血の創世記

__
ええとですね、衛星団員だから思っている事でもあるんですが。この所衛星の活動は何か、落ち着いた感じだなあと思っていたんですが、こないだの「フルベース」を見て、ああやっぱり元気があるなと思ったんですよ。
植村
うん。
__
非常に魅力のある芝居をするなと。そこで。なんていうか、これは一観客としての希望でもあるんですが、何か、滅茶苦茶をやってほしいなと思っておりまして。まあ、正直に申しまして、「血の創世記」とかのナンセンスな作品群をもう一度見たいなと思ってまして。
植村
あれから衛星を見始めた人は多いな。
__
ああいう、派手な事をやっていた時代を見逃した身としては「惜しい」というのがあるのですが。
植村
「血の創世記」みたいに、野外でやるのはあの頃は学生という免罪符があったから出来たもので。それが今は無いので、大変と言えば大変なんだけど。言うとね、今でも、やってる身としては全然落ち着いた感はなくて。
__
ああ。
植村
例えば「コックピット」とかは、関係者みんなしんどくて「やだ」とか言うんだけど、私はもう一回やりたいと思ってて。で、こないだ喋ってる時も「やりましょうよ」って言ってくれた子がいたので。
__
ああー。
植村
もちろん、当時は無茶でやっていた事を今後はきちんとやれるようになっていかなきゃいけないと思っています。やる側としてはきっちりやって、傍目には無茶に見える公演をやって行きたいなと。
__
なるほど。
植村
「珠光の庵」も、ある意味無茶やねん。一年もないお点前の稽古で茶道関係者に見てもらっても納得してもらえるぐらいにしなきゃならんかったりとか、その上で芝居としても面白く作らなきゃならんかったりとか。ある種、色んな無茶をやってると思う。まあそれが楽しいけどね衛星は。私は凄い好き。
__
私もです。
植村
しんどいのはしんどいよ。地方に行ったりしたときは、無茶なタイムスケジュールだったりとかね。
劇団衛星興業「血の創世記」
公演時期:1999年7月9~20日。会場:吉田神社境内。
劇団衛星アトリエ劇研演劇祭参加作品「Candle」
公演時期:1998年2月18日~21日。会場:アトリエ劇研。
劇団衛星興業「コックピット」
50席限定の完全可搬型劇場を製作し、各地で公演を行う。初演時期:2002年6月12日~15日。会場:アートコンプレックス1928。

蟻の絵のワンポイントが描かれた平皿

__
ありがとうございました。
植村
いえいえ。
__
今日はお話を聞かせて頂いたお礼に、プレゼントが・・・。
植村
ありがとうございます。開けていい?
__
どうぞ。
植村
わーい。(開ける)あ、かわいい。ありがとうございます。ワンポイントが。
__
うん。蟻。


自主練

__
最近、いかがですか。
大木
最近。東京公演の稽古が3月半ばから始まるので、それまでは自主練などをしています。新人稽古とか。
__
「お彼岸の魚」東京公演が、一番近い本番なんですかね。
大木
そうですね。
__
今後のスケジュールは。
大木
あれは一応、三月東京、四月名古屋、五月に名古屋のカラフル2というイベントがあって、それに。あとは、同じ五月に福岡で。
__
なるほど。
大木
大阪での反省点を踏まえて、色々変えていくことになりました。
__
あれ、最後のジャンプ感が凄いですよね。
大木
あのジャンプ感が、もっと、なんていうのかな、キレイに決まるようにしたい。ジャンプはしてるけれど、やりきれていないっていうのがあるんですよ。
__
はい。
大木
そこを何とか、東京では磨いて行きたいなと思います。
__
分かりました。・・・大木さんはニットの旗揚げメンバーですよね。
大木
ええ。
__
何年くらいになりますか。
大木
1999年からですから。
__
7、8年くらいですかね。
大木
それくらいですね。
__
色んな公演がありましたね。
大木
旗揚げ準備公演には出なかったんですが。それ以降は殆ど出てますね。ほぼ。
__
どん亀との出会いがあり。
大木
そうですね(笑う)、あれは2年目くらいに出来たんですかね。
__
凄いキャラですよね。考えてみれば。
大木
ああ・・・作家が面白がってくれたのが大きいですね。そういうのが、劇団にいるメリットだと思います。シリーズにしてくれたってのが嬉しいですよね。
__
あの悲惨さは中々。
大木
中々ねえ。ああいうキャラっていうか、ああいう事をする人は沢山いると思うんですよ。ただ、あれを面白がって、作品にして、名前をつけてくれているってのが、一つ上に行けているって事なんだなあと思いますね。
ニットキャップシアター
京都の劇団。代表・演出はごまのはえ氏。個性的な俳優陣と高い集団力をもってごまのはえ氏の独特な世界観を表現する。
ニットキャップシアター第22回公演「お彼岸の魚」
公演時期:2006年12月22日~2007年5月20日。大阪:in→dependent theatre 2nd、東京:下北沢 駅前劇場、愛知:愛知県芸術劇場小ホール、福岡:ぽんプラザホール。
どん亀
ニットキャップシアターのコメディシリーズ。不幸の申し子どん亀の不器用な生き方は観客に共感を与え、笑いと涙を同時に誘う。

タグ: ジャンプ!についてのイシュー


稽古

__
次の公演が決まって、それから台本を渡されて、それから稽古が始まるんですが、どんな感じでお芝居を作っていっているんですか?
大木
そうですね。まあ、稽古の取っ掛かり、稽古の為の稽古から始まるんですよ。
__
はい。
大木
大体、台本の第一稿は初日に上がってますから、それを元に、例えば稽古場のシーンがあったら、それを元にエチュードとかをやっていくんですけど。
__
はい。
大木
特にうちは年齢とか実力にバラつきがあるので、どうしても底上げをやっていかざるを得ないんですね。下の子らが、稽古場に臨めるようにしなくちゃならない。
__
なるほど。
大木
最初の一ヶ月は、まるまるそれに潰れていきますね。
__
ニットの世界観に載せられるような実力を培う、という事ですね。それを一ヶ月間。
大木
その後、二ヶ月目に入ったとき辺りに第二稿が入ってくるんですよ。そこに、その一ヶ月間の結果がモロに反映されているんですよ。もう役がなくなったりしますし、セリフが短くなったり。それが怖い所ですね。
__
結構、システム的なものが。
大木
いや、システムというよりは、うちはそうなってしまうんですね。いつも。出入りが激しいのもあって。使ってあげたいけど、どうかという事もあります。僕とかは、あんまり駄目出しもなく、最後になって変えてくれと言われて焦る事もありますけど。
__
うーん。その、稽古のことばかりで申し訳ないんですが、その他、稽古の中で何か困る事というか、問題になる事などはありますか?
大木
僕個人ではあんまりないんだけど、そうですね。やっぱり、劇団の年長者でもありますし、最近は劇団員対客演の率で言うと半々か劇団員の方が少ないくらいになっていますから。そういう時に、こういう劇団なんですよというのを体現していかなきゃならない。こういう演技をやってほしいんだ、という。
__
はい。
大木
それはやっぱり、ごまが演出をつけるだけでは分からなかったりするんじゃないかな。ごまは、結構抽象的な駄目出しが多いんですよ。そういうのを具体的に咀嚼して説明したり、時にはやってみせたりとか。そういうのが、客演の方にしたらちょっと鬱陶しいと思うかな、と思ったりしますが、ある種の責任感もあって。
__
ああ。
大木
こういう劇団なんですよ、と示すのが、時には人のプライドを傷つけたりするんじゃないかと思ったりしますね。まあ、構わずにやるんですけど。

キッカケ

__
本番に望む態度ですとか、テンションですとか。そういう場面での姿勢などを伺っていきたいなと思うんですが。
大木
はい。そうですね、ホール入ったら、まず劇団員としてしなくちゃいけない事がありますので。
__
はい。
大木
で、うちはキッカケとかが本当に細かく沢山ありますので。細かい段取りのしばりも多くて。キッカケとかに入ると、もうマシーンですね。
__
マシーン・・・。
大木
あまり自我を持たないようにするとか。言われた事だけをやると。でないとプライドが傷つく。「いいからやれ」みたいな言葉が多いので。役者も稽古場でやってきたこととの刷り合わせをしないといけないんですけど。演出家からすれば、早く音響とか照明とかの段取りを済ませたいんですね。だから、役者が演技面で止めたりすると凄く怒るんですね。冷たくあしらわれる。
__
はい。
大木
それが、俳優にとってはカチンと来る言葉だったりするので。それを何年もやってきているので、もう分かってきていますね。ニットキャップの本公演のキッカケは、とにかく黙ってやることが大事で。よっぽど問題が無い限り、演技の面での問題はとにかく覚えるだけにしておくと。
__
難しい作業ですね。
大木
他の役者が寄ってきて、確認をしようとすると「いいから引っ込めよ」とか言われますね。
__
中々、手順化出来ない現場ですよね。
大木
「いやいや、これが決まらないと照明を決められないだろう」という所をごまは「いいから!」って切っちゃうんですよ。
__
そこで、舞台監督の出番かな、と思う訳ですが。
大木
そうですね、うちは、そういう所で舞台監督が介入してくることはそうそうないですね。問題が起こったら出てきますけど、大まかな流れの時はあまり。舞台監督をやってくれる清水さんとかは、「ニットは楽だ」と言ってくれますね。口を出さずに進めてくれるからと。
__
俳優・演出で決めれらる所は決めていくと。
大木
客演さんは戸惑ったりする事がありますけど。
__
そういった、気を使う作業を乗り越えて本番では。
大木
本番に入ったらもうこっちのもんだという気持ちがありますからね。
__
ああ。
大木
とにかく、テンションで。本番前にはとにかくセリフを言いますね。楽屋で、後輩の子に僕意外のセリフを大まかに言ってもらって、という事をしてましたね。セリフはとにかく、とちらないようにという事で。
__
なるほど。
大木
そうする事で、まあ気持ちも楽になりますし。それ以外の時は、なるべくバカさを見せるようにはしてますが。
__
あはは。
清水忠文
京都を中心に活躍する舞台監督。

タグ: 本番前の過ごし方


ごまのはえ

__
その、他の舞台ですとかテレビにも出演されている訳ですけれども。
大木
まあ、うん、テレビね。はは。
__
やはりニットキャップシアターにあって、ごまさんの世界を表現するのが目的だ、という訳だと思うんですが。
大木
はい。
__
その、ごまさんの世界について、何か思われる事は。
大木
ごまの世界観ね。まず、僕はもう付き合いが圧倒的に長いわけですよね。こないだごまと喋ったんですけど、僕の20代で一番長く一緒にいたのは彼なんですよ。明らかに。
__
はい。
大木
大学時代からの知り合いですから。一緒にお芝居をやっていく中で、ごまが喜ぶものとそうでないものが分かってくるんですね。で、ごまの劇団でごまの芝居をやるのですから、ごまの好きそうなものを選ぶんですね。すると不思議なもので。俳優っていうのは基本、演出に褒められたいんですね。どんな芝居でも。演出と喧嘩してやろうという俳優はあんまりいない。ごまが好きなものを選ぶと同時に、そういう演技が好きになっていった、というのがあるんですね。
__
なるほど。
大木
元々、似た所があったんだと思うんですが。言ったら、ごまの演技も凄くいいですから、僕も刺激を受けてるんですね。その真似をしたくなると。ごまが好きそうなものへのチョイスと、ごまから受けた刺激から生まれた演技という二本柱が、ニットキャップの中での大木湖南の演技の根幹になってるんですね。
__
それを根本に、作られている訳ですね。
大木
そうですね。
__
ごまさんの情けない男の世界ですね、「男亡者の泣きぬるところ」ですとか。
大木
あれに関してはですね、ごまはハマリ役だと思うんですけど、僕の役はもっと似合う人がいるんじゃないかと思います。
__
はあ。
大木
僕とごまの呼吸っていうのがあって、ああいうスピード感とか、ニットキャップ的な濃い空気ってのは僕とごまだから出来ると思います。が、僕の方の男Bという役の内面とか内情は、僕より上手くやれる人がいると思います。あそこまで暗くなれない部分があって。人間性的にはね。そういうのを体現出来ればなあ、と思いますね。
ニットキャップシアター第17回公演 「男亡者の泣きぬるところ」
公演時期:2004年10月1日~18日。会場:アトリエ劇研

キャスティング

__
役の内面と俳優の内面。重要ですよね。
大木
そうですね。
__
最近よく考えている事があるんですけど、人間って何タイプかに分けられてしまうじゃないですか。何故かは置いておくとして。まあ、配役の問題なんですけどね。劇団に俳優が集まって、演出家がそれぞれに適当に役を振っていくわけですけれども、いい芝居の条件っていうのはこの段階でかなり決まってしまうと思っていまして。
大木
はい。
__
劇場という社会はある面では人間性対人間性の場所だと思うんですが、配役がここを決める段階だと思うんですね。
大木
そうですね。キャスティングというのは非常に重要だと思っていて。それでお芝居がかなり左右されるというのは間違いないと思うんですけど。
__
上手い人もいれば、役にはまる人もいるし、上手くないけれども熱い人もいますし。上手くもないし、熱くもないのに、何だか凄く、見ていて怖くなるような役者もいますね。
大木
小劇場っていう所の俳優ってのは、言うたら未熟だと思うんですよ。正直な話。得意なものは得意だけど不得意なものは不得意であったり。全体的にレベルが低かったりするんで。まえは乱暴者の役だったけれども、今度は臆病者の役だったりするとうまく対応出来なかったりするんですね。前の時はとても上手く出来たのに。見た目というのもあるんだと思うんだけど。
__
圧倒的な、人間のタイプもありますからね。
大木
うん。そうだけど、俳優なんだから、どっちをやるにしても魅力的にやらなくちゃならないと思いますね。「俺は乱暴者タイプなんだ」と安易に決め付けてしまう甘えがあるんじゃないかと、思いますね。そういう事から、キャスティングのミスが出てきてしまうんだと思います。
__
ニットはいかがですか。個性的な方が沢山いらっしゃいますが。
大木
ニットはね。結構、決まった感じの個性があるので、それに合わせて脚本から合わせていってるという所がありますね。正直。
__
ああ。
大木
逆に言うと、小劇場のいい所は、俳優の方で自分を変える、という事は出来ないけれども、脚本の方であてがえてくれる、というのがありますから。
__
大きなところですね。
大木
新劇だと、自分の性格とは関係の無いところで台本があって、それに向かってやっていくんですけど。小劇場というのは自分のいい所を出す事が出来て、それが良ければ、結果的に成功する、という。
__
そうですね。そういう、ジャンルの違いがあるというのは面白い所ですね。

タグ: キャスティングについて


ザ・ありがとう

__
企画モノはいかがですか。「ザ・ありがとう」ですとか。
大木
そうですね、ファックさんとそういう話になってないので、次がいつになるのか決まってないんですけれども。やっぱり、俳優としてのスキルを上げていきたいと思いますね。多くの人が小劇場に求めているのは笑いだと思います。ぶっちゃけた話。
__
そうですね。
大木
あんまり得意だと思っていないんですね。でも、そういうのを鍛えるのは、そういう公演に多く出るしかないのかなと。ある種の度胸とか、ネタを作る時のコツを掴んだりとか。そう考えていた時に、ファックさんが「是非一緒にやりましょう」って連絡をくれたので。すぐに。
__
ファックさんから伺ったんですが、稽古期間中、最初は仲の悪い設定にした所、実際に稽古場の空気が悪くなったと、で、仲の良い設定にしたら稽古が上手くいったとか。
大木
ええ、最初は僕とファックさんのスケジュールが上手く合わなかったので、かなりタイトな時間で作りましたね。それは最後の練習日の出来事で、駄目出しの仕合になりかけて、仲良く褒めあおうとしたら、それで。
__
ああ。
大木
不思議ですね。
__
カフェのアルバイトという設定だったとか。
大木
公演の間にバイトして、という感じでしたね。
__
本番はいかがでしたか。
大木
ファックさんが(笑う)、水差しをぶちまけてしまいまして。一旦芝居が中断してしまったんですけど、あたふたしてしまいまして。続けようと思ったんですが、やっぱり拭こうと。中断したんですが、その間に休憩としてトイレに行けた人もいたみたいで。後々、身内の人に「あれはトイレ行けたから中断してよかったよ」といわれて。
__
芝居的には。
大木
あれは、まあたわいもないと言えばたわいもなかったんですけど。僕ら二人が楽しめてやれたので。それが、上手く伝わったかな、と思いますね。
__
なるほど。
大木
そういうのがやっぱり重要なんじゃないかな、と思いますね。食べ物を目の前にしてやる事ですからね。
__
そうですね。
大木
ファックさんとは本当に、長くやりたいですね。ファックさんという俳優をかなり好きなんだと思いますね。
__
FJも、大木さんを俳優としてすげえ好きだと言ってましたね。
大木
そうですか、それは嬉しいですね(笑う)。
__
ええ・・・。
大木
ニットキャップに出て欲しいんですけどね、中々・・・。ファックさん忙しいですからね。
「ザ・ありがとう」
大木氏と劇団衛星の俳優・ファックジャパンのユニット。公演時期:2006年5月15日。会場:cafe weekenders。
ファックジャパン
劇団衛星所属。俳優。第11回関西現代演劇俳優賞受賞。

キーホルダー

__
今日はですね、お話のお礼にプレゼントがあります。
大木
あ、ありがとうございます。
__
(渡す)どうぞ。
大木
ありがとうございます。開けてもいいですか。
__
どうぞ。
大木
あ、Shin-biって書いてある。
__
cocon烏丸の。
大木
ああ、はい。僕らここで芝居してますね。
__
あの時は、飼い犬キャロルでしたっけ。
大木
いや、それ以前に、何回か。(開ける)あ、可愛い。
__
キーホルダーですね。
大木
いいなあ。こう、腰に付けたら。ありがとうございます。
__
どうぞ、普段使いにして頂ければ。・・・今日は色々なお話をありがとうございました。
大木
こちらこそ。
飼い犬キャロル
前出「お彼岸の魚」の仮題の一つ。他に複数の候補があった。


スタッフワーク

__
最近どうですか。
小島
今週・先週は忙しさのピークでしたね。
__
多忙ですね。
小島
ようやく仕事が来るようになったので。月3本ペースで。
__
舞台監督の仕事っていうのは、まあ例えば先を読んで仕事するみたいな事だと思うんですが、スタッフワークについて、何かお考えになっている事はありますか。
小島
そうですね。去年とかは、主に他の現場で学んだ事を自分の現場で真似というか生かして仕事していたんですが、ここ最近は、自分の中でそれらを順序立てて整理して作業出来るようになってきましたね。こういう話が来たら、こういうリアクションをする、みたいな態勢がちょっとづつ整ってきました。まだまだですけど、仕事に出来てきているというのがありますね。
__
現場を回せるっていうのが当たり前になってきたと。
小島
そうですね、昔は要望を言われて初めて「あ、じゃあやろっか」となっていたんですが、最近はもう、こういう事したいんじゃないかなという読みが出来るようになってきたと思います。
__
はい。
小島
ですが、まだ作品を見れるようにはなっていないので。現場で作る作品に対する自分なりの解釈を持つ、それが出来る状態になっていければと。もちろん、そうなっても口出しするわけじゃないですけどね。舞台監督の仕事ではないので。
__
色んな、現場を渡り歩いていると思うのですが、これはという自分なりの特色などは。
小島
そうですね、今、それを探してる所なんですが。依頼を下さっている方が僕のどういう辺りを買ってくださっているのが考えますね。期待されている分、ちゃんと出来るようになりたいですね。
__
はい。
小島
逆に、僕が舞台監督を受けた時には、これはちゃんとしてくれるなあ、という特色を持ちたいなあと考えています。・・・どういう方向ですかね(笑う)?
__
(笑う)。
小島
模索しているというか。色んな舞台監督さんを見て、色々考えるんですよ。この人はこの部分が強いとか。言い方おかしいですけど、この人に頼んだらこれは絶対大丈夫だ、とか。まだ、自分のこれが売りです、というのがないので。まあ、そういう所を作るのが今後の目標ですね。
__
なるほど。
小島
逆に、最近だんだん、単発で受けて、それ以降の次回公演とかもお願いされる事も増えてきているので。一度受けた劇団さんのやり方はお互いに覚えていますので、やり易いですね。
__
ええ。
小島
その上で、公演をさらに良いものにするための何かを提供出来ないかと考えますし。そうなれば、劇団の演出さんと僕とで、互いに良い物を持ち合う、という形になりますね。
劇団衛星
京都の劇団。代表・演出は蓮行氏。既存のホールのみならず、寺社仏閣・教会・廃工場等「劇場ではない場所」で公演を数多く実施している。
京都大学西部講堂
京都市左京区。京都大学の施設でありながら、演劇・ライブなど様々なイベントが開催される。

汲み取る力

__
最近何か、印象に残った現場ですとか、そういうのを伺っていきたいんですが。
小島
この頃は大阪の現場が増えてきたんですね。元々は京都の学生劇団さんからの依頼が多かったんですが、大阪の劇団さんが呼ばれる事も多くなりました。
__
はい。
小島
で、ちょっと独特な事をされる劇団さんに依頼を受けまして。まあ、凄く過激なんですよ。開演して明転したら全裸の男がいたりとか。それで客席に飛び込んだり。
__
過激ですね。
小島
劇場からストップが掛かるんじゃないかとか、そういう恐れもあったり。ですが演出家さんはそれを凄くやりたいんですよ。自分が訴えたい事をお客さんに提供するためには、こういう演出手法を取らなければいけないんだ、という主張を持った方だったので。それを踏まえて。もちろん、それが嫌だというお客さんもいるので。途中で帰ったり。
__
なるほど。
小島
または、ホールさんからちょっとこれは、と言われる場合もあるだろうと。でも演出家さんの意向を形にするのが僕の仕事なので。一旦それを汲み取って、こういう形なら出来ますよ、と提案したり。途中退席されるお客さんの為の退路を作ったりと。色々勉強になりましたね。
__
凄いですね。
小島
まあ、最終的には、そんなに帰られるお客様も出ず。アンケートには色々書かれていたのですが、まあそれは作品面の事ですから・・・。

職業

__
しかし、舞台監督。かなり独特な職業ですよね。
小島
そうですね。
__
やはり、京都だけで営業するには限界があるんでしょうか。大阪からも受注しなくてはならないと。
小島
そうですね。やっぱり、京都だと公演の本数が限られてまして。しかも京都に舞台監督さんはもっといるので、限られた現場をその人数で取り合うという事になりますね。結構、余ってます。そうすると、外部に仕事を求める事になります。大阪でも同様に余ってるのですが。
__
ありがとうございます。所で。私が考えるに、舞台監督って作品自体を作るのではなく、もちろん公演をマネジメントするのでもなく、単純に舞台を製作するという立場にいらっしゃる訳ですけれども。
小島
そうですね、大きく言うと作る側ではないですね。実際に現場を進行させ、上演成立の為のバランスを取っていく立場だと思います。とは言っても劇団さんはそれぞれ、作品の製作過程において舞台監督・演出の比重の偏り方が違うんですね。
__
つまり、演出家さんによっては、作品の演出に非常に重点を置いている人もいれば、その公演の社会的な役割を考えている人もいる。はたまた、スタッフワークを含めた舞台作品としての出来栄えを強く意識する方もいる、という事だと思うんですが。そうした中で、どのような現場がやり易いですか?
小島
まあ、何がやり易いかというと、舞台監督への要望が明確な現場はやり易いです。「ここをこうしたい」、「こうしたいんだけどどうすればいいの」とか。
__
なるほど。
小島
もちろん、そういう現場ばかりではないんですけれども。一番困るのは、それが誰の仕事か明確にならないという現場ですね。混沌としてきて。だれが最終的に責任を持つのか、とか。例えば舞台装置の設置場所を最終的に決めるのは、美術さんなのか演出家さんなのか舞台監督なのか。明確にならないと、非常にやりにくいと。あとは、現場に呼ばれるという立場では作品内容については立ち入れないんですね。意向を尊重する仕事なので。「これをどこに置きましょう」という質問に対して、結局演出家さんに振りなおすしかないという。それに終始してしまう現場だと、大変んだなと。
__
そうですね。
小島
逆に、演出家さんがしっかり意見を持っている現場ですと、その意見は汲み上げやすいですね。僕の役割がしっかり決まっていなくても、例えば美術さんに振る事が出来安かったり。
__
なるほど。
小島
その劇団さんなり演出家さんなりのやりたい事があって作品がある訳ですから。それらが明確に出てくると、非常にお手伝いし易いですね。それを、如何に劇団さんが望む形で具体化して無理なくお客さんに提供するか、というのが、仕事だと思っていますので。

タグ: カオス・混沌


スタンス

__
やっぱりこう、これも先入観だとは思うんですが、演出家をやってみたいと思っている人は潜在的にかなりいると思うんですよ。受信者が手軽に発信者に成り代われる時代ですし。
小島
はい。
__
そういう人の希望というか、それをうまく形にするという役割は、今後どんどん必要とされていくのではないかと思います。プロデューサーなり、舞台監督なり。
小島
それに関してですが。特に、僕より若い方で、舞台監督をお願いされる事がありまして。それは凄くありがたい事で、引き受けるんですが。なんかちょっと、舞監の仕事が凄く大変だとか、何だろう、大事だとか偉いとか、そういう意識が先走りしていて。
__
ええ。
小島
「舞監さんこれどうしよう」とか、「こういう事がやりたいんですけどどうすればいいんですか」というのを振ってくれないんですね。何か違うんですよ。「こういう事したいんですけど、いいんですかね?」というスタンスで。
__
はい。
小島
「こういう事したいんだけどどうすんねん」というスタンスで来て欲しいんですよね。僕としても、関わる作品ですからそこに意見を持つんですよね。演出家からの、そういった相談を受けて色々提案が出来る。そういう環境が出来ればいいなと思ってます。

MOLSKINのカードケース・ブック

__
今日はですね、素敵なお話を伺わせていただけたお礼に、プレゼントがありまして。
小島
うわ。マジすか。ありがとうございます!
__
どうぞ。
小島
人から何かを貰うのは久しぶりです(開ける)。おお。
__
何か、チケットを入れる手帳のようなものみたいです。
小島
ありがとうございます。色々入れます。名刺とかチケットとか。大事に使います。
__
ええ。
小島
わーい。


ベース

__
最近はいかがですか。
肥田
まあ、元気です。
__
次の公演まで、もう一ヶ月ぐらいでしたっけ。
肥田
一ヶ月と一週間くらいかな。台本を今書いていて、もうちょっとなんですけどね。明日休みなんで、一気に書いちゃおうかなと。
__
どんなお話なのか、聞いても構いませんか?
肥田
はい。ええとですね、「どんぶらこ」というタイトルなんですけど。山奥の村がダムに沈んでしまうことになって。でまあ村人が皆出てっちゃうんですけど。そこに魔法使いの女の子が住んでいて。その人はいろいろ、村の平和を守んなくちゃいけないとかで、なかなか出て行けない。で、ずるずると村に居残り続ける魔女と、村から出ていく村人をあつかった話にしようと思っていて。
__
ありがとうございます。
肥田
何か、こないだの『炬燵電車』は抽象的とかよく分からないとか言われまして、なので、もう少し具体的に、分かり易いものにしてみようかと思って。
__
あー。
肥田
『炬燵電車』は、今舞台で演じられている場面が電車の中の場面なのか、家の中の場面なのかがあいまいで、分かりにくい話だったんですけど、『どんぶらこ』は場所を限定して、時間も前にしか進まないようにして。
__
そうでしたか。ありがとうございます。実は、過去の公演でですね。申し上げにくいんですが、私、「炬燵電車」で寝てしまいまして。
肥田
ええ。
__
何か、すごく緩やかですよね。当日、私が疲れていたのもあると思うんですが。
肥田
うん、でも特にあれは皆寝てましたね。
__
ああ・・・。
肥田
ちょっとね、あれは。
__
安心して見れたので、こう、例えば出来がやばかったら逆にハラハラして寝れませんもの。
肥田
ああ・・・それは、ありがとうございます。
__
つまんない芝居は眠れませんよね。
肥田
でも面白い芝居も眠りませんよね。
__
今回も、これまでのベースからそんなに離れたものではないのでしょうか。
肥田
そうですね、割と緩やかな、まったりとした感じかな。でも、作る側としては寝て欲しいと思って作っているわけではないので。見て欲しいですね。そのためには、見やすいように作らなきゃなと。反省して。
劇団hako
2003年度ビギナーズユニットメンバーにて結成。肥田氏による、穏やかな世界観をふわりとした表現で描きだす。
劇団hako第四回公演「どんぶらこ」
公演時期:2007年3月17~18日。会場:人間座。
劇団hako第三回公演「炬燵電車」
公演時期:2006年4月28~30日。会場:京都市東山青少年活動センター創造活動室。

タグ: タイトルの秘密 世界観の作り込み


ようかん

__
私、初めてみたhako公演が「ようかん」だったんですけど。あれが第一回でしたっけ。
肥田
はい。ワークショップ公演の次に、初めて自分達でやった公演ですね。
__
えらく面白かったです。
肥田
寝なかったですか。
__
寝なかったです。
肥田
ありがとうございます(笑う)。
__
癒しという言葉を使うと、何か違うような気がしますが、和みましたね。
肥田
そうですね、和むのが作りたいなと思ってましたね。
__
ああ・・・。
肥田
あんまりドロドロしたのは、僕も観客として見たくないし、作る側としてもやりたくないし。
__
お芝居自体がナチュラルですよね。
肥田
「ようかん」を作った時は、松田正隆さんのちょっと前までの会話劇を真似して作ったんです。
__
それはどういう・・・?
肥田
僕は前、東京に住んでて。そこで松田さんのお芝居を見て。それまでお芝居って走ったり叫んだりするという先入観があったんですが、ちゃぶ台で何か食べたり会話したり、それが凄く面白くて。で、初めてhakoで芝居をしたときに、ああ、あれがやりたいと。
__
ああ・・・。
肥田
そういう、演出にしたんですよ。
__
今は、松田さんは全然変わっちゃったんですけど。
肥田
だから、僕はまだ、昔の松田さんから受けた影響みたいなのから抜けきっていない感じなんですね。
__
なるほど。
劇団hako旗揚げ公演「ようかん」
公演時期:2004年5月。会場:京都市東山青少年活動センター創造活動室。

方法

__
演出の方法として、何か注意されている事はありますか。
肥田
方法・・・。稽古場で僕がしょっちゅう言っているのが、「素敵にならないように」ってことなんですけど。
__
ああ(笑う)。
肥田
ホントは素敵なものを見せたいんですけど。観客の心を動かすような作品をもちろん見せたいんです。が、例えば悲しいシーンで悲しい演技をすると、それが逆にあざとくなっちゃって。
__
はい。
肥田
僕がお客さんに感じ取ってもらいたいものがあっても、それをあざとく表現してしまうと、お客さんは引いてしまって、それが通じなくなってしまうんじゃないかっていうのがあって。
__
はい。
肥田
だから、それを避けるために僕が言うのが。
__
「素敵にならないように」。
肥田
そうです。
__
とてもよく分かります。嫌らしくならないように、という事ですよね。
肥田
例えば、ちょっと良い感じのセリフを言うシーンで、こう、パンツを直しながら言ってみてくださいとか。脇の下掻きながら言って見て下さい、とか。
__
ああ・・・。
肥田
なるべく笑わせて、その中でちょっと、心を動かしたいなと思っていて。誰かが言っていたんですけど、「真理は微笑の中で語られる」っていう言葉があって。
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はい。
肥田
真面目くさってセリフをしゃべられても、鼻に付くっていう場面があると思っていて。だからなるべく、笑える作品にしたいなと思っていて。でも、笑えるだけの作品でもつまらないなと思っていて。
__
それは、元からある芝居の定型、つまり走ったり叫んだり、ある感情を現すセリフをその感情で読んだりとか、それを崩すのではなくて、元からそれを念頭に置かないように、自然な形でテーマを口にさせるというイメージでしょうか。
肥田
うーん。そうですね。
__
崩すのではなく。
肥田
うん、崩すと言うよりは、別の角度から見せるという感じかな。だから発声練習とかもしないし。
__
それは素晴らしい。そりゃいいですね。
肥田
何か、ルーティンワークみたいな稽古をしちゃうと、どんどん何か、自分で考えないでやってしまうようになるみたいな。
__
台本と他人の演技に依存してしまうと。
肥田
こういう時はこういう風に演技すればいいんだ、みたいな型にあてはめてやられると、つまんないと思うし。
__
それは誤解の無いように言うと、アドリブで演技しろとか、そういう事とは違いますよね。
肥田
あ、それは違いますね。
__
但し、芝居の稽古をするときは毎回違う事をやれと、そういう・・・。
肥田
ああ、毎回違う演技をしてくれると、演出もどんどんアイデアが出てきていいと思うんですけど。そうはなってないですね。今のところ。
__
ああ。
肥田
大体僕が、指示を出して俳優がやってみて、で思いもよらない事をして来てくれるという事は現在はあまりないですね。どうしたらいいのかなと思うんですけど。
__
サッカー選手の持つ、アイデアみたいのがまだ稽古場にはないと。
肥田
そうですね。

タグ: 「異なる角度から」 役者の儀式・ルーティン


ハンカチ

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今日はありがとうございました。お話を伺わせて頂いたお礼に、プレゼントがあります。
肥田
ああ。
__
(渡す)どうぞ。
肥田
ありがとうございます。BEAMS・・・(開ける)。お、ハンカチですか。
__
ええ。
肥田
へえー。あ、ハンカチは便利ですね。こりゃいいや。
__
はい。オシャレな方だと思っておりましたので。
肥田
ハンカチは持たないんですよ普段は。もう、ジーンズで手を拭いたりして。
__
ああ。
肥田
これからはこれを持ち歩きます。
__
ありがとうございます。



根本
まちょっと、最近時間があって。長い意味でどうしていこうかなあみたいなのを考えていたというか。
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うん。
根本
去年の公演「猿とおどる」を中止にしてしまって。
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うん。
根本
体と心が付いていかなくなって頓挫してしまったから、もう一度自分の生活を見直していかないと思って。
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うん。
根本
色々な事を自分の中でもちょっと整理しないとと思っていたから。今日はそういう話になるのかな。
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そうですね、「猿とおどる」については聞きたいと思っていました。その、具体的に問題もあったと思うんですが、作品の作り手として不十分な点を自覚したって事なのかなと。
根本
そうだね。まずはもう本当に、技術的な部分。あとは時間の少ない中でやってしまったからそれを乗り切る体力の部分が無くなってしまったというのと。でも振り返ってみると、技術的には相当、高度なというか高望みをしようとしていた部分があって。単純に今後回復して「猿とおどる」リベンジをしようとしてもちょっとすぐには出来ないんじゃないかなと今は思っているんだよ。あの時にやりたいと思ってたのは、去年の「茶色い絵本」をやった時から、何となくベビー・ピー的なものというか、自分の作りたい芝居の大きな形みたいな物が見えてきた気がして。
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うん。
根本
大体、いくつかのストーリーの軸があって、それらの絡み合いを見せていくというような。「猿とおどる」ではそれを、3人という最小限の人数でやりたいなと。MEW'S CAFEというお店でやる予定で、なるべくお店の形を崩さずに、あまり仕込まずにやる予定でした。
__
そういうのでかなり難しいと思うのは、やはり照明とか、セットとかを作ったりすると入りづらさが生まれてしまうと思うんだけど、そういうのを外してやりたかったと。
根本
そうそう。
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さりげない。
根本
うん。・・・さりげないってのは絶対ないんだけどね(笑う)。色んな形でやらないといけないなと思っている。普通の劇場の形式でもやっていきたいなと思うんだけど。でもそうじゃなくて、例えば知恩寺とかの手づくり市とか。あそこは京大の能学部の人達が勝手に踊ってたりしてて、それを観てる人もいればその横で古本を探してたり品物をみてたりしてる人もいて、ああいうざっくばらんな状況が凄く好きで、喫茶店は、劇場と手作り市の丁度中間ぐらいかなと思ってて。
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中間。
根本
音楽をやっている人がストリートライブをやってたりするけど、そういう形式への足がかりになったらと思っていた、というのが一つ。
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うん。
根本
あとは、話の構造。基本的に手法・人物造形的にも軸が2本から3本あり、それが一つに集約していく、というような。
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こないだの「みんなボブ」は。
根本
あれは一人20役ぐらい(笑う)。
__
うん。あれも軸が大体同じような世界の中で、5本位の話が並列的に語られていくわけだけれども。
根本
あれは役者5人で、二人がハケて、次に別の二人が出てきたら別のシーンになるけど、「猿と踊る」の3人という人数はそうもいかない。でも、落語とか漫才とかって、最初の枕で観客と対話して、だんだん劇世界に入っていくじゃん。それってやっぱり多重構造といえば多重構造で、そういう様式だからかも知れないけど、分かり易いし、違和感なく見れる。照明を焚いたり、走ったりするマイムなどの大仰な事をしなくても、あれだけ一人で分かり易く出来るのに。
__
うん。
根本
大人数でそうしたらより分かり易くなるのに、何故そうできないかというと、基本を踏まえずにいきなりハイレベルな所に行こうとしているからじゃないかと。そういう、古典芸能と、今まで自分が芝居でやってきた、ストーリーの重層性みたいなのを寄せていこうかと思っていた。
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思っていた。
根本
しかし。結構、難しかったんかな。「茶色い絵本」時みたいにあまり話をまとめずにいければと思ったんだけど、その力も演劇人としての体力も足りなくて、ちょっとふがいないなと思ったんだけど、ここで無理をしても空回りするだけだなと思って。今回は公演を中止にするという判断をしました。
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うん。
根本
自分の作りたい芝居の形も見えてきているし、これからも芝居を続けていきたいと思っているから、焦らんと気持ちを切り替えて、別のところからアプローチしていこうかなと思ってます。
ベビー・ピー
根本コースケ氏などによる演劇ユニット。ナンセンスコメディ、熱いジョジョ劇、お祭り芝居など、想像力を強く掻き立てられる作品群。
ベビー・ピー「猿とおどる」
公演中止となった。予定されていた公演時期:2006年12月28~29日。予定会場:Mew's Cafe。
ベビー・ピーのコント#1「茶色い絵本」
公演時期:2005年12月。会場:京都大学文学部学生控室。
ベビー・ピー#6「みんなボブ」
公演時期:2006年8月18日・20日。京都会場:shin-bi、大阪会場:BlackChamber(文化祭 =Culture Carnival= 参加作品)。

タグ: 手作りのあたたかみ 分かりやすい面白さと芸術的な面白さの中間 いつかリベンジしたい


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何か、最近面白いなと思っているような事とかない?
根本
面白いなと思っている事か。
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うん。
根本
何だろうね。夜勤明けで知恩寺の手作り市に行って。それから古本屋に行ってぶらぶらしてたんだけど。
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うん。
根本
次の日も夜勤で、また同じように古本屋に買い逃した本を見に行こうと思って行ったら、がらんと何も無い知恩寺の風景があって。
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うん。
根本
知恩寺の市の風景を見て、ああ自分の芝居もこういうのがいいなと思ってたんだけど。ごちゃごちゃで、それぞれがそれぞれで頑張ってるんだけど、でも次の日にキレイサッパリ無くなってて。これもいいなと思っていて。そうありたいなと。
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分かるわ。

タグ: 手作りのあたたかみ