セリフの覚えかたとアウトプットについて

__ 
最近のテーマを教えてください。
出田 
最近はなるべく、稽古場に入る前にセリフの読み方を決めないようにしています。覚える時も棒読みで覚えるように。色を付けずに。稽古場での発見を大事にしたいなと思って。ベタですけど。
__ 
いえいえ。もっと詳しく教えてください。
出田 
人と演技を合わせてみると、意外と、自分が思った通りの言い方をしなかったりするんですよ。僕は最近思うんですが、感情って、何かをした結果でしかないな、って。何かをしようと思って行動するけどそれがうまくいかないから怒ったり悲しんだりするのであって、台本を読んだ時にここってこういう感情だよね、と予断するのは順序が違う。日常生活で怒ろうと思って怒る人はいないですよね。例えば他人にいい加減な対応されて初めて怒るのであって(怒ったフリをすることはあっても)。芝居の作り方として、ここはこの登場人物が死んだから怒るんだよね、というふうに稽古場に持って行くのは間違っているんじゃないか。だから最初に感情を考えないようにするというほうが、僕の場合はすごく楽に台本を読めるようになりました。
__ 
凄い事に気づきましたね。
出田 
感情を込めて演技しようと思った時に、この感情のところまで行きたいと思ったりしたのにいかない事ってあるんですよ。例えば涙を出そうと思ったのに出ない。ここまでボルテージを上げたいのになあと思ってもうまくいかない。ああもう、ないならないでいいや!ないならないで正解なんですね。実は怒りじゃなくて悲しいだったり、その場になってみないとわからなかったりするんですよ。そうすると逆に楽しくなってくるんですね。理想の自分の姿を考えずに稽古場に行った方が楽しかったりする。
__ 
なるほど。その時の感情を準備していくというのは確かに違いますね。
出田 
そうやって言ってみると「あれ、ここは泣き所じゃないぞ、」みたいな事に気付くんです。
__ 
まず、当然お客さんはそんなもの用意してませんね。そして役者も用意していない。じゃあその時、誰も次のセリフに対するリアクションを知らない・・・。泣けなきゃ泣けないでいいってことなんでしょうね。そう、それがいわゆる、「会話が出来ている演技」なんですよね、きっと。
出田 
僕、あれなんですよ。あんまり劇団でも殺陣が上手いほうじゃなくて。だから、芝居で勝たなきゃと思って。それから色んなお芝居を見て、たどり着いたと言うか。ZTONって、自分で手がかりを掴んでいく場なんですね。自然淘汰される場なんですよね、僕にとって。自力でやらないと、ただ河瀬さんに怒られて終わる、という。

質問 中谷 和代さんから 出田 英人さんへ

__ 
前回インタビューさせていただいたソノノチの中谷和代さんから質問を頂いてきております。「ダメだとわかっていてもついやってしまうこと教えてください」。
出田 
深夜にポテチを食べちゃうことですね。
__ 
わかります。どのブランドの何味が好きですか?
出田 
チップスターの塩味が好きですね。
__ 
私はカルビーのうすしおが好きですね。
出田 
あーそうなんですよね。僕もそっちの気分の時はあります。
__ 
カルビーのうすしおは袋によって味が違うんですよ、本当に。そして3袋に1枚ぐらいめちゃくちゃ美味しいやつがあったりするんですよね。チップスターは加工芋だからあまりこれはないんですけど。
出田 
そのブレがないポテトチップスを食べたくなる時があるんですよね。
__ 
逆に、チョコレートとか掛けてある甘いポテトチップスはどう思いますか?
出田 
ああ、美味しいんですけど、量食べられないんですよね。頭悪いじゃないですか、チョコレートポテトチップスにかけるなんて。でもたまにそういう頭悪い食べ物を食べたくなる時があるんですよね。

空気感

__ 
いつか、こんな人や劇団と一緒に作品を作りたいとかはありますか?
出田 
以前、ふらっと劇団飛び道具さんの公演に行ったことがあって。何でしょうね、空気感が凄いなあと思って。うまく表現できないんですけど一朝一夕では表現できない空気感があって。ZTONでは100%ああいう芝居はしないじゃないですか。だからああいう所に行くとすごく勉強になるんだろうな、すげえな、と思ったんですよ。並じゃないな、と。
__ 
飛び道具は凄いですよね。個人的には一番好きな劇団です。
出田 
そう、オーラ的なものが見えるんですよね。空気の色が見えるような感じがあって。あんなのが出来ると、どういう世界が見えるんだろうなあ、と。

色気とは

__ 
今後、どんな感じで攻めていかれますか。
出田 
なんかこう、上手い下手だけじゃない、色気みたいなものがあると思うんですよ。とくにすてらさんとか、後輩で言うと藤矢とかもそういうのはあると思うんですけど。それが僕の次のテーマです。「理由は分からないんだけど好きなんだよねー」って、そういう魅力ってきっと、かなり好き度は高いと思うんですよね。
__ 
具体的に、何をしたらいいんでしょうね?
出田 
そうですね、それが分かれば苦労しないですね。

クリスマスの悲しい思い出


ラーメン鉢、レンゲ、出前一丁(しょうゆ味)

__ 
今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントを持って参りました。どうぞ。
出田 
ありがとうございます。
__ 
あ、割れ物なのでお気を付けて。
出田 
あ、これは・・・。ああ、今日の晩御飯は決まりましたね。

ソノノチ「2人の『つながせのひび』」2016/12/14~25@gallerymake[つくるビル]

__ 
今日はどうぞ、よろしくお願いします。中谷和代さんにもう一度、お話を伺います。最近、中谷さんはいかがでしょうか。
中谷 
8年ぶりなんですよね!懐かしい。よろしくお願いします。最近は次回公演の稽古ですね。6月から10月まで、「東アジア文化都市2016奈良市」の野外舞台公演に関わっていて、やっと11月から稽古の方にシフトし始めたという感じです。今回はダブルキャストなので2チームの稽古をしていまして、毎日のように稽古しています。
__ 
ダブルキャストとは、もしかしてセリフも違うんですか?
中谷 
セリフも違いますし、あと演出も違います。一旦演出のベースを作って、後は役者さんの身体とかセリフの言い方に合わせて変えましょうかみたいな感じです。手触りの違う作品が二つ出来上がってきています。
__ 
演劇以外では、どんな感じですか?
中谷 
去年の年末に結婚しました。それが環境的な一番大きな変化かな。あと今年に入ってからは、自分の劇団で色々お仕事をさせていただく機会が増えました。仕事以外だと、数年前までは自分の好きなこととか趣味みたいなことに時間を使って没頭していたりしたんですけど、結婚したりすると家族のこととか身の回りのこととか、そういう事にあてる時間が色々増えました。あとは、簿記の資格をとりたくて、ゆっくりとですが勉強をはじめました。
ソノノチ
2013年1月より活動を開始。舞台芸術に携わることを職能としている、もしくはそれを目指すメンバーを中心とし、継続的な活動を目指している。ユニット名は、「その後(のち)、観た人を幸せな心地にする作品をつくる」という創作のコンセプトにちなんでおり、フェミニンでファンタジックな「おとぎ話」の中のような会話劇を、細部までこだわったアートディレクション(美術・衣装・広報物)でかたちにしていく。また、第一回公演からこれまで、すべての作品で、物語が繋がっているのも特徴のひとつ。現在は、物販部「ソノノチノチ」によるアートフリマなどでのグッズ販売など、舞台活動以外でも展開を見せている。(公式サイトより)
ソノノチ2016 『絵本から演劇をつくる』プロジェクト 2人の「つながせのひび」
京都の劇団ソノノチとイラストレーターの森岡りえ子が、オリジナルの絵本と、それを原作とした舞台作品をつくります。「大切な人へと受け継がれていく気持ち」をテーマに、”ひびちゃん”と”つきちゃん”の生活を、優しいまなざしで描きます。

庭の植物に水をあげたり、二人してタオルケットにくるまったり
いなくなった猫を探したり、わらって ないて ころげたり…
観客もこの世界の住人のひとりとして、観ていただけたらと思います。

【日程】
2016年12月14日(水)~25日(日)
(月曜休館/延べ11日間 全17ステージ)《各回10席限定》
※期間中、舞台美術にもなる絵画の展示を同時開催しています。

【会場】
gallery make[つくるビル]
(京都市下京区五条通新町北西角 つくるビル1F 104号室)
アクセス:地下鉄「五条駅」2番出口より徒歩5分

【出演】
藤原美保(ソノノチ)
芦谷康介、豊島祐貴(プロトテアトル)《ダブルキャスト》
ここに注目!
1)舞台の上演と絵の展示を同時に開催します。
→森岡りえ子さんの絵画展示は、開廊時間及び、各ステージ終演後にご覧いただけます。また、舞台上演のなかでは、絵画そのものが舞台美術として使われます。絵の世界と劇空間が、空間的にも融合している様子を、ぜひ体感してみてください。
森岡りえ子さんWebサイト:http://riekomorioka.jimdo.com/

2)数量限定の絵本付きチケットを発売します。
→観劇チケットと上演作品の原作となる絵本がセットになった、お得なチケットです。(絵本は少部数のみの発行で、数量限定商品です。)

【スタッフ】
企画・製作:ソノノチ
宣伝美術:ほっかいゆrゐこ
ユーティリティ:脇田 友
演出補佐:外谷美沙子
楽曲提供:いちろー(廃墟文藝部)
制作:渡邉裕史
制作補佐:溝端友香
物販協力:のちノのち、森岡ふみ子

共催:NPO法人フリンジシアタープロジェクト made in KAIKA
平成28年度京都府文化力チャレンジ事業
京都芸術センター制作支援事業

上演の可能性

__ 
次の作品「二人のつながせのひび」では、演劇の上演と絵画の展示を同時にするとのことですが、それはマジですか。
中谷 
はい、マジです(笑う)絵画の展示をしている前で上演をするということではなくて、絵画の展示そのものが舞台美術であり、小道具になっているんです。
__ 
ああ、展示室でのお話というシチュエーションなんですね。どのような思惑があるのでしょうか。
中谷 
今回、絵の担当をしていただく森岡りえ子さんと私は、大学から10年来の付き合いがあるんですが、私は当時メディアアート専攻、彼女は洋画クラスでした。卒業してからこれまで、公私ともに仲良くさせてもらって、私自身が彼女の絵のファンであることもあって、劇団としても何度もチラシや物販グッズの絵をお願いしたりしていたんですが、今回は関わり合い方がかなり違うんです。というのは、これまでは台本ありき=私が作った世界がはじめにあり、そこに合わせて絵を描いてもらっていたんですが、もう少し踏み込んで「一緒につくる」という事をやってみないか、と。彼女は私の文章にインスピレーションを受けて描くし、私も彼女の絵に触発されるように推敲を重ねました。つまり、絵のために文章を書くわけではなく、文章のために絵を描くわけでもなく、お互いが自分のやりたいことをしっかりやった上で共存したらどんな形になるだろう、と。絵とお芝居、二つのちがった媒体をコラボさせるという試みなんです。勿論お互いにとってチャレンジだったので、半年くらいずっとああでもないこうでもないと議論し、今回の企画になりました。会場を劇場ではなく展示スペースにしたのも、不思議な観劇体験を演出するための1つの工夫です。
__ 
具体的な場所でのお話になるんですね。
中谷 
絵の仕事に携わっている夫婦が、家の中に小さなアトリエスペースを持っていて、でもそこを引っ越すということになったんですね。その前夜の話なんです。
__ 
不思議な観劇体験とは。
中谷 
ストーリーはありますが、インスタレーション(空間芸術)に近いです。空間そのものを体感してもらうような。少し覗き見感もあるし、展示室でもありながら夫婦二人の部屋でもある。お客さんとの距離が近い空間ですので、役者さんは少しいつもと違う苦労をしていると思いますね。
__ 
今回の上演には、原作の絵本があるんですよね。
中谷 
そうなんです。登場人物の「ひびちゃん」と「つきちゃん」、この二人はなかなか会えない、入れ違いの生活をしている。で、それを通じて、どうやったら2人で一緒にいられるかということを考えていくというお話です。お芝居の中にもこの二人が出てきますが、彼らは夫婦とか恋人に見えたり、親友や兄妹に見えたりするかもしれません。二人が実際にはどういう関係でも、見る人自身の大事な人のことを考えながら、観てもらえたらいいなと思ってます。
__ 
会場はつくるビルですね。製作をしている人たちが集まって展示と販売をしていますからね。ビル丸ごと。
中谷 
はい、できた当初からずっと気になっていました。よくよく考えたら、私達もほとんど芸術系の学校を出たメンバーで構成されているので、クリエイターさんが沢山いらっしゃるつくるビルとはきっと相性が良いと思います。この施設の空間がどんなふうにソノノチを受け入れてくれるのか、搬入が楽しみです。

ソノノチのこれまでとこれから

6人の「これからの宇(そら)」
__ 
ソノノチの作品はどこかを境にちょっと変わっていると思うんですよね。以前の作品は、作家が自分の世界を実現しようとして、だからどこか、手触りとしては閉じていた印象があった。でも去年の6人の「これからの宇(そら)」は物語の外の方に広がっていく感じがあったんです。観客の力をより信じてるような、そんな印象がありました。2人の「つながせのひび」ではどちらなのかなと。
中谷 
「これからの宇(そら)」の方向に近いと思います。私自身が作品を作るときに、以前は自分の言葉・世界を提示するという姿勢で作っていたんですね。私にとって表現ということがそもそも、「自分には世界がこういう風に見えている」と表現するための行動だったんです。だから、オープンに誰かとコミュニケートしたい、対話したいという事とはちょっと違う。それを閉じた手触り、と仰っていただいたのかと思います。閉じているからこそより混じりけのないものが作れたり、人の意見に左右されないというか、そういう姿勢が、ファンタジーというかこの世にないものを作るということに対して必要なのではないかと、当時は思っていたんです。でも生活環境の変化や、プライベートな家族のこととか仕事のこととか、そういう状況の変化があって、「これからの宇(そら)」では、自分が日常で体験したこと・誰かと会って実際に思ったこと、を戯曲に書いたんです。自分の心の声を拾いあげる姿勢から、実体験や他人との関係の中での思いを拾い上げる姿勢にシフトして、作品についての考え方が変わってきたタイミングだったと思います。
__ 
やり方が変わったんですね。
中谷 
眺め方が変わったんだと思います世界の。意識的に変えましたし、私自身が思う面白い演劇の姿が変わったんだと思います。言葉の裏にある心情を深く考えたり、日常にあったことを大切に捉えるとか、そういうものを観客として好むようになってきていて。数年前は正直、そういう舞台が好きじゃなかったんですけど。日常ってわざわざ劇でやらなくてもいいじゃないか、と当時は思ってたんですね。今は、日々を俳優さんの演技を通して見つめ直す。それは自分にとってとても癒される、自分の生活を振り返るいいタイミングだったんだ。そう思うように変わってきたと思います。自分の作品も、色んな人の視点を取り入れつつ、受け取り側の心の機微に触れられるようなそんな作品を作りたいなと思うようになってきたと思うんです。2人の「つながせのひび」も、最初は何気ない生活の風景から始まります。でも途中には、やっぱり譲れないファンタジーの世界もあったりします。そこはソノノチの代名詞みたいなところだと思っているし、私たちじゃないとできない表現に自負があります。
__ 
そこはもちろん、味ですからね。やめるやめないの話じゃないでしょう。
中谷 
今回の公演は、その両方を味わってもらえる作品になると思います。
__ 
作り手とその作品には経緯がある。けれどもお客さんにはそれは分からないから、観たうえでまったく違った知見を持って評論しますね。それらが交差する様が面白いですよね。
中谷 
前回のインタビューでは言ってなかったと思うんですけど、風景みたいな演劇が作りたいと思ってます。公園を散歩していて、木々の紅葉が綺麗だなと思う人もいれば、子供が遊んでいる様が良いという人もいるし。ひとつの絵の中に色々な捉えどころがあって、主人公の物語をひたすら追いかけていうのではなく、例えば全体をボーッと眺めてもいいし、何かひとついいなと思った事をずっと眺めて追いかけていてもいいというような。私たちは毎回、美術やチラシ、衣装などをかなり作りこんで世界を表現するという手法をとっているのですが、これはいろんなところに焦点が与えられる作品が作りたいと考えているからなんですね。
6人の「これからの宇(そら)」
公演時期:2015/10/2~5(京都)、2015/10/17~18(愛知)。会場:スペース・イサン(京都)、NAVI LOFT(愛知)。

重なり合うことについて

__ 
勝手ながらソノノチには、クロスジャンルをするというイメージがあります。製作において他のジャンルの方と複合をする。今回の2人の「つながせのひび」でも画家の方とそういう製作をされますし。そこで伺いたいのですが、演劇の製作において、何が複合の価値だと思いますか?
中谷 
お互いの痒いところに手が届く可能性の高い方法だと私は思っています。最近お仕事で、舞台芸術ではないジャンルの、企業の方とか教育現場の方とか、いろんな立場でいろんな課題にチャレンジしている人と一緒に何かさせてもらうということが増えまして。その時に私たちにとっては何ともなかったことが、その人たちにとっては大きな価値だということが何度もありました。例えば何かを演じてやってみせたりすることで、説明するよりも伝わりやすかったり。「そうなんです!そういうお客さん本当によくいるんですよ」、みたいな。簡単なロールプレイであっても、他ジャンルの人にとっては結構びっくりな事。その逆は私たちにも当然ある。互いの課題は全然違うんですけれども、でも解決する方法は何かに似てたり。そんなところが刺激的で、可能性を感じてしまって、あえて他ジャンルの人と一緒にやりたいという気持ちが強くなっていて。でもそれって、ここまでのお話をひっくり返すようですけどめちゃくちゃむずかしいことなんですね。全然違う価値観と経験を持った人が、フラットな立場で同じ関わり方で作るということはとても難しいことで。
__ 
そうですね。
中谷 
過去の作品づくりでも沢山経験したのですが、やっぱり難しいんですよ、そもそも無理かもしれないぐらい。お互いがやろうと思ったら、本当に技術を突き詰めて、100%信頼し合って。それぐらいの覚悟がないといけない。己の道を突き進んだ結果一緒にやっていた、ぐらいの・・・そんな事は起こりえないんじゃないかというぐらい難しいことなんですよ。だからクロスジャンルはやっている人自体が少なかったり、でも新しい価値が生まれる可能性の芽がたくさんあって。一番難しいけど一番届きたいところですね。今回も、アフタートークではあえて演劇以外の分野で活動されている方をお招きしています。手法が違う人たち同士で、作品世界へのアプローチの仕方を考えてみよう、じゃないですけど。この作品をたたき台に話せればいいなと思っています。

質問 楳山 蓮さんから 中谷 和代さんへ

__ 
前回インタビューさせて頂いた、楳山蓮さんから質問を頂いてきております。「小さい頃にやっていた遊びは何ですか」。
中谷 
いっぱいあります。一人遊びが得意だったので。未だにあの頃よくあの遊びをやれていたなというものがいっぱいありますよ。例えば小学校の頃、図書館をやっていたんですよ。最初は紙を小さく切って、ホッチキスでまとめた豆本に漫画を色々書いていたんです。何かリクエストがあったらコメディやら長編やらなんでも書いて、その内クラスメイトを主人公に漫画を書いたりして。で、その本が溜まってきて。今度は画用紙で本棚を作って、貸します、って。
__ 
図書館ですね。
中谷 
そのうち地域通貨みたいなものを作り始めて。
__ 
ええっ。
中谷 
教室の中だけのお金を作ったんです。500円で5冊借りれます、みたいに。図書館を経営していました。それがやがて、お金でプリペイドカードを買うという仕組みにして。お金だけだといっぱいになったら無くしちゃうからカードにしてみんなが忘れないようにしよう、と。
__ 
それは情報から入っていくタイプの支配ですね。
中谷 
もともと、そこまでする気はなかったんですよ。ただ単に、みんなが面白がってくれればそれで。
__ 
それ、今でも続けていれば京都府くらいなら支配出来てたかもしれませんね。
中谷 
それはどうでしょう、当時はお客さん(クラスメイト)が良かったですからね。とにかく、小さい頃からごっこ遊びが好きで。その頃から演劇っぽいことが好きだったんだと思います。あ、四・五歳ぐらいの時には、町内に落ちている葉っぱとか石を組み合わせて懐石料理を出すみたいな遊びをやっていました。ちょっとおしゃれなお皿に空間を活かして盛り付ける。それを並べて展示したりだとか。
__ 
それは流派ができたりトレンドが出来て・・・
中谷 
ちょっとした披露の場、みたいな感じになってきて。でもそれは二日以内には大抵踏み潰されていて。意図的に壊す人たちがいたんですよ。隠したのに見つけられて潰されて。悔しかったですね。
__ 
しかし、破壊者には破壊者の美学がきっとあったはずです。壊し方、逃げ方、晒し方・・・
中谷 
ええ、あったと思います。その時は本当にショックだったんですけどね。

変わっていく

__ 
いつか、どんな演劇が作れるようになりたいですか。
中谷 
あんまり、一点を目指して、という感覚はありません。移り変わっていくということを、ずっとやっているので。毎年の冬が同じ寒さじゃないように、春が来る日が毎年違うように作品を作っているので。こうしたら終わりみたいなのがないんですね。今のところは、苦しくても辞めたくはない。でも夢としては、傑作というものに憧れているかな。少なくとも誰か一人の人に傑作と言ってもらえて10年覚えてもらえるような。私も小劇場を始める前に見て今でも覚えているものが何本かあるんです。演劇って、残るのは記憶にだけなんですね。ずっと心に残るようなものを作りたいというのはあります。でもその一点だけを目指して、というわけではないです。
__ 
私はむしろ傑作が上演されている時、俳優や観客の身体に一体何が起こっているのか。そこに興味がありますね。日本時間や物語俳優と観客が共有してるんですけれども。で、共有ってそもそも何なんだろう、とか。
中谷 
昔見た京都ロマンポップの作品、「幼稚園演義」のラストのシーンで、客席全体がそれこそ息を飲むような。衝撃で「引く」みたいな瞬間があって。それもひっくるめて結構覚えてるんですけど。それぞれの心のアンテナの反応が集まってうねりになる。そんな感じを今思い出しましたね。
__ 
「幼稚園演義」は傑作でしたね。評判高い作品でしたねあれは。
中谷 
あれが終わって私、ずっと泣いてて。一人で。しばらく席を立てなかった。

模索の時代

中谷 
演劇で何がやりたいのかわからない、模索の時代があったんです。ちょうど初めてインタビューをして頂いた後くらいの頃ですね。そこから10年近く経って、なんとなくですが、自分がなんで演劇をやっているのか、その根本にあることにふと気付いたんです。それは結局、「人は人を想う」ということなんですね。演劇はそれを表現するのにとても向いている。恋だったり気遣ったり妬んだり嫌いだったり、そういうふうに誰かと関係して、誰かの事を常に思って生きている・・・それが人間だし、それを演劇でとらえなきゃ、いうことに気づいたんです。今回はその色が結構濃厚に出ているんじゃないかと思います。そこを見てもらえたら。ちなみに今回、クリスマスに公演をやろうと思ったのも、劇場がデートスポットにならないのかなと思っているからなんです。なぜ多くの人が恋人と映画は見に行くのに、舞台はなかなか見に行かないんだろうなと。1つのものを見ていろいろ話す、そこに流れている時間を一緒に味わうのは、ご飯を食べに行くのと似てるのになと思うんですね。

新しいひび

__ 
今後、どんな感じで攻めて行かれますか。
中谷 
2013年に再旗揚げした時、劇団員は私一人だったんです。一人であっぷあっぷになっていたところだったんですけど、そこに藤原美保という強力な俳優をはじめ、少しずつ劇団員が入ったり固定のメンバーが集まり始めて。団体としても徐々に強固な感じになってきています。そういう意味では新しくできることは増えてきたなと思います。大事なことは守りつつだけど、行ったことがないことにも今後どんどんチャレンジしていきたいですね。今年も初めて稽古場公開をしたり、ワークショップで沢山の方と出会ったり、大阪にも初進出しましたしね。来年4月には音楽祭でパフォーマンスをさせて頂きに滋賀に行くんですけど、もっと他府県にリーチしていけるようにもなりたいです。これからもよろしくお願いします。

alganiiina Organic Hair Milk(洗い流さないトリートメント)

__ 
今日はですね、お話のお礼にプレゼントを持って参りました。
中谷 
うれしー。何だろうこれ。ヘアトリートメント?
__ 
洗い流さないトリートメントですね。ドライヤーで乾かした後に付けるとふんわりとまとまります。パーマを掛けた後の人にはちょうどいいはずです。
中谷 
そうなんですよ、最近パーマを掛けたばかりで、傷みやすいので。ありがとうございます!

冬のお買い物

__ 
今日はどうぞ、よろしくお願いします。楳山さんは最近はどんな感じでしょうか。
楳山 
最近は冬を楽しんでいますね。最近、ある人から「俳優なら服にも気を使わないと駄目だよ」と言われまして、そういうものなのかなと思って、服をちまちま買っています。古着ばかりですけど。店員さんと喋るのが苦手なので、あまり喋らなくてもいい近所の古着屋さんとかで選んでいます。
__ 
最近買った一番お気に入りは。
楳山 
今日は着てないんですけど、赤いダッフルコートです。1500円でした。いい買い物したなと思っています。
__ 
1500円は安いですね!
楳山 
掘り出し物でした。

vol.492 楳山 蓮

フリー・その他。

2016/春
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楳山

劇団しようよ 3カ年プロジェクト『CEREMONY』

__ 
劇団しようよの『CEREMONY』が来週ですね。意気込みを教えてください
楳山 
いやもう、やったるぞ、しかないですね。何だろうなあ、やっぱりなんだか普通の作品とは違うんですよ、『CEREMONY』は。ワークインプログレスをご覧くださった方には分かっていただけると思うんですけど、客席と舞台があって上演が始まるのではなく、役者と観客が出会うところから始まっていく。本当に、人と接する機会と言うか。半分ワークショップみたいなところがあるんですね。稽古をしている時も「これって演劇の稽古だよな?」と、ちょっと不思議な気分になっていました。
__ 
先日のワークインプログレスを拝見しましたが、お客さんの動きとか感情を計算しながら稽古していたんだろうなと思いました。
楳山 
ワークインプログレスの時は正直、僕達も初めての試みだったということもあって。なんとなく飲み込めてないと言うか巻き込めていないというか。もしかしたら、そういう「上手くいかなさ」がそもそものコンセプトなのかもしれないね、という話を皆でしたりしまして。それを踏まえて、どういう公演にしていこうかという話をしました。
__ 
まだ一週間前ですから、ね。さすがにまだ答えは出ていないでしょう。
楳山 
ただ、大原さんが仰るには「面白い作品になってきた」と。ともかく、楽しんで頂ける作品になればいいなと思っています。
__ 
そうですね。観客参加型という打ち出し方はしていないですけれども、ガンガンお客さんが参加する。結構、鑑賞体験というより、もう一歩踏み込んだ作品だと思うんですよ。
楳山 
そうですね。戸惑われていたお客さんもいらっしゃいましたし、それは僕も思っていました。後輩から個人的にちょっとキツかったという声もいただいて、その時はごめんねとしか言えなかったですね。でも、そういう特殊な作品なんだなと言えそうです。
__ 
そこにこの『CEREMONY』という作品の価値がある。
楳山 
東京デスロックがやられていた作品の価値はまさにワークインプログレスの中にもセリフとして出てきた「確認し共有すること」だったと思うんですけども。例えば舞踊の儀とかもお客さんが参加する時間でしたが、「共有」という面が色濃く出ていたと思います。『CEREMONY』って文字面は凄くほんわかしていますが、作品としてはすごくサディスティックなことをしているのかもしれない。日本人的な、あなたもこっち来るでしょうみたいな。そういう空気感は、お客さんが本当に入ってみないと分からなかったですね。
__ 
ただ、暴力に自覚的になっているところは大きいと思います。
劇団しようよ
2011年4月、作家・演出家・俳優の大原渉平と、音楽家の吉見拓哉により旗揚げ。以降、大原の作・演出作品を上演する団体として活動。世の中に散らばる様々な事象を、あえて偏った目線からすくい上げ、ひとつに織り上げることで、社会と個人の”ねじれ”そのものを取り扱う作風が特徴。既存のモチーフが新たな物語に〈変形〉する戯曲や、想像力を喚起して時空間を超える演出で、現代/現在に有効な舞台作品を追求する。2012年「えだみつ演劇フェスティバル2012」(北九州)、2014年「王子小劇場新春ニューカマーフェス2014」(東京)に参加するなど、他地域での作品発表にも積極的に取り組む。野外パフォーマンスやイベント出演も多数。2015年「第6回せんがわ劇場演劇コンクール」(東京)にてオーディエンス賞受賞。同年よりアトリエ劇研(京都)創造サポートカンパニー。(公式サイトより)
劇団しようよ 3カ年プロジェクト『CEREMONY』
アトリエ劇研創造サポートカンパニー採択の2015年より、劇団しようよは《movement》と題して、他の作家・演出家の作品・コンセプトを拝借し、新たに劇団しようよ版として創作する試みを行っています。プロジェクト初年度2015年は柴幸男さんの『あゆみ』を男性キャストのみでの上演を試みました。プロジェクト2年めにあたる2016年度は、アトリエ劇研のアソシエイトアーティストでもある多田淳之介さんの作品『CEREMONY』に取り組みます。
〈原案〉
多田 淳之介(東京デスロック)

〈構成・演出〉
大原 渉平

〈音楽・演奏〉
吉見 拓哉
舞台監督:北方こだち(GEKKEN staffroom)
照明:吉田一弥(GEKKEN staffroom)
音響:島崎健史(ドキドキぼーいず)
映像:坂根隆介(ドキドキぼーいず)
映像操作:浅川瑠奈
演出助手:小杉茉央(第三劇場)
宣伝美術:大原渉平
制作:植村純子 前田侑架 藤村弘二 渡邉裕史
〈出演〉
◆フルサイズver.
高橋 紘介 (俳優)
楳山 蓮 (俳優)
石田 達拡 (俳優)
ゆざわ さな (ダンサー)
大原 渉平 (演出家・デザイナー)
西村 花織 (俳優)
吉見 拓哉 (ミュージシャン)

◆ショーケースver.
大原 渉平 (演出家・デザイナー)
西村 花織 (俳優)
藤村 弘二 (俳優)
吉見 拓哉 (ミュージシャン)
〈日時〉
2016年 12月8日(木) 20:00 [S]
12月9日(金) 19:00 [F]
12月10日(土) 15:00 [F]/19:00 [F]
12月11日(日) 11:00 [F]/15:00 [F] ◎
12月12日(月) 12:00 [S]/15:00 [F] ☆


◆上演作品
F : フルサイズver.(上演時間100分予定)  
S : ショーケースver.(上演時間30分)
~ショーケースver.とは?~
アトリエ劇研創造サポートカンパニーショーケース(2016年4月)
にて劇団しようよが上演した、『CEREMONY』の30分ver.です。
⇒アーカイブはこちら!

※受付開始・開場は開演の30分前です。
※◎・☆の回はアフターイベントを開催予定。
◎ ⇒ 終演後、「フィードバック座談会」開催。
☆ ⇒ 終演後、アフタートークあり。
ゲスト:多田淳之介さん (東京デスロック)

〈会場〉
アトリエ劇研

vol.492 楳山 蓮

フリー・その他。

2016/春
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楳山

素の僕は本当はすごくビビリで

__ 
演技について見出したことはありますか。
楳山 
あくまで主催側であるということですね。熱狂してはいけないんですね。そういうことの自覚が必要で、もう一つは人間の楳山蓮と、役者の楳山蓮は別人であるということ。その二面性があることを自覚し使い分けることが『CEREMONY』では特に必要なんだと思います。
__ 
その使い分けの時あなたの身体では何が起こっていますか。
楳山 
何かが下に落ちていく感覚。揺らがないように、ブレないように。「殺すなら殺せ」みたいな。それが役者、楳山蓮の状態です。素の僕は本当はすごくビビリで、本番前の時はゲロを吐きそうになっていて、これはちょっと未熟な部分なんですけど、舞台の上で足が震えてしまったりするんです。そのスイッチがもっと上手くできたらいいなと思っていますね。
__ 
役者の時はテキストがあるから大丈夫なんでしょうね。
楳山 
ブルーエゴナクの『Rapper』の時はテキストがちゃんとあって、ある意味やりやすかったです。まぁ、ラップは初心者だったんで大変ではあったんですけど(笑)
__ 
この作品に関わる前と後で、何か変わった事はありますか。
楳山 
うーん、すごく素人みたいな答え方ですけど、「へぇ、こういう作品もあるんだこういう作品もあるんだ」という事でしょうか。本当に新鮮でしたね。今年は斬新な講演に参加させて頂くことが多かったです。1月に短距離男道ミサイル、6月はロームシアターに出させてもらって、7月8月はまた仙台に行って短距離男道ミサイルの『R.U.R.-生命が、ただ生命だけが、裸です-』に参加させてもらって、9月には『Rapper』をやり、そして11月と12月は劇団しようよで『CEREMONY』と。今年は、ストレートプレイとはちょっとかけ離れた演劇への参加が多かったです。今振り返ってみても今年は不思議な年だったなぁと思います。
__ 
幅が広がったんじゃないですか。
楳山 
そうですね。僕の自覚していないところでスキルアップされていたらいいですね。でも本番前に緊張するのは高校時代から変わらないです。本番前になると「怖い」てなって、なるべくそれを見せないようにしてるんですけどばれちゃって。楽屋とかで青白い顔になってうつ伏せになっていて。
__ 
もしかしたらそれがベストコンディションじゃないですか?
楳山 
そう考えたこともあります。緊張状態の自分がいる中で、何パーセントか冷静になっている自分もいて。これだけ緊張しているんだったらまあ僕の緊張癖は僕のものなのでそれで、誰かに迷惑をかけてるのでなければいいと思うんですが。

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楳山

落語と僕

__ 
お芝居を本格的に始めようと思ったのは何がきっかけだったんでしょうか
楳山 
これはすごく難しい質問ですね。芝居というより表現自体が元々凄く好きだったんです。人より言葉を覚えるのが遅かったのですが、母や祖母が折り紙やあやとりを教えてくれて、それをずっとやっていました。舞台に関して言えば、以前母親から聞いたのが、2歳くらいの頃天才てれびくんの舞台の企画が好きで、凄まじい集中力でテレビを食い入るように見ていたみたいなんです。母親が近づいて僕に「出たいの?」と聞くと、強く首を縦に振ったと。初舞台は保育園の時ですね。お遊戯会の出し物で20分くらいの劇をやったんです。練習の時、先生が「今日の出来は〇」「今日は△」と、日々評価をしていたんですが、本番が終わると同時に幕裏で手で大きな丸を作って「おおまる!」と言ってくれたのを覚えています。あの時は嬉しかったですね。小学校の時も6年生の発表会の時に一番セリフの多い動物園の園長を貰って、歌とかもあって凄く大変だったんですけど、でも終演後にすごく先生が褒めてくれたりして。
__ 
では演劇が始まるのは中学から?
楳山 
いえ、その間に落語が挟まれてるんですよ。父親が落語が好きでそのCDをずっと聴いてたんです。米朝師匠とか枝雀師匠とか。最初僕はそれを又聞きをしていたんです。えらく笑い声が聞こえるCDがあるなと。言葉の意味がわからないのに何か面白かったんですよね。で、そう思ってるうちに「俺もやりたい!」と思っちゃって。で、そこからもう毎晩CDデッキに耳をつけて弟や母親が横で寝ているなか音量を小さくして落語を聞いて練習して。でもたまに「うるさい!」って怒られたりもしてたんですけどね。CDも何十種類とあったんですが拍子木だけでどの演目か覚えていた時期もありました。今は流石にもう忘れちゃいましたけど。
__ 
イントロだけで覚えるくらいめちゃくちゃハマってたんですね。ひとつの世界ですね。
楳山 
中学を卒業する頃に、弟子入りするかどうかめちゃくちゃ迷うぐらいでした。あと、小学校6年生の時に担任の先生が授業の時間を僕の落語の発表の時間に当ててくれたりして。すごく僕の個性を大切にしてくれる人だったんですね。僕もなかなか変わり者で、流行りものなんか興味なかったし、音楽でも父親が聞いていた長渕剛くらいにしか興味が向かなかったんです。結局高校には行くことにしたんですけどね。
__ 
なるほど。
楳山 
そしたらそこの高校の演劇部がめちゃくちゃ厳しかったんです。2ヶ月ぐらい練習でシゴかれていました。それこそ朝飯のサラダを戻しちゃったりして、母親に「やめたら?」と言われたんですが「やめたら殺される…」と。本当にめちゃくちゃ厳しかったんですよ。稽古の度に、怒られないようにと頑張っちゃう。でも萎縮する。また怒られる。それの繰り返しでしたね。
__ 
本番前に緊張するのはそういうところから来てるのかもしれないですね。
楳山 
そうかもしれません(笑)

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小さいハコで行われている熱狂

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いま、演劇について考えているテーマはありますか。
楳山 
もっと、ライブハウスみたいになればいいんじゃないかな、とか思いますね。演劇の人はライブハウスにはあんまり行かないみたいなんですが、僕は大学時代の友達が音楽関係が多くて、よくライブハウスに行っていたんです。演劇って、総合芸術という割には演劇しかやっていないんじゃないか、と思うんですね。小劇場でやっている人たちって、意外と小さいハコで行われている熱狂にはあんまり触れていないんじゃないかと思うんですね。そこで得る熱狂や養われる感性もあるんじゃないか、と思ったりもします。演劇、もっとフラッと寄れたらいいんじゃないかと思うんですね。まあ、チケット代高いですしね。友達を誘う時とかも、そこがネックだったりするし。それはまあ何が原因か、とかはなかなかひと言では言えないですけど。
__ 
そうですね。
楳山 
何なら、フラッと帰ってもいいと思うんですよ。僕は別に。飯も食っていいと思うし、まぁ煙草とかはちょっと難しいと思うんですけど。それこそ短距離男道ミサイルがそうだったんですよ。倉庫の中にテーマパークを作って、会場に行くまでの道のりに機械のブースのアトラクションを作ったんです。夏の暑い倉庫の中で、キンキンに冷やしたコーラを出すんですが、ほぼ裸の衣装の男がアンドロイド風の声で「コーラをオ出シシマス」とか言ったりして出すんですよ。お子さんにものすごく喜ばれました。あとはアンドロイドと腕相撲する催しもあったりなんかして、楽しかったですね。
__ 
それぐらい気軽な。
楳山 
はい。ものすごい規模だったし滅茶苦茶大変だったんですけど、もっとミニマムに、あんな楽しい事が出来たらなあ、と思いますね。

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