「それ」らしく言うこと、そして

__ 
大事なのは利益を出すこと。それに気づいてから何が変わりましたか?
葛川 
あんまり良い言い方じゃないんですけど、嘘がつけるようになりました。
__ 
ああ、良い言い方じゃないですね。
葛川 
実際は嘘じゃないんですけどね。「それらしく言う」ことについてすごく抵抗があったんですけど。これは、庭劇団ペニノの製作で仙台の企画に携わった時、あんまりで演劇に触れてこなかった人にたまたまエキストラで出ていただいたんですね。その方に「演劇ってやっぱり良いよね」「みんなで一つの作品を作るって良いよね」と言われた時、私はあんまり、うんと言えなくて。
__ 
ああ。
葛川 
「いいでしょ演劇」って、大人の先輩みたいに言えなかったんです。良さを訴えれるみたいな。嘘じゃないけど、「良く言う」ことが得意ではなくて。でもそれはやらないといけないということに気付いて。その原因とも向き合ったり。書類を書く時とかに、ここまでは書くべきだ、でもそこまでは書かなくてよい、とか。なんとなく自分で納得のできるラインがわかってきました。上手な言い方を考えて、わかりやすく、できるだけシンプルにしてキャッチーにして、出資してくださるかもしれない方に届けるというのが私の役割なのかな、と。
__ 
もちろんそういう悩みはあると思います。出資側にとってピタリと来るものとはなにか、なんて中々分からないですからね。でも、そのポイントは必ずあって、自分たちの中にある「それ」を探りあてて戦略を考えて表現する、という努力は絶対に叶うと思いますよ。
葛川 
そこに対して受け止められるようにはなったと思います。演出過多な文章でも、この枠組で・その目的で書かないといけないのならそうする。でも、これを読む人の目に演劇という言葉が入るというのが「してやったり」という所があります。コンサルタントとか、中小企業診断士とか、社長さんとか銀行員とか。採用できないけれども、何かを思って貰えれば。サブリミナルじゃないですけど、言葉が入っていけばいいなと思っています。学術的な裏付けがあればもっと良いですね。

暇になること

__ 
葛川さんの最近のテーマを教えてください。
葛川 
決めないこと。暇になること。
__ 
え。
葛川 
自分を暇にする事です。何か、積み重ねとか先の見通しとか、あった方が良いんですけど、なくてもいいやと思えてきて。来たもの・機会飛び付けるように準備をする。暇にすると言うのも、この半年で完全にテーマになりました。会社的にもそれは重要で、私が忙しいと何も出来なくなるんですね。「この話がしたいんですけど、いつ時間が取れますか?」「このシンポジウムに来られますか?」みたいな話が急に来たとして、フットワークを軽くできるには暇とお金が必要で(お金はまだないんですけど)とにかくスケジュールを空けるということを意識しています。
__ 
それはとても重要ですよね。暇にする、か。
葛川 
仕事と現場をパツパツに入れてしまうと、動けなくなる。あと、自分の職業を決めないということも意識し始めました。「何したいの?」と言われ続けても良いじゃないか、と。舞台監督としてのスケジュールがパンパンに詰まっていてもいいんですけど、それは私には無理そうだな、と。時間に対しての決裁権を持っているということに自覚的でないと、休みの日に寝て過ごす、みたいな事になる。死ぬまでに読める本は限られているし、やりたくないことをやっている時間はないんですよね。

質問 遠藤 僚之介さんから 葛川 友理/稲荷さんへ

__ 
前回インタビューさせていただいた、遠藤僚之介さんから質問を頂いて来ております。「自分にとっての避難場所、はどこですか?」
葛川 
避難場所…。難しいですね。お風呂でしょうか。お湯につかってだらだら本を読むと余計なこと忘れられるので。

いままで

__ 
自分を変えた舞台。何かありますか?
葛川 
たぶんいくつかあって。TeamNACSの「LOOSER」。当時私は普通に大学に行こうと思ってたんですよ。演劇は高校で終わりにしようと思っていたんですけど、それを観て、映像の専門学校に入学しました。専門学校時代にG2プロデュースの「ツグノフの森」という作品を見て。ああ、これが私のやりたかった作品だ、これだったんだと思って。私は演出家になる可能性はあるけれども、作家になることはないんだなと思ったんです。それと、劇団ZTONのリバイバルラッシュの3作品にアンサンブルで出演することになって。それで京都に来ました。それから十中連合に出たり、そこから舞台監督をやるようになって。
__ 
今後、どんな感じで攻めて行かれますか?
葛川 
きちんと学生すること。大学で単位を取るのって難しいですよね。ちゃんと勉強しないと。大学以外だと、今までにもまして私が何者であるかを決めないこと。舞台監督もやるし、演出もやるし、役者もやるし。基本的には舞台監督が稼ぎ頭ではあるんですけど、全部やれるのが私の強みなんだということがわかってきて。久しぶりに役者をやってみて、結構今までは手を抜いていた部分を自覚したんです。「舞台監督だし」みたいな。そういう言い訳を減らして、もう少し、丁寧に、けれど色々な所に手を出して。多方面に広がっていくようであればいいと思っています。

バスルームとWCのドアプレート

__ 
今日はですね、頂いたお礼にプレゼントを持って参りました。
葛川 
ありがとうございます。開けても良いでしょうか。
__ 
どうぞ。
葛川 
(開ける)え、何ですか。え、なぜこれを・・・。貼りますね。可愛い。

夏の夜

__ 
今日はどうぞよろしくお願いします。最近、遠藤さんはどんな感じでしょうか。
遠藤 
最近は色々と環境が変わって、若干気持ち的にバタバタしています。
__ 
ところで最近、とても暑いですね。どう過ごしていますか?
遠藤 
最近やっと扇風機を出しました。ハイベッドに寝ていて、高いところで寝ているから暑いんですよ。部屋の熱気が全部僕のところに来るので、暑くて。
__ 
そうするしかないですよね。寝苦しいですか?
遠藤 
寝苦しかったです。
__ 
扇風機に当たりすぎて死なないように気をつけてくださいね。
遠藤 
え、何ですかそれは。
__ 
そういう迷信が韓国ではあるらしいんですよ。
遠藤 
へぇ。

花のような

__ 
遠藤さんが先日、FOuR Dancers vol.69で上演した作品がとても良かったんですよ。今日は是非、あの作品についてお話が出来たら、と思っています。まずあの作品をどう呼んで良いのか分からないんですが・・・
遠藤 
ありがとうございます。タイトルはまだつけられていなくて。今回はどちらかというと「実験」みたいな作品なんです。
__ 
私が拝見したのは、体を黒く塗った男が客席の後ろから出てきて、ゆっくりとした動きで体をもたげながら舞台へと降りていくという光景でした。踊りなのか、そもそも人間なのかどうかわからないし、もちろん感情があるかどうかも分からない。でもその存在がなんだかちょっと簡単には手の触れられないもののような気がしていました。聖なる何某か、なのか?淡々と舞台の方に近づき、その舞台の方には煌々とした明かりが放射されていて、その手前で黒い者が体を揺らしたりしていたんです。これも本当にゆっくりと。回転したり、そして花が咲くような変容を見せたんです。その存在の中だけで濾過されていくものを感じさせていました。例えるなら花のような存在。普通は人間界には姿を現さないようなものがいま眼前に現れ出ている。
遠藤 
ありがとうございます。そう見て下さったんですね。
FOuR Dancers vol.69
公演時期:2017年6月1日。会場:UrBANGUILD。

色々な「問う」

__ 
まず伺いたいんですが、あの作品はどの様な成立があったのでしょうか。
遠藤 
まずアイデアとして、光の演出が先にあったんですよ。あの照明をまずは使った上でどうやって自分の肉体を使ったダンスに昇華するか。ですので、さっきおっしゃっていただいたようなダンスは後から出来たものなんですけど、とはいえ、もともと僕の体にあったものが出てきているんだと思います。本質と言うか、普段やっていることの積み重ねというか。
__ 
それはまさに、実験から静かに炙り出されたご自身の本質。そういう精神があったからなのか、なんだか批評したい気分にかられたんですよ。
遠藤 
以前FoURDANCERSに出演したのは益田さちさんが振り付けた作品で、それは益田さんの思いが現れたものだったのだと思うんです。それを表現するためにはどうすれば良いか、というクリエイションでした。今回は実験というスタンスでしたが、思いがけず自分自身の事が出てきた作品になったかもしれません。思い返せば自分自身というものが何で構成されているのか、このところのテーマだったので。裸になるのも、自分を他者の目の前にさらけ出すことによって他の人達には自分がどう見えるのかを問いたかったんです。

会話はスパゲッティのようにもつれる

__ 
全編、止まる所はあんまり無いのに、何故か静けさのようなものを感じていたということは、つまり私は、遠藤さんの中に「動かなさ」を見出しているのかもしれない。
遠藤 
「動かなさ」。
__ 
ネガティブな意味ではないですが、「遅さ」という属性なのかもしれません。
遠藤 
周りとの時間の差がある、ということなのかもしれません。作品を見ているお客さんの時間と、僕の中の時間の食い違いがあったからこそ、そういうことになったのかもしれません。正直、「みんな焦りすぎやろ」、みたいなことは思っています。「なんでそんなに焦んの」って。
__ 
アインシュタインの相対性理論みたいですね。その一方で、量子論における量子もつれの様な現象もありますよね。
遠藤 
ペアの量子の片っぽに変化があったら、量子間の距離に関わらず、もう片方にも同時に変化があるという。
__ 
この間そういう動画を見たんですよ。この世はすべて仮想現実であるとか。きっとタネはあると思うんですけどね。
遠藤 
あくまでまだ、僕たちの常識が至っていないと言うだけで、現象の全てを言葉で説明できないとあかんのかなー、と思いますけどね。そのままそういうものとして受け入れることはできないのかなー、と。いつも簡単な数式で全てを捨象すべきだと思っているようなんですが、そこに違和感があって。それはゴールじゃないんじゃないかなと。人間の頭では理解の及ばない宇宙がある、という発想はないのかなと。
__ 
科学者としては解き明かさないといけない使命感はあると思います。自然に対し、理屈を説明したがるんですね。「超自然的な存在」という割り切り方が我慢できないのかもしれない。ただ、芸術をやっている人間からすれば、そういう割り切り方や定義をしてでも向こう側に行きたいんですよ。少なくとも私はそうです。解き明かせないけれども、文系の究極の一つはそこだ。
遠藤 
芸術は科学のように厳密なルールなどは一旦忘れて、あるアイデアをたったいま思いついたみたいな形でポンと投げかけると、案外本質に近いところに当たったりして。そういうところが面白い。
__ 
そこに至るまでの道筋は楽じゃないですけどね。ちょっと話を寄せますけど、その「ポンと出たのがウケた」って面白い現象ですよね。作り手と受け手のバイオリズムが一致した瞬間なんですよ。だが何と、一気に何百人の観客と噛み合う瞬間がある。頑張れば究明出来るかもしれませんが、やっぱり、超自然的な存在がいるような気がしてきますよね。
遠藤 
バタフライ理論というのか、どこか知らない場所で起こった事件が今の僕らに影響を与えているのかもしれない。あまり詳しくないんですが、そういう理解で合ってますか?
__ 
多分大丈夫です。事象A⇒事象Bという流れがあって、要するに重要なのは間の「⇒」がただただ正当である、という事だけです。大皿のショートパスタのように山積しているからカオティックに見えるだけだと思いますよ。
遠藤 
普段の生活の中で、結構「縁」の様なものを感じながら生きているんですよね。ちょっと宗教っぽくなっちゃいますけど、大きな波の上で生かされているのかもしれない、そういう風に考えることがあるんです。だから、どんな波が来てもこの身体に受け容れて乗れるように普段から準備はしているつもりなんです。なるべくシンプルにして、自分を空っぽにして。こないだの作品で言ったら、あるひとつのアイデアの上に自分がどう乗れるか、そこから果たして何が見えてくるかを検証してみたかったんだと思います。

分断と最終的な合一、そして、侵略者

遠藤 
作り方としては逆算だったんですよ。当初頭の中にあったのは、トルソーに見立てた自分の体が機材のライトに照らされている、というのを最後に見せたくて。そうすると、光の部分と影の部分で自分の体を分割することができるなあ、と思って。そこから色を塗って見ようと思って。すると、光が当たっていない時でも光に照らされている体を引き継げるわけですよ。時間軸的に行ったら逆で、白い身体で黒い顔なので。でも最後に、ライトが到着して、そういうことか、と思って貰えれば。
__ 
分断性と、最終的な合一。
遠藤 
照明や自分の身体や音など、作品を構成する要素をバラバラに見せていく。何らかの意味は僕の身体が持っている。
__ 
トルソー。無生物が分断され、明かりによって同一性を得る。
遠藤 
ちょっと話は戻るんですけど、「植物に見えた」という感想は、自分のある部分が立ち現れたという事かもしれなくて。植物って、自己主張や自我の無さを宿命的に持っていると思っていて。花瓶にさせばインテリアになるし。首を切ったところであまり可哀想だと思わないのは、そこに自我を感じさせないから。
__ 
まあ人間はそう思わないですね。人によりますが。
遠藤 
植物の立ち姿というものは、自分の理想と言うか、目標としているものに少し近いのかなと思っていて。見る人がエネルギーを勝手に感じ取る存在。空っぽなんですけどエネルギーに満ちている。そういう状態が素敵だなと思っていて。動物は多分、自分の中にエネルギーを持って発信していっているイメージで(すごく主観的ですけど)、植物は環境のエネルギーで生きているイメージです。自分の体もそういう風に持っていきたい、と思っています。あくまで動物である僕がそれを目指すというのは難しいことなのかもしれませんが。
__ 
攻撃性のある植物もありますけどね。毒キノコとか。しかも、一見は危険そうに見えない種もあるし。しかし有毒無毒関係なく、植物がずっと受け身の存在であるかというとそれだけではなくて、彼らは地歩侵略を旨としている。私の部屋のベランダも、なんか柵の外から植物がじわじわ侵入しようとしてきてて。
遠藤 
ああ・・・
__ 
あいつらは言っても聞かないじゃないですか。
遠藤 
動物とかだったらシッシッてすれば逃げますからね。
__ 
静かで、居座るように存在していて、なにより意思が通じない。
遠藤 
脅威ですよね。しばらく経ったらいなくなる、みたいなこともない。生きてる時間軸が違うのかなと思いますよね。
__ 
環境と合一して攻めてくる、意思のないもの。

木村玲奈振付作品「どこかで生まれて、どこかで暮らす。」

__ 
そして今年の秋に、木村玲奈さんの作品に出るんですよね。
遠藤 
個人的には今年の大きな山の一つだなぁと思っていて。この作品には立ち姿というものが必要とされているなと感じていて、ただちょっと、さっき言った波に乗るための準備というのをしすぎて、いま自分の立ち姿を見失っている所が逆にあって。そういう意味で自分を見つける作業を新たにさせてもらっているという感じなんですよ。玲奈さんの作品は秋に香港で上演する予定で、今年一年はそういう事をしないといけない年なのかなと思ってます。作品自体は既に何回か上演されてる作品で、メンバー変更に伴う調整をしています。元々の作品は3人だったんですけど、どうしても都合のつかない方がいて、新メンバーを入れるなら、いっそ4人がメインで踊る作品に新しくしようと言うことになったそうです。
__ 
ちょっと見に行けるかどうかわからないですが・・・頑張ってくださいね。

差異から

__ 
ダンスを始めたのはいつからですか?
遠藤 
ちゃんと始めたのは、大学を卒業してからです。たぶん4年前ぐらいからです。
__ 
ご自身にとって、ダンスのかえがたい部分とはどこですか?
遠藤 
自分の体を使う、ということですね。踊るときに結局出てくるのは自分の体であったり感覚であったり。それがダンスをしていく上で揺るがないものなのだと思っています。
__ 
最近のテーマは、さっきおっしゃっていたようなことですね。
遠藤 
自分を知りたい。ちょっとクサいですね。
__ 
今回はそれの超実践的バージョンですね。以前のテーマは何でしたか?
遠藤 
今取り組んでいるのは小テーマで、もともとの大テーマは「他人が見てる世界」というのに興味があって。人にはそれぞれ違う身体があって、その身体の持つ感覚を通して見た世界ってきっとそれぞれ違うと思うんですよ。
__ 
他人に乗り移らないとわからないですよね。
遠藤 
そう。ですので結構、人の作品で踊るのが好きなんですよ。視覚障碍を持った人と最近はずっと働いてるんですけど、目が見えない人の世界も興味深いですね。同じ時間、同じ場所に存在してるのに、僕たちと全く違う世界。というか、障碍という分かりやすい形で無くても、体型とか小さな差異によっても世界の見え方は全然違う。僕は割と筋肉質で、例えば走っている車の上を飛び越えられるんじゃないかと妄想したりするんですけど、そうでない人はそういう感覚は持てないから、見えてる世界に対して感じている空間の広がりが全然変わって来る。それに伴う発想や思考回路とかも全然変わって来る。今はそこへのアプローチはおいといてる感じですけど。
__ 
他人の感覚を理解するのに興味がある。
遠藤 
子供の頃は断れない性格で、クラスにいた障碍のある子の面倒を見てあげてね、友達になってあげてね、と先生に頼まれたりしてたんですよ。そこで身体的に明らかに違う子らと接する中で、面白いなと思ったり、逆にネガティブな感情を持ったこともあったり。
__ 
「違い」への意識が育ったんですね。

質問 藤原 美加さんから 遠藤 僚之介さんへ

__ 
前々回インタビューさせて頂いた藤原美加さんから質問を頂いてきております。「その人の体で一番見るところはどこですか?」
遠藤 
バランス感を見ています。絵を描いていたからかもしれませんけど、その人の立体感みたいなものとかを意識しています。やっぱり、ゴリっとした存在感みたいなものに惹かれます。

質問 久保内 啓朗さんから 遠藤 僚之介さんへ

__ 
前回インタビューさせていただいた、劇団ZTONの久保内 啓朗さんから質問を頂いております。「体を使って何かを表現しようとする時、何を意識していますか?」というのは、ZTONもオープニングパフォーマンスで踊ったりするんですよ。そこで体の動かし方とか悩んでいるところもあるらしくて。
遠藤 
体の奥の筋肉とか内臓を意識しています。表面だけではなくて。そこを中心に動かしていて、あとはおまけみたいな。体のうねりの中に踊りの動きが入っていたら大きく見えたりします。

踊る

__ 
今後どんな感じで攻めて行かれますか?
遠藤 
得た仕事を誠実に踊るだけです。

キャストパズル

__ 
今日はですね、お話を伺えましたお礼にプレゼントを持って参りました。
遠藤 
あら。ありがとうございます。開けて良いですか?
__ 
どうぞ。
遠藤 
あ、Book1stの。(開ける)おー、知恵の輪ですか。難しそう・・・!
__ 
大分難しそうだという印象を受けますね。
遠藤 
レベル的には中なんですね。6段階中3。でもいいですね、好きなデザインです。

劇団ZTON 10th Anniversary 2nd「天狼ノ星」

___ 
今日はどうぞ、よろしくお願いします。最近、久保内さんはどんな感じでしょうか。
久保内 
よろしくお願いします。最近はもう、ずっと天狼ノ星の稽古をやらせてもらっています。
___ 
ありがとうございます。「天狼ノ星」、もう7月末に迫ってきましたね。私はこの作品が好きで好きでしょうがないんですよ。DVDをおそらく60回は再生しました。
久保内 
実は僕は初演を観ていなくて。僕がZTONを知る直前だったので、DVDをちらっと観た事があるくらいです。
___ 
ああ、全てはご覧になっていない?
久保内 
これまで、ZTONの過去作品の再演に出演させてもらう事は何度かあったんですが、過去映像はあえて見ないようにしています。やっぱり、引っ張られてしまわないように、新鮮な気持ちで臨みたいというのもありまして。
___ 
素晴らしい。
久保内 
人によるとは思うんですけどね、初演のものを踏まえて自分の仕事を膨らませるべきだという方もいらっしゃいますし。ただ僕は影響されやすい人間なので、ちょっと自重したところがあります。
劇団ZTON
2006年11月立命館大学在学中の河瀬仁誌を中心に結成。和を主軸としたエンターテイメント性の高い作品を展開し、殺陣・ダンスなどのエネルギッシュな身体表現、歴史と現代を折衷させる斬新な発想と構成により独自の世界観を劇場に作りあげ、新たなスタイルの「活劇」を提供している。(公式サイトより)
劇団ZTON 10th Anniversary 2nd「天狼ノ星」
10周年記念公演第2弾、
「天狼ノ星」再演決定!!
【日程】
 2017年7月29日(土)~31日(月)
  7月29日(土)14時開演【天の章】
  7月29日(土)☆◆18時開演【地の章】
  7月30日(日)13時開演【天の章】
  7月30日(日)☆◆17時開演【地の章】
  7月31日(月)12時開演【天の章】
  7月31日(月)◆16時開演【地の章】
  ※開場は30分前です。
◆印のステージは終演後にお客様のお見送りをいたします。
☆印のステージは終演後にアフターイベントを行ないます。
《7月29日(土)18時回》…ゲーム&トークイベント
 キャスト同士の真剣勝負!!
 作品中のゲームをキャストが実際にプレイする「チャトランガ」大戦争!!
 ▼対戦メンバー
 オオカミ軍:チェサン、平宅 亮、月乃はる、門石藤矢
 オロチ軍:難波優華、小出太一、今池由佳、久保内啓朗
 シャチ軍:レストランまさひろ、横濱康平、前田郁恵、為房大輔
 タカ&マシラ軍:尾崎秀明、大塚洋太、岡田由紀、出田英人
 【実況解説:高瀬川すてら、図書菅】
 アフタートークではZTON団員が「天狼ノ星」について赤裸々に語ります!
《7月30日(日)17時回》…シーン再現&撮影会イベント
 関西最速殺陣をカメラに収めるチャンス!?
 劇団ZTON恒例・劇中シーンの完全(?)再現撮影会!!
 いつものZTON団員に加え、GUESTからは
 平宅 亮さん、小出太一さん、今池由佳さん、岡田由紀さん、田北良平さんに
 ご参加いただきます!
【会場】
 ABCホール

【チケット一般発売日】
 2017年5月27日(土)10:00 発売開始!

【チケット料金】(税込・全席指定)
 S席 4,300円(各ステージ限定15席・最前列)
 前売料金 一般 3,800円/U-23 3,300円
 当日料金 一般 4,500円/U-23 4,000円

※未就学児のご入場はお断りいたします。
※チケットはお一人様1枚必要です。
※U-23 は 23 歳以下の方が対象(公演期間時)です。
 当日受付にて年齢確認できる身分証のご提示をお願いします。
※開演時間までにご来場いただけない場合、
 指定席の座席を変更させていただく場合がございます。
 あらかじめご了承ください。開演までにご来場いただくことを推奨いたします。

【チケット・公演に関するお問い合わせ】
 合同会社 office ZTON
 MAIL:info@office-zton.com


旅をする

___ 
影響されやすいとは。
久保内 
子供のころからなんですよ。ヒーローごっこをはじめ一人でお話を作ったりとか。小さい時は、お風呂場でウルトラマンと怪獣のソフビ人形を使ってお話を作ったり。アニメとか映画とか、自分でいいなと思ったものは真似て遊ぶというのが多かったです。
___ 
なるほど。今までご自身が作られてきた中での一番の傑作は?
久保内 
ええとですね・・・僕、よく中二病キャラと言われているんですけど(笑) リアルに14歳の頃から作り続けているお話がありまして。というのは、今まで読んだライトノベルとかに、まあ自分自身を登場させてオリジナルの話を作るんです。続き物で、全く別の本にも登場させて色んな世界を旅する話なんです。主人公である自分にもオリジナルの色んな設定が生まれてきて、それが広がっています。
___ 
素晴らしい!仮面ライダーディケイドみたいだ。
久保内 
そうなんです。自分だけの必殺技を考えたりしてます(笑)
___ 
世界が繋がっているんだ。いいなあ。ラノベか・・・・私はそんなにラノベは読まないんですが、西尾維新だけは滅茶苦茶好きで影響受けてます。伝説シリーズが一番好きです。無能力者が主人公なんですけど、科学兵器や宇宙人や魔法使いを相手に、冷静さだけで戦うという。
久保内 
あー分かります。力あるやつが無双するのはそれはそれで爽快さがありますけど、何の力もないヤツが頑張って戦うというのは熱くなりますよね。
___ 
古典的な週刊少年ジャンプ的発想ですね。

演劇を始める

___ 
久保内さんが演劇を始めた経緯を教えてください。
久保内 
小さい頃から演じる事は好きでした。母が小学校教諭だったので、よく朗読とかを聞いて育ったこととか、戦隊ごっこをするのが好きだったりしたからですかね。ただ、その時の事と今演劇をやっているきっかけは別だと思います。僕大学に入ったぐらいでアニメにハマったんですけど、その時観た作品が学園生活モノで、その中の登場人物たちが何て楽しそうなんだろうと思いまして。自分がそこにもし入ったら、と思って、その時に声優の存在を知って養成所に入って、というのが今の始まりですかね。
___ 
劇団ZTONに入ったのは?
久保内 
養成所が終わってこれからどうしようと思ってたんですが、そこに通っている間にだんだん、声優だけじゃなくていいかな、と思えてきて。演じる事自体が楽しくなってきて、お芝居は続けていきたいな、と。当時お世話になってた恩師の先生に相談したら「やりたいならやってみるといい」と勧めて頂いて。当時僕もある程度歳が行ってたんで、始めるんだったら今すぐだと思ったんです。それと、どうせやるんだったら自分の好きな事をやろう、と。さっき言ったんですがヒーローものとか、あと剣自体が好きなので殺陣をやってみたいな、と。恩師も「殺陣でも何でも、役者として何か一つ出来る事があると良いよ」と仰ってもらったので。それで、京都で殺陣をやっている劇団を探して見つけたのが殺陣道場をやっていたZTONでした。

バロルと僕

___ 
久保内さんの演技で非常に印象に残っている演技があって。去年ABCで上演した「ティル・ナ・ノーグ」で、主人公の叔父・バロル役をやってたじゃないですか。後半は敵側で、主人公のルー(演・前田郁恵)に「お姉さんの願いに、本当に何も思っていないの?」って詰られて、「ない」と答えるセリフ。あの演技は素晴らしかったです。
久保内 
ありがとうございます。
___ 
あれがなぜ素晴らしかったかを解説すると、血縁である姪の問いかけは彼にとって愚問ではあるが、とりあえず考え、しかし答えが出る前に口から拒否が飛び出してしまう、という呼吸です。彼の決意の固さと、それ以上の憎悪がよく表現されていました。
久保内 
あの時は、「少しでもルーの言葉を聞いてしまったらダメだ」という気持ちがありました。ここで自分の決意が揺らいでしまったら、今度こそ本当に自分が大切にしているものを全て失ってしまう。たとえ、自分の中からせり上がってくるものがあるとしても、それを押しつぶすというか覆い隠さなくてはいけない。という気持ちでした。
___ 
なるほどね。
久保内 
バロルは僕も凄く印象深かったですね。僕自身経験したことのない、激しくて深い感情に迫った役だったので。だいぶ、苦労したかな、落ち込んだり泣いたり。
___ 
その甲斐があったんじゃないでしょうか。
久保内 
そうですね、ありがたいことに評価も頂いて。同時に、あれが終わったあと、バロルが重荷になっていた時期もありました。嬉しい反面、あれを越えないといけない、どうやったらあそこにまで行けるんだろう、と。必死だったんです。それ以降、どうしても「自分にはもっと出来たんじゃないか」という思いが強くなっていて。それで悩んだりもしましたね。
___ 
話は変わりますが、「ティル・ナ・ノーグ」から、久保内さんのポジションがちょっと決まったりしてましたね。出田さんとかも、ティルナでのエオヒド役とか、何というか・・・
久保内 
そうですね、英人さんはちょっとぶっ飛んだ役が多くなった気がしますね。曹操とかも。
___ 
曹操もエオヒドも、序盤はまともな好青年なのに後半になると中二病になったりしますもんね。
久保内 
振れ幅が凄いですよね。
___ 
そこで、今回演じられる地の章のハクト役。主役ですからね。
久保内 
最初に聞いた時は「えっ僕ですか?」と思いました(笑) 河瀬さんが何を意図されて僕をそこに置いたのかは分からないんですが、頂いたからには全力で臨みたいと思っています。
劇団ZTONvol.12「「ティル・ナ・ノーグ ~太陽の系譜~」」
公演時期:2016/7/22~24。会場:ABCホール。