松岡 
ドキドキぼーいずの稽古場は楽しいですよ。私最近、それで売ってこうと思ってます。
__ 
ああ、あのメンバーは面白そうですよね。
松岡 
楽しいし、長く付き合う事で、変に気を使いあうというのもなくなってきたし、共通言語が増えるというのは大きいですよね。「サブテキスト」って一言で言って、他から来た役者さんは中々分からないと思うんですよ。そこに付随する何百個の蓄積があるって、全然違いますよね。
__ 
「サブテキスト」。本音とその人自身の背景や、社会的な流れ、そしてお客さんの生理や鑑賞体験もあるのかな。
松岡 
そこに、さらに複雑な絡まり方をしているんですよ。私たちもあんまり語彙力がなくてすぐ「バーン!て感じ!」とか、「すーん。って感じ。」とか言っちゃうんです。そこが私も若干コンプレックスです。それも楽しい事ではありますけど。しんどくなる時もありますけど、結局、作るのが好きなんだな、って。

想像させることの重要性

__ 
なぜ、ドキドキぼーいずは「そういうこと」をやっているのでしょうか。
松岡 
少し前、「日本を豊かにドキドキぼーいず」って言ってたじゃないですか。でもこの前、豊かにじゃなくてマトモに、やなって。追いつかないかもしれないですけど。ちょっと偉そうな言い方になっちゃうかもしれませんが、私個人的には世のため人のため、と思って演劇を作っています。
__ 
世のため人のため。
松岡 
劇場に芝居を見に来て共感することもあれば共感しないこともあると思う。少なくとも、そういうのが生まれるようなことはしないといけない。時間だけは平等にみんなに流れていて、その時間を共有しているんだとしたら、つまらなかったでもいいし考えるきっかけになったでもいい、軽い一言で片づけられないものを生み出したい、作り出したいです。京都造形芸術大学で学んだ一番大きいことの一つには、お客さんに想像させる余白でした。ダンスの先生だった寺田みさこさんに学んだ「想像させることの重要性」が印象に残っていて。そういうものを作っていないと、クリエイティブな人材とは言えないんじゃないか、って。
__ 
それは、見ている人の想像と創造を誘発する存在、ということ?
松岡 
そうですね。他者と関わらないといけないですからね、嫌なこともあるけれど。でも結局関わらないといけない。人が大好きなタイプにとっては、演劇って凄く大事なジャンルなんじゃないかなと思う。
__ 
なぜ、見ている人に創造を求めるのでしょうか。
松岡 
私が、誰かと何かをしたいと思ってるからかな。そうしないといけない、そんな気がする。私も舞台を見ているとき、「この出来事は何なんだろう」って思う瞬間が好きで、そこから想像が始まるんですね。そういう時がないと、死んでしまうと思う。実際に死にはしないですけど。

質問 合田団地さんから 松岡 咲子さんへ

__ 
前回インタビューさせていただいた、努力クラブの合田団地さんから質問を頂いてきております。「不良になりたい瞬間はありますか?」
松岡 
今はない、かな。私は元々そういうタイプだったんです中学生の頃は。悪い事するのがカッコいいみたいな時期があって、だから私そういう子と仲良く出来るし地元にもそういう友達はいるんですけど、通り過ぎちゃった。

質問 熊谷みずほさんから 松岡 咲子さんへ

__ 
熊谷みずほさんからも質問を頂いてきております。「今一番好きな人は、どういう瞬間に好きだって気付いたんですか?」
松岡 
イカれてるなあ・・・って思った時かな。それと、自分の知らない新しい何かを教えてくれる予感、その両方を感じた時です。

戦争と選挙

__ 
「じゅんすいなカタチ」は、国防の中に作られた平和のドームの中で行われた、静かな戦争準備の話だとも言えるなあ、と思っています。介護と、武器工場と。そんな緊張状態にある青年の精神がどう壊れていったのかが克明に描き出されていたんだと思うんですよね。なにもない平和というのは奇跡のようなものではないか。
松岡 
奇跡なんですけど、奇跡と思ってない人がいるのだなあ、って思っています。私は選挙にはいかないといけないと思っているタイプなんですけど、私の周りにも選挙に行かない人は少なくないんですよ。でもその子達の気持ちも分かるんですよ。いわく、「誰に入れたらいいのか分からない」であるとか、「何を信じたらいいのか分からない」である、とか。誰も選ばないという選択をした、という事なんですよね。でもそれは反映はされない。私は、委ねるという事しか出来ないけれども・・・リーダーを決めるのってそういう事だと思うんですね。児童会長の選挙もそうだったし。私小学生の時に立候補したんですけど、クラスの中で票が足りなくて出馬出来なかったんです。それが悔しくて、ちょっと人間性変わりましたね笑。

社会の鏡なのかもしれない

__ 
演劇を始めたのはいつからですか。
松岡 
初舞台は小学校5年生でした。劇団フジで市民参加ミュージカルに出て、今はMousepeeseLeeの泰三さんに教えてもらったのが最初です。その劇団の代表の先生に、高一の夏に声を掛けてもらって入団しました。プロダクションみたいな劇団だったので、地元の三重から大阪に通いつつみたいな感じでしたね。
__ 
今後、どんな演劇を作っていきたいですか?
松岡 
作品としては、ドキドキぼーいずでやっていきたいです。劇団で作る事を私は重要視しています。社会の鏡となる作品を作っていきたいと思っていますね。それと、演劇というものをもっと社会に生かしていきたいという思いも強いですね。だから、コミュニケーションティーチャーという仕事には誇りを持っています。うーん・・・でも、そう思っていない演劇人も多いですよね。
__ 
いやあ、私の中では演劇教育は日本の中でもメジャーになりつつあると思いますよ。集団に対してあれだけ強い効果と速攻性を持っている訳ですから。
松岡 
そうです、そういう事も考えていきたいですね。実を言うと私、高校卒業後は作業療法士の資格が取れる大学に入ろうとしたんです。演劇を活用していると聞いて。けど受からなくて、だから好きな事しようと思って芸大に入ったんです。でもこの間作業療法士の方とお話したとき、「現状、演劇を取り入れている療法士もいるけど、現状はそんなに使われている訳ではない」って。だから、まだまだやれる事はあるんだな、って。
__ 
なるほど。
松岡 
せっかくみんな演劇やってるのに、創作だけに全てを突っ込むのはもったいないって私は思っています。いいものを作る事は大前提で、そっちの方が難しいから頑張るのは分かるんですけど、仕事としていろんなことをやってみたらみんな愉快で楽しく生きれるよ、と思うんですね。演劇の可能性というのを考えるようになりました。実は私、親が二人とも学校の先生で、何ならおばあちゃんも先生でした。血筋って怖いですね。

じぶんの意思

__ 
いつか、どんな演技が出来るようになりたいですか?
松岡 
一つは、コメディが出来るようになりたいですね。
__ 
「じゅんすいなカタチ」の従姉妹はお笑いでしたけどね。
松岡 
あ、あれは自分でも出来るんやなあ、と思いました。あと、第0楽章の今井さん。化け物か、と思ったんです。私はああはなれないけど。
__ 
どんなところが?
松岡 
生っぽいというか、リアリティ。共演した時も、言いしれない魅力を感じて。襲われそうな気がしていました。女性が襲ってくるような危険な感じ。そんな事がしたいのかな。
__ 
今後、どんな感じで攻めていかれますか?
松岡 
完全に、最近攻める事を覚えましたからね。でも、うーん・・・それこそ、自分の意志を持つのが苦手というコンプレックスがあって、でもやっぱり、持ちたいという意志が強いですね。勉強したって、最終的には自分の意志ですから。それを持つ力というのを、劇団員と協力して培って、攻めて行きたいと思います。

ミニチュアランドセル

__ 
今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントを持って参りました。どうぞ。
松岡 
ありがとうございます。(開ける)かわいい!めっちゃ可愛いですね。すごーい。100円玉5枚入ります、って。くだらない事が書いてあるのがいいですね。私、こういう訳わかんないものが好きなんです。

__ 
最近、熊谷さんはどんな感じでしょうか。
熊谷 
最近は努力クラブの次回公演「ピエロどうもありがとうピエロ」の稽古です。あとウォークマンが壊れたり。
__ 
あ、そうなんですか。ちなみにどんな壊れ方したんですか?
熊谷 
わかんないんですよ、曲を聞いてたら途中で音が無くなってしまって。表示が出なくなったんです。
__ 
なんて曲ですか?
熊谷 
「だいじょうぶ」という曲です。
__ 
その歌を作った人にとっては最高の演奏だったかもしれませんね。
熊谷 
ああ、そうだったのかな。ただね、音が聞こえなくなっちゃっただけで、時間は過ぎていくんですよ。そういう意味では死んでないんですよ。
__ 
気の毒ですね。
熊谷 
むしろ、私が死んだみたいな感じじゃないですかね、向こうからしたら。
__ 
「ベルリン天使の詩」みたいですね。私は見た事は無いですけど。恋みたいな関係性じゃないですか。
熊谷 
はい、いいんですかね、こんな内容で。
努力クラブ
2011年3月に佛教大学劇団紫で団長をしていた合田団地と立命館大学劇団西一風で座長をしていた佐々木峻一を中心に結成。現在団員は四名である。京都を中心に活動している。本公演では、ネガティブな題材を用いてコメディをする。不条理なナンセンスコメディなんて自分たちでは言っているが、果たしてどうでしょうか。必見コント集というコントの企画では、今まで笑いの材料として用いられていないものを使って笑いを作ろうと思っています。そういうコントをしようと思っています。なんとなく嫌なものに対しての救いになりたいというのが、僕らの希望です。嗚呼、駄目なものに対して優しくありたい。アトリエ劇研サポートカンパニー。(公式サイトより)
努力クラブ第11回公演「ピエロどうもありがとうピエロ」
作・演出=合田団地
日時=8月5日(金)~8日(月)
8月5日(金)19:15~◇
8月6日(土)14:00~/19:15~
8月7日(日)14:00~/19:15~◆
8月8日(月)14:00~
◇終演後トーク:月亭太遊
◆終演後トーク:西マサト国王(B級演劇王国 ボンク☆ランド)・丸山交通公園(丸山交通公園ワンマンショー)
会場=アトリエ劇研
料金=一般前売2,000円 一般当日2,500円
料金=学生前売1,700円 学生当日2,200円

キャスト
安藤ムツキ(劇団月光斜)
池浦さだ夢(男肉 du Soleil)
大石英史
キタノ万里(dracom)
熊谷みずほ
酒井信古
佐々木峻一
杉本奈月(N2)
西野恭一(劇団ちゃうかちゃわん)
ヒラタユミ(ナマモノなのでお早めにお召し上がりください。)
丸山交通公園(丸山交通公園ワンマンショー)

スタッフ
舞台監督=濱田真輝
照明=吉津果美
衣装メイク協力=若松綾音
制作=築地静香
宣伝美術=きんにく 築地静香
協力=劇団月光斜、男肉 du Soleil、dracom、N2、劇団ちゃうかちゃわん、ナマモノなのでお早めにお召し上がりください。、丸山交通公園ワンマンショー、B級演劇王国 ボンク☆ランド、アートコミュニティスペースKAIKA
共催=アトリエ劇研
企画・製作=努力クラブ

vol.480 熊谷 みずほ

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2016/春
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熊谷
__ 
努力クラブの見所を教えてください。
熊谷 
見所ですか?
合田 
ふふふふふふ。
熊谷 
そうですね、やっぱり人と脚本が面白いので。出来るだけリラックスして見ていただけたらいいんじゃないですかね。
合田 
へー。ふふふふふ。
熊谷 
注目して見てほしいのは、大石英史さんと丸山交通公園さんとキタノ万里さん。すごく面白いです。
__ 
ええ、キタノさんは面白いですよね。
熊谷 
キタノさんがもの凄い勢いで笑うシーンがあるんですけど、合田さんがダメ出しをするとパっと素になって、それが凄く面白くて。

vol.480 熊谷 みずほ

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2016/春
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熊谷
__ 
今回、ご自身で何かテーマがあったりしますか?
熊谷 
そうですね、多分もの凄く私に寄せて役を頂いていると思うんですよ。だから、あんまり何も考えずに、舞台上で起こった事を素直に受け止めたいと思います。
__ 
あ、さっき稽古で一瞬見ました。うどん屋の店員役ですよね?
熊谷 
はい、あと何役かあるんですけど。どこまで喋っていいんですか?
合田 
あいいすよ。
熊谷 
私は常連のピエロさんに恋される店員なんですけど、なんか、ピエロさんはいつも変な時間に来るので、他のお客さんよりも話したりするんですよ。
__ 
ピエロに惚れられているんですね。ラブロマンスですね。
熊谷 
凄い辛い役ですけどね。
__ 
あ、辛いんですか!
熊谷 
個人的に。本を書いた合田さんに、こんな残酷な人間と思われてるのかな私と思いましたけどね。
__ 
残酷って、青春の残酷さと単なる残酷の二種類があると思うんですけど、どうでしょう。あ、青春残酷は相手の気持ちを分かっていながらヒドい事をするみたいな奴で、単なる残酷は単なる残酷です。
熊谷 
単なる残酷さの方やと思いますね。

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2016/春
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熊谷
__ 
熊谷さんは、一週間の内、一番好きな時間はなんですか?
熊谷 
遊ぶ予定があるとき、寝てる時、あとは、恋愛に関わっている時。稽古している時も好きです。多いなあ、でもそんな感じです。
__ 
先ほども一瞬、稽古場に居させていただきましたが、本番10日前の稽古場の雰囲気っていいですよね。
熊谷 
ちょうどいいですよね、ピリピリしてないけど、それまでの稽古の成果が見えてくるし。
__ 
そうそう、演出も具体的に追加されていって。そんな中で辛い役を演じるんですね。

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2016/春
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熊谷

質問 いのりさんから 熊谷 みずほさんへ

__ 
前回インタビューさせていただいた、いのりさんから質問を頂いてきております。「ジブリは好きですか?どの作品が好きですか?」ちなみにいのりさんは、ハウル・ラピュタ・ポニョ・紅の豚が好きだそうです。
熊谷 
コクリコ坂が好きです。映画館でもDVDでも面白く見ました。静かな作品なんですよ。恋愛の話でしたしね。
__ 
恋愛大好きですね。
熊谷 
恋愛脳です。

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2016/春
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熊谷
__ 
熊谷さんは、いつかどんな演技が出来るようになりたいですか?
熊谷 
観て喜んでもらえたら。でも、演出の理想に近づけたらなといつも思っています。
合田 
熊谷さんは何か、舞台上で凄く強いんですよ。輪郭がしっかりしているというか。周りの状況にあまり左右されない芯の強さがあって。それと、勘が凄く良いと思います。
熊谷 
うれしい!
合田 
何か、恋される感じ。その強さに委ねられる感じがあります。
__ 
きょうは恋の話多いですね。
熊谷 
私がいるからですかね。
合田 
でも努力クラブ、大体恋が出てきますけどね。
__ 
「彼女じゃない人に起こしてもらう」なんてタイトルからしてそうですからね。
熊谷 
あの話、最終的には付き合うんですか?
合田 
あの後どうなるんですかね?ずっとだらだらと付き合いそうですけどね。
__ 
ああ、心中はしなかったのか。二人。
合田 
結論は出さなかったですけどね。まああの二人はだらしなさそうですから。
__ 
あの二人は本当に、太陽とは関係ない感じですよね。
合田 
いや、太陽の元におんの辛いですからね。眩しいし。

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2016/春
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熊谷
__ 
熊谷さんはご自身の事をどんな演技者だと思われますか?
熊谷 
ふまじめだと思います。
__ 
なるほど。ふまじめな熊谷さんが楽しみですね。
熊谷 
ぜひぜひ!
__ 
今日のインタビューで、何か、もっと喋りたかった事などはありますか?
熊谷 
出来る事なら、もっと私の印象を聞きたかったですね。興味あります。時間さえあるなら。別にインタビューじゃなくて、いつでもいいんですけど。
__ 
熊谷さん美人だと思いますよ。
熊谷 
うわぁい。嬉しい。
合田 
ふふふふふ。
熊谷 
こんなん一生やってたいですね。
__ 
涙袋がチャームポイントですね。
合田 
・・・。
熊谷 
何か言ってくださいよ。
合田 
別に・・・。
熊谷 
涙袋はウチの祖母のれいこちゃんと一緒なんですけど、嬉しい。感謝しよう。
__ 
御祖母様モテてたでしょうね。
熊谷 
お祖父ちゃんにストーカーされたそうです。歳の差があるのに、だいぶ追いかけられたみたいで。
__ 
そりゃ相当惚れられてましたね。アツいですね。あ、そうそう、熊谷さんは結局愛嬌があるんですよ。鼻だってちょうど良い高さだし。
熊谷 
愛される程度の高さですよね。美人になりすぎると嫌われるので・・・何の話でしたっけ?
__ 
合田さん、やっぱり愛嬌が重要だと思うんですよ。確かこの間、Facebookにご自分の顔を載せて「女の子に見える」とか書いてたでしょう?分かりますよ。私だって風呂上りとか、たまに女の子に見えますもん。この現象、50歳ぐらいになっても起こり得ますよ。
熊谷 
だって、性別が違ったとしても顔自体は同じつくりですもんね。
__ 
努力クラブの登場人物は、全員、生命力が無いのにも関わらず愛嬌にあふれているじゃないですか。もしかして、合田さんは、土の中に生きている人に対して、自分にももしかしたら別の素敵な面があるかもしれない、ってそういうエールを(遠回しに)送りたいんじゃないの?
合田・熊谷 
(笑う)
__ 
もしかしたら、いま合田さんが多くの人に自分の作品を見てもらいたいと思うようになったのは、そういう事に気付けたから、じゃないの?
合田 
いや、生命力がないからやと思いますよ。
__ 
・・・?何がですか。
合田 
愛嬌。
__ 
え・・・?
熊谷 
生命力ある人は愛嬌ないですもんね。
合田 
助けられながらじゃないと生きていかれへん人たちだから愛嬌が必要なんですよ。
__ 
・・・太陽は愛嬌がない、って言いたいの?
熊谷 
愛嬌は要らないんですよ。見られる必要ないじゃないですか。
合田 
独立してますからね。
__ 
ああ、そうか、そのうえ勝手に周りが侍ってくるし。そういう事か・・・。じゃあ私もずっと、それにダマされていたって事か。
合田 
何にですか。
__ 
カリスマ性に弱いんですよ。カッコいいリーダーに弱くて、すぐ付いていってしまう。
合田 
弱みの見せ方が上手いんですよ。ああいう人らは。
__ 
それは愛嬌ではなく、計算だった。
熊谷 
いやあ面白い。

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熊谷
__ 
今後、どんな感じで攻めていかれますか?
熊谷 
可愛がってくれる人、面倒見てくれる人、そんな少数の人たちの前でいいパフォーマンスをしたいと思っています。一緒の稽古場だった人や、2回目呼んでくれる人は大事にしたいですし、大事にされたいです。
__ 
なぜ、そう思われるのでしょうか。
熊谷 
初めてのところだとか、私の事をあまり知らなかったりすると、お互い良いパフォーマンスが出来なかったりするじゃないですか。それは避けつつ。あと、自由なんのが好きなので、あまり忙しくない程度にやれればいいなと思います。
__ 
顔が見える範囲で?
熊谷 
そうですね、お客さんの目が見える範囲、挨拶が出来る規模でずっとやっていきたいですね。
__ 
寿司屋ですね。
熊谷 
うどん屋ではなく?寿司屋、いいですね。寿司屋女優になろう。
__ 
ああ、実は以前のインタビューで、公演の構成を寿司屋のようにする方向性があるんじゃないかという話題があって。開演前にお客さんと交流し、話していたら芝居が始まっていて、さらに終演の区切りを出来るだけ目立たなくする。寿司屋のカウンターのように、目の前で芸術が作られているという実感。
熊谷 
分かります。ライブ感はやっぱり大事っていうか。それが無くていいんだったらTVでいいですからね。そして、私の使い方を知って呼んで下さるところは、お客さんが見たい私のイメージ、と大体近いんだと思うんですよ。
__ 
ありがとうございます。

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熊谷

深谷かほる「夜廻り猫」

__ 
今日はですね、お話しを伺えたお礼にプレゼントを持ってまいりました。
熊谷 
ありがとうございます。開けますね。(開ける)ネコですね。漫画ですか?
__ 
はい。
熊谷 
ありがとうございます。めっちゃ読みますね。

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熊谷

努力クラブ第11回公演 ピエロどうもありがとうピエロ

__ 
ピエロどうもありがとうピエロ。本番10日前になりましたね。
熊谷 
もう?やばいですね。
合田 
そうやで。
熊谷 
チケット売らな。
__ 
合田さん、手ごたえはいかがですか。
合田 
手ごたえ、めちゃくちゃあります。脚本も、演出としても。ここのところずっとショーケースに作品を出させてもらってて、短い作品ですが回数をこなすとやっぱり上手くなりますね。如実に、セリフの運び方とかが上手くなってる気します。
__ 
技術的な面での向上を感じているんですね。
合田 
今回はピエロのような「面白い事をやるヤツ」の話で、ずっとしたかったんです。そういう感じの奴についての話。自分を面白いと思っていた奴が、そこに自信を持てなくなって悩む、という話ですね。
__ 
ありがとうございます。面白さって必ず失われる価値ですから、普遍的なテーマっぽいですね。例えば芝居の稽古で生まれた面白い演技が、練習を重ねると摩耗したりする、みたいな現象もありますよね。面白さと新鮮さってどんな関係を持っているんだろう。
合田 
ビックリする事は常に伴いたいなと思っていて。驚きと面白さは別の事なんですけど、セットになっていないといけない気がしています。稽古し過ぎると自分達に驚きがなくなっていくんですよね。それはあんまり良くないなとは思っています。
__ 
二つを保つコツ、コツって言い方はあんまりかもしれませんけど、どうでしょうか。
合田 
どうなんすかね。ダリが言ってた事なんですけど(うろ覚えなんですけど)「自分がマジメにやっているのかふざけてやっているのか、誰にも知られてはいけない。自分もそれを知っていてはいけない」という言葉があるとどこかで聞いて。それはいつも、心がけるようにはしていますね。
__ 
言いそうですね。
合田 
ダリ言いそうですね。
熊谷 
ダリ(笑う)。
__ 
真剣にふざける。
合田 
そうしていたら、本当に頭がおかしくなる、その瞬間が待っていると思うんですよ。
努力クラブ
2011年3月に佛教大学劇団紫で団長をしていた合田団地と立命館大学劇団西一風で座長をしていた佐々木峻一を中心に結成。現在団員は四名である。京都を中心に活動している。本公演では、ネガティブな題材を用いてコメディをする。不条理なナンセンスコメディなんて自分たちでは言っているが、果たしてどうでしょうか。必見コント集というコントの企画では、今まで笑いの材料として用いられていないものを使って笑いを作ろうと思っています。そういうコントをしようと思っています。なんとなく嫌なものに対しての救いになりたいというのが、僕らの希望です。嗚呼、駄目なものに対して優しくありたい。アトリエ劇研サポートカンパニー。(公式サイトより)
努力クラブ第11回公演「ピエロどうもありがとうピエロ」
作・演出=合田団地
日時=8月5日(金)~8日(月)
8月5日(金)19:15~◇
8月6日(土)14:00~/19:15~
8月7日(日)14:00~/19:15~◆
8月8日(月)14:00~
◇終演後トーク:月亭太遊
◆終演後トーク:西マサト国王(B級演劇王国 ボンク☆ランド)・丸山交通公園(丸山交通公園ワンマンショー)
会場=アトリエ劇研
料金=一般前売2,000円 一般当日2,500円
料金=学生前売1,700円 学生当日2,200円

キャスト
安藤ムツキ(劇団月光斜)
池浦さだ夢(男肉 du Soleil)
大石英史
キタノ万里(dracom)
熊谷みずほ
酒井信古
佐々木峻一
杉本奈月(N2)
西野恭一(劇団ちゃうかちゃわん)
ヒラタユミ(ナマモノなのでお早めにお召し上がりください。)
丸山交通公園(丸山交通公園ワンマンショー)

スタッフ
舞台監督=濱田真輝
照明=吉津果美
衣装メイク協力=若松綾音
制作=築地静香
宣伝美術=きんにく 築地静香
協力=劇団月光斜、男肉 du Soleil、dracom、N2、劇団ちゃうかちゃわん、ナマモノなのでお早めにお召し上がりください。、丸山交通公園ワンマンショー、B級演劇王国 ボンク☆ランド、アートコミュニティスペースKAIKA
共催=アトリエ劇研
企画・製作=努力クラブ

ピエロに対して言いたい放題

__ 
ハイタウン2016での「道をたずねるコメディ」が大変面白かったです。道を踏み外してそのままどこか知らないところへ言ってしまう彼らの彷徨っている姿が美しかった。
合田 
マジすか。美しかったって感想は初めてです。人によっては怖かった、と思われた事もあるみたいで。
__ 
例えばゲームの画面があったとして、彼らはその枠の黒い部分にはみ出ていくんですよ。そのはみ出た姿を克明に描いていたと思うんです。理由はともかく、あてどなくだけれども、どこかへ。外へはみ出すというのは、内にこだわっているからなのかな、とふと思った。今回のテーマである「ピエロ」も、本質的にはハミ出すみたいなところがあるのかなと思う。
合田 
はあ。
__ 
梅田駅にはたまにピエロが出没して手品を見せてくれるんですけど、私も一度みた事があって、すごくナーバスな気分になった事がある。異物感と健気さと・・・。
合田 
存在として悲しいですからねピエロは。人を喜ばせるためだけの存在ですから。
__ 
なのに子供って、ピエロを見たら絶対に泣きますよね。
合田 
感情が見えないから、じゃないでしょうか。
__ 
大人の姿をしているから、かな。
熊谷 
見た目だと思うんですけどね。人って、普通の人と異なるのは怖いじゃないですか。子供からしたら、いつも見ている大人よりも異様に白かったり鼻が赤くて大きかったりするんじゃないですかね。
__ 
ああ、分かります。人類の生活には登場しないですよあのデザインは。ちょっと思いついたんですけど、子供にしてみたら、ピエロは絶対に自分の要望は聞いてくれない。
合田 
ふふふふふ。
__ 
ピエロは結構厳しい存在なんですよ。
ヨーロッパ企画presents ハイタウン2016
公演時期:2016/5/5~8。会場:元・立誠小学校。

残酷なことに時間は平等

__ 
でもピエロの良いところって、一生懸命には生きているところですよねー。人生、そういう目的があったら良いですよね。これまでの努力クラブの作品には生きる目的を見出せない人がたくさん登場しているように思います。
合田 
ああ登場してますね(笑う)。
__ 
そういう人々って、これから先の生きていく時間に対してどんな捉え方をしているんでしょうか。
合田 
どうなんですかね。でも、わりかし辛くは無いと思うんですよ。努力クラブの脚本に登場してくるような人たちですよね。あの、ちょっと逆説的な言い方になるんですけど、生きる目的がないという状況自体は辛いと思うんですけど、辛い状態で居てるという事は、そんなに辛い状態ではないと思う。変な言い方になるんですけど、辛くないという状況が、辛かったり苦しかったりするんだと思う。生きる目的がないという状況があるために、その状況に甘えられると思うので。何の喜びもないし、辛さもないし、でもただただ時間が過ぎていくという生活をしていくんじゃないですかね。
__ 
自分が抱えている無目的さに凭れてしまう。
合田 
その状況自体は辛くはないと思うんですよ。そういう人に瞬間、楽しかったり辛かったりするのが訪れたら、それは極端な経験になると思うんですよね。それはその瞬間だけで終わってしまう。すぐ消えてしまって、感動するというところまで行かない気がしますね。
__ 
自分に何もないうえ、他人とのつながりを持つのも下手な人は何をするんだろうか。テロか?
合田 
それはきっと体力のある人なんだろうと思うんです。