ラジコンヘリ

__ 
今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントを持って参りました。
繁澤 
ありがとうございます。あ、これは!小っちゃいころラジコンヘリが欲しかったんですよ。でもジャイロヘリを人に貸したっきり返ってこなかったので。ありがとうございます。これで、家で遊べます。ありがとうございます。普通に嬉しいです。ジャイロヘリも、いつか返ってきてほしいです。

ママママ②『二の次』

___ 
いま、何が見えていますか。
木之瀬 
作品はまだまだ作っている最中なのですが、今のところ布石を打っている感覚で、もっともっと広げていける予感があります。見たい場所があって、それをお客さんにどう見てもらうかということを、今考えあぐねているところです。それをちょっとずつ俳優に伝えていきながら稽古しています。
___ 
見たい場所とは。
木之瀬 
自分はどうやら、生命が生きたり死んだりというテーマに興味があるみたいで。そこですね。今回の作品以降も追及していきたいなと思っています。
ママママ
木之瀬雅貴が2016年に立ち上げたコント製作団体。《超コント的姿勢》をモットーに、世に存在するあらゆる事象や法則、感情をコントに転換するグループである。

木之瀬雅貴 Masaki Kinose

ママママ主宰。演出家。1993年鹿児島県生まれ。京都造形芸術大学 舞台芸術学科 第5期卒業生。
同学科在籍中に、コントユニット・Massachusettsを結成し構成・演出を担当、2度の単独ライブ(2013年『Nippon no hito』、2014年『バツグンのコントロール』)を上演。
また、演劇ユニット・MAWARUとして2014年に上演した『裸足で散歩』(作:ニール・サイモン、2014年度京都造形芸術大学舞台芸術学科卒業制作)では、同学科卒業展において市川猿之助特別賞を受賞。

2016年、自身が様々なコント作品を製作する場として、“ママママ”を立ち上げる。

2016年3月 第1回公演『祝祝祝祝』 (公式サイトより)
ママママ②『二の次』
スーパーコントプログレッション《超コント的躍進》ママママ②『二の次』

CAST
小川晶弘(気持ちのいいチョップ/ヲサガリ)
西村貴治
森直毅(劇団マルカイテ)

日時
2017年11月
16日(木)19:30☆
17日(金)19:30
18日(土)11:00/15:00/19:30☆
19日(日)11:00/15:00☆
20日(月)11:00
☆=アフタートークの開催

☆アフタートークゲスト
16日(木) 大原渉平さん(劇団しようよ)
※16日の回のみ終演の約1時間後より
WEB上にてアフタートークを行います。

18日(土) あごうさとしさん(劇作家・演出家)

19(日) 92年度生まれ俳優
小川晶弘、木之瀬雅貴 ほか

※受付開始、開場は開演の30分前。
※未就学児のご入場はご遠慮ください。
※車椅子でご来場の場合、事前にご連絡ください。
※演出の都合上、開演後のご入場を制限させていただく場合がございます。
※上演時間は約90分を予定しております。

会場
studio seedbox
京都市南区東九条南山王町6-3
https://studio-seedbox.jimdo.com/

STAFF
作:志村耕太朗
演出:木之瀬雅貴
舞台監督:椛島睦未
照明:吉津果美
音響:辻村実央
衣裳:松崎雛乃
宣伝美術:平嶋恵璃香

前売料金(全席自由)
一般 2,500円
U-25割引 2,000円
高校生以下割引 500円(要学生証)
※当日300円増

取扱
カルテットオンライン
https://www.quartet-online.net/ticket/ninotsugi

___ 
今回の武器は。
木之瀬 
それはもう、この俳優3人に尽きます。キャスティングの時点で勝ちだと思っているところがあって、完全に信頼できるんです。その彼らに何をさせるかというところで、僕が彼らを攻撃していかないと・・・彼らの攻撃を誘発するために。キャスティングで勝っている上に劇場も新しいところで上演できますので、そこに乗せるものをいま作っています。
___ 
劇場に来られるお客さんに求めるテンションは。
木之瀬 
全然、コントを見に来るんだというラフな気持ちで。ちょっと小難しいものを見に来てしまうんじゃないかと言う恐れはあるんですよ。だから稽古場の映像を公開しているんですけど。あまり構えずに見ていただきたいなと思います。その上で虚を突きたい。
___ 
今作のキーワードは。
木之瀬 
「ネクスト」。
___ 
ネクスト!
木之瀬 
タイトルの「二の次」=何かより劣っている、後である、ということもありますが、「次」という概念が僕の中でポイントになっています。
___ 
笑いの開拓者精神ですね。
木之瀬 
あんまりそういうことは考えていないんですが、笑う事が何かについて考える手がかりになるということが、僕にとっては主題なので。笑いに喧嘩を売るつもりは全くないです。

___ 
意気込みを教えてください。
木之瀬 
いやもう、今京都で集める最強の布陣を手に入れたし、新しい劇場で、新しいムーブメントを起こしうるになると思っています。
___ 
ありがとうございます。

___ 
ではまず、西村貴治さんのご紹介をお願いできますか。
小川  
え、本人を前にして?
木之瀬 
はい、キャスティングの段階では、若い二人が先に決まっていて。
西村  
若いって言っちゃったよ。
木之瀬 
まあまあ、ごまかしてもアレでしょ。同じ世代の二人が決まっていて、出演者二人でもいいかな、と迷っていたんです。(前回が六人だったので)今回はミニマルな感じにしてもいいかなと思っていたんですが、やっぱり、自分の殻を打ち破りたいという感覚があって。同世代の人とやることが多かったんですが。それを崩すために、おじさんにするか女性にするか考えていました。それでおじさんを探していたんですがなかなかピンとくる人が来なくて。二周ぐらいして西村さんかもな、と。僕も、年齢が上の方とやったことがないぶん、何を基準にしていいのかわからないというところもあって。でも、知り合いのツテがあったらやりやすいというところもあるのかなと。で、胸を借りる、という感覚になった瞬間、西村さんに決めました。
西村  
だいたいどこの現場でもそういう立ち位置を求められることは多くて。自分も若いつもりになって、胸を借りて楽しませてもらってるな、というか。
木之瀬 
おじさんおじさん言ってましたけど、すごくフラットな位置にいてくださるので、とてもやりやすいです。
___ 
意気込みを教えてください。
西村  
自分が出来る演技のスタイルというのは分かっているつもりなんですよ。世代の離れた若い人たちと一緒に作った時にこそ何かしらの化学反応が産まれるとしたら、そういう領域に挑戦したいなと思っています。コント公演というのはやったことがなくて、笑いに対しての感覚も持っていなかった。だから僕にできるのは普通にお芝居をすること。お客さんがそれをご覧になって面白いと思ってくださるんであれば、それをみんなで作ればいいのかなと思います。
___ 
今回特に見て頂きたいシーンはありますか。
西村  
セリフとセリフとの行間や、その場で笑ったギャグを家に帰って思い出して、新しい考えの手がかりになるような、そんなことができればいいんじゃないですか。そこが見所です。

___ 
それでは次に、森さんの取扱説明書を伺ってもよろしいでしょうか。
木之瀬 
取扱説明書(笑う)確かにもう一つ、扱い方がいまいちわからない人なんですよ。悪い意味じゃないですけど。
___ 
ものすごく、レスポンスを返してくる感じはありますよね。
木之瀬 
僕の想像を超えてくるんですよね。でも、この人の操縦桿がどこにあるのかがまだわからない。そこを探すための賭けをしていますね。
___ 
勝機は見えていますか?
木之瀬 
ここに居てくれている時点で、僕にとっては勝ちです。この3人のバランスで立ち上がる世界がどうなるか、その塩梅が鍵だと思っています。その中で彼の持ち味を引き出せるかどうかは本番までには分かる手はずになっています。
___ 
その賭けに乗りたいですね。
木之瀬 
いえいえ、そんなの申し訳ないです。でもどうですか、この3人、バランス取れてると思います?
___ 
いやあ、取れてますよ。ああ、この3人が来たか!と。
木之瀬 
まさしく役者揃いですよ。
森   
今回偉大な先輩達と一緒に舞台に立てるという事と、木之瀬さんと作品を作ることになって。小川さんの事は同じ学生劇団の後輩から聞いてたし、西村さんは市毛が共演していたし。
___ 
稽古場は楽しいですか。
森   
楽しいです。お三方の背中を見つつ。自分ができることを増やしていきたいと思っています。演出の人に全てを決められるのは嫌なんですよ。自分でやっていきたいので。そういう現場にしてくださってるので、やりやすいです。
___ 
意気込みを教えてください。
森   
負けないように頑張りつつ、自分も楽しめたらいいなと思っています。頑張ります。

___ 
最後は小川さん。木之瀬さんと小川さんの因縁と、今回の作品にかけるそれぞれの思い、そして物語、二人の間に流れている深い河について。
森   
因縁なんてあるんですか。
小川  
ないない。
木之瀬 
小川をね。
森   
餃子食べながら。
___ 
味の説明をしていただきながらでも大丈夫です。
木之瀬 
(笑う)小川君は同い年なんですよ。92年度の生まれで。他の歳の人がどうなのか分かりませんが、結構僕は同い年の人たちのことを気にしていて。
小川  
そうなんですよ。92年生まれは、まだ京都で演劇してる同世代が意外に多くて。
木之瀬 
一応、今回アフタートークで、92年度会を企画していて。ちょっとサプライズでいろんな人を呼ぼうかなと思っています。同い年ということで当然意識はしています。初めて会ったのが2016年の5月のハイタウン外伝ネオで。僕はMassachusetts、小川君は気持ちのいいチョップで横山さんと出演していて、その後のプチ打ち上げで初めて喋ったんです。
小川  
僕も木之瀬くんの名前は知っていたんですが、喋るのは初めてでした。
木之瀬 
その時は軽い社交辞令で「いつか一緒に何かやりたいですね」と言っていたんですけど、ブルーエゴナクに出てる姿を見て、芝居をするとこういう人なのか、と。ハイタウン外伝での気持ちのいいチョップは僕らと同じく変化球で勝負していたから・・・でも、同い年と何かをやってみたいというのは昔からあったんです。92年度生まれ同窓会で。で、現場に入ってみて分かった事なんですが、彼も自分で演出する立場だから、人の演出を受ける時に考えてしまうみたいなんですね。僕もよくわかるんですが。それは、うまいこと助けあいつつ、やりたいなと思っているところです。
___ 
ナインティセカンズの一人。
小川  
(呼び方)カッコいい!
___ 
そうなんですよ。京都の演劇人の当たり年には昭和49年生まれのフォーティーナイナーズ、昭和56年生まれのフィフティシックスズが存在しています。
西村  
あ、僕もフォーティーナイナーズだ。
小川  
仲間入りですね!
木之瀬 
だから今回、ナインティセカンズとフォーティーナイナーズの夢の共演ですよ。
___ 
木之瀬さんに会った時の第一印象は。
小川  
名前と顔はよく知っていて、すごいやつだという噂は知ってたんですよ。身長は小さいんですが顔が整っていてシュッとしていて。コントの団体をしているということもあり、さぞ、笑いにこだわりのある人だと思っていて。
木之瀬 
ホンマか。
小川  
でも最初に喋った時に、思ったよりも思慮深い、根暗な部分があるという事が分かって。強くは見えるけれども弱い部分もある事に親近感が湧いて。その後も稽古を重ね、彼のウェットな部分だったりとかが垣間見えて興味深いなと。まだ僕らにも分からないところはありますが、出来上がった作品が楽しみです。
___ 
意気込みを教えてください。
小川  
演出も俳優も男だけで、なかなかこんな現場はなかったんですよ。年齢は違えど、青春感がすごくあります。
木之瀬 
確かにそれはちょっとあるかもしれない。
小川  
本番でも、そういう部分が出ればいいなと思っています。悪ノリではなく。稽古場でもそんな感じで進んで行けばいいなと思っています。

劇団子供鉅人ニューカウントvol.7『チョップ、ギロチン、垂直落下』

撮影:橋本大和
__ 
今日はどうぞよろしくお願いいたします。子供鉅人の「チョップ、ギロチン、垂直落下」の大阪公演が終わりましたね。お疲れ様でした。
うらじぬの 
ありがとうございます。台風だったので大丈夫かなと思っていたんですけど、たくさんの方にいらしていただいて。
__ 
素晴らしい作品でした。
うら 
ありがとうございます。
__ 
その指のテーピング、大丈夫ですか?
うら 
あ、これは突き指がずっと治らなくて。でも衣装だと思われているらしくてちょうどいいです。
__ 
かっこいいですからね。うらじぬのさん、初主役を立派に張ってましたよ。
うら 
本当ですか。劇団でまだまだ新人も新人なので不安でした。女子プロレスも見たことがなくて、運動神経も悪いし、とりあえず筋トレしかないなと思って鍛えていました。共演の皆さんの気迫溢れる演技に引っ張り上げてもらい、素敵な衣装と美術、迫力ある音響照明で、やっとこさちょっと、プロレスラーに見えてきたらしく。座組の皆さんのおかげです。
__ 
素晴らしかったです。プロレスという装置が非常に生きた作品だったと思いますね。プロレス=台本があると言う理解が共通していて、でもプロレス団体「メスの穴」のお話自体は台本ではない、ハズなのに・・・みたいな。物語は誰にとってのものなのか、誰が主役なのか、みたいな争点を争う。それはつまり「プロレス」という幻想を追い求める営みであり、それはそのまま、戦う相手が人生だ、ということなのかなと思って。最終的に主人公たちは死んだのか、それとも生きているのか観客に委ねられる、そうした幕切れも魅力的でした。
うら 
私はあまりプロレスは知らなかったんですけど、「ブック」というもののグレーな存在を知って、奥ゆかしい文化というものがそこにもあるんだなーと。最初は「痛いなあ」だけだったんですけど、それだけではなく様々なドラマがあるということが分かった時、良いスポーツだなあと。
__ 
プロレスラーは技を避けない。
うら 
そうですね、それはありますね。技を受けて、面白く返すみたいな。お客さんの空気によって変えて行く、みたいな。
__ 
肉体を使った戦いだから、人生が現れてこない理由はないなあ、と。とても子供鉅人に合った題材だと思います。いかがですか、大阪公演終盤、今の気持ちは。
うら 
うーん、なんか、筋肉疲労がまず酷くて。プロレスラーの人達って本当にすごいなと。ちょっとかじったような技しかやってないのにこんなにヘロヘロになってしまって。プロの方々を心から尊敬しています。大阪公演は8ステージでしたが、東京公演は16ステージと倍なので。一ステージにつき一試合で終わるというわけではなく、何試合かあって、それをすべてコンスタントにやらないといけない緊張感があり・・・でも、お客さんが何というか、とても魅力的で。
__ 
というと。
うら 
これもプロレスの魅力の一つなのかなと思うんですけど、凄く、参加してくださるんですよ。手拍子をしてくれたり、やっぱり、普通の演劇ではこういうことはなかなか無いですよね。わくわくしました。感想とかにも、もっと掛け声を言いたい、って。コールアンドレスポンスじゃないですけど、そういう工夫をちょっとずつ追加してはいっています。今日は、ラストに「ご一緒に!」って。一緒にそういう気持ちになってくださるのはありがたいです。手拍子も何度もお願いしちゃったりして。
__ 
「チョップ、ギロチン、垂直落下」と。客席と一体になるって素晴らしいですよね。
うら 
はい。ありがたや、という感じです。
__ 
ちょっと抽象的ですけど、退屈させるとか、限界が見えてしまうだとか、そういうことがあるとまず実現しないですね。今回の場合は「夢の為に上京する」という、多くの人が必ず一度は持つことになる夢、つまり人生がテーマだったんですが、そこを媒介にしたからこそ、なんだろうなと思います。もちろん丁寧に描くことが条件で。そして、揚羽舞という親友の存在。
うら 
内田理央ちゃんの魅力みたいなものも脚本に還元されてると思います。普段は太陽みたいでぽわぽわ~とした感じの子なので。私はどちらかと言うとじとーっとしたタイプの人間。稽古場でも作中の二人みたいな感じでいました。そこが、作演出の益山さんも想像力を刺激されたのではないかなと思います。本当に出演して頂いて良かった。
__ 
私も、カーテンコールでハケる二人を見た時に、最高の名コンビだと思いましたからね。
うら 
本当ですか!ありがとうございます!嬉しいです。普段から湿布の貼り合いっこしたりして、うらちゃんほんとマンモス稲子みたいだねって。彼女にはいつも助けられています。
__ 
これから長い付き合いですね。
劇団子供鉅人
05年益山貴司・寛司兄弟を中心に大阪で結成。「子供のようで鉅人、鉅人のようで子供」の略。関西タテノリ系のテンションと 骨太な物語の合わせ技イッポン劇団。団内公用語関西弁。人間存在のばかばかしさやもどかしさをシュールでファンタジックな設定で練り上げ、黒い笑いをまぶして焼き上げる。生バンドとの音楽劇から4畳半の会話劇までジャンルを幅広く横断。3度に及ぶ欧州ツアーやF/T13参加。CoRich舞台芸術まつり!2012準優勝。関西でほんとに面白い芝居を選ぶ「関西ベストアクト」二期連続一位など勢力拡大中。(公式サイトより)
劇団子供鉅人ニューカウントvol.7『チョップ、ギロチン、垂直落下』
作・演出 益山貴司
出演 劇団子供鉅人 × 内田理央(仮面ライダードライブなど) × 星野園美(身毒丸ファイナルなど)


女子プロレスラー、マンモス稲子は
リングのコーナーポストから垂直落下し、謎の自殺を遂げた。
故郷の岬で夜毎受けていた風速10.85mの風を全身に感じながら、
死の直前、彼女は何を思ったのか?
大都会の片隅(実家のガレージ)で練習にいそしむ「メスの穴」のメンバーは
女同士の傷の舐め合い試合から抜け出すことができるのか?

「中野区イチの大不幸女」マンモス稲子の垂直落下に転落していった人生と
彼女をめぐる女子レスラーたちの「生きること」への復讐と再生の物語。
プロレスを描いた演劇ではなく、演劇をプロレスで描く意欲作。

そう、戦う相手は人生だ!


大阪公演  HEP HALL
2017年10月17日(火)~23日(月)

東京公演 浅草九劇
2017年11月6日(月)~19日(日)

出会ってしまった

__ 
うらじぬのさんがお芝居を始めたのはいつからでしょうか。
うら 
小学校の時に、社会の授業で好きな時代を題材に何かを作るというのがあって。同じクラスのミキヤ君という男の子と一緒に、アウストラロピテクスのお芝居を作りました。私が原人役でした。ミキヤ君は解説だけ。そこからです。
__ 
ミキヤの先見の明がこの時代まで続きましたね。
うら 
本当ですね。ミキヤプロデューサーには感謝感謝です。
__ 
大学は大阪芸大ですよね。千葉県から大阪に?
うら 
本当は日芸か多摩美に行きたかったんですけど、修学旅行で行った大阪がものすごく楽しかったんです。親には前日まで黙ってて、強制的に試験を受けに行きました。
__ 
大阪芸大時代はどんな感じでしたか。
うら 
芸大時代は周りに変な人しかいなくて日々楽しかった。お芝居をやる以外は音楽系サークルでドラムを叩いていました。あとは、先輩の作った劇団に客演をさせてもらったりとか。でも、大阪時代は子供鉅人は一度も見たことがなくて。
__ 
そうなんですか!
うら 
「組みしだかれてツインテール!」の時に、特に大阪の方々だとかは意識せずにオーディションを受けに行きました。実はその時インフルエンザと扁桃腺炎に罹って10日間ぐらいずっと寝込んだ後、病み上がりの2日目ぐらい、地球に帰ってきてすぐの宇宙飛行士みたいにふらふらずどーんとした最悪のコンディションでして。で、オーディションの内容も30分ぐらいずっと踊るぞーみたいな内容で、逆に身体が生命の危機を感じて、火事場の馬鹿力みたいなハイテンションで踊ったり。みたいな状態でいたら、それが面白いと思って頂けたのか。それで客演させていただきました。
__ 
ツインテールか!
うら 
はい、私は途中で足をめちゃくちゃ撃たれる役でした。子供鉅人ではよく、犯されたり発狂して人を殺めたりみたいな日常ではあまり体験出来ない役どころを頂きますね。自分の許容量を超えるぐらい動いてるのか、本番期間中にいつも熱出したり。でもそんな経験はなかなか他ではできないんだろうなと思ってます。

志と優しさ

撮影:橋本大和
__ 
「ギロチン」。上演を重ねるごとに、変わってきているとの事ですが。
うら 
最初の方は、プロレス技をしっかり決めないといけない、お芝居のところも全部集中してやらないといけないと思って、結構パンパンだったんですけど、このところようやく、お客さんが楽しんでくれているのを所々感じることができていて。プロレスのシーンの時はプロレスリングの観客として、マンモス稲子のモノローグの時にはじっくりと見てくれている、と感じることが出来るようになってきました。プロレスとお芝居というものをもっと結びつけることができたらいいなと思っています。
__ 
演出の一つとして、プロレスのリングが回転するんですよね。その上でもちろん試合をするし、人間関係という名の戦いも繰り広げられる。その疾走感がたまらなかったです。
うら 
今回の役に当たって、女子プロレスラーの方はどんな思いで生きてきたんだろうということを、全日本女子プロレスの分厚いインタビュー本を買って読んでみたんです。ブル中野さん、ダンプ松本さん、長与千種さんなど名だたる女子プロの方々のエピソードを読んでいたら、皆さん本当にものすごい熱い思いを懸けているんです。プロレスに。誰と誰がこうなっていて、みたいな人間関係の歴史もあったり、もちろん試合自体の歴史もあって。私も、誠意を持って、マンモス稲子という1人の女子プロレスラーを演じたいと思いました。悩んで悩んで、自分の志を貫くのか、それとも親友の為に犠牲になることを選ぶのか。

「リレー」

__ 
舞台に立ってる時に、どんな感情になっていますか?
うら 
舞台上に立っている時・・・。
__ 
最近のインタビューの中で、「舞台の上に立っているときに生じる感情を見世物にするのが俳優の仕事である」という考え方が出てきて。もちろん、細かく組み上げられた演技から生まれる観客の体験が俳優であるという意見もある。
うら 
そんなに素敵なことは言えないと言うとあれなんですけど、単純に、舞台という空間が、私にとってはいつも新鮮で楽しいです。役が、ということも思っているんですけど、もっとコアなところで言うと、予期せぬ空気が生まれたりだとか、お客さんがこう思ってくれているというのがわかる実感というか。毎回漂う色が違うなあ、みたいな。そういう体感って、他のジャンルではなかなか得られないと思うんです。そして、一つのものをその場にいる全員で最初から最後まで持って行っている。というのが、すごく楽しいなと思います。ちょっと大雑把に言っちゃってますけど。
__ 
演劇のお客さんって、そう考えると、とても独特な存在ですよね。再生が絶対に出来ない作品を見ている。ちょっと巻き戻して見るとか、そういうことはできない。もう一度見れないものに対して分析したり鑑賞したり評論したりしている。そしていまお話を伺っていて思ったんですけど、劇場の中の全員で、演劇の最初から最後までをリレーしているんですよね。
うら 
そうなんですよ。はじめましての挨拶もしたことのないお客さんが見に来てくれていて、最初からシーンを一つずつ共有して、ほぼだいたい意味がわかった上で一つの物語を共有してくれる、って、すごいなあと思うんですよ。舞台が終わった後で「面白かったです」と見ず知らずだった私に声をかけてくださる事って、すごい事だなと思って。ちゃんと仲良しになれた!じゃないですけど、舞台を通じて素敵なコミュニケーションがとれたようで毎回本当に嬉しいです。
__ 
それは一回も考えたことなかったです。
うら 
だからやみつきになるじゃないですけど、次も色々な人に会って、物語を共有したいと思っていますし、できる努力をしていきたいです。

質問 日高 啓介さんから うらじぬのさんへ

__ 
前回インタビューさせていただいた、FUKAIPRODUCE羽衣の日高さんから質問をいただいてきております。
うら 
おおっ、よく拝見しています。去年、木ノ下歌舞伎「心中天の網島」を拝見しました。すごく面白かったです。
__ 
「台本はどうやって覚えますか?」いかがでしょう。
うら 
わー、私、苦手過ぎて!一応録音しますかね、相手のセリフも自分のセリフも録音して、それを聴きながら自分の台詞のところを一緒に言う事で体に落としたり、あとは、人に手伝ってもらって。自分のセリフを1行ずつ読んでもらって、台本は見ずに自分のセリフを繰り返すんです。リスニングのやり方で覚えています。そうすると文字を読むよりも覚えやすいんです。スピードラーニングのCMみたいなこと言ってます。

私とこどきょ

__ 
そもそも、うらじぬのさんが子供鉅人に入ったのはなぜですか?
うら 
益山貴司さんに誘っていただいて。1年ぐらい考えて、踏ん切りをつけて入らせていただきました。お客さんとして何度か見させていただいたんです。「真昼のジョージ」と、それから「重力の光」にも客演させていただいて。本当に、気持ちのいい、正直な人しか集まっていない劇団で。ガチャガチャ~ってなってて賑やかで。私は今まで、子供鉅人のような集団の中にはいなかったなって思います。
__ 
子供鉅人にしかない魅力とは。
うら 
やっぱり、あまり器用なほうじゃないから、どうしても本当の部分が出る、ということなのかなと思います。基本的に舞台は毎回同じことをコンスタントなクオリティで届けられないと、だと思うんですけど子供鉅人は、さっきのリレーの話じゃないですけど、もう、誰かがどこか遠くにリレー棒を飛ばしてしまったら私もどこかに飛ばしてしまおうと、どこまででも飛ばしてしまったりしてコースアウトしたり。もう戻って来れなくてもいい~!ぐらいの楽しいエネルギーがあって。だから生傷絶えないですけど、なんかこう、生命力が凄い。
__ 
本番で出たものを最高にしてしまう感じなのかな。
うら 
そういう人が多いと思います。で、遠くまで飛ばしてしまっても野生の勘で取って戻ってくる。それには本当に、きれいに繊細になぞる、ということだけでは敵わない部分があります。躍動感の元。
__ 
その躍動感を支えているのはお互いの信頼なのかなと思います。後ろのことを考えなくてもいいぐらい、信じあっている気がする。
うら 
本当にみんな仲良しなので、そういう環境が支えになってると思います。

これからも

撮影:橋本大和
__ 
今後、どんな感じで攻めて行かれますか。
うら 
そうですね、もっと、何かこう、もっと学びたいです。技術面でもそうですし、もっとこういう風にしたほうが伝わるんじゃないかとか、常にやっていたくて。前は2年ほど、無隣館で勉強させていただいてたんですけど、別の違う分野でも学んでいきたいなと思っています。
__ 
今後も楽しみです。
うら 
ありがとうございます。

伊勢組みひものストラップ

__ 
今日はですね、お話しを伺えたお礼にプレゼントを持って参りました。
うら 
うわあ!ありがとうございます。見てもいいですか。
__ 
どうぞ。
うら 
あ、おかげ横丁。(開ける)
__ 
それは伊勢の組紐ですね。首からかけられるストラップになっています。
うら 
ありがとうございます。めちゃくちゃ嬉しいです。鍵とかよく失くすので。

酵素漂白剤「純愛」

__ 
今日はお話を伺いたお礼にプレゼントを持って参りました。
日髙 
そうなんですか。ええっ。何だろう。これは僕のために選んでくれたんですか。
__ 
はい。
日髙 
ありがとうございます(開ける)。これは・・・
__ 
酵素漂白剤です。
日髙 
すごい。「純愛」って書いてますよ。
__ 
今回ぴったりなんじゃないかなと思って。

京都での公演を終えて・・・木ノ下歌舞伎『心中天の網島ー2017リクリエーション版ー』5都市公演

__ 
今日はどうぞ、よろしくお願いいたします。「心中 天の網島」、本番お疲れ様でした。
日髙 
ありがとうございます。見に来て頂いて嬉しかったです!
__ 
素晴らしかったです。
日髙 
前回もそうだったんですが、京都に滞在して、しかもセットの上で稽古させていただいたので、ものすごく充実した製作になりました。ロームシアターさんの全面協力を頂き、すごくいいクリエーションができたと思います。
__ 
そして今、四都市公演の皮切りとなる京都での公演を終えて。どのような思いですか。
日髙 
単純ですが、ここから始まったという実感と、さらに作品が成長していく、という予感があります。
__ 
まずは、京都での上演を拝見できて非常によかったです。
日髙 
木ノ下歌舞伎は、京都で拝見すると格別の趣がするんですよね、やっぱり。この間の木ノ下歌舞伎さんが上演された「勧進帳」を春秋座で拝見したんですが、見終わった時の感覚にこれまでにないものがあって。
__ 
劇場を出た後に、何かが運ばれてくるような空気がある。
日髙 
そうなんです。
__ 
さて、これから4都市のツアー公演が始まりました。
日髙 
宮崎でも上演します。僕は宮崎出身なんですが、これで宮崎公演をするのは今年に入って3回目です。是非とも観てもらいたい作品でしたから嬉しいです。
__ 
京都の人間としてはそういうのも嬉しいですね。
日髙 
ロームシアターの方も、「この作品は京都で生まれた作品だから、各地で成長してまた戻ってきてほしい」と。芝居をやっていて嬉しいなと思うのは、色々なところで色々な人に見てもらって、それでまた戻れる、という。戻りたいなと思える舞台っていいですよね。
__ 
悲しい男女の話であり、たまらない感覚でした。悲しいと言えば悲しいけど、羨ましいというのはあるなあ、と。
日髙 
一線を越えられる人たちの羨ましさというのはありますよね。一線を越えたら死んじゃうんですけど。
FUKAIPRODUCE羽衣
2004年女優の深井順子により設立。 作・演出・音楽の糸井幸之介が生み出す唯一無二の「妙―ジカル」を上演するための団体。 妖艶かつ混沌とした詩的作品世界、韻を踏んだ歌詩と耳に残るメロディで髙い評価を得るオリジナル楽曲、圧倒的熱量を持って放射される演者のパフォーマンスが特徴。(公式サイトより)
心中天の網島ー2017リクリエーション版ー
天まで突き抜ける、
ふしだらでピュアな“愛”と“死”

作|近松門左衛門
監修・補綴|木ノ下裕一
演出・作詞・音楽|糸井幸之介[FUKAIPRODUCE羽衣]

出演|
日髙啓介 伊東茄那 伊東沙保 武谷公雄 西田夏奈子 澤田慎司 山内健司
木ノ下歌舞伎の旗揚げ10周年企画として、約2年にわたって5公演6演目を上演してきた「木ノ下“大”歌舞伎」。その最終公演は、近松門左衛門の最髙傑作と評される『心中天の網島―2017リクリエーション版―』の全国5都市ツアー。2015年に初演した同作が、ロームシアター京都のバックアップのもと、さらにパワーアップして帰ってきます。
だらしなくも憎めない紙屋の主人・治兵衛、天真爛漫な遊女・小春、治兵衛を献身的に支える妻・おさんが織りなす“愛”と“死”のドラマを、低迷する社会をエネルギッシュに生き抜く町人たちの群像音楽劇へと押しひろげるのは、演出・作詞の糸井幸之介。監修・補綴ほてつの木ノ下裕一と共に、近松原作の緻密なレトリックを熱く鋭く再構築します。
激しく燃える男女の愛、市井の人々のエネルギー、そして社会のリアルを浮かび上がらせるキノカブ版『心中天の網島』。すべての人の心に響く人生の哀歌・賛歌に、乞うご期待!

京都:2017/10/5(木)~9(月・祝) 会場:ロームシアター京都 ノースホール
三重:10/20(金)~22(日) 会場:三重県文化会館 小ホール
香川:10/28(土)~29(日) 会場:四国学院大学 ノトススタジオ
宮崎:11/1(水)~2(木) 会場:メディキット県民文化センター(宮崎県立芸術劇場)イベントホールbr /> 横浜:11/6(月)~18(土) 会場:横浜にぎわい座 のげシャーレ

愛、取り返しのつかない

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さて、「心中 天の網島」について。どういう物語かというと、悲しい男女の話ですね。どこにでもいる普通の男と遊女が取り返しのつかないほど深く惹かれ合い、周囲から責められ、やがて心中へと追い込まれてしまう。
日髙 
男女の愛、人間としての切なさ、色々な物が詰まっている作品だと思います。
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そういうお店に入ってしまう男性の、どうしようもない思いと言うか。
日髙 
そうですね、行き場のない男と、同じく自由のない女性。
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思うのは、心中って人類共通のテーマだよなあと。人間、心中モノを観たら心のどこかが確実に動くと思うんですよ。
日髙 
心中って心の中と書きますよね。何ででしょうね。
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ああ、「中」は「毒が中る」とも書けますよね。
日髙 
それが死因だったのかもしれませんね。
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その毒はいつ、どこで生まれたものなのか。いや、そもそも最初から備わっていたものなのか・・・作中最も印象的なのは最後の最後のシーン。治兵衛が小春を殺しにいくときに、小春の身体が逃げてしまい、治兵衛が「逃げんな」と叫ぶシーンでした。
日髙 
糸井くんの演出ですね。あんなに躊躇していたけど、タガを外さないと最後の一線を越えられないんですね。その最後の言葉が「逃げんな」というのが切ないですね。
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あれが毒だったとは言いませんが、とても醜く、美しい瞬間でした。そこに至るまでに世界各国、色々な時代の橋を二人して旅していたのに。いじましく、切ない二人でしたね。
日髙 
そうですね。

歌う二人の落とす影

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今回は木ノ下歌舞伎とFUKAIPRODUCE羽衣の、まさにコラボレーション作品、もしかしたら共作という形だったと言えるかもしれません。現在、日本でも最注目の劇団が交互にシーンを上演するかのような構成でした。
日髙 
木下さんが初めて糸井作品をご覧になったのが、それこそ、立誠小学校で上演した、ぐうたららばい『観光裸(かんこーら)』で、木下さんは糸井の作品と近松作品の共通点を見出したそうなんです。
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私も拝見しました。駆け落ち心中モノでしたね。
日髙 
疑似的な、ですね。その時から、いつか糸井を演出に迎えて作品を作りたいと思われていたそうです。
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良かったですね。
日髙 
本当にそうですね。天の網島の原作も義太夫の浄瑠璃だから、糸井くんの妙ジカルと微妙に合っていると僕は思っていて。
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最初の方の歌の途中、日髙さんが思いの丈を朗々と吠えた演出があったじゃないですか。「天満に年経る。千早ふる。」あれがたまらなかったですね。
日髙 
ありがとうございます。はい。
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羽衣の作品をこの五年くらい拝見していますが、もうずっと浮気と不倫がテーマで、主役である日髙さんがずっと幸福の絶頂で。でも今回の「天の網島」では何と!怒られましたね。
日髙 
(笑う)そうですね、怒られました。
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正論で。みんなが言いたかったことを。
日髙 
分かっているんです。本当に申し訳なくて。この文房具屋の店主風情にこんなに美人な奥さんがいて、それでも飽き足らず美人な小春と証文を何枚も作って。まあこんなしょうもないおっさん役者が毎回・・・皆さんの言いたい事は分かります。俺も分かってます。
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誰かが一石を投じても良かった・・・今回ようやく。
日髙 
はい。青年団の山内さん演じる五左衛門から怒られちった。
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各地の皆さんにはこれをご覧になって、是非とも胸の支えを取り除いてほしいですね。
日髙 
精算してほしいですね。
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親族の諫めを振り切り、心中の旅に出る、小春と治兵衛の二人旅。
日髙 
そうですね。見ていただきたいです。さっさと死ねよかもしれませんが。でもやっぱり、精一杯生きたんだと思うんです。裏もなく精一杯生きたからこそ立ち行かなくなる。
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貫き通さないといけない、譲る事が出来ないものを掛けて、ついに心中へとの道。死出の道、応援したらいいのか、はた引き返せと願うが人の道なのか。果たして最後はどうなるのかを観て頂きたいですね。

「その上」を歩いている

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細かい演出がまた非常に効果的で良かったです。板の間の下に消えていく、心中した二人の遺体、であるとか。
日髙 
そうですね。初演だと、セットの後ろの方で死んだのでそういう効果はそれほどでもなかったんですけど。今回は本当に、二人が地面に埋められたという絵が出来て、その上にまた新しい歴史が始まっていくみたいな。
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最後のシーン、おさんの意味ありげな沈黙があって。思わせぶりですね。
日髙 
史実では、おさんは出家したらしいです。だから、二人の間の子供である勘太郎と過ごした時間はほんのわずかだった。
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みんながみんな、誰かを愛そうとしただけなのに全員不幸になってしまった。
日髙 
華やかではなくちょっと衰退した元禄の時代を経て、そういう歴史を歯を食いしばって生きたうえに、俺らが平和に生きているというのをちょっと考えちゃいますね。
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これを書いた近松も含め、ですね。
日髙 
それを木下さんが補綴して、ただ伝承するのではなく、新しい掘り起こし方をしようとしているのが、我々のような芸能に生きる者にとってはすごいことだなと思います。
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強い使命感を感じますよね。