古屋敷悠 所属:ECHOES

Q1.
公演直後ですが、今の気持ちを教えてください。
古屋敷 
僕はたぶん皆さんより平常の状態から凄まじい勢いで現場に入ったので、まだ公演の感じが抜けきってません。なんだか夢を見ていたような、まだ見てるような気持ちです。
Q2.
今日のMVPと、その瞬間の演技を教えてください。
古屋敷 
あんまり公演中の記憶がない……。僕が声を潰した回があり、その次の回では僕の合いの手の台詞の振り分けが完璧にできていてなおかつ誰もミスらなかったのは皆さんMVPでした。
Q3.
過去に戻るとしたらいつにしますか?
古屋敷 
五年前の22歳頃ですかね。あの頃から様々なことを積み重ねておけば……と思うことはあります。しかも今は難なくできていること。
Q4.
未来に行くとしたらいつにしますか?
古屋敷 
三年後。実はいま文学フリマ出店用の小説を書いているのですが、どういうものが完成したのか読みたいです。あとそのあとどういう作品を書いていったのか。
Q5.
次回の予定を教えてください。
古屋敷 
俳優としての活動は残念ながらありません。5月7日開催の文学フリマ東京に「ニセ科学」というサークルで出店します。僕は自作小説を一篇、一部500円とかで売りますので、是非お買い求めください。『い号が出ました』というSFエンタメ作品です。
Q6.
今後、どんな感じで攻めて行かれますか?
古屋敷 
俳優としては今年から劇団をやめてフリーになりましたので、なんでもやっていこうとは思ってますが、なにぶんオファーあってのものではあるのでなんとも……。個人としては小説をあと何篇か書いて、発表したり、賞に応募したりしていく予定です。
Q7.
京都に来て観光に行った場所はありますか?
古屋敷 
余裕がなかったのと、声を潰したので、全然観光ができず……。最終日に何人かで伏見稲荷の千本鳥居を登りきりました。『俺の屍を越えていけ』を思い出しながら楽しく登りました。あと森見登美彦ファンなので下鴨神社にはお参りしました。
Q8.
また京都で公演をしようと思いますか?
古屋敷 
したいです。でも来るならやっぱりアガリスクで来るのがいいなあとも思います。いや、別に個人でも来たいですけど。

ハマカワフミエ 所属:フォセット・コンシェルジュ

Q1.
公演直後ですが、今の気持ちを教えてください。
ハマカワ 
東京に戻ったら「時かけロス」になるんだろうな、と思ったのですが、意外とそうでもなくて。むしろ、千秋楽直前の方が、終わってしまうことを恐れていたような気がします。千秋楽2日前あたりから宿とかでずっと「帰りたくない。まだ京都で芝居してたい」ってゴネて呆れられてたんです。笑 なんなんでしょうね。劇団員の皆は、多分もっとずっと大変な思いをしたと思うのでまた違った心持ちなんだろうな、とも思うんです。私にしても、普段なら、大変だった誰かを差し置いて、無責任に自分が「楽しかったなぁ」みたいに感じてしまうことにはとんでもない罪悪感を覚えてしまうんですが…。 でも、今回は、すごく純度の高い「楽しかったなぁ」の中に自然と居られています。なんか、あまりなかった感覚で、ふわふわしていますね。自分でも不思議な感じです。 後はそうですね、DVDの完成が楽しみです。再々演、3.0に向けて、自分の芝居を見返したり、研究したいので。笑
Q2.
今日のMVPと、その瞬間の演技を教えてください。
ハマカワ 
淺越岳人くんです。 その瞬間の演技、というわけではないのですが、印象的だったことがあります。 彼の役は「劇団主宰で超遅筆、屁理屈と減らず口がトレードマーク」みたいな感じでしたが、この役をご覧になったお客様の何人もから、 「自分の知ってるあの劇団の主宰にそっくりすぎる」 「うちの劇団の誰それにしか見えない」 果ては 「稽古場での自分を見てるよう」 といったお声をお聞きしました。そして、その先の感想がバラバラなんですよ。「笑っちゃう」「殴りてえ」「泣けてしまった」「居たたまれない」とかとか。 淺越くんは、別に誰かのモノマネをしたわけではないんですよね。誰かに寄せたりとかしてません。書けない脚本家の最大公約数的な造形、というわけでもなかったと思います。でも、客席で多くの方が「あの人/自分を見てるようだ」と感じたようなんです。 もちろん、適切なキャスティングをし、そういうセリフやト書きを書いた冨坂くんの力があってのことで、客席には演劇関係者や舞台をよく観る方が多かった、という前提は無視できません。でも、上演された作品を受け取った客席の皆様に「これは私の知ってるひとだ」「これは俺だ」と、個人の体験や関係性に立ち返ってもらえる、その上で大きく感じ入っていただける、そういった演技はなかなか出来たものじゃないと思うんです。 私の後輩で観に来てくれた子が、作中のアサコシのことを「○○さん(その子の先輩)が居ました。頑張ろうって思いました。ハマカワさん、頑張って下さい」って言って泣きながら帰って行ったんですが、演劇が成し得る最高のことのひとつは、こういうことなんじゃないかな、って思いました。 個人的な話になりますが、私目線だと、劇中のアサコシは、かつて私が所属していた劇団の主宰に瓜二つです。笑 見た目とかって言うより、言葉の届け方が似てたんですよね。暴投は決してしないけど、別に優しいわけじゃない。重みは感じられるようにきっちり渡してくる。でも、ヘラヘラしながら大事なプレゼントをよこしてくるような向かい合い方で。 おかげで、毎ステージ、クライマックスのシーンで胸がいっぱいになったり新鮮に傷ついたり、影響をたくさん受けることが出来ました。もしあの場面の私が印象に残った、と思って下さる方がいらしたら、それは半分以上淺越くんのお芝居のおかげです、とお伝えしたいです。 しかしながらこれ難しい質問ですね… 京都で、オファーから中2日での代役登板ながらものすごい仕上がりを見せた古屋敷くんはもちろんですし、初演は違う女優さんがやった役で、そこから殆ど台本変えてないにも関わらず、もともと当て書きかのような「最初の入れ替わり」を見せた鹿島さんの素晴らしさ、日替わり一発ネタが百発百中のウケを取るおもしろマシーン斉藤コータ、沈ゆうこの「死ねよ」ってツッコミなんかむしろ言われてみたいですし、なんかもう誰の名前も全部挙げたいです。本当に尊敬するひとばかりでした。本当に。
Q3.
過去に戻るとしたらいつにしますか?
ハマカワ 
どういうタイムマシンなんだろう…。自分に会えるんですかね? 自分に会えるタイプのタイムマシンなら、10代のどこかでしょうか。ちょっと辛い思春期を過ごしたので(苦笑)、「お前は青いが、そんなに間違ってない」と言いに行ってあげたいかな。その頃の自分の、味方をしてあげたいです。 時かけ2.0と同じ、平行世界入れ替わりタイプなら、大学時代ですね。こちらは逆にすごく楽しかったので。あの時の後悔をどうにかしてやろうとか、女優人生もっと上手く歩んでやろうとかはないんですが、もう一度バカ大学生やれたらだいぶ楽しい気がします。 あー、でも、31歳の自分が大学にいたらさすがについてけないかなぁ。うーん。そもそも「ねえねえハマカ…うわおばさんになってる!!」ってなっちゃったりするんですかねぇ。,それはツラいなぁ。笑
Q4.
未来に行くとしたらいつにしますか?
ハマカワ 
未来は、なんか、今知ったらつまんないので、いらないですねぇ…。笑 あ、でも、10年後に行こうかな!で、自分の顔を確認します。で、今からの美容というか、対策に活かしたい。笑
Q5.
次回の予定を教えてください。
ハマカワ 
今はまだお知らせ出来ないのですが、どうぞお楽しみになさって下さい。 あと、まだ年内のスケジュールも空いておりますので、どなたか、予定、下さいませ。笑
Q6.
今後、どんな感じで攻めて行かれますか?
ハマカワ 
映像と舞台の両方を充実させていきたいですね。 私は、大学の演劇サークルから劇団を立ち上げ、そこからひたすら客演し続けて今に至るというバリバリの小劇場出身ですが、ここ数年はありがたくも様々な機会に恵まれ、テレビドラマへの出演が増えました。そのせいか、今回は東京・京都のどちらでも「テレビで観て、舞台のハマカワさんを見てみたくて」という方が少なからずいらっしゃったのです。小劇場じたい、初めて足を踏み入れたという方もおひとりではありませんでした。本当にありがたいです。 逆に、なのですが、私自身、かつてはそこまで熱心にドラマを観る人間ではありませんでした。でも、お仕事させていただく中で少しずつ観始めたら、いつの間にかドラマも大好きになってました。きっかけがなかっただけなんですね。 だからこそ思うんですが、もし、私の活動をきっかけに、舞台芸術に興味を持って、劇場に来て下さる方が増えたなら。ドラマを観て下さる方が増えたなら。どちらも、もう、この上なく嬉しいなって。私が好きなものに興味を持っていただけるきっかけが私だったら、というのは、もうほんとに死ぬほど嬉しいですよね。五体投地です。笑 なので今は、映像と舞台、どちらでも存分に活躍できる女優で居られるような攻め方をしたいですね。勉強を怠らず、いつでも来た球を全部打てるよう、色々磨きながら、背伸びも卑下もしないふつうのハマカワフミエのままで備えていようと思います。
Q7.
京都に来て観光に行った場所はありますか?
ハマカワ 
あてもなく歩くのが大好きなので、わりといい距離、散歩しました。京都はなんか、観光だ!!って意気込まなくても、テキトーに歩いてるだけで由緒正しいお寺とか、史跡とか、歴史上の人物の名前とか、すぐに見つかるので、テキトーな散歩でもなかなか充実するのが素敵ですね。 実際歩いたところで言うと、六波羅蜜寺と鴨川が特に好きでしたね。六波羅蜜寺では宝物殿も見学しました。空也上人の開いた口、ものすごい脱力して唱えないと「南無阿弥陀仏」の「つ」で、このゆるんだ口にならない!という発見をしました。笑 鴨川はもう…好きすぎて。 私が京都から東京に持って来たいものナンバーワンが、鴨川なんです。笑 新宿御苑前駅と新宿三丁目駅のあいだあたりに鴨川があったら最高なんですけどね!そうなったら何時間でも川べり歩ける気がします! ちょうど行った時は桜が満開で、ただ歩いてるだけでも十分過ぎるくらいなお花見でした。途中、ちょっとお酒飲みながら歩いたり、鴨川デルタのとこまで来て芝生でひと休みしたり。あんなのが日常にあるって、京都のひと、ほんとにうらやましいです!笑 あ、花見と言えばですが八坂神社と丸山公園にも行けました。陽が落ちた頃に八坂神社から京都駅まで歩き出したので、「清水へ祇園をよぎる桜月夜 今宵会う人みなうつくしき」をリアルに体感出来ました。あれはなんか、ちょっと不思議な陶酔感生まれますね…。軽くハイになりました。
Q8.
また京都で公演をしようと思いますか?
ハマカワ 
絶対に来たいです! 「絶対また京都に来てね」とお声かけ下さったお客様に、「もちろんです!」とお答えした以上、お約束を守らなくては女がすたります。笑 ただ、私は劇団員ではありませんし、オーディションに通るか、どこかの団体さんからお呼ばれしない限り伺えないので…。 自分の意志だけではどうにもならないのが痛し痒しといったところですが、今作がこりっち舞台芸術まつりでグランプリを取れれば、2年以内?に、再演することが条件になりますから、京都にも来られるかと思います。これをご覧の皆様、是非、こりっちへの観てきたクチコミでご支援いただけたら嬉しいです。笑

熊谷有芳 所属:アガリスクエンターテイメント

Q1.
公演直後ですが、今の気持ちを教えてください。
熊谷 
楽しい公演でしたが、名残惜しい気持ちはあまりなく、早く次の作品を作りたい気持ちです。
Q2.
今日のMVPと、その瞬間の演技を教えてください。
熊谷 
いつだったかな…京都公演2or3ステージ目でアツシ役を演じた古屋敷悠が勢い余って舞台上からはみ出た瞬間があったんですよ。たぶんお客さん的にはパネル裏にハケちゃったので意味不明だったと思いますが、代役緊急登板ということもあって、この公演とあの役にかけるパッションみたいなものを感じて心中大笑いでした。今の古屋敷くんには誰も勝てないなと思った瞬間でした。
Q3.
過去に戻るとしたらいつにしますか?
熊谷 
セーラームーンのおもちゃやレゴを捨ててしまった小学生の頃。あんなに大好きだったのに、自分の気持ちに知らんぷりして捨ててしまいました。あれだけは取り戻したい。
Q4.
未来に行くとしたらいつにしますか?
熊谷 
これは…難しい質問ですねえ。未来は知らないほうがいいような気がしますね。あ、野球観戦が趣味なので行く予定の試合が晴れるかどうか知りたいです。
Q5.
次回の予定を教えてください。
熊谷 
9月のアガリスクの本公演と、あとは6月の新宿コントレックスvol.16ですね(こちらは出るかどうか未定ですが)
Q6.
今後、どんな感じで攻めて行かれますか?
熊谷 
とにかく今は、劇団として売れたいです。認知されるだけじゃなくて、実際に足を運びたくなる劇団にしたいです。その中で「ああアガリスクの熊谷ね」という感じで自分の名も広まればいいですね。
Q7.
京都に来て観光に行った場所はありますか?
熊谷 
たくさん行きました!清水寺、平安神宮、天龍寺…まだまだありますが、わたしが強く推すのは平安神宮近くの老舗うどん屋「岡北」です。30分は並びますが、ぜひ食べてみてください。おいしいです、間違いないです。親子丼が絶品!
Q8.
また京都で公演をしようと思いますか?
熊谷 
はい。もちろん。絶対に戻ってきます。大阪でやってくださいという声もたくさんいただきました。大阪もやります。京都もやります。他の都市も行きたいです。でも未定です!ごめんなさい!

斉藤コータ(サイトウコータ) 所属:コメディユニット磯川家

Q1.
公演直後ですが、今の気持ちを教えてください。
斉藤 
やり切ったって気持ちと、休演日挟んでまだやりたいって気持ちですね!京都公演は寝泊まりもずっとみんなと一緒にいたのでバラバラになるのが寂しいです。
Q2.
今日のMVPと、その瞬間の演技を教えてください。
斉藤 
んー、most valuable playerですか?全員ですね!みんなそれぞれ1番です!
Q3.
過去に戻るとしたらいつにしますか?
斉藤 
じゃあ大学時代!そして女子大生と遊びます!いや、いやらしい意味とかじゃないですよ!
Q4.
未来に行くとしたらいつにしますか?
斉藤 
1000年後とかですね。自分が生きてるであろう未来はいずれ見れるから、絶対見れない未来を見てみたいですね!
Q5.
次回の予定を教えてください。
斉藤 
5月9日~14日に東京だけですが、下北沢B1でスズキプロジェクトバージョンファイブの「犬は吠えるがキャラバンは進む」という公演に出演します!なんと僕が主役です!久々の主役で気合いも入ってますしプレッシャーもあります。是非みなさん観に来てください!詳細はコチラです。http://ticket.corich.jp/apply/81983/008/
Q6.
今後、どんな感じで攻めて行かれますか?
斉藤 
自分の好きなコメディはもちろん、それ以外でも自分の色が出せるように攻めたいですね。自分のフィールド以外じゃおとなしくなってしまう傾向にあるので、積極的に攻めていきたいです!
Q7.
京都に来て観光に行った場所はありますか?
斉藤 
車折神社で芸能の神様に役者としての成長と成功をお願いしてきました。あと太秦映画村で遊びました!
Q8.
また京都で公演をしようと思いますか?
斉藤 
やりたいです!まだまだ観光したいとこがいっぱいあるので。観光メインかーい!

鶴屋吉信 京観世と干菓子(桜)

公演期間中、みなさんに差し入れの形で和菓子をお贈りしました。美味しかったとのことで、良かったです。

「時をかける稽古場2.0」全出演者インタビュー!

さて今回、公演自体へのインタビューという事で、終演後間もない皆様に取材をさせて頂きました。以下の本編映像(東京公演)と共にお楽しみくださいませ。

淺越岳人 所属:アガリスクエンターテイメント

Q1.
公演直後ですが、今の気持ちを教えてください。
淺越 
結果として公演単位だけでなく、集団としての物語/歴史も垣間見える演劇公演になったと思います。アクシデント含めですが、そういう「点が線になる作品」はひとつの理想なので。
Q2.
今日のMVPと、その瞬間の演技を教えてください。
淺越 
芝居で言ったらハマカワフミエのラストシーン、感情の決壊を堪えているところ。コメディで言ったら津和野の「むこうのオレ、こらあ!」かな、と。京都ver.のアレンジが秀逸。
Q3.
過去に戻るとしたらいつにしますか?
淺越 
恐竜に毛が生えていたかどうか確かめたいっす。あまり信じたくないので。
Q4.
未来に行くとしたらいつにしますか?
淺越 
意識をデータ化する技術が実用化された時代。早く肉体を棄てたい!
Q5.
次回の予定を教えてください。
淺越 
劇団の予定と同じです。
Q6.
今後、どんな感じで攻めて行かれますか?
淺越 
劇団であり続けるためにはもっと強い集団にしていかなきゃならない。その強い集団の構成員としての、個としての強さが今後のテーマだと思ってます。
Q7.
京都に来て観光に行った場所はありますか?
淺越 
建仁寺・六波羅蜜寺・方広寺など史跡と、国際マンガミュージアム。
Q8.
また京都で公演をしようと思いますか?
淺越 
したい、というかしなきゃいけないと思ってます。

役者が生きる

__ 
それから、役者さんが各々全員、自己プロデュース力というのかな、そういう意識が強くあるなあ、と思いました。自分のキャラクターを固持しつつ、段取りを絶対忘れず、さらに生の人間であることからくる遊びの部分も手放さないと言うか。
冨坂 
そこに関しては、役者の手柄です。役者に色々発信してもらわないと絶対追いつかないですね。みんな勝手にやっていて、「それはダメだ」と思ったら言う、みたいなルールですね。マストな事はいうので、あとは適当にやってください、という稽古場ですね。
__ 
凄まじい情報量だったと思うんですが、それを全て受け止めた上で、登場人物全員を愛してしまえるみたいな、そういう結果になったと思います。そもそもしっかり作られた芝居じゃないと絶対無理だと思いますよ。
冨坂 
京都の公演中も、そういう裏の芝居も増えていったと思います。ただ、やりすぎて増えてしまって、メインの部分の視聴率を奪ってしまうこともあったりして・・・そこは「それはダメだ」と言いました。

コメディを開発する

__ 
今後、どんな感じで攻めて行かれますか?
冨坂 
最近になって、ありがたいことにTVに劇団ごと呼んでいただいたりが多くなって。作家、役者単体ではなく、アガリスクエンターテイメントとして出て行って、集団として愛してもらえる、っていうのも、無い話じゃないのかなと思えてきて。今後はそこを目指して行こうかなと思っていますね。
__ 
愛嬌があるから、大丈夫だと思うんですけどね。
冨坂 
僕個人での仕事もこれから頑張っていくんですけど、劇団で作るものの方が(愛着とかそういうものを抜きにして)絶対値として面白いんですよね。どうしてもやっぱり、作り方的にそうなっちゃうんですよ。みんなで相談しながら、ワイキャイいいながら作るという姿勢。外枠をガチッと決めずに作っていくやり方というのが、自分にもアガリスクにも一番合ってるんじゃないかなと思うんです。
__ 
アガリスクならではの作り方を追求すると。
冨坂 
それから、「ナイゲン」「時をかける稽古場」と、パワーアップさせて再演する公演が多かったので、そろそろ新作を作りたいですね。あと、今日最初の方で出た、「地味な段取りがたくさんある芝居」。それをやっていく中で、本番は役者だけで完結する作品も作れるんじゃないかなあ、と思って。どこでも、メンバーがいればそこで出来る。装置を持っていく必要もない、みたいな。上演にかかるオペレーションも全て我々でまかなえるシステムを開発したいです。実験というよりは、研究とか開発とかに近いんですけど・・・最近あんまり開発はしていなかったので、そろそろやろうかなと思っています。
__ 
「プロローグハマカワ」、みたいな、アガリスクの味と活かし合うようなシステムが生まれるかもしれませんね。お客さんを気にさせ続けるみたいな
冨坂 
はい。
__ 
今後も楽しみです。
冨坂 
ありがとうございます。

僕たちの作品じゃないから

__ 
冨坂さんをして、創作に駆り立てるものは何ですか?
冨坂 
そうですね、なんでしょう。基本的に僕は、書く作業が好きな人では決してないんですよ。ただ、アイデアを思いついた時、それが実行が出来ない時に悔しさを覚えるタイプだと自覚しています。それと、劇団があるからやっているというところもあります。
__ 
というと?
冨坂 
僕、この間初めて脚本と演出を両方とも外部でやったんです(僕が外部に脚本を提供という形はたくさんあったんですけど)。すごく楽しかったし勉強になったんですけど、これをずっと続けられるかというと・・・自分の劇団があるから、この集団を人気にするためにやっているのかなと言うのがちょっとあって。
__ 
ホームという感覚があるんですね。
冨坂 
それはもちろんあります。やっぱりそれがないと、演劇をやっていないんじゃないかと思うんです。この「時をかける稽古場」みたいに、一人だけインフルエンザになってしまって、上演をするかどうかという状況になったらどうするか。
__ 
難しい問いですよね。
冨坂 
僕は代役でなんとか乗り切るという派なんですけど。
__ 
それはかくあるべしなのかもしれませんね。
冨坂 
難しいところなんですよね、あれに関しては。
__ 
なぜ彼らは、自分たちの台本を、自分たちでやる事にこだわったのか。
冨坂 
ラストで、あのすでにできている102ページの台本を使わなかったのは、アツシとネコソギさんが両方とも絡む作品をやることにしたから、ですね。「だってこれは、俺たちの台本じゃないから」という最後のセリフはそういう意図です。ハッキリと言い切らずに「そうともとれるかな」ぐらいのニュアンスに止めましたが。

奇跡が起こった

__ 
この演劇の魅力って、彼ら演劇人のマインドだと思うんですよね。公演を2週間前に控えていながら台本が2Pしかない演劇人達が、タイムスリップで公演前日にとばされ、台本は102Pあるけどもちろん1行も覚えていない。ホール入りが1時間前に迫っている。普通なら公演中止の相談を始めるはずなのに、彼らはそこで「稽古のために2時間、ホール入りを遅らせてくれ」、と。その時間帯に102ページの台本を得てお前らはどうするつもりなんだと。
冨坂 
ははは(笑う)
__ 
普通の人だったら、そこから台詞なんて覚えられるわけがないんですよ。それを1時間か3時間でどうにかしようとする、絶対に無理だろうという目で観客が見てるんですけれども、信じられない事に、彼らはなんとかしようと言う気でいる。例えようもない勇気ですね。お手本には出来ないけど。
冨坂 
それは意図して作られた感じではなく、たぶん僕らはそういう作り方を良くも悪くもやってしまっているので。彼らの劇団「第六十三小隊」は台本がいつも遅い、ということがあるでしょうし。そして、リアルの方でもそういう事が。
__ 
そう!古屋敷さんの起こした奇跡。
冨坂 
アツシ役のさいとう篤史の降板が決定し、京都公演の3日前に古屋敷くんに突然のオファーを出して。彼にしてみたらOKを出した瞬間に145ページの台本が送られてきたんですよね。しかも2日3日の昼間は彼に用事があって稽古には参加できず。京都への出発前に駅の近くで読み合わせをしたのと、京都に来てから場当たりと1時間の稽古をしたぐらいで、実質的にはほとんど合わせられていなかったんですよね。後は宿舎で読み合わせをしたぐらいです。で、4月4日の昼間にゲネプロをしたらそのまま通ったんですよ。その日の夜に本番だったのに、安定していました。
__ 
スピード感が少しおかしい。
冨坂 
すごい。なんでなんだろうと思って。古屋敷君は初演を見てくれてたんですよね。感想も色々書いてくれて、この作品を色々読み取ってくれた人だったんです。映像も見てくれていて、だからベースは把握してくれていて、後は覚えれば大丈夫、という状態だったのがよかったのかなと。初演も再演も見てくれていたんですよ。まあ再演についてはその1週間後に出演するんですけれども。
__ 
まさに時かけを体現している。
冨坂 
「明日本番とか無理っすよ!」って劇中で彼が言うセリフがあるんですけど、まさにその時、彼は(あ、俺これだ)と思ってたそうです。アツシという役は、共演しているアイドルに手を出して降板する役なんですけど、この状況でそれらのセリフを読むと「なんだこのセリフ」って、全てがシンクロしている。僕らは違う目線で笑っていました。奇跡とか偶然って意味では、京都公演はすごいことになってました。
__ 
私が拝見したのは公演2日目の夜でしたが、冨坂さんが客入れ挨拶で「出演者の降板がありましたが現在は安定しています」と。私はその安定という言葉に、なぜか聞いている時点で説得力を感じていました。本当に何故なのか分かりませんが。
冨坂 
実は初日から安定はしていました。初日から危なげなく上演できていて。二日目も、初日が開いてもまだ稽古し足りないときは朝から稽古とかをするんですけど、今回は必要ないなと思って3時間前集合にしたりしてました。当たり前のように。古屋敷くんがいるということも忘れて。どうして僕らは稽古をしなかったんだろう、みたいな。
__ 
安定し過ぎですね。
冨坂 
印象的だったのは、出演者の交代をSNSで発表したところ、初演を見ているお客さんには「悲壮感がない」と言われたんです。作中の内容からか、もしかしたらさいとう篤史という役者の成せる技なのか。もはや皆笑うしかない状況で、実際笑ってました。
__ 
アガリスクエンターテイメントはそういう状況に強いのかな。
冨坂 
以前、2011年の震災の一週間後に本番を控えたことがあって。うちはそういう事態に強いのかもしれません。その時は公演をやる、やらないで判断が分かれたんです。結局、いろんな形で公演自体は行ったんですけど(これについては過去、塩原もラジオで喋ってたりします)。劇団の成り立ち自体が、地元の公民館の会議室で公演をやっていたりとDIYに告ぐDIYで、何とか手作りで行うという精神が昔からあったんだと思います。環境が整っているところでやってきたわけではない、というのと、劇団のメンバーが増えて、見えない部分に回すリソースもある程度増えてきたとか、いろんなことの要素があると思います。
__ 
土壇場の状況でも何とかしてしまう。
冨坂 
何だか、そういうマインドはありますね。作中の劇団・第六十三小隊はスキャンダルで公演中止の危機に追い込まれました。でも、それを上演する僕らはそれよりも大変な事態に見舞われたので。結果的には「この第六十三小隊、意外とヤワだぞ?」ということが証明されてしまったわけですよね。もし次やる機会があったら・・・
__ 
もう一段階ハードな事態に見舞われて、そしてさらにもう一段階上の解決策を出してくるかもしれませんね。
冨坂 
そうですね。また機会があったら。今回、入れられなかったネタがたくさんあるんですよ。

終演後、バラシ中の劇場の上で

__ 
「時をかける稽古場2.0」京都公演、お疲れ様でした。大変面白かったです。
冨坂 
ありがとうございます。
__ 
いかがでしたか。
冨坂 
どうでしょう、今まさに終わって1時間ぐらいですので・・・いい気持ちもありつつ、反省もありつつ。作家、演出家としてはわりかし良かったなと思い、劇団の主催者としてはこれはいかんぞと巨大な反省点もあり。
__ 
巨大。拝見していて、それこそ巨大な物が動いてるような、そんな感触がありました。膨大なセリフ、とんでもない量のキッカケ。上演時間2時間ですが、6時間のものに匹敵するプログラムだったような気がします。
冨坂 
文字数に換算すると、確かにそうかもしれません。8万文字あるんで。
__ 
私は、作品における打ち合わせだとか稽古だとかの量がはっきりと感じ取れる作品がとても好きなんです。「時をかける稽古場」は、とても細かいレベルでそれがなされていますよね。
冨坂 
ありがとうございます。登場人物として気をつける部分ではないけれど、物理的な都合を付けなければいけないポイントが凄くたくさんあるんですよ。下手側にテープを貼った方がいいから、その前に下手に近づいておく、とか、このタイミングでテープをすぐに貼りたいから、目を盗んでテープの端を少し出しておくとか。そういうすごく地味なレベルのものがたくさんあるんです。
__ 
役柄演技ではないが、非常に重要な仕事ですね。
冨坂 
最近読んだんですけど、ロロの三浦さんが、高校演劇向けのインタビューで喋ってたんです。段取りこそが美しいじゃないか、と。
__ 
全く気づかないけれど、細かい段取りが積み重なったり組み合わさって、一つの効果になるというのが美しくてしょうがないですね。

力を込める場所

__ 
「時をかける稽古場」。劇団の稽古場におけるSFシチュエーションコメディであり、このたびの再演で東京・京都のツアーで非常な盛り上がりを見せました。非常に手の込んだ作品でありながらも、観ている者に愛着を感じさせる仕上がりになりましたね。いわば、手作り感。そこに出ている人たちが頭を悩ませて、それぞれが考え抜いた結集を感じ取れるのが、「完了した完成品」が持ち得ない手作り感と言えるのかな。
冨坂 
ウチが独特だな、と思っているポイントは、クライマックスにクマガイがハマカワを説得してタイムマシンの輪の中に入れる展開があるんですけど、ハマカワが、良いシーンなのに茶化すみたいに「プロローグをね」って照れ隠しを言うんですよね。で、それを際立たせるために、塩原が序盤にある「プロローグクマガイ」っていうクマガイいじり…言っちゃえば特に面白くないセリフを、言い方だけで無理やり笑いを取っているんですよ。
__ 
ありましたね。
冨坂 
そこでお客さんが笑うと印象に残りやすい、という狙いで。その「プロローグクマガイ」っていうクマガイいじりの展開は根本的に組み込まれている伏線ではなく、後から埋め込んだパーツなんです。あまりしっくり来ているものでもない。なのでお客さんにしっかり植え付けないと、後で生きてこない。
__ 
そういう手法?
冨坂 
何と言うんでしょうか、ウケを取るということを次の笑いにも使うし、それによってお話の部分も補強する、みたいな手法と言いますか。ただ、塩原には「こういう狙いがあるからウケを取っといて」みたいな指示はしていないんです。でも塩原にはそのことが恐らくなんとなく伝わっていて、頑張ってそこでウケを取ってくれていた。
__ 
そうした、自分達なりの創作が行える環境はすばらしいですね。
冨坂 
初演をやっていたから、というのと、劇団だからこそ作ることのできた作品だったと思います。プロデュース公演でものすごく上手な人を集めたとしても、できないと思います。全ての事を僕が伝えられるかどうかわからないし、僕が把握しきれない役者さんの動作とか事前準備とかがすごくたくさんあるんですね。
__ 
劇団のメンバーだからこそ、それぞれに深く踏み込むことができた、と。
冨坂 
はい。

質問 河瀬 仁誌さんから アガリスクエンターテイメントさんへ

__ 
前回インタビューさせていただいた、劇団ZTONの河瀬仁誌さんから質問を頂いてきております。「京都を公演会場にしたのはどんな理由がありますか?」
冨坂 
2015年の秋に「ナイゲン」という作品を京都で公演を打って、2016年の夏には大阪でやったんです。今回、時をかける稽古場というのが、見て分かる通りヨーロッパ企画さんの「サマータイムマシンブルース」に影響をまあ受けているわけですよ。そもそもサマータイムマシンブルースが好きで時間移動ものを「どうやったらかぶらないで違うものが作れるか」というところからスタートしているので。となったら、もう京都に行くしかないでしょうと。東京公演の会場が駅前劇場だったというのも、2005年のサマータイムマシンブルース再演の会場がそこだったから、です。

これから

__ 
いつか、どんな作品が作りたいですか?
河瀬 
ミュージカルがやりたいです。ずっとやりたいと思っています。ミュージカル「エリザベート」が好きで、宝塚の演出家の小池修一郎先生が僕の心の師匠なんですけど。東京に住んでた時からかな?一度はミュージカルをやりたいなと思っています。
__ 
どんなミュージカルを上演したいのでしょうか。
河瀬 
月並みですが、ほぼ全篇歌で、音で繋いでいくミュージカルですね。そのための構造を考え出して、僕が作ったらどうなるのか、実証してみたいですね。
__ 
今後、どんな出会いがあるといいですか?
河瀬 
何ですかね、自分から求めて出会いたいと言う感じは今はなくて。単純に、今までの出会いを大切にしつつ、新しい人と出会いたい時は出会うでしょうという感じ。こういう人と出会いたい、というよりは。結構、縁とかを信じてしまうタイプなので。あと、ZTONにはSSCという、ステージサポートクラブって会員の方の集いがあって、ZTONファンの方が集まってくっださっていて、そこで今後のZTONをどうすれば良いかという話をするんですよ。皆さんからの忌憚のないご意見を聞かせて頂ける、そういう出会いは嬉しいですね。
__ 
おお、凄い。代表と直接話せるんですか。
河瀬 
そうです。作っている側の僕も、皆さんの興味とかから段々とズレていく事は多いので、そういう機会でリセットできるんですよね。皆さんの思い入れとかも伺えて。

一体感とクオリティ

__ 
お客さんに何を感じさせたい、等はありますか?
河瀬 
少し前まではクオリティこそ至上だな、と思ってたんです。料金ぶんの価値があるか。それは当たり前なんですけど、クオリティの低いものにも価値はあるんですよ、そういうことに理解はしていたんですが、最近納得できるようになってきて。
__ 
ええ。
河瀬 
そしてこれはマイブームなんですけど、喜んでくれる人をピンポイントで決めていこうかなと。よく知ってくださっている方が、100%喜ぶもの、より楽しめるもの。今まではすべての人にウケるものを作ることを目指していたフシがあったんですが。
__ 
それは、成果物が誰かの面白さに変わった手応えを確信したいということでしょうか?
河瀬 
どうですかね。ただ、単純に「面白かった」と言ってくださるのが嬉しいんですよ。何度も劇場に来て下さってる方に対して、もう一段階、面白いと思ってもらいたいと言うか・・・
__ 
段階。それは、上の段階?
河瀬 
上というか・・・より、フィットしたいのかな。説明が難しいですけど、喜んでもらいたいというのが一番最初に来ています。
__ 
さっき、あまりクオリティの高くないものでも面白いものはある、とおっしゃったと思うんですけど。動画サイトなどでのMADとか、Youtuberの動画の手作り感による共犯感覚というか。まあ、小学校3年生の男の子が大好きな感じ。
河瀬 
わかります。かと言ってクオリティの低いことをしたいというわけではなくて、クオリティが高い上で、その一体感を持ってもらいたいと思うんです。

質問 本間 広大さんから 河瀬 仁誌さんへ

__ 
前回インタビューさせていただいた本間広大さんから質問を頂いてきております。「良い演出とは何ですか?」
河瀬 
クライアントのオーダーに応える演出ですね。
__ 
クライアントとは?
河瀬 
ZTONの場合だったら、見てくださるお客さん。プロデューサーがいる場合は、その意向を100%を引き出せる演出ですね。
__ 
そこを探して定義出来る、ということですね。
河瀬 
そこを間違いなく汲み取ってた上で自分の主義を加えられるのがいい演出だと思います。ひねくれた言い方になりますが、良い演出と面白い演出は別だと思っているので。

天狼ノ星に向けて

__ 
今年7月に再演する「天狼ノ星」。もう、DVDを何回再生したか分からないぐらい見ています。強さランキングを考えるぐらい見ました。今現在の世界が向き合っている多文化共生社会が現れた作品だったように思います。
河瀬 
ありがとうございます。実はあんまり、現代社会を投影しようとは考えていないなあ、と自分では最近思っていて。
__ 
あ、そうでしたか。
河瀬 
ただ、そういうアートな作品は好きなんですよ、逆に。ちょっと話はそれますけど、清流劇場さんとか好きですし。この間に行った作品が面白くて、最後の最後のシーンで舞台のビジュアルが全面的に変わるんです。最後のシーンで、作品の全てをひっくるめて「良かった」となる瞬間が演出されていたんです。そういうのが僕はすごく好きなんですよ。演出家には目で作るタイプと音で作るタイプの演出家があるんじゃないかと思っていて、あの作品は前者。最後にいくために、サンプル的に繋がっていく。
__ 
河瀬さんは?
河瀬 
僕は後者、耳で作るタイプだと思っています。ということをちょっと考えながら、今のスタイルのままでいいのだろうかと悶々としていて。
__ 
面白い。そうなんですね。さて、天狼ノ星でやりたい事とは。
河瀬 
再演をするときは読み直して、気に入らないところ全て書き直すんです。参考文献も読み直すんです。そうしないと自分の思い込みに気付かなかったりするんです。天狼ノ星は古事記を参考にしてるんですけど、自分のこだわりが先行してたりとかで違う方向や主義に向かっていってたりしていて、書き直す部分が。ただ、構造で何かもっといじれないかなと思っている部分があります。楽しみにしていてほしいです。
__ 
意気込みを教えてください
河瀬 
意気込みは、・・・難しいですね。特にないです。普通ですね。いつも通り作ろうという感じです。
__ 
そういう答えが返ってきても不思議ではないですね。もう不安なんかなくて、面白い面白くないじゃなく、何をしてくるのか楽しみです。
河瀬 
もしかしたら僕は新しい挑戦をしないかもしれないですよ?
__ 
もう一度、天狼ノ星に出会い直せるという時点で、私にとっては冒険です。あの壮大さを体感出来るんですよ、最後には宇宙に行くし。でもその壮大さは着実な積み上げによってなされるものですから。
河瀬 
思い出しました。護王司馬懿編の最後で、宇宙に行きそうになりました。龍が兎になるところでした。いかんいかんと。
__ 
そこでなぜ宇宙に行かないという選択を?
河瀬 
そうですね、やっぱり、天狼ノ星で既に一度やったことなので。一度やったことは、もう挑戦にはならないので。僕にとっては。
劇団ZTON 10th Anniversary 2nd「天狼ノ星」
【日程】
 2017年7月29日(土)~31日(月)
  7月29日(土)14時開演【天の章】
  7月29日(土)☆◆18時開演【地の章】
  7月30日(日)13時開演【天の章】
  7月30日(日)☆◆17時開演【地の章】
  7月31日(月)12時開演【天の章】
  7月31日(月)◆16時開演【地の章】
  ※開場は30分前です。
☆印のステージは終演後にアフターイベントを行ないます。
◆印のステージは終演後にお客様のお見送りをいたします。

【会場】
 ABCホール

【チケット一般発売日】
 2017年5月27日(土)10:00 発売開始!

【チケット料金】(税込・全席指定)
 S席 4,300円(各ステージ限定15席・最前列)
 前売料金 一般 3,800円/U-23 3,300円
 当日料金 一般 4,500円/U-23 4,000円

※未就学児のご入場はお断りいたします。
※チケットはお一人様1枚必要です。
※U-23 は 23 歳以下の方が対象(公演期間時)です。
 当日受付にて年齢確認できる身分証のご提示をお願いします。
※開演時間までにご来場いただけない場合、
 指定席の座席を変更させていただく場合がございます。
 あらかじめご了承ください。開演までにご来場いただくことを推奨いたします。

【チケット・公演に関するお問い合わせ】
 合同会社 office ZTON
 MAIL:info@office-zton.com

―「覇道泰平」の原点。四年の歳月を経ての再演―
あらすじ
どこか遠い国の物語。
人というには人でなく、獣というには獣でない者達が住まう国。
この国は五つの異なる種族が治めている。
野を駆ける「オオカミ族」、火山に棲む「オロチ族」、空舞う「タカ族」、海奔る「シャチ族」
そして、…時を翔ける「ウサギ族」
昔話というには遠く、神話と呼ぶには近い、
「天」と「地」からなる戦記。

―物語は、新たな輪廻を紡ぎだす―

【天の章】あらすじ
「タカ族」と「オオカミ族」は戦争状態であった。
オオカミ族の賢王ホロケゥは、タカ族を破った。
ホロケゥは異なる種族の共存を目指しオオカミ族とタカ族の連合国家マシラ国を建国する。
しかし、王ホロケゥは志半ばで崩御し、タカ族出身のエトゥが王を引き継ぐ。
兇王エトゥが国を治め始めると、オオカミ族は弾圧された。
オオカミ族は他の一族の力を借り、王であるエトゥに反旗を翻す。
オオカミ族の種族を賭けた戦いが始まる。

【地の章】あらすじ
「シャチ族」の才王オルカは戦の絶えないこの国を憂いていた。
かつてオオカミ族のホロケゥ王が提唱した異なる種族が
共存するための連合国家マシラ国を建国することを提案する。
オオカミ族とタカ族はその提案を受け入れた。
しかし、「オロチ族」だけはマシラ国への参加を拒んだ。
それを良しとせぬマシラ国の者たちがオロチ族の領内に攻め込んだことにより、
再び全種族を巻き込んだ戦いの火蓋が切られることとなる。
戦火の中、静観を続ける「ウサギ族」の真意が明らかになろうとしていた。

―次はきっと、違う物語になるわ―

構造を作る

__ 
河瀬さんをして、創作に駆り立てるものは何ですか?
河瀬 
実は、ちょっと困ってるんです。でも、面白いものを見たときが、一番、「やってみよう」という気持ちになるんですよ。これは面白い、自分がこれをやったらどうなるんだろう。まずはそれを真似するところから入って、とか。だから良いものに出会えるかどうかがまずは大事で。映画でも演劇でもなんでも。
__ 
私は、良いものを見たら分析して終わりで、自分の創作に繋がらなかったなあ。
河瀬 
あ、僕も分析はしますよ。まんま真似してみようということじゃなくて。作品の分析というのは構造の分析に近くて。このセリフとかシーンや出来事は、後でこういう風に効いてくる、とか。因果関係を全て踏まえてこういう風に使っているんだ、とか。仕組みの構築というところに興味があるんですね。
__ 
河瀬さんが創作を始めたのは、漫画から、ですよね。
河瀬 
漫画というのは元々ページ数が決まっているので、どうしても箱詰めしないといけない。構成して配置して、起承転結を分かりやすく描かないといけない。
__ 
面白さを構築するのが面白いと。
河瀬 
そうですね。一番やりたいのは、誰も見たことのない、面白い構造を作りたいんです。ハリウッドスタイルは誰が見ても見やすいし面白い。そういうふうに計算されていると聞いたことがあって。僕も大体そういうのを踏襲していて。でも、覇道泰平で初めてそこから少し離脱したんです。
__ 
というと?
河瀬 
前後編で主人公が変わるという構造です。覇道泰平の各編はお話の大きな構造はすべて共通していて、そういう意味では構造を組む苦労はなかったわけですが・・・。構造を作るのが一番興味があるんです。次は天狼ノ星なんですけど、構造勝負の作品なので、今回どうすべきか迷っています。

覇道泰平の道

__ 
覇道泰平が完結しましたね。お疲れ様でした。人と龍の相克という、ZTONにしか書けない作品だったと思います。最後に司馬懿が出てきて、次の時代が幕を開ける、というのが、新時代の幕開けという感じでとても良かったです。ご自身としてはどうでしたか。
河瀬 
いやもう、続編を書く気がないのに続編を二作を書きました。なんとか、人と龍の歴史を絡めたかったですね。そうしないと終われない、と。僕はZTONの会議の度に自分の考えているコンセプトをぶわぁってしゃべるんですけど、実際に上がってくる台本には全然違うみたいな。そういう事が多々あるんですね。覇道はその繰り返しで、苦労しました。
__ 
河瀬さんのクリエイションの形が、覇道泰平で形になったっていうのを目にできて嬉しかったです。河瀬さんが考えてることを団員の方々が正確に捉えて形にしている実感。その時の全力を全て出し切っている、という。きっと大変だったと思うんですよ。
河瀬 
そうですね、でもあいつら、大して歴史を勉強しないですからね(笑う)。ただまあ、知っているかどうかで演技が変わるかというと微々たるものかもなあ、と最近は。
__ 
団員の皆さんに、一言お願いしてもいいですか。
河瀬 
次は15周年。死んでもらおうと思っています。
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労いではないですね。死亡宣告であると。
河瀬 
労いではないですね。労いは・・・できないですね。自分たちがまだ、そういうステージにいないので。一緒にやってる奴らをねぎらう必要はないんだと思います。
劇団ZTON 10th Anniversary「覇道ナクシテ、泰平ヲミル【護王司馬懿編】
公演時期:2017/1/27~29。会場:ABCホール。