルチョコってありますよね。
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色の薄い所と濃い所が混じっていたり、そういう所ですかね。
砂連尾
いやいや、そういうところって色々聞いてみたいですよね。どんな風に見てるか、とかはね。
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ええ、不思議な気分で毎回拝見してます。
踊りに行くぜ!
全国のコンテンポラリーダンサーを支援するNPO・JCDNが主催するダンス巡回公演プロジェクト。2009年現在、10週年を迎える。コンテンポラリーダンサーに別の土地での発表の機会与えている。

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