宣伝

田嶋
私、地点という劇団の制作をしているんですけど、昨日のミーティングで「チラシを作るのをやめよう」っていう事になったんです。
__
おお。
田嶋
挟み込みをやめようって事になったんですね。で、代わりにポスターとポストカードを作る事にしたんですけど、結局、ポスターを貼ったり、カードを配布したりというのはパフォーマンスになるわけじゃないですか。挟み込みは小劇場の世界で漫然とやっているだけではないかと。もっと、広報とか宣伝を考えた時にキチンと、自分のやりたいことの理念に叶ったやり方を考えるべきじゃないかと。
__
その為に、こういう事を言ったらアレですが、実験的に辞めてみたと。
田嶋
挟み込みをまたやるということはないと思うんです。
__
ああー、なるほど。効果がないから、というわけではなく。
田嶋
ポスター・ポストカードに関しては、方法は考えるかもしれない。
__
すると、芝居を見に来た人には情報が伝わらなくなってしまうのでは。
田嶋
それは、ポスター・ポストカードじゃ無理ですかね。
__
あー。いや、小屋を出た後に、ポスターが大きく貼ってあれば伝えられると思います。
田嶋
あと、京都の規模だと劇団員から手渡しで渡せるんじゃないかと。それは橋本さんが言ってたんですけど。
__
出来るでしょうね。
田嶋
実験といえば実験ですけど、ポスターとポストカードだったら演劇を見たことの無い人にも行き渡るんじゃないかと。でも、見に行こうってなるのは、そういうデータだけじゃないと思うんですよ。一番いいのは、口コミだと思うんですよ。
__
口コミ。はい。
田嶋
やっぱり自分の信頼している人が「これは面白い」と薦めてくれることだと思うんですよ。それは、圧倒的な力を持ちますよね。
__
そうですね。
田嶋
まあ、劇団が作る宣伝ってのはやはり自薦なので。
__
どうしてもそうなりますよね。
田嶋
演劇って、宣伝についてはまだやってない事があると感じていて。私自身、ホントにあの手この手を試してみたいんですよね。
__
はい。
田嶋
まずお客さんが来ないと始まらないからねー。
__
そうですね。
地点
代表・演出、三浦基による特異な表現による硬質な劇空間が特徴。洗練された俳優陣、高度な舞台美術、分断されて文節どころか音節ごとに再構成されたテキストなど、強い印象を残す。

グラス

__
今日はプレゼントがあります。
田嶋
ありがとうございます。過去のを読んだら、沢山プレゼントをされていて。気を遣わせて悪いなと。
__
いえいえ。プレゼントをするのは好きなんで。
田嶋
そういう人、いますね。
__
どうぞ。
田嶋
ありがとうございます。私実は、明日が誕生日なんですよね。
__
やった。大当たりだ。
田嶋
うれしー。プレゼントって、あんまり貰わなくなっちゃいましたよね。
__
そうですね。大人になると。
田嶋
(開ける)あ・・・これは、お酒を入れて飲みたい感じの。キレイ。これなんか、不思議ですね。カクテルとか入れたいですね。
__
普段使いにして頂ければ。


8年

__
今日は宜しくお願い致します。色んなお話が伺えたらと思います。
清水
頑張ります。
__
ええ。・・・その、チラシのデザイナーをずっとされておりますけれども。
清水
まあ、8年ですね。
__
一番最初に作られたチラシは、どんなものだったんでしょうか。
清水
今もお世話になっている、モノクロームサーカスっていうダンスカンパニーの小っちゃいフライヤーを作りましたね。
__
あー。
清水
98年でしたね。
__
98年。大学では何学部だったんですか?やっぱりデザイン系の。
清水
デザイン系ですね。はい。一応、工芸学部の造形工学科という。モノクロームサーカスの人たちとは偶然出会って。ちょっと観に行ったら代表の坂本公成さんがいて。そこでちょろっと話したのがきっかけでデザインを任されて。大学にいた頃は、本当は工業デザインがやりたかったんですよ。iPod作ったりとか。一番やりたかったのは、公共車のデザインがやりたかったんだけども、2社くらいの企業実習を受けたんですが・・・。
__
なるほど。
清水
厳しかったですね。で、今はグラフィックをさせて貰っている訳ですが。
__
主に、演劇系のデザインをされているんでしょうか?
清水
最初、ダンスから入ったので、今でもダンスが多くて。初めて演劇のチラシをやったのは、2002年のアトリエ劇研演劇祭に誘われて。
__
ええ。
清水
あの時橋本さんがプロデューサーだったんで。橋本さんに声を掛けてもらったきっかけになったのがしげやん(北村成美さん)のダンスマラソンのチラシでしたね。
__
なるほど。
モノクロームサーカス
京都を拠点に活躍するコンテンポラリーダンス・カンパニー。1990年に設立。主宰坂本公成。「身体をめぐる/との対話」をテーマに国内外で活動を続ける。(公式サイトより)
坂本公成
「身体との対話」をテーマに様々な公演、ワークショップ、 プロジェクトを手がける。MC作品の振付/演出のほか、 京都国際ダンスワークショップフェスティバル、Contact Improvisation Meeting Japanのディレクターを務める。(公式サイトより)
第三回アトリエ劇研演劇祭
2002年5月開催。劇団飛び道具、劇団衛星、石原正一ショー、北村成美などが参加。
橋本裕介
プロデューサー。橋本制作事務所。
北村成美
ダンサー。なにわのコリオグラファー・しげやん。「生きる喜びと痛みを謳歌するたくましいダンス」をモットーにダンスバカ道を疾走中。(公式サイトより)

vol.31 清水 俊洋

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清水

期間

__
その、演劇でもダンスでも、お話を受けてからどれぐらいで出来るもんなんでしょうか。
清水
長めに言っといた方がいいよね、これは(笑う)。
__
ええ(笑う)。
清水
どうでしょうね。やっぱり納期が厳しい仕事もありますし。情報を貰ってから刷り上りまで、どんなに短くても3週間ですね。
__
ああ・・・。
清水
ひと月でも難しいですね。どうしても印刷工程に時間が掛かるので、データが出来ました、で終わりではない。ウェブはもちろん、それで終わりだけども。
__
清水さんの場合は、ではどんな形で発注された方とイメージの刷り合わせをされているんでしょうか。
清水
そうですね。向こうの方でガチガチにイメージを決めてくれていて、それを形にしてくれという場合もあるし、又は人物とかの写真を撮ることなる場合もあるし。そういう時は役者さんの顔は出すのかなどの相談になりますし。
__
その、刷り合わせの中で、双方納得して結果を出されている訳ですよね。
清水
納得して頂いていればいいんですけどね(笑う)。僕は少なくとも納得してますけどね。人からああしてくれ、こうしてくれっていうのを聞くのは面白いですね。自分の考えの及ばない、物凄い変な事を考えてくる人が沢山いらっしゃるんで。
__
へえー。
清水
自分では0からは作れないので、アーティストさんが0から1にしてくれたらあとはこっちが1から100にします、という仕事だと思っていますので。

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清水

時代

__
その、ちょっと技術的なお話になっていきたいなと思うわけですが。
清水
えぇ。
__
十年前とか、昔になるとパソコンとかかなり高かったですよね。
清水
高かったですね。まあでも、パソコンの無い時代ではみなさんアナログ版下でやっていたし。僕は最初からデジタルだったので、その苦労とかは分からないのですが。社会人になった今でも何台かパソコンを買ってるけど、学生の頃の方が高かった。メモリ込みで45万ぐらいしましたね。
__
凄いですね。
清水
もっと昔のものだったらもっと高かったし。パワーブックだったら80万、90万っていう時代だったし。
__
うーん。
清水
とんでもない時代でした。今はまあ安くなって。便利な時代。
__
あー。
清水
大学ではパソコンとかガンガン購入してて。500万するUNIXのワークステーションがゴロゴロあったりして。
__
おかしいですよね。
清水
そういうマシンをガンガン使いこなしてる院生とかはカッコいいなとか思いましたね。それで作る3Dにはあまり興味はありませんでしたが。
__
あくまで平面のデザインに特化させていった。
清水
そうですね、絵描きに成りたいというわけではけしてなく、デザインですね。文字一つの置き方とか組み方とかで面白く見せられるという仕事の方が憧れるし、コンピューターとかCGのない時代でも面白い作品っていっぱいあるんで。
__
考えてみれば昔から今まで平面のデザイン作品って死ななかったわけで。
清水
本質的には大して変わってないんですよ。3Dが出ようが、ホログラフィックスが出ようが。例えば60年代の舞踏の公演でも、凄いデザインのポスターもあるし。なんでこんなパソコンの無い時代にこんな凄いものが。というような。
__
はあ。
清水
受容する側はもちろん、新しいものを求めてるわけなんですけれども、基本はなんていうか、そんなに変わってないんじゃないかなと。チラシも無くなるとか言ってたけど、2000年頃に。結局無くなってないし。

タグ: 「多様性と受容」への批判


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清水

__
自分達でデザイナーを呼べない劇団ってあると思うんですよ。なんていうか、アドバイスみたいなものがあればと思いまして。
清水
まず言いたいのが、パソコンの上でやるのだけがけしてデザインではないという事ですね。
__
なるほど。
清水
例えば紙の素材を一つ変えるだけで全然モノの素材感が変わってくる(紙の見本帳を取り出す)。
__
へえ。
清水
変わった紙となると中々見つけずらいんだけど、個人を相手にちょっと売ってくれる紙の問屋さんもあるんでそこで探してもらったりとか。部数が少なければ穴を開けてみるなどの加工もやりやすいですしね。
__
なるほど。
清水
シールを貼ったりも出来るじゃないですか。ハンコを押すってのもありですね。劇団のハンコを作ってポンと押したりするだけでもチラシを受け取る人の印象は全然違う。
__
へえー。
清水
こういう紙もありますよ。
__
へー。
清水
紙を変えるってのも、一つの手ですね。
__
なるほど。・・・その、デザインの面ではどうでしょうか。例えば作品とチラシの内容がかけ離れてるとか、そういう場合も沢山あるように思えまして。
清水
それは・・・。例えば、芝居のワンシーンを忠実に再現してそれを写真に撮ってタイトルを入れてもそれはチラシとして成功するとは限らなかったりする。
__
はい。
清水
お芝居の最初から最後ってのがあって、その経過をハイこうこうこうでっていうんじゃなくて、チラシの入り口は最初にあるわけじゃないですか。
__
そうですね。
清水
お客さんの経験としては、その入り口に相応しいもの、要は、この流れに乗って開演時間から終演時間までいけるもの。
__
ええ。
清水
開演時間に相応しいものである必要があるんじゃないかと思います。
__
それは考えたこと無かったです。
清水
途中を抜き出してそれが面白い場合もあるけど。大概、お客さんにとっては先が見えたって気になってしまって、そういう「チラシを見る」だけで満足されてしまうことになっては本末転倒だと思います。生で舞台を観てもらうことを目指しているのに。
__
ええ。
清水
お客さんが家を出て、劇場に着き、開演時間を迎える…という段取りに求められるイメージを表現したデザインが必要とされると思います。そのイメージをお客さんに念頭に置いてもらって、ワクワク期待を膨らませてもらう。あくまで個人的な考えですけれども。
__
ありがとうございます。


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清水

板橋さん

__
最近はお忙しいそうで。あ、最新公演か。
門脇
そうですね。12月に、ニットの本番があって。であとまあ、今月は助成金の締め切りシーズンで。
__
あー。
門脇
それがね、驚くような忙しさで。
__
ああ。
門脇
制作が忙しい。
__
忙しいですよね。
門脇
板橋さんがいなくなっちゃって、で僕が引き継ぐ形になって。今は宣伝美術的な仕事もしていて、まあチラシはもちろん宣伝美術の人が作ってくれるんですけど、その校正とかDMにしたりとか。
__
ああー。
門脇
宣伝の映像をYouTubeにあげたりとかしてて。今日は朝からそれでした。そういう感じですね。
__
なるほど。・・・板橋さん、いなくなっちゃいましたね・・・。
門脇
ねえ。この前来てましたけどね。クロムモリブデンで。
__
あ、そうですね。いい仕事してましたね。
門脇
クロムは勢いがありますよね。皆さん、しっかりしてらっしゃいますよね。
__
声も枯れてなかったし。さすが。
板橋薔薇之介さん
元・ニットキャップシアター俳優。
クロムモリブデン
東京の劇団。代表・青木秀樹氏による脚本・演出で乾いた現代を破裂的に描写し風刺する。

みんなボブ

__
えー、ニットの事もお伺いしたいんですけど、ベビー・ピーの・・・。
門脇
おっ、ベビー・ピー。
__
ベビー・ピーのこないだのは、滅茶苦茶凄かったんで。
門脇
あ、「みんなボブ」?ありがとうございます。
__
あれは傑作というか、久しぶりに良かったなと。
門脇
嬉しいです。
__
どうでした、やってて。
門脇
いや面白かったですよ。四都市公演だったしね。
__
いや、見ていてですね、バランスが良かった。かつロックだったというか、その辺の。例えば、いいビデオ借りたなあ、みたいな。
門脇
バランスっていうのは、その、役者間の?
__
あ、演出の方だと思うんですけど。押し付けすぎずみたいな。なんと言っていいやら。
  
(飲み物が運ばれてくる)
門脇
何か最近、ミーティングする時に皆がロイヤルミルクティーを頼んでたから。頼んでみようかなあと。(注ぐ)
__
・・・白いですね。
門脇
まだ淹れちゃだめだったのかな。(飲む)
__
いかがですか。
門脇
かもしれない。紅茶がまだ出てないかも。ロイヤルミルクティーって煮出したりするんだっけ?
__
いや、それはチャイですね。
門脇
チャイか。
__
・・・。
門脇
いや、ベビー・ピーも年末に公演するんですよ。
__
あ、そうなんですか。
門脇
根本・首藤・横江の三人芝居です。
__
へー。
門脇
まあ僕らは、26日まで公演なんで、受付やってるとおもうけど。
__
なるほど。
門脇
いやー。ベビー・ピーもね、楽しいんだけどもね。
__
何か、感じる所が。
門脇
やっぱり、二重に所属してるってのが難しい。その、ベビー・ピーをやってる時はそっちをやっていこうと思うんですよ。まあその、期間が分かれる訳じゃないですか。ニットキャップに戻ってくると、それどころじゃないんですよ。
__
あー。
門脇
それどころじゃないんですよ。
__
というのは、制作的な面で。
門脇
一応、制作と役者とやっていて、で、ニットにいると中々役者が出来ない。それはまあ制作が忙しいから。
__
うーん。
門脇
でもねえ、ベビー・ピーは楽しいしやりがいがあるし。こんな言い方はアレだけど、ニットがつまらなかったらベビー・ピーに・・・。
__
切り換えると。
門脇
まあありがたいことに、そうはなってないので。(笑う)ニットもやりがいがあって、困る。
ベビー・ピー
京都の劇団。主にニットキャップシアターの若手俳優によって結成。脚本・演出、根本コースケによる幻想的な世界を現代演劇に即して表現する。
ベビー・ピー「みんなボブ」
公演時期:2006年8月18日・20日。京都会場:shin-bi、大阪会場:BlackChamber(文化祭 =Culture Carnival= 参加作品)。

演劇人

門脇
どうでしたか、観てて。
__
観てて。うーん。ボブだけ観て言うんですが。感動を共有したという意味で感動しました。ええ。全然不満とかはないですよ。
門脇
ええ。
__
いや、まあ、それで食っていけるのか系の話になると、うーんってなっちゃいますね。正直な所、観客としては。どうでも良いというわけではないんですが。「みんなボブ」みたいな作品がこの世に溢れていればそれで文句なんかないです。
門脇
ぶっちゃけ、僕もそう。
__
でも、そういう演劇人の不安ってのはつきまとうものですよね。
門脇
いや。何かね。何だろう。ニットキャップで感じてるのは、ニットってもともとどこを目指してるのか分からないところがあって。でもまあ、プロになるという原則はもともとあると思うんで。これはこの前蓮行さんと話していて思ったんだけど、衛星は小劇場の形を変えようとしてやっていこうとしていて、で自分達で色々企画してやっていってるわけじゃないですか。ニットもそういうことはやっているんだけども、でも本質的にそういう事がやりたい集団ではないなと。で、割と上手くいってる演劇人なんかはTVとかそういう世界に進んで活躍する道もあって。そこがそれぞれ違うなあと。
__
集団の経営の立て方ってそれぞれですからね。
門脇
で、その前の段階では色々不安とか葛藤もあったりして。具体的に叶わない夢とか。でもニットはある程度の段階に来てるから、まあ道があるわけで。
__
そうですね。
門脇
僕はどっちかっていうと、自分達で事業をやっていくのが好きなタイプなんだけれども。

タグ: 舞台に立つまでの葛藤 演劇人同士の繋がり


パイジ

門脇
次の「お彼岸の魚」。大阪でやる奴なんですけど。
__
「飼い犬キャロル」から改称した。
門脇
タイトルが迷走してね。4つ目のタイトルなんで。
__
4つ目?
門脇
最初は「パイジ」っていうタイトルで。
__
あ!そうだったね。
門脇
次は「恋は二万年」っていうのに変えて。
__
それも見た。仮チラシで。
門脇
で「飼い犬キャロル」にして、「お彼岸の魚」にして。これは芝居の内容に合ってるんだけども。まあそこで落ち着いたので良かったと思います。
__
最初「パイジ」って見ておおっと思ったんですよ。これは新しいと。
門脇
「パイジ」面白そうだよね。
__
「パイジ」ありえないなと。
門脇
「パイジ」やりたかった。
__
ちょっとやらしいですよね。
門脇
「どん亀」のパンフ用に、とりあえず次回作のタイトルを出すことになって三つくらい考えたんだけど、残り二つはドロドロした感じのだったんだけど、そこに「パイジ」が出てきて。もうこれは「パイジ」でしょうと。キャッチーだし、想像が膨らむし。
__
カラフルでチープで。素晴らしいタイトルでした。
門脇
じゃあ、いつか「パイジ」を。
ニットキャップシアター第22回公演「お彼岸の魚」
公演時期:2006年12月22日~2007年5月20日。大阪:in→dependent theatre 2nd、東京:下北沢 駅前劇場、愛知:愛知県芸術劇場小ホール、福岡:ぽんプラザホール。

タグ: タイトルの秘密


作品作り

__
今後は、どんな感じで。しばらくニットとベビピという感じですか。
門脇
そのつもりです。が、今はニットの時期だから専念するけど、ベビピに入るといやいやベビピを売り出すぞ、となる。割と専念できない方なんで。
__
ああ。
門脇
まあ、悩ましいというか・・・。今は根本が割りと作品作りを誠実に進めていく時期だと思っているので。ムリしてどんどん売り出す公演をしていくつもりではないみたいですね。
__
うん。
門脇
それはいいとおもってます。

計算機

__
今日はですね、お話を聞かせていただいたお礼にプレゼントがあります(渡す)。
門脇
あ、ありがとうございます。こういう袋って何かいいですよね。
__
ええ。
門脇
僕が、こういう店にあまり行かないだけかもしれませんが。(開ける。箱が出てくる)おお・・・。
__
過剰包装ですね。箱が。
門脇
(開ける)おおお。これはねえ、いいよ。嬉しいですよ。
__
制作の仕事に役立てて頂ければと。
門脇
うん。俺ね、持ってないよ。携帯で計算してて。
__
やった。当たった。
門脇
凄いよ、高橋くん。
__
きたね。
門脇
これ、いいよ。ありがとうございます。


混合

___
今日は宜しくお願いします。最近はいかがですか。
砂連尾
最近はねえ。先週、東京で初めてのソロを。今は、11月5日に京都造形大で上演する、ジャン・ジュネっていう思想家のテキストをもとにした作品を作ってます。それとじゃれみさでの「踊りに行くぜ!」の製作をしています。
___
ありがとうございます。ダンスの稽古って、どんな・・・。何か、芝居の稽古とはまったく違うものだと思うんですけど、ある方向性を見つけて、それを磨いて行ったりとか、追求していくことだと思うんですが。どんな感じですかね。稽古に対する姿勢というか。
砂連尾
多分それは、演劇の場合も同じだと思うんですけど、まず基本練習があって、それはバレエでいえば、バーレッスンとかの型みたいな体系立てられた稽古を日々繰り返します。
___
はい。
砂連尾
それ以外にも、例えば僕はいま合気道を始めたんだけど、まあ、自分なりに色々なメソードをミックスさせて体の鍛錬を日々行って。で、創作活動としてはあるテーマ、コンセプトに基づいて、新たな身体言語を開発していきます。もしかすると、その作業は作家さんが文章を書くような、新たなストーリーや言い回しを発見して文章化するような、そんな作業を体を通して行なっていくみたいな感じですかね。
___
なるほど・・・。
砂連尾
そういうことを、チマチマチマチマチマチマと、やらざるを得ないというか。
___
ああ・・・。
砂連尾
やっぱ、自分自身の体を同時には見れないじゃないですか。ビデオに撮って見れたとしても、同時に、詳細に見ることは出来ない。もちろん、訓練によってもう一つの自分の眼っていうのを作っていったりするんですけど、でもやっぱり、そういう事をするまでの鍛錬の時間は必要で、やっぱり、ノートやビデオに記録して鏡代わりにしては、生み出していった振りを作っては壊し作っては壊しを繰り返していくんですね。
___
本番に向けて練習の期間を取っている訳ですが、シーンごとの追求のし終わりっていうのはどこになるんでしょうか。
砂連尾
これは、本当にこんなやり方で良いのか分からないのですが、今のところ本番までの期間をリミットにしていますね。きっと、もっと探せば探すほど追求出来るのだとは思うのですが、設定されている期間で「とりあえずはここまで」としていますね。
___
なるほど。
砂連尾
うん。
___
うーん。
砂連尾
・・・ところで、ダンスは、どういうところから見始めたんですか?
___
あー、最初はしげやんのを見てから、ですかね。
砂連尾
じゃれみさは。
___
あー、6回ぐらい見てると思います。そうですね。テーマ性・・・テーマ性?ていうか。独特の暗さというか、うん。暗いのかな。
砂連尾
軽さと重さが混合しているみたいなね。
___
それが、一つのシーンに混じっている部分と、分かれている、マーブルな感じが面白いですね。
砂連尾
マーブルってのは、色んな感じが混じっているっていう事ですか。マーブルチョコってありますよね。
___
色の薄い所と濃い所が混じっていたり、そういう所ですかね。
砂連尾
いやいや、そういうところって色々聞いてみたいですよね。どんな風に見てるか、とかはね。
___
ええ、不思議な気分で毎回拝見してます。
踊りに行くぜ!
全国のコンテンポラリーダンサーを支援するNPO・JCDNが主催するダンス巡回公演プロジェクト。2009年現在、10週年を迎える。コンテンポラリーダンサーに別の土地での発表の機会与えている。

タグ: コンセプチュアルな作品 厳しいレッスン バレエやってた 俳優を通して何かを見る


領域外

___
その、これはお聞きしていいかどうか微妙なんですけど。えー。ダンスって言葉がないですよね。そういう事に制限を感じてしま訳で。言葉がない、さらに抽象性の度合いが高くなってくると、理解のハードルが高くなり、エンターテイメントとして楽しめなくなっている観客も出てきてしまうと。
砂連尾
その辺を、どう認識して活動しているか、という事ですよね。
___
ええ。
砂連尾
色んな答え方があると思うんですけど。えーと。
___
はい。
砂連尾
私の実感として、言葉で全てが語れる訳ではないということはまず前提となっていると思うんですが、でも、まあ、分からないという事はある意味恐怖になるというのは分かります。
___
ええ。
砂連尾
これは僕がニューヨークに留学してた事と非常に関係があると思うんですが、ニューヨークに初めて行ったのが25歳の頃だったんですよね。その時、私個人の状況は日本ではそんなに舞台芸術とか音楽を観たり聴いたりする機会が限られていたので、少なかったんですが、まあ、アメリカはブロードウェイから前衛ものまで多種多様にあり、そして何より日本より格段に安く観れたんですね。渡米当初は向こうに友達もいないで行ったので、毎晩劇場に行くのがレッスン以外では楽しい事だったんですよね。数としてはかなり行ったと思いますよ。僕、ニューヨークフィルの会員にもなってて。音楽・オペラも含めたら2~300の公演に行ったんじゃないかな。
___
ええ。
砂連尾
ほぼ毎日見てるという週が何週も続いたり。言葉が分からなかったり音楽の予備知識も少なかったので元から作品の内容を分かろうとしない所から入ったんですよね。とりあえず意味的に理解しようとするのではなく、先ずは感じようと。例えば、クラシックとかではベートーヴェンとか知ってる曲は聴けたけれども、そうじゃない初めての曲や現代音楽って最初はしんどい訳ですよ。
___
知らない曲って、どれも同じに聞こえてしまいますね。
砂連尾
でも会員になっちゃうと演奏が分からず楽しめないのは勿体無いから、聴きに行く前にCDを借りて聞いたり、オペラとかだと年に何回か同じ演目をやるから複数回行って、同じ曲や演目に触れる機会を多くするわけね。そうすると、以前には気付かなかった旋律に気付くんですよね。それから、そういう楽しみ方を音楽以外にも当てはめていくようになったんですね。例えば、バレエだったら、同じダンサー、同じ演目でも体の動かし方が違ったり。そういう事に気付いていく事が、何か凄く楽しくなっていったんですよね。
___
なるほど。
砂連尾
楽しみ方ってのは色々あるし、そういった意味では、その、分からないと言ったことがあんまり絶望的なことではないなあっていうか。分からない事から、自分なりの見方、感じ方を作る第一歩が始まるっていうか。
___
ええ。
砂連尾
世の中、舞台の数は限られていて、その日見てつまんなかったらもう観に来ない人はいっぱいいる。私達の舞台にしても、こちらがその日の為にしっかりとコンディションを整えて本番に臨んでも、分からないと思われる事は充分あり得る訳で。ただ、分からない事から始まる可能性を信じ、それでも、なおかつ理解出来ないと言う結果ならばそういう縁で仕方ないと思うことにして。言葉の領域外のもの、抽象的なものが、この世には一杯あるという事を伝える手段が、舞台芸術、とりわけダンスには非常にあると思っています。
___
なるほど。
砂連尾
だから分かりにくい事に対して、そんなに悲観的ではない。もちろん、非常にマイノリティ的な発想かもしれないけれど。言葉が通じない中での、他人の仕草だとか表情だとか。そういうもので凄く幸せに感じた事もあるし、言葉ってコミュニケーションでありながらディスコミュニケーションにもなりえちゃうって言うか。
___
誤解を生み出しやすいとか、そういう事ですか?
砂連尾
うん、そういうのもあるし、例えば日本語だったら、日本語を喋れない人からしたらそれはディスコミュニケーションじゃないですか。
___
はい。
砂連尾
で、えっと、そういう事になったら別に言葉が絶対に一番理解しやすいものじゃないんじゃないかなと。
___
言葉を意図的に排除するという考え方ではなく、言葉のない世界のコミュニケーションもあるという事ですね。
砂連尾
それも人間としては重要だろうと。言葉も重要だけど、そうじゃない世界も重要だなと。別に体のコミュニケーションが一番とは思ってないですが。

タグ: 稽古とコミュニケーション能力 生き方と世の中の為に動く 新しいエンターテイメント


転換

___
これまで砂連尾さんは、オリジナルはもちろん他の方の作品もダンス化されたりしている訳ですけれども、次はどんな追求をされるんでしょうか。
砂連尾
そうですね。単純に、自分自身が今まで見たこともなかった、或いは欲求していきたい身体を追及していきたいと思ってはいますね。
___
その、理想的な体というのは、言葉で表現出来るんでしょうか。
砂連尾
えっとね。その理想的という言葉はちょっと難しいかもしれないけれど。何か。
___
はい。
砂連尾
さっき言った事ですが、最近合気道を始めまして。実はそれまで格闘技ってどうしても力と力のぶつかり合い的な捉え方をしてたんですね。
___
はい。
砂連尾
つまり、相手からこう力が来たらこう返さないと自分がこわい、みたいな事だと思っていたんですが、合気道ではその「力を外す」、という発想で。今までの自分の考えとは違う取り組み方で身体を実感出来たんですね。それって面白いなあと。まさに自己変革が起こっていったんですね、その発想をキッカケにして新しく開発する分野が発見出来たというのか。いや別に舞台用に合気道を翻訳するわけじゃないですが。
___
はい。
砂連尾
これが自分の思考において、どういう風な発想の転換が起こされていくのか、そして今後どのような展開になっていくのか、とても楽しみですね。
ダンス化
2006年に松田正隆原作「パライゾノート」をダンス作品化するなど。
http://www4.airnet.ne.jp/jaremisa/works/2006paraiso.html

モノを作る

___
その、ずっと京都を中心に活躍されている訳ですけれども、京都の環境ですとか、そういう面については。
砂連尾
そうですね、京都以外で仕事をしたことがないのでなんとも言えないんですが、物を作るという事に関していうと、京都というのは非常に恵まれてますね。芸術センターもあるし。
___
ほど良く狭いし。
砂連尾
ええ、それと、やはり東京よりはゆったりとした時間が流れていると思いますね。じっくり腰を落ち着けて、物事を見、そして物造りを行なう精神的余裕が京都にはあると思います。
___
そうですね。
砂連尾
でも危険なのは、甘えすぎてしまうと自分のやっている事がしっかり批評されない危険性が京都にはあるだろうと。やはりモノを作る人間としては批評に晒される事を常に受け入れなくてはやっぱり淀んでしまうと思うんですよね。
___
そうですね。
砂連尾
それは非常に怖い事なんですが、そういう面では東京の人はやっぱり、厳しい面を持ってるし、そういう厳しさってのは僕にとっては必要かなとは思いますね。
___
なるほど・・・。
砂連尾
僕は怠け者なので(笑う)。

お香

___
今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントがあります。(渡す)
砂連尾
おっ、なんですかこれ(開ける)。え、お香?
___
ええ。
砂連尾
あ、お香好きなんですよ僕。
___
あ、良かった。
砂連尾
ありがとうございます。
___
今日は、ありがとうございました。


京都

__
宜しくお願いします。
山崎
宜しくお願いします。どんな話するんですか?サイト見させて貰ったんですけど、インタビューと言うよりは、友だち感覚でフツーに喋ってるみたいな感じですよね。
__
たまに芝居の話をする、みたいな。最初はそういう感じでしたが、不毛だなと思い始めてまして。
山崎
最近は、どういう人達とお話されたんですか?
__
ええと、照明の人とか、役者さんとか。京都で芝居をやってる人全般ですね。最近は雑談からスタイルを変えて、真面目な話もしていきたいなーと思ってますね。
山崎
何でも答えますよ。
__
ありがとうございます。

「注目!」

__
こないだの「注目!」。手ごたえは。
山崎
そうですね。そりゃ、まだまだ目指す所は高いです。でも、目を付けてもらってるってのが確認出来て良かったですね。
__
ああ・・・。
山崎
「演劇ぶっく」に載せてもらって。営業に行って、実際見にきて貰えたってのがでかかったですね。この場にしてもそうだし。どうして見に来てくれはったんですか?
__
いや、知り合いと話してて。その人が、「注目!」と別の公演のどちらを見に行くかで迷ってて。でまあ、何か気になって。
山崎
ああ・・・嬉しい。
悪い芝居vol.3『注目』
日時:2006年3月17~19日。会場:アトリエ劇研。

簡単

山崎
やっぱ劇団ってのは、代表の人が出来なかったらやめるしかないわけで。僕は作演をやっていて、そういった責任が怖くて。だってもう、書けへんってなったら皆が一気にぱあって散りますからね。
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そうですね。
山崎
だから劇団を作るのは嫌やって。ある意味簡単に出来ちゃうじゃないですか。公演って。言ったら、お金出してホールさえ借りれば、面白くないものでも出来てしまうから。それでやってしまってもいいのかなって疑問があって。
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うん。確かに。
山崎
でも、特に入りたい劇団もない。芸能人になりたいってわけでも・・・。じゃあやってみようかって。今回の公演で、初めて劇団らしくなったなあと思います。知り合いだけじゃなく、色んな人に見に来て貰えましたし。メディアにも。これまで「エルマガジン」さんとかに掲載してもらうときは「良かったら見に来てください」という言い方だったんですよ。でも、「是非見に来てください」って言って。それで反応があったのは嬉しかったですね。
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うん。
山崎
でも。その次が怖いんですけどね。
エルマガジン
小劇場に関する記事が多く掲載されていた。もちろん、京都の小劇場に関する情報も多く、楽しめた。2009年現在は休刊中。

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