実験を繰り返す

__ 
今後、どんな感じで攻めていかれますか。
菊池 
あんまり、劇場で大規模に、という事ではなく、ちょっと実験しながら自分のやりたい事を探っていこうかなと思います。
__ 
私は菊池さんが色んなところに客演されるのは楽しみですけどね。
菊池 
ええ、呼んで頂けるのはありがたいので、呼んで頂けるならば色々と出演したいと思います。
__ 
ダンスがカッコいいというのはそれだけで素晴らしいと思います。
菊池 
ありがとうございます。

カズオ・イシグロの小説

__ 
今日はお話を伺えたお礼に、プレゼントを持って参りました。
菊池 
えー、ありがとうございます!めっちゃクリスマスって書いてあるじゃないですか。やった。(開ける)カズオ・イシグロ。
__ 
ノーベル賞受賞作ですね。
菊池 
ありがとうございます。めっちゃ嬉しいです。

うんなま ver11.「search and destroy」

__ 
うんなまのver11.「search and destroy」。どんな作品になりそうでしょうか。
繁澤 
実際、どんな作品にしようか悩んでいるところですね。以前ウイングフィールドでやった「ANCHOR」とある種近い作品になるんじゃないかなーと思いつつ。ストーリーもあるのかないのか、プロットと脚本は何回も何回も書き直しているし、こねくり回しすぎて変なものになってきています。あんまりよくないコメントですけど。
__ 
変な作品というのは、ご自身の基準で?
繁澤 
たぶん、他の人から見て、ですね。(演劇を)作るたびに思うんですが、なんでこんなものになるんだろうなあ、と。これが面白いだろうと思って作ってはいるんですけどね。僕、いろいろあって今年100本以上演劇公演を見させていただいてるんですが、僕の作品が完全なオンリーワンと言えるかどうかはともかく、なんか他の作品とは違う作り方をしてるんじゃないかなと言うのがあります。もちろんプロットは作ってるんですけど、緻密な物語を作るというのとは違うというか。
__ 
物語にはこだわっていない?
繁澤 
なんというか、戯曲の中で完結しないものを作ろうとしていて。今回の作品のランタイムは75分を予定しているんですが、その中でわかるものは氷山の一角。ちょっとの覗き穴から見ているだけのものになるんじゃないかなと思っています。もちろん演出という意味では、どこで攻めるか、どこでカタストロフィを持ってくるか、とかいう構成は考えて作ってはいますが、情報量としては、ほんの一部分しか書いていないと思います。僕の書く台詞はと言うと、全部説明台詞だったり、逆に全く説明していなかったり。とにかく、他の劇団さんとは結果違うというか、まあ違うものを作ろうという意固地な気概は無いんですけど、面白いと思うものを面白がって作ったら変なものができた、という感じです。
うんなま
「うんなま」は、大阪近辺を拠点として活動する劇団です。(2017年4月、「劇団うんこなまず」から団体名を改定。英語表記:un-nama)
 2010年3月、大阪大学劇団ちゃうかちゃわん内プロデュース団体として、バリバリのエンタメ公演を行いました。2011年10月と2012年1月に、現在の作演体制にて第2回公演、第3回公演を行いました。2013年1月、思い出したように第4回公演を行いました。以後、継続して活動し、現在は阪神間の学生劇団OB&OGにて運営しています。(公式サイトより)
うんなま ver11.「search and destroy」
<大阪公演>
【会場】
ウイングフィールド
【日時】
1月26日(金)19:00~
1月27日(土)11:00~、15:00~、19:00~
1月28日(日)13:00~、17:00~
ウイングフィールド提携公演
大阪市助成公演

<東京公演>
【会場】
花まる学習会王子小劇場
【日時】
2月17日(土)15:00~、19:00~
2月18日(日)11:00~、15:00~
TPAMフリンジ参加作品

【料金】
一般当日 3300円
一般前売 2800円
早割 2500円(大阪公演:~2017/12/31、東京公演:~2018/1/31)
25歳未満 2000円(当日、前売共に。要証明)
高校生以下 1000円(当日、前売共に。要証明)

【キャスト】
雀野ちゅん
司城大輔◇
繁澤邦明
藤原政彦
(以上、うんなま)

イトヲ
九鬼そねみ
(努力クラブ)
海月◆
笹暮とと◇
ことね
(箱庭計画)
neco.◆
(猟奇的ピンク)
平山ゆず子
宮本将吾◇

大石英史〇
佐々木ヤス子〇

◇…大阪公演は映像出演
◆…東京公演は映像出演
〇…映像出演

【スタッフ】
舞台監督 西野真梨子
舞台美術 久太郎(Anahaim Factory)
照明 山口星
音響 浅葉修(Chicks)
映像 鈴木径一郎(sputnik.)
映像操作 しきぶ(ポッキリくれよんズ)、永渕大河(演劇集団ゲロリスト)
宣伝美術 高田悠史
舞台写真 小嶋謙介
制作 藤原政彦(うんなま)
制作協力 尾崎商店
サポート 秋桜天丸(うんなま)
協力 うんなまフレンズ

旗揚げ

__ 
繁澤さんが作品を上演しなければならない理由、と聞かれたらどうお答えになりますか。
繁澤 
僕自身の、という事であれば、そうですね…僕は前職サラリーマンで、この夏から應典院で働き出して。人からは「いよいよ演劇宣言したんだね」みたいに言われることもあるんですね。でも、僕自身が上演しなければならない理由みたいなのを気負っているわけではなくて。気がついたらしちゃう、みたいな。
__ 
なるほど。
繁澤 
もともと僕は大学の学生劇団から演劇を始めたんですけど、就職した時には芝居を続けるものとは思っていなかったんですよ。配属が大阪のわりと近隣で、なまじっか演劇ができちゃった。就職したての時に学生劇団の先輩から客演の話を頂いて、いくつか客演の話が続いて、うんなまでも公演を打って。色々と大変なことはあったんですが、話を貰ったり縁が続いてやっているうちに、面白がってくれる人がちょっとずつちょっとずつ出てきて、おかげさまで続けられている、という感じです。

根っこのマインドと、出力

繁澤 
僕の表現欲求の根源って何だろうって考えると、結局は中学生ぐらいの時にハマった音楽、特に洋楽というかロック、パンクなんですね。こんなこと言ってもいいんだ、ていう。ギターの轟音とかシャウトとかノイズがあったり、ビートにのせて叫んだり。えも言われぬ、フラストレーションに対するエネルギーの発散に、14歳ぐらいの僕のモヤモヤみたいなのがものの見事に乗っかって気持ちよくなるみたいな。まあ、そのくらいの時期に聴く音楽はだいたいそんな感じだと思うんですけど。
__ 
ええ。
繁澤 
概念的にも出力的にも、僕は音楽がすごく好きなんだなってつくづく思うんですね。根っこの目指しているものは音楽の歌詞かもしれないです。曲に乗せるとなぜこんなに説得力を持つのか。力、共感、カッコいいなという気持ち。で、多分僕はそれをやりたいなと思うんですよ。音楽的な演劇、と言うとまた違うんですが、僕、よくできた物語にあまり興味がないのかもしれません、きっと。キャラクターがうまくできていて連携して、伏線を回収して・・・(単純に僕もそういう能力がないだけかもしれないんですが)ピンとこないんです。それよりも本当に、出来事としての時間を舞台上に作る事にすごく興味があります。だから台詞とか、本当に手段に過ぎない、ということを俳優に伝えます。気持ちが昂っている時は「台詞はゴミです」みたいな言い方もします。台詞の聞こえの良さは俳優に任せているところもあったりするので。僕自身、実は最近まで、自分の書いた台詞を読むのがすごく嫌だったんですよ。俳優をするっていう作業自体はすごく好きなんですけど。
__ 
なるほど。
繁澤 
はなから、舞台上で完結させる気持ちがないのかもしれません。帰結よりも、その瞬間の確かさを作りたい。どこかで聞いた言葉なんですが、よくできた物語の神になるよりも、一瞬一瞬の、どこか確かな時間をつくる霊媒師と言うか。偶然・まぐれ・自己満足という言い方も出来るかもしれませんが、自分がそういうところに面白みを感じている以上、他の人もきっと面白味を感じられるんじゃないかなと思っています。80分の芝居を作るんだったら、凄い10分を作れたらと思うんです。もちろん、80分全てを良いものにする努力はしますが。すごく大きな物から、何とかもぎ取った瞬間そのものを舞台上に載せたい。

「時間の構成」

__ 
繁澤さんは、構成に興味がない。
繁澤 
うーん、そう言われるとありますよ。ちょっと語弊のある言い方をしてしまったかもしれません。僕自身があまり集中力がないので、75分程度の作品にしているんですが、その時間をどう構成するかには興味があります。そんなに興味がないのは、物語の構成に対してですね。
__ 
物語の構成と時間の構成を同一視してしまう、まあそれは普通かもしれませんがね。
繁澤 
お芝居を見るときに物語ありきで見る人は多いですよね。きっと。という僕らも、物語ゼロの乱痴気芝居をやっている訳ではないので。でも、プチ物語の要素というべきもの、トラック、が異様に大量にある、みたいなことをやっています。DTMを始めたての人の練習ファイルみたいな事をやったりしているのかもしれません。やたら打ち込みが多い、みたいな。

純粋な検索は廃れてしまったのかもしれない

__ 
いま、どんな思いや、狙いがありますか。
繁澤 
そんなに僕らは共有しなくていいんじゃないのか、共有というのは素晴らしいことだけれども、という事が一つあります。狙いとしてあるのは、意味としての社会を、どう作品に結びつけるかということなのかな。僕の創作の要素の大半は、「私ってなんだろう」「なぜ生きるんだろう」という、誰もが必ず負う哲学的?問いに伴うフラストレーションと昇華への欲求なのかなって思っています。幼稚かもしれませんが。今作っている「search and destroy」の「search」はネット上における検索のことも指していてたりして、何と言うか、僕らが生きている中で根っこにあるインターネットだったりスマートフォンだったりでは、純粋な検索というのはもうおこなわれていない、て言われたりしますよね。過去の検索履歴による検索だったり、プッシュ通知で向こうからチカチカと光って知らせてくる。知りたくない情報というのが向こうから送られてくる。あまりにも僕らは情報に溢れすぎなんじゃないかな、僕らはそこまで共有をしなくていいんじゃないのか、と。
__ 
ええ。
繁澤 
ただ、自分が思った以上にやりたいことが多すぎて、とっちらかって、かえって静かな作品になるかもしれません。

ウェットなセリフについて

__ 
「ANCHOR」を拝見していて思ったことなんですが、繁澤さんは、人物に対して「孤独であれ」とか「独立しろ」「強くあれ」みたいに、突き放すようなメッセージを持っている作家なんじゃないかなと思ったんですよ。で、さきほど、「共有」について意識しているところがあるとおっしゃっていたので、まあそういう方向性があるのかなと。
繁澤 
そうですね…、外部向け企画書に「不安に対して強く緩やかに立ち向かう」ということは書きました。他人に対して独立せよと言う気持ち、あるのかもしれませんね。と言いつつ、言葉を選ばずに言うと、独立というか、そもそもあんまり興味ないのかもしれません。「なんだっていいじゃん」みたいな。僕らの作品も、人によってはすごくドライな作品だったという感想もあれば、ウェットだったという方もいて。でも基本的に僕の書く台詞はウェットなのかなって思っています。僕がその、人間に対して感じる魅力というのは、もしかしたら、幼少期に観たディズニーとかワーナーブラザーズのアニメの登場人物に対する思いと変わらないのかもしれない。ある種、甘ったるい、甘っちょろい希望というか。そういう意味では潔癖なのかもしれませんし、幼稚なのかもしれません。でも、「生」は肯定したい。

幕が降りて・・・

__ 
「生」を肯定できるか、ですか。まあそれは地獄さえ楽しめるかどうか、というところだと思うんですよね。まあ言うて地獄って結構楽しい設定にしてあるじゃないですか。あれ作った人はたぶん楽しかったと思うんですよね、構想してる時。特に何度も蘇ったりとか。多分人類史で初めて「リセット」という概念が生まれたんだと思うんですよ、地獄とともに。
繁澤 
ああ、確かにそうかもしれませんね。やっぱり現世をどう生き抜くかに尽きるというか、そういう発想にはなっていくかもしれませんね。あ、で、「独立せよ」でしたっけ。僕は、ある物語が完結した後の、エンディングで出てこなかった続きの積み重ねが人生だと思っている節がありますね。人生のエンディングってあくまで死だと思うんですが、いろんな物語の最後には「Fin.」ってつくじゃないですか。でも僕らの人生には「Fin.」はつかないんですよ。僕らの日常って終わらないじゃないですか。そこに対する疑問はあるかもしれないです。アフターエンドへのぼんやりとした不安があると思う。ぼくが人生をしんどいと思ってるんだったとしたら、「Fin.」出来ない事への反感はあるかもしれません。世の中の誰も彼もが良かれと思って仕事をしたりなんだりして生きてるけれども、みんながハッピーにはなれないんだろうな、その物悲しさに対してシャウトしようぜとりあえず、というのが僕の音楽だったのかもしれない。僕のそういうモヤモヤって、僕が死ぬまで終わらないんでしょうけどね。

確証

__ 
アフターエンドについてもう少し伺いたいと思います。終演した後の、宙に浮いた関係性みたいなことなのでしょうか。確証がないと言うか。
繁澤 
ハッピーエンドに終わろうが、最終的にバッドエンドにどうあがいてもなるのかもしれないと思っていて。重い病気になったり、別離したり。根源のフラストレーションには時間への不満があるのかもしれない。それが、ないものとして扱われるのが、時に嫌というか。時間が過ぎていって、そのままではいられない私たちへの不満や不安があるのかもしれません。ネガティブですが、このまま世の中はあまり良い方向には進んで行かないのかもしれない、いやきっとそうなんじゃないか、という不安。アフターエンディングの連なりの末にいるような気がしていて。

質問 うらじぬのさんから 繁澤 邦明さんへ

__ 
前回インタビューさせていただいた、劇団子供鉅人のうらじぬのさんから質問を頂いてきております。「芝居以外で何かやれ、と言われたら何を始めますか?」
繁澤 
音楽なんですけど、それもある意味芝居と同じですね。大学生の頃に戻れるなら、ワンダーフォーゲル部に入りたいですね。ヤングでピチピチな気持ちと身体で挑戦したかったです。
__ 
山ですか。
繁澤 
純粋にサークル選びの候補の一つだったんです。陶芸部も候補でした。単純にお金が掛かりそうだったからやめたんですけど。だいぶ前に六甲山に登ったんですが、やっぱり気持ちいいですね。海とか、山とか。

アンチテーゼ

撮影:小嶋謙介
__ 
これまでに繁澤さんが作られたシーンの中で、きっと誰にも真似できないであろうものを教えてください。
繁澤 
演劇って、読み物でもあり楽譜でもあり作業書でもある、という考えがあって。そういう意味では同じようにやったら誰にでも同じ事が出来ると信じているところがあるんですけど。でも、「ANCHOR」のラストシーンは好きでしたね。どの作品にも、これがあって良かったというぐらい好きなシーンはあるんですけど、これ以上のラストシーンは作れないんじゃないかと心配してるぐらい。
__ 
ああ、あれは良いラストでしたね。
繁澤 
あれも色んなモチーフがある作品なんですけど、あの作品を終わらせる上であのシーンは理屈が通っていると思いますし、舞台上で爆弾と定義されているスピーカーの音量が上がっていって、一瞬で音と照明が消えて、次に薄明かりの、昼ないし夜の薄明かりの中、何でもない時間が一分ぐらい経って、あれは他の世界から完全に独立している時間が作れたんじゃないかと思っています。演劇って、「現実」を「再構築」して「再出力」することなんじゃないかなって思ったりしているんですけど、あのラストシーンはその白眉というか、それまでの時間が報われる一分だったのかなと思います。演劇が舞台上に異世界を作ることができるのだとしたら、まさに、他の時空間と独立したものを作る事が出来たのかなと思います。
__ 
この言い方だと二次元的ですけど、それを切り取るという作業が出来た、という事ですね。
繁澤 
僕の中でエンディングとして切り取った、という事だったと思います。僕は、役者として舞台に出る時はものすごくのめり込んでしまうんですけど、舞台の本番ってそれ以外の事を気にしなくて良い時間だったりするじゃないですか。色んなルールはあれど、世の中の道理から解放されて独立した空間というか。
__ 
アフターエンドと、何か関係を見出すとしたら?
繁澤 
「ANCHOR」のラストはアフターエンドの不安から解放されているのかもしれません。あの瞬間が5時間とか100時間とか続くかもしれないし。本当に、舞台上で起こる事のピリオドが打てたんじゃないかなと思っています。あの作品はあれで終わるべきだったと思うし、あれが永遠に続くと、そう思いたいですね。
__ 
完結しないもの、氷山の一角を見せたいと最初におっしゃいましたが、観客がもしそういうものを観たら、「終わらない」という事を予知して、もしかしたら怖いと思ってしまうかもしれませんね。
繁澤 
終わることって、やっぱり優しい事だと思うんですよね。辛い仕事も提出すれば終わるとか、マラソンとかもそうだし。人生の最終的な救いって死ぬ事だとも言えるし。「search and destroy」でやりたいのは、こんなにフラストレイティングだけどまあボチボチ頑張ろう、というか。終わらないことへの肯定に何か出来ればいいなと思っているフシはありますね。ナイーブな、辛い苦しい作品にはならないと思うんですが、それをもっともっと前向きに、観る人にとってのアンチテーゼになる作品になればいいなと思います。アンチテーゼってテーゼに対して立ち上がってくるものですよね。より良いものになる為の踏み台、というか。「うんなま」という劇団名に変更して、生に対して「うん」というアンチテーゼになる、という理屈を主張してるんです。
__ 
私は今知りましたけどね。
繁澤 
僕も今初めて話しました。いや、さも最初からそれを狙っていたかのように人に会う度主張するようにしています。そうですね、ものすごく大きなものを一角しか見せないというのは創作者としては怠慢なのかもと思う部分もあるんですけど、このエネルギーを以て終われたらなと思っています。「ANCHOR」はビタっと終われたんですが、「search and destroy」はブワっとした推進力をユルく以て終われたらと思っています。抽象的な見方でしか作品を語れないのは僕の悪いところなんですけど。結局世の中ってあんまりうまくいかないし、フラストレイティングで最適解があるのかどうか分からない。みんながみんな幸せにはなれないし、自分も不安だと思ってしまいがちだけどしなやかにゆるやかに、「あなたとわたし」の繋がりとともに踊っていこうぜみたいな、健全な話にしたいと思ってます。
ver.10 ウイングカップ7 参加『ANCHOR』
公演時期:2016/11/4~6。会場:ウイングフィールド。

やりたい限り

__ 
今後、どんな感じで攻めていかれますか。
繁澤 
そうですね、12月に岸井大輔さんの戯曲を上演する機会があったり、1月2月に大阪、東京で出来たり、その次はアイホールで上演出来たり。とっちらかるかもしれませんが、表現欲はたぶんまだしばらく続くと思うんで、無理せず、やれる限り無理したいと思っています。

ラジコンヘリ

__ 
今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントを持って参りました。
繁澤 
ありがとうございます。あ、これは!小っちゃいころラジコンヘリが欲しかったんですよ。でもジャイロヘリを人に貸したっきり返ってこなかったので。ありがとうございます。これで、家で遊べます。ありがとうございます。普通に嬉しいです。ジャイロヘリも、いつか返ってきてほしいです。

ママママ②『二の次』

___ 
いま、何が見えていますか。
木之瀬 
作品はまだまだ作っている最中なのですが、今のところ布石を打っている感覚で、もっともっと広げていける予感があります。見たい場所があって、それをお客さんにどう見てもらうかということを、今考えあぐねているところです。それをちょっとずつ俳優に伝えていきながら稽古しています。
___ 
見たい場所とは。
木之瀬 
自分はどうやら、生命が生きたり死んだりというテーマに興味があるみたいで。そこですね。今回の作品以降も追及していきたいなと思っています。
ママママ
木之瀬雅貴が2016年に立ち上げたコント製作団体。《超コント的姿勢》をモットーに、世に存在するあらゆる事象や法則、感情をコントに転換するグループである。

木之瀬雅貴 Masaki Kinose

ママママ主宰。演出家。1993年鹿児島県生まれ。京都造形芸術大学 舞台芸術学科 第5期卒業生。
同学科在籍中に、コントユニット・Massachusettsを結成し構成・演出を担当、2度の単独ライブ(2013年『Nippon no hito』、2014年『バツグンのコントロール』)を上演。
また、演劇ユニット・MAWARUとして2014年に上演した『裸足で散歩』(作:ニール・サイモン、2014年度京都造形芸術大学舞台芸術学科卒業制作)では、同学科卒業展において市川猿之助特別賞を受賞。

2016年、自身が様々なコント作品を製作する場として、“ママママ”を立ち上げる。

2016年3月 第1回公演『祝祝祝祝』 (公式サイトより)
ママママ②『二の次』
スーパーコントプログレッション《超コント的躍進》ママママ②『二の次』

CAST
小川晶弘(気持ちのいいチョップ/ヲサガリ)
西村貴治
森直毅(劇団マルカイテ)

日時
2017年11月
16日(木)19:30☆
17日(金)19:30
18日(土)11:00/15:00/19:30☆
19日(日)11:00/15:00☆
20日(月)11:00
☆=アフタートークの開催

☆アフタートークゲスト
16日(木) 大原渉平さん(劇団しようよ)
※16日の回のみ終演の約1時間後より
WEB上にてアフタートークを行います。

18日(土) あごうさとしさん(劇作家・演出家)

19(日) 92年度生まれ俳優
小川晶弘、木之瀬雅貴 ほか

※受付開始、開場は開演の30分前。
※未就学児のご入場はご遠慮ください。
※車椅子でご来場の場合、事前にご連絡ください。
※演出の都合上、開演後のご入場を制限させていただく場合がございます。
※上演時間は約90分を予定しております。

会場
studio seedbox
京都市南区東九条南山王町6-3
https://studio-seedbox.jimdo.com/

STAFF
作:志村耕太朗
演出:木之瀬雅貴
舞台監督:椛島睦未
照明:吉津果美
音響:辻村実央
衣裳:松崎雛乃
宣伝美術:平嶋恵璃香

前売料金(全席自由)
一般 2,500円
U-25割引 2,000円
高校生以下割引 500円(要学生証)
※当日300円増

取扱
カルテットオンライン
https://www.quartet-online.net/ticket/ninotsugi

___ 
今回の武器は。
木之瀬 
それはもう、この俳優3人に尽きます。キャスティングの時点で勝ちだと思っているところがあって、完全に信頼できるんです。その彼らに何をさせるかというところで、僕が彼らを攻撃していかないと・・・彼らの攻撃を誘発するために。キャスティングで勝っている上に劇場も新しいところで上演できますので、そこに乗せるものをいま作っています。
___ 
劇場に来られるお客さんに求めるテンションは。
木之瀬 
全然、コントを見に来るんだというラフな気持ちで。ちょっと小難しいものを見に来てしまうんじゃないかと言う恐れはあるんですよ。だから稽古場の映像を公開しているんですけど。あまり構えずに見ていただきたいなと思います。その上で虚を突きたい。
___ 
今作のキーワードは。
木之瀬 
「ネクスト」。
___ 
ネクスト!
木之瀬 
タイトルの「二の次」=何かより劣っている、後である、ということもありますが、「次」という概念が僕の中でポイントになっています。
___ 
笑いの開拓者精神ですね。
木之瀬 
あんまりそういうことは考えていないんですが、笑う事が何かについて考える手がかりになるということが、僕にとっては主題なので。笑いに喧嘩を売るつもりは全くないです。

___ 
意気込みを教えてください。
木之瀬 
いやもう、今京都で集める最強の布陣を手に入れたし、新しい劇場で、新しいムーブメントを起こしうるになると思っています。
___ 
ありがとうございます。

___ 
ではまず、西村貴治さんのご紹介をお願いできますか。
小川  
え、本人を前にして?
木之瀬 
はい、キャスティングの段階では、若い二人が先に決まっていて。
西村  
若いって言っちゃったよ。
木之瀬 
まあまあ、ごまかしてもアレでしょ。同じ世代の二人が決まっていて、出演者二人でもいいかな、と迷っていたんです。(前回が六人だったので)今回はミニマルな感じにしてもいいかなと思っていたんですが、やっぱり、自分の殻を打ち破りたいという感覚があって。同世代の人とやることが多かったんですが。それを崩すために、おじさんにするか女性にするか考えていました。それでおじさんを探していたんですがなかなかピンとくる人が来なくて。二周ぐらいして西村さんかもな、と。僕も、年齢が上の方とやったことがないぶん、何を基準にしていいのかわからないというところもあって。でも、知り合いのツテがあったらやりやすいというところもあるのかなと。で、胸を借りる、という感覚になった瞬間、西村さんに決めました。
西村  
だいたいどこの現場でもそういう立ち位置を求められることは多くて。自分も若いつもりになって、胸を借りて楽しませてもらってるな、というか。
木之瀬 
おじさんおじさん言ってましたけど、すごくフラットな位置にいてくださるので、とてもやりやすいです。
___ 
意気込みを教えてください。
西村  
自分が出来る演技のスタイルというのは分かっているつもりなんですよ。世代の離れた若い人たちと一緒に作った時にこそ何かしらの化学反応が産まれるとしたら、そういう領域に挑戦したいなと思っています。コント公演というのはやったことがなくて、笑いに対しての感覚も持っていなかった。だから僕にできるのは普通にお芝居をすること。お客さんがそれをご覧になって面白いと思ってくださるんであれば、それをみんなで作ればいいのかなと思います。
___ 
今回特に見て頂きたいシーンはありますか。
西村  
セリフとセリフとの行間や、その場で笑ったギャグを家に帰って思い出して、新しい考えの手がかりになるような、そんなことができればいいんじゃないですか。そこが見所です。

___ 
それでは次に、森さんの取扱説明書を伺ってもよろしいでしょうか。
木之瀬 
取扱説明書(笑う)確かにもう一つ、扱い方がいまいちわからない人なんですよ。悪い意味じゃないですけど。
___ 
ものすごく、レスポンスを返してくる感じはありますよね。
木之瀬 
僕の想像を超えてくるんですよね。でも、この人の操縦桿がどこにあるのかがまだわからない。そこを探すための賭けをしていますね。
___ 
勝機は見えていますか?
木之瀬 
ここに居てくれている時点で、僕にとっては勝ちです。この3人のバランスで立ち上がる世界がどうなるか、その塩梅が鍵だと思っています。その中で彼の持ち味を引き出せるかどうかは本番までには分かる手はずになっています。
___ 
その賭けに乗りたいですね。
木之瀬 
いえいえ、そんなの申し訳ないです。でもどうですか、この3人、バランス取れてると思います?
___ 
いやあ、取れてますよ。ああ、この3人が来たか!と。
木之瀬 
まさしく役者揃いですよ。
森   
今回偉大な先輩達と一緒に舞台に立てるという事と、木之瀬さんと作品を作ることになって。小川さんの事は同じ学生劇団の後輩から聞いてたし、西村さんは市毛が共演していたし。
___ 
稽古場は楽しいですか。
森   
楽しいです。お三方の背中を見つつ。自分ができることを増やしていきたいと思っています。演出の人に全てを決められるのは嫌なんですよ。自分でやっていきたいので。そういう現場にしてくださってるので、やりやすいです。
___ 
意気込みを教えてください。
森   
負けないように頑張りつつ、自分も楽しめたらいいなと思っています。頑張ります。

___ 
最後は小川さん。木之瀬さんと小川さんの因縁と、今回の作品にかけるそれぞれの思い、そして物語、二人の間に流れている深い河について。
森   
因縁なんてあるんですか。
小川  
ないない。
木之瀬 
小川をね。
森   
餃子食べながら。
___ 
味の説明をしていただきながらでも大丈夫です。
木之瀬 
(笑う)小川君は同い年なんですよ。92年度の生まれで。他の歳の人がどうなのか分かりませんが、結構僕は同い年の人たちのことを気にしていて。
小川  
そうなんですよ。92年生まれは、まだ京都で演劇してる同世代が意外に多くて。
木之瀬 
一応、今回アフタートークで、92年度会を企画していて。ちょっとサプライズでいろんな人を呼ぼうかなと思っています。同い年ということで当然意識はしています。初めて会ったのが2016年の5月のハイタウン外伝ネオで。僕はMassachusetts、小川君は気持ちのいいチョップで横山さんと出演していて、その後のプチ打ち上げで初めて喋ったんです。
小川  
僕も木之瀬くんの名前は知っていたんですが、喋るのは初めてでした。
木之瀬 
その時は軽い社交辞令で「いつか一緒に何かやりたいですね」と言っていたんですけど、ブルーエゴナクに出てる姿を見て、芝居をするとこういう人なのか、と。ハイタウン外伝での気持ちのいいチョップは僕らと同じく変化球で勝負していたから・・・でも、同い年と何かをやってみたいというのは昔からあったんです。92年度生まれ同窓会で。で、現場に入ってみて分かった事なんですが、彼も自分で演出する立場だから、人の演出を受ける時に考えてしまうみたいなんですね。僕もよくわかるんですが。それは、うまいこと助けあいつつ、やりたいなと思っているところです。
___ 
ナインティセカンズの一人。
小川  
(呼び方)カッコいい!
___ 
そうなんですよ。京都の演劇人の当たり年には昭和49年生まれのフォーティーナイナーズ、昭和56年生まれのフィフティシックスズが存在しています。
西村  
あ、僕もフォーティーナイナーズだ。
小川  
仲間入りですね!
木之瀬 
だから今回、ナインティセカンズとフォーティーナイナーズの夢の共演ですよ。
___ 
木之瀬さんに会った時の第一印象は。
小川  
名前と顔はよく知っていて、すごいやつだという噂は知ってたんですよ。身長は小さいんですが顔が整っていてシュッとしていて。コントの団体をしているということもあり、さぞ、笑いにこだわりのある人だと思っていて。
木之瀬 
ホンマか。
小川  
でも最初に喋った時に、思ったよりも思慮深い、根暗な部分があるという事が分かって。強くは見えるけれども弱い部分もある事に親近感が湧いて。その後も稽古を重ね、彼のウェットな部分だったりとかが垣間見えて興味深いなと。まだ僕らにも分からないところはありますが、出来上がった作品が楽しみです。
___ 
意気込みを教えてください。
小川  
演出も俳優も男だけで、なかなかこんな現場はなかったんですよ。年齢は違えど、青春感がすごくあります。
木之瀬 
確かにそれはちょっとあるかもしれない。
小川  
本番でも、そういう部分が出ればいいなと思っています。悪ノリではなく。稽古場でもそんな感じで進んで行けばいいなと思っています。